JPH0657887B2 - アクリル系合成繊維の製造法 - Google Patents

アクリル系合成繊維の製造法

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JPH0657887B2 JP10284086A JP10284086A JPH0657887B2 JP H0657887 B2 JPH0657887 B2 JP H0657887B2 JP 10284086 A JP10284086 A JP 10284086A JP 10284086 A JP10284086 A JP 10284086A JP H0657887 B2 JPH0657887 B2 JP H0657887B2
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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は高度な難燃性と極めて優れた光沢、透明性を有
する酸化スズを含有するアクリル系合成繊維の製造法に
関するものである。
「従来技術と問題点」 アクリル系繊維に高度な難燃性を付与することが知られ
ている酸化スズを繊維中に含有せしめて、難燃性と共に
優れた光沢と透明性を得るには、酸化スズを極めて微細
に粉砕して、ファイバー中で凝集せず、均一に分散して
含有させる必要がある。しかし乍ら、ファイバー品質を
損なう分散剤等を添加、使用することなく、微細に粉砕
した酸化スズをファイバー中で凝集せず均一に分散して
含有させることは極めて困難であり、従来の高度な難燃
性アクリル系合成繊維は、全て不透明なダルファイバー
である。かくして、高度な難燃性と極めて優れた光沢透
明性を兼備するアクリル系繊維の容易且つ安価な製造方
法の出現が切望されている。
例えば、特開昭57−89613にはアクリル系ポリマ
ーの相溶性に優れた有機スズを難燃剤として用いた方法
が提案されている。しかし、有機スズはその特性上、光
や熱に対して反応性が高く、繊維としての基本的品質で
ある耐光性や耐熱性に劣ると共に極めて高価であり、臭
気や排気処理の課題が存在する。更には難燃性の有機基
をその分子内に含有しているために難燃性に劣ってい
る。
一方、本発明者らは特開昭59−211616におい
て、無機スズ化合物、好ましくは四塩化スズを水系重合
反応混合物に添加することにより、難燃性と光沢、透明
性を両立させたアクリル系合成繊維の製造方法を提案し
た。しかし、この方法も新たな設備を必要とする上、重
合後処理工程での品種切替となるため、昨今の消費者の
要求にあわせた小量多品種化の流れに対して工業的に不
利である。又、水系重合法を採用しない場合には適用で
もないし、一般的な紡糸原液工程における各種添加剤の
混合溶設備の利用もできない。
「問題点を解決するための手段」 本発明者らはかかる実情に鑑み、難燃剤として酸化スズ
を紡糸原液工程において添加混合して、難燃性のみなら
ず光沢、透明性に優れたファイバーを得る方法について
は鋭意研究した結果、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は10〜50重量%の酸化スズ及び該酸化
スズ重量1/2量以下の酸を含有する水系混合物とエポ
キシ基含有化合物を紡糸原液に含有せしめて紡糸するこ
とを特徴とするアクリル系合成繊維の製造法を内容とす
るものである。
本発明におけるアクリル系合成繊維とは、アクリロニト
リルの重合体を主成分とする合成繊維であり、好ましく
はハロゲン含有ビニル系単量体、例えば塩化ビニル、塩
化ビニリデン、臭化ビニル等を30〜70重量%共重合
して含有するアクリロニトリル系重合体、更に好ましく
はスルホン酸基含有ビニル系単量体、例えばメタリルス
ルホン酸ソーダ、スチレンスルホン酸ソーダ等を0.1
〜10重量%とハロゲン含有ビニル系モノマーを30〜
70重量%を共重合して含有するアクリロニトリル系重
合体から成る。
アクリロニトリル系重合体にハロゲン含有ビニル系単量
