JPH0657014A - ポリスチレン系二軸延伸フィルム - Google Patents

ポリスチレン系二軸延伸フィルム

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JPH0657014A
JPH0657014A JP4212700A JP21270092A JPH0657014A JP H0657014 A JPH0657014 A JP H0657014A JP 4212700 A JP4212700 A JP 4212700A JP 21270092 A JP21270092 A JP 21270092A JP H0657014 A JPH0657014 A JP H0657014A
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film
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尚伸 小田
Masayuki Imai
正幸 今井
Tomonori Yoshinaga
知則 吉永
Tadashi Okudaira
正 奥平
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はシンジオタクチックポリスチレン系
二軸延伸フィルム、さらに詳しく言えば包装用、コンデ
ンサー用、および時期テープ用ベースフィルム等として
好適な、透明性、滑り性、耐電圧特性及び耐摩耗性に優
れたシンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィル
ムに関するものである。 【構成】 少なくとも1種の架橋性ポリビニルモノマー
を全モノマーに対して5重量%以上含む重合性モノマー
の重合体に、該重合体と実質的に化学結合しない親水性
高分子化合物を1〜40重量%含有させ相互侵入網目構
造としたINP 型架橋高分子微粒子であって、平均粒径が
0.01μm以上5μm以下であるIPN 型架橋高分子微粒子
を、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂に対して0.
001 重量%以上5.0 重量%以下含有させたことを特徴と
する、ポリスチレン系二軸延伸フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシンジオタクチックポリ
スチレン系二軸延伸フィルム、さらに詳しく言えば包装
用、コンデンサー用、および時期テープ用ベースフィル
ム等として好適な、透明性、滑り性、耐電圧特性及び耐
摩耗性に優れたシンジオタクチックポリスチレン系二軸
延伸フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】シンジオタクチックポリスチレン系二軸
延伸フィルムは耐熱性、電気特性、透明性などに優れ、
磁気テープ用、写真・製版用、コンデンサー用、包装用
等、各種のフィルム用途に展開が期待されてる。これら
のフィルム用として用いられる場合、そのすべり性及び
耐摩耗性はフィルムの製造工程及び各用途における加工
工程の作業性の良否、更にはその製品品質の良否を左右
する大きな要因になっている。一方、フィルム表面が平
滑で、透明性が良好または薄手であること等が強く要求
されている。しかし、シンジオタクチックポリスチレン
系二軸延伸フィルムにおいては、単に表面を平滑化し、
且つ透明化または薄手化したのでは、フィルムの製造時
及び加工時のハンドリング特性の不良、及びフィルムの
走行時のガイドロール等との接触による滑り性不良によ
り、擦り傷や削れによる白紛等が発生すると言う耐摩耗
性が不良となる。また、シンジオタクチックポリスチレ
ン系二軸延伸フィルムは脆く、すべり性を得るために添
加された滑剤の周りにボイドが発生し易く、透明性の低
下が見られる。また、このボイドの発生により滑剤が脱
落しやすくなり、フィルムの走行時の削れが増大する。
【0003】すべり性の良好なフィルムとして、無機粒
子を添加し、表面粗さRaが特定の範囲にあり、静摩擦係
数が限定されたものが知られている(特開平3-74437
号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のす
べり性良好なフィルムにおいても、低速作業時において
は良好なハンドリング特性が得られるが、作業が高速に
なるとハンドリング特性が急激に悪化するという問題が
あった。また、シンジオタクチックポリスチレン系二軸
延伸フィルムにおいては、特にフィルムの厚みが薄くな
るとハンドリング特性が悪化する傾向が大きく、上記の
