JPH0659153A - アクティブ型光ファイバカプラ及びその製造方法 - Google Patents

アクティブ型光ファイバカプラ及びその製造方法

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Publication number
JPH0659153A
JPH0659153A JP21420892A JP21420892A JPH0659153A JP H0659153 A JPH0659153 A JP H0659153A JP 21420892 A JP21420892 A JP 21420892A JP 21420892 A JP21420892 A JP 21420892A JP H0659153 A JPH0659153 A JP H0659153A
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JP
Japan
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optical fiber
coupler
rare earth
earth element
optical
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JP21420892A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Imoto
克之 井本
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】小型、低コストで高い増幅度を実現することが
できるアクティブ型光ファイバカプラ。 【構成】平行に配置された少なくとも2本の光ファイバ
の中央部がお互いに融着され、かつ延伸されて、中央部
から両端側に向かってテーパ形状に加工された光ファイ
バ型カプラにおいて、上記光ファイバ入力側から融着延
伸部の一部にかけてはコア内に希土類元素の添加されて
いない光ファイバが用いられ、融着延伸部の残り部分か
ら出力側にかけてはコア内に希土類元素の添加された光
ファイバが用いられたアクティブ型光ファイバカプラ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバカプラを用
いて信号光を分配する際に、効率良く増幅しながら分配
し、分配された信号光の減衰を補なうようにしたアクテ
ィブ型光ファイバカプラ及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】光信号を等分配に分配したり、多数の光
信号を合流したりする機能をもったカプラは光ファイバ
通信、光信号処理、光計測、光センサ等に汎用的に利用
されている。
【0003】従来、上記カプラとしては、光ファイバ
型、光導波路型などが検討されている。図5は光ファイ
バ型カプラの従来例を示したものである。同図(a)は
通常の光ファイバ(シングルモード、あるいはマルチモ
ード光ファイバ)15−1及び15−2を用いて構成し
た2入力2出力の光ファイバ型カプラ14である。これ
は一方の光ファイバ15−1の入力端に信号光11(光
パワPs)を入射させると、出力側の光ファイバ15−
3及び15−4側にほぼ等分配された信号光(Ps/2
−α、ただし、αは過剰損失を示す。)が出力される。
これは、コアおよびクラッドからなる2本の光ファイバ
を平行に並べて束ね、その中央部の光ファイバ外周を加
熱しつつ融着・延伸することにより、光ファイバ両端部
から融着・延伸部2´の中央部に行くにしたがって、そ
の外径をテーパ状に細くした構造である。この構成で
は、分配されたそれぞれの信号光は3dB分岐損失と過
剰損失α(吸収および散乱損失)を伴なう。そこで、上
記分岐損失と過剰損失を補なう光ファイバ型カプラとし
て、同図(b)の構成が考えられる。これは、希土類元
素を添加した光ファイバを用いてカプラ16を構成し、
これに信号光と励起光をを重畳して伝搬させる構成であ
