JPH0658274A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JPH0658274A
JPH0658274A JP21031292A JP21031292A JPH0658274A JP H0658274 A JPH0658274 A JP H0658274A JP 21031292 A JP21031292 A JP 21031292A JP 21031292 A JP21031292 A JP 21031292A JP H0658274 A JPH0658274 A JP H0658274A
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oil
groove
housing
oil supply
movable scroll
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Toshiaki Yoshii
利彰 吉井
Kazutoshi Yamada
和利 山田
Kazuo Sugimoto
和夫 杉本
Yoshimasa Doi
善正 土井
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スラスト受面と可動スクロール背面とに付着
した油が吸入ガス流体に巻き込まれて油上りするのを減
少できるようにすること。 【構成】 スラスト受面6aに給油溝15を設けたハウ
ジング6の前記スラスト受面6aで、前記給油溝15よ
り径方向外方側に油回収溝18を設け、この油回収溝1
8の油を、前記給油溝15に給油される油の油溜めに回
収する油回収通路20を設けて、前記給油溝15に給油
してスラスト受面6aを潤滑した後の油を油回収溝18
で回収し、可動スクロール3の旋回運動により圧縮要素
Aの吸入部に対し露出するスラスト受面6a及び可動ス
クロール3背面の露出部に付着した油が吸入ガス流体に
巻き込まれて油上りするのを減少するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として冷凍装置に用い
るスクロール圧縮機に関する。
【0002】
【従来技術】従来、此種スクロール圧縮機は、特開平3
ー67080号公報に示されている。この従来の圧縮機
は、図10に示すごとく鏡板の一側に渦巻体を設けた固
定スクロールS1と、鏡板の一側に前記固定スクロール
S1の渦巻体と噛合する渦巻体を設けた可動スクロール
S2とから成る圧縮要素Sと、この圧縮要素Sの可動ス
クロールS2を前記固定スクロールS1に対し旋回運動
させる駆動軸GをもったモータMと、前記可動スクロー
ルS2の背面に対接するスラスト受面H1及び前記可動
スクロールS2背面の中心側に設けるボス部S3を受入
れる受入部H2と軸受H3とを有するハウジングHとを
備え、前記圧縮要素Sの各スクロールS1、S2を、前
記各渦巻体の巻終り端部がほぼ180°偏位した位置で
互いに噛合うように重ねて、これら渦巻体の巻終り端部
にそれぞれ吸入部を設け、前記可動スクロールS2の旋
回運動により前記各吸入部から圧縮要素S内に吸入した
ガス流体を前記各渦巻体間の二系統の作動空間で圧縮
し、前記固定スクロールS1の渦巻体中心側に設けた吐
出口S4から吐出するように成す一方、前記軸受H3に
前記駆動軸Gのモータに対しスクロール側端部を回転自
由に支持すると共に、前記駆動軸Gのモータに対し反ス
クロール側端部に、前記駆動軸Gの軸心部に形成する油
給送通路Cに潤滑油を給送する潤滑ポンプ(図示せず)
を設ける一方、前記ハウジングHのスラスト受面H1
に、連通路を介して前記油給送通路Cと連通する環状の
給油溝Dを設け、前記可動スクロールS2の旋回運動に
より、前記給油溝Dに給油された油が前記スラスト受面
H1に運ばれてスラスト受面H1の潤滑性を高めるよう
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】所で、前記スラスト受
面H1に給油溝Dを設けたスクロール圧縮機によると、
前記給油溝Dに給油された油が、可動スクロールS2の
旋回運動により、前記給油溝Dに対し径方向に運ばれて
スラスト受面H1と可動スクロールS2との摺動面を潤
滑することになるのであるが、このスラスト受面H1に
給油された油は、前記スラスト受面H1と可動スクロー