無機粒子を添加し、表面粗さRaと静摩擦係数の範囲を規
定したフィルムにおいても同様の傾向を備えており、そ
のため良好なハンドリング特性が得られたとしても、厚
みが変われば所望のハンドリング特性が得られなくなっ
ていた。更に、シンジオタクチックポリスチレン系二軸
延伸フィルムは脆く、フィルムの製造時及び加工時にロ
ール等との摩擦によりフィルム表面に擦り傷や白紛等が
発生しやすく、耐摩耗性不良の問題があることが分かっ
た。また、このシンジオタクチックポリスチレン系二軸
延伸フィルムの脆さが原因となり、すべり性を良好にす
るために添加した滑剤の周りにボイドが発生しやすくな
り、その結果透明性の低下や削れの増加などの問題を生
じやすくなっていた。また、添加した滑剤同士の凝集が
起こり、得られたフィルムには粗大突起が多く、それら
の粒子は脱落しやすく、耐摩耗性不良や耐電圧特性不良
の原因となっていた。
【0005】本発明は、フィルム中滑剤粒子の凝集を抑
制し、粗大粒子の発生を抑制することによって、微粒子
とシンジオタクチックポリスチレン系重合体の界面での
剥離を抑制し、粗大突起がなく、透明性、滑り性、耐電
圧特性及び耐摩耗性に優れたシンジオタクチックポリス
チレン系二軸延伸フィルムを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のシンジオタクチ
ックポリスチレン系二軸延伸フィルムは、少なくとも1
種の架橋性ポリビニルモノマーを全モノマーに対して5
重量%以上含む重合性モノマーの重合体に、該重合体と
実質的に化学結合しない親水性高分子を1〜40重量%
含有させ相互侵入網目構造としたIPN(Interpenetrating
Polymer Networks)型架橋高分子微粒子であって、平均
粒子径が0.01μm以上5μm以下であるIPN 型架橋高分
子微粒子を、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂に
対して0.001 重量%以上5.0 重量%以下含有させたこと
を特徴とする、フィルム中滑剤粒子の凝集が少なく、フ
ィルム表面に粗大突起の少ない、透明性、滑り性、耐電
圧特性及び耐摩耗性に優れたシンジオタクチックポリス
チレン系二軸延伸フィルムを提供するものである。本発
明に用いられる立体規則性がシンジオタクチック構造で
あるポリスチレン系重合体は、側鎖であるフェニル基又
は置換フェニル基が核磁気共鳴法により定量されるタク
テイシテイがダイアッド(構成単位が二個)で85%以
上、ペンタッド(構成単位が5個)で50%以上のシンジ
オタクチック構造であることが望ましい。
【0007】該ポリスチレン系重合体としては、ポリス
チレン、ポリ(p-、m-又はo-メチルスチレン)、ポリ
(2,4-、2,5-、3,4-又は3,5-ジメチルスチレン)、ポリ
(p-ターシャリーブチルスチレン)などのポリ(アルキ
ルスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-クロロスチレン)、
ポリ(p-、m-又はo-ブロモスチレン)、ポリ(p-、m-又
はo-フルオロスチレン)、ポリ(o-メチル-p- フルオロ
スチレン)などのポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ
(p-、m-又はo-クロロメチルスチレン)などのポリ(ハ
ロゲン置換アルキルスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-メ
トキシスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-エトキシスチレ
ン)などのポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(p-、m-
又はo-カルボキシメチルスチレン)などのポリ(カルボ
キシアルキルスチレン)ポリ(p-ビニルベンジルプロピ
ル)などのポリ(アルキルエーテルスチレン)、ポリ
(p-トリメチルシリルスチレン)などのポリ(アルキル
シリルスチレン)、さらにはポリ(ビニルベンジルジメ
トキシホスファイド)などが挙げられる。
【0008】本発明においては、前記ポリスチレン系重
合体のなかで、特にポリスチレンが好適である。また、
本発明で用いるシンジオタクチック構造を有するポリス
チレン系重合体は、必ずしも単一化合物である必要はな
く、シンジオタクティシティが前記範囲内であればアタ
クチック構造やアイソタクチック構造のポリスチレン系
重合体との混合物や、共重合体及びそれらの混合物でも
よい。
【0009】また本発明に用いるポリスチレン系重合体