る。すなわち、希土類元素添加光ファイバを用いた光フ
ァイバカプラ16の前段に、通常の光ファイバを用いた
同図(a)の光ファイバカプラ14を接続し、光ファイ
バ15−1の入力端に信号光11を入射させ、光ファイ
バ15−2の入力端に励起光12を入射させる。そし
て、希土類元素を添加した光ファイバ17−1及び17
−2内に信号光11及び励起光12が共に等分配されて
伝搬し、希土類元素を添加した光ファイバ17−3及び
17−4の出力に増幅された信号光13−1及び13−
2が得られる。この場合の増幅の度合いは、希土類元素
添加光ファイバを用いた光ファイバカプラ16内の希土
類元素の添加濃度、カプラの長さ、励起光12の光パワ
などに依存する。なお同図(b)の構成において、希土
類元素添加光ファイバを用いた光ファイバカプラ16の
入力端17−1および17−2に直接にそれぞれ信号光
11および励起光12を入力させないで、通常の光ファ
イバを用いた光ファイバカプラ14を介して上記信号光
11および励起光12を入射させる理由は次のようなこ
とからである。つまり、入力端17−1に信号光11を
直接に入力させると、この部分には励起光12が伝搬し
ていないので、信号光11は希土類元素によって減衰を
伴ないつつ融着延伸部2″内を伝搬し、この融着延伸部
2″を通過する直前位から励起光12がミキシングされ
ることによって少しずつ増幅される。しかし、その前で
の信号光の減衰が大きい。また入力端17−2に励起光
12を直接に入射させると、融着延伸部2″までは励起
光は希土類元素によって吸収を伴なうが、この領域は逆
に信号光11は伝搬していないので、信号光へエネルギ
ー変換されないことになる。すなわち、励起光のむだな
減衰を生じさせてしまう。このように信号光および励起
光のむだな減衰を阻止するためと、励起光の信号光への
エネルギー変換効率を高めるために、希土類元素添加光
ファイバを用いた光ファイバカプラ16の前に通常の光
ファイバを用いた光ファイバカプラ14が接続される。
【0004】
【従来の問題点】しかし、従来の光ファイバカプラには
次のような問題点があった。
【0005】(1) 図5(a)のカプラでは、分配された
それぞれの信号光は3dBの分岐損失と過剰損失を伴な
う。したがって、N入力N出力、あるいはN入力M出力
(N,M:整数)の分配を実現する場合、N,Mの値を
大きくとることがむずかしい。
【0006】(2) 図5(b)のカプラでは、カプラの長
さが長くなりすぎる。また前段のカプラ14での過剰損
失により、信号光および励起光の減衰を伴なうため、増
幅された信号光13−1および13−2はあまり大きな
値とならない。さらに、カプラ14を余分に設けるの
で、コスト的に安くすることがむずかしい。またカプラ
の帯域特性は、2つのカプラ14と16をカスケードに
接続しているので、その分だけ狭くなる。
【0007】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、小型、低コス
トで、高い増幅度を実現することができるアクティブ型
光ファイバカプラの新しい構造とその製造方法を提供す
ることにある。
【0008】
【発明の要点】第1の発明のアクティブ型光ファイバカ
プラは、平行に配置された少なくとも2本の光ファイバ
の中央部がお互いに融着され、かつ延伸されて、中央部
から両端側に向かってテーパ形状に加工された光ファイ
バカプラにおいて、上記光ファイバ入力側から融着延伸
部の一部にかけてはコア内に希土類元素の添加されてい
ない光ファイバが用いられ、融着延伸部の残り部分から
出力側にかけてはコア内に希土類元素の添加された光フ
ァイバが用いられたことを特徴とするアクティブ型光フ
ァイバカプラである。
【0009】第2の発明のアクティブ型光ファイバカプ
ラは、第1の発明において、希土類元素の添加されてい
ない光ファイバが入力側から融着延伸部の50〜90%
までの長さまでとすることを特徴とするアクティブ型光
ファイバカプラである。
【0010】第3の発明は、第1及び第2の発明におい
て、入力側の光ファイバの一方内に信号光を入射させ、