体を共重合させることにより、難燃性が向上し、スルホ
ン酸基含有ビニル系単量体を共重合させることにより、
染色性等繊維の加工性、商品性に必須の基本的特性、機
能を付加することができる。他に、例えばアクリル酸、
メタクリル酸やそれらのエステル等繊維の品質向上に必
要な単量体を共重合しても良い。
難燃剤として酸化スズを好ましくは0.1μm以下の平
均粒子径で均一に分散させアクリロニトリル系合成繊維
中に0.2〜20%含有せしめる。0.2重量%未満だ
と難燃性向上の程度が小さく、20重量%を超えると、
光沢、透明性、強度等の繊維としての基本的機能を損な
う。好ましくは0.5〜10重量%含有せしめることに
より、所望のアクリル系合成繊維を得ることができる。
そのために、前述のアクリロニトリル系重合体を、好ま
しくは有機溶剤、更に好ましくはアセトンもしくはアセ
トニトリルに溶解せしめた紡糸原液に、酸化スズを10
〜50重量%、好ましくは20〜45重量%の酸化スズ
及び酸、好ましくは塩酸を前記酸化スズ重量の1/2
量、好ましくは1/100〜1/3量含有する水系混合
物として、好ましくは、平均粒子径を0.1μm以下に
微細に粉砕、分散して紡糸原液に添加せしめる。
紡糸原液に添加される酸及び水は、紡糸原液や製造され
る繊維の性状を損なわないためにはできない限り少量で
あることが好ましいが、微細に粉砕、分散した、或いは
されやすい酸化スズあるいは酸や水と複合した酸化スズ
を安定に保つためには酸化スズ重量の1/2量以下、好
ましくは1/100〜1/3量の酸を含有する水系混合
物であることが必要である。酸の量が上記範囲を超える
と、紡糸原液や繊維中の酸成分の洗浄除去が困難とな
り、繊維中に残存するために製造工程、後加工工程の機
器の発錆を招くと共に、紡糸原液に含有された他の添加
剤の効果を損なう。逆に酸の濃度が低くすぎると、酸化
スズ成分が水混合物中で不安定となり、紡糸原液や繊維
中に酸化スズ微細且つ均一に分散、含有せしめることが
困難となる。
一方、酸化スズ成分が10重量%未満では紡糸原液中に
水成分を多量に添加することになり、紡糸原液の安定性
を損ない、又緻密な繊維を得ることもできない。逆に水
系混合物中の酸化スズ成分が50重量%を超えると、酸
化スズ含有粒子が不安定となり、紡糸原液や繊維に含有
される粒子が凝集する。
紡糸原液に添加する酸化スズを含有する水系混合物は種
々の方法で調製されるが、例えば四塩化スズを水と混
合、反応させて、酸化スズと塩酸を含有する水系混合物
を得て、それをイオン交換法や蒸留法等で脱塩酸するこ
とにより、所望の組成を得ることができる。アルカリ等
を用いて中和する脱塩酸方法は、紡糸原液中に塩やアル
カリを含有せしめることになり、緻密な繊維構造を得る
ことができない。
四塩化スズの一部又は全部を金属スズ、二塩化スズある
いは酸化スズに替えて、塩酸、塩素あるいは過酸化水素
等及び水を用いて混合、反応させ、必要に応じて湿式粉
砕して同様の水系混合物を得ることもできるし、これら
の混合順序、方法、条件も特に問わないが、少なくとも
酸化スズと酸が前述の比率で含有された水系混合物でな
ければならない。
紡糸原液を構成する一部もしくは全部の成分や他の化合
物を含有することは差し支えないが、例えばアルカリや
塩のように、水系混合物やその含有する粒子の安定性に
影響を及ぼし、紡糸原液や繊維構造上の問題を包含し繊
維品質を損なう物質は好ましくない。
酸化スズ及び酸を含有する水系混合物中では、酸化スズ
は水酸化スズあるいは酸や水と結合した様々な組成をし
ており、例えば酸が塩酸の場合はSnOx(OH)yC
lzで表されるオキシ塩化スズと総称される組成が考え
られる。かくして、酸化スズを主成分とする粒子は、前
述の紡糸原液及び繊維中で極めて微細に、且つ均一に分
散して含有されやすい微粒子に調製される。
該水系混合物を分離精製する等の方法により酸化スズ粒
子を粉末等の形態で単離することは、酸化スズが凝集し
固くなり、たとえ分散剤を用いたとしても、再び元の微
