JPH0655578B2 - サスペンシヨンシ−ト - Google Patents

サスペンシヨンシ−ト

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JPH0655578B2
JPH0655578B2 JP62201000A JP20100087A JPH0655578B2 JP H0655578 B2 JPH0655578 B2 JP H0655578B2 JP 62201000 A JP62201000 A JP 62201000A JP 20100087 A JP20100087 A JP 20100087A JP H0655578 B2 JPH0655578 B2 JP H0655578B2
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JP
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seat
shock absorber
vehicle body
relative displacement
force
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貴信 金子
利通 花井
貞博 高橋
武史 藤代
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、シートをスプリングを介して車体フロアに
支持し車輪側からの衝撃入力を緩和するようにしたサス
ペンションシートに関する。
[従来の技術] 従来のサスペンションシートとしては、例えば特開昭6
2−74728号公報記載のものがある。すなわちシー
トに加わる衝撃をスプリングで吸収すると共に、シート
の振動をショックアブソーバで減衰するようにしたもの
である。またこの従来例では、路面状況に応じてショッ
クアブソーバの減衰力を制御し、振動抑制能力を向上さ
せている。
[発明が解決しようとする問題点] ところで、前記サスペンションシートの制御は、例えば
悪路走行等において、大きな衝撃力があるときはショッ
クアブソーバの減衰力を高め、良路等では低めるように
制御しているものである。しかし、このように、良路、
悪路の判定等でショックアブソーバの減衰力を一律に制
御してしまうと、シートの変位方向とショックアブソー
バの伝達力の作用する方向とが同一のときに、車体フロ
ア側の加振力が高減衰力のショックアブソーバを介して
直接力にシートへ伝達され振動抑制能力に限界があっ
た。反面、このような加振力の伝達を低減するためにシ
ョックアブソーバの減衰力をある程度低減すると、シー
トの変位方向とショックアブソーバの伝達力作用方向と
が逆のときにシートの変位抑制力が低下する。このた
め、ふわふわした乗心地となり、アイポイントも安定し
ないものとなる。
そこでこの発明は、振動抑制能力をより向上させ、シー
トへの加振力伝達及びシートの変位をより小さくするこ
とのできるサスペンションシートの提供を目的とする。
[問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決するためにこの発明は、車体フロアに
対し昇降自在に支持されたシートと、このシート側と前
記車体フロア側との間に介設された弾性体及びシートの
振動を減衰する減衰力可変のショックアブソーバと、前
記車体フロアに対し前記シートが中立位置から遊離する
か接近するかの相対変位を検出する相対変位検出手段
と、前記検出手段が検出するフロアに対するシートの相
対変位が中立位置より遊離する変位のときは前記ショッ
クアブソーバの減衰力を低くすると共に接近するときは
高くする制御手段とからなる構成とした。
[作用] 上記構成において、車体フロア側からシートへ加えられ
る加振力は弾性体で緩和され、シートの振動はショック
アブソーバで減衰される。しかも、車体のフロアとシー
トとの相対変位が遊離する変位のときはショックアブソ
ーバの減衰力が低められ、接近するときは高められる。
[実施例] 以下、この発明の実施例を説明する。
第2図から第13図はこの発明の一実施例に係るサスペ
ンションシートを示し、このサスペンションシートは第
3図から第5図に示すようにシート1、昇降リンク7、
スプリング25、ショックアブソーバ38を備え、ショ
ックアブソーバ38は第2図に示す制御装置121で制
御されるように構成されている。
まず、シート1の一般的な説明をすると、このシート1
はシートクッション3とリクライニング可能なシートバ
ック5とで構成されている。前記シート1は昇降リンク
7を介して車体フロア8に対し昇降可能に支持されてい
る。この昇降リンク7は、シート1の車幅方向左右に一
対備えられているもので、連結ピン10で連結されX状
に配置された第1レバー11と第2レバー13とで構成
されている。