他方の光ファイバ内に励起光を入射させるようにしたこ
とを特徴とするアクティブ型光ファイバカプラである。
【0011】第4の発明は、第1及び第2の発明におい
て、希土類元素として、Er、Nd、Yb、Pr、T
m、Sm、Ceなどの中から少なくとも一種含んだもの
を用いたことを特徴とするアクティブ型光ファイバカプ
ラである。
【0012】第5の発明は、第1及び第2の発明におい
て、平行に配置された少なくとも2本の光ファイバのう
ちの少なくとも一つは、その構造パラメータが異なって
いることを特徴とするアクティブ型光ファイバカプラで
ある。
【0013】第6の発明は、第1及び第2の発明におい
て、、平行に配置された少なくとも2本の光ファイバの
うちの少なくとも一つは、コア内の希土類元素の添加量
が異なっていることを特徴とするアクティブ型光ファイ
バカプラである。
【0014】第7の発明は、コア内に希土類元素を含ま
ない光ファイバと含んだ光ファイバの端面を融着接続し
たものを少なくとも2本、該融着接続位置をそろえて平
行に接して配置し、該並置光ファイバの融着接続位置よ
りもわずかに前方付近の希土類元素を含まない光ファイ
バ側を加熱源により加熱して並置光ファイバを融着しな
がら延伸し、中央部から両端側に向かってテーパ形状に
光ファイバを加工するようにしたアクティブ型光ファイ
バカプラの製造方法である。
【0015】第1〜第3の発明によれば、従来のアクテ
ィブ型光ファイバカプラに比し、1/2の小型サイズ
で、かつ低損失・低コストで実現することができる。ま
た、励起光の信号光へのエネルギー変換効率を極めて高
いので、高い増幅度をもったカプラを実現することがで
きる。さらにカプラ一個で励起光の分配と信号光の分配
を実現でき、その上、増幅することができるので、従来
のような不要な帯域制限もない。
【0016】第4の発明によれば、種々の希土類元素を
用いることができるので、種々の波長帯でのアクティブ
型光ファイバカプラを実現することができる。たとえ
ば、Erを添加した光ファイバを用いれば、1.5μm
帯でのアクティブ型光ファイバカプラを実現することが
できる。また、Ndを用いれば、1.3μm帯を、さら
にErとNdを共に添加しておけば1.3μm帯と1.
5μm帯の共通増幅型光ファイバカプラを実現すること
ができる。
【0017】第5の発明によれば、平行に配置された少
なくとも2本の光ファイバのうちの少なくとも一つは、
その構造パラメータ、たとえば、コア径、クラッド径、
コアとクラッドとの非屈折率差、などが異なっているの
で、非対称カプラにより、波長依存性が緩和され、広帯
域はアクティブ型光ファイバカプラを実現することがで
きる。
【0018】第6の発明によれば、希土類元素の添加量
の異なった光ファイバを並置して結合させることによ
り、増幅度がそれぞれ異なるために、上記並置光ファイ
バの出力端には信号光強度の異なった光パワを出力させ
ることができる。すなわち、分配比を上記希土類元素の
添加量によって制御することができる。これは光タップ
型システム用の光タップ回路として用いる場合に好適と
なる。
【0019】第7の発明によれば、簡易で低コストにア
クティブ型光ファイバカプラを製造することがてぎる。
【0020】なお、本発明は2入力2出力型以外に、N
入力N出力(N≧2)のアクティブ型光ファイバカプラ
にも適用できることは言うまでもないことである。
【0021】
【発明の実施例】図1に本発明のアクティブ型光ファイ
バカプラ1の実施例を示す。この実施例は2入力2出力
のカプラについて示してある。このカプラ1は通常の光
ファイバ、すなわち、コアに希土類元素の添加されてい
ない光ファイバ4−1と4−2を用いたテーパファイバ
部4と、コアに希土類元素の添加された光ファイバ5−
1と5−2を用いたテーパファイバ部5からなってい
る。また、このカプラ1は上記光ファイバ4−1、4−
2、5−1、および5−2が融着され、かつ延伸されて
形成された融着延伸部2と、延伸テーパ部3をもってい
る。ここで、融着延伸部2の大部分はコアに希土類元素
