JPH0657171B2 - 合成樹脂製の腕時計バンド - Google Patents

合成樹脂製の腕時計バンド

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JPH0657171B2
JPH0657171B2 JP18385785A JP18385785A JPH0657171B2 JP H0657171 B2 JPH0657171 B2 JP H0657171B2 JP 18385785 A JP18385785 A JP 18385785A JP 18385785 A JP18385785 A JP 18385785A JP H0657171 B2 JPH0657171 B2 JP H0657171B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は転写箔を中間層とした三層一体化構造の合成
樹脂製腕時計バンドに関するものである。
〔従来の技術と、その問題点〕
合成樹脂製の腕時計バンドは、殆んどのものが軟質な合
成樹脂(熱可塑性ポリウレタン等)を素材とし、射出成
形によって生産されている。このバンドは金属、革など
を素材としたものより安価であるので、非常に多く使用
されている。
しかしながら、前記のような合成樹脂で一体成形された
バンド、特に明るい色に着色された合成樹脂製バンドは
年月を経るに従い徐々に黄変(黄色味を帯びる状態にな
ること)し、汚れたような感じとなる欠点がある。この
ため、従来の合成樹脂製バンドは黄変の心配がない(黄
変が目立たない)黒色の樹脂素材を用いたものが主流と
なっているが、このような黒色バンドだけでは多様化す
る使用者のニーズに応えることができず、金属バンドや
革バンドに匹敵するような美観を呈し、しかも黄変問題
が生じないコストの安い合成樹脂製バンドの開発が望ま
れている。
〔発明の目的〕
この発明は前記のような背景に基いてなされたもので、
その目的は金属バンドや革バンドに匹敵するような美観
を呈することができる、黄変問題の生じないコストの安
い三層一体化構造(表面層と中間層と裏面層が完全に一
体化した三層構造)の合成樹脂製バンドを提供するこ
と、転写箔の転写時における接離ピースの剥離問題の生
じない構造の合成樹脂製腕時計バンドを提供することに
ある。
〔発明の概要〕
この発明は前記の目的を達成するために、合成樹脂製の
バンドを表面層と中間層と裏面層が一体化した三層構造
とし、前記中間層に装飾用の転写箔を用い、且つ表面層
を無黄変あるいは難黄変の透明な合成樹脂とすることに
より、金属バンドや革バンドに匹敵するような美観を与
え得るようにしたこと、前記中間層にバンド表裏面層よ
り一回り小さい外形を有し且つバンド長さ方向に表面層
の表面横溝と同じ間隔で切離部が形成される装飾用の転
写箔を用い、バンド表面層と裏面層が転写箔の外形余白
部分と接離部分によって直接樹脂接合するようにして、
転写箔を含む表裏面層の三層一体化を完全なものとした
こと、複数個のバンド金具係止孔を表面横溝と転写箔接
離部を貫通する位置に設けて転写箔の転写時における転
写箔接離ピースの剥離問題が生じないようにしたことを
特徴とするものである。
〔発明の実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に従い説明すると、この
合成樹脂製の腕時計バンドは不透明な熱可塑性ポリウレ
タン,塩化ビニール等の軟質合成樹脂で成形されたバン
ド主体である裏面層3と、無黄変あるいは難黄変の透明
な硬質合成樹脂(紫外線吸収剤を混入した熱可塑性ポリ
ウレタン,塩化ビニール等の合成樹脂)で成形された表
面層2と、この表面層2と裏面層3との間にサンドイッ
チされたバンド中間層である転写箔1とからなる三層一
体化構造のものであって、このバンドは表面層2と中間
層(転写箔1)と裏面層3を貫通する複数個のバンド金
具係止孔5と、バンド裏面層3の一端に位置するバンド
金具取付孔6を有し、前記表面層2には硬質材料に可撓
性を持たせるために、バンド長さ方向に直角な表面横溝
2aが第1図のように多数本設けられ、また前記裏面層3
にも前記横溝2aと同様な裏面横溝3aが表面横溝2aより少
ない本数で第1図のように設けられている。
なお、本発明の場合には前記中間層にバンド表裏面層
2,3の外形より一回り小さい外形を有し、且つバンド
長さ方向に表面横溝2aと同じ間隔で接離部1aが第1図,
第3図の如く形成される転写箔1を用い、バンド表面層
2と裏面層3が転写箔1の外形余白部分1bと接離部分1a
によって第4図の如く直接樹脂接合するようにして、転
写箔1を含む表裏面層2,3の三層一体化を完全なもの
としており、また前記バンド金具係止孔5は表面横溝2a
と転写箔接離部1aの位置を貫通する第1図の如き角孔ま
たは円形孔等として形成されている。
而して、前記構成の合成樹脂製腕時計バンドは、次のよ
うな成形方法によって生産される。
「第1工程」 バンド表面層2を厚さの薄い一次成形品として、透明な
無黄変または難黄変の硬質合成樹脂(この合成樹脂は転
写箔1の後述する転写時の圧着に耐えられる硬さを有し
た紫外線吸収剤混入の熱可塑性ポリウレタン,塩化ビニ
ール等が用いられる)により第2図の如く射出成形す
る。なお、この一次成形品であるバンド表面層2には前
述したバンド金具係止孔5と表面横溝2aが成形金型7,
8を用いた射出成形によって同時成形される。
「第2工程」 第1工程による一次成形が終了し、一次成形品(バンド
表面層2)を保有する金型7が二次成形位置に移行する
過程で金型移動動作を一旦停止し、この位置でバンド表
面層2に対する転写箔1の第3図のような転写を行う。
この転写方法は例えばポリエステルシートa,離型層
b,着色層c,金属層d,接着層eを有した第5図に示
