JPH0655951B2 - 中間留分の水添分解式製造方法及びそれに用いられる触媒組成物 - Google Patents

中間留分の水添分解式製造方法及びそれに用いられる触媒組成物

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JPH0655951B2
JPH0655951B2 JP2006060A JP606090A JPH0655951B2 JP H0655951 B2 JPH0655951 B2 JP H0655951B2 JP 2006060 A JP2006060 A JP 2006060A JP 606090 A JP606090 A JP 606090A JP H0655951 B2 JPH0655951 B2 JP H0655951B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明はきわめて選択的に中間バレル(midbarrel)又
は中間留分が得られる水添分解触媒に関する。更に詳し
くは本発明は重質炭化水素を沸点が300〜700゜F(149〜
371℃)の範囲の中間留分に転化させる際にきわめて選
択的な接触的水添分解方法に関する。本発明は酸性度の
強さが低い新規なYゼオライトを使用することを特徴と
するものである。
〔発明の背景〕
水添分解は炭化水素系材料を水素の存在下で部分的に分
解して更に望ましい低分子量の炭化水素製品を得るため
の一つの石油精製法である。ジェット燃料やディーゼル
燃料等の中間留分に対する需要が増大した結果、原料を
ガスやコークスに殆んど劣化させることがなく、従って
熱、即ち水素を消費しない分解法に比べて中間留分の沸
点範囲の割合が多い製品が得られることから水添分解法
に対する工業的な関心が強くなった。
競争的な水添分解法にとって重大な要素は分解にも水素
化にもきわめて活性な特別の触媒を用いることができ
る。従来技術ではこれら2機能触媒が多数周知である。
一般に分解活性、即ち原料を製品に転換する目安は殆ん
どの場合、触媒ベースに存在する固体の酸成分によるも
のである。これに対し水素化活性は通常、触媒ベース上
に沈積した各種金属によるものである。これらの金属は
殆んどの場合、元素の周期律表の第VIB族及び第VIII族
から選ばれる。
水添分解工業において中間留分の製造に用いられる一般
的な触媒はシリカ-アルミナ混合物やアルミナのような
無定形耐熱性無機酸化物基材上に沈積した周期律表第VI
B族又は第VIII族から選ばれる金属及び/又は金属化合
物である。最近の重要な工業的活動は触媒ベース中に結
晶性アルミノシリケートを含む分解触媒の開発に向けら
れている。
一般にゼオライト系アルミノシリケートは無定形酸化物
よりも大きな合計酸性度を持っているので、分解活性が
高い。この特徴のため、ゼオライトは炭化水素の転化に
すぐれた触媒効果を与えるものと考えられる。ゼオライ
ト系水添分解触媒の開発研究においては特に米国特許第
3,130,007号に最初に開示されたY型ゼオライトが注目
されている。Y型ゼオライトの触媒機構は充分に判って
いない。しかしゼオライトYを含む水添分解触媒は中間
留分の製造に大きな活性を示すばかりでなく、所望の中
間留分製品に対する選択性も良いことが観察されてい
る。
〔従来技術〕
従来のゼオライト含有水添分解触媒は耐熱性無機酸化物
母材中のゼオライトY又はその変性品である。ゼオライ
トYは例えばシリカとアルミナとのモル比を大きくし、
また単位セルの大きさを小さくすることにより変性でき
る。
J.W.Wardの米国特許第4,419,271号は炭化水素分解活
性を有する結晶性アルミノシリケートゼオライトを含む
と共に、アルミナ母材中にシリカ-アルミナを分散した
ベース上に1種以上の水素化成分を支持した水添分解に
有用な炭化水素転化触媒を開示している。この特許はカ
ルカリ金属の多価金属含有カチオン、水素イオン又は水
素イオン前駆体による置換(一般にイオン交換によって
行なわれる)が所望の分解活性を有するゼオライトを得
るために必要であることを教示している。アルカリ金属
成分を5wt%未満、好ましくは0.5wt%未満(アルカリ
金属酸化物として計算)に減少させると、実質的な分解
活性を有する材料が得られる。またこの特許は水添分解
触媒組成物の成分として用いられる最も好ましいゼオラ
イトはシリカ/アルミナ比が約3.5〜6.0、表面積が約50
0〜700m2/g,単位セルの大きさが約24.25〜24.35Å,
水分吸着容量がゼオライトに対し約8wt%未満(水蒸気
の分圧4.6mm及び25℃において)、及びイオン交換容量
が同等のシリカ/アルミナ比のナトリウムYゼオライト
に比べて20%未満である変性Yゼオライトであることを
教示している。
R.D.Bezman及びJ.A.Raboの米国特許第4,401,556
号はシリカ/アルミナのモル比が4.5〜35、本質的なX
線粉末回折パターンがゼオライトY、イオン交換容量が
0.070未満、単位セルの寸法が24.20〜24.45Å、表面積
が350m2/g(B-E-T)以上、水蒸気の吸収容量が25℃及
びp/p゜=0.10において5.00wt%未満、及び残留ブタノ
ール試験値が0.40wt%以下であることを特徴とした超疎