の添加されていない光ファイバ4−1と4−2で構成さ
れ、一部分がコアに希土類元素の添加された光ファイバ
5−1と5−2で構成されている。延伸テーパ部3は左
右ほぼ対称な構造をしているが、この部分もコアに希土
類元素の添加されていない光ファイバ4−1と4−2の
テーパファイバとコアに希土類元素の添加された光ファ
イバ5−1と5−2のテーパファイバとから構成されて
いる。次にこのカプラ1の動作について説明する。光フ
ァイバ4−1のコア内に入射した信号光11(光パワP
s)は光ファイバ4−1のコア内を伝搬し、延伸テーパ
部3内に入るにつれて光ファイバ4−1のコアとクラッ
ド間の反射角度が大きくなり、融着延伸部2内に入ると
上記反射角度はさらに大きくなって近接の光ファイバ4
−2内のクラッド内およびコア内にも伝搬し、融着延伸
部2内を伝搬するにつれて光ファイバ4−1と4−2内
をお互いに行ったりきたり干渉し合って伝搬し、ふたた
び延伸テーパ部3内に入ると光ファイバ5−1および5
−2内の徐々に分配され、光ファイバ5−1および5−
2の出力ににより、それぞれ分配された出力が得られ
る。しかし、光ファイバ5−1および5−2内を伝搬す
る信号光は、光ファイバ5−1および5−2内のコア内
に添加されている希土類元素によって吸収損失を伴な
い、減衰を生ずる。
【0022】ところが、このカプラ1では、光ファイバ
4−2のコア内に励起光12が入射され、この励起光1
2にも信号光11と同様に、融着延伸部2および延伸テ
ーパ部3により、光ファイバ5−1および5−2内に等
分配される。そして光ファイバ5−1および5−2のコ
ア内を伝搬するにつれて、励起光12は希土類元素に吸
収され、エネルギー準位がもち上げられ、反転分布状態
を形成する。この状態に光ファイバ5−1および5−2
のコア内に等分配された信号光11が伝搬するので、こ
れら信号光は増幅されながら伝搬し、光ファイバ5−1
および5−2の出力端から増幅された信号光13−1お
よび13−2として出力される。すなわち、信号光11
および励起光12は融着延伸部2によって分配され、光
ファイバ5−1および5−2内へ等分配されて入射す
る。この光ファイバ5−1および5−2内へ入射するま
での信号光および励起光はほとんど減衰しない。なぜな
らば、通常の光ファイバを用いたテーパファイバ部4の
それぞれのコア内には希土類元素が添加されていないた
めである。そして光ファイバ5−1および5−2で構成
されるテーパファイバ部5のそれぞれのコア内に入った
励起光は希土類元素に吸収され、効率良く信号光へのエ
ネルギー変換が行なわれ、テーパファイバ部5のそれぞ
れのコア内を伝搬する信号光を徐々に増幅しながらそれ
らの光パワを増大していく。この構成は、従来の図5
(b)のように、通常の光ファイバを用いた光ファイバ
カプラ14を用いなくてよいため、サイズを1/2にす
ることができる。また不要な伝搬損失(光ファイバカプ
ラ14での伝搬損失)がないので、分配された信号光に
は大きな光パワを得ることができる。図1の構成におい
て、信号光および励起光の減衰をできる限り小さくする
ために、希土類元素の添加されていない光ファイバは入
力側(4−1および4−2)から融着延伸部2の100
%までの長さまでが理想であるが、後で述べる製造方法
の点から、融着延伸部の50%から90%までの長さで
もそれ程の損失を伴なわないのでよい。光ファイバ5−
1および5−2のコア内に添加する希土類元素として
は、Er、Nd、Yb、Pr、Tm、Sm、Ce、H
o、Euなどの中から少なくとも一種含んだものを用い
ることができる。また光ファイバ4−1、4−2、5−
1および5−2の材質としては、石英系、リン酸塩系、
フッ化物系などのガラスを用いることができる。また光
ファイバ4−1、4−2、5−1、および5−2のコア
内にはGe、P、Al、B、F、Ti、Zn、Nb、T
a、Naなどの屈折率制御用添加物が含まれていてもよ
い。希土類元素の添加量は信号光の増幅度に依存してく
るので、できる限り多い方が好ましい。しかし、1,0