は、重量平均分子量が10,000以上、更に好ましくは50,0
00以上である。重量平均分子量が10,000未満のもので
は、強伸度特性や耐熱性に優れた二軸延伸フィルムを得
ることができない。重量平均分子量の上限については、
特に限定されるものではないが、1500,000以上では延伸
張力の増加に伴う破断の発生などが生じるため余り好ま
しくない。
【0010】更に、本発明のシンジオタクチックポリス
チレン系二軸延伸フィルムは、公知の方法、例えば、縦
延伸及び横延伸を順に行なう逐次二軸延伸方法のほか、
横・縦・縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸
法などの延伸方法を採用することができ、要求される強
度や寸法安定性などの諸特性に応じて選択される。ま
た、熱固定処理、縦弛緩処理、横弛緩処理などを施すこ
とができる。
【0011】本発明に用いられるシンジオタクチックポ
リスチレン系重合体には必要に応じて、公知の酸化防止
剤、帯電防止剤等を適量配合したものを用いることがで
きる。配合量はシンジオタクチックポリスチレン系重合
体100 重量%に対して10重量%以下が望ましい。10重量
部を越えると延伸時に破断を起こしやすくなり、生産安
定性不良となるので好ましくない。
【0012】この発明に用いられるIPN 型架橋高分子微
粒子とは、架橋高分子内に他の異なった種類の高分子が
閉じ込められた形態のものを言う。架橋高分子とIPNに
寄与する他の高分子とは、実質的には、シグマ結合やパ
イ結合等の強固な化学結合はなく、架橋高分子の網目内
に異なった種類の高分子が侵入し、物理的な力により結
合した構造を有する。
【0013】ここで、架橋高分子としては、一般的に、
分子中に1個の脂肪族系の不飽和結合を有する化合物
(A) と、架橋剤として分子中に2 個以上の不飽和結合を
有する化合物(B) との共重合体が挙げられる。しかしな
がら、この発明における架橋高分子は、これに限定され
るものではない。シンジオタクチックポリスチレン系重
合体に実質的に不溶または不融の架橋高分子あれば、い
かなるものでもよい。本発明のIPN 型架橋高分子は、こ
のような架橋高分子に、他の種類の高分子化合物(C) が
物理的な力により結合したものである。上記化合物(A)
の例としては、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの
メチルエステル、エチルエステル等の低級アルキルエス
テル、またはグリシジルエステル、無水マレイン酸及び
そのアルキル誘導体、ビニルグリシジルエーテル、酢酸
ビニル、スチレン及びその誘導体等を挙げることができ
る。なかでも、特にスチレンおよびその誘導体、アクリ
ル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル誘導体が好
ましい。上記の化合物(B) の例としては、ジビニルベン
ゼン、ジビニルスルホンに代表される非共役ジビニル化
合物、あるいはポリエチレングリコールジアクリレー
ト、プロピレングリコールジアクリレート等のジアクリ
レート化合物、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト等のトリアクリレート化合物、テトラメチロールメタ
ンテトラアクリレート等のテトラアクリレート化合物、
エチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレング
リコールジメタクリレート等のジメタクリレート化合
物、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のト
リメタクリレート化合物等を挙げることができる。中で
も、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリ
レートを用いることが好ましく、特にジビニルベンゼン
が好ましい。これらのモノマーは単独あるいは2種類以
上を混合して用いることができる。
【0014】化合物(A) および(C) は、それぞれ1種類
以上用いるが、これらの系に更にエチレンまたはプロピ
レン等を加え、共重合させてもよい。また、窒素原子を
有するビニル系の化合物、例えばN,N-ジメチルアクリル
アミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、
N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート等を共重合させ
てもよい。十分な耐熱性を有するためには、化合物(B)
により高度に架橋する必要がある。架橋度は5%以上、