水性ゼオライトY(UHP-Y)を含む炭化水素転化触媒を
開示している。
またJ.W.Wardの米国特許第4,517,073号はアルミナ中
にシリカ-アルミナを分散すると共に、シリカ/アルミ
ナのモル比が約6.0以上のY型ゼオライトを含む支持体
上に活性水素化成分を有する水添分解触媒を開示してい
る。この特許の水添分解法の触媒に用いられるゼオライ
トは本質的にYゼオライトの結晶構造を有し、アルカリ
金属の含有量が1.5wt%未満(金属モノオキサイドの合
計として計算)、また代表的な単位セルの大きさが24.6
5Å以下のものである。シリカ/アルミナの好ましいモ
ル比は6〜20で、このモル比が20以下の時、この特許の
ゼオライトの水蒸気吸着容量は25℃及び水蒸気の分圧46
mmHgで無水ゼオライトを基準にして20wt%以上であ
り、また酸素の好ましい吸着容量は100mmHg及び−183
゜で25wt%である。
以上の特許はY型ゼオライト系水添分解触媒の従来技術
の状態を例示するものと考えられる。従来技術によって
教示される水添分解用触媒はシリカ/アルミナのモル
比、単位セルの寸法、イオン交換容量、表面積、及び水
に対する吸収容量という点で特徴があった。水添分解触
媒に用いられる2機能触媒は分解及び水素化の両活性を
与えるもので、この分野では触媒成分の酸性度が触媒の
分解活性に影響を与えることはよく知られている。例え
ば以下に引用したDwyer及びNewsamによる文献はゼオ
ライトの酸性度の原因及び影響について論じている。し
かし水添分解の分野に熟練した研究者の膨大な努力にも
拘わらず、分解成分(Y型ゼオライトのような)の酸性
強度に直接関係するヒドロキシル濃度の選択性に及ぼす
影響は事実上無視されて来た。
文献に記載される脱ヒドロキシル化についての検討は一
般に不十分である。例外としては、C.D.Chang 等の
米国特許第4,790,928等の一連の文献がある。この文献
は選択的脱ヒドロキシル化によるZSM-5及びその他の中
間細孔ゼオライトの性能改良に関する。得られたゼオラ
イトは触媒組成物として低原料油、即ち減圧軽油のよう
な石油留分の接触的脱ワックスに有用であることが教示
される。脱ヒドロキシル化は水の不存在下に600℃(117
2゜F)以上に仮焼すると起こる。
American Chemical Society Monograph 171 (Jule A.Ra
bo編)の140〜147頁にはYゼオライトのヒドロキシル基
及び仮焼の効果についての研究が討議されている。
N.Y.Chenの米国特許第4,263,129号では低酸性度の触
媒を用いて水添分解を行なっている。しかしこの文献は
シリカ/アルミナ比が12以上のZSM-5を使用すると
いう限定があるものと考えられる。この低い酸性度は好
ましくは高いナトリウム含有量とするためにナトリウム
又は他のアルカリ金属によるゼオライトの広範なイオン
交換によって得られるが、酸性度を低下させるスチーム
処理が付随する。本発明方法はナトリウム含有量が低
く、且つシリカ/アルミナ比が低いYゼオライトを用い
る点でこの文献とは異なる。
J.W.Wardの米国特許第3,929,672号はスチーム及び乾
燥仮焼のYゼオライトに対する効果を比較している。乾
燥仮焼は結晶性を失なうと指摘している。
〔発明の概要〕
本発明は広い意味では単位セルの大きさが約24.20〜24.
40Åで、且つTPD酸性度の強さが約2.00未満になるよう
に充分低いレベルの表面ヒドロキシル基を有する水素形
結晶性Yゼオライトを主体とする触媒を用いた中間留分
製造用選択的水添分解法を提供するものである。このゼ
オライトは乾燥仮焼により脱ヒドロキシル化することが
好ましい。
本発明は(i)水素化成分、(ii)アルミナを主体とする耐
熱性無機酸化物母材、及び(iii)単位セルの大きさが24.
20〜24.40Åで、且つNH3-TPD酸性度の強さが1.50未満の
結晶性水素形Y型アルミノシリケートゼオライトを組合
せてなる中間バレル留分の製造に選択的な水添分解性触
媒として特徴づけられる。
〔発明の詳細な説明〕
本発明の目的は改良水添分解性触媒及び方法を提供する
ことである。また本発明の目的は中間留分製品に対しす
ぐれた活性及び選択性を示す改良水添分解性触媒を提供
することである。
ゼオライトの表面に結合したヒドロキシル基の濃度が低
い水素形Y型ゼオライトはすぐれた水添分解触媒を提供
するが今、発見された。この触媒はアンモニアの温度計
画脱離(ammonia temperature programmed desorption)
(NH3-TPD)によって特徴づけられるが、中間留分を製造
する水添分解法においてきわめて選択的であることが見
出された。
本発明の水添分解性組成物は結晶性Y型ゼオライトを主
体とする。Y型ゼオライトは一般にこゝで引用した米国
特許第3,130,007号に開示されている。
酸化物のモルで表わしたゼオライトYの化学式は 0.9±0.2Na2O:Al2O3:wSiO2:xH2O (但しwは3〜約6の値、xは約9以下の値を表わす。) として書くことができる。
ゼオライトYの古典的な構造は酸素原子の共有によって
架橋したSiO4及びAlO4四面体の3次元骨格である。アル
