JP2001240876A - 二段水素化分解による中間留分の製造方法、それに用いる触媒、およびその再生方法 - Google Patents

二段水素化分解による中間留分の製造方法、それに用いる触媒、およびその再生方法

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勝昭 石田
Manabu Kobayashi
学 小林
Hironori Koyama
博紀 小山
Seiji Sogo
清二 十河
Futoshi Sakaguchi
太 坂口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二段水素化分解工程全体として、高い転化率
を示し、その分解反応が長期間安定に進行し、かつ、中
間留分の選択性が高い、中間留分を製造するための二段
水素化分解方法およびそのための触媒を提供する。 【解決手段】 (1)316℃以上の沸点を有する炭化
水素成分を含む前段原料油を、水素の存在下、前段触媒
と接触させて、前段生成物を得る工程;(2)前段生成
物を重質成分と、目的とする中間留分を含む軽質成分と
に分離する工程;(3)後述する後段生成物の重質成分
の一部分および前段反応生成物の重質成分を含む後段原
料油を水素の存在下、後段触媒と接触させて、後段生成
物を得る工程;および、(4)後段生成物を重質成分
と、目的とする中間留分を含む軽質成分とに分離する工
程とを含む二段水素化分解であり、前段触媒の分解活性
が、後段触媒の分解活性よりも高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】石油留分の重質留分から二段
水素化分解によって灯油、軽油などの中間留分を製造す
る方法、その水素化分解に用いる触媒、および、その二
段水素化分解に使用されて活性の低下した触媒を再生す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】比較的需要の少ない重油、残渣油などの
重質油から、より需要の多い灯油、軽油などの中間留分
を得るために、水素化分解が用いられる。成書、Julius
Scherzer, A. J. Gruia著、"Hydrocracking Science a
nd Technology" Mercel Dekker, Inc. (1996)には、関
連する公知の技術が記述されている。この成書による
と、様々な水素化分解プロセスが公知であるが、そのひ
とつとして、二段水素化分解プロセスが知られている。
【0003】二段水素化分解プロセスに用いられる触媒
は、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ゼオライトな
どの耐火性酸化物からなる担体中に、モリブデン、タン
グステン、白金などの水素化活性成分を含有させたもの
が多く用いられる。このうち、ゼオライトを含む水素化
分解触媒は、ゼオライトを含まない水素化分解触媒に比
べ、高い分解活性と安定性をもつが、中間留分選択性が
低いという一般的傾向をもつことが知られている。ま
た、水素化活性成分として、パラジウムや白金等の貴金
属を用いた水素化分解触媒は、高い分解活性や高い中間
留分選択性を与えうる反面、イオウ化合物による被毒で
失活しやすいことが知られており、触媒被毒物質が高濃
度に共存する反応ゾーンに用いる触媒として利用するこ
とが困難である。さらに、有機窒素化合物およびアンモ
ニアが、水素化分解反応の被毒物質であることが知られ
ている。
【0004】二段水素化分解プロセスでは、後段に供給
される原料の有機窒素化合物、アンモニア、有機イオウ
化合物、硫化水素の濃度が極めて低い。このような反応
条件は高い分解反応性を得やすい反面、過分解しやすく
高い中間留分収率を得にくい。米国特許3213013
には、アミン類やアンモニアのような含窒素塩基を水素
化分解プロセスの原料に注入することで、運転初期の過
分解を抑制するとともに、触媒劣化に合わせて注入量を
調整して一定の高オクタン価ガソリンを得るための運転
条件の調整方法が開示されている。米国特許38162
96には、水素化分解プロセスの運転中にアンモニアま
たはアミン類を注入することで、中間留分選択性を向上
させる方法が開示されている。米国特許5141909
および米国特許5366615は、貴金属とゼオライト
を含む触媒を用いた水素化分解プロセスにおいて、アン
モニアまたはアンモニア前駆体を添加することで、ジェ
ット燃料留分の選択性が向上することが開示されてい
る。米国特許5888377には、二段水素化分解プロ
セスのスタートアップにおいて、ゼオライトを含む触媒
を用いた後段プロセスにアンモニアを注入することによ
り、安定な装置の運転を可能にする方法が開示されてい
る。
【0005】また、ゼオライトの酸性をキャラクタリゼ
ーションする有効な方法として、アンモニアTPD(A
mmonia Temperature Program
med Desorption)が広く知られている。
例えば、C. V. Hidalgoら、Journal
of Catalysis、85巻、362−369頁
(1984年)は、アンモニアTPDによって、ブレン
ステッド酸点の量やブレンステッド酸点の酸強度の分布
を測定することができることを示している。特開平3−
212494(米国特許 4894142)は、単位格
子定数が24.20〜24.40Åであって、かつアン
モニアTPDで測定されるアンモニアTPD酸量が2.
00mmol/g未満である低酸性度の水素型Y型ゼオ
ライトを用いた触媒が中間留分の選択的な製造に適した
水素化分解触媒であることを開示している。
【0006】水素化分解プロセスに使用され、活性の低
下した触媒は、多くの場合、反応器から抜出して、ある
いは反応器に充填したまま再生し、水素化分解反応の触
媒として繰り返し使用される。水素化分解条件での運転
を停止させて触媒再生を行うことが多いが、これは水素
化分解プロセスにとっての機会損失となり、経済的観点
から好ましくない。
【0007】得られる中間留分は、石油製品として所定
の特性を満足することが必要となる。例えば、小田雄太
は、航空技術、501号、17−23 (1996年)
において、ジェット燃料の燃焼性について、パラフィ
ン、ナフテン、芳香族の順によいこと、および燃焼性能
の判定方法として芳香族含有量と相関のある煙点がある
ことを開示している。池辺博道は、ペトロテック、17
巻、1032−1037頁(1994年)において、デ
ィーゼルエンジン用軽油の着火性の指標としてセタン価
があり、セタン価はパラフィン類で高く、ナフタレン類
で低いことを開示している。また、セタン価とよく相関
する指標としてセタン指数が知られ、軽油の品質を示す
指標として広く用いられている。これらのことは、ジェ
ット燃料やディーゼルエンジン用の軽油が芳香族分を多
く含むことは、燃料特性を損ね好ましくないことを示し
ており、芳香族分を多く含む原料油からジェット燃料や
ディーゼルエンジン用の軽油を製造すると、燃料特性に
劣る製品となりやすいことを容易に類推させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、二段水素化
分解工程全体として、高い転化率を示し、その分解反応
が長期間安定に進行し、かつ、中間留分の選択性が高
い、中間留分を製造するための二段水素化分解方法およ
びそのための触媒を提供することを目的とする。特に、
より低品位の原料を転化して、環境規制に適合し、かつ
燃料油などの石油製品としての性能に優れた高品質の中
間留分の製造方法を提供することにある。さらに、この
水素化分解において、触媒再生時の機会損失が少なく、
