JP2001158814A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP2001158814A
JP2001158814A JP2000010918A JP2000010918A JP2001158814A JP 2001158814 A JP2001158814 A JP 2001158814A JP 2000010918 A JP2000010918 A JP 2000010918A JP 2000010918 A JP2000010918 A JP 2000010918A JP 2001158814 A JP2001158814 A JP 2001158814A
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flame
isocyanurate
hydroxyethyl
tris
resin composition
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Application number
JP2000010918A
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Takeshi Masuda
武 増田
Susumu Morishita
進 森下
Naoki Kano
直喜 狩野
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Shikoku Chemicals Corp
Original Assignee
Shikoku Chemicals Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性に優れ且つ樹脂成形品の耐水性を改善
した難燃性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシア
ヌレートとイソシアネート化合物の重合体を合成し、前
記化合物をポリリン酸アンモニウムと併用して合成樹脂
に配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トリス(2−ヒド
ロキシエチル)イソシアヌレートとイソシアネート化合
物の重合体を必須成分とする、難燃性に優れた樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】難燃性樹脂組成物は、種々の成形品、例
えば、自動車、電器製品、OA機器、事務機器等の用途
に幅広く使用されているが、製品の安全性を確保するた
めに、OA機器や家電製品の成形物には、アメリカの難
燃規格であるアンダーライターズラボラトリーズ社のサ
ブジェクト94に基づく難燃レベルとして、V−0ある
いはこれに近い難燃特性が要求されている。
【0003】従来知られているハロゲン含有化合物と酸
化アンチモンを配合した難燃性樹脂組成物は、燃焼時ま
たは成形時に腐食性や有害性を有するハロゲン系ガスが
発生するため、近時これらに使用される難燃剤として、
非ハロゲン系のものを用いて難燃特性を改善することが
求められており、燃焼時あるいは成形時にハロゲン系ガ
スが発生しない種々の難燃性樹脂組成物が提案されてい
る。
【0004】例えば、特開昭53−92855号、同5
4−29350号、同54−77658号、同56−2
6954号、同57−87462号、同60−1107
38号公報等には、含水無機化合物(例えば、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト
等)を熱可塑性樹脂に配合した組成物等が開示されてい
る。
【0005】これらの含水無機化合物を配合した樹脂組
成物、例えば水酸化マグネシウムを配合した樹脂組成物
では、燃焼時に発生する水蒸気により火炎の周りの酸素
濃度を下げて難燃性を発現させているため、高度の難燃
特性を得るためには多量の含水無機化合物を配合する必
要があり、その結果として成形加工性の低下をもたらす
のみならず、得られた成形品の物性を悪化させる難点が
あった。
【0006】また、特開昭63−61055号公報にお
いては、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ
ートとポリリン酸アンモニウムの2成分混合物を、熱可
塑性樹脂に配合させた自己消火性の難燃性樹脂組成物が
開示されている。ポリリン酸アンモニウム等のリン化合
物は、火炎と接触した際に主としてポリホスホン酸から
なる不透過性の半固形状のガラス層を形成し、且つ発泡
過程を活性化することを目的とするもの、窒素を含み起
泡剤として作用するもの、並びに炭素を含みポリマーと
火炎との間に、絶縁性の発泡炭素層(炭)を形成するた
めの炭素供与体として作用するものなどが知られてい
る。トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート
とポリリン酸アンモニウムを配合した発泡系難燃性樹脂
は、火炎に曝した際に多孔性の炭素層を形成し、金属化