00ppm以上になると濃度消光が発生し、増幅度の低
下をもたらすので、このような場合にはAlを共添加し
て濃度消光を抑圧するようにする。
【0023】次に、図1のアクティブ型光ファイバカプ
ラ1において、光ファイバ4−1、5−1と4−2、5
−2の構造パラメータ、たとえば、コア径、クラッド
径、コアとクラッドとの屈折率差の中の少なくとも一つ
を異ならせることによって波長依存性を緩和させ、広帯
域のアクティブ型光ファイバカプラ1を実現することが
でる。このカプラ1を最も簡単に実現する方法として
は、コアとクラッドとの比屈折率差の異なる光ファイバ
4−1、5−1と4−2、5−2を用いればよい。たと
えば、光ファイバ4−1と5−1のコアとクラッドとの
比屈折率差を1%とし、光ファイバ4−2と5−2のコ
アとクラッドとの比屈折率差を1.5%としたものを用
いる。
【0024】次に、増幅された信号光13−1と13−
2の光パワを異ならせる方法として、光ファイバ5−1
と5−2のコア内に添加する希土類元素の添加量を異な
らせた構成法を用いることができる。たとえば、増幅さ
れた信号光13−1の光パワを13−2の光パワよりも
大きくするためには、光ファイバ5−1のコア内の希土
類元素の添加量を光ファイバ5−2のコア内のそれより
も多くする。これは、増幅度が、励起光の光パワ、希土
類元素の添加濃度、光ファイバ5−1および5−2の長
さにほぼ比例するという関係から上記構成法で増幅され
た信号光13−1と13−2の分配比を異ならせること
ができる。なお、増幅された信号光13−1および13
−2の光パワを大きくするために、光ファイバ5−1お
よび5−2の長さはできるだけ長い方が好ましい。
【0025】図2は本発明のアクティブ型光ファイバカ
プラ1の製造方法の実施例を示したものである。これは
2入力2出力のカプラの製造方法の実施例について示し
たものである。まず(a)に示すように、コア内に希土
類元素の添加されていない、いわゆる通常の光ファイバ
6と、コア内に希土類元素の添加されている光ファイバ
7を用意し、上記2つの光ファイバの端面同志を対向し
て突き合わせる。ついで(b)に示すように、光ファイ
バ端面同志を突き合わせた部分をアーク放電を利用した
アーク融着装置18により融着接続し、通常の光ファイ
バ6と希土類元素添加光ファイバ7の一体化光ファイバ
とする。次に(c)に示すように、通常の光ファイバ6
−1(6−2)と希土類元素添加光ファイバ7−1(7
−2)との一体化光ファイバを2本平行に接して並べ
る。そして並置した2本の光ファイバ束の外側に加熱源
8(この場合には火災9を発するバーナ8を用いている
が、それ以外にアーク融着装置18、などでもよい)を
設置する。この加熱源8は融着接続面19から通常の光
ファイバ6−1および6−2側にlだけ離れた位置に設
置する。このlの値は数mmから数十mmの範囲から選
ばれる。lの値が小さい場合には、図1の融着延伸部2
内に希土類元素添加光ファイバを用いたテーパファイバ
部5が含まれる。これは、より早く励起光の信号光への
変換が行なわれる。逆にlの値が大きい場合には、励起
光の信号光へのエネルギー変換が遅くなるが、信号光お
よび励起光の減衰が軽減され、高増幅度を期待すること
ができる。次に、加熱源8のバーナに火災を発生させ、
光ファイバ束を加熱、溶融しつつ、光ファイバ束を矢印
10−1および10−2(あるいは矢印10−1方向の
みか、矢印10−2方向のみ)方向に延伸する。そして
(d)に示すように、光ファイバ束の中央部から両端部
に向かってテーパ状に加工したアクティブ型光ファイバ
カプラ1を得る方法である。
【0026】図3は本発明のアクティブ型光ファイバカ
プラの別の実施例を示したものである。これは3入力3
出力のカプラであり、コアに希土類元素の添加されてい
ない通常の光ファイバ4−1、4−2および4−3と、
コアに希土類元素の添加されている希土類元素添加光フ
ァイバ5−1、5−2、および5−3を用いて図2に示
した方法でそれぞれ融着接続後、3本の光ファイバを束
