JPH0659221B2 - Dna運搬仲介物 - Google Patents

Dna運搬仲介物

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JPH0659221B2
JPH0659221B2 JP55069516A JP6951680A JPH0659221B2 JP H0659221 B2 JPH0659221 B2 JP H0659221B2 JP 55069516 A JP55069516 A JP 55069516A JP 6951680 A JP6951680 A JP 6951680A JP H0659221 B2 JPH0659221 B2 JP H0659221B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は抗原性蛋白質、肝炎Bウイルスに対するワクチ
ン及びその製法に関する。
最近まで肝炎は症状および疫学によつて第一に特徴付け
られた疾病であつた。1967年にブルムベルグおよび
共同研究者はまず肝炎B型による感染と結合した抗原を
記載した。〔ブルムベルグ、B.S.サイエンス、第1
97巻第17頁(1977年)参照〕その時以来広範囲
な研究が疾病について豊富な資料を寄与してきている。
作因物質は、肝炎Bウイルス(HBV)として知られて
いるDNAウイルスである。感染した患者の血清は感染
と結合する種々の粒子型を含有する。全ウイルス粒子は
実質的にエンベロプ、核およびDNAからなる球形のそ
して直径42nmであると考えられ発見者によつて“デイ
ン”粒子と称される〔デイン(Dane)、D.S.等、ラ
ンセツト1970−I、第695頁(1970年)〕。
エンベロプはブルムベルグによつて発見された表面抗原
(HBsAg)を含有する。核は免疫学的に異なる抗原、HBs
Agを含有する。デイン粒子から分離されるDNAは円形
で長さが様々の単一成分領域を含有する、サマー、j.
等、Proc.Nat.Acad.Sci USA72、第4597頁(197
5年)、ランダース、T.A.等、J.virol.第23巻、
第368頁(1977年)、フリツシユ、A.等、C.R.
Acad.Sci.パリスD287、第1453頁(1978
年)。表面抗原はHBVで感染した人の血清中にそして
一定の担体の状態に見出される。放射線免疫検定はHBsA
g、リング、C.M.等、J.Immunol.第109巻、第8
34頁(1972年)としてそして抗−HBsAg、ホリン
ガー、F.等、J.Immunol.第107巻、第1099頁
(1971年)として展開している。
HBsAgは免疫化学的にウイルスのエンベロプと結合する
物質をはつきりと示す。以前の研究はHBsAgが大多数の
成分としてグリコシル化およびグリコシル化していない
蛋白質を包含する様々な抗原性のいくつかの成分を含有
することを示している(ピーターソン、D.L.等、Pr
oc.Nat.Acad.Sci.USA74、第1530頁(1977
年)、ピーターソン、D.L.等、ウイルス性肝炎にお
ける病因学、疫学、発病学および予防の現代評価(G.
N.ヴイアス、S.N.コーエンおよびR.シユミツ
ド、eds.)第569〜573頁、フランクリン インス
テイチユートプレス、フイラデルフイア、1978
年)。さらに脂肪およびいくつかの追加の蛋白質成分は
表面抗原標本中に存在することが報告されている。Shi,
J.W.K.およびゲリン、J。L.J.virol。第21巻、第347
頁(1977年)。多数の蛋白質成分は各々ドデシル硫
酸ナトリウム(SDS)ゲル電気泳動、ピーターソン等
(1977年)上記に基づくグリコシル化していないお
よびグリコシル蛋白質として分子量(M.W.)22,
000および28,000ダルトンを有するとして報告
されていた。標本のSDSゲル電気泳動によつてHBsAg
のヒトの担体の血漿から分離される22,000M.
W.蛋白質のN−末端配列の9アミノ酸はMet-Glu-Asn-
Ile-Thr-(Ser)または(Cys)-Glyo-Phe-Leuであると報告
されていた(上記ピーターソン等、1977年)。
アミノ酸配列を示す標準の省略がここで用いられる。
Ala=アラニン Cys=システイン Gly=グリシン His=ヒスチジン Glu=グルタミン酸 Lys=リジン Gln=グルタミン Leu=ロイシン Asp=アスパラギン酸 Ile=イソロイシン Asn=アスパラギン Val=バリン Arg=アルギニン MまたはMet=メチオニン Ser=セリン Tyr=チロシン Thr=スレオニン Phe=フエニルアラニン Trp=トリプトフアン Pro=プロリン すべてのアミノ酸は別の方法で安定でない限りL−配置
で存在する。ここである場合にはメチオニンは翻訳の開
始で可能な役割を示すためにMによつて示される。同様
に分離される蛋白質に対するN−末端配列の19アミノ
酸はMet-Glu-Asn-Ile-Thr-Ser-Gly-Phe-Leu-Gly-Pro-Le
u-Leu-Val-Ser-Gln-Ala-Gly-Pheであることが報告され
ていた。(上記ピーターソン等1978年)グリコシル
化されていない蛋白質は免疫遺伝子であると報告されて
いるが上記ピーターソン等1977年に記載されている
ように分離したグリコシル化したペプチドはそうではな
い。しかしながら他の研究者は免疫遺伝子であるグリコ
シル化ペプチド成分を報告している、上記ゲリン、G.
L.等ウイルス性肝炎第147〜153頁(1978
年)中で。矛盾は十分には説明されていない。表面抗原
蛋白質の免疫遺伝は形態変化に感受性があることが知ら
れている。血清および血漿から表面抗原蛋白質の分離お
よび精製における洗浄剤の使用が恐らく免疫学的反応性
を減少させるのである。表面および核抗原を検出する能
力は輸血が発達した国においてHBV伝搬のより普通の
方法の1つであることから特に可能な供血者の選別とし
て非常に臨床上価値がある。現在部分的に精製したHBsA
gに対するデイン粒子の利用源は生産される抗体の質お
よび量を制限する。ウイルスは培養で増殖できないそし
て感染したヒトの患者からまたは高級霊長類の感染後得
ることができるだけである。それ故HBVのストツクを
維持しまたは所望量のウイルスまたはあらゆるウイルス
を得る手段はない。ウイルスは培養細胞または組織に細
胞病理作用がないため感染したウイルス粒子の測定手段
は一般に利用できない。遺伝学的に純粋HBVストツク
は本発明以前には利用れていない。これらの制限は受動
免疫法のさらに敏感な免疫分析に適した抗体および自動
免疫法に対する抗原の生産のために改良された量および
質でHBsAgを供給するだけにかなり制限している。さら
にその上ヒトまたは高級霊長類から外にウイルスを通過
することができないことはワクチンの生産に対して十分
な抗原を得ることを不可能にする。HBVの限定された
宿主範囲および組織培養細胞を感染することまでの失敗
はウイルスの研究を徹底的に制限しそしてそれが原因の
重病に対するワクチンの開発を妨害しているのである。
最近HBVおよび原発性の肝細胞の癌との関連が極めて
明白に示されている。疫学的研究は原発性肝細胞癌を有
する患者にHBsAgまたはHBcAgの高い相関を示している、
トリコポウロス、D等、ランツト、1978年第810
2頁。さらに重大なことには培養した肝細胞の癌細胞
(“アレキサンダー”細胞)の菌株はHBsAgを産生する
ことが知られている。それ故これらの細胞はHBVゲノ
ムの少なくとも一部を含有している。さらに肝細胞発癌
におけるHBVの役割の説明および癌の形質転換の分子
機構はウイルスまたはそのゲノムの保持および操作に対
する適当な生物学系の発達に依存する。
本発明はHBVゲノムまたはその断片の遺伝学上純粋な
株を維持、変性および複製するための生物学体系を初め
て提供するものである。系はワクチンに適した外膜およ
び核蛋白質のような遺伝学上純粋なウイルス性成分を生
成しそしてウイルス感染および複製方法の分子生物学の
研究の際に使用するウイルス性DNAを生成する方法を
提供するものである。後者はある種の自己免疫疾病およ
びある種の癌を包含するHBVが典型的に引起こす慢性
疾患の誘発を理解するのに有効なため特に価値がある。
本発明はHBV−DNAのクロン化 (cloning)および発現によって具体化される。新規な