前記第1レバー11のシート1前後方向後端は、第1支
持部材15を介してシート1側に回転自在に支持されて
いる。第1支持部材15は、シート1のシートクッショ
ンフレーム16に固定されたベースプレート17に固定
されているものである。第1レバー11のシート1前後
方向前端は、第2支持部材19を介して車体フロア8に
取付けられた取付プレート9に支持されている。この第
2支持部材19は第1レバー11前端のローラ11a を
シート1前後方向へ移動可能に支持するよう構成されて
いる。
前記第2レバー13は、シート1前後方向後端が取付プ
レート9に固定された第3支持部材21を介して取付プ
レート9に回転自在に支持され、同前端のローラ13a
は第4支持部材23を介してシート1側のベースプレー
ト17に支持されている。この第4支持部材23は第2
支持部材19と同様に第2レバー13前端のローラ13
a をシート1前後方向に移動可能に支持している。14
はストッパラバである。
こうして支持されたシート1側と車体フロア8側との間
にはシート1に下降荷重が作用した時、この荷重に対抗
する弾性体たるスプリング25が介設されている。スプ
リング25は一対のコイルスプリングで構成され、ベー
スプレート17上にほぼ水平に配置されている。このス
プリング25の後端は第1レバー11の後端における第
1ブラケット26間のピン27に取付けられている。第
1ブラケット26は第1レバー11の後端間にて第1レ
バー11の回転軸心に対し偏心して固定されたロッド2
8に固着されたものである。スプリング25の前端は双
腕レバー29の両端に連結されている。双腕レバー29
の中央には第1連動リンク31が枢支され、第1連動リ
ンク31は第2連動リンク32に枢支されている。第2
連動リンク32はその中間部がベースプレート17に取
付けられた固定リンク48に枢支され、第2連動リンク
32の他端に形成された長孔32a が移動体33のピン
33a に嵌合している。移動体33はシート1幅方向に
延設された双方向ねじ34に螺合されている。双方向ね
じ34は両端がベースプレート17に固定された軸受3
5に支持され、中間部が減速機36a 、36b を介し、
ベースプレート17に固定された駆動モータ37に連動
構成されている。
また、前記シート1側と車体フロア8側との間にはシー
ト1の振動を減衰する減衰力可変のショックアブソーバ
38が介設されている。前記ショックアブソーバ38は
シート1の前部にてシート1の幅方向に配置され、ピス
トンロッド39が第1回動リンク40に相対回転自在に
支持されていると共に、この第1回動リンク40は第2
回動リンク41に回転自在に連結されている。そして第
2回動リンク41はベースプレート17の先端に立設さ
れた立設ブラケット42に回転自在に支持されている。
また、ショックアブソーバ38のストラットチューブ4
9は端部に固定された連結ボス44を介し、取付プレー
ト9に固定された第3ブラケット45に回動自在に支持
されている。第3ブラケット45は、取付プレート9に
ビス止めされた取付片46に固定されている。
そして前記ショックアブソーバ38は、例えば第6図か
ら第9図に示すように駆動装置47により低減衰力状態
(ソフト)と高減衰力状態(ハード)とへ切替え可能に
構成されている。ショックアブソーバ38のチューブ4
3は、ストラットチューブ49に着脱可能に内蔵されて
おり、アウタチューブ43a とインナチューブ43b と
からなるツインチューブ式をなす。ピストンロッド39
は、上端がチューブ43上方へ突出し、下端に後述の手
段によりピストン51を固定する。ピストン51は、チ
ューブ43内を上室53と下室55とに区画し、両室5
3,55間を、ピストンオリフィス57,59により連
通する一方、ピストン51上下面のディスクバルブ61
a 、61b がピストンオリフィス57,59のチェック
バルブをなして、両オリフィス57,59を、ピストン
ロッド39伸び側および同縮み側の各オリフィスに区別
する。
ピストンロッド39の下部外周には雄ねじ63,65が
形成され、上端の雄ねじ63にナット67を螺合すると
ともに、その下側に、座金69a ,ディスクバルブ61
a 、ピストン51、ディスクバルブ61b 、座金69b
を外嵌し、さらに下側の雄ねじ65にオリフィスナット
71を螺合してナット67とオリフィスナット71との
間に前記各部品を固定する。オリフィスナット71は、
ナット71a と筒状の中空体71b とを一体成形してな
り、中空体71b に半径方向を向いた開閉オリフィス7
3を開口する。75はオリフィスナット71下部を閉塞
するプラグである。
ピストンロッド39には、半径方向孔77a と軸方向孔
77b とが開設され、これらとオリフィスナット71の
中空部79と、開閉オリフィス73とにより、上下両室
53,55を連通する通路81を形成する。ピストンロ
