JPH0658385B2 - Cvケーブルの水トリー電流検出方法 - Google Patents

Cvケーブルの水トリー電流検出方法

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JPH0658385B2
JPH0658385B2 JP31767188A JP31767188A JPH0658385B2 JP H0658385 B2 JPH0658385 B2 JP H0658385B2 JP 31767188 A JP31767188 A JP 31767188A JP 31767188 A JP31767188 A JP 31767188A JP H0658385 B2 JPH0658385 B2 JP H0658385B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、活線状態でCVケーブル(架橋ポリエチレ
ン絶縁ビニールシースケーブル)の絶縁劣化に基づいて
発生する水トリー電流を測定するのに好適のCVケーブ
ルの水トリー電流検出方法に関し、さらに詳しくは、C
Vケーブルの遮蔽銅から引き出された接地線に流れる交
流電流を用いて迷走電流を求め、接地線に流れる総直流
成分から迷走電流を差し引くことにより水トリー電流を
求めるCVケーブルの水トリー電流検出方法に関する。
(従来の技術) 第4図、第5図に示すように、たとえば、CVケーブル
1は、導体2を内部半導伝層3で被覆し、外部半導伝層
4と内部半導伝層3との間に絶縁体としての架橋ポリエ
チレン5を介在させ、外部半導伝層4を遮蔽銅テープ6
により被覆してシールドし、その遮蔽銅テープ6に押さ
え布7を巻き、その押さえ布7を絶縁ビニールシース8
により被覆して形成されている。なお、CVケーブル1
には第6図に示すように遮蔽銅テープ6までを一体化し
た構成体を3個設け、その遮蔽銅テープ6を互いに接触
させてその3個の構成体に押さえ布7を巻いて、その押
さえ布7を絶縁ビニールシース8により被覆したCVケ
ーブルであるいわゆるトリプレックス形のCVケーブル
(CVT)もある。符号9は介在物を示す。
このCVケーブル1はそれが絶縁劣化すると、第7図に
示すように水トリー電流Iiが発生する。この第7図に示
す例は、遮蔽銅テープ6の側が+電位、導体2の側が−
電位である。また、水トリー電流Iiは図面に示す方向と
逆方向に流れる場合もある。この水トリー電流Iiを測定
するために、第8図に示すように、高圧配電線10に一側
が接続されかつ他側が負荷に接続されたCVケーブル1
の他側の遮蔽銅テープ6から接地線11を引き出し、その
接地線11の途中に絶縁劣化関係量としての水トリー電流
Iiを測定するための測定器12を接続する。この測定器12
は検出抵抗13と交流電流IACを除去するためのフィルタ
を有する増幅器14および記録装置15とから概略構成され
る。
ところが、絶縁ビニールシース8と大地との間には電池
作用起電力ES、GPT16の接地線17と大地との間には系
統負荷のアンバランスによる商用周波起電力EACがあ
り、GPT16の接地部分には電池作用起電力EEがある。
この状態を等価回路で示したのが第9図である。この第
9図において、RiはCVケーブル1の架橋ポリエチレン
5を含む絶縁抵抗、RSは絶縁ビニールシース8の部分の
シース抵抗であり、起電力Ei、絶縁抵抗Riと並列にコン
デンサCiがあると考えられ、電池作用起電力ES、シース
抵抗RSと並列にコンデンサCSがあると考えられる。これ
らの起電力ES、EE、EACがあると、迷走電流IS、IE、交
流電流IACが発生し、迷走電流IS、IEが直流電流成分I
として水トリー電流Iiと共に測定器12に流れることにな
る。その第9図に示す等価回路を直流電流成分Iのみに
着目して、書き換えて表現した等価回路が第10図であ
る。
その第10図には、直流電流成分としての迷走電流IS、IE
が水トリー電流Iiと共に流れている状態が示されてい
る。この迷走電流IS、IEは抵抗RS、REと電池作用起電力
ES、EEによって定まるものであるが、迷走電流IEは測定
器12と大地との間の接地線11aをGPT16の接地線17と
共用化することにより除去できる。そこで、迷走電流IS
について考えると、水トリー電流Iiの起電力Eiは通常数
10ボルト程度以下、電池作用起電力ES、EEは0.5ボルト
程度以下である。また、絶縁抵抗Riは数十万MΩ、シー
ス抵抗RSは通常絶縁抵抗より小さく、シース抵抗RSが20
0MΩ以上であると迷走電流ISは2.5ナノアンペア以下で
あり、これに対して劣化したケーブルでは水トリー電流
Iiは10ナノアンペア程度はあるので、通常の条件下では
迷走電流ISを考慮しなくともよいが、シース抵抗RSは環
境条件その他によって大きく変動し、シース抵抗RSが20
0MΩ以下になると相対的に迷走電流ISの寄与する割合
が大きくなる。なお、第8図において、18は電源、19は
CVケーブル1の一側の遮蔽銅テープ6から引き出され
た接地線、20′は測定時に開放するスイッチである。