粒子に戻して紡糸原液や繊維中に極めて微細且つ均一に
分散して含有せしめることは困難である。
エポキシ基含有化合物は水系混合物中に含有される酸の
当量数以上のエポキシ基当量数を、水系混合物を含有す
る紡糸原液に添加含有せしめる。エポキシ基含有化合物
の添加により、含有される酸や酸化スズによる耐染色失
透性や発錆防止性の低下を阻止すると共に、染色時の酸
やポリマーの加熱分解により発生するハロゲン化水素に
よる繊維特性の低下を防止する。
酸をアルカリ等を用いて中和すると、必然的に中和塩や
アルカリが紡糸原液あるいは繊維中に含有されることと
なり、紡糸原液の着色、紡糸時の濾過による紡糸原液の
昇圧、ノズルつまり、あるいは繊維の着色、繊維構造の
劣化、不透明化等の品質低下や製造、加工機器の発錆を
促進することとなる。
エポキシ基含有化合物とはビスフェノールAジグリシジ
ルエーテルのような1分子内に数個のエポキシ基を持つ
有機化合物からポリグリシジルメタクリレートのように
1分子内に数10〜数100個ものエポキシ基を持つ高
分子化合物やオリゴマーまでその分子量も様々のものが
知られているが、好ましくは、1分子内のエポキシ基が
X個のエポキシ基含有化合物(A)と、1分子内のエポ
キシ基がY個のエポキシ基含有化合物(B)を用いる。
X<Y且つ1<X≦100、好ましくはY−X≧20且
つ1≦X≦20である。
エポキシ基の少ない化合物(A)により、水系混合物中
の酸の当量数の好ましくは1/4以上のエポキシ基当量
数となる量を用いて水系混合物又は紡糸原液に、より好
ましくは水系混合物を含有せしめた紡糸原液に含有せし
めて酸との反応に供する。
エポキシ基含有化合物(B)を用いずに、化合物(A)
のみで酸の一部又は全部を反応せしめる方法は、化合物
(A)を多量に紡糸原液あるいは繊維中に含有せしめる
事になり、繊維の性状、特に耐染色失透性を阻害する可
能性が有り、より好ましくは化合物(A)を酸の当量数
の1/3以上、1.2倍以下のエポキシ基当量数となる
量を用いる。
紡糸原液には、水系混合物、エポキシ基含有化合物
(A)、エポキシ基含有化合物(B)の順に添加含有せ
しめる方法が水系混合物中の酸化スズを紡糸原液に微細
且つ均一に分散含有せしめることができ、又紡糸原液の
ゲル化、粘度上昇、濾過時の昇圧、ノズルのつまり等の
トラブルを最も少なくし得る方法である。
即ち、エポキシ基含有化合物(A)を使用せずに、ある
いは添加する前に水系混合物あるいは水系混合物を含有
する紡糸原液にエポキシ基含有化合物(B)を含有せし
める方法は、化合物(B)が1分子内に多くのエポキシ
基を含有している為に、酸との反応によってアクリル系
重合体あるいは他の化合物(B)等紡糸原液の構成物と
互いに架橋反応を引き起こし、前述の如きトラブルを発
生する確率が高まるものと考えられる。その結果、紡糸
原液中の酸の全部あるいは大部分はエポキシ基によって
反応して中和される。
紡糸原液に含有されるエポキシ基含有化合物の一部は酸
との反応物として含有され、しかもアルカリによる中和
塩と異なり、紡糸原液や製造される繊維の性状や前述の
製造上のトラブルを惹き起こすこともない。
紡糸原液には、酸化スズ、水の他に、繊維の品質改良
剤、例えば耐光、耐熱安定剤、光沢、透明性調節剤、染
料、顔料、他の難燃剤、染色性改良剤、繊維比重調節剤
等の化合物、オリゴマー、ポリマー等を加えても良い
し、紡糸方法は湿式法、乾式法等公知の方法が適用さ
れ、繊維の表面改質剤、油剤等一般的な繊維の製造方法
が好適に適用される。
「作用・効果」 本発明によれば、酸化スズを極めて微細且つ均一に分散
してアクリル系繊維に含有せしめることができる。その
結果、高度な難燃性と極めて優れた光沢、透明性を繊維
に付与できるばかりでなく、染色性の大巾な改良が出
来、極めて高品位の繊維を得ることができる。しかも、
紡糸原液工程において、微細な酸化スズの添加のみなら
ず、他の品質改良剤をも自在に添加することができるの
で、極めて優れた光沢、透明性と高度な難燃性を兼備す