運転フレキシビリティの高い、触媒再生方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決する手段】本発明の発明者らは、原料炭化
水素油を、水素の存在下に、水素化分解触媒と接触させ
て水素化分解油を得る工程を少なくとも2段階含む二段
水素化分解による中間留分の製造方法およびその二段水
素化分解に適した触媒に関して研究を行った。そして、
二段水素化分解の2つの反応ゾーンが大幅に異なった触
媒被毒環境にあること、すなわち、前段においては触媒
被毒物質が高濃度に共存するのに対し、後段においては
触媒被毒物質が極めて低濃度でしか共存しないことに着
目し、前段と後段に用いるべき触媒およびその反応環境
の調整方法について新規な着想を得て、本発明に想到し
た。
【0010】本発明の二段水素化分解による中間留分の
製造方法は、(1)316℃以上の沸点を有する炭化水
素成分を含む前段原料油を、水素の存在下、前段触媒と
接触させて、前段生成物を得る工程;(2)前段生成物
を重質成分と、目的とする中間留分を含む軽質成分とに
分離する工程;(3)後述する後段生成物の重質成分の
一部分および前段反応生成物の重質成分を含む後段原料
油を水素の存在下、後段触媒と接触させて、後段生成物
を得る工程;および、(4)後段生成物を重質成分と、
目的とする中間留分を含む軽質成分とに分離する工程と
を含む二段水素化分解であり、前段触媒の分解活性が、
後段触媒の分解活性よりも高いことを特徴とする。
【0011】本発明の特徴は、触媒被毒物質が高濃度に
共存する反応ゾーンに用いる前段触媒と、触媒被毒物質
が極めて低濃度でしか共存しない反応ゾーンに用いる後
段触媒との相対的分解活性について、前者の分解活性を
より高く、後者の分解活性をより低くしておくことにあ
る。この特徴は、触媒被毒物質が高濃度に共存する反応
ゾーンに用いる触媒の寿命を延ばす効果をもつととも
に、触媒被毒物質が極めて低濃度でしか共存しない反応
ゾーンにおける過分解を抑制して中間留分収率を向上さ
せる効果をもつ。
【0012】本発明に必要な触媒の分解活性を得るため
には、前段触媒が、ゼオライトを含む担体に水素化活性
成分を担持したものであり、後段触媒が、前段触媒以上
の含有量のゼオライトを含まない担体に水素化活性成分
を担持したものであること、または、前段触媒が、ゼオ
ライトを含む担体に水素化活性成分を担持したものであ
り、後段触媒が、前段触媒の担体に含まれるゼオライト
のアンモニアTPD酸量以上となるゼオライトを含まな
い担体に水素化活性成分を担持したものであることが好
ましい。前段触媒および後段触媒が、ゼオライトを含み
耐火性酸化物からなる担体に非貴金属の水素化活性成分
を担持したものであることが好ましい。
【0013】本発明では、後段触媒が、窒素分を0.0
1重量%以上含有することが好ましく、これにより、水
素化分解条件での運転初期段階の反応を安定な状態とす
る効果をもつとともに、初期段階以降の運転が安定期に
入った時の分解活性を高める効果をもつ。窒素分を含有
させるためには、後段触媒を水素化分解条件で使用する
前に、アンモニア、有機窒素化合物、または10重量p
pm以上の窒素分を含む石油留分から選ばれる前処理剤
と接触させることが好ましい。さらに、後段触媒を水素
化分解条件で使用する際に、アンモニア、有機窒素化合
物、または10重量ppm以上の窒素分を含む石油留分
からから選ばれる添加剤を、水素化分解条件下で、触媒
と接触させることもできる。
【0014】本発明の前段触媒の触媒再生方法は、非貴
金属水素化活性金属が担持された前段触媒を加熱条件下
酸素雰囲気とした後、硫黄化合物と接触させる触媒再生
工程と、前段原料油を水素の存在下、後段触媒と接触さ
せて、生成物を得る工程とを同時に行うものである。ま
た、本発明の後段触媒の触媒再生方法は、非貴金属水素
化活性金属が担持された後段触媒を加熱条件下酸素雰囲
気とした後、硫黄化合物と接触させる触媒再生工程と、
前段原料油を水素の存在下、前段触媒と接触させて、生
成物を得る工程とを同時に行うものである。前段と後段
の触媒の内、一方を再生しながら、他方の触媒では水素
化分解を継続できるので、触媒再生時に水素化分解装置
全体を停止する必要がない。前段触媒の再生と後段触媒
の再生を順次行うこともできる。
【0015】本発明の水素化分解触媒は、(1)316
℃以上の沸点を有する炭化水素成分を含む前段原料油
を、水素の存在下、前段触媒と接触させて、前段生成物
を得る工程;(2)前段生成物を重質成分と、目的とす
る中間留分を含む軽質成分とに分離する工程;(3)後
述する後段生成物の重質成分の一部分および前段反応生
成物の重質成分を含む後段原料油を水素の存在下、後段
触媒と接触させて、後段生成物を得る工程;および、
(4)後段生成物を重質成分と、目的とする中間留分を
含む軽質成分とに分離する工程とを含む二段水素化分解
に用いる触媒であり、前段触媒は、その分解活性が、後
段触媒の分解活性よりも高いことを特徴とし、また、後
段触媒は、その分解活性が、前段触媒の分解活性よりも
低いことを特徴とする。
【0016】
【好ましい実施の形態】[前段原料油] 本発明の二段
水素化分解による中間留分の製造に用いる前段原料油
は、316℃以上の沸点を有する炭化水素成分を含むも
のであれば、特に制限はないが、実質的に炭化水素成分
からなり、10%留出温度が316℃以上、特には35
0℃以上であることが好ましい。また、95%留出温度
が、600℃以下、さらには580℃以下、特には54
5℃以下であることが好ましい。
【0017】前段原料油に含まれる金属分にも特に制限
はないが、少ないほど好ましい。バナジウム分、ニッケ
ル分、鉄分について、各々2重量ppm未満であること
が好ましく、特には各々1重量ppm未満であることが
好ましい。前段原料油に含まれるイオウ分にも特に制限
はないが、0.1〜4重量%の範囲内であることが好ま
しい。前段原料油に含まれる窒素分にも特に制限はない
が、100〜3000重量ppmの範囲内であることが
好ましい。前段原料油に含まれる芳香族分については特
に制限はないが、本発明によれば、前段原料油が含む炭
素原子のうち芳香族炭素原子の占める割合が比較的高
い、具体的には10〜25%であっても、高品質の中間
留分を製造することができる。原料油が含む炭素原子の
うち芳香族炭素原子の占める割合は、例えば、核磁気共
鳴法(IP 392)やいわゆるn−d−M環分析(A
STM D 3238)によって定量できる。
【0018】前段原料油の由来は、特に限定されない
が、通常、原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留により得ら
れた留分を含む。常圧蒸留残渣油を水素化精製した生成
物を減圧蒸留して得られる留出油分を含んでもよい。ま
た、石炭液化油、オイルシェール、オイルサンドなどか
ら誘導されるものやフィッシャートロプシュ合成油を含
んでもよい。さらに、原料油には熱分解油を含んでもよ
い。ここでいう熱分解油とは、原油、石炭液化油、オイ
ルシェール、オイルサンドなどから得られる常圧蒸留残
渣油あるいは減圧蒸留残渣油を、触媒を用いず、熱分解
して得られた留分をいう。その熱分解の方法は特に限定
しないが、ディレードコーキング法、フルードコーキン
グ法、ビスブレーキング法などの公知の方法が好ましく
用いられる。
【0019】[中間留分] 本発明で得られる中間留分
は、ジェット燃料留分、灯油留分、または、軽油留分、
もしくはこれらを含むものであり、目的とする留分に応
じた蒸留性状などを有する。本発明でいうジェット燃料
留分とは、JISまたはASTMで規定されているJe
t A−1等のグレードのうち少なくとも1つグレード