合物やハロゲン化炭化水素を含む系に比べて煙りの発生
が少なく、樹脂に相当の難燃特性を備えるものである
が、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート
が水に易溶(水100gに対して119.0g溶解)で
あるため、得られた樹脂成形品の耐水性が劣り、実用に
供し難いものであった。
【0007】さらに、特公昭45−11146号、同4
8−26028号公報には、トリス(2−ヒドロキシア
ルキル)イソシアヌレート1モルと有機ジイソシアネー
ト3モルの反応生成物が記載されているが、この反応生
成物は重合体ではないため、樹脂に配合した場合、前記
と同様に樹脂成形品の耐水性が改善されず、しかも粘稠
な半固体状態を呈しており、樹脂用の難燃剤として使用
することは不向きであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、樹脂に必
須成分としてトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシア
ヌレートにイソシアネート化合物を反応させて得られる
重合体を配合させることによって、難燃性に優れ且つ樹
脂成形品の耐水性を改善した難燃性樹脂組成物を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、トリス
(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを適当な溶
媒中において、イソシアネート化合物と反応させること
により、難燃性の高い白色粉末状の重合体が得られるこ
とを知見し、この重合体を難燃化剤として樹脂に配合し
た場合、樹脂組成物中のトリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートとイソシアネート化合物の重合体
が樹脂の燃焼時に分解し、その一部が水、二酸化炭素、
アンモニア、窒素を生成し、これらの分解反応における
吸熱により燃焼熱が奪われ、且つ樹脂表面が前記分解生
成ガスにより空気から遮断されることによって、樹脂の
難燃化作用を発揮することを見い出し、本発明を完遂す
るに至った。
【0010】
【発明の実施の形態】トリス(2−ヒドロキシエチル)
イソシアヌレートと反応させて得られる重合体の原料と
なるイソシアネート類としては、トリレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ジイソシ
アン酸フェニレン等のベンゼン核を有するポリイソシア
ネート、1,5−ナフタレンジイシシアネート等のナフ
タレン核を有するポリイソシアネート、ジイソシアン酸
4,4’ジフェニルメタン等の多核ポリイソシアネー
ト、ジイソシアン酸ヘキサメチレン等の脂肪族ポリイソ
シアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環
式ポリイソシアネートが挙げられ、これらはそれぞれ単
独で用いても良くあるいは2種もしくはそれ以上を組み
合わせて用いても良い。
【0011】本発明の実施において、トリス(2−ヒド
ロキシエチル)イソシアヌレートにトリレンジイソシア
ネートを反応させて得られる重合体、またはトリス(2
−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートにトリレンジイ
ソシアネート及びオクタデシルイソシアネートあるいは
フェニルイソシアネートを反応させて得られる重合体を
樹脂に配合することにより、良好な難燃特性を有する樹
脂組成物が得られる。
【0012】本発明を実施する際に、トリス(2−ヒド
ロキシエチル)イソシアヌレートにイソシアネート化合
物を反応させて得られる重合体と、ポリリン酸アンモニ
ウムを樹脂に配合することにより、これらの相乗的作用
によって高い難燃効果が発揮される。
【0013】また、トリス(2−ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレートにイソシアネート化合物を反応させて得
られる重合体と、イソシアヌル酸を樹脂に配合すること
により、燃焼時における樹脂組成物の火垂防止効果を高
めることができる。
【0014】さらに、トリス(2−ヒドロキシエチル)
イソシアヌレートにイソシアネート化合物を反応させて
得られる重合体と、金属水和物及びまたは金属酸化物を
樹脂に配合することにより、樹脂組成物の燃焼時におけ
る炭化層形成を促進し、難燃性を高めることができる。
【0015】本発明の実施において、トリス(2−ヒド
ロキシエチル)イソシアヌレートとイソシアネート化合
物の使用量は、両者のモル比が2.0:1.0〜1.
0:2.0、好ましくは1.5:1.0〜1.0:1.
5の範囲である。
【0016】本発明の実施において、トリス(2−ヒド
ロキシエチル)イソシアヌレートとトリレンジイソシア
ネート及びオクタデシルイソシアネートあるいはフェニ
ルイソシアネートを反応させる場合、トリス(2−ヒド
ロキシエチル)イソシアヌレートとトリレンジイソシア
ネートの使用量は、前記のとおりモル比が2.0:1.
