JPH0656514B2 - 感光性トナーを使用する画像形成法 - Google Patents

感光性トナーを使用する画像形成法

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JPH0656514B2
JPH0656514B2 JP63259578A JP25957888A JPH0656514B2 JP H0656514 B2 JPH0656514 B2 JP H0656514B2 JP 63259578 A JP63259578 A JP 63259578A JP 25957888 A JP25957888 A JP 25957888A JP H0656514 B2 JPH0656514 B2 JP H0656514B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、感光性トナーを使用する画像形成法に関し、
より詳細には、感光性トナーと磁性キャリヤとの組合せ
を用いて電圧印加同時露光同時転写方式で画像形成を行
うに当り、画像濃度を高め且つカブリの発生を防止する
ための改良に関する。
(従来の技術) 従来、感光性トナーを使用し且つ電圧印加同時感光同時
転写方式で画像形成を行う方法は既に知られている。例
えば、特開昭60−98463号及び60−13856
6号公報には、導電性基板上に感光性トナー層を形成さ
せると共に、該トナー層と透明電極とを対面させ、トナ
ー付着基板側がトナーと逆極性及び対向電極側がトナー
と同極性となるようにバイアス電圧を印加し、画像露光
し、光照射をうけたトナー像を対向電極側に転写して画
像形成を行うことが記載されている。
また、本発明者等の提案にかかる特願昭62−2953
43号明細書には、少なくとも一方が曲率面を有し且つ
少なくとも一方が透明である2個の電極面を対向させて
配置し、一方の電極面に感光性トナー層を形成させ、ト
ナー層支持電極面がトナー電荷と同極性及び対向電極面
がトナー電荷と逆極性となるようにバイアス電圧を印加
し、両電極面が感光性トナー層を介して接触する部位で
トナー層に光照射して、未露光トナーを対向電極面側に
移行させてポジ像形成を行うことを特徴とする画像形成
方法が記載されている。
感光性トナー層を電極面に塗布するには、感光性トナー
と磁性キャリヤとの混合物から成る二成分系磁性現像剤
を用いる磁気ブラシ塗布法が、感光性トナーの有効帯電
の点でも、操作の作業性や簡便さの点でも有利である。
(発明が解決しようとする問題点) 従来、通常の磁気ブラシ現像に使用される二成分系現像
剤においては、顕電性トナー及び磁性キャリヤの量比
に、両者の比表面積に関して最適の範囲があり、本出願
人の提案に係る特願昭60−172060号公報には、
この現像剤におけるトナー濃度(Ct%)を、式 式中、Scはキャリヤ比表面積(cm2/g)、 Stはトナーの比表面積(cm2/g)、 kは、不定形キャリヤで0.90乃至1.14の数、球状キャリ
ヤで0.80乃至1.07の数 とすることにより、帯電量の増大やカブリ防止が行われ
ることが記載されており、感光性トナーの分野でも、通
常の二成分系現像剤のトナー濃度が踏習的に使用されて
いる。
しかしながら。感光性トナーを用いる画像形成法では、
帯電されたトナー層が露光されることに関連して、通常
の顕電性トナーとは全く異なった問題を生じる。即ち、
感光層が独立したトナー粒子の層から成り、トナー粒子
の光導電性による電荷変化とクーロン力変化とによって
画像形成が行われるため、屡々画像濃度低下やカブリを
生じ易く、カブリを低下させながら画像濃度を十分に高
めることは未だ困難であった。
従って、本発明の目的は、感光性トナーと磁性キャリヤ
との組合せを用いて電圧印加同時露光同時転写方式で画
像形成を行うに際して、カブリ濃度を顕著に抑制しなが
ら画像濃度を高めるための改良手段を提供するにある。
本発明の他の目的は、上記方式で画像露光によりポジ像
を形成するのに有利に適用し得る方法を提供するにあ
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明によれば、導電性スリーブ上に感光性トナーと磁
性キャリヤとの混合物から成る磁気ブラシを形成させ、
該磁気ブラシで透明電極面とを接触させ、該導電性スリ
ーブと透明電極面との間にバイアス電圧を印加すると共