ルS2背面とに付着することになり、前記可動スクロー
ルS2の旋回運動により、前記スラスト受面H1と可動
スクロールS2背面との何れかが圧縮要素Sの吸入部に
対し露出するとき、この露出するスラスト受面H1又は
可動スクロールS2背面に付着した油が圧縮要素Sの吸
入部に吸入される吸入ガス流体に巻き込まれることにな
り、圧縮要素S内への油吸入量が増大して、圧縮機の油
上り、即ち、前記圧縮要素の吐出口に連通する吐出管へ
の油上りが増大する問題があった。
【0004】本発明は以上の問題点に鑑み発明したもの
で、目的は、スラスト受面と可動スクロール背面とに付
着した油が吸入ガス流体に巻き込まれて油上りするのを
減少できるようにする点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明は、可
動スクロール3を有する圧縮要素Aと、前記可動スクロ
ール3の背面に対接するスラスト受面6aを有するハウ
ジング6とを備え、前記スラスト受面6aに給油溝15
を設けて成るスクロール圧縮機であって、前記ハウジン
グ6におけるスラスト受面6aで、前記給油溝15より
径方向外方側又は前記スラスト受面6aの外周部外側に
油回収溝18を設けると共に、前記ハウジング6に、前
記油回収溝18の油を回収する油回収通路20を設けた
のである。
【0006】また、前記可動スクロール3における鏡板
中心0から少なくとも吸入部側外周縁までの長さL1
を、前記鏡板中心0の旋回軌跡から油回収溝18の外側
縁までの長さL2に前記可動スクロール3の旋回直径2
0 r を加えた長さ以上にするのが好ましい。
【0007】また、ハウジング6のスラスト受面6aに
設ける給油溝15の外側縁と油回収溝18の内側縁との
径方向長さL3は、可動スクロール3の旋回直径2R0
r 程度とするのが好ましい。
【0008】また、前記給油溝15に連通する給油通路
16を一つの吸入部又はその近くに設けると共に、前記
吸入部に対し反対側に位置する反吸入部側に、油回収溝
18に連通する油回収通路20を設けてもよい。また、
この場合、前記給油溝15と油回収溝18とは、前記反
吸入部側において連通させてもよい。
【0009】また、スラスト受面6aをもったスラスト
軸受60をハウジング6と別体に形成して前記ハウジン
グ6に結合し、このハウジング6の外周に、前記スラス
ト軸受60の外周部より大径なせき25を設け、前記ス
ラスト軸受60の外周部とせき22の内周部との間に油
回収溝18を形成してもよい。
【0010】
【作用】スラスト受面6aの給油溝15より径方向外方
側に油回収溝18を設けているから、スラスト受面6a
と可動スクロール3との摺動面を潤滑できながら、可動
スクロール3の旋回運動により前記給油溝15に対し径
方向外方側に運ばれた油を前記油回収溝18に回収で
き、更にこの油回収溝18で回収した油を、油回収通路
20から例えば前記給油溝15に給油される油の油溜り
側に回収できるから、可動スクロール3の旋回運動によ
り圧縮要素Aの吸入部に対し露出するスラスト受面6a
及び可動スクロール3背面の露出部に付着した油の吸入
ガス流体による巻き込みを少なくできて、圧縮要素A内
への油吸入量を減少でき、圧縮機の油上りを少なくでき
るのである。
【0011】また、前記可動スクロール3における鏡板
中心0から少なくとも吸入部側外周縁までの長さL1
を、前記鏡板中心0の旋回軌跡から油回収溝18の外側
縁までの長さL2に前記可動スクロール3の旋回直径2
0 r を加えた長さ以上にした場合には、可動スクロー
ル3の旋回運動時、吸入ガス流体に油が巻き込まれ易い
少なくとも吸入部側で、前記油回収溝18が可動スクロ
ール背面に対し露出するのを防止できるから、前記油回
収溝18に回収された油が前記吸入ガス流体に巻き込ま
れるのを防止でき、圧縮要素A内への油吸入量を減少で
きるのである。
【0012】また、前記給油溝15の外側縁と油回収溝
18の内側縁との径方向長さL3を、可動スクロール3
の旋回直径2R0 r 程度とすることにより、可動スクロ
ール3の旋回範囲ほぼ全域を良好に潤滑できて、しかも
潤滑後の油を有効に回収することができるのである。
【0013】また、前記給油溝15に連通する給油通路
16を一つの吸入部又はその近くに設けると共に、前記
吸入部に対し反対側に位置する反吸入部側に、油回収溝
18に連通する油回収通路20を設けた場合には、給油
通路16と油回収通路20との間の距離を長くできて、