好ましくは15%以上である。架橋度が5%未満では、
耐熱性が悪くなるのみならず、水溶性高分子(C) が、架
橋重合体((A)+(B)) より脱離しやすくなり、本発明の効
果が十分に期待できなくなる。架橋度を変化させれば、
架橋高分子微粒子の耐熱性のみならず、弾性率および屈
折率等も変化するので、この現象を利用してシンジオタ
クチックポリスチレン系二軸延伸フィルムの用途に応じ
た架橋度の選定を行なうことができる。ここで、架橋度
とは、以下の式で定義される数値である。
【0015】架橋度=(ジビニル化合物重量/モノマー
全重量)×100 (%) 本発明におけるIPN 型架橋高分子は、上記の化合物(A)
と化合物(B) により得られた架橋高分子に、他の種類の
高分子化合物(C) が物理的な力により結合したものであ
り、高分子化合物(C) としてはポリアクリル酸、ポリメ
タクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド
の部分加水分解物、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビ
ニル、およびその部分加水分解物、メチルセルロース、
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の
水溶性高分子を例示することができる。
【0016】IPN 型架橋高分子微粒子の分散の面から
は、高分子化合物(C) としては、ポリアクリル酸、ポリ
メタクリル酸等のカルボキシル基含有ポリマーが特に好
ましい。高分子化合物(C) の量は、架橋重合体に対し
て、1%以上40%以下が好ましい。特に好ましくは、5
%以上20%以下である。高分子化合物(C) の量が1%未満
になると微粒子同士の凝集による粗大粒子が発生し、微
粒子とシンジオタクチックポリスチレン系重合体とのな
じみが悪くなり、フィルム内でのボイドの発生ひいては
走行時の白紛の発生をもたらす。また40%を越えると水
およびアルコール等の親水性化合物による膨潤が大きく
なり、フィルム内での微粒子の変形等が起こり、好まし
いフィルム表面が得られない場合がある。この発明に従
うIPN 型架橋高分子微粒子は、公知の製造方法によって
得るものを用いることができる。公知の製造方法として
は、例えば、特開昭64-1702 号公報および特開平1-2498
06号公報に示される方法に準ずる方法を用いることがで
きる。しかしながら、これらの方法と異なる点は、分散
安定剤として用いた水溶性高分子(C) を洗浄等の方法で
除去せずに、そのまま保持させてIPN 型架橋高分子微粒
子として取り出すところにある。過度の洗浄および延伸
分離等により、水溶性高分子(C) を除去すると、本発明
の効果が失われてしまうので好ましくない。
【0017】本発明において、シンジオタクチックポリ
スチレン系重合体中に分散されるIPN 型架橋高分子微粒
子の平均粒子径は、0.01μm 以上5μm 以下が好まし
い。特に好ましくは、0.05μm 以上 2.5μm 以下であ
る。平均粒子径が0.01μm 未満では、フィルムの滑り性
が不十分となるので好ましくない。また、平均粒子径が
5μm を越えると、フィルムの表面にボイドが発生し、
粗大突起を生じ、フィルムの透明性の低下、走行時の削
れによる白紛発生及び耐電圧特性の低下等の点で好まし
くない。
【0018】本発明において、IPN 型架橋高分子微粒子
の粒度分布は、単分散であることが好ましいが、フィル
ムの用途に応じて適宜用いることができる。また、本発
明において、IPN 型架橋高分子微粒子のシンジオタクチ
ックポリスチレン系樹脂に対する添加量は、 0.001重量
%以上5.0 重量%以下が好ましい。更に好ましくは 0.0
05重量%以上 2.5重量%以下である。特に好ましくは、
0.01重量%以上 1.0重量%以下である。添加量が 0.001
重量%未満では、フィルム中の微粒子が少なすぎるた
め、フィルム表面の突起密度が低くなり、滑り性、耐摩
耗性が不十分となる。添加量が 5.0%を越えると、微粒
子同士の凝集が発生し、粗大突起が多くなり、フィルム
の透明性の低下、走行時の白紛発生及び耐電圧特性不良
等の問題が生じ、不適当なものとなる。
【0019】本発明におけるIPN 型架橋高分子微粒子の
形状に関しては、真球状に近いほど好ましいが、用途に
応じて中空状、偏平状、コンペイトウ状のものを用いる
ことができる。これらの形状の異なった微粒子を2種以
上混合して用いることが可能である。本発明において、
IPN 型架橋高分子微粒子は、単独はもちろんのこと、微
粒子の素材が異なるものおよび/または平均粒径が異な
るものを2種類以上併用して用いることも可能である。