0〜1.0:2.0の範囲であるが、オクタデシルイソ
シアネートあるいはフェニルイソシアネートの使用量
は、これらに対して0.001〜30重量%、好ましく
は0.01〜2重量%加えて重合させるのが好ましい。
【0017】トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシア
ヌレートとイソシアネート化合物の重合体を生成させる
には、反応温度が70〜140℃好ましくは80℃〜1
00℃の範囲において、1〜5時間加熱すればよい。反
応温度が70℃より低い場合は反応が進まず、140℃
を超える場合はゲル化が起こり目的とする粉末状重合体
の収量が減少する。
【0018】本発明の重合体を合成する際に使用する反
応溶媒の代表的なものは、ジクロロエタン、トルエン、
キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トリクロロエチレ
ン、トリクロロエタン、ジオキサン、ジメチルホルムア
ミド、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、シクロヘ
キサン等である。また、必要に応じてジブチルスズラウ
レート等のスズ化合物、トリエチルアミン、トリエチレ
ンジアミン、トリエタノールアミン等のアミン化合物、
ナフテン酸コバルト、ナフテン酸カルシウム、ナフテン
酸銅、ナフテン酸マンガン等の有機金属系化合物等の反
応触媒を用いても構わない。
【0019】本発明は、全ての樹脂の難燃化に適用し得
るものであるが、特にポリオレフイン系樹脂に対して有
用である。ポリオレフイン系樹脂としては、例えば、低
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレンプロピレン共重合体、エチ
レン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共
重合体等が挙げられ、これらの中でもポリプロピレンが
望ましい。
【0020】その他の適用可能な樹脂としては、例えば
フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポ
リエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性
樹脂、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、発泡ポリ
スチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(AB
S)、石油樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフ
ェニレンエーテル、ポリカーボネート/ABS混合樹脂
等が挙げられる。
【0021】本発明の難燃性樹脂組成物に添加するトリ
ス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートとイソシ
アネート化合物の重合体の配合量は、樹脂100重量部
に対して、本発明の重合体を3〜70重量部、好ましく
は5〜50重量部の割合で配合すべきである。樹脂に対
する重合体の配合量が前記の範囲を下回る場合は、所期
の難燃効果が得られず、またこの範囲を超えて配合した
場合、それ以上の難燃性の向上が認められないので、徒
らに添加してもコスト高を招来するに過ぎない。
【0022】本発明の実施に当って、本発明の重合体に
イソシアヌル酸を配合することによって、燃焼時におけ
る火垂れ防止効果を高めることができる。この場合、合
成樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部、好
ましくは1〜10重量部の割合で配合すべきである。
【0023】本発明の実施に当って、本発明の重合体
に、金属水和物及びまたは金属酸化物を1種類以上配合
することによって、これらの相乗作用によって高い難燃
効果が発揮される。適用可能な金属水和物及び金属酸化
物としては、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、珪酸カルシ
ウム、マグネシウムオキシサルフェート、硫酸カルシウ
ム、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグ
ネシウム、ゼオライト、酸化チタン、酸化ニッケル、酸
化第二鉄、酸化第二スズ、酸化アンチモン、酸化アルミ
ニウム、酸化ビスマス、酸化銅等があげられる。この場