ミニウムを含む四面体の電子価は金属イオン、希土類金
属イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、
アミン錯体、水素イオン等のカチオンの存在により釣合
っている。骨格中のボイド空間は水分子で占拠すること
ができる。通常、この結晶性ゼオライトはアルカリ金属
の状態で得られるか、又は作られる。ゼオライトYとし
ての材料の分類は基本的には前記式及び周知のX線回折
パターンを示す材料に基づくものである。Yゼオライト
の構造中には伝統的なシリカ及びアルミナと共に、又は
それらの位置にゲルマニウム、ガリウム、燐又は硼素を
含んでいる。
ゼオライトの“酸性度”についてはかなりの研究及び推
測の主題となっている。例えば触媒活性に対する酸性度
の衝撃及び組成物とゼオライトの酸強度との関係を Che
mistry and Industryの1984年4月2日版258頁のある項
で JohnDwyerが議論している。この項は活性ブレンステ
ッド(Bronsted)サイトを与えるものとしてゼオライトチ
ャンネルのヒドロキシルが証拠であると述べている。比
較的大きな細孔中の表面又は末端ヒドロキシル及び架橋
ヒドロキシルの2種のヒドロキシルについて記載されて
いる。更に酸性度、組成物、触媒活性及び触媒の選択性
について議論されている。製品の選択性は酸性度によっ
て決定又は影響されるよりもむしろ細孔の幾何学及び大
きさ並びに選択的内部サイトへの拡散限界に対する衝撃
によって決定されることを特徴とすることに注目すべき
である。
Science の1986年3月7日版(第231巻1093頁)のある項
でJ.M.Newsam は接触分解に含まれる殆んどの反応は
ゼオライト内に位置する酸サイトを含んでいると述べて
いる。このようなブレンステッド酸性度は主として架橋
ヒドロキシル基によるものである。酸サイトはゼオライ
トのシリカに富む骨格のプロトン化した四面体アルミニ
ウムに集中又は起因するものと考えられる。
以下に示すデータによって説明するように、中間留分製
品を製造するための水素形Yゼオライトの選択性はゼオ
ライトの酸強度と直接相関し、換言すればゼオライト上
のヒドロキシル基の濃度によって設定されることが発見
された。このように低いヒドロキシルゼオライト系水添
分解触媒組成物の使用及び組成の両方とも新規であると
考えられる。
ヒドロキシル基の濃度を直接測定することは現在不可能
なので、この測定は間接的にいなわなければならない。
選択の分析法はゼオライトの酸性度の強さを測定するこ
とである。これはヒドロキシル基の濃度に直接相関して
いるものと考えられる。
アンモニアの温度計画脱離(NH3-TPD)が広く使用されて
いるが、これはゼオライトの酸性度の強さを測定する効
果的な方法と考えられる。Hidalgo,C.V.等、“アン
モニアの温度計画脱離による各種ゼオライトの酸性度の
測定”、J.Catalysis,第85巻、No.2362〜369頁(198
4)参照。この測定法はこゝに引用した。)アンモニアは
TPD法のすぐれた探査分子である。この分子は小さいの
で、きわめて細孔を通り易く、一方、その強い塩基性に
よって酸サイト上での安定化が容易である。TPD法は比
較的簡単で、手間も少なく、また正確に再現できるの
で、好ましい。
こゝで使用したNH3-TPD法はゼオライトのサンプル0.250
±0.001gをまず、空気中、500℃で75分間、60cc/分の
流量で加熱した後、ヘリウム中、500℃で15分間、60cc/
分の流量で加熱することにより予備加熱する。次に予備
加熱したゼオライトをヘリウム雰囲気中、約20分間に亘
って室温に冷却する。平衡を維持するため、このゼオラ
イトサンプルをアンモニアガス10cc(大気条件)で5回
飽和させる。ついで、この飽和ゼオライトを室温で35分
間、60cc/分の流量でヘリウムにより浄化する。その
後、直ちにこのガス流を8.33℃/分の計画された傾斜温
度で最高650℃まで加熱しながらガスクロマトグラフに
かける。次に25〜500℃の温度で75分間に亘って記録計
によりアンモニアの脱離を監視する。
ガスクロマトグラフ記録計により得られた脱離曲線の面
積は脱離したアンモニアの合計量に相関する。質量分析
計による排出ガスの分析では50〜500℃の温度での不純
物の脱離は無視し得るものであった。脱離曲線を標準化
するために、脱離したアンモニアを10% H2SO4溶液中で
トラップし、公知の方法で定量した。脱離曲線の単位面
積当りの脱離アンモニア量は単位面積当り0.038±0.004
m molと決定された。
NH3-TPD酸性度の強さは25〜500℃間の脱離曲線を積分す
ることにより決定した。次に曲線の面積を単位面積当り
0.038m molの因子を掛け、更にサンプルの重さ(2.50
g)で割ってm mol/g単位のNH3-TPD酸性度の強さが得ら
れる。従って例えば25〜500℃間の積分で10.0の合計単
位面積となれば、10単位面積×0.038m moleNH3/単位面
積/0.250gサンプル=1.52m mole/gサンプルと算出さ
れる。
本発明で考慮されるNH3-TPD酸性度の強さはすべてm mo
le/gサンプルの単位を基準としている。簡略化のため、