DNA運搬仲介物はHBVゲノムの全部およびその一部
を含有している。運搬ベクトルは適当な宿主を転換する
ために使用され、それによつてクロン化ウイルス性DN
Aまたはその一部の実施を可能にしそしてまた所望量で
HBsAgの免疫学的に有効な蛋白質成分を包含するウイル
ス性蛋白質の生物学的合成を可能にする。HBsAgの免疫
学的に有効な蛋白質成分は有効な免疫法および抗血清の
産生のためのワクチンとして有用であり、さらに臨床の
選別試験および受動免疫を供給するために有用である。
S蛋白質と称されるHBsAgの精製された免疫学的に有効
な蛋白質成分およびその原核蛋白質断片を有する融合蛋
白質は微生物によつて合成されている。S−蛋白質およ
びその誘導体はHBVに対するワクチンを生成する抗原
として有用である。
全部HBVゲノムからなる新規なDNA運搬仲介物およ
びそこで転換される微生物は原出願の提出とともに19
79年5月23日付でアメリカンタイプカルチユアコレ
クシヨン、12301パークラウンドライブ、ロツクヴ
イル、Md.20852において寄託せられた。寄託した
運搬仲介物はATCC受託番号第40009号を有するpEco
63とここで称される。寄託した微生物大腸菌E.coliHB10
1/pEco63はATCC受託番号第31518号を有する。
HBV−DNAは一定のヒトのHBsAg担体の血漿中に存
在するデイン粒子から得ることができる。デイン粒子は
特異遠心法によつて部分的に精製することができる。デ
イン粒子から直接抽出されたDNAの多くは単一成分領
域を含有するのでDNAは単一成分空隙をふさぐことに
よつて初めに直される。普通のDNAポリメラーゼ反応
はデイン粒子から抽出されたDNA上で作用して使用す
ることができる。しかしながら好ましい方法はホルス
カ、J.F.等、J.virol.第21巻、第666頁(19
77年)に記載される通りそれ自体粒子中固有のDNA
ポリメラーゼ作用を利用するものである。好ましい方法
においてDNAがまず回復され、次いで粒子から抽出さ
れる。希望するならば放射性標示がポリメラーゼ反応中
に入れることができる。
クロンの目的に対して円形HBV−DNAはDNA運搬
仲介物に次の共有付加できる一つまたはそれ以上の部位
で内部分割しなければならない。付加処理はDNA−リ
ガース酵素によつて接触作用を及ぼし結紮と称される。
内部分割はその多くが技術において公知である非特異性
エンドヌクレアーゼを使用して行なわれ、DNA上の任
意部位でDNAのフオスフオジエステル結合の加水分解
に接触作用を及ぼすことができる。しかしながら好まし
くは分割は制限部位として公知の一定のデオキシヌクレ
オチド塩基配列内にあるフオスフオジエステルだけの加
水分解に接触作用を及ぼす一種またはそれ以上の制限エ
ンドヌクレアーゼを使用して行なわれるべきである。ロ
ベルツ、R.、Crit.Rev.Biochem。第4巻、第123頁
(1976年)参照。極めて様々な制限エンドヌクレア
ーゼが市販されている。HBVゲノムの大きさのDNA
の一定部分中の一定の制限部位の存在は非常に偶然の物
質である。いくつかの部位はしばしば見い出すことがで
きるが他のものは全然ない。我々はHBV−DNAが制
限エンドヌクレアーゼEcoRIに対する単一部位を含有す
ることを見出した。EcoRIによるHBV−DNAの温浸
は円形DNAを分子量の重大な変化を伴わない線状DN
Aに転換する。制限エンドヌクレアーゼを使用する結果
として線状温浸生成物のすべては末端に同一塩基配列を
有する。同様に酵素BamHIによる温浸は二つの線状DN
A断片を生成しゲル電気泳動による分子の長さに従つて
分別することができる。EcoRIおよびBamHI両酵素での温
浸はゲル電気泳動によつて定量した大きさがEcoRI部位
および二つのBamHI部位の相対位置について一定の結論
を可能にする三つの線状DNA断片を生成する。生成し
た断片の大きさについて種々の組み合わせの制限エンド
ヌクレアーゼの結果を分析することによつてお互いに関
して相対位置の制限を示すHBV−DNAの限定図を作
ることができる。かかる図はHBV−DNAに対する第
1図中に示される。
限定エンドヌクレアーゼの適当な選択によつてHBVの
全ゲノムまたはあらゆる部分を転移することができそし
て適当な宿主生体中で転移したHBV−DNAを複製す
ることができるDNA運搬仲介物に組合わせ部分を重ね
ることができる。
運搬仲介物および宿主の選択は所望の末端使用および関
連した生物の危険のようなある実際的な考察と相関しそ
して支配される。ウイルス性粒子の合成に対してまたは
ある間隔での発現の最大速度に対して真核生物(eucary
otic)宿主細胞がさらに適当であることができる。選択
された運搬仲介物は宿主中に入りそして複製することが
可能でなければならない。迅速なDNA実施・操作の容
易さそして安全性に対して遺伝学的純度の保持に対して
そして手引研究に対して大腸菌のような微生物宿主が好
ましい。多くのDNA運搬仲介物が大腸菌として知られ
ている。プラスミド運搬仲介物は単に便宜上ここで使用
している。
運搬仲介物へのHBV−DNA付加は好ましくは一定位
置で運搬仲介物を円形DNAに開くことが必要であり、
次に線状運搬仲介物DNAで線状HBV−DNAを結紮
して最初に分割した位置でヌクルオチド配列に挿入した
HBV−DNAを含有する円形組換え運搬仲介物を生成
する。好ましくは拡大に次いで挿入したDNAの回収す
るために運搬DNAおよびHBV−DNAの末端を組換
え運搬仲介物からHBV−DNAを特異的に除去するた
めの特定の手段を提供するために処理する。処理方法の
一つはベース連鎖が一つまたはそれ以上の制限位置配列
を包含する二重成分オリゴデオキシヌクレオチド“結
鎖”分子の添加を要する、シエラー、R.H.等、科学
第196巻、第177頁(1977年)。“末尾(tail
ing)”と称する第二の方法は末端トランスフエラーゼ
によって接触作用を及ぼした反応において各々エンドヌ
クレアーゼ−処理プラスミドおよびウイルス性DNAs
の末端でオリゴーGおよびオリゴーC配列の添加を包含
する。(DNA中の塩基配列はデオキシリボヌクレオチ
ドに属し、一方RNA中の配列はリボヌクレオチドに属
することは理解される。)結合点でGGCC配列が生成
し、それはHae IIIに対して特異的な制限位置配列であ
る。挿入した部分はHae IIIと消化作用によつてプラス
ミドから放出することができる〔ヴイラ−コマロフ、
L.等、Proc.Nat.Acad.Sci.USA第75巻、第3727
頁(1978年)参照〕結鎖方法は正確に定義される二
つのDNAs間の継ぎ目で配列を可能にする。末尾方法
は結合した分子のフアミリーを製造する。末尾につなぐ
ことによつて結合した一定のクロンは運搬仲介物遺伝子
から通続翻訳によつてクロン遺伝子の発現を可能にする
接合される運搬仲介物遺伝子として同様の翻訳読み枠を
有する1/3の確率がある。また挿入したDNAは同様の
翻訳方向で接合する1/2の確率があるので一定クロンが
発現することができる混成確率は1/6である、ポリスキ
ー、B.等、Proc.Nat.Acad.Sci.USA第73巻、第39
00頁(1976年)およびイタクラ、K等、科学第1
98巻、第1056頁(1977年)参照。それ故仲介
物および挿入物が枠読むことに関して相中にある証拠が
なくて表示が希望される場合に末尾につなぐことが好ま
しい。
希望される宿主への組換え運搬仲介物の移動は個々の宿
主−仲介物一組に適当な手段によつて達成される。プラ
スミドは転換によつて微生物宿主に一般に移動する。仲
介物含有宿主は宿主細胞の増殖が組換え運搬仲介物の随
伴増加を生じる結果とともにそれ自身の細胞分裂で行な
つて運搬仲介物を複製する。宿主細胞を含有する特定の
組換え挿入は適当な選択手段によつて確認することがで
きる。例えばプラスミドpBR322のPstI位における外因
性DNA断片の挿入はアムピシリン耐性を与える遺伝子
を妨害するので組換えプラスミドによつて転換した宿主
細菌はアムピシリン耐性ではない。転換されない細胞は
挿入によつて作用されない適当な運搬仲介物製造遺伝子
によつて選別することができる。単一宿主細胞を含有す
る組換え運搬仲介物の子孫はその細胞菌株の分枝と適当