合、合成樹脂100重量部に対して0.1〜20重量
部、好ましくは1〜10重量部の割合で配合すべきであ
る。
【0024】本発明で用いられるポリリン酸アンモニウ
ムは、通常市販されているものを使用することができる
が、特開平4−300204号公報に記載されているII
型ポリリン酸アンモニウム微粒子、特開平6−5698
8号公報に記載されているメラミン被覆ポリリン酸アン
モニウムなども用いることができる。前記メラミン被覆
ポリリン酸アンモニウムとは、前述のポリリン酸アンモ
ニウムの粒子表面に、メラミンが付加あるいは付着した
ポリリン酸アンモニウムである。
【0025】本発明の実施に当って、本発明の重合体と
ポリリン酸アンモニウム、またはリン酸エチレンジアミ
ン、ピロリン酸エチレンジアミン、リン酸メラミン、ピ
ロリン酸メラミンなどのリン系難燃剤を併用することに
よって、さらに樹脂の難燃性を高めることができる。工
業的にはポリリン酸アンモニウムが好ましく、この場
合、合成樹脂100重量部に対して1〜90重量部、好
ましくは10〜50重量部の割合で配合すべきである。
【0026】本発明の重合体に難燃性を向上させる目的
で、添加剤としてメラミン、メラミンシアヌレート、ペ
ンタエリトリトール、または通常の無機系難燃剤として
知られる赤燐、膨張性黒鉛等を配合しても構わない。
【0027】本発明の難燃性樹脂組成物においては、一
般的に合成樹脂に添加される各種添加剤、例えば紫外線
吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、銅害防止剤、滑剤、中
和剤、無機充填剤、顔料、過酸化物等を併用することが
できる。
【0028】本発明難燃性樹脂組成物の製造方法は、特
に限定されるものではないが、前述した各成分の所定量
を撹拌混合装置、例えばヘンシェルミキサー、スーパー
ミキサーまたはタンブラーミキサー等に投入し、1〜1
0分間撹拌混合した後、得られた混合物をロール混練機
または押出機等を用いて溶融混練し、ペレット化するこ
とができる。
【0029】この発明によれば、樹脂中にトリス(2−
ヒドロキシエチル)イソシアヌレートとイソシアネート
類の重合体を配合しているため、樹脂成形品の耐水性を
向上させることができ、発火または炎の接触等による熱
分解によって、水、二酸化炭素、窒素などの非引火性ガ
スを発生すると共に、樹脂成形品の表面に炭素質残渣が
生成するので優れた自己消火性を有するものである。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。なお実施例、比較例における難燃性及び
耐水性の評価は、以下に示した試験方法に従って実施し
た。 耐水性試験:試験片を50℃の温水中に30分間浸した
のち、試験片の表面状態を目視にて観察した。表面状態
が変化しない場合を耐水性が優れているとし、試験片の
表面の光沢が失われた場合を耐水性が劣ると判定した。 難燃性試験:ULサブジェクト94(アンダーライター
・ラボラトリーズインコーポレーテッド)の「機器の部
品用プラスチック材料の燃焼試験」に規定された垂直燃
焼試験方法に準拠した。
【0031】〔実施例1〕攪拌機、温度計、還流冷却
器、滴下漏斗および加熱槽を備えたフラスコに、トリス
(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート233.3
g(0.893モル)、ジクロロエタン600g及びオ
クタデシルイソシアネート4.8g(0.016モル)
を仕込み、内温約80℃にて加熱撹拌しながら、2,4
異性体と2,6異性体が80:20の比で混合されてい
るトリレンジイソシアネート217.7g(1.25モ
ル)を1時間かけて滴下し、内温80〜90℃に保持し
た。反応の進行とともに、反応物は粘稠な固体状態を呈
したので、さらにジクロロエタン400gを分割で投入
しながら3時間に渡り加熱撹拌を続けた。次いで反応系
を冷却したのち、不溶の反応物を分離して白色粉末状の
粗目的物を得た。上記反応で得られた粗目的物をメタノ
ール100mlで洗浄し、得られた白色粉末状固体を減
圧乾燥した。FT−IRの測定結果から、この化合物は
[収量429.8g(収率94.3%)]トリス(2−
ヒドロキシエチル)イソシアヌレートとトリレンジイソ
シアネート、オクタデシルイソシアネートの重合体(以
下、重合体1と称する)であることが確認された。
【0032】〔実施例2〕オクタデシルイソシアネート
を加えないこと及びメタノール洗浄を行わない以外は実
施例1と同様の操作を行い、反応系に不溶の白色粉末状