に、透明電極面を通して前記接触部を画像露光し、これ
により電極面上に感光性トナー像を形成させることから
成る画像形成法において、該混合物中の感光性トナー濃
度(Ct%)を 式中、Scは磁性キャリヤの比表面積(cm2/g)、Stは感光
性トナーの比表面積(cm2/g)、kは、1.0乃至2.0の数で
ある、 を満足する濃度とすることを特徴とする画像形成法が提
供される。感光性トナーとしては体積基準メジアン径が
5乃至10μm、特に6乃至8μmの範囲にあり且つ体
積基準の粒度分布の標準偏差値が3.33μm以下の粒度特
性を有する感光性トナーを用いるのが好ましく、またこ
の方法は特に、透明電極面がトナー電荷と逆極性及び導
電性スリーブがトナー電荷と同極性となるようにバイア
ス電圧を印加し、未露光トナーを透明電極面側に移行さ
せてポジ像形成を行うのに有利に適用される。
(作用) 本発明は、透明電極面と対向電極面との間に、感光性ト
ナーと磁性キャリアとの混合物を介在させて、電圧印加
同時露光同時転写方式で画像形成を行う場合には、カブ
リ濃度を減少させ且つ画像濃度を向上させるためには、
混合物のトナー濃度の最適値があるという発見に基づく
ものである。
前記式(1)における右辺の項Sc/(St+Cc)は、キャリヤ及
びトナーの比表面積に関する項であり、具体的には、キ
ャリヤとトナーとを等重量混合した組成物の全表面積当
りのキャリヤの占める表面積の割合い(以下単にキャリ
ヤ表面積占有率と呼ぶ)を表わす数値である。通常の二
成分系現像剤の場合、トナー濃度(C%)は、キャリ
ヤ表面積占有率と同じか或いはその近傍の値であり、具
体的にはkの値が1を中心とした値となる濃度である。
これに対して、本発明では、二成分系現像剤中の感光性
トナー濃度(C%)は、前記式(1)のk値が1.0乃至2.
0、特に1.2乃至1.8となるようなむしろ高濃度側でトナ
ー像形成を行うのである。
添付図面第1図は、二成分系現像剤中の感光性トナー濃
度(C%)及び式(1)から算出されるk値を横軸と
し、ベタ部及びバックグラウンド部におけるトナー付着
量(g/m2)を縦軸として付着量と濃度との関係をプロット
したものであり、また第5図は感光性トナーにおけるト
ナー付着量(g/m2)と現像濃度(OD)との関係をプロッ
トしたものである。
第1図によると、混合物中の感光性トナー濃度C%を
kで表わしたとき、kの値が大きくなるにつれて、ベタ
部トナー付着量はほぼ単調に増大する。一方第5図を参
照すると、トナー付着量と現像濃度(OD)との関係で
も、トナー付着量が増大すると、現像濃度は増大する
が、この増加曲線はS字型の曲線となり、本発明で規定
したk=1(トナー付着量=15g/m2)からk=2(ト
ナー付着量=38g/m2)の範囲では、S字型曲線の上側
の緩やかな傾斜の部分に相当し、k=1乃至2の範囲で
は高い現像濃度が得られることがわかる。
再び第1図を参照すると、バックグラウンド部では、k
の値が増大するにつれて、ベタ部に比して一定のおくれ
を示しながら、やはりトナー付着量が増大するようにな
る。
かくして、感光性トナーと磁性キャリヤとの混合物中の
感光性トナーの濃度を、前記式(1)のkの値が1乃至
2、特に1.2乃至1.8の範囲となるように選定すると、バ
ックグラウンドのカブリ濃度を低い範囲に抑制しなが
ら、ベタ部等の画像濃度を向上させ得ることがわかる。
即ち、本発明に用いる感光性トナーを使用する電圧印加
同時露光同時転写方式では、感光性トナーと磁性キャリ
ヤとの混合物中の感光性トナーをむしろ高濃度にして、
電極面上に一定の付着量以上に付着させることが画像濃
度の点で必要であるが、付着量が一定限度を越えると、
露光時の光減衰や電荷注入が不十分となって、カブリ濃
度が増加するのに対して、磁性キャリヤや感光性トナー
の比表面積に関連して、混合物中の感光性トナーの濃度
を或る一定の範囲(k=1乃至2)に選ぶことによっ
て、カブリ濃度を減少させながら画像濃度を向上させる
ことが可能となったものである。
本発明においては、感光性トナーとして体積基準メジア
ン径(以下単にメジアン径と呼ぶ)を5乃至10μm、
特に6乃至8μmの範囲とし、且つ体積基準の粒度分布
の標準偏差値(σ)を3.33μm以下、特に2.24μm以下
としたトナーを用いることが、光感度の著しい向上がも
たらされるので好ましい。第2図はこの感光性トナーの