の蒸留性状規格を満たす蒸留性状をもった留分をいう。
本発明でいう灯油留分とは、JISまたはASTMで規
定されている灯油のグレードのうち少なくとも1つグレ
ードの蒸留性状規格を満たす蒸留性状をもった留分をい
う。本発明でいう軽油留分とは、JISまたはASTM
で規定されている軽油のグレードのうち少なくとも1つ
グレードの蒸留性状規格を満たす蒸留性状をもった留分
をいう。
【0020】[軽質成分と重質成分] 本発明でいう軽
質成分とは、水素化分解が目的とする中間留分とそれよ
りも軽質な留分であり、また、重質成分とは、水素化分
解が目的とする中間留分よりも重質な留分である。
【0021】[二段水素化分解プロセス] 本発明でい
う二段水素化分解は、(1)316℃以上の沸点を有す
る炭化水素成分を含む前段原料油を、水素の存在下、前
段触媒と接触させて、前段生成物を得る工程;(2)前
段生成物を重質成分と、目的とする中間留分を含む軽質
成分とに分離する工程;(3)後述の後段生成物の重質
成分の一部分および前段反応生成物の重質成分を含む後
段原料油を水素の存在下、後段触媒と接触させて、後段
生成物を得る工程;および、(4)後段生成物を重質成
分と、目的とする中間留分を含む軽質成分とに分離する
工程とを含むものである。
【0022】前段触媒と接触させる反応ゾーンを単に
「前段」と、後段触媒と接触させる反応ゾーンを単に
「後段」ともいう。前段および後段の反応方式は特に限
定しないが、いわゆる固定床流通式であると反応操作が
容易で好ましい。前段および後段の反応器は、各々、1
つの反応器で構成されていてもよいし、複数の反応器で
構成されていてもよい。前段および後段の反応器には、
水素化分解触媒を充填して用いるが、水素化分解以外の
機能をもった触媒や充填物を充填して用いてもよい。例
えば、脱金属触媒、水素化精製触媒、原料油中に含まれ
る微粉を除去するための触媒や充填物、触媒を保持する
ための充填物等が挙げられる。
【0023】上記工程(2)および(4)は、生成物を
分離する工程で、この機能を満たすものであれば、その
具体的形態に制約はない。また、上記工程(2)および
(4)は、類似した機能をもつ工程であるので、互いに
独立した装置系であってもよいが、一部または全部が共
通の装置系であってもよい。一部または全部が共通化さ
れていたほうが、装置構成が単純化され好ましい。工程
(2)と工程(4)の一部を共通の装置系で行うとは、
気液分離槽による分離およびガス成分の回収は工程
(2)と工程(4)で別々の装置系を用いるが、それに
続く操作を同一の装置系で行うという方法が例示され
る。すなわち、工程(2)と工程(4)でそれぞれの気
液分離槽で分離された液体成分を混合し、同一の蒸留塔
を用いて軽質成分と重質成分とに分離し、同一のシステ
ムを用いて軽質成分および一部の重質成分を回収し、残
りの重質成分を前記工程(3)の原料として供給するも
のである。
【0024】本発明では、上記工程(2)および(4)
において重質成分と軽質成分とを分離する基準となる温
度をリサイクルカットポイント(RCP)と呼ぶ。RC
Pは、目的とする中間留分に応じて選択することができ
るが、ジェット燃料留分または灯油留分を目的の留分と
し軽油留分を目的の留分としない場合にあっては、RC
Pを250〜300℃の範囲で選ぶことが好ましい。軽
油留分を所望の留分として含む場合にあっては、RCP
を330〜420℃の範囲で選ぶことが好ましい。
【0025】上記工程(2)および(4)における重質
成分の一部分は、後段原料油となることなく回収され
て、系外へ取り出される。回収される重質成分は、合計
で、二段水素化分解の原料油(前段原料油)に対する体
積基準で、0〜30体積%、好ましくは0.1〜20体
積%、特には0.5〜10体積%が好ましい。ここで回
収される重質成分は、二段水素化分解によって中間留分
に転化することなく回収される成分であるので、この範
囲より多くの重質成分を回収することは、後述する総合
転化率が低下し、目的とする中間留分の収率が低下する
こととなり、好ましくない。
【0026】ここで回収される重質成分の用途は、特に
限定しないが、重油製品の基材として、接触分解プロセ
スや潤滑油製造プロセスの原料油の一部として用いるこ
とができる。また、二段水素化分解の前段原料油の一部
として用いることもできる。本発明の二段水素化分解プ
ロセスのフローは、上記の要件を満たしておれば特に限
定されないが、例えば、上述の成書"Hydrocracking Sci
ence and Technology"に示されているプロセスフローが
例示される。
【0027】[水素化分解条件] 反応条件としては、
反応温度は、300〜500℃、特には、320〜46
0℃が好ましい。水素分圧は、8〜30MPa、特に
は、10〜22MPaが好ましい。前段のLHSVは、
0.1〜10h−1、特には、0.3〜5h−1が好ま
しい。後段のLHSVは、0.1〜10h−1、特に
は、0.3〜5h−1が好ましい。前段の水素/オイル
比は、200〜5000NL/L、後段の水素/オイル
比は200〜5000NL/Lが好ましい。後段原料油
中の有機窒素化合物濃度が、窒素として0〜100重量
ppm、特には、0〜10重量ppmであることが好ま
しい。前段転化率は20〜60体積%が、後段ワンスル
ー転化率は20〜80体積%が、また、総合転化率は5
0〜100体積%、特には、80〜99.5体積%、さ
らには、90〜99体積%が好ましい。
【0028】なお、前段転化率は、前段転化率={1−
(前段生成物をRCPを基準にして分離した時の重質成
分の体積流量/前段に供給される原料油の体積流量)}
×100 [体積%]により、後段ワンスルー転化率
は、後段ワンスルー転化率={1−(後段生成物をRC
Pを基準にして分離した時の重質成分の体積流量/後段
に供給される原料油の体積流量)}×100 [体積
%]により、また、総合転化率は、総合転化率={1−
(二段水素化分解全体の生成物をRCPを基準にして分
離した時の重質成分の体積流量/前段に供給される原料
油の体積流量)}×100 [体積%]により定義され
る。
【0029】[触媒の分解活性] 本発明の水素化分解
方法は、前段触媒の分解活性が、後段触媒の分解活性よ
りも高いことを特徴とする。触媒の分解活性は、具体的
には、以下に述べる指標ΔT1、ΔT2により評価する
ことができ、ΔT1またはΔT2が正の値をもつことが
必須で、特にはΔT1およびΔT2の両方が正の値をも
つことが好ましい。
【0030】[触媒の分解活性に関する指標 ΔT1]
指標 ΔT1は、触媒被毒物質が高濃度で共存する前
段の反応条件と類似する条件下での、後段触媒と前段触
媒の分解活性差を示す指標と位置づけられるものであ
る。二段水素化分解で用いる前段原料油と触媒とを水素
の存在下、反応温度以外の反応条件について実質的に前
段と同一の条件下で、前段触媒及び後段触媒について、
水素化分解を行って目標分解率を達成するために必要な
温度をT1(単位:℃)とし、前段触媒を用いた場合の
必要温度をT1(1st) ℃、後段触媒を用いた場合
の必要温度をT1(2nd) ℃として、ΔT1 = T
1(2nd) − T1(1st) [℃]で定義され
る。なお、反応条件について実質的に前段と同一の条件
とは、LHSV、水素分圧、および水素/オイル比の各
々について、二段水素化分解の前段と±20%の範囲内
であることを指す。
【0031】目標分解率は、35〜60重量%の範囲と
する。なお、分解率は、分解率 ={ 1−(生成物中の
CP1以上の沸点留分の重量%)/(原料油中のCP1
以上の沸点留分の重量%)}×100 [重量%]で定
義される。CP1とは、未分解重質留分と分解された軽