スラスト受面6aへの給油が有効に行えるし、また、前
記吸入部近くにおける可動スクロール3のハウジング6
への押付力は小さくて、給油通路16から給油溝15に
給油された油は、給油溝15に対し径方向外方に流れ易
いが、前記給油溝15の給油通路16との連通付近に
は、給油された油に前記油回収通路20方向への流れが
あって、この給油溝15内の油の流れにより前記径方向
外方に流出しようとする油を抑制できるから、給油溝1
5に給油した油の前記吸入部近くでの洩れ量を少なくで
き、それだけ吸入ガス流体による油の巻き込みを少なく
できるのである。
【0014】また、給油溝15と油回収溝18とを反吸
入部側において連通させた場合には、前記給油溝15内
で、該給油溝15に給油された油の流れが生じて給油溝
15への給油量を増大できるから、スラスト受面6aの
冷却効果を高めることができるのである。
【0015】また、スラスト受面6aをもったスラスト
軸受60をハウジング6と別体に形成して前記ハウジン
グ6に結合し、このハウジング6の外周に、前記スラス
ト軸受60の外周部より大径なせき25を設け、前記ス
ラスト軸受60の外周部とせき25の内周部との間に油
回収溝18を形成した場合には、前記給油溝15を、ハ
ウジング6と別体のスラスト軸受60に形成できるか
ら、この給油溝15の加工が容易であり、しかも、前記
スラスト軸受60のハウジング6への結合により前記油
回収溝18を形成できるから、油回収溝18を特別に加
工する場合に比べて該油回収溝18を簡単、容易に形成
できるのである。
【0016】
【実施例】図1、2に示したスクロール圧縮機は冷凍装
置に用いる縦形スクロール圧縮機であって、円筒状の密
閉縦形ケーシング1の長さ方向上側内部に、鏡板2aの
一側平面に渦巻体2bをもった固定スクロール2と、鏡
板3aの一側平面に前記渦巻体2bと噛合う渦巻体3b
をもち、かつ、鏡板3a背面の中心側に筒状のボス部3
cをもった可動スクロール3とから成る圧縮要素Aを内
装し、前記各スクロール2、3を、前記各渦巻体2b、
3bの巻終り端部がほぼ180°偏位した位置で互いに
噛合うように重ねて、これら渦巻体2b、3bの巻終り
端部に吸入部A1、A1を設け、前記固定スクロール2
に対する可動スクロール3の旋回運動により前記各吸入
部A1から圧縮要素A内に吸入したガス流体を、前記各
渦巻体2b、3b間の二系統の作動空間で圧縮し、前記
渦巻体2bの中心側に設けた吐出口A2から吐出するよ
うに成す一方、前記ケーシング1内の前記圧縮要素Aに
対し下方側に、前記可動スクロール3を旋回運動させる
駆動軸4をもったモータ5と、前記可動スクロール3の
背面3d外周側に対接するスラスト受面6a及び前記ボ
ス部3cを受入れる受入部6bと軸受6cとを有するハ
ウジング6とを内装し、このハウジング6のスラスト受
面6aに前記可動スクロール3の背面3dを支持し、ま
た、前記軸受6cに前記駆動軸4のモータに対しスクロ
ール側を回転自由に支持しており、この駆動軸4のスク
ロール側端部には偏心軸部4aを設けて、該偏心軸部4
aを、前記ボス部3c内にメタル軸受7を介して支持し
ている。また、前記可動スクロール3は、鏡板3aの中
心に対し渦巻体3bの巻終り側が、反巻終り側に対し重
くなるため、この巻終り側鏡板の外周部を、図2に示す
ように前記渦巻体3bに沿って切徐しバランス取りして
いる。
【0017】また、前記ケーシング1内における前記固
定スクロール2の背面側に、前記吐出口A2に連通する
連通路8aをもった隔壁8を設けて吐出室9を画成し、
この吐出室9に外部吐出管10を開口させると共に、前
記隔壁8に対し反吐出室側の低圧側空間11に吸入管1
2を開口させて低圧ドーム形式としている。また、前記
駆動軸4のモータに対し反スクロール側端部に、前記駆
動軸4の軸心部に形成する油給送通路13に潤滑油を給
送する潤滑ポンプ14を設けており、また、前記ハウジ
ング6には、前記スラスト受面6aに環状の給油溝15
を設けると共に、この給油溝15を前記油給送通路13
に前記軸受6c部を介して連通させる給油通路16を設
けて、前記潤滑ポンプ14により前記ケーシング1の底
部油溜め17から汲上げた油を前記軸受6c及びメタル
軸受7と給油溝15とに給油するようにしている。
【0018】そして、図1、2に示した第1実施例は、
以上のごとく構成するスクロール圧縮機において、前記