こゝで云うNH3-TPD値の単位表示は省略した。NH3-TPDに
よる酸性度強さのデータ再現には温度上昇の割合、サン
プルの大きさ、ガス流、平衡温度等の手がかりとなる実
験的パラメーターの正確な繰返しが必要である。従って
異なる方法で得られた酸性度強さと比較することは困難
であることが多い。いずれにしても本発明で考慮される
酸性度の強さは前記NH3-TPDテストによって測定される
値ばかりでなく、同一サンプルに対し代用方法を用いて
得られる同等の値も含むものと解すべきである。
本発明方法に用いられるYゼオライトとしてはシリカ/
アルミナ比が6.0未満のものが適当である。
本発明で使用されるY型ゼオライトは単位セルの大きさ
が約24.20〜24.45Åのものである。好ましくはこのゼオ
ライトの単位セルの大きさは約24.20〜24.40Åであり、
最も好ましくは約24.30Åである。従来技術ではゼオラ
イト含有水添分解触媒はゼオライトの単位セルの大きさ
の変化に敏感であると開示されているが、酸性度の強さ
はこのパラメーターとは無関係であると考えられてい
る。単位セルの大きさの減少による酸性度の減少はゼオ
ライト中のアルミニウム含有量の減少によるもので、こ
の効果はシリカ/アルミナ比及び/又は単位セルの大き
さが同一であるゼオライトの異なる酸性度測定法(measu
res)に関与するものではない。
本発明で考慮されるY型ゼオライトはNH3-TPD酸性度の
強さが約2.00未満のものでなければならない。この酸性
度の強さは約1.50未満が好ましく、約1.50以下、特に約
0.1〜約0.70の範囲が最も好ましい。
酸性度強さの低い水素形ゼオライトYを得る実際の手順
は本発明では重要であるとは考えられない。従って考慮
される水添分解触媒は米国特許第3,130,007に記載され
る本質的にX線粉末回折パターンのゼオライトYを有す
るいかなる原料からも作ることができる。原料はこの分
野で公知のいかなる酸性度低下法によって変性し、所望
の水素形ゼオライトを提供することができる。従って高
温水素化熱処理、仮焼、浸漬、又は酸性度の強さを防止
する系との反応等の変性法、結晶化及びそれらの組合せ
が考慮される。
ゼオライトの変性法又は製造法は本発明にとって重要で
あるとは考えられない。本発明の水添分解触媒のゼオラ
イト成分としては適当に低いヒドロキシル基濃度のいか
なる水素形ゼオライトY材料も使用できる。
酸性度強さの一つの低下法は500℃以上で少くとも0.5時
間水素化熱処理することである。好ましい酸性度低下法
は500℃以上で少くとも0.5時間乾燥空気で仮焼すること
である。所望の脱ヒドロキシル化を行なうきわめて好ま
しい方法はゼオライトを実質的に水の不存在下で少くと
も704℃以上の温度に少くとも1時間維持することであ
る。特定の変性法を用いることは本発明にとって重要で
あるとは知られていない。2つ以上の異なる変性法を採
用できるものと考えられる。
本発明の水添分解触媒組成物はY型ゼオライトを2〜20
wt%、好ましくは2〜10wt%含有しなければならない。
この組成物はまた完成触媒組成物の支持体の2〜98wt
%、好ましくは5〜95wt%を形成し得る多孔質耐熱性無
機酸化物母材を含んでいる。この母材はアルミナ、マグ
ネシア、シリカ、チタニア、ジルコニア、シリカ-アル
ミナ等の公知の耐熱性無機酸化物及びそれらの組合せか
らなるものでよい。
好ましい母材はシリカ-アルミナ又はアルミナである。
最も好ましい母材はシリカ-アルミナ量が母材に対し45
〜95wt%のシリカ-アルミナとアルミナとの混合物であ
る。またこの支持体はアルミナ量が約5〜約45wt%であ
ることが好ましい。
シリカ-アルミナ成分は関連する従来技術でむしろよく
定義される多くのいかなる方法で製造することができ
る。これらの方法は天然のクレー又は砂の酸処理、ヒド
ロゾルからの共沈又は連続沈澱である。これらの方法は
熱オイル熟成、蒸気処理、乾燥、酸化、還元、仮焼等の
1種以上の活性化処理と組合せることが多い。通常、表
面積、細孔径及び細孔容積で定義される支持体又は担体
の細孔構造は室温又は高温下、制御された酸性又は塩基
性条件でヒドロゾル及び/又はヒドロゲルを熟成する適
当な手段により、又は担体を臨界pHでゲル化することに
より、或いは担体を各種無機又は有機試剤で処理するこ
とにより特定の限定値にすることができる。
水添分解法に適用できる完成触媒は約200〜700cm2/gの
表面積、約20〜約300Åの細孔径、約0.10〜約0.80mm/g
の細孔容積及び約0.50〜約0.90g/ccの範囲内の見掛け
嵩密度を持っていなければならない。表面積は350m2/g
以上が非常に好ましい。
触媒のアルミナ成分はベーマイト構造のアルファ-アル
ミナ一水和物、ジプサイト構造のアルファ-アルミナ三
水和物、バイヤライト構造のベータ−アルミナ三水和物
等の各種含水酸化アルミニウム又はアルミナゲルのいず
れでもよい。特に好ましいアルミナはいわゆるチーグラ
ーアルミナであり、Zieglerの米国特許第2,892,858号に
記載されるようなチーグラー高級アルコール合成反応の
副生物として米国特許第3,852,190号及び第4,012,313号
で特徴づけられている。好ましいアルミナは Continent
