JPH0655914B2 - ジブチルスズオキシド含有触媒ペーストの製法 - Google Patents

ジブチルスズオキシド含有触媒ペーストの製法

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JPH0655914B2
JPH0655914B2 JP2413578A JP41357890A JPH0655914B2 JP H0655914 B2 JPH0655914 B2 JP H0655914B2 JP 2413578 A JP2413578 A JP 2413578A JP 41357890 A JP41357890 A JP 41357890A JP H0655914 B2 JPH0655914 B2 JP H0655914B2
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binder
dibutyltin oxide
acid
water
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ガーブリエレ・ビユトナー
ノルベルト・ダーフイート
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ヘルバーツ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ジブチルスズオキシド(DBT
O)ベース型陰極分離性(cathodoically separable)
電気泳動浸漬塗装ラッカー(electrophoretic dipping
lacquers)のための触媒ペーストの製法に関する。
【0002】陰極分離性電気泳動浸漬塗装(elect
rophoretic dip lacquerin
g)は、電導性表面、例えば金属、電導性プラスチッ
ク、電導性ラッカーの層等の表面を塗装する既知の方法
である。この方法を用いると陰極に接続されている作業
場所にラッカー粒子が電気泳導浸漬塗装用浴から析出さ
れる。次にこれらの凝析された粒子は、均質円滑な表面
を形成するように展着され、その後化学的に交さ結合さ
れる。展着及び交さ結合処理は、基材を加熱することに
よって促進されることが多い。
【0003】多くの応用の場合、例えば自動車工業にお
いて、外観が特に良好であるコーティングが達成される
ことが肝要である。従って、コーティングは、種々の異
なった表面上均一均質な外観をもたなければならず、又
均一に層形成しなければならない。同様に、表面の欠
陥、例えばくぼみ、ピンホール又は凝析が見えることは
許されない。これらは、使用されるバインダーのため
か、又は顔料の分散のためである。
【0004】バインダー、例えばゲル粒子のための欠陥
は不均質性が樹脂合成の間に存在する、例えば不均質性
が異なった分子及び樹脂構造、そして可能性としてゲル
の形成を起こす場合に生じることがある。又バインダー
を合成して後、電気泳動浸漬塗装ラッカーコーティング
媒体を得るために更に処理する間過度に高い温度が使用
されることがある。このことは、堆積現象を生じること
がある。又交さ結合が尚早に起こる可能性がある。これ
らのゲル粒子は、堆積したラッカーに表面の欠陥を起こ
すことがある。従ってこれらの粒子は、濾過によって除
去されなければならず、さもなければバインダーを製造
処理するときある温度範囲を超えてはならない。
【0005】顔料分散、即ち非溶解性構成要素、例えば
顔料、触媒等の分散が一般にバインダー中、又しばしば
特殊的なペースト用バインダー中起こる。このペースト
用バインダーは、イオン性基か又は適当な酸を用いる中
和によってイオン化される基を有することがある。顔料
は、酸、溶媒、場合によっては完全脱イオン水その他の
添加剤とこのペースト性バインダーとの混合物中に撹拌
して入れられる。適当な粘度に調整して後、得られたペ
ーストを粉砕して所要の粒度とする。この方法の場合に
は、粉砕ユニット中適当なドウェル時間が良好な分散の
前提とされる。粉砕ユニットは、例えばビーズミルであ
ってもよい。
【0006】この粘稠なペーストの分散は、かなりの量
の熱を生じる。この熱は、冷却によって粉砕の間にペー
ストから除去されなければならない。さもなくばペース
トが不可逆的な変化を受けることがあるからである。従
って、良好な分散を達成するためくり返して粉砕装置に