に称される。運搬仲介物によつて生じる挿入DNA部分
はそれによつてクロン化される。それから出るコピーの
すべては非常に稀な任意の突然変異があるだけで同一塩
基配列を有する。組換え運搬仲介物を含有する宿主細胞
はコロンDNAに対して実質的に無尽蔵の供給源として
働く。
クロンDNAの表示はクロンDNAに相当するmRNAの合
成を写すことによつてまたはクロンDNAから写された
mRNAによつてコードされた蛋白質の合成を翻訳すること
によつて表わすことができる。転写式の発生はクロンD
NAで特異的にかけあわせることができるRNAの出現
によつて発見することができる。翻訳式は予期した蛋白
質に対して特異的な作用の出現によつて発見することが
できる。例えばかかる作用は酵素活性、ホルモン性活性
または免疫学的特異性でありそれはクロン遺伝子によつ
てコードされた蛋白質の特性である。ウイルス性遺伝子
生成物の場合にはHBVの場合におけるHBsAgまたはHBc
Agのような免疫学的反応性蛋白質の出現が最も好適な実
現性である。特異性結合反応の他の種類は一定の状況で
適当であることができる。固体相の位置で感受性のある
放射線免疫検定は転換された細菌の単一集落から式を検
出するために展開している、上記ヴイラーコマロフ、
L.等。
ウイルス成分を維持、複製および合成するために上述し
た生物体系は感染したヒトまたは高級霊長類中に直接ま
たは間接に検出されるだけのウイルスの臨床、生化学的
および遺伝学研究を行なう手段を提供する。本発明はウ
イルス関連疾病の臨床、生化学、免疫学および遺伝学研
究に対して全く新しい分野を開発するものである。系は
次の可能性を提供する。ウイルス生ゲノムは遺伝学上純
粋な形で維持そして複製することができる。直接アミノ
酸を配列することによつて得られる資料で関連のある場
合、ウイルス性蛋白質のアミノ酸連鎖に十分な資料を提
供するヌクレオチド配列資料を得ることができる。逆に
ヌクレオチド配列はアミノ酸配列よりも決定が容易であ
る。特に蛋白質の末端における部分アミノ酸配列は出発
点および読み枠を確定するために有用である。標示され
たウイルス性遺伝物質は感染した細胞ゲノムにおけるウ
イルス性付着を探し出しそして定量するかけあわせ実験
に使用することができる。ウイルス性蛋白質は宿主細胞
において示され、それによつて特徴、それらに対する抗
体の産生、検出および測定分析の開発およびその付加物
および誘導体の製造を可能にする。ワクチンはウイルス
生蛋白質から生産することができる。ワクチンは完全な
または感染性ウイルス粒子によつて全く感染しない記載
した方法によつて生産することができるのでかかるワク
チンは必要とされる量で利用されそして実質的安全因子
を提供することができる。ウイルス性蛋白質に対する抗
体はウイルス性感染の臨床診断に有用である。量的にウ
イルス性蛋白質を生産する能力はそれらの生化学特性お
よびウイルス性発病の一因となる作用の方法を研究する
ことを可能にする。前述の能力は本発明によつて可能と
なる研究の直接利益だけを説明するものである。捕え難
いまたは予知できない現象に関するさらに長い言葉の発
見もまた非常に重要であると予想することができる。
実施例1 ウイルス性DNAゲノムのクロン 二重成分の円形HBV−DNAを上記のフルスカ等によ
つて記載された通り25μgDNAを含有するデイン粒
子から得た。DNAを最初に酵素の消化生成物のゲル電
気泳動によつて制限エンドヌクレアーゼへの感受性に対
して選別した。ゲル電気泳動は核酸を分子量の長さによ
り分別する、ヘリング、R.等J.virol第14巻、第1
235頁(1974年)。EcoRIエンドヌクレアーゼで
DNA100ngの処理により約3200ベース対(bp)
の長さに相当する一つの鋭い帯を得た。BamHIエンドヌ
クレアーゼの同様の処理により約1200および200
0pb長さに相当する二つの断片を得た。制限エンドヌク
レアーゼをマサチユセツツ州のビバリーのニユーイング
ランド生物研究所から得た。単位は生産者によつて定義
した。限定エンドヌクレアーゼを使用する全反応を生産
者の勧める緩衝液中で行なつた。各々の場合に得た断片
の数から一つのEcoRI位置および二つのBamHI位置を含有
することを推定した。選択されたDNA運搬仲介物はプ
ラスミドpBR235であつた(ボリヴア、F.Gene第4
巻、第121頁(1978年)これはプラスミドpBR3
22から誘導され(ボリヴア、F.等Gene第2巻、第9
5頁(1977年)そして大腸菌プラスミドpBR325
を転換することができ、転換細胞にクロラフエニコール
耐性(Cm)およびアムピシリン耐性(Ap)を与
える遺伝子を運ぶ。EcoRI位置はEcoRI位置での外因性D
NAの挿入がCm遺伝子を無効にさせその間Ap
伝子は未変化のままであるようにCm遺伝子中に存在
する。転換した大腸菌の組換えクロンをクロラムフエニ
コール感受性およびアムピシリン耐性として確認し、一
方クロラムフエニコールおよびアムピシリンに感受性の
ある転換されない細胞は抗生物質の存在化では増殖しな
い。組換えしないpBR325で転換した分枝をクロラム
フエンコール耐性およびアムピシリン耐性として確認し
た。組換え菌株の増殖および選択に使用される微生物学
方法はコールドスプリングハーバー研究所のジエフレイ
H.ミラーによる分子遺伝学の実験(1972年)で記
載した標準方法であつた。
挿入法に対して精製pBR325、50ngおよび300ng
HBV−DNAをまず37℃で1時間EcoRIエンドヌク
レアーゼ10単位(10μ全容量)で共に処理し、線
状プラスミドDNAを生成した。反応混合物をEcoRIエ
ンドヌクレアーゼを不活性化するために5分間65℃に
加熱した。
DNAを2サイクルのエタノール沈殿によつて反応混合
物から分離した。沈殿物を緩衝濃縮液が50mMトリー
Hcl、pH8.0、1mMATP、10mMMgCL2および2
0mMジチオスレイトールを得るように添加された10
μHO中に再懸濁した。混合液を37℃5分間次い
で室温で5分間保温して前処理した。次いで混合液を氷
浴中で冷却しそして1単位T4リガーゼ(P−L生化
学、11,000単位/ml)で14℃15時間保温した。反応
混合液を標準技術によつて転換のために調製した大腸菌
細胞の懸濁液に直接添加した。選択された宿主細胞菌株
はボイエル、H.W.およびローランド−デユソイク
ス、D.J.Mol、Biol.第41巻、第459〜472頁
(1969年)によつて記載された大腸菌HB101で
あつた。個別菌株の選択は普通のものに基づいた。菌株
HB101は他のプラスミドを含有せずクロラムフエニ
コールおよびアムピシリンに感受性があり相対的に微生
物の株の増殖および維持が容易である。
組換えプラスミドを含有する転換細胞の単一集落をクロ
ラムフエニコール感受性およびアムピシリン耐性によつ
て判断されるように培養中に増殖してプラスミドDNA
源を与える。
培養をL−肉汁中で通気により増殖させそしてレイトロ
グ(late log)または定常相中で採集した。次に転換し
た細胞を上述のボリヴア、F.等および上述のボリヴア
のように1cmクヴエツトを使用して適当な最小培地中で
1.0の660nmの光学密度に成長させた。クロムフエ
ニコール170μg/mlを次に添加しそして培養を一晩
保温した。いずれの場合もプラスミドDNAを細胞溶解
質からスーパーコイルとしてクレウエル、D.B.およ
びヘリンスキー、D.R.Proc.Nat.Acad.Sci.USA第
62巻、第1159頁(1969年)に記載された臭化
エチジウムCscl密度勾配遠心法を使用して分離した。転
換細胞から調整したプラスミドDNAをEcoRIエンドヌ
クレアーゼで処理しそして前述の通りゲル電気泳動によ
つて分別した。一つの集落をバーンス、W.M.、科学
第195巻、第393頁(1977年)によつて記載さ
れたトウースピツク検定により大挿入物で生じるプラス
ミドを確認するために選別した。約1200bpの長さの
挿入を含有する二つの独立して分離された組換えプラス
ミドを次の研究のために選択した。これらをpEco-3およ
びpEco-63to称した。
同様の方法でHBV−DNAのBamHI断片を挿入のため
にプラスミドpBR322のBamHI位置を使用して別個に分枝
した。刻み目翻訳法(リグバイ、P.W.J.等、J.