ッド39の中心にはコントロールロッド83が回転自在
に貫通し、コントロールロッド83の下側に、オリフィ
スナット71の中空部79内でシャッタ85を固定す
る。シャッタ85は、複数の孔85c をもつディスク部
85a とこれと一体の舌片85b とからなり、コントロ
ールロッド83と一体に回転して、第7図に拡大して断
面図に示すように、開閉オリフィス73を開閉するよう
に構成し、またシャッタ85の回転角を規制するための
突起71c を、オリフィスナット71内面に突設する。
シャッタ85のディスク部85a 下面とプラグ75上面
との間には、コイルばね87を縮設する。
ピストンロッド39の上端には、コントロールロッド8
3を回転させるための前記駆動装置47を設置する。こ
の設置は、ピストンロッド39上端の雄ねじにナット8
9およびプレート91を螺合し、ナット89をプレート
91に締付けてプレート91を長手方向に位置決め、プ
レート91とピストンロッド39との固定をなし、この
プレート91に、前記駆動装置47の基台93をビス止
めすることによりなす。
前記駆動装置47は、基台93と、これにビス95止め
された2つのブラケット97a ,97b と、両ブラケッ
ト97a ,97b に各固定された一対のソレノイド99
a ,99b と、各ソレノイド99a ,99b のコア10
1a ,101b と、コア101a ,101b と一体のフ
ランジ103a ,103b と、両コア101a ,101
b 間に渡設され且つコア101a ,101b を中心にし
て回転不可能であって、しかも内側には、コア101a
,101b が進退する方向に延びるラック105a を
設けた進退材107と、ラック105a を噛合し且つ中
心位置でコントロールロッド83上端に外嵌されるピニ
オン109とからなる。コントロールロッド83上端は
二面幅を有し、これにピニオン109がその中心におい
て外嵌して、両者は回転方向に一体となる。また、コア
101a ,101b のフランジ103a ,103b 側の
端面中央部には、支軸101c ,101c が各突設して
あり、この支軸101c ,101c に、第9図に断面に
して示すように、進退材107の両端部に各螺合する調
整ねじ111,111が、夫々回転自在に取付けてあ
る。調整ねじ111,111のねじ先端部には、ねじの
半径よりも小径の軸部111a ,111a を、支軸10
1c ,101c の軸方向と交差する方向貫通した孔に挿
通するとともに、その突出側の端部をプレス等により拡
径し、もって、該調整ねじ111,111を、支軸10
1c ,101c からの脱落を防止しつつ、回転方向の自
由度を確保するよう取付ける。113,113は、進退
材107と調整ねじ111,111とを二重締めするた
めのナットであり、このナット113,113は、調整
ねじ111,111を支軸101c ,101c に取付け
る前に、予め該調整ねじ111,111に螺合してお
く。
さらに、ソレノイド99a ,99b とフランジ103a
,103b との間には、コア101a ,101b に遊
嵌した、合成樹脂等軟質材製のワッシャからなる衝撃吸
収部材115,115を介在させている。ピニオン10
9の両端面には、歯先円の径よりも大形の円板117,
117が各取付けてあり、これら円板117,117間
で、ラック105a とピニオン109とが噛合するよう
にして、両者105a ,109が歯幅方向へ相対移動す
るのを防止している。また、コア101a ,101b の
ソレノイド99a ,99b の背面側に平坦部を形成し、
ソレノイド99a ,99b にガイド部材を設けコア10
1a ,101b すなわち進退材107の回転止めとして
もよい。
而して、ピストンロッド39の上部は、駆動装置47下
側において前記第1回動リンク40に連結され、そして
ショックアブソーバ38における駆動装置47のソレノ
イド99b へ通電されている状態では、コア101a ,
101b 、フランジ103a ,103b 、進退材107
が、第6図、第8図においても右側に寄っており、しか
も右側のソレノイド99b による磁力で、その位置が維
持されている。このため、シャッタ85は、第7図
(A)のように開閉オリフィス73を開放している。
そして振動入力があると、チューブ43およびピストン
ロッド39が相対的に軸方向に移動して、チューブ43
内をピストン51が進退する。ピストンロッド39が伸
び側に移動すると、上室53が高圧となって、その液が
一方ではピストンオリフィス59を経てディスクバルブ
61b を下方に撓ませて下室55に流入し、他方では、
通路81を経て下室55に流入する。このときは、上室
53の高圧のためディスクバルブ61a はピストン51
に押圧されるから、ピストンオリフィス57は閉じた状
態を維持する。また、ピストンロッド39が縮み側に移