る繊維のみならず、多種多様の繊維を工業的に有利に製
造でき、その有用性頗る大である。
「実施例」 以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるもので
はない。
以下の実施例、比較例における特性値は下記の方法に基
づいて測定されたものである。
酸素指数とは、総繊度5400デニールのフィラメント
を25インチ取って75回撚りをかけ、それを2本組み
合わせて45回逆撚りをかけて縄状の試料とする。それ
を170℃で5分間加熱処理して酸素指数試料器のホル
ダーに直立させ、この試料が5cm燃え続けるのに必要な
酸素パーセントの測定を行った。酸素指数値は大きい方
がより難燃性である。この酸素指数及びその燃焼状態や
燃焼後の試料を観察して繊維の難燃性及び総合評価を下
記の基準で行った。
A:非常に優れている B:優れている C:乏しい D:不良である 繊維の透明性は繊維をジメチルホルムアミドに溶解して
5%溶液として、その1cmの溶液の波長650μmにお
ける光の透過率を分光光度計にて測定し、ジメチルホル
ムマミドを透過率100として比較した。
酸化スズを主成分とする繊維中の難燃剤粒子の直径は電
子顕微鏡により観察し、凝集しているものについては1
粒子としてその平均直径を算出した。
前記の透過率、粒子径及び繊維の光沢性、透明性を観察
して、繊維の光沢、透明性及び総合評価を下記の基準で
行った。
A:非常に優れている B:優れている C:乏しい D:不良である 製造工程や加工工程における発錆防止性は、得られた繊
維を5cmに切断し解繊して、110℃で16時間乾燥す
る。その繊維魂の脱脂した新しい紡績用針を挿入して、
40℃、湿度85%の雰囲気中で24時間静置する。そ
の結果、挿入した針の発錆度を新しい針と対比して下記
のように発錆防止性を判定した。
A:非常に優れている B:優れている C:乏しい D:不良である 耐染色失透性は、得られた繊維を沸水中で30分、1時
間、2時間処理して、繊維の光透過、透明性を処理前の
原糸と比較して、下記の通り判定した。
A:非常に優れている B:優れている C:乏しい D:不良である 比較例1 無水四塩化スズ38重量部を水62重量部に耐酸容器中
でゆっくりと混合し、イオン交換法により脱塩酸を行っ
て、SnO30重量%、HCl4重量%を含有する水
系混合物を得た。
尚、SnO濃度は水混合物を加熱乾固した重量%で表
し、HCl濃度は水混合物を水で更に希釈してNaOH
による中和滴定によった。
上記の如くして得られた酸化スズを含む水系混合物1重
量部を乾固することなく、アクリロニトリル45重量
%、塩化ビニリデン34重量%、塩化ビニル20重量
%、スチレンホン酸ソーダ1重量%からなるアクリル系
共重合体を30重量%含有するアセトンを溶剤とする紡
糸原液100重量部に添加、混合して調製した。
これを紡糸口金よりアセトン水溶液中に吐出し、常法に
より水洗、延伸、熱処理をして所望の繊維を得た。得ら
れた繊維の各種特性値を第1表に示した。
比較例2 比較例1において、酸化スズを含む水系混合物を紡糸原
液に添加、含有させない他は同様にして繊維を得た。得
られた繊維の各種特性値を第1表に示した。
実施例1 比較例1の紡糸原液にビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル(1分子中のエポキシ基2個)を該共重合体重量
に対して0.5%を添加(エポキシ基当量/酸当量=1
/1.34)した他は同様にして繊維を得た。繊維の各
種特性値を第1表に示した。
実施例2 比較例1の紡糸原液にビスフェノールAジグリシジルエ
ーテルを該共重合体重量に対して0.7%を添加(エポ
キシ基当量/酸当量=1.13/1)した他は同様にし
て繊維を得た。繊維の各種特性値を第1表に示した。
実施例3 比較例1の紡糸原液にポリグリジジルメタクリレート
(1分子中のエポキシ基150個)を該共重合体重量に
対して1.5%を添加(エポキシ基当量/酸当量=3.