ペーストを通すことが必要なことがある。このことはき
わめてエネルギー及びコスト集約的であり、後の段階で
ペーストに悪い影響を生じる可能性がある。
【0007】異なった顔料−この用語は、他の非溶解性
の構成要素、例えば固体触媒をも包含するものとする−
は異なった分散性を有する。この関係では、しばしば使
用される粉末状触媒、ジブチルスズオキシドは分散させ
るのが特に困難であることが示されている。分散不良の
触媒が尚電気泳動浸漬浴中触媒として作用することがあ
るが、得られたフィルムの表面は通常不適格である。こ
のような表面は、ピンホール又はくぼみを有し、後で更
に表面コーティングを施用する前に研磨及び処理されな
ければならない。
【0008】EP−B 0 193 685は、ペース
ト用樹脂中にDBTOが分散されているDBTOペース
トを記載している。ペーストを得るため、ペースト用バ
インダー、ジブチルスズオキシド及び完全説イオン水を
混合し、次にこの混合物を適当なミル中粉砕する。粉砕
程度又は粉砕パスの数は示されていない。このDBTO
ペーストは、電気泳動浸漬塗装ラッカーコーティング媒
体中使用し、樹脂と共に分離することができる。EP−
A 0 251 772においてはペースト用樹脂、完
全脱イオン水及びDBTOの混合物に更に普通の湿潤剤
が添加される。コーティング媒体中容易に分散されるペ
ーストを達成するため正確な温度管理下に長時間粉砕す
ることが必要である。
【0009】ジブチルスズオキシド触媒を含有するペー
ストを提供することが本発明の目的であり、このものは
長い粉砕及び対応する温度の問題なしに、一方陰極電着
の間に欠点のないコーティングを生じる簡易な方式で製
造することができる。
【0010】この目的は、水の存在下ペースト用バイン
ダーと共にジブチルスズオキシドを粉砕することにより
本発明のジブチルスズオキシドベース型陰極分離性電気
泳動浸漬塗装ラッカーの製法によって達成することがで
きることが見出され、この方法は、ジブチルスズオキシ
ドを、粉砕に先立って、有機溶媒及び陰極分離性電気泳
動浸漬塗装ラッカーを中和するのに普通使用される有機
酸と、ジブチルスズオキシド、溶媒、酸及び水の合計に
対して5重量%までの含水量において予備分散させ、次
にペースト用バインダー及び水と分散させ、粉砕するこ
とを特徴とする。
【0011】驚くべきことに、電気泳動浸漬浴中存在す
る酸及び溶媒を部分的にプレコンディショニングするこ
とにより、粉末形態のジブチルスズオキシドをはるかに
容易に分散させることができ、その結果欠点のない良好
かつ平滑な電気泳動浸漬塗装ラッカーコーティングが得
られることが本発明により明らかとなった。同時に、ペ
ースト用バインダーは、熱応力を受けることがかなり少
なくなる。更に、顔料ペーストを製造するとき時間及び
エネルギーの利点がある。
【0012】本発明による方法の場合には、粉末状ジブ
チルスズオキシドが最初に有機溶媒中分散される。ジブ
チルスズオキシドの粒径分布は電気泳動浸漬塗装用の常
用の触媒粉末のそれに相当してよく、本発明の方法を用
いると更に粉砕が行なわれるので、粒径分布はいくらか
大きくてよい。適当な粒径は、例えば、300μmより
小さい。
【0013】予備分散に適当な溶媒は、有機溶媒、好ま
しくはOH及び(又は)SHを有するもの等である。他
の官能基、例えばNH基も存在していてよい。OH基を
有する溶媒が好ましい。
【0014】この目的のために適当な溶媒は、例えば (1) 50〜300℃、好ましくは90〜250℃の
沸点を有し、そして(又は) (2) 32〜450、好ましくは32〜300の分子
量を有し、そして (3) 少なくとも一部分ペースト用バインダーと混和
性であり、仕上顔料ペーストが分離するのを防止し、そ
して (4) 施用の条件下、即ち分散の間液体形態で利用で
きる。
【0015】このような溶媒の例は、1つ又はそれ以上
のOH基を有する脂肪族又は芳香族アルコール、例えば
メタノール、エタノール、ヘキサノール、シクロヘキサ
ノール、イソブタノール、2−エチル−ヘキサノール、
〜C11アルキルフェノール、エチレングリコー
ル、ブチレングリコール、ジブチルレングリコール、グ
リセリン又はヒドロキシアセトンである。アミノアルコ
ール、例えばジメチルアミノプロパノール、ジブチルア
ミノプロパノール又はシクロヘキシルアミノブタノール