にしてその中央部付近を加熱源により加熱しながら融着
延伸して形成した構成である。信号光11は3本の入力
光ファイバの中の4−1の入力光ファイバ内へ入射さ
せ、励起光12は残りの入力光ファイバの中のどれか、
たとえば4−3の入力光ファイバへ入射させる。その結
果、出力光ファイバにはそれぞれ増幅された信号光13
−1、13−2、および13−3が出力される。この構
成では、等分配の信号光を出力させることもできるし、
光ファイバ4−1と5−1、4−2とと5−2、および
4−3と5−3の構造パラメータを異ならせれば、広帯
域なカプラを実現でき、また光ファイバ5−1、5−
2、および5−3のコア内の希土類元素の添加量を異な
らせることにより、増幅された信号光13−1、13−
2、および13−3の光パワを異ならせることもでき
る。
【0027】図4は本発明のアクティブ型光ファイバカ
プラの別の実施例を示したものである。これは2入力4
出力のカプラであり、図1に示したアクティブ型光ファ
イバカプラ1の両出力端に、コア内に希土類元素の添加
された光ファイバ5−3〜5−10を用いて構成したカ
プラ20−1および20−2がそれぞそれ接続された構
成である。そして入力光ファイバ4−1の入力端に信号
光11を入射させ、入力光ファイバ4−2の入力端に励
起光12を入射させるようにしたものである。信号光1
1および励起光12はアクティブ型光ファイバカプラ1
でそれぞれ分配され、そして励起光は信号光に効率良く
エネルギー変換され、光ファイバ5−1および5−2の
出力端にはそれぞれ増幅された信号光と残りの励起光が
得られる。この光ファイバ5−1および5−2後には、
希土類元素添加光ファイバを用いたカプラ20−1およ
び20−2が接続されているので、これらのカプラ20
−1および20−2でさらに信号光の分配と増幅が行な
われ、出力光ファイバ5−7〜5−10にはそれぞれさ
らに増幅された信号光が出力される。この図4の組合せ
をさらに多段にすれば2入力N出力(N≧4)の光カプ
ラを得ることが可能となる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を得る
ことができる。
【0029】第1〜第3の発明によれば、従来のアクテ
ィブ型光ファイバカプラに比し、1/2の小型サイズ
で、かつ低損失・低コストで実現することができる。ま
た、励起光の信号光へのエネルギー変換効率が極めて高
いので、高い増幅度をもったカプラを実現することがで
きる。さらに、カプラ一個で励起光の分配と信号光の分
配を実現でき、その上、増幅することができるので、従
来のような不要な帯域制限もない。
【0030】第4の発明によれば。種々の希土類元素を
用いることができるので、種々の波長帯でのアクティブ
型光ファイバカプラを実現することができる。たとえ
ば、Erを添加した光ファイバを用いれば、1.5μm
帯でのアクティブ型光ファイバカプラを実現することが
できる。また、Ndを用いれば、1.3μm帯を、さら
にErとNdを共に添加しておけば、1.3μm帯と
1.5μm帯の共通増幅型光ファイバカプラを実現する
ことができる。
【0031】第5の発明によれば、平行に配置された少
なくとも2本の光ファイバのうちの少なくとも一つは、
その構造パラメータ、たとえば、コア径、クラッド径、
コアとクラッドとの非屈折率差、などが異なっているの
で、非対称カプラにより波長依存性が緩和され、広帯域
なアクティブ型光ファイバカプラを実現することができ
る。
【0032】第6の発明によれば、希土類元素の添加量
の異なった光ファイバを並置して結合させることによ
り、増幅度がそれぞれ異なるために、上記並置光ファイ
バの出力端には信号光強度の異なった光パワを出力させ
ることができる。すなわち、分配比を上記希土類元素の
添加量によって制御することができる。これは光タップ
型システム用の光タップ回路として用いる場合に好適と
なる。
【0033】第7の発明によれば、簡易で低コストにア
クティブ型光ファイバカプラを製造することができる。
【0034】なお、本発明は2入力2出力型以外に、N