固体を分離して減圧乾燥した。FT−IRの結果から、
この化合物[収量431g(収率94.5%)]は、ト
リス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートとトリ
レンジイソシアネートの重合体(以下、重合体2と称す
る)であることが確認された。
【0033】〔実施例3〕トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートの量を261g(1.0モル)
に、トリレンジイソシアネートの量を226.5g
(1.3モル)に各々増量して、また反応溶媒であるジ
クロロエタンをキシレンに変えた以外は実施例1と同様
の操作を行い、反応系に不溶の白色粉末状固体を分離し
て減圧乾燥した。FT−IRの結果から、この化合物
[収量459g(収率93.3%)]は、トリス(2−ヒ
ドロキシエチル)イソシアヌレートとトリレンジイソシ
アネートの重合体(以下、重合体3と称する)であるこ
とが確認された。
【0034】〔実施例4〕ポリプロピレン樹脂[商品
名:ノバテックMG−3、日本ポリケム製]に対して、
実施例1で得られた重合体1及びポリリン酸アンモニウ
ム[商品名:テラージュC60、チッソ製]を表1に示
した割合で配合し、タンブラーブレンダーを用いて混合
したのち、200℃の温度で溶融混練し、口径30mm
の押出機から押し出してペレット状樹脂組成物とし、こ
れを射出成形機[シリンダー温度220℃、金型温度6
0℃]を使用して、厚さ1/16インチの試験片を作製
し、その難燃性および耐水性を調べたところ、これらの
試験結果は表1に示したとおりであった。
【0035】〔実施例5〕ポリプロピレン樹脂[商品
名:ノバテックMG−3、日本ポリケム製]に対して、
実施例2で得られた重合体2、イソシアヌル酸及びポリ
リン酸アンモニウム[商品名:テラージュC60、チッ
ソ製]を表1に示した割合で配合し、タンブラーブレン
ダーを用いて混合したのち、以下実施例4と同様にして
処理を行った。これらの試験結果は表1に示したとおり
であった。
【0036】〔実施例6〕ポリプロピレン樹脂[商品
名:フローブレンB200 住友精化製]に対して、実
施例3で得られた重合体3及びポリリン酸アンモニウム
[商品名:テラージュC60、チッソ製]を表1に示した
割合で配合し、以下実施例4と同様にして処理を行っ
た。これらの試験結果は表1に示したとおりであった。
【0037】〔比較例1〕ポリプロピレン樹脂(実施例
6と同じ)に対して、トリス(2−ヒドロキシエチル)
イソシアヌレートとポリリン酸アンモニウム(実施例4
と同じ)を表1に示した割合で配合し、以下実施例4と
同様にして処理を行った。これらの試験結果は表1に示
したとおりであり、耐水性に劣るものであった。
【0038】〔比較例2〕ポリプロピレン樹脂(実施例
4と同じ)に対して、ポリリン酸アンモニウム(実施例
4と同じ)のみを表1に示した割合で配合し、以下実施
例4と同様にして処理を行った。これらの試験結果は表
1に示したとおりであり、所期の難燃性が得られなかっ
た。
【0039】〔実施例7〜13〕ポリプロピレン樹脂
[商品名:ノバテックMG−3、日本ポリケム製]に対
して、実施例2で得られた重合体2とイソシアヌル酸と
ポリリン酸アンモニウム[商品名:テラージュC60、
チッソ製]、金属水和物あるいは金属酸化物を表2に示
した割合で配合し、以下実施例4と同様にして処理を行
った。これらの試験結果は表2に示したとおりであっ
た。なお、金属水和物あるいは金属酸化物は下記のもの
を使用した。 ハイドロタルサイト−1[商品名:DHT−4A−2、
協和化学製] ハイドロタルサイト−2[商品名:KW−2100、協
和化学製] 酸化チタン[ルチル型酸化チタン、和光純薬工業製] ゼオライト[商品名:合成ゼオライトF−9、東ソー
製] ホウ酸アルミニウム[商品名:アルボライト、四国化成
製] 珪酸カルシウムウィスカー[商品名:ゾノハイジ、宇部
マテリアルズ製] マグネシウムオキシサルフェエートウィスカー[商品
名:モスハイジ、宇部マテリアルズ製] 硫酸カルシウムウィスカ−[商品名:ジプトファイバ
ー、四国化成製]
【0040】
【表1】
【0041】表1に示された結果から、トリス(2−ヒ
ドロキシエチル)イソシアヌレートにイソシアネート化
合物を反応させて得られる重合体とポリリン酸アンモニ
ウムを配合した樹脂組成物は、難燃性および耐水性に優
れているものと認められる。また、比較例から明らかな
ように前記重合体を配合しない樹脂組成物は、難燃性も
しくは耐水性に劣っている。