【0020】また、本発明においては、その他の有機系
滑剤および/または無機系滑剤を併用することも可能で
ある。有機系滑剤としては通常のポリスチレン微粒子、
おポリメタクリル酸エステル微粒子、およびそれらの架
橋型微粒子が挙げられる。無機系滑剤としては、シリ
カ、カオリン、炭酸カルシウム、アルミナ、および酸化
チタン等が挙げられ、それらの形状および粒径は特に限
定されない。IPN 型架橋高分子微粒子と他の無機滑剤お
よび/または有機滑剤との配合割合は、用いるIPN 型架
橋高分子微粒子委の平均粒径に依存するので、特に限定
されるものではない。
【0021】本発明において、IPN 型架橋高分子微粒子
のシンジオタクチックポリスチレン系重合体への添加方
法は、シンジオタクチックポリスチレン系重合体の重合
課程における任意の段階で添加することができる。また
シンジオタクチックポリスチレン系重合体とIPN 型架橋
高分子微粒子を混合する方法としては、重合後にマスタ
ーバッチとして混練しても、また溶融押出し時に直接投
入添加しても構わない。IPN 型架橋高分子微粒子の添加
方式は、スラリー状および粉末状のいずれの形態で添加
してもよい。スラリー状で添加する場合均一に分散させ
ておく必要があり、高圧分散機、サンドミル、およびロ
ールミル等を用いて分散することが望ましい。シンジオ
タクチックポリスチレン系重合体と溶融混練により添加
する場合、溶融状態で減圧し溶媒を除去することが好ま
しい。また、粉末状で使用する場合、凝集を防ぐため
に、溶剤に水を用いスラリー状に分散し、凍結乾燥した
後、分散機により粉砕し、使用する方法もある。
【0022】本発明において、IPN 型架橋高分子粒子は
シンジオタクチックポリスチレン系重合体に分散性が良
好である為、分散剤を添加する必要はないが、特に分散
性を向上する必要があるときは、スラリー状に分散させ
る際に分散剤を使用することもできる。ただし、スラリ
ー状態での分散性は向上しても、シンジオタクチックポ
リスチレン系重合体中での分散性を不良にしたり、重合
活性を低下させる場合があるので、添加する分散剤の選
択には注意が必要である。
【0023】実施例 以下に実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、
用いた微粒子の特性及びえられたシンジオタクチックポ
リスチレン系二軸延伸フィルムの評価方法を以下に示
す。 (1)平均粒子径 滑剤粒子を(株)日立製作所製S-510型走査型電子顕
微鏡で観察し、写真撮影したものを拡大して複写し、滑
剤の外形をトレースし任意に200 個の粒子を黒く塗りつ
ぶした。この像をニコレ(株)製ルーゼックス500 型画
像解析装置を用いて、それぞれの粒子の水平方向のフェ
レ径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。 (2)IPN 型架橋高分子微粒子中の高分子化合物(C) の
定量 十分に乾燥した微粒子の元素分析値より、IPN 型架橋高
分子微粒子中の高分子化合物(C) の量を求めた。高分子
化合物(C) がカルボキシル基を含む化合物である場合に
は、分析値の精度を高める目的で、水酸化ナトリウムで
カルボキシル基を中和滴定し、ついで乾燥した後元素分
析を行ない、Na/C量によりその量を求めた。
【0024】(3)表面平滑性 サーフコム300A型表面粗さ計(東京精密)を用い、針径
1 μm 、荷重0.07g 、測定基準長0.8mm 、カットオフ0.
08mmの条件で測定した中心線平均粗さ(Ra 、μm)で表示
した。 (4)フィルムの加工性(滑り性及び耐摩耗性) フィルムを細幅にスリットしたテープ状とし、これを金
属製ガイドロールにこすり付けて高速でかつ長時間走行
させ、このガイドロール擦過後のテープ張力の大小およ
びガイドロールの表面に発生する白紛量の多少を、それ
ぞれ以下に示すように5段階評価し、ランク付けした。 (イ)滑り性 1級;張力大(擦り傷多い) 2級;張力やや大(擦り傷かなり多い) 3級;張力中(擦り傷ややあり) 4級;張力やや小(擦り傷ほとんどなし) 5級;張力小(擦り傷発生なし) (ロ)耐摩耗性 1級;白紛の発生非常に多い 2級;白紛に発生多い 3級;白紛の発生ややあり 4級;白紛の発生ほぼなし 5級;白紛の発生なし
【0025】(5)耐久走行性 第一図に示した装置を用い、耐久走行性を測定した。第
一図を参照して、テープの一端には荷重9が取付けら
れ、このテープはフリーロール8、張力検査装置7、お
よびフリーロール6を通り、市販VTRガイドピン5に接
触し、フリーロール4、張力検査装置3およびフリーロ
ール2を通り、クランク1を回転させて、テープを市販