alOil社のConoco Chemical Divisionから“Catepal”と
いう商品名で現在入手できる。この材料は高温仮焼によ
り高純度のガンマ-アルミナとなるきわめて高純度のア
ルファ-アルミナ一水和物(ベーマイト)である。
形状や表面積のような担体材料の詳細な物理的特性は本
発明の要旨を限定するとは考えられない。触媒は例えば
丸薬状、ペレット状、粒子状、断片状、球状、或いは反
応帯の固定床に配置された三葉状(trilobial)押出品
のような各種特別形状で存在させることができる。或い
は炭化水素充填原料及び触媒を向流又は並流のいずれか
で通す移動床反応帯、充填原料を粉砕触媒の乱流床に上
向きに通す流動固体法、又は触媒を充填原料中にスラリ
ー化し、得られた混合物を反応帯に輸送する懸濁法に用
いるのに適した形状で触媒を調製してもよい。充填原料
は液体、気体又はその混合相の状態で、また上向き流又
は下向き流のいずれでも反応帯に通すことができる。
触媒粒子は周知の油滴法、押出法等、この分野で公知の
いかなる方法で調製してもよい。油滴法の場合、触媒粒
子はまず選択されたゼオライト粉末を適当なゾル中に懸
濁することにより調製することができる。このゾルには
活性金属成分を導入してもよい。次にゾル混合物を高温
に維持された油浴中に液滴として導入し、このゾル液滴
を、安定なゲル球体になるまで油浴中に保持する。次に
この球状粒子を油浴から取出した後、懸濁媒体中、高温
で適当な時間熟成する。次に球状粒子を乾燥し、仮焼す
る。アルミナ又はシリカ-アルミナ酸化物母材を所望す
る場合は参考用として挙げる米国特許第2,620,314号又
は同第3,003,972号に従って油滴法を行なえばよい。
本発明触媒組成物の好ましい調製法は選択されたゼオラ
イトをアルミナ及び無定形シリカ-アルミナと同時に混
練することである。混合する前に混合成分は粉末状に砕
くことが好ましい。この時、混合物中には活性金属成分
も導入することができる。混練後、混合物を、円筒状又
はグローバーの葉のような適当な開口部を有する型に押
出して所望形状の押出品とする。押出品は1/2〜1/4
インチ(1.27〜0.645cm)の長さに切断し、ついで乾燥
後、高温で仮焼し、更にこの分野で公知の法でコンデシ
ョニングする。
油滴法又は押出法の操作前又は操作中、水素化成分を添
加してもよいが、この成分は、選択されたゼオライト及
び無機酸化物材料を成形し、乾燥し、仮焼した後、浸漬
により触媒と配合することが好ましい。金属水素化成分
の粒子への浸漬は蒸発、含浸、真空浸漬法等、この分野
で公知のいかなる方法で行なってもよい。一般に乾燥
後、仮焼した粒子は所望の水素化成分を溶解状態で含む
1種以上の溶液と接触させる。適当な接触時間後、組成
物粒子は乾燥し仮焼して完成触媒粒子とする。適当な触
媒の製造法についての手引きは更に米国特許第4,588,49
6号、同第4,600,498号等、多くの文献から得られる。な
おこれらの特許はYゼオライトを含む水素化処理触媒の
製造法及び使用法の指針となるものである。
考慮される水素化成分は第VIB族及び第VIII族金属及び
それらの化合物から選ばれた接触的に活性な成分であ
る。一般に最終触媒組成物に存在する水素化成分の量は
他の配合された前記成分の量に比べて少ない。一般に第
VIII族成分は元素基準で計算して最終触媒組成物に対し
約0.1〜約30wt%,好ましくは約1〜約15wt%である。
第VIB族成分は元素基準で計算して最終触媒組成物に対
し約0.05〜約30wt%,好ましくは約0.5〜約15wt%であ
る。考慮される水素化成分はモリブデン、タングステ
ン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、白金、パラジウ
ム、イリジウム、オスミウム、ロジウム、ルジニウム及
びそれらの混合物から選ばれた1種以上の金属である。
水素化成分は空気中で仮焼後は大部分酸化物の状態で存
在し、また所望ならば高温下に硫化水素、メルカプタン
又は他の硫黄含有化合物を含む還元雰囲気と接触させて
硫化物状に転化させてもよい。触媒は硫黄含有原料と接
触してそこで硫化物としてもよいし、或いはこの組成物
を仮焼後、直ちに原料と接触させる前に還元雰囲気にさ
らして硫化物としてもよい。
所望ならば触媒中に燐成分を導入してもよい。燐の導入
は支持体材料を粒子に成形する前に燐含有化合物と混合
するか、或いは浸漬溶液中に燐酸を含有させることによ
り行なうことができる。通常、燐はP25として計算し
て触媒中に1〜30wt%,好ましくは3〜15wt%存在す
る。
更に触媒組成物中には元素又は化合物の状態で、また前
述したいかなる方法によっても硼素を存在させてもよ
い。即ち硼素は粒子の形成工程で導入してもよいし、或
いは浸漬溶液中に硼酸のような化合物として添加、存在
させることができる。硼素はまた選択されたゼオライト
の骨格に導入してもよい。後者の例ではY型ゼオライト
の変性品が生成し、シリカ-アルミナ-硼素-ゼオライト
が形成される。
本発明の触媒は炭化水素原料を平均沸点が低く、且つ平
均分子量が低い更に貴重な製品に水添分解するのに特に
有用である。この触媒は適当なASTM試験法で測定さ
れる沸点約300〜700゜F(149〜371℃)の中間留分の製
