JPH0656473A - フッ化物ガラス光導波路 - Google Patents

フッ化物ガラス光導波路

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JPH0656473A
JPH0656473A JP4206480A JP20648092A JPH0656473A JP H0656473 A JPH0656473 A JP H0656473A JP 4206480 A JP4206480 A JP 4206480A JP 20648092 A JP20648092 A JP 20648092A JP H0656473 A JPH0656473 A JP H0656473A
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誠 古口
Yoshitaka Iida
義隆 飯田
Kunio Ogura
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 線引時に失透せず破断しにくい、すなわち、
長距離の線引が可能なフッ化物ガラス光導波路用母材を
提供する。 【構成】 2000ppmのPrと 8mol%の PbF2 をドープした
ZBLAN系フッ化物ガラスを溶解し鋳型に鋳込んでコア部
用ロッドを得た。40mol%の HfF4 をドープした ZBLAN系
フッ化物ガラスを溶解し鋳型に鋳込み穴開け加工を施し
てクラッド内層用のパイプを得た。コア部用ロッドを該
クラッド内層用パイプの中に挿入し、不活性ガス中で加
熱することによって一体化させ延伸することを繰り返し
て光導波路用ガラス母材を得た。母材の外側に別工程で
作成した HfF4 を含まない ZBLAN系フッ化物ガラスから
なるクラッド最外層用パイプを配し、これをロッドイン
チューブ法によって線引を行った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として光通信システ
ムの中継部に使用される光増幅用光導波路(光ファイバ
を含む)に関するものである。
【0002】
【従来技術】光通信システムは発光部、中継部および受
光部から構成され、これらの間は光導波路で結ばれてい
る。この中継部は、伝送する信号光が光導波路中を伝搬
する際の伝送損失およびパルスの広がりを補償するもの
である。従来、その構成は信号光を一度電気信号に変換
して補償した後、半導体レーザを用いて信号光に変換す
るというものであった。しかしながら、この方法は装置
の構成が極めて複雑であるため高価であるという欠点が
あった。そこで最近、低価格の中継部を提供するため
に、中継部での発光源として希土類元素を用いることが
考えられている。具体的には、希土類元素をホストガラ
スにドープしたものをコア部として光導波路を作製し、
この光導波路により波長が1.3μmまたは1.55μmの信
号光を直接増幅することが試みられている。特にこれら
の希土類元素のうち、プラセオジウム (Pr) をコア部に
ドープした ZBLAN(ZrF4 -BaF2 -LaF3 -AlF3 -NaF) 系フ
ッ化物ガラスのシングルモード型光導波路は、波長が
1.3μmの信号光を効率よく増幅するものとして注目さ
れている。
【0003】通常、この種の ZBLAN系フッ化物ガラス光
導波路は、屈折率を高くするためにコア部全体に PbF2
を、一方クラッド部全体には屈折率を低くするために H
fF4をドープした組成のものが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クラッ
ド部にHf、具体的には HfF4 をドープした ZBLAN系フッ
化物ガラス光導波路は、 HfF4 をドープしない ZBLAN系
フッ化物ガラスからなるクラッド部を有する光導波路に
比べて失透しやすく、この失透により光導波路が劣化
し、線引中に破断するという問題があった。ところが、
屈折率を下げる物質としてHfは一般的であり、またその
効果は非常に大きいことが分かっている。現在、Hfに代
わる屈折率を下げる物質が見つかっていないため、問題
が多少あっても使用せざるを得ない状況にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、線引時
に失透しにくい、すなわち、破断しにくい ZBLAN系フッ
化物ガラス光導波路を提供することにある。したがっ
て、本発明によれば、クラッド部が主として ZBLAN系フ
ッ化物ガラスからなり、かつHfも含有されるフッ化物ガ
ラス光導波路において、前記クラッド部の最外層がHfを
含有しないことを特徴とする光導波路が提供される。
【0006】
【作用】クラッド部全体にHf、具体的には HfF4 をドー
プする従来方法では、表1の比較例2〜4に示すように
クラッド部にドープする HfF4 の量が微量であっても、
母材は結晶化により失透することがわかった。この結晶
化の原因は、 HfF4 をドープすることによってガラスの
構造がより疎になり、このことがガラス表面と水分の結
合とに影響を及ぼし、結果として線引時に母材表面の水
分が除去できなくなって結晶化しやすくなったことによ
る、と考えられる。そこで、この対策としてクラッドの
最外層部を HfF4 をドープしない ZBLAN系フッ化物ガラ
スとしたところ実施例に示すように結晶化を抑えること
ができた。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。実
施例として、 2000ppmのPrと 8mol%の PbF2 をドープし
た ZBLAN系フッ化物ガラスを溶解し鋳型に鋳込むことに
より、外径が 8mmのコア部用ロッドを作成した。次い
で、前記コア部用ロッドを不活性ガス中、具体的にはア