ハウジング6におけるスラスト受面6aで、前記給油溝
15より径方向外方側に環状の油回収溝18を設けると
共に、前記スラスト受面6aの油回収溝18に対し給油
溝15側部位に、油回収溝18の内側縁と連通する油ポ
ケット19を油回収溝18と同程度の深さに形成して、
この油ポケット19の底面から前記ハウジング6を貫通
して前記低圧側空間11に開口する油回収通路20を形
成し、前記油回収溝18の油を、前記油回収通路20及
び低圧側空間11を経て前記油溜め17に回収するよう
にしたものである。
【0019】前記給油通路16と油回収通路20とのう
ち、給油通路16は、図2に示すように前記圧縮要素A
のーつの吸入部A1又はその近くに設け、また、前記油
回収通路20を、前記給油通路16を設ける側の吸入部
A1に対し反対側に位置する反吸入部側に設けている。
また、前記給油溝15の外側縁と油回収溝18の内側縁
との径方向長さL3は、可動スクロール3の旋回直径2
0 r 程度としている。
【0020】尚、前記給油通路16は、前記ハウジング
6の軸受6c部から半径方向外方に延びる第1孔16a
と、該第1孔16aの中間部から軸方向に向かって延び
る第2孔16bとにより形成しており、また、前記油給
送通路13は、駆動軸4の一端から他端に亘って形成さ
れ、この油給送通路13のスクロール側に、前記軸受6
cの内周面に開口する分岐路13aを設けて、前記潤滑
ポンプ14から給送された油を前記軸受6c及びメタル
軸受7に給油するようにしている。また、前記軸受6c
の内周面には、前記分岐路13aに連通する環状溝と該
環状溝から軸方向に延びる軸方向溝とを設け、この軸方
向溝を、貫通孔を介して前記給油通路16に連通させ、
前記潤滑ポンプ14から油給送通路13に給送された油
を前記軸受6c部から前記給油通路16に供給するよう
にしている。
【0021】また、前記ハウジング6には、図1に示す
ように前記受入部6bから半径方向外方に向かって貫通
する排油孔21を設けて、この排油孔21の中間部に前
記油回収通路20の先端を開口させ、前記軸受7を潤滑
した後、前記受入部6b内に流出した油と、前記油回収
溝18に回収した油とを前記排油孔21から前記低圧側
空間11に排出させるようにしている。
【0022】また、図1において22は、前記可動スク
ロール3とハウジング6との間に設けて、前記可動スク
ロール3の自転を防止し旋回運動させるオルダム継手、
23は一端が前記吐出室9に開口し、他端が前記低圧側
空間11に開口するキャピラリーチューブから成る油戻
し管で、前記吐出室9で分離された油を前記低圧側空間
11に返戻するようにしている。
【0023】以上のようにスラスト受面6aの給油溝1
5より径方向外方側に油回収溝18を設けているから、
給油通路16から給油溝15に給油された油が、前記可
動スクロール3の旋回運動により前記給油溝15に対し
径方向外方側に運ばれ、スラスト受面6aを潤滑できる
のであり、しかも、給油溝15に対し径方向外方側に運
ばれた油を前記油回収溝18に回収することができ、更
に、この油回収溝18に回収した油は、油回収通路20
から油溜り17に回収できるのである。このため、可動
スクロール3の旋回運動により圧縮要素Aの吸入部に対
し露出するスラスト受面6a及び可動スクロール3背面
の露出部に付着した油の吸入ガス流体による巻き込みを
少なくできて、圧縮要素A内への油吸入量を減少でき、
前記吐出管10への油上りを少なくできるのである。
【0024】また、前記給油溝15の外側縁と油回収溝
18の内側縁との径方向長さL3を、可動スクロール3
の旋回直径2R0 r 程度としているから、可動スクロー
ル3の旋回運動時、給油溝15に給油された油を、可動
スクロール3の旋回範囲ほぼ全域に行き渡らせることが
できて、スラスト受面6aを良好に潤滑でき、しかも潤
滑後の油を油回収溝18に有効に回収することができる
のである。
【0025】また、前記給油通路16を一つの吸入部A
1又はその近くに設けると共に、前記吸入部A1に対し
反対側に位置する反吸入部側に油回収通路20を設けて
いるから、これら給油通路16と油回収通路20との間
の距離を長くできて、給油通路16から給油溝15に給
油した油が油回収通路20から回収されるまでの経路を
十分に確保できるのであり、このため、スラスト受面6
aへの給油が有効に行えるし、また、前記吸入部近くに