Mol.Biol.第113巻。第237頁(1977年)によ
つて32Pで標示したデイン粒子DNA(200ng)を標
示されないデイン粒子DNA200ngおよび10倍濃縮
BamHI温浸緩衝液2μと混合した。DNAを5単位Bam
HIエンドヌクレアーゼと1時間37℃で温浸した。混合
液を65℃で5分間加熱処理し酵素および2サイクルエ
タノール沈殿によつて回収したDNAを不活性化した。
運搬仲介物、pBR322を同様にBamHIエンドヌクレアーゼ
で温浸しさらにウルリツチ、A.等科学第196巻、第
1313頁(1977年)で記載された滷性リン酸酵素
で処理した。デインDNAを温浸したBamHI(250ng)を
pBR322 680ngと保温し、前述の通り50mMトリスーHc
l,pH8.0、1mMATP、10mMMgCl2、20mM
ジチオスレイトールおよびT4DNAリガーゼを含有し
次に14℃で15時間前加熱処理する反応混合液中で前
述の通り処理した。結紮反応混合液を大腸菌を転換する
ために使用しそして転換物をアムピシリン耐性およびテ
トラサイクリン感受性に対して選択した。約2100pb
BamHI断片を生じる組換えプラスミドをpBam-132と称し
た。より小さい断片約1100bpを生じるプラスミドも
また得られpBam-69と称した。EcoRI位置が約2100pb
BamHI断片内にあるので(第1図参照)、コロンEcoRI−
処理HBV−DNAから1100pbBamHI断片をコロン
することが可能となつている。pEco-63からHBV−D
NAの調製をHBV−DANを放出する特異分裂により
得そしてpBR325のPstI位置で挿入した。この操作にお
いてプラスミドpEco63(3μg)をまずEcoRIエンドヌ
クレアーゼで温浸し次いで各反応に対して前述した条件
下でDNAリガースで処理した。次いで円形pBR325およ
びHBV−DNAの生成混合物をPstIエンドヌクレア
ーゼと保温しDNAリカースを使用して再接合した。pB
R325およびHBV−DNAが共に一つのPstI位置を有
するので全HBV−DNAをpBR325のPstI位置で挿入
することができる。生成組換えプラスミドをpPst-7と称
した。
実施例2 組換えプラスミド中のウイルス性DNAの同定 pEco-3、pEco-63、pBam-132およびpPst-7組換えプラスミ
ドを転換細胞を増殖し、それからDNAを分離し、そし
て臭化エチジウムの存在下平衡密度勾配遠心分離によつ
て組換えプラスミドDNAから宿主細胞DNAを分離す
ることによつて調製した。次いで組換えプラスミドDN
Aを各挿入位置に特異の限定エンドヌクレアーゼで処理
した。DNAを電気泳動によつて分別し、サウザン、
E.M.J.Mol.Biol。第98巻、第503頁(197
5年)の方法によつて分析した。サウザン法においてD
NAをまずアガロースゲル電気泳動によつて分別し次い
でこの位置で変性しそしてニトロセルロ−スフイルタ−
にゲルから直接移動した。従つてゲルのバンドパターン
をニトロセルロ−スフイルタ−上に複製する。変性した
DNAはニトロセルロ−スフイルタ−に結合する。フイ
ルタ−結合DNAを公知の元の32P−標示DNAとの混
成によつて固定する。HBV−DNAクロンの場合には
デイン粒子からの32P−標示DNAを混成プローブとし
て使用した。結果を第2図に示した。レーン1、2、3
および4は各々pEco-3、pEco-63、pBam-132およびpPst-7
を示す。第2A図(暗い面に鮮明な線)は混成の前のD
NAのゲル電気泳動パターンを示す。各場合に二つのバ
ンドが見られ、臭化エチジウムで染色する螢光によつて
可視が出来る。最上部のバンドはレーン1、2および4
の線状運搬仲介物DNA、pBR325およびレーン3のpBR3
22であり、低部のバンドは推定のHBV−DNAであ
る。(小さい方のDNA断片は図が示すように下方に移
動する。)レーンAはHind III−処理バクテリアフアー
ジDNAから調製した標準である。第2B図は32P−H
BV−DNAで混成後のニトロセルロ−スフイルタ−の
自動レントゲン写真である。混成DNAのバンドが各場
合に推定のHBV−コロンDNAに相当すると観察さ
れ、一方極めて小さな32P−DNAがプラスミドDNA
バンドに混成したと観察される。プラスミドに混成した
32P−DNAがpBR325でわずかに感染したことがわかつ
た。恐らくプラスミドバンドで観察された程度の混成と
評価する。この様に全ての分枝系を同定のために試験し
た。従つて試験した四つのプラスミドはHBV−DNA
を運ぶことを示した。
第2C図はプローブとして独立して調製した32P−標示
デイン粒子DNA試料を使用する独立した実験の結果を
示すものである。レーン1はEcoRIエンドヌクレアーゼ
で温浸し臭化エチジウム蛍光染色(暗い面に鮮明なバン
ド)によつて可視化したpEco 63を示す。レーン2は放
射能写真によつて可視化した(明るい面に暗いバン
ド)、32P−標示デイン粒子DNAに対するレーン1の
DNAの混成を示す。レーン3は入DNAのHind III温
浸によつて調製した分子量標準を示す。レーン4はBamH
Iエンドヌクレアーゼで温浸したpBam-132DNAを示
す。レーン5は32P−標示デイン粒子DNAとレーン4
DNAのとの混成を示す。レーン6はPstIエンドヌク
レアーゼで温浸したpPst7DNAを示す。そしてレーン
7は32P−標示デイン粒子DNAとレーン6DNAの混
成を示す。
実施例3 転写発現 組換え運搬仲介物によつて転換した宿主細胞から分離し
たmRNAがウイルス性DNAで補充することを示すこ
とによつて転写発現を示した。ここで使用した実験方法
はアルウイン、J。C.等Proc.Nat.Acad.Sci.USA第7
4巻、第5350頁(1977年)である。アルウイン
等の方法でゲル電気泳動によつて分別したRNAをゲル
バンドパターンを保存固体相支持体に直接移動する。32
P−標示DNAプローブに対する混成を固体相支持体上
で実施する。この方法は実施例2で記載した技術に類似
しているがRNAがニトロセルロースフイルターに結合
しないので詳細では異なるものである。アルウインの方
法ではジアゾベンジルオキシメチル紙を電気泳動ゲル
から移動したRNAを結合するために使用する。RNA
を結合した後、誘導された紙を過剰のジアゾ基を32P−
標示プローブの非特異性結合を防ぐために加水分解処理
する。
この実施例において使用した標示DNAプローブを宿主
菌株の増殖中32Pで標示されたpEco−3またはpEco-63
DNAを分枝した。標示したプローブのpBR325部分とそ
のmRNAとの間の混成を除くために標示されないpBR3
25の50倍量を混成混合液に添加した。
RNAを100mlバツチ中中間(mid-log)工程相に生
長したpEco−3、pEco-63、pBam-69、pBam-132、pPst-7ま
たはpBR325を運ぶ宿主細胞から分離した。GSAロータ
ー(デユポンインスツルメント、ニユートン、コネチカ
ツト)中で6000rpmで10分間遠心分離で細胞を収
集した。ペレツトを10mMトリス、pH7.6、5mM
酢酸マグネシウムおよび10mMKCL中で再懸濁さ
せ、次いで1mgリゾチームを含有する管に移した。次い
で細胞を急速冷凍し、2.5mlの10%(w/v)ドデ
シル硫酸ナトリウムを添加し、解凍して十分に混合し
た。酢酸ナトリウム、1M、pH5.2、0.25mlを撹
拌しながら添加した。
RNAを37℃で30分間断続的に混合することによつ
て水飽和フエノール2.5mlで抽出した。水相を除去
し、新しい水飽和フエノールで再抽出した。次いで水相
をエーテルで抽出した。5000rpmで5分間遠心分離
が相の分離に有効であつた。界面のゴム状物質を放棄し
た。RNAを5MNaclの2/3容量およびエタノール2.