造に特に有用である。更に前記触媒は水素化脱硝及び水
素化脱硫のような水素化反応にも有用である。原料の代
表例としては実際に全ての重質鉱物油及び合成油並びに
それらの留分がある。従って直留軽油、減圧軽油、脱金
属油、大気残査、脱アスファルト減圧残査、コーカー留
分、接触分解留分、けつ岩油、タール砂油、石炭液等の
原料が考慮される。好ましい原料は沸点700゜F(371℃)
以上の成分を50容量%以上有する軽油である。水添分解
原料は通常有機窒素化合物として窒素を1ppm〜1.0wt%
含有してもよい。この原料は通常、硫黄含有量が0.15wt
%を超えるように充分な量の硫黄を含む化合物を含んで
いる。また単核及び/又は多核芳香族化合物を80vol%
以上含んでいてもよい。
本発明方法で使用される水添分解条件は水添分解の分野
で通常使用されている条件と同じである。水添分解温度
は400〜1200゜F(204〜649℃)、好ましくは600〜950゜
F(316〜510℃)の範囲である。反応圧力は大気圧〜約
3,500psig(24,132kPaゲージ)、好ましくは200〜30psig
(1379〜20,685kPaゲージ)の範囲である。接触時間は通
常、液体の時間当りの空間速度(LHSV)約0.1〜15/
hr,好ましくは約0.1〜15/hrに相当する。水素の循環割
合は充填量1バレル当り1,000〜50,000標準立方フィー
ト(scf/バレル)(178〜8,888標準m3/m3)、好ましくは2,
000〜30,000scf/バレル(355〜5,333標準m3/m3)の範囲
である。
反応帯の流出液は通常、触媒床から取出され、部分凝縮
及び気液分離後、各種成分を回収するために分留され
る。水素及び所望ならば未転化の重質物の少くとも一部
は反応器に循環される。
従って本発明は沸点371℃以上の成分を少くとも50容量
%含む炭化水素原料流を、(i)水素化成分、(ii)アルミ
ナを主体とする耐熱性無機酸化物母材、及び(iii)単位
セルの大きさが24.20〜24.40Åで、イオン交換容量が0.
07より大きく、且つNH3-TPD酸性度の強さが約1.50未満
の結晶性水素形Y型アルミノシリケートゼオライトを組
合せてなり、前記ゼオライトは676〜780℃の温度で2〜
12時間蒸気と接触させた後、少くとも426℃の温度で少
くとも1時間乾燥仮焼させることにより脱ヒドロキシル
化したものであり、且つ触媒が水添分解条件に維持され
ている触媒組成物と接触せしめ、ついで製品流を回収す
る中間バレル留分の水添分解式選択的製造方法によって
特徴づけられる。
以下の実施例は例示の目的で提供するものであり、本発
明要旨の限定を意図するものではない。
実施例I この実施例ではゼオライトの酸性度の強さを低下させる
2つの異なる方法について効果を比較した。パートAで
は原料ゼオライトは蒸気の存在下で加熱後、乾燥仮焼
し、一方パートBでは原料ゼオライトは乾燥空気中で加
熱した。ゼオライトの酸性度強さは前述のNH3-TPDテス
トで測定した。原料ゼオライトはシリカ/アルミナ比が
5:1〜8:1の範囲にある骨格を持つものである。シ
リカ/アルミナ比が約6:1の骨格が好ましい。この比
率は文献に散見される“嵩”シリカ/アルミナ比と同等
のものではない。このゼオライトはナトリウムを0.1wt
%未満含んでいる。
パートA 先にユニオンカーバイド社から、また現在UOP社から
商品名LZ-Y82として販売されているアンモニウム交
換型Yゼオライトのサンプルを用いた。このゼオライト
(初期NH3-TPD酸性度の強さ2.60,単位セルの大きさ24.
56Å)を外熱式加熱管に充填した。所望の酸性度強さに
従って14.7psia(1絶対気圧)の圧力及び1250〜1450゜
F(676〜788℃)の温度で2〜12時間、脱ミネラル水か
ら発生する純粋蒸気と接触させた。この選択された加熱
時間の終了時に蒸気流を停止し、充填温度を4時間以上
に亘って乾燥空気流中で室温まで下げた。この工程中、
ゼオライトは少なくとも800゜F(426℃)の温度で少な
くとも1時間維持した。
5種のゼオライトサンプル(A,B,C,D及びF)を
表Iに示す温度及び時間で同様にして調製した。製品サ
ンプルの分析結果はゼオライトYの特徴のあるX線粉末
回折パターンを示した。単位セルの大きさ及びNH3-TPD
酸性度の強さは表Iに示す通りである。
この結果は単位セルの大きさを所望の24.20〜24.40Åの
範囲に押えながら、ゼオライトの酸性度が予め選択され
た値に変化(低下)できることを示している。従ってNH
3-TPD酸性度は蒸気処理後、乾燥空気による仮焼工程を
含むパートAの方法によって調節できる。
パートB NH3-TPD酸性度の強さが2.18で単位セルの大きさが24.37
Åの他のアンモニア交換型Yゼオライト粉末(先にユニ
オンカーバイド社から、また現在UOP社から商品名L
Z-Y20として販売されている。)をマッフル炉に充填
した(この方法では蒸気は存在しない)。この原料は引
用した米国特許第4,419,271号のように、蒸気処理した
中間バレル留分用選択的分解触媒に使用することを意図
した従来のゼオライトの代表例と考えられる。このゼオ
ライトを1300゜F(704℃)に昇温し、この温度に1時間維
