JPH0656988A - 含窒素化合物により被覆された複合化難燃剤 - Google Patents

含窒素化合物により被覆された複合化難燃剤

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JPH0656988A
JPH0656988A JP23138092A JP23138092A JPH0656988A JP H0656988 A JPH0656988 A JP H0656988A JP 23138092 A JP23138092 A JP 23138092A JP 23138092 A JP23138092 A JP 23138092A JP H0656988 A JPH0656988 A JP H0656988A
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JP
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ammonium polyphosphate
flame retardant
composite flame
nitrogen
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Application number
JP23138092A
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English (en)
Inventor
Masuo Iwata
満寿夫 岩田
Kensho Narita
憲昭 成田
Koji Inoue
幸次 井上
Ryoji Takahashi
良次 高橋
Chikashi Fukumura
▲ちかし▼ 福村
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 被覆が容易でポリリン酸アンモニウムの吸湿
を防止できる難燃助剤で被覆した難燃剤の提供。 【構成】 粉末状ポリリン酸アンモニウムを式(I)等
で示される1,3,5−トリアジン誘導体を成分とする
ランダム共重合体で被覆してなる複合化難燃剤。(X1
はピペリジノ基、Y1はピペラジンの2価の基など)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリリン酸アンモニウ
ム類が含窒素化合物である特定の1,3,5−トリアジ
ン誘導体群によって被覆された複合化難燃剤に関する。
本発明による複合化難燃剤はオレフィン樹脂および成型
品等に内部添加したとき低添加量であっても高い難燃効
果を付与する。さらには、本発明による複合化難燃剤
は、ポリリン酸アンモニウム特有の高い加水分解性を著
しく低下させる。
【0002】
【従来の技術とその問題点】ポリリン酸アンモニウム類
はその化学構造上、非常に加水分解を受け易い。そのた
め公知のポリリン酸アンモニウム類を用いた難燃剤は、
オレフィン樹脂および成型品に添加しまたは含浸させた
ときポリリン酸アンモニウム類の吸湿性加水分解性に起
因して梅雨時期のような高温高湿条件下ではオレフィン
樹脂および成型品表面へのポリリン酸アンモニウム類の
ブリード現象が発生する。例えば、特開昭59−207
819、特開昭61−103962に開示されているよ
うに加水分解安定な粒子を得るためにメラミン/ホルム
アルデヒド樹脂のような熱硬化性の、硬化した状態で水
に不溶性の合成樹脂を用いてマイクロカプセル化するこ
とが提案されている。しかし、該マイクロカプセルは、
その製造工程において溶剤あるいは、アルコール/水懸
濁液を用いるためその廃溶剤の処理が必要である。さら
に難燃性を付与する目的でオレフィン樹脂および成型品
に添加または含浸させるには別途、含窒素化合物を添加
しなくてはならない。また、メラミン/ホルムアルデヒ
ド樹脂のような熱硬化性樹脂を用いているためにオレフ
ィン樹脂および成型品を造粒、成型した場合、着色、分
解ガスの発生等がみられるという欠点を持っている。
【0003】本発明者等は、上記問題点を解決すべく鋭
意研究した結果、ポリリン酸アンモニウム類が特定の
含窒素化合物で被覆された複合化難燃剤がポリリン酸ア
ンモニウムの加水分解性を著しく低下させること、さ
らにオレフィン樹脂および成型品に添加または含浸させ
た時ポリリン酸アンモニウム類の吸湿性、加水分解性に
起因して梅雨時期のような高温高湿条件下に起こるオレ
フィン樹脂および成型品表面へのポリリン酸アンモニウ
ム類のブリード現象をほとんど生じさせないことを見出
した。しかも、ポリリン酸アンモニウム類を特定の含
