JPH065904U - 替刃式鉋刃 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 市販されている諸刃型のカッター刃を使用単
位毎に断截したカッター刃片からなる替刃を使用し、替
刃の切刃に裏金の突出した先端縁を圧接して所定の刃圧
を付与すると共に替刃と裏金との間に鉋屑が詰まるのを
防止する。 【構成】 鉋身１には先端側に位置して上面１Ａに四辺
形状の替刃嵌合部２が凹設してあり、替刃嵌合部２寄り
に位置して一対のねじ穴３、３が刻設してある。替刃嵌
合部２に嵌装される替刃４には、切刃５が一対の刃面５
Ａ、５Ｂからなる諸刃に形成されたカッター刃を使用単
位毎に断截したカッター刃片を用いる。鉋身１との間に
替刃４を挟持する裏金６は刃状部８の先端縁８Ｅが裏金
の下面７Ｂより斜め下方に向けて微少量だけ突出形成し
てあり、切刃５の上側刃面５Ａの途中に圧接するように
なっている。裏金６には一対のねじ挿通穴１０、１０が
穿設してあり、各ねじ挿通穴１０からねじ穴３にねじ１
１を螺入して鉋身１と裏金６を締着することにより、替
刃４を挟持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、替刃式鉋刃の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、替刃式鉋刃としては特開平２−１３４２０６号公報に示すように、裏面 の中間部に裏金係合溝を穿設し、かつ下部に係合突起を有する替刃支承部を凹状 に段設した鉋刃基体と、上記係合突起に係合される係合孔を有する替刃と、上記 裏金係合溝に係合される係合脚を上部に有し、かつ下部に刃先を有する裏金とか らなり、替刃の刃先に対して裏金の刃先が所定位置に保持されるようにした鉋刃 が知られている。また、実開昭５７−９８８０４号公報には鉋に於ける刃板の押 え板と重なる面で、上記刃板の下縁から上方に向けて刃板と押え板とで挟着され る替刃の嵌め込み凹段部を設けてなる鉋が提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前述した従来技術のうち前者の鉋刃は、鉋刃基体の係合突起に係合 する係合孔を有する特殊の鉋刃しか使用できないという欠点がある。また、後者 の鉋においても、替板（替刃）には市販されているカッター刃は使用できないし 、替板の切刃に刃圧を付与して鉋身の切刃と同等の切れ味にするという技術は備 えていない。 本考案は上述した従来技術の欠点に鑑みなされたもので、市販されているカッ ター刃を使用して従来の鉋身の切刃と同様の切れ味を持つことができるようにし た替刃式鉋刃を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上述した課題を解決するために構成された本考案の手段の特徴は、上面の先端 側に替刃嵌合部を凹設してなる鉋身と、切刃を該鉋身の先端から突出させた状態 で前記替刃嵌合部に嵌装される替刃と、下面側で前記鉋身との間に該替刃を挟持 し、先端側が刃状部になった裏金とからなる替刃式鉋刃において、前記鉋身には 上面から下面に向けてねじ穴を刻設し、前記替刃には切刃が一対の刃面からなる 諸刃に形成されたカッター刃を使用単位毎に断截してなるカッター刃片を用い、 前記裏金は刃状部の先端縁を前記替刃の上側刃面の途中に圧接するように該裏金 の下面に対し微少量だけ斜め下方に突出形成すると共に、該裏金の基部側に位置 して前記ねじ穴と衝合するねじ挿通穴を穿設し、該ねじ挿通穴から前記ねじ穴に ねじを螺入することにより前記鉋身と裏金とを締着するようにしたことにある。

【０００５】

【作用】

鉋身の替刃嵌合部に替刃を嵌装し、裏金を鉋身に衝合してねじにより締結する ことにより、裏金の先端縁が切刃の途中に圧接し、切刃に所定の刃圧を付与する と共に、替刃と裏金との間に鉋屑が詰まるのを防止する。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳述する。 図において、１は鉋身を示し、該鉋身１は上面１Ａ及び下面１Ｂが頭部１Ｃか ら先端側にかけて次第に肉薄になるテーパー状に形成されると共に、先端側から 先端１Ｄは下面１Ｂを傾斜面に形成することによって刃状部１Ｅになっている。 ２は前記鉋身１の上面１Ａに位置して刃状部１Ｅに凹状に形成された替刃嵌合部 で、該替刃嵌合部２は平面略四辺形の形状からなっている。