ガイドピン5に接触させて走行させ、耐久走行性を測定
した。測定条件は温度23℃、相対湿度65% の雰囲気下で
行なった。フィルムを市販VTR ガイドピンに角度3/4 π
(単位ラジアン)で接触させ、一定荷重50gの張力を与
え、クランクを8.0rpmで回転させ、100 回フィルムを往
復させたときの同摩擦係数および性摩擦係数のそれぞれ
の所起動摩擦係数および初期性摩擦係数からの増加分
(ΔμkdおよびΔμks)を5段階で評価し、ランク付け
して表した。なお、市販のVTR ガイドピンとしては、触
針式表面粗さ計で測定した最大突起高さが0.15μm 、中
心線平均粗さ0.008 μm のものを用いた。 1級;摩擦係数増加分0.2 以上 2級;0.15〜0.20 3級;0.10〜0.15 4級;0.05〜0.10 5級;0.05未満
【0026】(6)フィルム表面の粗大突起数 フィルムにアルミニウムを薄く蒸着した後、二光束干渉
顕微鏡を用いて、干渉縞が4重以上の粗大突起数(測定
面積1mm2当たりの個数)をカウントし、粗大突起数の多
少により次のランク付けを行なった。 1級;16個/mm2以上 2級;12〜15個/mm2 3級;8〜11個/mm2 4級;4〜7個/mm2 5級;0 〜3個/mm2
【0027】(7)光線透過率 JIS-K6714 に準じ、日本精密光学株式会社製ポイック積
分球式HTR メータSEP-H2D 形により、フィルムの光線透
過率を求めた。 (8)耐電圧 JIS C-2318に準じて行なった。10KV直流耐電圧試験基を
用い、23℃,50%RHの雰囲気下に於て、100V/sec の昇圧
速度で、フィルムが破壊し短絡したときの電圧を読み取
った。
【0028】実施例1,2 滑剤として、スチレン、ジビニルベンゼンおよびポリメ
タクリル酸からなる球状の単分散のIPN 架橋高分子微粒
子を使用した。ここで用いたIPN 型架橋高分子微粒子の
ジビニルベンゼン量は9 重量%、ポリメタクリル酸量は
15重量%であった。添加量は2000ppm とし、平均粒径は
1.1 μm(実施例1) および0.7 μm(実施例2)賭した。ま
た使用したシンジオタクチックポリスチレンは重量平均
分子量300000であり、ほぼ完全なシンジオタクチック構
造であった。このポリマーを乾燥し、295 ℃で溶融し、
200 μmのリップギャップのT ダイから押し出し、40℃
の冷却ロールに静電印荷法により密着・ 冷却固化し、12
0 μmの無定形シートを得た。該無定形シートをまずロ
ールにより100 ℃に予熱し、表面温度800 ℃の赤外線加
熱ヒーターを3 本使用し更に加熱し、フィルム温度135
℃で縦方向に3.6 倍延伸し、ついでテンターで、フィル
ムを120 ℃に予熱し、横方向に延伸温度120 ℃で3.3 倍
延伸し、260 ℃で熱固定した。得られたフィルムの厚み
は10μmであった。
【0029】比較例
【表1】
【0030】
【発明の効果】以上、記載のとおり、本発明は前記特許
請求の範囲に記載のとおりの構成を採用することによ
り、フィルム中滑剤粒子の凝集が少なく、フィルム表面
に粗大突起の少ない、透明性、滑り性及び耐摩耗性に優
れたシンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィル
ムを提供され、従って、本発明の工業的価値は大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の耐久走行性を測定するため
の装置である。
【符号の説明】
1;クランク 2、4、6、8;フリーロール 3、7;張力検査装置 9;荷重
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥平 正 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の架橋性ポリビニルモノ
    マーを全モノマーに対して5重量%以上含む重合性モノ
    マーの重合体に、該重合体と実質的に化学結合しない親
    水性高分子化合物を1〜40重量%含有させ相互侵入網
    目構造としたINP 型架橋高分子微粒子であって、平均粒
    径が0.01μm以上5μm以下であるIPN 型架橋高分子微
    粒子を、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂に対し
    て0.001 重量%以上5.0 重量%以下含有させたことを特
    徴とするポリスチレン系二軸延伸フィルム。
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