窒素化合物で被覆することによって、オレフィン樹脂お
よび成型品に添加または含浸させた時、樹脂中でのポリ
リン酸アンモニウム類と含チッソ化合物が最も近接して
おり、従って最大の相乗効果を発揮する。それ故、樹脂
中での難燃性能が著しく向上し低添加量で優れた難燃性
を示す。そして造粒成型時に着色、分解ガスの発生が
ない等の上記問題点を解決し得ることを見い出して本発
明に到達した。以上の記述から明らかなように、本発明
の目的は、上述の諸欠点のない複合化難燃剤を提供する
ことである。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明は、下記(1)〜
(6)の構成を有する。 (1)一般式(I)で表される粉末状ポリリン酸アンモ
ニウム類(式中nは20〜1000)が、含窒素化合物
である一般式(II)および一般式(III)で表される構造
を有するモノマーを基本単位とする1,3,5−トリア
ジン誘導体群(式中X1 は、ピペリジノ基、モルホリノ
基、アルキルアミノ基であり、X2 はヒドロキシアルキ
ルアミノ基である。Y1 、Y2 はペピラジンの二価の基
またはアルキルジアミノ基である。Y1 、Y2 は同一の
基であっても異なった基であっても良い。)のオリゴマ
ー或いはポリマー、または一般式(II)及び一般式(II
I)のモノマーを成分とするランダムコポリマーによっ
て被覆されたことを特徴とする複合化難燃剤。 (2)粉末状ポリリン酸アンモニウムがポリリン酸アン
モニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウムである
複合化難燃剤。
【0005】
【化4】
【0006】
【化5】
【0007】
【化6】
【0008】(3)被覆助剤としてシランカップリング
剤を0〜5重量%添加してなる前記(1)に記載の複合
化難燃剤。 (4)含窒素化合物とポリリン酸アンモニウム類の重量
比が0.05〜10である前記(1)に記載の複合難燃
剤。 (5)含窒素化合物が衝撃式打撃手段を用いてポリリン
酸アンモニウムに被覆されてなる複合化難燃剤。 (6)被覆前の含窒素化合物とポリリン酸アンモニウム
類の平均粒径比が0.1以下である前記(5)に記載の
複合化難燃剤。
【0009】本発明の構成と効果につき以下に詳述す
る。本発明の適用により十分な効果を生ずるポリリン酸
アンモニウム類として好ましいものは、一般式(I)
(式中nは20〜1000以上の整数である)で表され
るものであり、ポリリン酸アンモニウム類の市販品とし
ては商品名:スミセーフP(住友化学(株)製)および
商品名:Exolit−422(ヘキスト社製)、商品
名:Phos−checkP/40(モンサント社製)
さらには、メラミン変性ポリリン酸アンモニウムとして
は商品名:スミセーフPM(住友化学(株)製)が挙げ
られる。
【0010】本発明の適用により十分な効果を生ずる含
窒素化合物としては一般式(II)および一般式(III)で
表される構造を有するモノマーを基本単位とする1,
3,5−トリアジン誘導体群(式中X1 は、ピペリジノ
基、モルホリノ基、アルキルアミノ基であり、X2 はヒ
ドロキシアルキルアミノ基である。Y1 、Y2 はピペラ
ジンの二価の基またはアルキルジアミノ基である。Y
1 、Y2 は同一の基であっても異なった基であっても良
い。)のオリゴマー或いはポリマー、または一般式(I
I)及び一般式(III)のモノマーを成分とするランダム
コポリマーによって被覆されたことを特徴とする複合化
難燃剤が挙げられる。X1 の基の例としてはモノメチル
アミノ基、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、
モノエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノプロピル
アミノ基、ジプロピルアミノ基、メチルプロピルアミノ
基、エチルプロピルアミノ基、メチルイソプロピルアミ
ノ基、エチルイソプロピルアミノ基、ジイソプロピルア
ミノ基、モノn−ブチルアミノ基、ジn−ブチルアミノ
基、メチルn−ブチルアミノ基、エチルn−ブチルアミ
ノ基、プロピルn−ブチルアミノ基、イソプロピルn−
ブチルアミノ基、モノイソブチルアミノ基、ジイソブチ
ルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、エチルイソブ
チルアミノ基、プロピルイソブチルアミノ基、イソプロ
ピルイソブチルアミノ基、モノペンチルアミノ基、ジペ
ンチルアミノ基、メチルペンチルアミノ基、エチルペン