入力N出力(N≧2)のアクティブ型光ファイバカプラ
にも適用できることは言うまでもないことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクティブ型光ファイバカプラの実施
例を示す説明図。
【図2】本発明のアクティブ型光ファイバカプラの製造
方法の実施例を示す説明図。
【図3】本発明のアクティブ型光ファイバカプラの実施
例を示す説明図。
【図4】本発明のアクティブ型光ファイバカプラの実施
例を示す説明図。
【図5】従来の光ファイバ型カプラの概略説明図。
【符号の説明】
1 アクティブ型光ファイバカプラ 2 融着延伸部 3 延伸テーパ部 4 通常の光ファイバを用いたテーパファイバ部 5 希土類元素添加光ファイバを用いたテーパファイバ
部 6 通常の光ファイバ 7 希土類元素添加光ファイバ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【発明の要点】第1の発明のアクティブ型光ファイバカ
プラは、平行に配置された少なくとも2本の光ファイバ
の中央部がお互いに融着され、かつ延伸されて、中央部
から両端側に向かってテーパ形状に加工された光ファイ
バカプラにおいて、上記光ファイバ入力側から融着延伸
部にかけてはコア内に希土類元素の添加されていない光
ファイバが用いられ、融着延伸部から出力側にかけては
コア内に希土類元素の添加された光ファイバが用いられ
たことを特徴とするアクティブ型光ファイバカプラであ
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】第2の発明のアクティブ型光ファイバカプ
ラは、第1の発明において、希土類元素の添加されてい
ない光ファイバが入力側から融着延伸部の50〜100
%までの長さまでとすることを特徴とするアクティブ型
光ファイバカプラである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【00015】第1〜第3の発明によれば、従来のアク
ティブ型光ファイバカプラに比し、1/2の小型サイズ
で、かつ低損失・低コストで実現することができる。ま
た、励起光の信号光へのエネルギー変換効率極めて高
いので、高い増幅度をもったカプラを実現することがで
きる。さらにカプラ一個で励起光の分配と信号光の分配
を実現でき、その上、増幅することができるので、従来
のような不要な帯域制限もない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【00017】第5の発明によれば、平行に配置された
少なくとも2本の光ファイバのうちの少なくとも一つ
は、その構造パラメータ、たとえば、コア径、クラッド
径、コアとクラッドとの屈折率差、などが異なってい
るので、非対称カプラにより、波長依存性が緩和され、
広帯域アクティブ型光ファイバカプラを実現すること
ができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】図2は本発明のアクティブ型光ファイバカ
プラ1の製造方法の実施例を示したものである。これは
2入力2出力のカプラの製造方法の実施例について示し
たものである。まず(a)に示すように、コア内に希土
類元素の添加されていない、いわゆる通常の光ファイバ
6と、コア内に希土類元素の添加されている光ファイバ
7を用意し、上記2つの光ファイバの端面同志を対向し
て突き合わせる。ついで(b)に示すように、光ファイ
バ端面同志を突き合わせた部分をアーク放電を利用した
アーク融着装置18により融着接続し、通常の光ファイ
バ6と希土類元素添加光ファイバ7の一体化光ファイバ
とする。次に(c)に示すように、通常の光ファイバ6
−1(6−2)と希土類元素添加光ファイバ7−1(7
−2)との一体化光ファイバを2本平行に接して並べ
る。そして並置した2本の光ファイバ束の外側に加熱源
8(この場合には火9を発するバーナ8を用いている
が、それ以外にアーク融着装置18、などでもよい)を
