JPH065956U - インクロール式小型プリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】活字シートと活字ドラムの接触面にインクが流
れ込むことを完全に防止することにより、活字シートあ
るいは活字ドラムに手を加える事なく、さらに、機能、
印字品質に影響を与える事なく活字シートと活字ドラム
の密着を防止して、機能不良の発生しないインクロール
式小型プリンタを提供することを目的とする。 【構成】活字４を表面に配した活字シート２の端面を、
接着部材３により全周にわたり活字ドラム１に接着した
ものである。 【効果】活字シートの端面から活字シートと活字ドラム
の接触面にインクが流れ込むことを完全に防ぐことがで
きるので、活字シートと活字ドラムが密着することはな
い。これにより、ハンマーがスムーズに活字を押し出す
ことができるので機能不良が発生することはない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は主に電卓等に搭載するインクロールにより活字にインクを塗布する形 式のインクロール式小型プリンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の技術は、特開昭５７−２５９６４号及び、特開昭５７ー２０３６ ０号によれば、図３に示すように、活字シート９と活字ドラム１０が接触する面 に、流れ込んだインクにより活字シート９と活字ドラム１０が密着することによ る機能不良を防ぐために活字ドラムに凹凸１１を設けたり、さらに図４に示すよ うに、活字シートに配置した凹凸１１上に非粘着物質１２を塗布していた。さら に特開昭５７−２５９６５号によれば、図５に示すように、活字シート９と活字 ドラム１０の密着を強制的に剥離させるために活字ドラム２内に剥離用ローラ１ ３を設けたものもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前述の従来技術においては、図４において、活字シート９の形状は複 雑なものであり、成形が非常に困難であるという問題を有していたと共に、非粘 着物質１２を塗布しているため製造コスト、および組立コストの低廉化の障害に なっていた。さらに、活字シート９に凹凸１１を設けたため活字シート９の厚み が厚くなり、印字時において活字シート９が飛び出し難くなるため印字品質に重 大な影響を与えるという問題も有していた。また、図３における活字ドラム１０ においても、成形が困難であり、製造コスト低廉化の障害になるという問題を有 していた。さらに図５においては、活字シート９と活字ドラム１０密着時の剥離 用ローラ１３による強制剥離のため、騒音の発生、さらに印字品質に影響を及ぼ し得る振動の発生という問題を有していた。

【０００４】 本考案はこのような問題点を解決するためになされたものであり、活字シート と活字ドラムの接触面にインクが流れ込むことを完全に防止することにより、活 字シートあるいは活字ドラムに手を加える事なく、さらに、機能、印字品質に影 響を与える事なく活字シートと活字ドラムの密着を防止して、機能不良の発生し ないインクロール式小型プリンタを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のインクロール式小型プリンタは、活字を表面に配した活字シートを巻 装した活字ドラムと、前記活字を前記活字ドラムの内側から押圧するハンマーと 、前記活字シートと当接して前記活字にインクを塗布するインクロールとからな るインクロール式小型プリンタにおいて、活字シートは、全周が活字ドラムに接 着されていることを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案によれば、活字シートの全端面は活字ドラムに接着されているため、イ ンクロールにより活字に塗布され、活字シートの表面を伝わったインクは、活字 シートの端面から活字シートと活字ドラムの接触面に流れ込むことはない。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案の実施例である活字セットの斜図を示したものであり、１は活字 ドラム、２は活字シート、３は接着部材であり、活字シート２の端面を全周にわ たり活字ドラム１に接着している。４は活字である。また、図２は本考案の実施 例におけるインクロール式小型プリンタの断面図を示したものであり、５はハン マー、６はインクロール、７はプラテン、８は印字紙である。

【０００８】 ここで、インクロール式小型プリンタの印字動作を図２を用いて簡単に説明す る。活字シート２が巻装された活字ドラム１は駆動モータ等により回転し、これ と共に活字シート２も回転することにより、インクロール６から活字シート２に 配された活字４に常にインクが塗布される。そこで、印字時において活字ドラム １は、所望の活字４がプラテン７と対向する位置にきたときに停止するように制 御されており（実際は駆動モータが制御される）、このときハンマー５が飛び出 して、活字４は印字紙８を介してプラテン７に押し付けられる。ここで活字４に は常にインクが塗布されているため印字紙８に印字がなされる。

【０００９】 上述したように活字４には常にインクが塗布されているため、活字４上の余分 なインクは活字シート２の表面を伝わり端面へと流れだしていく。ここで本考案 においては図１に示すごとく、活字シート２の端面を全周にわたり接着部材３に より活字ドラム１に接着しているため、活字シート２の端面から活字シート２と 活字ドラム１の接触面にインクが流れ込むことを完全に防ぐことができ、活字シ ート２と活字ドラム１が密着することを防止できる。このためハンマー５がスム ーズに活字４を押し出すことができるので機能不良となることを防止できる。

【００１０】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、活字シートの端面を全周にわたり活字ドラ ムに接着することにより、特に活字シートあるいは活字ドラムに手を加える事な く、さらに、機能、印字品質に影響を与える事なく活字シートの端面から活字シ ートと活字ドラムの接触面にインクが流れ込むことを完全に防ぐことができる。 これにより活字シートと活字ドラムが密着することはなく、ハンマーがスムーズ に活字を押し出すことができるので、機能不良の発生しないインクロール式小型 プリンタを提供することができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示す活字セットの斜図。

【図２】 本考案の一実施例におけるインクロール式小
型プリンタの断面図。

【図３】 従来技術の例を示す活字セットの断面図。

【図４】 従来技術の例を示す活字セットの断面図。

【図５】 従来技術の例を示す活字セットの断面図。

【符号の説明】

１ 活字ドラム ２ 活字シート ３ 接着部材 ４ 活字 ５ ハンマー ６ インクロール ７ プラテン ８ 印字紙 ９ 活字シート １０ 活字ドラム １１ 凹凸 １２ 非粘着物質 １３ 剥離用ローラ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 活字を表面に配した活字シートを巻装し
   た活字ドラムと、前記活字を前記活字ドラムの内側から
   押圧するハンマーと、前記活字シートと当接して前記活
   字にインクを塗布するインクロールとからなるインクロ
   ール式小型プリンタにおいて、 前記活字シートは、全周が前記活字ドラムに接着されて
   いることを特徴とするインクロール式小型プリンタ。