おける可動スクロール3のハウジング6への押付力は小
さくて、給油通路16から給油溝15に給油された油
は、給油溝15に対し径方向外方に流れ易いが、前記給
油溝15の給油通路16との連通付近には、給油された
油に前記油回収通路20方向への流れがあって、この給
油溝15内の油の流れにより前記径方向外方に流出しよ
うとする油を抑制できるから、給油溝15に給油した油
の前記吸入部近くでの洩れ量を少なくでき、それだけ吸
入ガス流体による油の巻き込みを少なくできるのであ
る。
【0026】尚、図2に示すように前記可動スクロール
3のバランス取りを良好にするため、該可動スクロール
3における巻終り側鏡板の外周部が、前記渦巻体3bに
沿って切徐され、この切徐部分で前記油回収溝18が露
出する場合には、この巻終わり側鏡板の外周部に、径方
向外方に向かって延び、前記油回収溝18の露出部分を
覆う薄肉の覆い部を設けて、油回収溝18の油が前記吸
入ガス流体により巻き込まれ難いようにするのが好まし
い。
【0027】また、第1実施例において、前記油回収溝
18は、前記スラスト受面6aに設ける他、このスラス
ト受面6aの外周部の外側、即ち、可動スクロール3の
旋回運動時に前記鏡板3a背面と接触する部分より外側
に設けてもよい。また、前記油回収通路20は、図3に
示すように二つ設けてもよいのであって、その個数は特
に制限されない。また、この油回収通路20は、前記排
油孔21に開口させる他、前記油戻し管23を挿通する
ために設ける貫通孔6fに開口させてもよい。
【0028】また、図4、5に示した第2実施例では、
前記可動スクロール3における鏡板3aの中心0から少
なくとも吸入部側外周縁までの長さL1を、前記鏡板中
心0の旋回軌跡から油回収溝18の外側縁までの長さL
2に前記可動スクロール3の旋回直径2R0 r を加えた
長さ以上にしたものである。
【0029】この第2実施例の場合には、可動スクロー
ル3の旋回運動時に前記油回収溝18が露出するのを防
止できるから、この油回収溝18に回収した油が、前記
吸入部A1、A1から圧縮要素A内に吸入されるのを防
止できるのである。尚、油回収溝18に回収した油が吸
入ガス流体に巻き込まれるのは、前記吸入部A1、A1
から圧縮要素A内に吸入される吸入ガス流体により巻き
込まれるのであるから、前記鏡板3aの中心0から鏡板
3aの全外周縁までの長さL1を、前記長さL2に前記
旋回直径2R0 r を加えた長さ以上にすることなく、鏡
板3aの中心0から鏡板3aの吸入部側外周縁までの長
さL1を、前記長さL2に前記旋回直径2R0 r を加え
た長さ以上にして、少なくとも前記吸入部A1、A1側
で前記油回収溝18が露出するのを防止するようにして
もよいのである。この場合、前記油回収溝18は長円形
状に形成してもよい。また、前記可動スクロール3のバ
ランス取りを良好にするため、図2に示すように該可動
スクロール3における巻終り側鏡板の外周部が、前記渦
巻体3bに沿って切徐されている場合には、この巻終わ
り側鏡板の外周部を図5の矢印Xで示すように径方向外
方に延長して、可動スクロール3の旋回運動時、前記巻
終わり側の油回収溝18が露出しないようにするのであ
る。
【0030】また、図6に示した第3実施例では、前記
給油通路16を一つの吸入部A1又はその近くに設ける
と共に、前記吸入部A1に対し反対側に位置する反吸入
部側に、前記給油溝15と油回収溝18とを連通させる
連通部24を座ぐり加工などにより形成して、この連通
部24に前記油回収通路20を開口させたものである。
【0031】この第3実施例によると、給油通路16か
ら給油溝15に給油された油を、前記連通部24を介し
て油回収通路20から回収できて、給油溝15内で、該
給油溝15に給油された油の流れを生じさせることがで
きるから、給油溝15への給油量を増大でき、スラスト
受面6aの冷却効果を高めることができるのである。
尚、前記給油溝15と油回収溝18とを連通させる場
合、前記連通部24を設ける他、図7に示すように前記
連通部24をなくし、前記油回収通路20を、前記給油
溝15と油回収溝18とに跨がって開口させてもよい。
【0032】また、図8、9に示した第4実施例では、
一側にスラスト受面6aをもったリング状のスラスト軸
受60を前記ハウジング6と別体に形成し、このスラス
ト軸受60に前記給油溝15を設けると共に、前記ハウ
ジング6におけるスラスト受面の形成側で、前記受入部