メジアン粒径(μm)とこの感光性トナーの層を導電性
基板上に設けたものについての光感度との関係をプロッ
トしたものである。
本発明の方法は、透明電極面がトナー電荷と逆極性及び
導電性スリーブがトナー電荷と同極性となるようにバイ
アス電圧を印加して、画像形成を行う方法に特に有利に
適用される。この方式では、透明電極面に感光性トナー
が付着すると同時に露光が行われ、露光部(L)ではト
ナー粒子の電荷消失乃至逆極性電荷注入により反撥され
て画像形成が行われるが、本発明で規定した感光性トナ
ーを使用すると、このプロセスが迅速且つ確実に行われ
て、カブリや文字ボケがなく、高コントラストで高濃度
のポジ画像形成が可能となる。
(発明の好適態様) 本発明方法の実施に好適に使用される装置の一例を示す
第3図において、機枠1の内部には、外表面に透明電極
面を2を備えた透明ドラム3が駆動回転可能に設けられ
ている。機枠1の上部には原稿4を支持する透明板5が
設けられている。透明ドラム3のほぼ中心には露光用ミ
ラー6が固定されており、この露光用ミラー6と透明板
5とは、例えば第一の可動ミラー7、第二の可動ミラー
8、インミラーレンズ9、及び固定ミラー10を介して
光学的に接続されている。透明板5上の原稿4を照明す
るために露光用ランプ11が設けられる。
透明ドラム3の周囲に沿って且つ露光用ミラー6からの
光学通路に、全体として12で示す現像器が設けられ
る。この現像器12には、供給される感光性トナー13
と磁性キャリヤ17(第4図参照)とを混合するための
攪拌ローラ14と、この混合物の磁気ブラシ15を表面
に形成する現像スリーブ16とから成っている。現像ス
リーブ16は表面が導電性であり、その内部に磁気ブラ
シを形成させるためのマグネット18が回転可能に設け
られるか或いは固定して設けられている。透明電極面2
と現像スリーブ16との間にバイアス電圧を印加するた
めに、この具体例では透明電極面2は接地され、一方現
像スリーブ16はバイアス電源19に接続されている。
透明ドラム3の回転方向に沿って、現像器12に次い
で、トナー像転写機構20が設けられる。即ち、この転
写機構20の部位で透明ドラム3の表面と接触するよう
に複写紙21を供給する複写紙供給機構22が設けられ
る。この具体例で、転写機構20はコロナチャージャー
であり、トナー像25を備えたドラム3と複写紙21と
が重ねられた状態で複写紙21の背面から、トナーの電
荷と逆極性の電荷の放電を行なうことにより、トナー像
25をドラム3から複写紙21により転写させる。複写
紙21の搬送方向には、例えば加熱ローラの如き定着機
構23が設けられていて、複写紙21上に転写されたト
ナー像を熱定着する。
透明ドラムの回転方向に沿って、転写機構20に次いで
クリーニング機構24が設けられていて、トナー転写
後、ドラム表面に残留する余分のトナーをクリーニング
により除去する。
感光性トナーの同時露光転写部を拡大して示す第4図に
おいて、現像スリーブ16と透明ドラムの透明電極面2
とは近接しており、スリーブ16には、磁性キャリヤ1
7と感光性トナー13の混合物から成る磁気ブラシ15
が形成され、この磁気ブラシ15が透明電極面2と摺擦
されている。感光性トナー13は磁性キャリヤ17との
混合により一定極性の電荷(例えばマイナス)に帯電さ
れており、反対極性の電荷に帯電された磁性キャリヤ1
7にクーロン力により引き付けられている。透明電極面
2は感光性トナー13の極性と逆極性(例えばプラス)
となるように、電源19によりバイアス電圧が印加され
ており、かくして、透明電極面2上には感光性トナー1
3の薄い層26が形成される。このトナー層26に対し
て、透明ドラム3及び透明電極面2を介してスリット露
光が行われる。暗部Dでは感光性トナー13が電極面2
にクーロン力により保持したままであるが、明部Lで
は、トナー13の光導電性により逆極性電荷(例えばプ
ラス)の注入が行われ、トナー13は磁気ブラシ15側
に移動し、かくして暗部Dに対応したトナー像25の形
成が行われる。
本発明において、光導電性トナーとしては、電気絶縁性
樹脂定着媒質中に光導電性顔料、例えば酸化亜鉛、Cd
S等の無機光導電体や、ペリレン系顔料、キナクリドン
系顔料、ピラントロン系顔料、フタロシアニン系顔料、
ジスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料等の光導電性有機顔
料を分散させた組成物から成る粒子が使用される。光導
電性顔料は、定着媒質100重量部当り3乃至600重
量部、特に5乃至500重量部の量で用いるのがよい。
光導電性顔料の量が上記範囲よりも少ないときには、画
像の濃度やトナー感度が低下する傾向があり、また上記
範囲よりも多いときには、電荷保持特性が低下する傾向
がある。
定着媒質としては、それ自体公知の電気絶縁性の定着用
樹脂、例えばポリスチレン、スチレン−アクリル共重合
体、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート
(ビスフェノールAとイソまたはテレフタレール酸との
ポリエステル)、ポリビニルブチラール、ポリスルホン
を用いることができ、またポリビニルカルバゾール等の
光導電性樹脂も、単独で或いは電気絶縁性樹脂との組合
せで本発明の目的に使用される。
前述した光導電性顔料が可視域波長に感度を有しない場
合には、それ自体公知の染料増感剤や化学的増感剤を配
合することができる。
また、定着媒質として電荷輸送媒質を用い、この電荷輸
送媒質中に前述した光導電性顔料を電荷発生顔料として
分散させ、この分散系を光導電性トナーとする。電荷輸
送媒質としては、前述した電気絶縁性樹脂と電荷輸送媒
質、例えばポリビニルカルバゾール、フェナントレン、
N−エチルカルバゾール、2,5−ジフェニル−1,
3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス−(4−ジエ
チルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾー
ル、ビス−ジエチルアミノフェニル−1,3,6−オキ
サジアゾール、4,4′−ビス(ジエチルアミノ−2,
2′−ジメチルトリフェニルメタン、2,4,5−トリ
アミノフェニルイミダゾール、2,5−ビス−(4−ジ
エチルアミノフェニル)−1,3,4−トリアゾール、
1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−
5−(4−ジエチルアミノフェニル)−2−ピラゾリ
ン、p−ジエチルアミノベンツアルデヒド−(ジフェニ
ルヒドラゾン)などの正孔輸送物質や2−ニトロ−9−
フルオレノン、2,7−ジニトロ−9−フルオレノン、
2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,
5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2−ニトロ
ベンゾチオフエン、2,4,8−トリニトロチオキサン
トン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ジ
ニトロアントラキノンなどの電子輸送物質の少なくとも
1種の組合せが使用される。電荷輸送物質は、一般に的
に言って、樹脂100重量部当り10乃至200重量
部、特に30乃至120重量部の量で用いるのがよい。
本発明に用いる光導電性トナーには、上述した必須成分
に加えて、それ自体公知の助剤を公知の処方に従って配
合することができる。このような助剤としては、ワック
ス類等のオフセット防止剤や圧力定着性付与剤を挙げる
ことができる。
トナーへの成形は、混練、粉砕、篩分けによる乾式法
や、分散液の形で噴霧造粒する湿式法により行うことが
でき、生成したトナーを風力分級等の厳密な分級操作に
賦することによって、前述メジアン径と粒度分布とを有
するトナー粒子とする。生成したトナー粒子には、疎水
性微粉シリカ、微粉カーボンブラック等の流動性改良剤
をマブシにより配合することもできる。
好適な光導電性トナーの例としては酸化亜鉛=スチレン
−アクリル樹脂系フタロシアニン=スチレン−アクリル
樹脂系、フタロシアニン=ポリエステル樹脂系などが挙
げられる。これらの光導電性トナーは負極性への摩擦帯
電特性を有している。一方正極性への摩擦帯電特性を有
する光導電性トナーとしては、上述した樹脂の代りにポ
リアミド系樹脂等の窒素原子を主鎖或いは側鎖に含む樹
脂を含むトナーを用いればよい。
光導電性トナーの比表面積(S)は、その粒径や密度
によって相違する。この光導電性トナーの比表面積(cm2
/g)は、トナーの体積基準メジアン径(α,μm)とト