5容量の添加で沈殿させ−20℃で一晩培養した。沈殿
物を10,000rpmで(HB4ローター、デユポンイ
ンスツルメント社、ニユータウン、コネチカツト)−2
0℃で20分間遠心分離して収集し、エタノールで1回
洗浄し次いで10mMトリス、pH7.4、1mM ED
TAに再溶解した。溶液をHB4ローターで10,00
0rpmにおいて0℃で10分間遠心分離しペレットを捨
てた。上澄み溶液に4.5M酢酸ナトリウムpH6、8ml
を添加し、−20℃で8時間選択的にRNAを沈殿し
た。沈殿物をHB4ローター中−20℃で20分間1
0,000rpmで遠心分離することによつて収集した。
前述の沈殿は約70%のDNAを一般に除いた。沈殿物
を3.5mlのトリス、10mM、pH7.4、1mMED
TA、nmlの酢酸ナトリウム中に再懸濁させ、再び沈殿
させた。最終ペレツトを0.4mlのトリスEDTA中に
再懸濁させ冷凍貯蔵した。
前述の通り調製したRNAをレーンに対して10μgR
NAを使用するアルウイン等によつて記述された通り混
成分析のためにゲル電気泳動によつて分別した。結果を
第3図に示す。第3A図は蛍光染色によつて可視化され
るようにゲル電気泳動結果を示すものである。いずれの
場合も二つの主要なRNAバンドが16Sおよび23S
リボゾームRNAに相当すると見られる。第3B図は各
々のゲル中でRNAに混成できるpEco63、10cpm/
μgから32P−HBV−DNAの自動レントゲン写真を
示すものである。レーン1〜6は次のプラスミドで感染
した細胞から抽出したRNAでの結果を示すものであ
る。レーン1はpBam−69、レーン2はpBR325、レーン
3はpPst−7、レーン4はpEco−63、レーン5はpEco
−3、レーン6はpBam−132を示す。レーンAおよび
レーンBは各々精製したバクテリアフアージMS−2R
NAおよび大腸菌リボゾームRNAの標準である。
混成物質は各場合に見出され、混成範囲は組換えプラス
ミドの場合に大きい方が重要であることがわかる。さら
にその上混成物質の大きさに比べて、大なる分枝pEco−
63およびpEco−3がより広範囲のRNAの大きさにそ
してより短い挿入、pBam−69およびpBam−132がす
るよりもさらに長い最大の長さのRNAに上昇を与える
ことが見られる。
前述のデータから分枝HBV−DNAの転写表現が大腸
菌に生じることが明らかである。
実施例4 HBV−DNAのヌクレオチド配列 全HBVゲノムの配列を実施例1に記載したプラスミド
pEco−3、pEco−63またはpPst−7に運ばれた分枝H
BV−DNAから得た。それはマキサム、A.およびギ
ルベルト、W.Proc.Nat.Acad.Sci.USA第74巻、第56
0頁(1977年)の方法によつて得た。表1に配列を
示した。配列をEcoRI分割位置で始まる線状配列のよう
に書いている。両成分の配列を示し、各線の上部配列を
5′から3′まで左から右に読まれ、低(補充)配列は
3′から5′まで左から右に読まれる。使用した略号は
デオキシヌクレオチド配列のベースを示し、アデニンに
対してはA、チミーンに対してはT、グアニンに対して
はGおよびシトシンに対してはCを示す。
実施例5 HBV−DNAのヌクレオチド配列をベースにして実施
例4で定量した通り、S−蛋白質に対してコードしてい
る配列位置HBsAgの免疫学的に有効な蛋白質成分は上記
ピーターソン、D.L.等(1978年)から知られて
いる。約1,100bp長さの小さい方のBamHI断片は蛋
白質成分のN−末端19アミノ酸に類似の配列に対して
コードしているヌクレオチド配列を含有することが見出
されそしてまた同様の三つのC−末端アミノ酸に対して
N−末端配列を有する相において正にTAA末端コドン
に先立つてコードするピーターソンによつて記載され
た。この配列によつてエンコードされた蛋白質は226
のアミノ酸の長さで25,398の分子量を有しゲリ
ン、J.L.およびShi,J.W.Kによつてまたは上記
ピーターソン等(1978年)によつて分離したHBsAg
の他の蛋白質成分のドデシル硫酸ナトリウムゲル電気泳
動で定量された物質(22,000〜24,000)と
よく一致している。ここで記載した226アミノ酸蛋白
質をS蛋白質と称す。参考のために配列をコードしてい
るS蛋白質の読みとり構成物を構成物1と称す。構成物
2および3を各々1およびヌクレオチドの方に移動す
る。配列をコードしているS蛋白質の最初の9ヌクレオ
チドに基づく次の図式で関係を説明する。
ヌクレオチド配列から予想されるS蛋白質のアミノ酸組
成物は上記ピーターソン等(1978年)によつて記載
されたHBsAgの蛋白質成分として報告されたものと極め
て一致している。しかしながらN−末端アミノ酸配列は
セリンの代りに15の位置にロイシン残渣を有すること
によつて前に報告したものと異なる。領域をコードして
いるS蛋白質の地図位置を第4図に示す。
真核生物遺伝子、ロバートソン、M.S.等、ネイチユ
ア第278巻、第370頁(1979年)の中間配列の
優勢の為、蛋白質生成物のアミノ酸配列を有する遺伝子
のコリネアリテイ(colinearity)を推定することは不
可能である。しかしながらS蛋白質遺伝子中の中間配列
の照明はない。それはDNA配列によつて予想される分
子が表面抗原の免疫学的に有効な成分の特徴に近似して
いるからである。あらゆる中間配列が小さく(150以
下のベース)構造遺伝子のほとんどの中間配列は長い。
分子のN−末端およびC−末端の末端は相中にあり、従
つてあらゆる中間配列もまた相を維持しなければならな
い。それ故結論として同定したS蛋白質のコード領域が
mRNAとコリニア(colinear)であると判断される。
DNAヌクレオチド配列に基づくS−蛋白質の完全なア
ミノ酸配列を表2に示す。蛋白質化学において使用され
る標準略記をアミノ酸を表わすのに使用する。S−蛋白
質に対して同定される出発点は表2中のヌクレオチド1
564〜1566によつてコードされたメチオニン残基
である。第4図および表2中に示した通りS−蛋白質コ
ード領域はヌクレオチド1042〜1044によつてコ
ードされたメチオニン次にヌクレオチド1075〜10
77またはヌクレオチド1399〜1401によつてコ
ードされたメチオニンに始まるアミノ酸の付加N−末端
配列に対して実質的なコード領域を包含する。これらの
領域によつてコードされた蛋白質はHBrの成分として認
められなかった。しかしながらかかる蛋白質は感染方法
でまだ未知としての生物学作用の役目をすることができ
る。さらに記載した出発点から開始した蛋白質はヌクレ
オチド配列を自然に生じることによつてコードされたN
−末端アミノ酸配列を有する有用なS−蛋白質誘導体で
あり、S−蛋白質自体より分子量が大きくそして高い抗
原性を有する。これらのS−ペプチド類似物は免疫およ
び検出目的に対してS−蛋白質に対して向けられた抗体
を引き出すのに有用である。
S−蛋白質コード領域の両端の近くに位置した二つのTa
cI限定位置がある。小さい方のBamHI断片を鈍感な末
端を与えるためTacIエンドヌクレアーゼで処理した。H
ind III結鎖を鈍感な末端結紮によつてTacI断片の鈍感
な末端に付けた〔スギノ、A.等、J.Biol.Chem.第25
2巻、第3987頁(1977年)〕。次いで断片をプ
ラスミドptrpED50から誘導された〔マーシアル、
J.等、科学、第205巻(1977年)〕表示プラス
ミドptrpE30に挿入した。プラスミドptrpE30は技
術者、助触媒減衰器およびトリプトフアンオペロンの配
列を結合するリボゾームを通常の翻訳の方向にHind III
位置によつて続くtrpE蛋白質の7アミノ酸にたいして
コードしているヌクレオチド配列を伴つて含有する。こ
のプラスミドをHind III位置の挿入の際にS蛋白質の表
示に適合する公知の読み枠を与えるのに便利に使用し
た。
表示プラスミドptrpE30をHind IIIエンドヌクレアー
ゼで前処理した。次いで処理したS−蛋白質をコードし
ている断片を接合反応に触媒作用を及ぼすDNAガーセ
によつて処理したプラスミドに挿入した。ptrpE30の
Hind III位置は挿入したS−蛋白質をコードしている配
列を有する相中の読み枠を与える配列データから知られ
る。大腸菌HB101の転換はトリプトフアンオペロン
制御下でtrpE−S蛋白質融合蛋白質の表示に導きそし
て次に記載する通りβ−インドリルアクリル酸で誘導す
ることができる。この菌株を大腸菌HB101/ptrpE
30−HBsAgと称した。
ptrpE30/HBsAgによつて転換された細菌細胞をロイ
シン、プロリン、ビタミンBおよびアムピシリンで補
充した標準最小培地(M9)中37℃で増殖した。初期
のログ相でtrpオペロンをβ−インドリルアクリル酸
(培地ml当り30μg)の添加によつて誘導した。コン
トロール培養は誘導しないままにした。3時間以上の増