持した後、室温に冷却した。製品の分析結果はYゼオラ
イトの特徴的なX線粉末回析パターンを示し、また単位
セルの大きさは24.36Å,NH3-TPD酸性度の強さは1.30で
あった。このゼオライトは標識サンプルEとして表Iに
示した。
この結果は乾燥仮焼法が単位セルの大きさに大きな影響
を与えることなく、ゼオライトサンプルEのNH3-TPD酸
性度強さを低下させたことを示している。
パートAの処理で原料ゼオライトの単位セルの大きさ及
びNH3-TPD酸性度強さとも変化したことは注目に値す
る。しかしパートBではNH3-TPD酸性度の強さが低下し
ただけで、原料ゼオライトの単位セルの大きさは事実上
一定(24.37Å対24.36Å)であった。
従って比較的乾燥雰囲気、例えば蒸気を添加することな
く流動する窒素含有ガス中でゼオライトを高温加熱、即
ち仮焼すると、恐らくゼオライトのヒドロキシル基濃度
を低下させる効果的な方法であることが判る。従ってこ
の方法はこのような低い酸性度及びヒドロキシル基濃度
を所望する場合はいつでも一般的な触媒調製法に採り入
れることができる。
理論に限定されることなく、酸性度の強さは単位セルの
大きさとは無関係であり、蒸気及び乾燥空気の存在下で
加熱する各種組合せに合わせることができる。しかし蒸
気と一緒に又は蒸気なしで加熱した場合のゼオライトの
酸性度強さに対する正確な効果は知られていない。
好ましい調製法によって未処理のゼオライトに比べて大
きさが実質的に変らない単位セルを有する水素形ゼオラ
イトが得られる。この乾燥仮焼法はゼオライトの酸性度
及びヒドロキシル基濃度を低下させる独占的手段として
好ましく使用される。脱アルミ化又はイオン交換のよう
な他の方法を用いる場合はこの乾燥熱処理前に用いるこ
とが好ましい。脱ヒドロキシル化は処理したゼオライト
を形成された触媒粒子に導入する前に行なうことが好ま
しい。
水素化熱処理においては蒸気はゼオライトの“脱ヒドロ
キシル化”を阻害する傾向があると考えられる。ゼオラ
イトの単位セルの大きさの変化がこの処理の目的として
望ましい時は蒸気は明らかに望ましい。本発明方法は蒸
気処理ゼオライトよりもむしろ低ヒドロキシル濃度のゼ
オライトを使用するものである。
従来使用されているゼオライトは水に対する吸着容量を
特徴とするものが多い。このような特徴及びその測定法
については例えば先に引用した米国特許第4,401,556号
に記載されている。これらのゼオライトは25℃及びP/
0=0.10での水蒸気吸着容量が5.00wt%未満という特
徴を持っている。水蒸気吸着容量に対するテストは本実
施例のテスト材料については実施しなかった。しかし同
じ原料から同様に処理した材料については後でテストを
行なった。ゼオライトC(下記触媒3で使用した。)と同
等で、且つ同様に水素化熱処理を受ける材料は約2.5wt
%の水分吸着容量を持っている。パートBの原料に対し
ては水分吸着容量は得られない。水分吸着容量は水素化
処理の強さに比例して減少するものと思われる。
実施例II この実施例の目的は単位セルの大きさ及びNH3-TPD酸性
度強さの両者が完成触媒の選択性及び活性に及ぼす影響
を調べることである。
ゼオライト粉末とアルミナ及びアルミナ-シリカの耐熱
性酸化物母材混合物とを、揮発分を含まないゼオライト
が5wt%で酸化物母材が95wt%となるように選択された
量で混合して触媒組成物を調製した。得られた混合物を
約1/16×1/2インチ(0.16×1.27cm)の円筒片に押出
成形した。この押出材を乾燥後、650℃(343℃)で2時
間空気中で仮焼した。次に仮焼粒子を、元素上ニッケッ
ル1.0wt%及び元素上タングステン10.0wtを含む完成触
媒とするのに充分な量のメタタングステン酸アンモニア
及び硝酸ニッケル(Ni(NO3)2・6H2O)の溶液に蒸
発させながら浸漬した。次に浸漬触媒を650゜F(343℃)
で45分間及び引続き1100゜F(593℃)で90分間仮焼し
た。以上の方法で各々実施例Iで調製したYゼオライト
の1つを含む6種の触媒組成物を調製した。表IIに、夫
々、ゼオライトA〜Fを含む触媒No.1〜6の関連性能
の詳細を示す。
以上の方法に従って実施例IのパートA及びBで用いた
ゼオライト原料で触媒を調製した。触媒No.7はパート
Aのゼオライト原料(単位セルの大きさ=24.56Å,NH3
-TPD=2.60)で調製し、また触媒No.8はパートBのゼ
オライト原料(単位セルの大きさ=24.37Å,NH3-TPD=
2.18)で調製した。触媒No.7及び8の関連性も表IIに示
す。
以上の各触媒の活性及び選択性を下記方法に従ってテス
トした。表IIIに示す化学的及び物理的性能を有する予
熱した軽油を60〜80メッシュの石英約29ccと混合した触
媒粒子75ccを含む等温反応器に単流で通した。操作パラ
メーターは圧力200psig(13,790kPaゲージ)、LHSV
1.0,90〜95%純度の水素循環流10,000scf/bbl(1,778標
準m3/m3)及びランの長さ約4日である。反応温度は沸点
700゜F(371℃)の製品が85wt%の転化率で得られるよ
うに調節した。転化率は製品の液体クロマトグラフ沸点
範囲分析から計算した。