動すると下室55が高圧となって、その液が一方ではピ
ストンオリフィス57を経てディスクバルブ61a を上
方に撓ませ、上室53に流入し、他方では、通路81を
経て上室53に流入する。このときは、逆にピストンオ
リフィス59は閉じた状態を維持する。かくして、ピス
トンオリフィス57,59,通路81の液の通過時に、
そのオリフィス作用により、予め設定されたソフトな減
衰力を得る。
一方ショックアブソーバ38における駆動装置47の左
側のソレノイド99a へ通電されるものとする。すると
左側のソレノイド99a の磁力により左側のコア101
a が左方に励磁されて移動し、これと一体に左側のフラ
ンジ103a 、進退材107、右側のフランジ103b
、右側のコア101b が左方へ移動する。進退材10
7のこの左方への移動により、ラック105a に噛合す
るピニオン109が時計方向(第8図中P方向)に回
転する。したがって、上端がピニオン109と回転方向
に一体に接続されたコントロールロッド83は、同方向
に回転してシャッタ85を回転させる。そして、このシ
ャッタ85の回転により開閉オリフィス73が閉塞さ
れ、上下両室53,55は、ピストンオリフィス57,
59のみによって連通される。こうして、ピストンオリ
フィス57,59の液の通過時に、そのオリフィス作用
により、予め設定されたハードな減衰力を得る。なお、
ショックアブソーバ38の切換えはインストルメントの
マニュアルスイッチの切換えにより、オート・マニュア
ルのいずれをも選択できるようになっている。
一方、この実施例では、制御装置121が第2図で示す
ブロック図のようになっており、この制御装置121は
ショックアブソーバ38を制御する制御手段CONを構
成する。この制御装置121には相対変位検出器123
からの検出信号が入力されるようになっており、A/D
変換器125と、マイクロコンピュータ127と、パワ
ートランジスタ129,131とからなっている。前記
相対変位検出器123はシート1と車体フロア8との間
に介設され、車体フロア8に対しシート1が中立位置か
ら遊離するか接近するかの相対変位を検出する相対変位
検出手段SC1を構成する。A/D変換器125は相対
変位検出手段123の出力信号を入力しデジタル信号に
変換する。A/D変換器125はマイクロコンピュータ
127の入力側ポートに接続されている。マイクロコン
ピュータ127は、CPUの他にROMやRAMなどの
記憶素子から構成されており、微分ロジックを備えてい
る。そして、マイクロコンピュータ127は、この微分
ロジックにより相対変位を微分して相対速度を算出す
る。従って、相対変位検出器123及びマイクロコンピ
ュータ127は、相対速度検出手段SC2を構成する。
そして、この実施例では、マイクロコンピュータ127
が相対変位及び相対速度の積を算出し、その積が正のと
きはショックアブソーバ38の減衰力が低められ、負の
ときは高められる。これにより、シート1の振動抑制効
果を著しく向上させることができる。
このような抑制効果を第10図に基づいて説明すると、
以下のようになる。第10図はシート1側及び車体フロ
ア8側の振動系をモデル化したもので、まず符号を説明
すると、 M:乗員+シート質量 M:車体ばね上質量 M:車体ばね下質量 K:シートスプリング25のばね定数 K:サスペンションスプリングSP2のばね定数 K:タイヤばねSP1のばね定数 Xs :シート絶対変位 X:車体絶対変位 X:ばね下絶対変位 X:路面変位 Xi :シート−車体相対変位 X :ばね上−ばね下相対変位 X10:ばね下−路面相対変位 C:シートショックアブソーバ38の減衰定数 C:サスペンションショックアブソーバSAの減衰定
数 となる。
質量M,M,Mの各運動方程式は F=−KXi −Ci F=−K −C =−K10 シート1と乗員の各質量を合計した質量Mについて考
える。質量Mに作用する力Fの式の右辺の第1項は
シート1のスプリング25が、また第2項はシート1の
ショックアブソーバ38がそれぞれ質量Mに伝達する
加振力である。質量Mの加速度をs とすると Ms =F=−KXi −Ci となる。
両辺に質量Mの速度s を乗じてs =i +
上式のKの項に代入し一部を移行すると、 Ms s +KXi i =−KXi −Ci s となる。
左辺の各項を微分形に直すと、 となる。
左辺は質量Mのエネルギーの総和であり、第1項と第
2項のカッコ内をそれぞれU,Kとすると、 となる。
さらに、Cの項にXs =Xi +Xを代入して変形す
ると、 となる。
ここで、右辺第1項は車体ばね上質量Mからスプリン
グ25、シートショックアブソーバ38を通じてシート
1と乗員との質量Mに作用するエネルギーを表わす。
この項をさらに変形すると、 となる。
ここで、右辺のショックアブソーバ38の減衰定数C