59/1)した他は同様にして繊維を得た。繊維の各種
特性値を第1表に示した。
実施例4 実施例1の紡糸原液に実施例3のポリグリシジルメタク
リレートを該共重合体重量に対して1.5%添加(合計
のエポキシ基当量/酸当量=3.70/1)した他は同
様にして繊維を得た。繊維の各種特性値を第1表に示し
た。
第1表の結果から、酸化スズ、酸を含有する水系混合物
を含有しない紡糸原液を用いた比較例2は光沢、透明性
については優れているが難燃性に乏しい。
比較例1は比較例2の紡糸原液に酸化スズ、酸を含有す
る水系混合物を添加した紡糸原液を用いたもので、難燃
性と光沢、透明性に優れているが、繊維に酸を含有して
いるために、耐染色失透性に劣り、更に発錆防止性に劣
る。
実施例1〜4はエポキシ基含有化合物を用いて酸の影響
を解消した結果、耐染色失透性、発錆防止性が改良され
ている。
しかし、実施例1〜3は1種類のエポキシ基含有化合物
を用いているため、2種類のエポキシ基含有化合物を用
いた実施例4に比較すると、耐染色失透性や発錆防止性
にやや劣っている。特に、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテルの如く、1分子に含有されるエポキシ基の少
ない化合物の含有量が多くなると、実施例3のように耐
染色失透性が低下する傾向がある。又、ポリグリシジル
メタクリレートの如く1分子内に含有されるエポキシ基
の多い化合物の含有量が多い実施例3は、紡糸原液の粘
性が上昇し、濾過時の昇圧やノズルがつまり発生し、紡
糸性に劣っている。即ち、実施例4の如く、2種類のエ
ポキシ基含有化合物を用いることにより、紡糸原液の粘
度上昇を防止し、紡糸上のトラブルもなく、難燃性、光
沢、透明性のみならず耐染色失透や発錆防止性に最も優
れた繊維特性を得ることができる。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】10〜50重量%の酸化スズ及び該酸化ス
    ズ重量の1/2量以下の酸を含有する水系混合物とエポ
    キシ基含有化合物を紡糸原液に含有せしめて紡糸するこ
    とを特徴とするアクリル系合成繊維の製造法。
  2. 【請求項2】水系混合物中の酸が酸化スズ重量の1/1
    00〜1/3量である特許請求の範囲第1項記載の製造
    法。
  3. 【請求項3】水系混合物中の酸が塩酸である特許請求の
    範囲第1項記載の製造法。
  4. 【請求項4】酸化スズを0.1μm以下の平均粒子径で
    0.2〜20重量%含有する特許請求の範囲第1項記載
    の製造法。
  5. 【請求項5】アクリル系合成繊維がハロゲン含有ビニル
    系単量体30〜70重量%を共重合したアクリロニトリ
    ル共重合体を主成分とする特許請求の範囲第1項記載の
    製造法。
  6. 【請求項6】アクリル系合成繊維がハロゲン含有ビニル
    系単量体30〜70重量%、スルホン酸基含有ビニル系
    単量体0.1〜10重量%を共重合したアクリロニトリ
    ル共重合体を主成分とする特許請求の範囲第5項記載の
    製造法。
  7. 【請求項7】紡糸原液が有機溶剤を溶媒とする紡糸原液
    である特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  8. 【請求項8】紡糸原液がアセトン又はアセトニトリルを
    溶媒とする紡糸原液である特許請求の範囲第7項記載の
    製造法。
  9. 【請求項9】エポキシ基含有化合物を酸の当量数以上の
    エポキシ基当量数となる量を紡糸原液に含有せしめる特
    許請求の範囲第1項記載の製造法。
  10. 【請求項10】エポキシ基含有化合物が、1分子内にX
    個のエポキシ基を含有する化合物(A)及び1分子内に
    Y個のエポキシ基を含有する化合物(B)の少なくとも
    2種類から成りX<Y及び1≦X≦100である特許請
    求の範囲第1項記載の製造法。
  11. 【請求項11】エポキシ基含有化合物が、1分子内にX
    個のエポキシ基を含有する化合物(A)及び1分子内に
    Y個のエポキシ基を含有する化合物(B)の少なくとも
    2種類から成り、Y−X≧20及び1≦X≦20である
    特許請求の範囲第10項記載の製造法。
  12. 【請求項12】エポキシ基含有化合物の少なくとも1種
    類がグリシジルメタクリレートのオリゴマー又はポリマ
    ーからなる特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  13. 【請求項13】エポキシ基含有物の一部もしくは全部が
    酸との反応物として含有される特許請求の範囲第1項記
    載の製造法。
  14. 【請求項14】水系混合物、エポキシ基含有化合物
    (A)及び(B)の順に紡糸原液に添加、含有せしめて
    紡糸する特許請求の範囲第10項記載の製造法。
  15. 【請求項15】エポキシ基含有化合物(A)を、水系混
    合物に含有される酸の当量数の1/4以上のエポキシ基
    当量数となる量を紡糸原液に含有せしめる特許請求の範
    囲第10項記載の製造法。
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