6bの周りに円形の嵌合凹部6dを形成して、該嵌合凹
部6dに前記スラスト軸受60を圧入結合する一方、前
記ハウジング6における前記嵌合凹部6dの外側に、環
状段部6eを介して円形内周面をもったせき25を前記
スラスト軸受60より大径に形成し、前記スラスト軸受
60の外周部とせき25の内周部との間の前記環状段部
6eにより前記油回収溝18を形成したもので、共通部
品については図1と同一符号を用いている。また、この
実施例においても一つの吸入部A1又はその近くに前記
給油通路16を設け、前記吸入部A1に対し反対側に位
置する反吸入部側に、前記油回収通路20を形成するの
である。
【0033】この第4実施例によると、前記給油溝15
を、ハウジング6と別体のスラスト軸受60に形成でき
るから、この給油溝15の加工が容易であり、しかも、
前記スラスト軸受60のハウジング6への結合により前
記油回収溝18を形成できるから、油回収溝18を特別
に加工する場合に比べて該油回収溝18を簡単、容易に
形成できるのである。尚、この第4実施例において前記
油回収通路20を複数個設ける場合で、その油回収通路
20間の間隔が例えば前記排油孔21の孔径よりも広い
場合、前記スラスト軸受60のスラスト受面6aに対し
反対側の背面に、周方向に延びて各油回収通路に連通す
る連通路を設けるのである。
【0034】尚、本発明のスクロール圧縮機は、図1に
示したようにケーシング1を横置する横形である他、前
記ケーシング1を縦置する縦形であってもよい。
【0035】
【発明の効果】以上のごとく本発明は、給油溝15を設
けたスラスト受面6aの前記給油溝15より径方向外方
側に油回収溝18を設けているから、スラスト受面6a
と可動スクロール3との摺動面を潤滑できながら、可動
スクロール3の旋回運動により前記給油溝15に対し径
方向外方側に運ばれた油を前記油回収溝18に回収で
き、更にこの油回収溝18で回収した油を、油回収通路
20から回収できるから、可動スクロール3の旋回運動
により圧縮要素Aの吸入部に対し露出するスラスト受面
6a及び可動スクロール3背面の露出部に付着した油の
吸入ガス流体による巻き込みを少なくできて、圧縮要素
A内への油吸入量を減少でき、圧縮機の油上りを少なく
できるのである。
【0036】また、前記可動スクロール3における鏡板
中心0から少なくとも吸入部側外周縁までの長さL1
を、前記鏡板中心0の旋回軌跡から油回収溝18の外側
縁までの長さL2に前記可動スクロール3の旋回直径2
0 r を加えた長さ以上にした場合には、可動スクロー
ル3の旋回運動時、吸入ガス流体に油が巻き込まれ易い
少なくとも吸入部側で、前記油回収溝18が可動スクロ
ール背面に対し露出するのを防止できるから、前記油回
収溝18に回収された油が前記吸入ガス流体に巻き込ま
れるのを防止でき、圧縮要素A内への油吸入量を減少で
きるのである。
【0037】また、前記給油溝15の外側縁と油回収溝
18の内側縁との径方向長さL3を、可動スクロール3
の旋回直径2R0 r 程度とすることにより、可動スクロ
ール3の旋回範囲ほぼ全域を良好に潤滑できて、しかも
潤滑後の油を有効に回収することができるのである。
【0038】また、前記給油溝15に連通する給油通路
16を一つの吸入部又はその近くに設けると共に、前記
吸入部に対し反対側に位置する反吸入部側に、油回収溝
18に連通する油回収通路20を設けた場合には、給油
通路16と油回収通路20との間の距離を長くできて、
スラスト受面6aへの給油が有効に行えるし、また、前
記吸入部近くにおける可動スクロール3のハウジング6
への押付力は小さくて、給油通路16から給油溝15に
給油された油は、給油溝15に対し径方向外方に流れ易
いが、前記給油溝15の給油通路16との連通付近に
は、給油された油に前記油回収通路20方向への流れが
あって、この給油溝15内の油の流れにより前記径方向
外方に流出しようとする油を抑制できるから、給油溝1
5に給油した油の前記吸入部近くでの洩れ量を少なくで
き、それだけ吸入ガス流体による油の巻き込みを少なく
できるのである。
【0039】また、給油溝15と油回収溝18とを反吸
入部側において連通させた場合には、前記給油溝15内
で、該給油溝15に給油された油の流れが生じて給油溝
15への給油量を増大できるから、スラスト受面6aの
冷却効果を高めることができるのである。