チルアミノ基、プロピルペンチルアミノ基、イソプロピ
ルペンチルアミノ基、n−ブチルペンチルアミノ基、イ
ソブチルペンチルアミノ基、モノヘキシルアミノ基、ジ
ヘキシルアミノ基、メチルヘキシルアミノ基、エチルヘ
キシルアミノ基、プロピルヘキシルアミノ基、イソプロ
ピルヘキシルアミノ基、n−ブチルヘキシルアミノ基、
イソブチルヘキシルアミノ基、ペンチルヘキシルアミノ
基、モルホリノ基、ピペラジノ基等が挙げられる。X2
の基の例としては、モノヒドロキシエチルアミノ基、ジ
ヒドロキシエチルアミノ基、モノヒドロキシプロピルア
ミノ基、ジヒドロキシプロピルアミノ基、モノヒドロキ
シイソプロピルアミノ基、ジヒドロキシイソプロピルア
ミノ基、モノヒドロキシn−ブチルアミノ基、ジヒドロ
キシn−ブチルアミノ基、ジヒドロキシイソブチルアミ
ノ基、モノヒドロキシペンチルアミノ基、ジヒドロキシ
ペンチルアミノ基、モノヒドロキシヘキシルアミノ基、
ジヒドロキシヘキシルアミノ基、N−メチルヒドロキシ
エチルアミノ基等が挙げられる。Y1 、Y2 の基の例と
してはエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレン
ジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、テト
ラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、ピペラジン、trans−2,5−
ジメチルピペラジン等が挙げられる。
【0011】本発明の適用により十分な効果を生ずる被
覆助剤としてのシランカップリング剤としては、一般式
(IV)で表されるシラン系化合物である。
【0012】
【化7】
【0013】(式中R1 は塩素原子、ビニル基、アミノ
基およびメルカプト基等を含む炭化水素基であり、X3
は低級アルコキシ基またはハロゲン原子等の加水分解し
得る有機であり、R2 はR1 またはX3 でありX3 が複
数個存在する場合には、互いに異なっても良い) シラン系化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシ
シラン、3−メタクリロキシトリメトキシシラン、3−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げること
ができる。なかでもビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメト
キシシランが好ましい。これらの該シランカップリング
剤は、含窒素化合物がポリリン酸アンモニウム類に強固
に被覆されるときの助剤として働く。該シランカップリ
ング剤の添加量は該含窒素化合物に対して0〜10重量
%であるが、好ましくは0〜5重量%である。本発明に
おいて用いなくても本発明の効果が減じられるものでは
ない。該添加量が10重量%を越えて添加してもそれを
越える本発明の効果を得る事はできない。
【0014】本発明の適用により十分な効果を生ずる含
窒素化合物とポリリン酸アンモニウム類の重量比は0.
05〜5.0であり好ましくは、0.1〜1.0の範囲
である。該重量比が0.05未満の場合には、含窒素化
合物によってポリリン酸アンモニウム類を十分強固に被
覆する事ができないため加水分解性を抑える事ができな
いばかりでなく、難燃性においても十分効果を生じさせ
る事ができない。5よりも高い場合には、加水分解性を
十分に低下させる事はできても高い難燃効果を得る事は
できない。本発明の適用により十分な効果を生じる含窒
素化合物とポリリン酸アンモニウム類の平均粒径比は
0.1である。含窒素化合物とポリリン酸アンモニウム
類との粒径が0.1を越えて大きい場合含窒素化合物に
よってポリリン酸アンモニウム類を十分強固に被覆する
事はできない。本発明の適用により十分な効果を生じる
には、含窒素化合物とポリリン酸アンモニウム類に被覆
するに際し衝撃式打撃手段すなわちハイブリダイゼーシ
ョンシステムを用いる事が望ましい。この衝撃式打撃手
段については、特開昭62−83029号等に詳述され
ている。他のシステムを用いて、含窒素化合物をポリリ
ン酸アンモニウム類に被覆するには、溶剤を用いてスラ
リー法でおこなう方法やニーダーなどの捏和装置を用い
ておこなう方法等がある。しかし前者の場合、溶剤を乾
燥させる必要がありその時に被覆された粒子が同士が凝
集してしまう。さらに廃溶剤の処理が必要である。また
後者の場合、十分な被覆がされず、その被覆も不均一で
あるために本発明の効果を得る事ができない。