質留分とを区別するカットポイントであって、RCPと
同一値またはRCP±15℃の範囲内の値とする。な
お、CP1が250℃から400℃の範囲、目標分解率
が30〜80重量%の範囲では、ΔT1は大きく変化し
ない。
【0032】T1の算出には、技術的に妥当な方法であ
れば、いかなる方法を適用してもよいが、例えば、反応
温度を適宜変化させて、目標分解率を達成する反応温度
を実験的に見つけるという方法が挙げられる。また、複
数の反応温度で得られた分解率に基づいて各々の温度で
の分解反応速度定数を求め、対応するアレニウスプロッ
トをとって、当該触媒のアレニウス式を導いて、目標分
解率に相当する反応速度定数を与える反応温度を算出す
るという方法も、好ましい方法の一つである。ただし、
この場合は、T1算出のために行う反応の反応温度は、
少なくとも2とおり、好ましくは3とおり以上とするこ
とが好ましい。また、T1の値が、実施した最低反応温
度と最高反応温度の範囲内であることが好ましい。
【0033】上述のようにして得られたΔT1が5℃以
上であるよう、前段触媒および後段触媒を選んで二段水
素化分解に用いることが好ましい。また、ΔT1が5〜
20℃の範囲にあると、後述する本発明の触媒再生方法
を適用するのに好適であり、より一層好ましい。ΔT1
がこの範囲外であると、前段触媒の寿命が短くなった
り、後段での中間留分収率が低下したりする問題があ
り、好ましくない。
【0034】[触媒の分解活性に関する指標 ΔT2]
指標 ΔT2は、触媒被毒物質が極めて低濃度でしか
共存しない後段の反応条件と類似する条件下での、後段
触媒と前段触媒の分解活性差を示す指標と位置づけられ
るものである。二段水素化分解で用いる後段原料油また
は窒素分が10重量ppm以下であって、10%留出温
度が300℃以上、95%留出温度が545℃以下で、
かつ芳香族炭素/全炭素比(IP 392)が1〜15%である
原料油を触媒と水素の存在下、反応温度以外の反応条件
について実質的に後段と同一の条件下で、前段触媒及び
後段触媒について、水素化分解を行って目標分解率を達
成するために必要な温度をT2(単位:℃)とし、前段
触媒を用いた場合の必要温度をT2(1st)℃、前段
触媒を用いた場合の必要温度をT2(2nd)℃とし
て、ΔT2 = T2(2nd) − T2(1st)
[℃]で定義される。なお、反応条件について実質的に
後段と同一の条件とは、LHSV、水素分圧、および水
素/オイル比の各々について、二段水素化分解の後段と
±20%の範囲内であることを指す。
【0035】目標分解率は、55〜75重量%の範囲と
する。なお、分解率は、分解率 ={ 1−(生成物中の
CP2以上の沸点留分の重量%)/(原料油中のCP2
以上の沸点留分の重量%)}×100 [重量%]で定
義される。CP2とは、未分解重質留分と分解された軽
質留分とを区別するカットポイントであって、通常、R
CPと同一値となる。なお、CP2が250℃から40
0℃の範囲、目標分解率が30〜80重量%の範囲で
は、ΔT2は大きく変化しない。T2の算出には、技術
的に妥当な方法であれば、T1の算出と同様にいかなる
方法を適用してもよい。
【0036】上述のようにして得られたΔT2が10℃
以上であるよう、前段触媒および後段触媒を選んで二段
水素化分解に用いることが好ましい。ΔT2がこの範囲
外であると、前段触媒の寿命が短くなったり、後段での
中間留分収率が低下したりする問題があり、好ましくな
い。
【0037】[触媒] 本発明の二段水素化分解に用い
る前段触媒および後段触媒は、前段触媒の分解活性が後
段触媒のそれよりも高いものであれば、その組成、製
法、構成成分の形態に特に制限はないが、アルミナ、シ
リカなどの耐火性酸化物からなる担体に水素化活性成分
を担持させてなる触媒は、好ましい形態のひとつであ
る。その担体は、後述のアルミナマトリックスに固体酸
性を有する複合酸化物と、ゼオライトとを含むことが好
ましい。
【0038】[担体] 本発明の二段水素化分解に用いる
前段触媒および後段触媒として、担体に水素化活性成分
を担持させてなる触媒を用いる場合には、担体中のゼオ
ライト含有量について、前段触媒よりも後段触媒におい
て少ないか、または担体中に含まれるゼオライトのアン
モニアTPD酸量について前段触媒よりも後段触媒にお
いて少ないことが好ましい。さらには、後段触媒の担体
中のゼオライト含有量が前段触媒担体中のゼオライト含
有量の0.05〜0.5倍であるか、または後段触媒担
体中のゼオライトによるアンモニアTPD酸量が前段触
媒担体中のゼオライトによるアンモニアTPD酸量の
0.05〜0.5倍であることが好ましい。担体中のゼ
オライト含有量やアンモニアTPD酸量について上述の
条件を満たせないと、中間留分収率が低下したり、触媒
の分解活性や安定性を損ねることとなり、好ましくな
い。
【0039】前段触媒および後段触媒の担体中のゼオラ
イト含有量について特に制限はないが、後段触媒の担体
中のゼオライト含有量については、0〜40重量%、さ
らには0.1〜20重量%、特には0.2〜10重量%
の範囲内であることが好ましい。また、前段触媒および
後段触媒のいずれもが、ゼオライトを含有する場合にあ
っては、上述の条件を満たしていれば、前段触媒および
後段触媒において、同一の性状のゼオライトを用いて
も、異なる性状のゼオライトを用いても構わない。ま
た、前段触媒および後段触媒が、各々、1種のゼオライ
トを含んでいてもよいし、2種以上のゼオライトを含ん
でいてもよい。前段触媒および後段触媒の担体の組成、
製法、構成成分の形態に特に制限はないが、後述のアル
ミナマトリックスに後述の複合酸化物を分散した分散体
とゼオライトを含む担体は、好ましい形態のひとつであ
る。
【0040】[ゼオライト] ゼオライトは、一般式:
xM2/nO・Al・ySiO ・zHO(こ
こで、nは陽イオンMの価数、xは1以下の数、yは2
以上の数、zは0以上の数)で表される結晶性含水アル
ミノシリケートの総称である。フォージャサイト型ゼオ
ライト(FAU)、L型ゼオライト(LTL)、モルデ
ナイト(MOR)、ゼオライトβ(BEA)、ZSM−
5(MFI)、フェリエライト(FER)及びA型ゼオ
ライト(LTA)などを挙げることができる。本発明に
用いるゼオライトは、なんら限定されるものではない
が、好ましくは、X型、Y型、Ω型、L型ゼオライト、
特にはY型ゼオライトが好ましい。
【0041】いずれのゼオライトを用いる場合であって
も、ゼオライト単身のアンモニアTPD酸量が2.0m
mol/g未満、特には1.5mmol/g未満、さら
には0.1〜1.5mmol/gであることが好まし
い。この範囲よりもアンモニアTPD酸量が多いと中間
留分収率が低下し、好ましくない。Y型ゼオライトを用
いる場合にあっては、単位格子定数が24.20〜2
4.40Åであることが好ましい。単位格子定数がこの
範囲より高いと中間留分収率が低下し、この範囲より低
いと水素化分解触媒の分解活性が低下し、好ましくな
い。アルミノシリケートY型ゼオライトを用いる場合に
あっては、シリカアルミナモル比が、6以上、さらには
15〜150であることが好ましい。
【0042】本発明でいう担体中に含まれるゼオライト
によるアンモニアTPD酸量とは、用いるゼオライト単
身のアンモニアTPD酸量とゼオライトの担体中での含
有率を乗じて得られる数値を指す。ゼオライトのアンモ
ニアTPD酸量は、「丹羽;ゼオライト,10,175(199
3)」等に記載の装置及び測定条件によりアンモニアの
吸着量を測定するアンモニア昇温脱離法(NH−TP
D)により求めることができる。
【0043】[複合酸化物] 本発明の触媒に用いる担