も適当である。他の適当な溶媒は、OH−含有エーテ
ル、エステル又はアミド、例えばエトキシエタノール、
エトキシプロパノール、ヘキソキシプロパノール、ヘキ
ソキシブタノール、ヒドロキシエチルアセタート、ヒド
ロキシブチルアセタート、ジ(ヒドロキシプロピル)−
マロン酸エステル又はヒドロキシプロピル−アセトアミ
ドである。これらの溶媒の混合物も適当である。
【0016】他のヘテロ原子を含有する類縁の化合物、
例えばチオフェノール、チオプロパノール及びプロパン
ジオール等の脂肪族又は芳香族チオールも適当である。
前記の溶媒は、個々に、又は互に反応しないかぎり組み
合わせて使用することができる。
【0017】他の非反応性溶媒も又添加することができ
る。例は、線状又は分枝状脂肪族又は芳香族炭化水素、
例えばトルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキ
サン又はイソデカンである。ケトン又はエステル、例え
ばメチルイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、ブチルアセタート、アセトフェノン、
アセト酢酸エステル、イソプロピルプロピオネート、t
−ブチルアセタート又は2−エチルヘキシル−ブチラー
トも使用することができる。その外、ある種のエーテ
ル、例えばジイソブチルエーテル、メチルイソブチルエ
ーテル又はジ−t−ブチル−ジエチレングリコールエー
テルも適当である。
【0018】OH基を有する溶媒が好ましく、エチレン
及び(もしくは)プロピレングルコール又は50〜20
0g/モルの分子量を有するエチレンもしくはプロピレ
ングルコールモノエーテルが特に好ましい。
【0019】上に例示されたような溶媒を使用すること
が有利であり、それらは又常法で電気泳動浸漬浴の特性
を改変するために浴に添加される。
【0020】予備分散の過程において、溶媒の外に有機
酸が添加される。このものは、例えば後で電気泳動浸漬
塗装ラッカー中陰極分離性バインダーを中和する常法に
おいて使用される酸であり、その中に本発明のジブチル
スズオキシドが触媒として導入される。それは後でバイ
ンダー用に使用されるものと同じ酸であってよく、又は
異なった酸であってよい。
【0021】有機酸は、電気泳動浸漬用ラッカーを中和
するのに使用される常用の酸である。それらは好ましく
は一塩基酸、例えばギ酸、酢酸、乳酸、ジブチル−燐酸
およびオクタン酸である。
【0022】予備分散のために使用される酸の割合は、
例えば、使用されるDBTOモルあたり酸0.05〜5
モルである。
【0023】酸は実質的に無水の方式で添加される。こ
のことは、酸、溶媒、DBTO、水及び場合によっては
予備分散される湿潤剤の混合物全体の含水量が、5重量
%以下、好ましくは2重量%以下の量であることを意味
する。下限は好ましくは0.5重量%である。
【0024】一般に、酸は、使用される溶媒に可溶性で
あり、溶解された状態で溶媒中に存在することが有利で
あるが、このことは必須ではない。
【0025】所要の場合には、消泡剤又は湿潤剤、例え
ば2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7
−ジオール等の添加剤を予備分散される混合物に添加し
てよい。一般に、このような添加剤、特に湿潤剤の全量
は、全混合物を基にして3重量%までの量である。
【0026】溶媒又は溶媒混合物、酸及び可能性として
湿潤剤中DBTOを予備分散させる時、溶媒の量は、適
当な粘度に達するように、即ちかきまぜ器具、例えば迅
速作用撹拌器(溶解器)中撹拌するのに適当な低粘度の
液状体を得るように選択される。一方、このものの粘度
は、分散された粒子が容易に再沈降する程低くてはなら
ない。有利な粘度を達成するためには、DBTOと溶媒
との重量比は4:1〜1:4であってよい。混合物があ
まりにうすい場合には、良好な安定性を達成するために
DBTOの量を上げてよい。粘度があまりに高い場合に
は、適当な分散を確保するため溶媒を添加してよい。予
備分散は、撹拌器具、例えば迅速作用撹拌器(溶解器
等)を用いて行なわれる。
【0027】分散時間及び温度は、粘度、酸及び溶媒の
型、並びに撹拌器具の型等の種々の因子によってきま
る。一般に0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間の撹