(発明が解決しようとする課題) 従って、従来の直流成分のみを検出する測定器12を用い
てCVケーブル1の絶縁劣化による絶縁破壊事故を未然
に防止するために、CVケーブル1の絶縁劣化に基づく
水トリー電流Iiを検出するCVケーブルの水トリー電流
検出方法(たとえば、特開昭59−202075号公報)では、
迷走電流ISを測定しているのか水トリー電流Iiを測定し
ているのが識別できなくなる。
このような場合、迷走電流ISに影響を受けることなく水
トリー電流をIiを測定できる方法があれば好ましい。
この発明は、上記観点から為されたもので、CVケーブ
ルの遮蔽銅から引き出された接地線に流れる交流電流を
利用して、迷走電流を測定することにより迷走電流が流
れていても正確に水トリー電流を測定することのできる
新規なCVケーブルの水トリー電流検出方法を提供する
ことにある。
(課題を解決するための手段) この発明のCVケーブルの水トリー電流検出方法は、C
Vケーブルの遮蔽銅から引き出された接地線に流れる交
流電流のマキシマム部分とミニマム部分とに重畳してい
る水トリー電流を検出するため、前記交流電流の一周期
内で、該交流電流が測定器の基準ゼロを横切る時刻T0
T1、T2を検出し、この時刻T0、T1、T2を用いて下記の式
により、前記交流電流のシフト分として現われる迷走電
流ISを求め、前記接地線に流れる総直流成分から前記迷
走電流ISを差し引くことにより、前記水トリー電流を求
めることを特徴とする。
Is=(1/4)・a・ω・(2T1−T0−T2) 上記式において、記号aは交流電流の波高値、記号ωは
交流電流の周波数である。
(実施例) 以下に、この発明に係るCVケーブルの水トリー電流検
出方法を図面を参照しつつ説明する。
第1図において、符号20は測定器である。この測定器20
は、接地線交流電流検出部21と直流成分電流検出部22と
を有する。接地線交流電流検出部21は入力端子21a、21b
を有し、直流成分電流検出部22は入力端子22a、22bを有
する。その入力端子21aは遮蔽銅6から引き出された接
地線11に接続され、入力端子22bはスイッチ23を介して
接地線11に接続され、入力端子21b、22aは接地線11aを
介してアースされている。
接地線交流電流検出部21の出力は、スイッチ24′とA/
D変換部24とを介して直流成分電流演算部25に入力され
ると共に、ゼロクロス検出部26を介して迷走電流演算部
27に入力される。また、直流成分電流検出部22の出力は
A/D変換部28に入力される。直流成分電流演算部25、
迷走電流演算部27、A/D変換部28の出力は水トリー電
流演算部29に入力される。
接地線交流電流検出部21には、第2図に示す交流電流I
ACが入力される。この交流電流IACのマキシマム部分と
ミニマム部分とには、水トリー電流Iiが高調波成分とし
て現われる。この高調波成分は上側交流波形部と下側交
流波形部とで非対称である。水トリー電流Iiは印加電圧
に対して非線形であり、かつ、極性によって差があるか
らである。すなわち、印加電圧の上昇に伴って水トリー
電流Iiは大きくなり、また、その流れる方向が定まって
いるからである。一方、迷走電流ISは測定器20の基準ゼ
ロK2に対する交流電流IACのシフト分として現われる。
ここで、基準ゼロK2は測定器20をゼロ調整してセットし
ておくものである。
ゼロクロス検出部26は交流電流IACの一周期内で、交流
電流IACが測定器20の基準ゼロK2を横切る時刻T0、T1、T
2を検出する機能を有し、このゼロクロス検出部26には
公知のものを使用する。ここで、交流電流IACが基準ゼ
ロK2を横切る点をB′、G、Hとすると、点B′から点
Gまでのゼロクロス距離B′Gは時間幅T1−T0に等し
い。また、点Gから点Hまでのゼロクロス距離GHは時
間幅T2−T1に等しい。
今、交流電流IACが迷走電流ISを横切る点C、Fについ
て考え、時間軸方向にC点を境にB′と対称な位置に点
D、時間軸方向にF点を境にG点と対称な位置に点Eを
考えると、ゼロクロス距離DEはゼロクロス距離GHに
等しい。また、ゼロクロス距離FGはゼロクロス距離
B′Cに等しい。というのは、交流電流IACは迷走電流I
Sを基準に考えると、水トリー電流Iiに関する部分を除
けば点Fを境に正の半周期と負の半周期とが対称性を有
するからである。
したがって、B′C=CD=EF=FGであるので、ゼ
ロクロス距離B′Cは、以下の式によって与えられる。
B′C=(1/4)・(2T1−T0−T2)… 一方、交流電流IACは波高値をa、その基準周波数をω
とすると、交流電流IACは IAC=a・sin(ω・t) で表わされ、点Cにおいての交流電流IACの接線Mの傾
きを求めるため、交流電流IACを時間tについて微分す
ると、 接線Mの傾きはa・ω・cos(ω・t)となる。ここ
で、この接線Mが基準ゼロK2を横切る点をBとすると、
接線Mの傾きは、(IS/BC)によって表わされる。と
ころで、点Bと点B′とは交流電流IACの波高値aが迷
走電流ISに較べてはるかに大きい場合には略等しいとみ