【0040】また、スラスト受面6aをもったスラスト
軸受60をハウジング6と別体に形成して前記ハウジン
グ6に結合し、このハウジング6の外周に、前記スラス
ト軸受60の外周部より大径なせき25を設け、前記ス
ラスト軸受60の外周部とせき25の内周部との間に油
回収溝18を形成した場合には、前記給油溝15を、ハ
ウジング6と別体のスラスト軸受60に形成できるか
ら、この給油溝15の加工が容易であり、しかも、前記
スラスト軸受60のハウジング6への結合により前記油
回収溝18を形成できるから、油回収溝18を特別に加
工する場合に比べて該油回収溝18を簡単、容易に形成
できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明圧縮機の縦断面図。
【図2】ハウジングの平面図。
【図3】別の実施例を示すハウジングの部分平面図。
【図4】同別の実施例を示す部分縦断面図。
【図5】同別の実施例示すハウジングの平面図。
【図6】別の実施例を示すハウジングの部分平面図。
【図7】別の実施例を示すハウジングの部分平面図。
【図8】同別の実施例を示すハウジングの平面図。
【図9】図8のYーY線断面図。
【図10】従来例を示す部分断面図。
【符号の説明】
A 圧縮要素 3 可動スクロール 6 ハウジング 6a スラスト受面 15 給油溝 18 油回収溝 20 油回収通路 25 せき 60 スラスト軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 和夫 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキン 工業株式会社堺製作所臨海工場内 (72)発明者 土井 善正 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキン 工業株式会社堺製作所臨海工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可動スクロール3を有する圧縮要素Aと、
    前記可動スクロール3の背面に対接するスラスト受面6
    aを有するハウジング6とを備え、前記スラスト受面6
    aに給油溝15を設けて成るスクロール圧縮機であっ
    て、 前記ハウジング6におけるスラスト受面6aで、前記給
    油溝15より径方向外方側又は前記スラスト受面6aの
    外周部の外側に油回収溝18を設けると共に、前記ハウ
    ジング6に、前記油回収溝18の油を回収する油回収通
    路20を設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】可動スクロール3における鏡板中心0から
    少なくとも吸入部側外周縁までの長さL1を、前記鏡板
    中心0の旋回軌跡から油回収溝18の外側縁までの長さ
    L2に前記可動スクロール3の旋回直径2R0 r を加え
    た長さ以上にしている請求項1記載のスクロール圧縮
    機。
  3. 【請求項3】ハウジング6のスラスト受面6aに設ける
    給油溝15の外側縁と油回収溝18の内側縁との径方向
    長さL3を、可動スクロール3の旋回直径2R0 r 程度
    としている請求項1記載のスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】給油溝15に連通する給油通路16を一つ
    の吸入部又はその近くに設けると共に、前記吸入部に対
    し反対側に位置する反吸入部側に、油回収溝18に連通
    する油回収通路20を設けている請求項1記載のスクロ
    ール圧縮機。
  5. 【請求項5】給油溝15と油回収溝18とを反吸入部側
    において連通させている請求項4記載のスクロール圧縮
    機。
  6. 【請求項6】スラスト受面6aをもったスラスト軸受6
    0がハウジング6と別体に形成されて前記ハウジング6
    に結合されており、このハウジング6の外周には、前記
    スラスト軸受60の外周部より大径なせき25が設けら
    れていて、前記スラスト軸受60の外周部とせき25の
    内周部との間に油回収溝18が形成されている請求項1
    記載のスクロール圧縮機。
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