殖後、細胞1.5mlを20μC;35S−L−メチオニ
ンの添加および10分間温浸して放射性を標示した。次
に細胞を遠心分離によつて収集し洗浄してそして0.0
625MトリスpH6.8中グリコール10%(v/
v)、β−メルカプトエタノール5%(v/v)および
SDS2.3%(w/v)を含有する緩衝液250μ
中に再懸濁した。懸濁液を5分間沸騰させ、次いで10
%(w/v)SDS−ポリアクリルアミドゲルに適用し
そして電気泳動で分別した。蛋白質バンドが放射能写真
によつて可視化された。結果を第5図に示す。
転換されたHB101ptrpE30−HBsAgの個々の分離
物を各々p126、p135、p146、p150、p
155およびp166と称した。誘導したおよび誘導さ
れない培養の蛋白質を並行して各々例えばp126ind
またはp126を標示した対照として示す。標準は挿入
物のないptrpE30で転換した細胞および各々分子量
(M.W.)69,000(“69K”)、43,00
0(“43K”)、30,000(“30K”)および
14,300(“14.3K”)を有する牛の血清アル
ブミン、オバルビン、炭酸脱水酵素、およびリゾチーム
である公知の大きさの混合物または蛋白質を包含する。
trpE−S蛋白質融合蛋白質の表示を誘導された培養に
独特な、分子量約27,000を有する蛋白質の第5図
中に小さな矢で示したバンドの出現によつて示した。tr
pE−S蛋白質融合生成物の計算分子量は27,458
である。融合蛋白質はtrpE蛋白質のN−終点から7ア
ミノ酸およびHind III結鎖およびTacI位置とS−蛋白
質コード領域の開始の間にあるヌクレオチドによつてコ
ードされた12アミノ酸を包含する。融合蛋白質のアミ
ノ酸配列はMet-Gln-Thr-Gln-Lys-Pro-Thr-Pro-Ser-Leu-
Ala-Arg-Thr-Gly-Asp-Pro-Val-Thr-Asn-Sであり、Sは
S−蛋白質のアミノ酸配列を表わす。
S−蛋白質コード領域の標示をHBsAgに対する抗体で免
疫化学反応性によつて、標示されたHBsAgで競合放射線
免疫検定において(AUSRIA、商標アボツトラボラ
トリーノースシカゴイリノイ州)検出した。また標示を
免疫沈殿によつて検出する。大腸菌HB101/ptrpE
30−HBsAgの培養をβ−インドリルアクリル酸で誘導
し、3m試料パルスを2μCiの14C−標示アミノ酸
または35S−メチオニンで一定時間誘導後種々の間隔で
標示する。0および4時間誘導された培養からの試料を
マーシヤル、J.A.等Proc.Nat.Acad.Sci.USA第7
4巻、第1816頁(1977年)に記載した通り抗原
抗体コンプレツクスを収集するためにホルムアルデヒド
処理スタフイロコツカスオーレウスを使用してHBsAgに
対して抗体と反応後、免疫沈殿する。沈殿した蛋白質を
溶解しそしてSDSポリアクリルアミドゲル中で電気泳
動によつて分別する。結果は免疫沈殿出来る蛋白質が誘
導後のみ実質量で出現しトリプトフアンオペロン制御下
でS−蛋白質コード領域の標示を確証しそしてHBsAgに
対して抗体でS−蛋白質の免疫学反応性を確証すること
を示す。個々の細菌集落によるS−蛋白質の標示をブル
ーム、Sおよびギルバー、W.Proc.Nat.Acad.Sci.USA
第75巻、第3727頁(1978年)のポリビニル円
板法の変性によつて検出する。十分に洗浄したポリビニ
ル円板を未標示のIgGの溶液に(この場合HBsAgに対する
抗体からなる)0.2MNaHCO3中10〜60μg/m
濃度、pH9.2で3分間浮かべる。次いで円板を洗浄緩
衝液中で(10mg/mゼラチン、1%血清(ヒト、ウ
サギまたはギネア豚)0.1%NP40、0.02%Na
N3のリン酸塩緩衝塩中)2回洗浄する。円板を次いで溶
解した細菌集落または寒天に吸収した小さな液体試料を
含有する寒天板に適用する。細菌集落の溶解を三つの方
法のいずれか一つで達成することができる。
1)乾燥器中で10〜20分間CHCl3に露出する 2)リゾチーム、EDTAおよびトリス−HCl pH9を含有
する寒天板に細菌集落を移動する。
3)リゾチーム、EDTA、トリス−HCl、10%洗浄緩
衝液および1%アガロース溶液と共に集落を含有する寒
天板を置く。重塁を固化した後、被覆したポリビニル円
板を直接に適用することができる。
三方法はすべて同様の感受性を有するようである。重塁
技術は溶解操作後陽性集落から細菌を回収することがで
きる利点を有する。4℃で1〜4時間温浸した後、ポリ
ビニル円板を再び洗浄緩衝液中で2回洗浄する。現在ポ
リビニル円板を4℃で一晩洗浄緩衝液(2×10cpm
/m)中125I−IgG(抗−HBsAg)2mで温浸す
る。ポリビニル円板を個々に15分間洗浄緩衝液中42
℃で2回洗浄し、次いで室温で蒸留水中2回洗浄する。
次いで円板を−70℃に18〜48時間X−線フイルム
に露出する。抗原を有する区域は現像したX−線フイル
ム上に暗点として現われる。抗原を有する集落をS−蛋
白質コード領域を表示するものとして同定する。培養を
大規模にS−蛋白質を生産する目的で選択した集落から
増殖する。trpE−S蛋白質融合生成物をゲル過およ
び親和クロマトグラフイを包含する普通の手段で(細
胞)溶解質から精製する。
実施例6 S−蛋白質の細菌合成 実施例5の表示生成物はS−蛋白質およびtrpE蛋白質
(最初N−終点から7アミノ酸)、Hind III結鎖(次3
アミノ酸)およびTacI位置とS−蛋白質を開始するメ
チオニンの間のHBVゲノムの一部(9アミノ酸)から
誘導される19アミノ酸N−末端配列からなる融合蛋白
質である。ヒトのワクチン注射を含む多くの適用に対し
て、表2に示した通り、S−蛋白質自体の合成または性
質でコードした誘導体の一の合成を達成することが好ま
しい。エクソペプチダーゼ(アミノペプチダーゼ)で限
定した処理によつて19アミノ酸N−末端配列を除去す
ることが可能であるがS−蛋白質の生産は低いことが予
想される。
S−蛋白質自体の表示を融合蛋白質の宿主部分に対して
コードしているヌクレオチドを形成物から除去しそして
S−蛋白質組織遺伝子の出発コドンに先立つ後者のあら
ゆるヌクレオチドから除去するために表示プラスミドお
よびS−蛋白質コード断片の両方を変性することによつ
て達成することができる。あらゆる表示プラスミドを好
ましくはptrpE30またはpBH20(イタクラ等、科学
第198巻、第1056頁(1977年)のような翻訳
のかじまりに近い挿入位置を有するものを使用すること
ができる。
短いヌクレオチドセグメントを除去する処理をエキソヌ
クレオチツク(exonucleolytic)酵素を使用して達成す
る。好ましい酵素はT4ポリメラーゼであり、添加した
デオキシヌクレオチドトリフオスフエートなしで二重成
分DNAのエキソヌクレオチツク(exonucleolytic)消
化を3′〜5′接触作用を及ぼす(イングランド、P.
T.、J.Biol.Chem.第246巻、第3269頁(19
71年)。温浸の範囲を技術において公知の原理に従つ
て適当な温度、反応時間および酵素量の選択によつて制
御する。最適反応条件を酵素の各ロツトおよび変性した
各DNAに対して決定しなければならないので各場合に
実験法が必要となる。これらの方法で温浸の範囲を制御
することができる。前決定中止点で温浸の終末を一つの
デオキシヌクレオサイドトリフオスフエートを反応混合
液中に包含し、所望の中止点に対応することによつて得
る。具体的にはdATPの存在下、DNAをポリメラーゼが
dA残渣に達するまで3′〜5′温浸し、その点でさら
に正味の温浸を止める。各々前決定される中止点を有す
るいくつかの温浸サイクルを前決定終末点を有するDN
A分子を構成するために順次実施することができる。T
4ポリメラーゼを有するエキソヌクレオチツク(exonuc
leolytic)消化は3′終点を有する成分だけに作用す
る。補充成分は対でない単一成分末尾として残存しそれ
もまた除去しなければならない。S1ヌクレアーゼはこ
の目的に対して好ましい酵素である。T4ポリメラーゼ
およびS1ヌクレアーゼで結合した処理の生成物は鈍感
な終末の二重成分DNAである。
上述した処理を今の表示プラスミドを処理するために使
用され、融合蛋白質の宿主部分に対してコードしている
ヌクレオチドを除去する。保護される本質的な要素を表
示単位と称す。表示単位は助触媒および宿主生体中で作
用することができるリボゾーム結合位置を包含する。実
際の問題として融合蛋白質の宿主部分に対してコードす
るヌクレオチドを正確に除去することは必要ではない。
リボゾーム結合位置と開始コドン(AUP)間の関係は
出発コドンをリボゾーム結合位置の3〜11ヌクレオチ
ド内のどこにでも位置することができることである、シ
ン等、Proc.Nat.Acad.Sci.USA、第71巻、第1342
頁(1974年)、ステイツ、J.等、Proc.Nat.Acad.