体は、固体酸化物を含有することが好ましい。本明細書
でいう複合酸化物とは、固体酸性を有する複合酸化物で
ある。例えば、二元複合酸化物では、K. Shibata, T. K
iyoura, J. Kitagawa, K. Tanabe, Bull. Chem. Soc. J
pn., 46, 2985 (1973)で酸性発現が確認されているもの
をはじめ数多くのものが知られている。本発明に用いる
複合酸化物は、二元複合酸化物としては、シリカアルミ
ナ、シリカチタニア、シリカジルコニア、シリカマグネ
シア、シリカアルミナチタニアが好ましく用いられ、三
元複合酸化物としては、シリカアルミナチタニア、シリ
カアルミナジルコニアが好ましく用いられる。前段触媒
または後段触媒の担体として、後述のアルミナマトリッ
クスに複合酸化物を分散した分散体とゼオライトを含む
担体を用いる場合にあっては、担体が複合酸化物を10
〜90重量%、さらには50〜85重量%含むことが好
ましい。
【0044】[アルミナマトリックス] 本発明の触媒
に用いる担体は、アルミナマトリックスを含有すること
が好ましい。本発明でいうアルミナマトリックスは、ア
ルミナ、ボリア−アルミナから選ばれる1種または2種
以上から構成されることが好ましい。ここでいうアルミ
ナとは、アルミニウム酸化物、水酸化物および/または
水和酸化物であり、ボリア−アルミナとは、ボリア(酸
化ホウ素)を含むアルミニウム酸化物、水酸化物および
/または水和酸化物である。ボリアは、混合物として含
まれていてもよいし、固溶体または複合化合物として含
まれていてもよい。前段触媒または後段触媒の担体とし
て、アルミナマトリックスに複合酸化物を分散した分散
体とゼオライトを含む担体を用いる場合にあっては、担
体がアルミナマトリックスを5〜50重量%、さらには
15〜35重量%含むことが好ましい。
【0045】アルミナマトリックスの原料に特に制限は
ないが、アルミニウム水酸化物および/または水和酸化
物からなる粉体、特には、擬ベーマイトなどのベーマイ
ト構造を有するアルミニウム水和酸化物を用いることが
水素化分解活性や中間留分選択性を向上できるので好ま
しい。また、アルミナマトリックスの原料には、ボリア
を含むアルミニウム水酸化物および/または水和酸化物
からなる粉体、特には、ボリアを含む擬ベーマイトなど
のベーマイト構造を有するアルミニウム水和酸化物を用
いてもよい。
【0046】[水素化活性成分] 本発明の二段水素化分
解に用いる前段触媒および後段触媒は、水素化活性成分
を含むことが好ましい。水素化活性成分に特に制限はな
いが、周期律表の第6族、第9族、および第10族から
選ばれる1種または2種以上の金属成分を含むことが好
ましい。第6族、第9族、第10族から選ばれる金属と
しては、モリブデン、タングステン、コバルト、ロジウ
ム、イリジウム、ニッケル、白金、パラジウムが好適に
用いられ、特にモリブデン、タングステン、コバルト、
ニッケルなど非貴金属の水素化活性成分が好適に用いら
れる。非貴金属の水素化活性成分を用いると、後述する
本発明の触媒再生方法を適用するのに好適であり、格別
に好ましい。これらの金属は1種でも、2種以上を混合
したものでも良い。
【0047】これら水素化活性成分の添加量は、触媒中
に占める第6族、第9族、第10族元素の合計量が0.
05〜35重量%、特には0.1〜30重量%となるよ
うに添加することが好ましい。金属としてモリブデンを
用いる場合、その添加量は触媒中5〜20重量%とする
ことが好ましい。金属としてタングステンを用いる場
合、その添加量は触媒中5〜30重量%とすることが好
ましい。モリブデンやタングステンの添加量について、
上記の範囲より少ないと、水素化分解反応に必要な触媒
の水素化機能が不足し、好ましくない。逆に、上記の範
囲より多いと、添加した水素化活性成分の凝集が起こり
やすく好ましくない。
【0048】金属としてモリブデンまたはタングステン
を用いる場合には、さらにコバルトまたはニッケルを添
加すると、水素化機能が向上し、一層好ましい。その場
合のコバルトまたはニッケルの添加量は、合計で触媒中
0.5〜10重量%とすることが好ましい。水素化活性
成分として貴金属、すなわち、ロジウム、イリジウム、
白金、パラジウムのうちの1種または2種以上を用いる
場合、その添加量は0.1〜5重量%とすることが好ま
しい。この範囲未満では、十分な水素化機能が得られ
ず、この範囲を超えると経済的でないため、好ましくな
い。
【0049】[メソポア特性] 本発明に用いる水素化
分解触媒(前段触媒および後段触媒)が特定範囲のメソ
ポア特性をもっていると、触媒が高い中間留分選択性や
高い分解活性を示し、中間留分の製造に好ましい。いわ
ゆるメソポア特性は、窒素ガス吸着法によって測定さ
れ、BJH法などによって細孔容積と細孔直径の関係を
算出することができる。また、本発明でいう中央細孔直
径とは、窒素ガス吸着法において相対圧0.9667の
条件で得られる細孔容積をVとするとき、細孔直径の大
きい側からの累積細孔容積がV/2となる細孔直径をい
う。水素化分解触媒の中央細孔直径は、40〜100Å
の範囲にあることが好ましく、さらには、45〜90Å
の範囲、特には、50〜85Åの範囲にあることが好ま
しい。中央細孔直径がこの範囲よりも小さいと触媒の中
間留分選択性が低下し好ましくなく、この範囲よりも大
きいと触媒の分解活性が低下し好ましくない。また、細
孔直径40〜100Åの範囲の細孔容積が少なくとも
0.1mL/gであることが好ましく、さらには、0.
1〜1.0mL/gの範囲、特には、0.15〜0.6
mL/gの範囲であることが好ましい。
【0050】[マクロポア特性] 本発明に用いる水素
化分解触媒(前段触媒および後段触媒)が特定範囲のマ
クロポア特性をもっていると、触媒が高い中間留分選択
性や高い分解活性を示し、中間留分の製造に好ましい。
マクロポア特性は、いわゆる水銀圧入法を用いて測定で
き、水銀の接触角を140゜、表面張力を480dyn
es/cmとし、全ての細孔は円筒形であると仮定して
算出できる。細孔直径0.05〜0.5μmの範囲の細
孔容積が0.05〜0.5mL/gであり、細孔直径
0.5〜10μmの細孔容積の細孔容積が0.05mL
/g未満であることが好ましい。このような範囲のマク
ロポアは、反応分子の拡散をよくすることに効果がある
と考えられ、中間留分選択性の向上に有益である。しか
し、このような範囲を超えるマクロポアの細孔容積を有
していても、中間留分選択性向上効果は著しくなく、逆
に、触媒充填密度の低下によって触媒の分解活性が低下
したり、触媒の機械的強度が低下することとなり、必ず
しも好ましくない。
【0051】[窒素分を含む後段触媒] 本発明におい
ては、後段触媒が窒素分を含む状態で二段水素化分解を
行うことにより、より一層好ましい中間留分の製造方法
を提供することができる。すなわち、本来、アンモニア
や有機窒素化合物が極めて低濃度でしか共存しない後段
に、意図的に窒素分を存在させることにより、安定した
二段水素化分解を可能にし、かつ中間留分収率の改善や
後段触媒の劣化速度の抑制を可能にする。含まれる窒素
分の形態に特に制限はないが、アンモニアまたは有機窒
素化合物の形態で含まれることが好ましい。具体的な有
機窒素化合物としては、アミン類、アニリン、ピリジ
ン、キノリン、インドール、カルバゾールやこれらの誘
導体が挙げられる。後段触媒に窒素分を含有させる操作
は、触媒を反応器に充填する前に行ってもよいが、後述
のように触媒を反応器に充填した後、前処理剤や添加剤
を用いて行ってもよい。後段触媒に含有させる窒素分の
量は、触媒重量に対する窒素重量として少なくとも0.
01重量%、さらには0.01〜1重量%、特には0.