拌時間が適当である。温度は、使用される溶媒の沸点を
超える加熱、一般に110℃を超える加熱を防止するよ
うにコントロールされる。このことは適当な冷却又は加
温によって達成することができる。原理的には、溶媒の
沸点未満のいずれの温度においても作業することが可能
であるが、有利な分散時間を達成する観点からは、少な
くともわずかに高温、例えば約40℃又はそれ以上が有
利である。好ましいのは50〜80℃の範囲である。
【0028】予備分散に引続いて、ペースト用バインダ
ー及び水を添加して後、得られたディスパージョンを更
に分散させ、粉砕する。ペースト用バインダーは、予備
分散の後直接、又長い待ち時間なしに添加されることが
有利である。ペースト用バインダーが、例えば、最初に
そして水が第二に添加されてよく、又はペースト用バイ
ンダーと水との混合物を添加してよい。
【0029】ペースト用バインダーは、それがポンプ処
理可能である粘度において添加される。この目的でそれ
を溶媒と混合してよい。電気泳動浸漬塗装ラッカーに普
通使用される溶媒及び予備分散用溶媒共に溶媒として使
用するのに適当である。
【0030】DBTOペーストを調製するのに適当なペ
ースト用バインダーは、例えばこの目的で普通使用され
るバインダーである。それらはペースト樹脂として知ら
れている。しかし、それら又、例えばコーティングを形
成するために電気泳動浸漬塗装ラッカー中使用され、そ
して例えば電気泳動浸漬塗装ラッカーコーティング媒体
用バインダーとして以下引用されるバインダーであって
よい。一般にそれらは、良好な水溶解性、又良好な湿潤
性能の特性を有している。このようなペーストバインダ
ーの例は、例えばPE−A 0 183 025又はE
P−A 0 270 877に記載されている。それら
は、例えば第四アンモニウム基により水中分散すること
ができるか、又は酸で中和して後水中分散させてよい樹
脂である。後者の場合には、予備分散に使用される酸の
量は、樹脂を分散させるのに適当なように選択される。
【0031】水は完全に脱イオンされた形態で添加され
る。
【0032】ペースト用バインダー及び水は、好ましく
は撹拌しながらディスパージョンに添加される。この量
は粉砕に必要な粘度によってきまる。一般に、DBTO
とペースト用バインダーの重量比(固体を基にして)
は、1:4〜4:1、好ましくは1:2〜2:1であ
る。水の量は、一般に少なくともバインダーと同じであ
る。上限はペーストの所要の粘度によってきまる。
【0033】均質化された混合物は、次にミル、例えば
多区画ミル中常法で粉砕してよい。この処理の場合に有
利な滞留時間は、いくつかの試験の後専門家によって決
定されることができる。それは流速、区画の大きさ、湿
度の低下及び粉砕体の量及び型によってきまる。この処
理によって均質な光沢のない顔料ペーストが生じる。所
要の自由流動性形態で貯蔵されるときこのペーストは安
定であり、長時間の後沈澱はない。
【0034】このようにして得られた触媒ペーストに可
能性として更に中和剤、更に湿潤剤、更に水及び追加の
顔料を添加することにより、着色顔料ペーストをつくる
ことが可能である。このものは、次に適当な粉砕ユニッ
ト、例えばビーズミル中所要の粒度まで粉砕することが
できる。得られた顔料ペーストから、完全脱イオン水で
希釈する前に、次に電気泳動浸漬塗装ラッカーコーティ
ング媒体をバインダーのディスパージョンと共に2成分
材料として、又は所要のラッカーバインダーと混合され
た1成分材料として得ることが可能である。次にこの電
気泳動浸漬塗装ラッカーコーティグ媒体を使用して伝導
性基材をコーティグし、その後常法によってラッカーフ
ィルムを交さ結合させることができる。勿論、顔料を使
用しない場合も可能である。この場合、鮮明な電着コー
ティングが得られる。
【0035】顔料ペーストに添加するのに適当な顔料
は、例えば市販の顔料である。例えば、二酸化チタン、
カーボンブラック、有機着色顔料、干渉顔料、珪酸アル
ミニウム、硫酸バリウム、クロム酸鉛、炭酸鉛又は層状
珪酸塩を使用することができる。
【0036】他の一つの可能性は、次にそして更に粉砕
することなしに電気泳動浸漬塗装ラッカーコーティグ材
料に本発明によって得られた触媒ペーストを添加するこ
とが含まれる。この場合にも、焼付けられた陰極浸漬塗