【0042】
【表2】
【0043】表2に示された結果から、金属水和物ある
いは金属酸化物を配合した樹脂組成物は、難燃性および
耐水性に優れているものと認められる。
【0044】
【発明の効果】本発明において得られたトリス(2−ヒ
ドロキシエチル)イソシアヌレートと、イソシアネート
化合物の重合体を樹脂に配合することにより、高い難燃
特性を発現させ、樹脂成形品の耐水性を改善し得るなど
工業分野における利用効果は多大である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AA011 BB121 CK052 DE068 DE098 DE148 DH056 DJ008 DK008 EU197 FD132 FD136 FD137 FD138 4J034 BA02 CA03 CB04 CC35 CC62 CC65 HA01 HA04 HA07 HA13 HA14 HC03 HC12 HC61 HC71 QB17 RA17 RA19

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難燃化剤として、トリス(2−ヒドロキ
    シエチル)イソシアヌレートにイソシアネート化合物を
    反応させて得られる重合体を配合したことを特徴とする
    難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 難燃化剤として、トリス(2−ヒドロキ
    シエチル)イソシアヌレートにトリレンジイソシアネー
    トを反応させて得られる重合体を配合したことを特徴と
    する難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 難燃化剤として、トリス(2−ヒドロキ
    シエチル)イソシアヌレートにトリレンジイソシアネー
    ト及びオクタデシルイソシアネートを反応させて得られ
    る重合体を配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 難燃化剤として、トリス(2−ヒドロキ
    シエチル)イソシアヌレートにトリレンジイソシアネー
    ト及びフェニルイソシアネートを反応させて得られる重
    合体を配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 難燃化剤として、トリス(2−ヒドロキ
    シエチル)イソシアヌレートにイソシアネート化合物を
    反応させて得られる重合体とポリリン酸アンモニウムを
    配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 難燃化剤として、トリス(2−ヒドロキ
    シエチル)イソシアヌレートにイソシアネート化合物を
    反応させて得られる重合体とイソシアヌル酸を配合した
    ことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 難燃化剤として、トリス(2−ヒドロキ
    シエチル)イソシアヌレートにイソシアネート化合物を
    反応させて得られる重合体と金属水和物及びまたは金属
    酸化物を配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 難燃化剤として、トリス(2−ヒドロキ
    シエチル)イソシアヌレートにイソシアネート化合物を
    反応させて得られる重合体とポリリン酸アンモニウム及
    びイソシアヌル酸を配合したことを特徴とする難燃性樹
    脂組成物。
  9. 【請求項9】 難燃化剤として、トリス(2−ヒドロキ
    シエチル)イソシアヌレートにイソシアネート化合物を
    反応させて得られる重合体とポリリン酸アンモニウム及
    び金属水和物及びまたは金属酸化物を配合したことを特
    徴とする難燃性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 難燃化剤として、トリス(2−ヒドロ
    キシエチル)イソシアヌレートにイソシアネート化合物
    を反応させて得られる重合体、ポリリン酸アンモニウ
    ム、イソシアヌル酸、金属水和物及びまたは金属酸化物
    を配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
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