ルゴンガス中で延伸して、外径 3mmのコア部用ロッドを
得た。また、40mol%の HfF4 をドープした ZBLAN系フッ
化物ガラスを溶解し鋳型に鋳込んだ後、穴開け加工を施
して外径15mm、内径 3.5mmのクラッド内層用のパイプを
得た。前記コア部用ロッドを該クラッド内層用パイプの
中に挿入し、不活性ガス中、具体的にはアルゴンガス中
で約 300℃に加熱することによって一体化させ、この後
にさらに延伸することを繰り返して前記コア部とクラッ
ド内層からなる、外径 3mmの光導波路用ガラス母材(ク
ラッド内層径/コア部径比は約10) を得た。また、 HfF
4 を含まない ZBLAN系フッ化物ガラスを溶解させた後、
鋳込みを行い、これに穴開け加工を施して外径10.6mm、
内径 4.0mmのクラッド最外層用パイプを得た。前記光導
波路用ガラス母材を外側に該クラッド最外層用パイプ内
に配し、これをロッドインチューブ法によって、所定の
線速に設定して線引を行った。この線引の際、光導波路
の破断の回数の調査と破断箇所を透過型電子顕微鏡で観
察することによる結晶化の有無の調査を行ったところ、
表1に示すように破断回数が少なく、結晶化の見られな
い光導波路を得ることができた。
【0008】比較例として、実施例と同様に 2000ppmの
Prと 8mol%の PbF2 をドープしたZBLAN系フッ化物ガラ
スを溶解し鋳型に鋳込むことにより、外径が 8mmのコア
部用ロッドを作成した。次いで、前記コア部用ロッドを
不活性ガス中、具体的にはアルゴンガス中で延伸して、
外径 3mmのコア部用ロッドを得た。また、 HfF4 をそれ
ぞれ、 0、0.5 、10、40mol%含有する (各々順に比較例
1、比較例2、比較例3、比較例4とする) ZBLAN系フ
ッ化物ガラスを溶解し鋳型に鋳込んだ後、穴開け加工を
施して、外径15mm、内径 3.5mmのクラッド部用のパイプ
得た。前記コア部用ロッドを該クラッド部用パイプ中に
挿入し、不活性ガス中、具体的にはアルゴンガス中で約
300℃に加熱することによって一体化させ、光導波路用
ガラス母材(クラッド径/コア径比は約30) を作成し
た。これらの母材を線引炉にセットし、炉内を窒素ガス
で置換した後に約 300℃に加熱しながら、実施例と同一
の線速に設定して線引を行った。この際、実施例と同様
の方法で光導波路の破断の調査、および結晶の有無の調
査を行ったところ、表1のような結果を得た。
【0009】実施例および各比較例の結果は、表1に示
すように程度の差はあれ、 HfF4 をドープした ZBLAN系
フッ化物ガラス光導波路は破断回数が多く、その破断箇
所で結晶化が観察されることが分かった。その一方、本
発明によるクラッド最外層がHfF4 を含まない ZBLAN系
フッ化物光導波路と比較例1のクラッド全体が HfF4
含まない ZBLAN系フッ化物ガラス光導波路、すなわち、
どちらもクラッドの一番外側には HfF4 を含まない ZBL
AN系フッ化物ガラス光導波路だけは破断や結晶が観察さ
れなかった。このことからも、結晶化からなる失透を防
止するために、光導波路に HfF4 を含まない最外層を設
けることは有効な手段であることがわかる。尚、実施例
中では、Hfを含まない ZBLAN系フッ化物ガラスよりなる
クラッド最外層は比較的厚くなっているが、該最外層を
設けるのは、Hfを含有するクラッド内層と、例えば大気
中の水分とが直接接触しないようにすることが主目的で
あるから、極めて薄い層であっても、その効果は充分で
ある。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】本発明の目的は、線引時に失透せず破断
しにくい、すなわち、長尺の線引が可能なフッ化物ガラ
ス光導波路を提供することである。本発明によれば、ク
ラッド部が主として ZBLAN系フッ化物ガラスからなり、
さらにHfも含有する光導波路において、クラッド部の最
外層にHfを含有しない層を設けたことを特徴とするフッ
化物ガラス光導波路を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の光導波路の断面図である。
【図2】本発明の比較例の光導波路の断面図である。
【符号の説明】
1 コア部 2 Hfを含む ZBLAN系フッ化物ガラスからなるクラッド
内層 (実施例) またはクラッド部(比較例) 3 Hfを含まない ZBLAN系フッ化物ガラスからなるクラ
ッド最外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/07 8934−4M 3/17 8934−4M

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア部と該コア部を覆い、かつ該コア部
    の屈折率より小さい屈折率を有するクラッド部を有し、
    該クラッド部が主として ZBLAN(ZrF4 -BaF2-LaF3 -AlF
    3 -NaF) 系フッ化物ガラスからなり、さらにハフニウム
    (Hf)も含有する光導波路において、前記クラッド部の最
    外層がHfを含有しないことを特徴とするフッ化物ガラス
    光導波路。
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WO2000026150A1 (fr) * 1998-10-29 2000-05-11 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Procede de production de preforme et de fibre optique

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