装された(cathodically dip−lac
quered)フィルム上平滑な欠陥のない表面をデポ
ジットされたまま達成することが可能である。
【0037】電気泳動浸漬用ラッカー媒体と共に使用さ
れるバインダー又はバインディング用混合物は、常用の
塩基性フィルム形成性樹脂もしくは樹脂混合物又は交さ
結合剤である。適当な樹脂の例は、例えばPE−A 0
261 385に記載されている。それらは、例えば
オレフィン性基を含有する単量体のラジカル重合によっ
て製造することができる樹脂である。それらは、所要の
場合には、OH、SH又はアミノ基又は他の官能基を含
有してよい。N−含有不飽和単量体の例は、N−ジアル
キル−又はN−モノアルキル−アミノアルキル(メタ)
−アクリラート、N−ジアルキル−又はN−モノアルキ
ル−アミノアルキル−(メタ)アクリルアミド及び(又
は)ビニル基を含有する1つ又はそれ以上の塩基性窒素
原子を有する異項環化合物、例えばN−ビニル−イミダ
ゾールである。
【0038】OH基を含有する重合性の単量体は、例え
ばヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート又はアクリ
ルアミドである。他の重合性化合物は、例えばアリルア
ルコール、ポリ−アルコールのモノビニルエーテル、ビ
ニル芳香族化合物、(メタ)アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリロニトリル及びモノアルコールのビニルエー
テルである。これらの化合物は、溶液又は乳化重合によ
って常法で処理して重合体とすることができる。
【0039】本発明に従って使用されるバインダーは、
イオン性置換分又はイオン性基に変化することができる
置換分を含有してよい。それらの例は、第一、第二又は
第三アミノ基、第四アンモニウム置換分及び第三硫黄置
換分である。バインダーがイオン性又はイオン化可能な
基を含有しない場合には、それらはそれ自体水分散性バ
インダーではなく、他の水分散性バインダーと組み合わ
せてのみ使用することができる。
【0040】単量体を介して適当な官能基を直接バイン
ダー中に導入することができるが、重合の後反応によっ
て必要な特性をもつ置換分を導入することも可能であ
る。同様に、交さ結合することができる基、例えば半ブ
ロック型イソシアナートをこの方式で導入することがで
きる。
【0041】バインダーの溶解性は、アミノ又はOH官
能の数によって影響されることがある。同様に、少なく
とも2つの反応性の基、例えば反応性OH基、反応性ア
ミノ基、反応性SH基又はブロック型イソシアナートが
フィルム中良好な交さ結合のために必要である。この数
は、反応の間対応する単量体の量によってコントロール
されるべきである。バインダーは、好ましくは1500
〜30000、好ましくは2500〜20000の分子
量を有する。
【0042】他の適当なバインダーが、例えばEP−A
0 082 291、DE−OS36 15 810
又はEP−A 0 234 395に記載されている。
それらは塩基性塩基樹脂であり、そのアミン価は20〜
250であってよく、数平均分子量は300〜1000
0であってよい。塩基性基として次の基がある:−NH
、−NRH、−NR、−NR、−SR、−
PR。窒素塩基性の基が好ましい。塩基樹脂は、例
えば、既知の第一、第二又は第三アミンを用いて得られ
るアミノ−エポキシ樹脂である。アミノ−エポキシ樹脂
の化学構造及びその特性は、大きく左右させることがで
きる。使用されるエポキシ樹脂及びアミンの適当な選択
により、量及び官能性OH基を変えることにより、分子
量を変えることにより、また軟質及び硬質分子部分の比
を修正することにより特性を所望のように左右すること
ができる。塩基樹脂は、例えば第一又は第二OH基をも
つアミノ−エポキシ樹脂、アミノ−ポリウレタン樹脂及
びビスフェノールA、反応性アミン及びホルムアルデヒ
ドをベースとするマンニヒ塩基、末端二重結合を有する
アミノエポキシ樹脂、並びにジヒドロキシジビニルメタ
ン(ビスフェノールF)又はジヒドロキシジビニルプロ
パン(ビスフェノールA)をベースとする環状カーボナ
ートによるアミンの変換生成物である。
【0043】塩基樹脂は、自己交さ結合性であっても又
は外部の薬剤で処理するとき交さ結合を起こすものであ
ってもよい。適当な交さ結合剤は、例えばブロック型ポ
