JPH065640U - 薬液注入容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薬液注入口をキャップで嵌装しないことによ
って、キャップが外れて薬液が漏れることがなく、又外
したキャップの処理手間のかからない薬液注入容器を提
供する。 【構成】 柔軟性素材から製せられた薬液容器本体１の
口部11に、先端に薬液注入口21が設けられたチューブ２
が接続され、その口部11は中央に逆止弁41が一体に成形
された膜状物４により封緘され、外周面には雄螺子が刻
設されており、チューブ２の薬液容器本体１との接続端
は、内周面に雌螺子が刻設され、逆止弁４よりや小径の
筒状突起31が突設された蓋３に水密に嵌挿されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、浣腸容器などに用いられる薬液注入容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

浣腸容器などに用いられる医療用の薬液注入容器としては、押圧により変形可 能な合成樹脂製の容器本体と、その容器本体の口部に装着され、且つ頂部中央に 接続筒を一体に有する合成樹脂製のキャップ部材と、上記接続筒に水密に嵌挿さ れ、先端にノズルキャップを嵌めたノズル部材を備えたチューブとからなり、こ のチューブ内に逆止弁を周囲に間隙を設けて移動自在に挿入した逆止弁付浣腸器 が知られている（実開昭６２−１５７５４５号公報）。

【０００３】 そして、従来の薬液注入容器に於いては、その殆どが、上記薬液注入容器のよ うに、チューブ先端の薬液注入口にはキャップが嵌装される構成となっており、 使用に際してこのキャップを外していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のとおり従来の薬液注入容器においては、薬液注入口をキャップで嵌装す る構成になっているので、使用前の保管や運搬の際、何らかの衝撃によりキャッ プが外れ、薬液が漏れるという問題があった。又、使用に際して、外したキャッ プを捨てたり、捨てるため所定の場所に一時的に置いたりする手間もかかり煩わ しかった。

【０００５】 この考案は、上記の点に鑑み、キャップが外れて薬液が漏れることがなく、又 外したキャップの処理手間のかからない薬液注入容器を提供することを目的とす る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 この考案の薬液注入容器は、柔軟性素材から製せられた薬液容器本体と、この 薬液容器本体の口部に接続される先端に薬液注入口が設けられたチューブとから なり、薬液容器本体の口部は中央に逆止弁が一体に成形された膜状物により封緘 され、外周面には雄螺子が刻設されており、チューブの薬液容器本体との接続端 は、内周面に雌螺子が刻設され、逆止弁より稍小径の筒状突起が突設された蓋に 水密に嵌挿されていることを特徴としている。

【０００７】 この薬液注入容器に於いて、柔軟性素材から製せられた薬液容器本体は、浣腸 液等の薬液が封入されるものであり、押圧により変形することによって薬液が口 部を経てチューブ先端の薬液注入口から押出されるようになっている。この為、 柔軟性素材としては、薬液に溶出しない軟質熱可塑性樹脂等の素材、例えば、ポ リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂、軟質 塩化ビニル系樹脂等が用いられる。

【０００８】 尚、オレフィン系樹脂製の薬液注入容器は、容器の接合部の強度が十分でなく 、その為内容液が洩れ易くなり、医薬品としての品質保証がし難いという問題が あり、又、液状可塑剤を添加した普通の軟質塩化ビニル系樹脂製の薬液注入容器 では、その液状可塑剤が溶出してグリセリン浣腸液等の薬液に悪影響を与えるこ とがある。それ故、そのような可塑剤を添加することなく、エチレン・一酸化炭 素・（メタ）アクリルエステル系共重合体等を含有させた、所謂無可塑軟質塩化 ビニル系樹脂から製せられていると、可塑剤等の溶出がなく、適度の可撓性を有 し、透明で内容物を観察出来るので特に好適に用いられる。

【０００９】 薬液注入容器の筒状口部を封緘する膜状物は、中央に一体成形された逆止弁が 蓋内面の筒状突起により押圧された際に容易に分離されるよう、逆止弁との境界 が薄肉とされるのが好ましい。