す蒸着箔11を用いて行うもので、この蒸着箔11を接着層
eが前記表面層2と対面するように該表面層2の上に重
合し、その上から加熱ヘッド,加熱ローラ等で熱圧着し
て、ポリエステルシートaを離型層bで剥離させること
により、着色層cと金属層dと接着層eからなる転写箔
1のバンド表面層2に対する転写が施工される。この場
合、転写箔1のバンド表面層2の外形より一回り小さい
外形余白部分1bと接離部分1aとバンド金具係止孔5の形
成部分は加熱圧着されないで、ポリエステルシートaと
一緒に剥離される(このような転写箔1の部分剥離は加
熱ヘッドの圧着部及び非圧着部の形状を凸凹型にする
か、穴あきのマスキングプレートを用いて加熱圧着する
ことにより可能である)。
この時、円形または角形等のバンド係止孔5が転写箔接
離ピースの中央位置に第3図(A)の想像線で示すよう
に設けられていると、この孔あきの転写箔接離ピースは
バンド表面層2に対する接合力が弱くなり、ポリエステ
ルシートaの剥離時に該シートと一緒に剥がれてしまう
という問題が発生するが、この発明の場合にはバンド金
具係止孔5が転写箔接離部1aの位置に、この接離部の両
側を少し切欠する程度に形成されるので、前述したよう
な転写接離ピースの剥がれ問題は生じない。
なお、前記転写箔1として前述したような蒸着箔11を用
いた場合には、この蒸着層により金属バンドのような感
じを出させることができ、また前記転写箔1として印刷
箔(例えばポリエステルシート,離型層,印刷層,金属
層,接着層からなる印刷箔)を用いれば、革バンドのよ
うな感じを出させることも可能である。
「第3工程」 第2工程の転写終了後に前記金型7を二次成形位置に移
行し、ここで金型7,9を用いた第4図のような二次成
形(射出成形)を行うことにより、不透明な軟質合成樹
脂のバンド裏面層3をバンド表面層2と一体化し、中間
層として転写箔1が内部にインサートされた状態に成形
する。なお、この二次成形の場合、バンド裏面層3には
前述したバンド金具係止孔5とバンド取付孔6と裏面横
溝3aが射出金型7,9によって同時成形されるが、前述
したような転写箔外形余白部分1bと接離部分1aがあるこ
とによって、表面層2と裏面層3が部分的に直接樹脂接
合し、転写箔1を含む表裏面層2,3の完全な三層一体
化を達成することができる。
この発明の腕時計バンドは前記のような成形方法で成形
されるもので、この成形方法によって得られた合成樹脂
バンドは表面層2と中間層である転写箔1と裏面層3が
完全に一体化し、前記転写箔1が透明合成樹脂の表面層
2で保護された形になる。
〔発明の効果〕
この発明の合成樹脂製腕時計バンドは前記のように表面
層と中間層と裏面層を一体化させた三層構造とし、中間
層にバンド表裏面層より一回り小さい外形を有し且つバ
ンド長さ方向に表面層の表面横溝と同じ間隔で接離部が
形成される装飾用の転写箔を用い、前記表面層を無黄変
あるいは難黄変の透明な合成樹脂としたので、バンド表
裏面層と中間層である転写箔を完全に一体化させること
ができること、前記表面層により転写箔を摩耗,剥離等
から保護することができること、従来のような黄変問題
を解消することができること、金属バンドや革バンドに
匹敵するような美観を転写箔によって与えることができ
ること、中間サンドイッチの転写箔はバンド湾曲時に引
張も圧縮も受けないので引張に弱い転写箔の損傷問題も
生じないこと等の効果を奏することができ、しかも複数
個のバンド金具係止孔が表面層の表面横溝と転写箔接離
部を貫通する位置に設けられていることにより、転写箔
の転写時における転写箔接離ピースの剥離問題が生じな
いという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明の合成樹脂製腕時計バンドを一部
切欠して示した平面図、第1図(B)は前記腕時計バン
ドの中央縦断面図、第2図乃至第4図は同腕時計バンド
の成形方法を工程順に示した説明図、第5図は転写箔と
して用いられる蒸着箔の一部分を示した拡大断面図であ
る。 1……バンド中間層としての転写箔、1a……転写箔接離
部、1b……転写箔外形余白部分、2……バンド表面層、
2a……表面横溝、3……バンド裏面層、5……バンド金
具係止孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−115070(JP,A) 特開 昭59−196229(JP,A) 特開 昭57−107108(JP,A) 実開 昭59−21209(JP,U) 実開 昭58−181214(JP,U) 実開 昭58−93211(JP,U) 実開 昭55−166630(JP,U) 実開 昭58−8319(JP,U) 実開 昭58−114110(JP,U) 実開 昭53−121066(JP,U) 特公 昭50−19132(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面層と中間層と裏面層を一体化させた三
    層構造の合成樹脂製バンドであって、中間層にバンド表
    裏面層より一回り小さい外形を有し且つバンド長さ方向
    に表面層の表面横溝と同じ間隔で切離部が形成される装
    飾用の転写箔を用い、前記表面層を無黄変あるいは難黄
    変の透明な合成樹脂とすると共に、複数個のバンド金具
    係止孔を表面横溝と転写箔接離部を貫通する位置に設け
    たことを特徴とする合成樹脂製の腕時計バンド。
JP18385785A 1985-08-23 1985-08-23 合成樹脂製の腕時計バンド Expired - Fee Related JPH0657171B2 (ja)

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