リイソシアナートメラミン樹脂、並びに再エステル化及
び再アミド化することができる交さ結合剤である。これ
らの交さ結合剤は、文献によく記載され、例えばDE−
A 16 69 593中トリアジンベースの交さ結合
剤、“Farbe und Lock”1989、第1
2発行本、1983、28頁以下中マスク型イソシアナ
ートベースの交さ結合剤及びEP−A 0 004 0
90又はDE−A 34 36 345中再エステル化
又は再アミド化することができる交さ結合剤である。交
さ結合剤は、個々に又は組み合わせて添加することがで
きる。好ましいのはブロック型イソシアナートを含有す
るバインダー又はバインダー混合物、例えばブロック型
イソシアナートによって交さ結合が生じるアミノ−エポ
キシ樹脂である。
【0044】これらのバインダーは酸を用いて中和し、
水相に移すことができる。この処理において使用される
有機酸は、好ましくは一塩基性酸、例えばギ酸、酢酸、
乳酸、ジブチル燐酸及びオクタン酸である。バインダー
を中和するのに使用することができる酸の一部は、本発
明による触媒ペーストを得る目的で予備分散の間に用い
ることができる。電気泳動浸漬塗装浴からの必要な量を
酸を使用することにより、DBTOペーストを製造する
とき不必要な追加の酸が使用されないことを確実にす
る。
【0045】電気泳動浸漬浴に添加剤、例えば可塑剤を
適当な方式で添加することも可能である。可塑剤とし
て、例えばフタラート、ポリビニルエーテル又はポリア
ルキレンオキシドもしくはそのエーテルを使用すること
ができる。また所要の場合には、フィルムの特性に影響
を与えるため低分子量非中和性の樹脂を少量ずつ添加す
ることができる。
【0046】電気泳動浸漬塗装コーティング媒体は1成
分材料又は2成分材料である。即ち電気泳動浸漬浴は、
単一成分から希釈によって得られるか、又は固定された
比のバインダーディスパージョン及び顔料ペーストを組
み合わせる混合物から得られ、この混合物は希釈され
る。触媒ペーストは、顔料ペーストを用いて浴に添加さ
れるか、又は後の段階で電気泳動浸漬ラッカーに添加さ
れてもよい。それは迅速に均質化される。使用される触
媒ペーストの量は、樹脂バインダー混合物に対する触媒
作用によってきまる。それは実験によって容易に求める
ことができる。
【0047】このようにして得られた電気泳動浸漬塗装
浴は、金属性伝導性基材を既知の方式でコーティングす
ることが可能である。デポジットされた電気泳動浸漬塗
装コーティングは、高温において展着され、交さ結合さ
れる。乾燥フィルムの厚さは10〜50μmである。他
の1方法は、電気泳動浸漬塗装ラッカーフィルムに湿対
湿(wet−on−wet)で更にコートを施用し、こ
の処理が完了してからそれらを焼付けることである。二
次コーティングは、常用のフィラー、トップラッカー、
金属ベースラッカー及び(又は)透明ラッカーであって
よい。それらは溶媒含有系、水性系又は二成分であって
よい。得られたコーティングは、平滑高密度均質な表面
の特性をもつ。特にそれらは、水平な平面に欠陥、例え
ばふくらみ、ピンホール又はくぼみを含まない。
【0048】次の実施例は本発明を例示する。百分率は
すべて重量%である。固体含量はDIN 53 182
に従い150℃において求められる。
【0049】バインダーの製造
【実施例1】ビスフェノールA228部(1モル)をト
ルエン131部の存在下にジエチルアミノプロピルアミ
ン260部(2モル)及びパラホルムアルデヒド66部
(91%、2モル)と、共沸エントレイナーを用いて反
応によって生じる水42部が分離される点まで反応させ
る。ジエチレングリコールジメチルエーテル152部の
添加及び30℃までの冷却に引き続いて、2−エチルヘ
キサノールを用いて半分ブロックされたトルエンジイソ
シアナート608部(2モル)を45分間にわたって添
加する。NCO価が実質的に0に達した時、この溶液1
400部をジエチレングリコールジメチルエーテル38
9部、ビスフェノールAベースのエポキシ樹脂190部
(エポキシ当量約190)及び飽和第三C〜C11
ノカルボン酸のグリシジルエステル250部(1モル)
の溶液と混合し、95〜100℃においてエポキシ価0
まで反応させる。固体樹脂100gあたりギ酸40ミリ
モルの添加の後には、生成物は水で完全に希釈されなけ
ればならない。