【０００７】 また、３、３は鉋身１の上面１Ａから下面１Ｂにかけて刻設された一対のねじ 穴で、該ねじ穴３、３は前記替刃嵌合部２寄りに位置して幅方向に隔設してある 。

【０００８】 ４は替刃嵌合部２に交換可能に嵌装された諸刃型の替刃を示し、該替刃４には 一対の刃面５Ａ、５Ｂからなる切刃５を有し、所定長さの使用単位毎に平行四辺 形に断截可能に形成されたカッター刃を断截したカッター刃片を用いている。

【０００９】 更に、６は前記諸刃型の替刃４を鉋身１との間に挟持する裏金を示す。該裏金 ６は平坦な上、下面７Ａ、７Ｂを有する板状の基部７と、該基部７の先端側に断 面形状が鳥の嘴状に一体に突出形成された刃状部８とからなっており、該刃状部 ８は基部７の上面７Ａ先端に続く上側傾斜面８Ａ、該上側傾斜面８Ａ先端から斜 め下方に伸長する上側刃状面８Ｂ、基部７Ｂの下面７Ｂからから斜め上方に約５ ｍｍに幅に形成された逃げ面８Ｃ、該逃げ面８Ｃの上端から斜め下方に伸長する 下側刃状面８Ｄ、該下側刃状部８Ｄと上側刃状面８Ｂとが衝合し、下面７Ｂより 斜め下方に突出する先端縁８Ｅ及び基部７の先端側から該先端縁８Ｅにかけて幅 方向両側に位置する左、右の耳８Ｆ、８Ｇとから形成されており、該刃状部８の 下面側には逃げ面８Ｃと下側刃状面８Ｄによって逆Ｖ字状の逃げ部９を形成して ある。

【００１０】 ここで、前記刃状部８を形成する上側刃状面８Ｂと下側刃状面８Ｄの挟角θ１ は約４５度、下面７Ｂに対する下面刃状面８Ｃの傾斜角θ２は約１０度に形成し てあり、かつ、基部７の下面７Ｂ即ち替刃４の上面に対する先端縁８Ｅの突出量 ｔは約０，２５ｍｍに設定してある。

【００１１】 また、１０、１０は基部７側に位置して裏金６の厚さ方向に穿設された一対の ねじ挿通穴を示し、該各ねじ挿通穴１０から鉋身１のねじ穴３にかけてねじ１１ を螺合するようになっている。

【００１２】 本実施例の鉋身１、替刃４及び裏金６は上述の形状からなっており、鉋身１の 替刃嵌合部２に替刃４を嵌合し、上方から裏金６を重ねてねじ１１、１１により 裏金６と鉋身１を締着することにより替刃型鉋刃を組み立てる。この時、裏金６ の下面７Ｂに対して突出量ｔだけ下方に突出している先端縁８Ｅが切刃５の上側 刃面５Ａの中間位置に圧接した状態になる。

【００１３】 叙上の構成からなる鉋刃は、公知の鉋台に鉋身１の下面１Ｂ側を表なじみに接 した状態で押え溝に挿嵌することにより鉋台に組付ける点は、公知の一枚刃の鉋 刃と異なるところはない。

【００１４】 しかし、本実施例によれば、市販されるカッター刃を断截したカッター刃片４ を用いることにより特殊な替刃を不要にしたから、日曜大工や学校の木工学習に おいて素人には困難な刃研ぎ作業をなくすことができるし、替刃の交換も簡単で あり、費用も安くできる。

【００１５】 また、カッター刃片４を鉋身１の替刃嵌合部２に嵌装し、ねじ１１、１１によ って裏金６を鉋身１に締着するだけで、裏金６の先端縁８Ｅが切刃５の上側刃面 ５Ａの所定位置に一定の刃圧を付与することができるから、剛性の低いカッター 刃片４にも従来の鉋身の切刃と同等の切れ味をもたせることができる。