設置する。この加熱源8は融着接続面19から通常の光
ファイバ6−1および6−2側にlだけ離れた位置に設
置する。このlの値は数mmから数十mmの範囲から選
ばれる。lの値が小さい場合には、図1の融着延伸部2
内に希土類元素添加光ファイバを用いたテーパファイバ
部5が含まれる。これは、より早く励起光の信号光への
変換が行なわれる。逆にlの値が大きい場合には、励起
光の信号光へのエネルギー変換が遅くなるが、信号光お
よび励起光の減衰が軽減され、高増幅度を期待すること
ができる。次に、加熱源8のバーナに火を発生させ、
光ファイバ束を加熱、溶融しつつ、光ファイバ束を矢印
10−1および10−2(あるいは矢印10−1方向の
みか、矢印10−2方向のみ)方向に延伸する。そして
(d)に示すように、光ファイバ束の中央部から両端部
に向かってテーパ状に加工したアクティブ型光ファイバ
カプラ1を得る方法である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】第5の発明によれば、平行に配置された少
なくとも2本の光ファイバのうちの少なくとも一つは、
その構造パラメータ、たとえば、コア径、クラッド径、
コアとクラッドとの比屈折率差、などが異なっているの
で、非対称カプラにより波長依存性が緩和され、広帯域
なアクティブ型光ファイバカプラを実現することができ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平行に配置された少なくとも2本の光ファ
    イバの中央部がお互いに融着され、かつ延伸されて、中
    央部から両端側に向かってテーパ形状に加工された光フ
    ァイバ型カプラにおいて、上記光ファイバ入力側から融
    着延伸部の一部にかけてはコア内に希土類元素の添加さ
    れていない光ファイバが用いられ、融着延伸部の残り部
    分から出力側にかけてはコア内に希土類元素の添加され
    た光ファイバが用いられたことを特徴とするアクティブ
    型光ファイバカプラ。
  2. 【請求項2】請求項1において、希土類元素の添加され
    ていない光ファイバは入力側から融着延伸部の50%〜
    90%までの長さまでとすることを特徴とするアクティ
    ブ型光ファイバカプラ。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、入力側の光ファ
    イバの一方内に信号光を入射させ、他方の光ファイバ内
    に励起光を入射させるようにしたことを特徴とするアク
    ティブ型光ファイバカプラ。
  4. 【請求項4】請求項1又は2において、希土類元素とし
    て、Er、Nd、Yb、Pr、Tm、Sm、Ceの中か
    ら少なくとも一種含んだものを用いたことを特徴とする
    アクティブ型光ファイバカプラ。
  5. 【請求項5】請求項1又は2において、平行に配置され
    た少なくとも2本の光ファイバのうちの少なくとも一つ
    は、その構造パラメータが異なっていることを特徴とす
    るアクティブ型光ファイバカプラ。
  6. 【請求項6】請求項1又は2において、平行に配置され
    た少なくとも2本の光ファイバのうちの少なくとも一つ
    は、コア内の希土類元素の添加量が異なっていることを
    特徴とするアクティブ型光ファイバカプラ。
  7. 【請求項7】コア内に希土類元素を含まない光ファイバ
    と含んだ光ファイバの端面を融着接続したものを少なく
    とも2本、該融着接続位置をそろえて平行に接して配置
    し、該並置光ファイバの融着接続位置よりもわずかに前
    方付近の希土類元素を含まない光ファイバ側を加熱源に
    より加熱して並置光ファイバを融着しながら延伸し、中
    央部から両端側に向かってテーパ形状に光ファイバを加
    工するようにしたアクティブ型光ファイバカプラの製造
    方法。
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