【0050】
【実施例2】EP−B−12 463に従って、ジエタ
ノールアミン391g、3−(N,N−ジメチルアミ
ノ)プロピルアミン189g及び2モルのヘキサンジア
ミン−1,6及び4モルのバーサチック酸のグリシジル
エステルよりなる付加物1147gをエトキシプロパノ
ール3000g中ビスフェノールAエポキシ樹脂527
g(エポキシ当量約475)に添加する。反応混合物を
撹拌下4時間85〜90℃に、次に1時間120℃に保
つ。その後、エトキシプロパノールで希釈して固体含量
60%とする。
【0051】
【実施例3】3モルのトルエンジイソシアナート及び1
モルのトリメチロールプロパンよりなる反応生成物の溶
液(酢酸エチル中75%)431gに、撹拌下70℃に
おいてカプロラクタム160gをゆっくり添加する。次
に反応混合物を、NCO含量が実質的に0に低下するま
で70℃に保つ。次に2−ブトキシエタノール(204
g)を添加し、カラムを通して酢酸エチルを留去して固
体含量70%とする。
【0052】顔料ペーストの製造
【実施例4】エトキシプロパノール30g、2,4,
7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール
湿潤剤3.0g、ギ酸(50%)3.0g及びジブチル
スズオキシド40gを溶解器中混合し、約2時間50〜
60℃において分散させる。次にこれにEP−A 0
183 025、実施例5によるペースト用樹脂(80
%)41gを撹拌下に、次に完全脱イオン水73gを添
加する。次にこの混合物を適当なミル中2粉砕パスで所
要の細かさまで粉砕する。液状の粘稠な光沢のない顔料
ペーストが得られる。
【0053】
【比較試験A】次の物質を順次迅速作用撹拌器中添加
し、混合する:エトキシプロパノール37.5g、2,
4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオ
ール湿潤剤3.8g、ギ酸(50%)3.8g、EP−
A 0 183 025、実施例5によるバインダー
(80%)51.5g、ジブチルスズオキシド50g及
び完全脱イオン水103.5g。この混合物を均質にな
るまで撹拌し、次に実施例4と同じミル中2粉砕パスで
粉砕する。液状の粘稠な光沢のない顔料ペーストが生じ
る。
【0054】
【比較試験B】次の物質を順次迅速作用撹拌器中添加
し、混合する:エトキシプロパノール37.5g、2、
4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオ
ール湿潤剤3.8g、ギ酸(50%)3.8g、EP−
A 0 183 025、実施例5によるバインダー
(80%)51.5g、ジブチルスズオキシド50g及
び完全脱イオン水103.5g。この混合物を均質にな
るまで撹拌し、次に適当なミル中6〜8粉砕パスで所要
の細かさまで粉砕する。
【0055】
【実施例5】エトキシプロパノール30g、湿潤剤3
g、酢酸(100%)2g及びジブチルスズオキシド4
0gを溶解器中混合し、2時間50〜60℃において分
散させる。次にEP−A 0 183 025、実施例
3記載のペースト用樹脂(55%)60g、次いで完全
脱イオン水64gを撹拌して入れる。均質化して後混合
物を適当なミル中2粉砕パスで粉砕して所要の粒度とす
る。
【0056】
【実施例6】EP−A 0 183 025、実施例5
によるバインダー(80%)75gをギ酸(50%)及
び完全脱イオン水250gと混合する。この透明なラッ
カーに実施例4記載のペースト82.5g、次いで二酸
化チタン480g、珪酸アルミニウム120g及びカー
ボンブラック13.5gを添加する。水約90gを添加
することによってこのペーストを適当な粘度に調整す
る。この顔料ペーストの固体含量は約60%である。次
にこのペーストをビーズミル中粉砕して所要の粒度とす
る。
【0057】
【比較試験C】操作は実施例6のとおりであるが、実施
例4によるペースト82.5gの代りに比較試験A記載
のペースト82.5gを使用する。残りの処理は前のと
おりである。
【0058】
【比較試験D】操作は実施例6と同じであるが、実施例
4によるペーストの代りに比較試験B記載のペースト8
2.5gを使用する。
【0059】
【実施例7】実施例2記載のバインダー378g、酢酸
(100%)7.5g及び実施例5記載のペースト85