【００１６】 更に、諸刃型の替刃４に対して刃状部の下面が平坦な従来の裏金を使用した場 合には、替刃４の上側刃面５Ａとの間に隙間が形成され、この隙間に鉋屑が詰ま る現象が生じる。しかし、本実施例によれば裏金６の先端縁８Ｅが替刃４の上側 刃面５Ａに密接状態になるから、切刃５と裏金６の刃状部８との間に鉋屑が詰ま る現象を確実に防止することができる。

【００１７】 しかも、裏金６の刃状部８に位置して下面７Ｂには積極的に逃げ部９を形成し たから、裏金６の下面７Ｂ或はカッター刃片４の表面の先端側が平坦でない場合 にも、先端縁８Ｅを上側刃面５Ａに確実に押圧させることができる。

【００１８】 なお、図４及び図５は本実施例の変形例を示す。その特徴とするところは、裏 金２１に前述した一対のねじ挿通穴１０、１０よりも刃状部８寄りに位置して更 に一対のねじ挿通穴２２、２２を穿設したことにある。

【００１９】 このように構成することにより、例えばならい目削りや木口削りの場合のよう に、替刃４に対して裏金２１を利かせたくない場合には裏金２１を所定量だけ後 退させて図５に示すように先端縁８Ｅを切刃５の上縁に位置させ、各ねじ挿通穴 ２２からねじ穴３にねじ１１を螺入して裏金２１と鉋身１を締着することができ る。この場合にも、先端縁８Ｅは替刃４に圧接状態になるから、裏金２１と替刃 ４との間に鉋屑が詰まるのを防止できる。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は以上詳述した如くであって、互いにねじ止めされる鉋身と裏金との間 にカッター刃を断截したカッター刃片からなる替刃を挟装すると共に、裏金の先 端縁を微少量だけ突出形成して替刃に常に圧接させるように構成したから、例え ば木工学習において生徒でも簡単に替刃の交換ができるし、市販のカッター刃を 使用するので替刃の費用も低減でき、また、替刃の切刃に裏金を利かすことによ って従来の鉋身の切刃と同等の切れ味を確保することができると共に、替刃と裏 金との間に鉋屑が詰まる現象を確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る替刃式鉋刃の分解斜視図
である。

【図２】替刃式鉋刃の平面図である。

【図３】図２中のＩＩＩ−ＩＩＩ矢示方向拡大断面図で
ある。

【図４】実施例の変形例に係る裏金の斜視図である。

【図５】図４に示す裏金を切刃に利かせない状態で鉋身
と裏金との間に挟装した替刃式鉋刃の部分拡大断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 鉋身 １Ａ 下面 ２ 替刃嵌合部 ３ ねじ穴 ４ 替刃 ５ 切刃 ５Ａ 上側刃面 ６、２１ 裏金 ８ 刃状部 ８Ｅ 先端縁 １０、２２ ねじ挿通穴 １１ ねじ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面の先端側に替刃嵌合部を凹設してな
   る鉋身と、切刃を該鉋身の先端から突出させた状態で前
   記替刃嵌合部に嵌装される替刃と、下面側で前記鉋身と
   の間に該替刃を挟持し、先端側が刃状部になった裏金と
   からなる替刃式鉋刃において、前記鉋身には上面から下
   面に向けてねじ穴を刻設し、前記替刃には切刃が一対の
   刃面からなる諸刃に形成されたカッター刃を使用単位毎
   に断截してなるカッター刃片を用い、前記裏金は刃状部
   の先端縁を前記替刃の上側刃面の途中に圧接するように
   該裏金の下面に対し微少量だけ斜め下方に突出形成する
   と共に、該裏金の基部側に位置して前記ねじ穴と衝合す
   るねじ挿通穴を穿設し、該ねじ挿通穴から前記ねじ穴に
   ねじを螺入することにより前記鉋身と裏金とを締着する
   ように構成したことを特徴とする替刃式鉋刃。