なせるので、接線Mの傾きは(IS/B′C)となる。
したがって、下記の式が成り立つ。
(IS/B′C)=a・ω・cos(ω・t)… この式を変形すると、 IS=a・ω・B′・C・cos(ω・t)… この式において、基準ゼロK2に対する迷走電流ISを求
めるため、t=0とし、且つ、式のB′Cに式の
B′Cを代入すれば、 下記の式を得る。
IS=(1/4)・a・ω・(2T1−T0−T2) ここで、t=0としたのは、交流電流IACが迷走電流IS
を横切る点M′における接線Mの傾きを得るためであ
る。
よって、波高値a、基準周波数ωをあらかじめ他の測定
器を用いて求めておいて、迷走電流演算部27に上記式に
従って演算を行わせれば、迷走電流ISの値を得る。
なお、ゼロクロス時刻T0、T1、T2を各周期毎に複数回サ
ンプリングしてその平均値を求めれば、より一層正確な
迷走電流ISの値を得ることができる。
この迷走電流ISを意味する値は、水トリー電流演算部29
に入力される。この水トリー電流演算部29には、スイッ
チ23が閉じているとき、直流成分電流検出部22の出力が
A/D変換部28を介して入力される。その直流成分電流
検出部22は水トリー電流Iiと迷走電流ISとを含む総直流
成分を検出する機能を有するもので、交流成分IACを除
去するフィルターを有している。
水トリー電流演算部29は、その総直流成分から迷走電流
ISを差し引いて、水トリー電流Iiを求める機能を有し、
このようにして求められた水トリー電流Iiを意味する情
報は表示部30に向かって出力される。
なお、この実施例では、直流成分電流検出部22の出力に
基づき総直流成分を検出することにしたが、スイッチ23
を開き、かつ、スイッチ24′を閉じ、直流電流成分演算
部26を用いて、第3図に示すように水トリー電流Iiと迷
走電流ISとを含む総直流成分を交流電流IACの一周期全
域に渡ってサンプリングすることにより求め、このよう
にして求めた総直流成分から迷走電流ISを差し引くこと
により水トリー電流Iiを求めてもよい。
また、本発明に係わるCVケーブルの水トリー電流検出
方法は、特に以下のような場合に有効である。
すなわち、CVケーブル1の各相R1、R2、R3を一括して
水トリー電流Iiを測定する場合、各相の不平衡に基づき
接地線11に流れる交流電流IACの波高値aは小さい。こ
れに対して、各相毎に水トリー電流Iiを測定する場合、
たとえば、CVケーブル1と相R2、相R3との接続を断っ
て相R1のみがCVケーブル1に接続された状態で相R1
ついてCVケーブル1の水トリー電流Iiを測定すると
き、接地線11に流れる交流電流IACの波高値aが一括し
て測定する場合に較べてはるかに大きい。このような場
合に、本発明に係わるCVケーブルの水トリー電流検出
方法は、接地線11に流れる交流電流IACの波高値aが大
きくなるに伴って近似条件が向上するので、各相毎に水
トリー電流Iiを測定するのに有効である。
(発明の効果) この発明のCVケーブルの水トリー電流検出方法は、以
上説明した方法であるので、交流波形に重畳されている
水トリー電流と迷走電流とを分離して迷走電流を測定で
き、したがって、総直流成分から迷走電流を差し引くこ
とにより、活線状態でも水トリー電流そのものを正確に
測定できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明のCVケーブルの水トリー電流検出方
法を説明するための回路図、第2図、第3図はこの発明
のCVケーブルの水トリー電流検出方法を説明するため
の波形図、第4図はこの発明に係るCVケーブルの断面
図、第5図はその側面図、第6図はこの発明に係る他の
CVケーブルの断面図、第7図はこの発明に係る水トリ
ー電流の発生機構の説明図、第8図は従来の測定器のC
Vケーブルへの接続図、第9図、第10図はその第8図に
示す接続図の等価回路、である。 1…CVケーブル、6…遮蔽銅 10…高圧配電線、11…接地線 20…測定器、16…GPT Ii…水トリー電流、K2…基準ゼロ IS…迷走電流、IAC…交流電流

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CVケーブルの遮蔽銅から引き出された接
    地線に流れる交流電流のマキシマム部分とミニマム部分
    とに重畳している水トリー電流を検出するため、前記交
    流電流の一周期内で、該交流電流が測定器の基準ゼロを
    横切る時刻T0、T1、T2を検出し、この時刻T0、T1、T2
    用いて下記の式により、前記交流電流のシフト分として
    現われる迷走電流ISを求め、前記接地線に流れる総直流
    成分から前記迷走電流ISを差し引くことにより、前記水
    トリー電流を求めることを特徴とするCVケーブルの水
    トリー電流検出方法。 Is=(1/4)・a・ω・(2T1−T0−T2) 上記式において、記号aは交流電流の波高値、記号ωは
    交流電流の周波数である。
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