【００１０】

【作用】

使用に際しては、先ず、内周面に雌螺子が刻設された蓋を、外周面には雄螺子 が刻設された薬液容器本体の口部に、より深く螺入する。この蓋の螺入により、 逆止弁は筒状突起によって膜状物から分離され、容器本体の口部内に圧入されて 開口し、容器本体内の薬液は薬液注入口から流出可能状態となる。

【００１１】 続いて、チューブを体内に挿入し、容器本体を押圧して変形させることにより 、薬液は口部を通ってチューブに流れ、その薬液供給口から体内に注入されるこ とになる。尚、口部に封入された逆止弁により薬液等の逆流は阻止される。

【００１２】

【実施例】

次に、この考案の薬液注入容器を図面の実施例を参照して更に説明する。 図１は、この考案の薬液注入容器の縦断面図であり、１は容器本体、11は容器 本体１の口部、２はチューブ、３は裏面に逆止弁41より稍小径の筒状突起31が突 設された蓋、４は中央に逆止弁41が一体に成形された膜状物である。

【００１３】 容器本体１と口部11とは、塩化ビニル・エチレン共重合体（平均重合度1300、 エチレン含有量４重量％） 100重量部と、エチレン・一酸化炭素・ｎ−ブチルア クリレート共重合体（一酸化炭素含有量10重量％、ｎ−ブチルアクリレート含有 量30重量％） 160重量部を含有する透明の樹脂組成物からブロー成形法により一 体に成形されている。

【００１４】 口部11は筒状をしており、外周面には雄螺子が刻設され、開口部は中央に逆止 弁41が一体に成形された膜状物４により封緘されている。筒状口部11の奥部は径 小とされ、膜状物４から分離された逆止弁41が容器本体１の中に入り込まずにそ の径小部に当接して口部11を封鎖して逆流を阻止し、又、逆止弁41が蓋３側に移 動してもその通路を封鎖することなく薬液がチューブ２に流れる構造になってい る。

【００１５】 蓋３は硬質塩化ビニル系樹脂などの硬質の熱可塑性樹脂から製せられており、 内周面に雌螺子が刻設され、上記口部11に螺着され、外面にはチューブ２が高周 波融着法等によって固着され接続されている。又、蓋３の内面には、逆止弁４よ り稍小径の筒状突起31が突設されており、チューブ２に連通されている。

【００１６】 チューブ２の先端は先止まりとされて封鎖され、その近くに相対向する２個の 薬液注入口21が設けられている。

【００１７】 使用に際しては、図２に示す通り、蓋３を深く螺入すれば、逆止弁41は筒状突 起31によって膜状物４から分離されて口部11内に圧入され、口部11とチューブ２ とは連通され、薬液が流れ出ることが可能となる。

【００１８】 尚、容器本体とチューブが固着された蓋とを別々にしておき、使用時に螺着す るようにしてもよい。

【００１９】

【考案の効果】

この考案の薬液注入容器は、以上述べたとおり、従来のもののように、薬液注 入口にキャップを嵌めテシールする必要がなく、キャップが外れて薬液が漏れる ような恐れが全くない。又、外したキャップの処理手間が全くかからず、薬液注 入操作が簡便となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の薬液注入容器の実施例の縦断面図で
ある。

【図２】図１の薬液注入容器の使用時の縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 容器本体 ２ チューブ ３ 蓋 ４ 膜状物 11 口部 21 薬液注入口 31 筒状突起 41 逆止弁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 柔軟性素材から製せられた薬液容器本体
   と、この薬液容器本体の口部に接続される先端に薬液注
   入口が設けられたチューブとからなり、薬液容器本体の
   口部は中央に逆止弁が一体に成形された膜状物により封
   緘され、外周面には雄螺子が刻設されており、チューブ
   の薬液容器本体との接続端は、内周面に雌螺子が刻設さ
   れ、逆止弁より稍小径の筒状突起が突設された蓋に水密
   に嵌挿されていることを特徴とする薬液注入容器。