ナーの密度(ρ,g/cm3)とから球の体積と表面積との
関係から、下記式 で算出して求めることができる。
本発明において、磁性キャリヤとしては、電子写真複写
の分野で従来使用されている任意の磁性キャリヤが使用
され、例えば鉄粉キャリヤ、フエライトキャリヤ等が使
用される。またキャリヤの形状としては不定形又は球状
のものが使用できる。キャリヤとしては、粒径(数平均
粒径)が、一般に40乃至110ミクロン、特に40乃
至60ミクロンのものが使用され、この粒径に関連し
て、比表面積は50乃至500cm2/g、特に300乃至
400cm2/gの範囲にある。
磁性キャリヤの好適な一例は、角取された不定形鉄粉
(以下単に不定形球状と呼ぶ)であり、粒径が105ミ
クロン以下のものが全体の90重量%以上、粒径が37
乃至74ミクロンのものが全体の50重量%以上である
粒度分布と、2.65乃至3.20g/ccのゆるみ見掛比重とを有
するものが好適に使用される。
磁性キャリヤの他の好適な例は、フエライトキャリヤと
呼ばれるものであり、焼結フエライト粒子、特に球状の
焼結フエライト粒子が有利に使用される。この焼結フエ
ライト粒子の粒径は、一般に20乃至100ミクロンの
範囲にあるのがよい。
この焼結フエライト粒子の粒径が20ミクロンよりも小
さい場合には、磁気ブラシの穂立ちを良好にすることが
困難となる傾向があり、一方この粒径が100ミクロン
よりも大きい場合には、形成されるトナー像に前述した
プラシマーク、即ち引掻き傷が入る傾向がある。
本発明に用いる焼結フエライト粒子はそれ自体公知のも
のであり、例えば酸化鉄亜鉛(ZnFe2O4)、酸化鉄イット
リウム(Y3Fe5O12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2O4)、酸化
鉄ガドリニウム(Cd3Fe5O12)、酸化鉄銅(CuFe2O4),酸化
鉄鉛(PbFe12O19)、酸化鉄ニッケル(NiFe2O4)、酸化鉄ネ
オジウム(NdFeO3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、酸化
鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マンガン(MnFe2O4)、
酸化鉄ランタン(LaFeO3)等の1種或いは2種以上から成
る組成の焼結フエライト粒子が使用される。本発明の目
的に特に好適なものは、酸化鉄マンガン亜鉛から成る焼
結フエライト粒子である。
磁性キャリヤ粒子の表面は、アクリル樹脂、シリコーン
樹脂等の有機樹脂で薄くコーティングされていることが
できる。
光導電性トナーと磁性キャリヤとは前記式(1)を満足す
る量比で混合され、磁気ブラシの形成に用いられる。磁
気ブラシ形成用スリーブとしては、マグネット固定スリ
ーブ回転型、スリーブ固定マグネット回転型、スリーブ
−マグネット両回転型の各種のものが使用される。
一方、透明ドラムとしては、透明性に優れ、光学的に歪
のない材料で製造されたものであれば任意の材料から成
るものでよく、例えばアクリル樹脂、ジエチレングリコ
ールビスアリルカーボネート樹脂、通常のカーボネート
樹脂、ポリ4−メチルペンテン−1樹脂等の樹脂製ドラ
ムや、ガラス、ガラスセラミック等のセラミック製ドラ
ムが使用される。透明電極面としては、導電性ガラス
(NESAガラス)や、酸化錫導電層、インジウム−錫
酸化物導電層(ITO)等が使用される。
磁気ブラシの穂長は、他の条件によっても若干相違する
が、一般に0.3乃至1mmの範囲が適当である。
スリーブとドラムとの間に印加するバイアス電圧は、一
般に100乃至1000ボルト、特に300乃至800
ボルトの範囲にあるのがよい。
画像露光は、透明原稿を介しての透明露光や不透明原稿
からの反射露光により行うが、何れの場合でもスリット
露光により行なう。この場合、露光のスリット巾は感光
性トナーとの接触部位の巾よりも狭い巾であることが望
ましく、一般に0.5乃至3mmの巾が適当である。また、
光照射は接触部位の透明電極進行方向先端部で行うのが
よい。
(実施例) (i)感光性トナーの作成 構成材料 樹脂 積水化学製 PA-525 33重量部 酸化亜鉛 九州白水化学製 Grade#2 100重量部 増感色素 和光純薬(株) エリトロシンB 0.1重量部 着色剤 大日精化(株) クロモファインマゼンタMT201 3重量