Sci.USA、第72巻、第4734頁(1975年)。こ
の3〜11ヌクレオチド領域において出会うべき最初の
AUGは翻訳のためによみとり構成物を定める。実施例
5に記載した通りPtrpE30の場合にはHind IIIから2
3〜29ヌクレオチドの最小限の除去はトリプトフアン
オペロン制御下、表示単位に挿入のために位置を与え
る。
Hind IIIエンドヌクレアーゼによるPtrpE30の消化を
実質的に限定酵素でプラスミドDNAの分割に対して実
施例1に記載された条件下で実施する。処理DNAを二
サイクルのエタノール沈殿によつて反応混合液から回収
する。一つの最適T4ポリラーゼ温浸反応においてDN
A15μgをH2O中に再懸濁させそして濃縮した塩溶液
を全容量250μ中70mMトリスpH8.8、70mM
Mgcl2、10mMジチオスレイトールおよび13.75
単位のT4ポリメラーゼ(P−Lバイオケミカルス、ミ
ルウオーキーWis.)を含有する反応混合液を与えるた
めに添加する。反応混合液を37℃で3.3分保温す
る。反応を氷浴に保温混合液を早く移すことによつて集
結し次いで65℃で6分加熱処理によつて酵素を不活性
化する。DNAをエタノール沈殿によつて回収する。S
1ヌクレアーゼ処理を上記ウルリツヒ、A.等によつて
記載された通り実施する。
同様の方法で実施例5に記載したS−蛋白質コード領域
からなるHBV−DNAのTacI断片を各3′の終りから
約30デオキシヌクレオチドを除去するためにT4ポリ
メラーゼで処理する。BamHI結鎖を鈍い末端結紮によつ
て付加する。
結鎖は一成分上配列5′−CCGGATCCGG−3′を有し、そ
して他の成分上補充配列を有する。CGGを生成するた
めに配列CCGGを分割するHpa IIエクソスクレアーゼ
での処理は5′−終末CG、例えばHpaIカツトDNA
またはclaIカツトDNAを有するあらゆる位置に接合す
ることができるDNA断片を生じる。
記載した通り処理したTacI断片をまた記載した通り処理
したptrpE30に速かに挿入しそして同様にヴィアレン
ツエラ等ネイチア第280巻、第815頁(1979
年)によつて記載した反応に接触作用を及ぼすDNAリ
ガース中にHpa II−特異連鎖で生じる。細菌細胞をプラ
スミドを有する挿入物で転換する。転換物を実施例5に
記載した通りアムピシリン耐性によつて選択する。単一
集落分離物から増殖した培養をβ−インドリルアクリル
酸で誘発し実施例5に記載した35S−メチオニンでパル
ス標示する。標示した蛋白質をゲル電気泳動および放射
能写真で可視化する。27,000M.W.領域に蛋白
質バンドを生じる分枝は前駆物配列なしでS−蛋白質を
合成しているはほぼ間違いない。
仲介物DNAの宿主蛋白質コード領域の除去が不完全の
場合、挿入したDNAを融合蛋白質として標示する1/6
のチヤンスがある。しかしながらあまりに多くのヌクレ
オチドを仲介物DNAから除去する場合、挿入物DNA
によつてコードされた蛋白質を形成しないことは有りう
ることであり、一方処理された挿入物が開始コドンから
離れたリボゾーム結合位置の11ヌクレオチド以上のよ
うにあまりに長い場合には蛋白質をほとんどまたは全く
形成しない。仲介物がコード配列の一部を保持しあるい
は挿入処理がS−蛋白質コード領域の一部を除去してい
る場合にだけ間違つた蛋白質合成のあらゆる可能性があ
る。それ故、一定の分枝によつて生じた蛋白質を末端基
分析具体的にはエドマン分解によつて同定し、N−末端
配列Met-Glu-Asn-IleのS−蛋白質を確認する。正しい
プラスミド構成をDNA塩基配列分析(実施例4)によ
つて確認する。表示されたS−蛋白質の構造の証明を完
全なアミノ酸配列分析によつて達成する。
細菌菌株によつて合成した真のS−蛋白質をゲル過お
よび親和クロマトグラフイーのような標準方法によつて
精製し、さらに免疫化学試験およびトリプチツク(tryp
tic)分解物分析によつて特徴付けられる。
精製したS−蛋白質は免疫遺伝性でありHBsAgに対して
抗体と交叉反応性である。S−蛋白質コード領域の塩基
配列によつて決定されるアミノ酸配列は次の通りであ
る。
技術上公知の方法と共に所望の技術の適用は一般式 (式中SはS−蛋白質のアミノ酸配列である。Xはアミ
ノ酸、ペプチド、蛋白質またはアミノ保護基である。そ
れは表2に示される性質上コードされたアミノ酸配列を
包含するがそれに限定されるものではないそしてまたチ
ロシン、フエニルアラニンおよびトリプトフアンのよう
な主として芳香族アミノ酸からなるペプチドを包含し、
該ペプチドはそれらが付着する蛋白質の抗原性を増加す
る特性を有するセラ、M.、科学、第166巻、第13
65頁(1969年)およびセラ、M.定量生化学につ
いてのコールドスプリングハーバーシンポジウム第32
巻(1967年)に記載されたアミノ酸残基の長さ約4
以下である。およびYはアミノ酸、ペプチド、蛋白質ま
たはエステルまたはアミド結合におけるカルボキシル保
護基であり既に述べた芳香族アミノ酸からなるペプチド
を包含するがそれに限定されるものではない。)を有す
るS−蛋白質誘導体系を構成することを可能にする。そ
れ故誘導体は25,398より分子量が大きい。記載し
たS−蛋白質誘導体は蛋白質分解温浸に対して抗原性お
よび安定性を高めている。それ故誘導体はワクチン注射
および検定目的に対する抗原として有用である。
技術上公知の種々のアミノ保護基はS−蛋白質およびそ
のペプチド誘導体の誘導体を生成する用途に適してい
る。適当なアミノ基の選択は保護されるアミノ酸の性
質、除去の比較的な容易さ、溶媒、温度などのような普
通の反応条件のような因子に依存する。適当なアミノ保
護基はベンジルオキシカルボニル(カルボベンゾキシ)
基、置換されたカルボベンゾキシまたは他のウレタン保
護基、トリフルオロアセチル基、フタリル(またはフタ
ロイル)基、ジフエニルメチル(ベンツヒドリル)基、
トリフエニルメチル(トリチル)基、ホルミル基、ラク
タム、シツフ塩基およびN−アミン、ベンジルスルホニ
ル基、トリチルスルフエニル基およびアリールスルフエ
ニル基を包含する。通常使用されるアミノ保護基はtert
ブチルオキシカルボニル基、o−ニトロフエニルスルフ
エニル基およびトシル基を包含する。ボダンスツキー、
O.等ペプチド合成、CH.4、インターサイエンス発
行(1966年)、シユロエダー、ペプチド第1巻、第
xxiii〜xxix頁、アカデミツクプレス(1965年)お
よび有機化学における保護基(J.F.W.McOmie.e
d.)プレヌムプレス(1973年)などがペプチド化学
の標準研究に参考となる。
技術上公知の適当なカルボキシル保護基は低級アルキル
エステル、フエニル−置換低級アルキルエステル、例え
ばベンジルおよびベンツヒドリルエステル、p−ニトロ
ベンジルエステル、p−メトキシベンジルエステル、フ
タールイミドメチルエステル、t−ブチルエステル、シ
クロペンチルエステル、メチルチオエチルエステル、ト
リメチルシリル基、およびヒドラジドを包含する。特定
基の選択はアミノ保護基の選択に対して先に述べたよう
な変化に依存する。通常使用されるカルボキシル保護基
はメチル、エチル、プロピル、t−ブチルおよびベンジ
ルである。
−OHおよびグアニジノ基のような他の作用基は所望に
より公知の方法で保護することができる。
記載したS−蛋白質誘導体の合成は上記セラ等に記載し
たようにまたは所望も出発点に近いDNAの分割のため
に適当な制限位置を使用しそしてT4ポリメラーゼを使
用する短い末端セグメントを選択的に除去する実施例1
〜6に記載した組換えDNA技術の変形によつて達成さ
れる、限定エンドヌクアーゼ分割が希望するよりも短い
生成物を生じる場合には希望したデオキシヌクレオチド
配列を化学合成によつて提供することができる。(例え
ばゴエデル、D.等、ネイチユア第281巻、第554