gを混合する。これに撹拌下カーボンブラック6g及び
二酸化チタン559gを添加する。適当な粘度を達成す
るためにブチルレングリコール約500gを使用し、適
当なミルを用いて顔料ペーストを粉砕して適当な粒度に
する。
【0060】ラッカー実施例
【実施例8】実施例2記載の樹脂300g及び実施例1
記載の700g(固体含量基準)から混合物を得る。こ
の混合物から蒸溜によって溶媒の大部分を除き、乳酸4
5gと混合し、高温において固体約43%を含有するデ
ィスパージョンに変換する。完全脱イオン水で希釈して
約15%の固体含量にして後このディスパージョン11
66gに実施例6記載の顔料ペースト333gを添加す
る。固体約20%を有する陰極浸漬浴(cathodi
c dipping bath)が得られる。このCE
D浴中スチールシートをコーティングし、加熱によって
交さ結合させる。コーティングされた基材(乾燥厚さ2
0〜22μm)の表面は外観が平滑かつ均等であり、フ
ィルムの欠陥を示さない。(CED二陰極電着(cat
hodic electro depositio
n))
【0061】
【比較試験E】操作は実施例8と同じであるが、顔料ペ
ーストとして同量の比較試験C記載のペーストを添加す
る。この試験物質を使用して実施例8中既述したのと同
様にコーティングする。表面は外観があらく、フィルム
の欠陥を示す。
【0062】
【比較試験F】操作は実施例8と同じであるが、比較試
験Dに記載された顔料ペーストを使用する。この試験物
質を使用して他の場合と同様にコーティングする。得ら
れた表面は平滑かつ均質である。
【0063】
【実施例9】実施例2及び実施例3記載のバインダーを
固体含量基準で3:1の比で混合し、固体物質100g
あたりギ酸(50%)3.7gとブレンドする。この混
合物をはげしく均質化し、メトキシプロパノールを用い
て固体含量約55%に調整し、その655gに実施例7
記載のペースト719gを添加する。この材料から完全
脱イオン水で希釈することによって固体含量約17%を
もつCDL浴を得る。このラッカーは常用の基材上コー
ティングされることができる。得られた表面は均質、高
密度であり、表面の欠陥がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クラウスイエルク・クライン ドイツ連邦共和国デー−5600ヴツパーター ル2.リヒヤルト−シユトラウス−アレー 33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱イオン水の存在下ペースト用バインダー
    と共にジブチルスズオキシドを粉砕することによるジブ
    チルスズオキシドベースの陰極分離性電気泳動浸漬塗装
    ラッカーのための触媒ペーストの製法であって、ジブチ
    ルスズオキシドを、粉砕に先立って、有機溶媒及び陰極
    分離性電気泳動浸漬塗装ラッカーを中和するのに普通使
    用される有機酸及び場合によっては湿潤剤と、ジブチル
    スズオキシド、溶媒、酸及び水、及び場合によっては湿
    潤剤の合計を基にして5重量%までの含水量において予
    備分散させ、次にペースト用バインダー及び水と分散さ
    せ、粉砕することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】有機溶媒としてOH及び(又は)SH基を
    含む溶媒を場合によっては他の溶媒と組合せて使用する
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載の方法によって
    製造される触媒ペースト。
  4. 【請求項4】請求項1又は請求項2記載の製法による触
    媒ペーストを使用した陰極分離性電気泳動浸漬塗装ラッ
    カー。
  5. 【請求項5】ブロック型イソシアナート含有バインダー
    又はバインダー混合物をベースとする請求項4記載の陰
    極分離性電気泳動浸漬塗装ラッカー。
  6. 【請求項6】触媒として請求項1又は請求項2記載の製
    法によるペースト形態のジブチルスズオキシドを使用す
    ることを特徴とする電導性基材の陰極電気泳動浸漬ラッ
    カー塗装法。
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