【0015】本発明に係わる含窒素化合物によって被覆
された複合化難燃剤は、ポリリン酸アンモニウム類が特
定の含窒素化合物である1,3,5−トリアジン誘導体
群によって被覆された複合化難燃剤であり、被覆化操作
をハイブリダイゼーションシステムを用いることによっ
て、本発明の含窒素化合物によって被覆された複合化難
燃剤は、その成分であるポリリン酸アンモニウムの加水
分解性を著しく低下させる。さらにオレフィン樹脂およ
び成型品に添加または含浸させた時ポリリン酸アンモニ
ウム類の吸湿性、加水分解性に起因して梅雨時期のよう
な高温高湿条件下に起こるオレフィン樹脂および成型品
表面へのポリリン酸アンモニウム類のブリード現象をほ
とんど生じさせない。しかも、ポリリン酸アンモニウム
類を特定の含窒素化合物で被覆することによって、オレ
フィン樹脂および成型品に添加または含浸させた時、樹
脂中での難燃性能が著しく向上し従来の発明に基づく難
燃剤と比較した場合低添加量で優れた難燃効果を発揮す
る事が見いだされた。
【0016】
【実施例】本発明を具体的に説明するために、以下に実
施例および比較例を示すが本発明はこれによって限定さ
れるものではない。また特にことわりの無い限り合成
例、実施例及び比較例で示される部は重量部である。
【0017】合成例1 撹拌機、温度計、滴下漏斗を備えた2Lの反応容器にシ
アヌル酸クロライド92.2部(0.5mol)と水3
00部を仕込んだ。0〜5℃の温度に保ち撹拌しつつモ
ルホリン43.6部(0.5mol)と水100部に溶
解した溶液と水酸化ナトリウム20部を水50部に溶解
した溶液を同時に滴下した。滴下終了後更に同温度で3
時間撹拌後室温まで放置し、ピペラジン43.1部
(0.5mol)を水200部に溶解した溶液を約30
分かけて滴下した。ピペラジン水溶液の滴下終了後水酸
化ナトリウム40部を水100部に溶解した溶液を滴下
し、滴下終了後、反応溶液を100℃に加熱し同温度で
4時間保持した。冷却後、生成物をろ過し、水および熱
水で洗浄し、乾燥した。収率88%で式(V)のモノマ
ーを基本単位とするポリマーが得られた。
【0018】
【化8】
【0019】合成例2 合成例1のモルホリン43.6部(0.5mol)の替
わりにジエタノールアミン52.6部(0.5mol)
を用いた以外は合成例1と同様の装置、方法によって合
成した。収率93%で式(VI)のモノマーを基本単位と
するポリマーが得られた。
【0020】
【化9】
【0021】合成例3 合成例1のモルホリン43.6部(0.5mol)の替
わりにモルホリン21.8部(0.25mol)とジエ
タノールアミン26.3部(0.25mol)を用いた
以外は合成例1と同様の装置、方法によって合成した。
収率91%で式(V)と式(VI)のモノマーを成分とす
るランダムコポリマーが得られた。
【0022】実施例1 合成例1で得た化合物を平均粒径1.6μmに粉砕した
ものを33.0部と平均粒径が20μmであるExol
it−422(商品名、ヘキスト社製)を87.0部を
ビニール袋にいれて軽く混合する。その混合物を(株)
奈良機械製作所製、ハイブリダイゼーションシステム、
NHS−1型に投入し毎分8000回転で5分間被覆処
理を行った。処理中の温度は、最高66℃まで上昇し
た。合成例1の化合物で被覆されたポリリン酸アンモニ
ウムを93.3部得た。そのものをSEMによって観察
したところ合成例1の化合物がポリリン酸アンモニウム
粒子表面上に密に付着し膜状に被覆されているのが確認
された。被覆されたポリリン酸アンモニウムの水に対す
る溶出率を表1に示す。水に対する溶出率は、被覆され
たポリリン酸アンモニウム1gを所定の温度の水99g
に懸濁させ1時間その温度で撹拌し、初めの1gに対す
る溶出量の百分率を溶出率として表す。
【0023】実施例2 合成例1で得た化合物を平均粒径1.6μmに粉砕した
ものを20.0部と平均粒径が20μmであるExol
it−422(商品名、ヘキスト社製)を100部とす
る以外は実施例1と同様である。合成例1の化合物で被
覆されたポリリン酸アンモニウムを87.9部得た。そ
のものをSEMによって観察したところ合成例1の化合
物がポリリン酸アンモニウム粒子表面上に密に付着し膜
状に被覆されているのが確認された。被覆されたポリリ
ン酸アンモニウムの水に対する溶出率を表1に示す。
【0024】実施例3 合成例2で得た化合物を平均粒径3.9μmに粉砕した
ものを33.0部と平均粒径が20μmであるExol
it−422(商品名、ヘキスト社製)を87.0部と
する以外は実施例1と同様である。合成例2の化合物で