頁(1979年)参照)可能なS−蛋白質誘導体の範囲
はメチオニン残基で開始する性質上コードされた配列の
ペプチドに制限されるのではなくて表2に示した性質上
コードされた可能な限りの配列を包含する。
さらにS−蛋白質のグリコシル化誘導体は抗原性であり
抗体の生産に有用である。予期されるグリコシル化の位
置は−Asn-M-(Ser)または(Thr)−(Mはあらゆるアミノ
酸である)配列中のアスパラギン酸基である。S−蛋白
質のアミノ酸位置3、59および146における三つの
位置がある。さらに有用なS−ペプチド誘導体を与える
性質上コードされた配列内に二つの位置があり、それに
よつて同様にグリコシル化誘導体として提供する。
実施例7 S−蛋白質の試験管内合成 S−蛋白質コード領域の表示を上記ツバイ、G.によつ
て記載されたDNA−指向蛋白質合成系を使用して試験
管内で実施する。合成において使用したDNAはS−蛋
白質の表示のために実施例6で記載した組換えプラスミ
ドptrpE30/HBsAgまたは変性した組換えプラスミド
である。さらにS−蛋白質コード領域を包含するTacI断
片のようなHBV−DNAの限定エンドヌクレアーゼカ
ツト断片をツバイ系で使用することができる。系におい
て提供されるアミノ酸の一種またはそれ以上を生成物蛋
白質に対する感受性検出を可能にするために放射性で標
示する。S−蛋白質の合成を先に記載した検出系のいず
れかで抗−HBsAg抗体または抗−S−蛋白質抗体への放
射性で標示した物質の結合によつて検出する。
実施例8 HBV−DNAおよびその制限断片をバクテリオフアー
ジ運搬仲介物中で分枝した。この目的に対してフアージ
λCh16Aが適当であるブラツトナーF.R.等サイ
エンス、第196巻、第161頁(1977年)。フア
ージはlac5置換に位置した一つのEcoRI位置を包含す
る。lac5領域への挿入は有用な選択技術を提供する。
色素生成基質5−クロロ−4−ブロモ−3−インドリル
−B−D−ガラクトサイド(XG)を平板培養培地で培
養する場合、λCh16Aは鮮明な青い斑点を示し一方
EcoRI位置で挿入物を運ぶλCh16AはLac細菌宿主
上で平板培養する場合無色の斑点を示する。なおさらに
EcoRI位置はβ−ガラクトシダーゼ遺伝子のN−末端部
分を運ぶ融合蛋白質としてコード領域の表示に適した作
用オペレーター提供領域に近い挿入座位を提供する。
実施例9 実験動物における抗体生成 実施例5に記載したtrpE−S蛋白質融合蛋白質および
実施例6に記載したS−蛋白質は抗体を誘発する十分な
抗原性である。抗体はHBsAgと交叉反応する。ギネア豚
を9、14および56日間隔で実施例5および6で記載
した通り各々精製した50μgS−蛋白質またはtrpE
−S蛋白質融合生成物を含有する10mlの生理的食塩ま
たはフオスフエート緩衝食塩で皮下注射する。試験動物
の血清が0、28、56および84における試料であり
感染血清から部分的に精製したデイン粒子またはHBsAg
に対して抗体力価を検定する。上記ホリングレン、F.
等の放射線免疫検定を使用する。大部分の動物は蛋白質
の投与後84日間HBsAgと交叉反応性抗体を示す。同様
の結果をサルの注射で得ている。従ってHBVの免疫学
的活性蛋白質成分は該蛋白質エンコードDNA運搬仲介
物によつて移動した微生物によつて表示され、ウイルス
の免疫学的に活性な成分と交叉反応する抗体を誘発する
ことができる。
記載した蛋白質はデイン粒子または保菌者の血清から得
られたHBsAgより重要にも大量に利用できる利点を有す
る。さらにその上、trpE−S蛋白質表示生成物または
S−蛋白質に完全なウイルスがないので偶然的な感染の
危険がない。対照により血清から精製したウイルス性蛋
白質はウイルス性感染の危険を常につくつている。
実施例10 実施例9に示した通り、HBVのゲノムによつてコード
されそして微生物によつて合成された蛋白質は該HBV
の免疫学的反応成分と交叉反応する抗体を誘発すること
ができる。さらにまた蛋白質を合成したかかる微生物の
誘導体および融合蛋白質生成物は抗原性でありHBVの
免疫学的反応成分と交叉反応する抗体を誘発することが
できる。それ故記載した通り精製しそして生理的に使用
し得る媒質中で投与される場合、かかる蛋白質および蛋
白質誘導体がウイルスによる感染に対して保護するワク
チンとなることは理解される。
16匹のチンパンジーを三つのグループに分けた。グル
ープA(6匹の動物)をB.O.B.肝炎Bウイルス
1.0mlで静脈内に接種した。グループB(4匹の動
物)を生理的食塩水中実施例5に記載した通り合成およ
び精製したtrpE−S蛋白質融合蛋白質5mgを含有する
1.0mlで静脈内に接種した。グループC(6匹の動
物)はコントロールグループであり接種を受けない。グ
ループAのチンパンジーは40週以内に臨床上肝炎B
(アンチゲネミア、酵素高位および/または抗体応答)
であることは明白である。グループBまたはCの動物は
いずれも同様に40週間にわたつて臨床上肝炎Bを示さ
なかつた。グループBのチンパンジーをB.O.B.肝
炎Bウイルス1.0mlで静脈内に接種した場合、次の攻
撃に対して免疫する。
実施例6で記載したS蛋白質またはその誘導体を同様の
方法で使用することができ所望の免疫学的応答を与え
る。
本発明はその特定の態様と関連して記載される一方さら
に変更することができるそして本出願は本発明のいかな
る変化、用途または適用をも包含しようとするものであ
り、一般に本発明の原理に従い、そして本発明が係る技
術内で公知または貫例的な実施内に入るようなそして上
文に説明した本質的な特徴に適用できるようなそして特
許請求の範囲に従うような本発明の説明から離脱を包含
することは理解される。
表2 HBV−DNAの塩基配列および翻訳。
第4図において出発点は0を示す。
M−メチオニン出発シグナル ・−終末コドン A=A蛋白質 B=B蛋白質 C=核抗原 D=D蛋白質 S=S蛋白質
【図面の簡単な説明】
第1図はPECO63DNAの制限地図(PBR325/デイン)を
示す。 第2A図は交雑(hybridization)の前DNAのゲル電
気泳動パターンを示す。 第2B図は32 −HBV−DNAで交雑後のニトロセル
ロースフイルターのオートラジオグラフである。 第2C図はプローブとして別個に調製した32 −標識デ
イン粒子DNA試料を使用する独立した実験結果を示
す。 第3A図は蛍光染色によつて可視化されたゲル電気泳動
結果を示す。 第3B図は各々のゲル中でRNAに交雑できるPECO63,
10cpm/μgから32 −HBV−DNAのオートラ
ジオグラフを示す。 第4図はS蛋白質コード領域の地図位置を示す。 第5図はオートラジオグラフによつて可視された蛋白質
バンドを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハワ−ド・マイケル・グツドマン アメリカ合衆国94127カリフオルニア・サ ンフランシスコ・クレイ・ストリ−ト3006 (56)参考文献 特開 昭55−104887(JP,A) Notwe Vol.279(3May 1979)P.43〜47

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】肝炎B表面抗原をコードする挿入ヌクレオ
    チド配列を含んで成るDNA運搬仲介物であつて、前記
    挿入ヌクレオチド配列は、制限酵素BamHIの認識部位を
    2カ所に有する、約3200塩基対の長さの二本鎖環状肝炎
    BウイルスDNAを有する特定のサブタイプのデイン粒
    子から、制限酵素BamHIを使用して得られた長さの異な
    る2種の線状DNAの内の短い方として得られうること
    を特徴とする、DNA運搬仲介物。
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