01〜0.1重量%であることが好ましい。
【0052】[後段触媒の前処理剤] 本発明に用いら
れる後段触媒の前処理剤は、アンモニア、有機窒素化合
物、および後段原料油の50%留出温度より低い90%
留出温度をもち窒素分を10重量ppm以上含む石油留
分からなる群から選ばれる。前処理剤として石油留分を
用いる場合にあっては、好ましくは沸点が150〜42
0℃の範囲内であるものを用いるとよく、特には石油留
分がアミン類、アニリン、ピリジン、キノリン、インド
ール、カルバゾールやこれらの誘導体のうち1種または
2種以上を含むとよい。
【0053】[後段触媒の前処理の方法] 本発明にお
いては、後段触媒は、水素化分解条件で使用する前に、
上述の前処理剤によって前処理されることが好ましい。
この前処理は、後段触媒を予備硫化処理した後、水素化
分解条件で使用する場合にあっては、予備硫化処理の前
に行っても、後に行ってもよいが、予備硫化処理と同時
に行うことが、前処理と予備硫化処理に要する時間を節
約でき、好ましい。この場合、予備硫化処理はいわゆる
気相硫化であっても、液相硫化であっても構わないし、
前処理剤は本発明の範囲内から任意に選ぶことができる
が、前処理剤として好ましく用いられる石油留分に二硫
化炭素、ジメチルサルファイド、ジメチルジサルファイ
ドのようなイオウ化合物を添加したものを触媒と接触さ
せるという方法が特に好ましい。
【0054】[添加剤を後段に添加して行う二段水素化
分解] 本発明では、二段水素化分解の後段に添加剤を
添加しながら反応を行うことにより、後段触媒の劣化速
度を抑制したり、中間留分収率を改善する効果があり、
好ましい。この添加剤は、本発明の範囲内であれば、任
意に選んでよいが、好ましくは、アンモニア、有機窒素
化合物、および原料油の50%留出温度より低い90%
留出温度をもち窒素分を10重量ppm以上含む石油留
分からなる群から選ばれる。添加剤として石油留分を用
いる場合にあっては、好ましくは沸点が150〜420
℃の範囲内であるものを用いるとよく、特には石油留分
がアミン類、アニリン、ピリジン、キノリン、インドー
ル、カルバゾールやこれらの誘導体のうち1種または2
種以上を含むとよい。添加量は、添加剤に由来する窒素
分が後段に供給される原料油(後段原料油)中に0.0
1〜5重量ppmとなるよう添加することが好ましい。
この範囲より高濃度に添加すると、窒素化合物による被
毒効果による後段触媒の分解活性抑制効果が著しくな
り、好ましくない。この範囲より低濃度では、添加剤を
添加した効果が顕著に現れず、好ましくない。添加剤の
供給方法に特に制限はないが、後段にリサイクルする重
質成分に添加して後段に供給するのが特に好ましい。
【0055】[水素化分解触媒の再生方法] 本発明に
よる前段触媒の再生方法は、非貴金属の水素化活性成分
が担持された前段触媒を加熱条件下酸素雰囲気とした
後、硫黄化合物と接触させる触媒再生工程と、前段原料
油を水素の存在下、後段触媒と接触させて、生成物を得
る工程とを同時に行うものであり、後段触媒の再生方法
は、非貴金属の水素化活性成分が担持された後段触媒を
加熱条件下酸素雰囲気とした後、硫黄化合物と接触させ
る触媒再生工程と、前段原料油を水素の存在下、前段触
媒と接触させて、生成物を得る工程とを同時に行うもの
である。前段触媒の再生を行った後に、後段触媒の再生
を行うことが好ましい。酸素雰囲気下での再生時の加熱
条件としては、300〜500℃、特には330〜47
0℃が好ましい。酸素雰囲気としては、酸素を0.1〜
20体積%、特には0.2〜5体積%含む雰囲気が好ま
しい。硫黄化合物と接触させる再生時の加熱条件として
は、120〜400℃の範囲が好ましく、水素の存在下
で硫黄化合物を触媒と接触させることが好ましい。再生
に用いる硫黄化合物としては、二硫化炭素、ジメチルサ
ルファイド、ジメチルジサルファイドなどが好ましく用
いられる。硫黄化合物と接触させる触媒再生において
は、水素化活性成分の全量を硫化するのに要する化学量
論のイオウの少なくとも80%、特には100%以上の
硫黄化合物を接触させることが好ましい。
【0056】この再生方法によれば、水素化分解プロセ
スを全面的に停止することなく、一部のプロセスを用い
た水素化分解を継続できる。これは、二段水素化分解運
転においては触媒被毒物質が極めて低濃度でしか共存し
ない後段に用いる触媒が、触媒被毒物質が高濃度に共存
する条件下でも水素化分解触媒として十分な機能を有す
ることによって可能となる。例えば、まず、後段のみを
用いて水素化分解反応を行っている間に、前段触媒を再
生処理する。その後、前段のみを用いて水素化分解反応
を行っている間に、後段触媒を再生処理する。そして、
再生された触媒による二段水素化分解運転に移行すると
いう操作が可能である。その結果、触媒再生に係る水素
化分解プロセスの停止による機会損失を著しく低減し、
より経済的なリファイナリー運営に格別の効果をもつ。
【0057】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
るが、この実施例により、本発明が限定して解釈される
ものではない。
【0058】[触媒Aの調製] ゼオライト粉体、シリ
カアルミナ粉体、および擬ベーマイト粉体を混合・混練
して、シリンダー状に成形した後、乾燥し、600℃で
焼成することで担体を調製した。この担体は、乾燥担体
基準で、ゼオライト3.5重量%、シリカアルミナ7
6.5重量%、およびアルミナ20重量%からなり、直
径約1.6mmのシリンダー形状であった。ゼオライト
粉体としては、シリカアルミナモル比 30.3、単位
格子定数 24.31Å、アンモニアTPD酸量 0.4
6mmol/gを有するアルミノシリケートY型ゼオラ
イトを用いた。シリカアルミナ粉体としては、シリカア
ルミナモル比4.4のものを用いた。この担体に、メタ
タングステン酸アンモニウムを含有する水溶液、および
硝酸ニッケルを含有する水溶液を順次含浸した後、乾
燥、焼成して、触媒中にタングステンを22重量%およ
びニッケルを2重量%含む触媒Aを調製した。
【0059】触媒Aについて、窒素吸着法で細孔特性を
測定したところ、中央細孔直径は52Åであり、細孔直
径40〜100Åの範囲の細孔容積は0.20mL/g
であった。触媒Aについて、水銀圧入法で細孔特性を測
定したところ、細孔直径0.05〜0.5μmの範囲の
細孔容積は0.071mL/gであり、細孔直径0.5
〜10μmの細孔容積は0.002mL/gであった。
【0060】[触媒Bの調製] 担体が、乾燥担体基準
で、ゼオライトを1.0重量%、シリカアルミナを79
重量%、およびアルミナを20重量%含有するように原
料粉を配合すること以外、上記触媒Aと同様にして、触
媒Bを調製した。ゼオライトとしては、触媒Aに用いた
ものと同様のものを用いた。したがって、触媒Bの担体
は、ゼオライトに由来するアンモニアTPD酸量を、触
媒Aの担体に比べ、約0.29倍もつものである。触媒
Bについて、窒素吸着法で細孔特性を測定したところ、
中央細孔直径は53Åであり、細孔直径40〜100Å
の範囲の細孔容積は0.20mL/gであった。触媒B
について、水銀圧入法で細孔特性を測定したところ、細
孔直径0.05〜0.5μmの範囲の細孔容積は0.0
90mL/gであり、細孔直径0.5〜10μmの細孔
容積は0.004mL/gであった。
【0061】[分解活性指標T1の評価] 触媒Aお
よび触媒Bについて、各々、固定床流通式反応装置に充
填し、表1のフィードAを原料油として用いて、表2の