被覆されたポリリン酸アンモニウムを92.0部得た。
そのものをSEMによって観察したところ合成例2の化
合物がポリリン酸アンモニウム粒子表面上に密に付着し
膜状に被覆されているのが確認された。被覆されたポリ
リン酸アンモニウムの水に対する溶出率を表1に示す。
【0025】実施例4 合成例2で得た化合物を平均粒径3.9μmに粉砕した
ものを20.0部と平均粒径が20μmであるExol
it−422(商品名、ヘキスト社製)を100部とす
る以外は実施例1と同様である。合成例2の化合物で被
覆されたポリリン酸アンモニウムを89.6部得た。そ
のものをSEMによって観察したところ合成例2の化合
物がポリリン酸アンモニウム粒子表面上に密に付着し膜
状に被覆されているのが確認された。被覆されたポリリ
ン酸アンモニウムの水に対する溶出率を表1に示す。
【0026】実施例5 合成例3で得た化合物を平均粒径1.9μmに粉砕した
ものを33.0部と平均粒径が20μmであるExol
it−422(商品名、ヘキスト社製)を87.0部と
する以外は実施例1と同様である。合成例3の化合物で
被覆されたポリリン酸アンモニウムを90.0部得た。
そのものをSEMによって観察したところ合成例3の化
合物がポリリン酸アンモニウム粒子表面上に密に付着し
膜状に被覆されているのが確認された。被覆されたポリ
リン酸アンモニウムの水に対する溶出率を表1に示す。
【0027】実施例6 合成例3で得た化合物を平均粒径1.9μmに粉砕した
ものを20.0部と平均粒径が20μmであるExol
it−422(商品名:ヘキスト社製)を100部とす
る以外は実施例1と同様である。合成例3の化合物で被
覆されたポリリン酸アンモニウムを84.3部得た。そ
のものをSEMによって観察したところ合成例3の化合
物がポリリン酸アンモニウム粒子表面上に密に付着し膜
状に被覆されているのが確認された。被覆されたポリリ
ン酸アンモニウムの水に対する溶出率を表1に示す。
【0028】実施例7 合成例1で得た化合物を平均粒径1.6μmに粉砕した
ものを33.0部と平均粒径が20μmであるExol
it−422(商品名:ヘキスト社製)を87.0部さ
らにシランカップリング剤としてVTS−M(ビニルト
リメトキシシラン)4.2部とする以外は実施例1と同
様である。合成例1の化合物で被覆されたポリリン酸ア
ンモニウムを89.1部得た。そのものをSEMによっ
て観察したところ合成例1の化合物がポリリン酸アンモ
ニウム粒子表面上に密に付着し膜状に被覆されているの
が確認された。被覆されたポリリン酸アンモニウムの水
に対する溶出率を表1に示す。
【0029】実施例8 合成例2で得た化合物を平均粒径3.9μmに粉砕した
ものを33.0部と平均粒径が20μmであるExol
it−422(商品名:ヘキスト社製)を87.0部さ
らにシランカップリング剤としてVTS−M(ビニルト
リメトキシシラン)4.2部とする以外は実施例1と同
様である。合成例2の化合物で被覆されたポリリン酸ア
ンモニウムを90.4部得た。そのものをSEMによっ
て観察したところ合成例2の化合物がポリリン酸アンモ
ニウム粒子表面上に密に付着し膜状に被覆されているの
が確認された。被覆されたポリリン酸アンモニウムの水
に対する溶出率を表1に示す。
【0030】比較例1 特開昭61−103962にある実施例1によって得ら
れた熱硬化製樹脂であるメラミン/ホルムアルデヒド樹
脂によって被覆されたポリリン酸アンモニウムの水に対
する溶出率を表1に示す。
【0031】比較例2 合成例1で得た化合物を平均粒径1.6μmに粉砕した
ものを26.4部と平均粒径が20μmであるExol
it−422(商品名:ヘキスト社製)を69.6部を
ナショナルクッキングミキサー(商品名、松下電機産業
(株)製)のミニコップに入れて毎分10000回転で
1分間処理をした。SEMによって観察したところ合成
例1の化合物がポリリン酸アンモニウムの粒子表面にま
ばらに付着しているのが確認された。処理されたポリリ
ン酸アンモニウムの水に対する溶出率を表1に示す。
【0032】比較例3 合成例3で得た化合物を平均粒径1.9μmに粉砕した
ものを165部と平均粒径が20μmであるExoli
t−422(商品名:ヘキスト社製)を435部、さら
に低沸溶剤であるアセトン500部を卓上型ニーダーP
NV−1型(商品名:(株)入江商会製)に入れて十分
湿らせた後100℃に加熱しながら毎分52回転で捏和
する事によってポリリン酸アンモニウム表面へ被覆させ
る。SEMによって観察したところ合成例1の化合物が