以上のテスト結果を表IVにまとめた。触媒1〜4及び6
は実施例IのパートAの材料に由来するものである。こ
れら5種の触媒のデータはゼオライトの単位セルの大き
さが小さいと、(1)触媒の活性が低下し、且つ(2)選択性
が向上することを示している。
このデータはまた本発明の触媒No.1〜6が未処理の高
酸性度触媒を含む触媒No.7及び8に比べて活性及び選
択性の総合面から見てはるかにぐれていることを示して
いる。触媒No.1〜6とNo.7及び8とを比較すると、ゼ
オライト成分のNH3-TPD酸性度強さが約2.00未満ではす
ぐれた触媒が得られることが判る。更に詳しくは触媒N
o.7は比較的高い酸性度(761゜F/405℃)を示している
が、選択性は低い(55wt%)。しかし触媒No.7に含ま
れるゼオライトの単位セルの大きさは24.56Åであり、
これは先に引用した米国特許第4,401,556号の好ましい
範囲24.20〜24.45には入らないことを注目すべきであ
る。
しかしゼオライトの単位セルの大きさが24.37Åとこの
範囲にある触媒No.8は同等の活性(782゜F/417℃)を
示すが、選択性は悪い(56wt%)。
以上の例からゼオライト成分のNH3-TPD酸性度強さは水
添分解触媒の総合性能に影響を与えることは明らかであ
る。
前述のようにパートBのゼオライト原料は先に引用した
従来文献であるBezman等の米国特許第4,401,556号に記
載される多くの好ましいゼオライトの中に含まれること
は明らかである。これは水素化処理を行なった単位セル
の大きさが24.37Åの、市販品として入手し得る材料で
ある。この文献の好ましい材料の中に含まれる本発明ゼ
オライトの1つの例外はBezman等の文献で測定した場合
の0.171というイオン交換容量である。この材料は触媒
8で使用した。Bezmanの文献はイオン交換容量が0.07を
超えてはならないことを教示している。
本発明の乾燥仮焼により触媒8で用いた材料を触媒5の
調製に用いた材料に転化させる。触媒5は同一活性でも
選択性が良く、すぐれた触媒である。しかし触媒5及び
8の単位セルの大きさの相違は殆ど意味がない。従って
本発明方法は単位セルの大きさの変化によって予想され
る場合よりもはるかに大きな要因で触媒の選択性を向上
する。すぐれた触媒5で用いたゼオライトEのイオン交
換容量は0.091である。これはBezman等の文献の前記上
限を28%超えるものである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素原料流を水添分解条件下で耐熱性
    無機酸化物母材及び単位セルの大きさが24.20〜24.40Å
    の水素形Y型ゼオライトを主体とする触媒組成物と接触
    せしめ、ついで製品流を回収する沸点149〜371℃の中間
    留分の水添分解式製造方法において、前記ゼオライトと
    してイオン交換容量が0.07より大きく、且つ2.00未満の
    NH3-TPD酸性度強さを与えるのに十分低い結合ヒドロキ
    シル含有量を有する低酸性度ゼオライトを用いることを
    特徴とする中間留分の水添分解式製造方法。
  2. 【請求項2】沸点371℃以上の成分を少くとも50容量%
    含む炭化水素原料流を、(i)水素化成分、(ii)アルミナ
    を主体とする耐熱性無機酸化物母材及び(iii)単位セル
    の大きさが24.20〜24.40Åで、イオン交換容量が0.07よ
    り大きく、且つNH3-TPD酸性度の強さが1.50未満の結晶
    性水素形Y型アルミノシリケートゼオライトを組合せて
    なり、且つ水添分解条件に維持された触媒組成物と接触
    せしめ、ついで製品流を回収することを特徴とする中間
    バレル留分の水添分解式選択的製造方法。
  3. 【請求項3】前記組成物が前記ゼオライトを2〜20wt%
    含む請求項2の方法。
  4. 【請求項4】前記耐熱性無機酸化物母材がアルミナとシ
    リカ-アルミナとの混合物を主体とする請求項2の方
    法。
  5. 【請求項5】前記母材がシリカ-アルミナ45〜90wt%と
    アルミナ5〜45wt%とを主体とする請求項2の方法。
  6. 【請求項6】前記水素化成分が第VIB族金属、第VIII族
    金属及びそれらの組合せから選ばれる請求項2の方法。
  7. 【請求項7】第VIB族成分がモリブデン、タングステン
    及びそれらの化合物よりなる群から選ばれ、また第VIII
    族金属成分がニッケル、コバルト及びそれらの化合物よ
    りなる群から選ばれる請求項2の方法。
  8. 【請求項8】(i)水素化成分、(ii)アルミナを主体とす
    る耐熱性無機酸化物母材及び(iii)本質的にゼオライト
    YのX線粉末回折パターンを有し、イオン交換容量が0.
    07より大きく、単位セルの大きさが24.20〜24.40Åであ
    り、且つNH3-TPD酸性度の強さが1.50未満の結晶性水素
    形アルミノシリケートを組合せてなる中間留分製造用選
    択的水添分解触媒組成物。
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