反応条件で反応を行った。芳香族炭素/全炭素比は英国
石油学会IP 392に準拠し、n―d−M法による炭素ディ
ストリビューションや環構造の分析はASTM D 3238に準
拠し、また、蒸留性状は、ASTM D 1160に準拠して測定
した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】沸点293℃以上の留分の分解率が40重
量%となるT1を算出したところ、触媒Aが406.9
℃、触媒Bが415.6℃であり、触媒Aを二段水素化
分解の前段触媒、触媒Bを二段水素化分解の後段触媒と
すると、ΔT1は8.7℃であった。また、沸点360
℃以上の留分の分解率が55重量%となるT1を算出し
たところ、触媒Aが409.1℃、触媒Bが418.2
℃であり、触媒Aを二段水素化分解の前段触媒、触媒B
を二段水素化分解の後段触媒とすると、ΔT1は9.1
℃であった。
【0065】[分解活性指標T2の評価] 触媒Aおよ
び触媒Bについて、各々、固定床流通式反応装置に充填
し、表1のフィードBを原料油として用いて、表2の反
応条件で反応を行った。反応結果から各反応温度での分
解反応速度定数(見かけの反応次数: 二次)を求め、
アレニウス式を導いて、各々の触媒のT2を算出した。
沸点293℃以上の留分の分解率が60重量%となるT
2を算出したところ、触媒Aが340.1℃、触媒Bが
368.9℃であり、触媒Aを二段水素化分解の前段触
媒、触媒Bを二段水素化分解の後段触媒とすると、ΔT
2は28.8℃であった。また、沸点360℃以上の留
分の分解率が72重量%となるT2を算出したところ、
触媒Aが340.8℃、触媒Bが369.0℃であり、
触媒Aを二段水素化分解の前段触媒、触媒Bを二段水素
化分解の後段触媒とすると、ΔT2は28.2℃であっ
た。
【0066】[二段水素化分解によるジェット燃料留分
の製造1] 図1のような二段水素化分解装置を用いて
ジェット燃料留分を製造した。原料油は、水素とともに
前段反応器11に導入され、その生成物は、前段高圧分
離槽13により水素などのガス成分と液体成分に分けら
れる。この液体成分は、ストリッパー15に導入され
て、軽質成分の一部が取り除かれて、減圧蒸留塔16導
入される。減圧蒸留塔16で、ジェット燃料留分を含む
軽質留分と重質成分に分けられる。分けられた重質留分
は水素と混合されて後段反応器12に導入され、その生
成物は、後段高圧分離槽14により水素などのガス成分
と液体成分に分けられる。この液体部分は、前段からの
液体部分とともにストリッパー15に導入される。な
お、前段反応器11及び後段反応器12には、反応温度
を設定するためのヒータが付属している。
【0067】図1の二段水素化分解装置の前段反応器1
1に触媒A(100mL)を、後段反応器12に触媒B
(100mL)を充填して、400重量ppmの硫黄分
と50重量ppmの窒素分を含む沸点範囲250〜36
0℃の軽油に1容量%の二硫化炭素を溶解した前処理剤
を水素の存在下で各々の触媒と接触させて前処理した。
この前処理により、触媒の硫化処理と、後段触媒に窒素
分を含有させる処理を同時に行うことができる。ここで
用いた軽油は、インドールやカルバゾールの誘導体等の
酸性窒素化合物を窒素分として17重量ppm、アミン
類やアニリン、ピリジン、キノリン誘導体等の塩基性窒
素化合物を窒素分として16重量ppm含んでいた。
【0068】前処理の後、まず、前段のみの運転を開始
した。表1のフィードAを原料油として前段に通油し、
表3記載の前段のみの運転条件で運転し、前段触媒の分
解活性を安定させ、前段の反応温度を412℃とした。
前段反応器11の生成物を前段高圧分離槽13以降の分
離系に通し、減圧蒸留塔16のカットポイント(RC
P)を288℃として、重質成分と軽質成分とを分離し
た。原料油通油開始から約450時間の時点で、原料油
基準の転化率は37.0体積%だった。また、このとき
の288℃+留分(288℃よりも重質な留分)が含む
窒素分を分析したところ、4重量ppmだった。
【0069】その後、前段への原料油通油開始から57
4時間遅れて、減圧蒸留塔16を経て得られる重質成分
の後段への供給を開始して、表3記載のジェット燃料留
分モード1の運転条件で、二段水素化分解を行った。前
段への原料油通油開始から約1531時間の時点での反
応結果は、表4のとおりとなった。前段への原料油通油
開始から約1875時間経過した時点から約460時間
の間の平均触媒劣化速度(前段転化率を約38体積%、
後段転化率を約60体積%、総合転化率を約95体積%
に維持するために必要な反応温度の上昇速度)は、前段
が0.057℃/日、後段が0.19℃/日であった。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】[後段に添加剤を添加する二段水素化分解
によるジェット燃料留分の製造] 上述のジェット燃料
留分モード1の運転に引き続き、表1のフィードAを原
料油とし、表3記載のジェット燃料留分モード2の運転
条件で、二段水素化分解を行った。ただし、t−ブチル
アミンを添加剤として用い、後段フィード(後段原料
油)中に窒素分が約0.34重量ppm添加されるよう
後段反応器12にt−ブチルアミンを供給して反応を行
った。
【0073】前段への原料油通油開始から通算約249
3時間経過した時点から約1700時間の間の平均触媒
劣化速度(前段転化率を約38体積%、後段転化率を約
60体積%、総合転化率を約95体積%に維持するため
に必要な反応温度の上昇速度)は、前段が0.042℃
/日、後段が0.058℃/日であった。前段に対する
原料油通油時間が通算約3800時間となった時点での
反応結果は、表4記載のとおりとなった。
【0074】このとき得られた生成物を東科精機株式会
社製PME−3010SR型自動TBP蒸留装置で蒸留
して得られた127〜288℃留分は、蒸留性状(AS
TMD 86)が、10%留出温度 168.0℃、終点
273.5℃で、密度(15℃)が0.7912g/
cmであり、芳香族炭素/全炭素比率(IP 39
2)が4%、煙点が31mmであった。以上より、高品
質なジェット燃料留分が高収率で得られることが判っ
た。また、後段に添加剤を添加して運転することによ
り、ジェット留分収率が改善するとともに、後段触媒劣
化速度が大幅に低下することが判った。
【0075】[二段水素化分解による中間留分の製造]
上述のジェット燃料留分モード2の運転に引き続き、
表1のフィードAを原料油とし、運転条件を表3記載の
中間留分モードに変更して二段水素化分解を行った。た
だし、t−ブチルアミンを添加剤として用い、後段フィ
ード(後段原料油)中に窒素分が約0.34重量ppm
添加されるよう後段にt−ブチルアミンを供給して反応
を行った。前段への原料油通油開始からの通算通油時間
が約4640時間となった時点でのジェット燃料留分モ
ード2における反応結果は、表4記載のとおりとなっ
た。
【0076】このとき得られた生成物を東科精機株式会
社製PME−3010SR型自動TBP蒸留装置で蒸留
して得られた166〜371℃留分は、蒸留性状(AS
TMD 86)が、5%留出温度 194.0℃、10%
留出温度 199.0℃、50%留出温度 262.0
℃、90%留出温度 336.0℃、95%留出温度3
45.0℃、終点 351.5℃で、密度(15℃)が
0.8200g/cm であり、イオウ分が1重量pp
m未満、セタン指数(ASTM D 4737)が56.