ポリリン酸アンモニウムの粒子表面にまばらに付着して
いるのが確認された。被覆されたポリリン酸アンモニウ
ムの水に対する溶出率を表1に示す。
【0033】
【表1】 被覆された複合化難燃剤の水に対する溶出率。
【0034】実施例9 ポリプロピレン樹脂として、エチレン含有量8.5重量
%、メルトフローレート(温度230℃、荷重2.16
kgを加えたときの10分間の溶融樹脂の吐出量)20
g/10分の結晶性エチレン−プロピレンブロック共重
合体77.5重量%、実施例1によって得られた複合化
難燃剤を22.0重量%、その他安定剤として2,6−
ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.2重量%、ジ−ミ
リスチル−β,β’−チオジプロピオネート0.2重量
%及びステアリン酸カルシウム0.1重量%をクッキン
グミキサー(商品名)に入れ、1分間撹拌混合した。得
られた混合物をミニマックス(商品名)で溶融混練温度
210℃で溶融混練押し出し、ペレット化した。得られ
たペレットを200℃の温度に設定した熱プレスで難燃
性評価用の所定の試験片を作成した。該試験片を用い
て、難燃性を評価した。難燃性は、ASTM D−28
63に準拠した酸素指数の測定と、UL−94(Und
erwriters Laboratories)に準
じた垂直燃焼試験を肉厚1.6mmt と3.0mmt
おこなった。綿着火率に関しては、試験片の下方30c
mに置いた外科用脱脂綿に溶融物が落下し外科用脱脂綿
が着火したか否かを確認した。難燃性の評価結果を表2
に示した。
【0035】実施例10 ポリプロ樹脂を74.5重量%、実施例2で得られた複
合化難燃剤を25.0重量%とした以外は実施例9と同
様な方法、装置を用いて難燃性を評価した。難燃性の評
価結果を表2に示す。
【0036】実施例11 ポリプロ樹脂を77.5重量%、実施例3で得られた複
合化難燃剤を22.0重量%とした以外は実施例9と同
様な方法、装置を用いて難燃性を評価した。難燃性の評
価結果を表2に示す。
【0037】実施例12 ポリプロ樹脂を74.5重量%、実施例4で得られた複
合化難燃剤を25.0重量%とした以外は実施例9と同
様な方法、装置を用いて難燃性を評価した。難燃性の評
価結果を表2に示す。
【0038】実施例13 ポリプロ樹脂を77.5重量%、実施例5で得られた複
合化難燃剤を22.0重量%とした以外は実施例9と同
様な方法、装置を用いて難燃性を評価した。難燃性の評
価結果を表2に示す。
【0039】実施例14 ポリプロ樹脂を74.5重量%、実施例6で得られた複
合化難燃剤を25.0重量%とした以外は実施例9と同
様な方法、装置を用いて難燃性を評価した。難燃性の評
価結果を表2に示す。
【0040】実施例15 ポリプロ樹脂を77.5重量%、実施例7で得られた複
合化難燃剤を22.0重量%とした以外は実施例9と同
様な方法、装置を用いて難燃性を評価した。難燃性の評
価結果を表2に示す。
【0041】実施例16 ポリプロ樹脂を77.5重量%、実施例7で得られた複
合化難燃剤を22.0重量%とした以外は実施例9と同
様な方法、装置を用いて難燃性を評価した。難燃性の評
価結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】比較例4 ポリプロピレン樹脂として、エチレン含有量8.5重量
%、メルトフローレート(温度230℃、荷重2.16
kgを加えたときの10分間の溶融樹脂の吐出量)20
g/10分の結晶性エチレン−プロピレンブロック共重
合体77.5重量%、合成例1によって得られた含窒素
化合物(生成物IV)を6.1重量%、ポリリン酸アンモ
ニウムとしてExolit−422(商品名:ヘキスト
社製)を15.9重量%、その他安定剤として2,6−
ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.2重量%、ジ−ミ
リスチル−β,β’−チオジプロピオネート0.2重量
%及びステアリン酸カルシウム0.1重量%とする以外
は実施例9と同様な方法、装置を用いて難燃性を評価し
た。難燃性の評価結果を表3に示す。
【0044】比較例5 ポリプロ樹脂を74.5重量%、合成例1によって得ら
れた含窒素化合物を4.2重量%、ポリリン酸アンモニ
ウムとしてExolit−422を20.8重量%とす
る以外は比較例4と同様な方法、装置を用いて難燃性を
評価した。難燃性の評価結果を表3に示す。
【0045】比較例6 ポリプロ樹脂を77.5重量%、合成例2によって得ら
れた含窒素化合物を6.1重量%、ポリリン酸アンモニ