部 上記構成材料をトルエン1000重量部中で充分に分散かつ
相溶させた後、スプレードライ装置を用いてスプレード
ライ法により噴霧、乾燥してトナーにする。以上の様に
して得られたトナーを、アルピネ社製ムルティプレック
スジグザグ分級器(100MZR)により分級して、種
々の体積基準メジアン径のトナーを調製した。
(ii)光感度の測定 電極基板上にメジアン径4.0μm,5.1μm,7.8μm及
び11.0μmの各種トナーを帯電状態でほぼ一層となる塗
布量で施こし、帯電されたトナー層の初期の表面電位
(Vd)と露光後の表面電位(V1)を測定し、次式に
よって感度(表面電位減衰率)を求める。
結果を第2図に示した。
(iii)トナー付着量の測定 上記方法で調製したトナー中心粒径7.0μm、標準偏差
2.24μm、密度2.58g/cm3及び比表面積3300cm2/gの感光
性トナーと、粒径約60μm及び比表面積約300cm2/
gのフェライト製キャリヤとを下記の割合いで混合し
た。試験 重量比(%)
1 6.3 0.75 2 10.5 1.25 3 14.6 1.75 4 18.8 2.25 この混合物を、第3図に示す装置に供給して、バイアス
電圧 ボルトで画像だしを行った。
トナー付着量の測定結果を第1図に示す。
(発明の効果) 本発明によれば、感光性トナーと磁性キャリヤとの組合
せを用いて電圧印加同時露光同時転写方式で画像を形成
するに際して、従来の二成分系現像剤の濃度に比して高
く、しかもキャリヤ及びトナーの比表面積に関連して特
定の範囲のトナー濃度で現像を行うことにより、カブリ
濃度を抑制しながら画像濃度を顕著に高めることが可能
となった。
また、トナーの使用により、前記方式によるポジ像の形
成も著しく容易に行われるようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、感光性トナー濃度及び式(1)から算出される
k値を横軸とし、ベタ部及びバックグラウンド部におけ
るトナー付着量を縦軸として付着量と濃度との関係をプ
ロットしたグラフであり、 第2図は、感光性トナーのメジアン径と、この感光性ト
ナーの層を導電性基板上に設けたものについての光感度
との関係をプロットしたグラフであり、 第3図は、本発明方法の実施に使用される装置の一例を
示す図であり、 第4図は、感光性トナーの同時露光転写部を拡大して示
す図であり、 第5図は、トナー付着量と現像濃度との関係を示すグラ
フである。 2……透明電極面 3……透明ドラム 13……感光性トナー 16……現像スリーブ 17……磁性キャリヤ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性スリーブ上に感光性トナーと磁性キ
    ャリヤとの混合物から成る磁気ブラシを形成させ、該磁
    気ブラシで透明電極面とを接触させ、該導電性スリーブ
    と透明電極面との間にバイアス電圧を印加すると共に、
    透明電極面を通して前記接触部を画像露光し、これによ
    り電極面上に感光性トナー像を形成させることから成る
    画像形成法において、 該混合物中の感光性トナー濃度(Ct%)を 式中、Scは磁性キャリヤの比表面積(cm2/g)、Stは感光
    性トナーの比表面積(cm2/g)、kは1.0乃至2.0の数であ
    る、 を満足する濃度とすることを特徴とする画像形成法。
  2. 【請求項2】透明電極面がトナー電荷と逆極性及び導電
    性スリーブがトナー電荷と同極性となるようにバイアス
    電圧を印加し、未露光トナーを透明電極面側に移行させ
    て像形成を行う請求項1記載の画像形成法。
  3. 【請求項3】感光性トナーとして、体積基準メジアン径
    が5乃至10μmの範囲にあり且つ体積基準の粒度分布
    の標準偏差値が3.33μm以下の粒度特性を有する感光性
    トナーを用いることを特徴とする請求項1記載の画像形
    成法。
JP63259578A 1988-10-17 1988-10-17 感光性トナーを使用する画像形成法 Expired - Lifetime JPH0656514B2 (ja)

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