8、芳香族炭素/全炭素比率(IP 392)が5%で
あった。以上より、高品質なディーゼル燃料用軽油留分
を含む中間留分が高収率で得られることが判った。
【0077】[細孔特性の測定方法] 窒素吸着法による
細孔特性の測定には、Micromeritics社製
ASAP2400型測定器を用いた。細孔直径と細孔容
積の関係は、BJH法によって算出した。また、中央細
孔直径は、窒素吸着法において相対圧0.9667の条
件で得られる細孔容積をVとするとき、細孔直径の大き
い側からの累積細孔容積がV/2となる細孔直径として
算出した。水銀圧入法による細孔特性の測定には、Mi
cromeritics社製AutoPore9200
型測定器を用いた。水銀圧入法による細孔特性の計算
は、水銀の接触角を140゜、表面張力を480dyn
es/cmとし、全ての細孔は円筒形であると仮定して
行った。
【0078】[ゼオライトのアンモニアTPD酸量の測
定方法] マッフル炉を用い600℃で1時間加熱処理
した後、デシケーター中で室温まで放冷したゼオライト
試料約50mgを秤量して測定セルにとり、アンモニア
TPD酸量測定装置(日本ベル株式会社製、TPD−1
−AT)に装着した。この試料を1.3×10−5To
rrの減圧下、10℃/分で500℃まで昇温し、減圧
下500℃で30分処理した。その後、減圧下で100
℃まで降温した後、セル内にアンモニアを100Tor
rで導入し、100℃で30分間放置した。その後、1
00℃で30分減圧処理した後、ヘリウムガスをセル内
に導入し、50mL/分の流速で1時間流通させた。以
上のような前処理の後、10℃/分で試料を昇温しなが
ら質量分析計(日電アネルバ株式会社製、四重極型質量
分析計AQA−100R)を用いて、測定圧力9×10
−6Torrで、質量数16をモニターすることによ
り、脱離するアンモニアを定量した。600℃まで昇温
した後、さらに20分間600℃に保持して、脱離する
アンモニアの定量を続けた。以上の方法で70分間に脱
離したアンモニアの総モル数を求め、その値をゼオライ
ト試料量で除することにより、ゼオライトのアンモニア
TPD酸量を算出した。
【0079】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高い分解活性、
安定性、および中間留分選択性を兼ね備えた二段水素化
分解による中間留分の製造を可能にする。また、より低
品位の原料を転化して、環境規制に適合し、かつ燃料と
しての特性にも優れた高品質の中間留分を得ることを可
能にする。
【0080】二段水素化分解工程全体として、高い転化
率を示し、その分解反応が長期間安定に進行し、かつ、
中間留分の選択性が高い、中間留分を製造するための二
段水素化分解方法およびそのための触媒を提供すること
が可能となる。また、より低品位の原料を転化して、環
境規制に適合し、かつ燃料油などの石油製品としての性
能に優れた高品質の中間留分の製造方法を提供すること
もできる。さらに、この水素化分解において、触媒再生
時の機会損失が少なく、運転フレキシビリティの高い、
触媒再生方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に実施例で用いた二段水素化分解装置
を示す図。
【符号の説明】
11 前段反応器 12 後段反応器 13 前段高圧分離槽 14 後段高圧分離槽 15 ストリッパー 16:減圧蒸留塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10G 67/02 C10G 67/02 (72)発明者 小山 博紀 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 株式 会社ジャパンエナジ−内 (72)発明者 十河 清二 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 株式 会社ジャパンエナジ−内 (72)発明者 坂口 太 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 株式 会社ジャパンエナジ−内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA10 AA12 BA01A BA01B BA03A BA03B BA07A BA07B BA21C BA45A BB01C BB04A BB04B BC60A BC60B BC68A BC68B BD04C BD08C BE21C CC05 EA02Y EB18Y EC07Y EC14Y EC18Y GA06 GA16 ZA04A ZA04B 4H029 DA01 DA12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)316℃以上の沸点を有する炭化
    水素成分を含む前段原料油を、水素の存在下、前段触媒
    と接触させて、前段生成物を得る工程; (2)前段生成物を重質成分と、目的とする中間留分を
    含む軽質成分とに分離する工程; (3)後述する後段生成物の重質成分の一部分および前
    段反応生成物の重質成分を含む後段原料油を水素の存在
    下、後段触媒と接触させて、後段生成物を得る工程;お
    よび、 (4)後段生成物を重質成分と、目的とする中間留分を
    含む軽質成分とに分離する工程とを含む二段水素化分解
    であり、 前段触媒の分解活性が、後段触媒の分解活性よりも高い
    ことを特徴とする二段水素化分解による中間留分の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の前段触媒および後段触媒
    が、ゼオライトを含み耐火性酸化物からなる担体に非貴
    金属の水素化活性成分を担持したものである請求項1記
    載の二段水素化分解による中間留分の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の前段触媒が、ゼオライト
    を含む担体に水素化活性成分を担持したものであり、 請求項1記載の後段触媒が、前段触媒以上の含有量のゼ
    オライトを含まない担体に水素化活性成分を担持したも
    のである請求項1記載の二段水素化分解による中間留分
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の前段触媒が、ゼオライト
    を含む担体に水素化活性成分を担持したものであり、 請求項1記載の後段触媒が、前段触媒の担体に含まれる
    ゼオライトのアンモニアTPD酸量以上となるゼオライ
    トを含まない担体に水素化活性成分を担持したものであ
    る請求項1記載の二段水素化分解による中間留分の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の後段触媒が、窒素分を
    0.01重量%以上含有する請求項1記載の二段水素化
    分解による中間留分の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の二段水素化分解による中
    間留分の製造方法における前段触媒の再生方法におい
    て、 非貴金属の水素化活性成分が担持された前段触媒を加熱
    条件下酸素雰囲気とした後、硫黄化合物と接触させる触
    媒再生工程と、 前段原料油を水素の存在下、後段触媒と接触させて、生
    成物を得る工程とを同時に行う水素化分解触媒の再生方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の二段水素化分解による中
    間留分の製造方法における後段触媒の再生方法におい
    て、 非貴金属の水素化活性成分が担持された後段触媒を加熱
    条件下酸素雰囲気とした後、硫黄化合物と接触させる触
    媒再生工程と、 前段原料油を水素の存在下、前段触媒と接触させて、生
    成物を得る工程とを同時に行う水素化分解触媒の再生方
    法。
  8. 【請求項8】 (1)316℃以上の沸点を有する炭化
    水素成分を含む前段原料油を、水素の存在下、前段触媒
    と接触させて、前段生成物を得る工程; (2)前段生成物を重質成分と、目的とする中間留分を
    含む軽質成分とに分離する工程; (3)後述する後段生成物の重質成分の一部分および前
    段反応生成物の重質成分を含む後段原料油を水素の存在
    下、後段触媒と接触させて、後段生成物を得る工程;お
    よび、 (4)後段生成物を重質成分と、目的とする中間留分を
    含む軽質成分とに分離する工程とを含む二段水素化分解
    に用いる前段触媒であって、前段触媒の分解活性が、後
    段触媒の分解活性よりも高いことを特徴とする二段水素
    化分解用触媒。
  9. 【請求項9】 (1)316℃以上の沸点を有する炭化
    水素成分を含む前段原料油を、水素の存在下、前段触媒
    と接触させて、前段生成物を得る工程; (2)前段生成物を重質成分と、目的とする中間留分を
    含む軽質成分とに分離する工程; (3)後述する後段生成物の重質成分の一部分および前
    段反応生成物の重質成分を含む後段原料油を水素の存在
    下、後段触媒と接触させて、後段生成物を得る工程;お
    よび、 (4)後段生成物を重質成分と、目的とする中間留分を
    含む軽質成分とに分離する工程とを含む二段水素化分解
    に用いる後段触媒であって、後段触媒の分解活性が、前
    段触媒の分解活性よりも低いことを特徴とする二段水素
    化分解用触媒。
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