ウムとしてExolit−422を15.9重量%とす
る以外は比較例4と同様な方法、装置を用いて難燃性を
評価した。難燃性の評価結果を表3に示す。
【0046】比較例7 ポリプロ樹脂を74.5重量%、合成例2によって得ら
れた含窒素化合物を4.2重量%、ポリリン酸アンモニ
ウムとしてExolit−422を20.8重量%とす
る以外は比較例4と同様な方法、装置を用いて難燃性を
評価した。難燃性の評価結果を表3に示す。
【0047】比較例8 ポリプロ樹脂を77.5重量%、合成例3によって得ら
れた含窒素化合物を6.1重量%、ポリリン酸アンモニ
ウムとしてExolit−422を15.9重量%とす
る以外は比較例4と同様な方法、装置を用いて難燃性を
評価した。難燃性の評価結果を表3に示す。
【0048】比較例9 ポリプロ樹脂を74.5重量%、合成例3によって得ら
れた含窒素化合物を4.2重量%、ポリリン酸アンモニ
ウムとしてExolit−422を20.8重量%とす
る以外は比較例4と同様な方法、装置を用いて難燃性を
評価した。難燃性の評価結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】本発明の含窒素化合物により被覆された
複合化難燃剤は、ポリリン酸アンモニウムの加水分解性
を著しく低下させる。また、特定の含窒素化合物で被覆
されているために低添加量で優れた難燃効果を発揮す
る。さらに、造粒成型時に着色分解ガスの発生がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福村 ▲ちかし▼ 福岡県北九州市八幡西区永犬丸2丁目4番 15号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表される粉末状ポリリン
    酸アンモニウム類(式中nは20〜1000)が、含窒
    素化合物である一般式(II)および一般式(III)で表さ
    れる構造を有するモノマーを基本単位とする1,3,5
    −トリアジン誘導体群(式中X1 は、ピペリジノ基、モ
    ルホリノ基、アルキルアミノ基であり、X2 はヒドロキ
    シアルキルアミノ基である。Y1 、Y2 はピペラジンの
    二価の基またはアルキルジアミノ基である。Y1 、Y2
    は同一の基であっても異なった基であっても良い。)の
    オリゴマー若しくはポリマー、または一般式(II)及び
    一般式(III)のモノマーを共重合成分とするランダムコ
    ポリマーによって被覆されてなる複合化難燃剤。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 粉末状ポリリン酸アンモニウム類がポリ
    リン酸アンモニウム、またはメラミン変性ポリリン酸ア
    ンモニウムである請求項1に記載の複合化難燃剤。
  3. 【請求項3】 被覆助剤としてシランカップリング剤を
    被覆材の0.01〜5重量%添加してなる請求項1に記
    載の複合化難燃剤。
  4. 【請求項4】 含窒素化合物とポリリン酸アンモニウム
    類の重量比が0.05〜10である請求項1に記載の複
    合化難燃剤。
  5. 【請求項5】 含窒素化合物が衝撃式打撃手段を用いて
    ポリリン酸アンモニウムに被覆されてなる請求項1に記
    載の複合化難燃剤。
  6. 【請求項6】 被覆前の含窒素化合物とポリリン酸アン
    モニウム類の平均粒径比が0.1以下である請求項5に
    記載の複合化難燃剤。
JP23138092A 1992-08-06 1992-08-06 含窒素化合物により被覆された複合化難燃剤 Pending JPH0656988A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0627460A1 (en) * 1993-06-01 1994-12-07 Chisso Corporation Flame-retardant thermoplastic resin composition

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0627460A1 (en) * 1993-06-01 1994-12-07 Chisso Corporation Flame-retardant thermoplastic resin composition

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