の項に着目すると、 (イ)Xi i が負のとき、つまりXi とi の符号が
異なるときはCを大きくすると単位時間当りのエネル
は小さくなる。(ロ)Xi Xi が正のとき、つまりXi
とXi の符号が同じときはCを小さくすると単位時間
当りのエネルギの増加は小さくなる。
すなわち、シート1と車体フロア8の相対変位Xi とそ
の相対速度i を求め、これらの符号に応じてショック
アブソーバ38の減衰定数を切換えれば上記(イ)
(ロ)のようにシート1の運動エネルギは常に小さく制
御され、加振力伝達振幅は常に小さく抑えられて良好な
乗心地が保たれる。
次にこのような効果を第11図および第12図に基づ
き、シート1に作用する力とその力をシートに伝達する
力との関係において説明する。
第11図はシート1および乗員の質量Mとこの質量Mを
車体フロア8に取付けたスプリング25とショックアブ
ソーバ38からなる振動系の簡易モデルである。
第12図はこの質量Mにスプリング25とショックアブ
ソーバ38を介して車体フロア8から(a)図に示すよう
なサイン波状の入力が作用したときの相対変位Xi およ
び相対速度i の変化((b)図)、ショックアブソーバ
38の減衰定数の変化((c)図)、スプリング25とシ
ョックアブソーバ38による伝達力((d)図)のグラフ
である。なお、Xは質量Mと車体フロア8との相対変
位Xi の中立位置、Xは最下点である。また、(d)図
中でXは低減衰定数Cs (=0kgfs/m )を固定した場
合、ロは高減衰定数C(=70kgfs/m )を固定した
場合を示す、△はこの実施例によるショックアブソーバ
38の減衰定数Cを制御した場合を示している。
A領域は(a)図に示すように入力が零からピークに向っ
て増加する領域である(中立位置Xより遊離する方向
に変位)。このような力の作用によって相対変位Xi
は、(b)図に示すように、中立位置Xから上方に向っ
て増大しA領域の終点で最下位X点に達する。従っ
て、この場合入力は加振力として働く。相対速度i は
最初は増加しピークを過ぎて減少し相対変位Xi がX
になって増加が止ったとき相対速度i は零になる。
(b)図のようにこのA領域では相対変位Xi と相対速度
i は同符号でありこれらの積は正であるから、ショッ
クアブソーバ38は低減衰定数に切換えられ(c)図に示
すようにソフト(低減衰力)になる。そこで、伝達力は
小さくなり(d)図に示すように高減衰定数Cのショッ
クアブソーバを用いた場合より斜線部分だけ小さく、低
減衰定数Cs のショックアブソーバを用いた場合にほぼ
等しくなる。従って、伝達力は実質的にスプリング25
の伝達力だけになりシート1が大きく加振されることを
防止する。
B領域に入ると、相対変位Xi は方向を変えて最下点X
から中立位置Xに向って減少し始める(中立位置X
に近接する方向に変位)。入力も(a)図に示すように
相対変位と同じ方向に減少する。このように入力は相対
変位Xi が減少するのを助ける方向に作用し制振力とし
て働く。相対速度i は方向を変えて負の領域に入り次
のピークに向う。このB領域では相対変位Xi と相対速
度i は異符号でありこれらの積は負であるから、ショ
ックアブソーバ38は高減衰定数に切換えられ(c)図に
示すようにハード(高減衰力)になる。そこで、伝達力
は低減衰定数Cs の場合より斜線部分だけ大きくなり、
その分質量Mは効果的に制振される。
このように、車体フロア8からの加振力がシート1の動
きを助長する方向に働くときはショックアブソーバ38
の減衰力を低くして加振力の伝達を低く押さえ、加振力
がシート1を制動する方向に働くときはショックアブソ
ーバ38の減衰力を高くしてその働きを助けるからシー
ト1の振動は常に小さく制御される。また、このように
シート1への加振力の伝達が効果的に阻止されるからシ
ート1の共振点附近の周波数での共振が起りにくい。
このような効果をさらにグラフで示したものが第13図
である。この第13図は車両を悪路走行させて得たシー
ト上下方向加速度のパワースペクトル密度分布を示す。
このグラフで破線で示す従来例は、ショックアブソーバ
38の減衰力が単一特性で、車体のばね上共振周波数と
シート共振周波数とが異なる場合である。従って、減衰
力が単一特性であり、ショックアブソーバによる大きな
加振力伝達が避けられないものである他、減衰力を上げ
てシート1の共振周波数の振動を低減できるが、シート
1に伝達されるばね上共振周波数の振動を低減すること
はできない。
これに対して、実線で示すこの発明の実施例では、上記
のようにショックアブソーバ38の減衰力が切換えら
れ、ショックアブソーバ38による大きな加振力伝達が
なくなり、さらに、スプリング25のばね定数を下げる
等してシート1の共振周波数を車体のばね上共振周波数
まで下げて、両者を同じにすることにより、シート共振
周波数付近のパワースペクトルは従来の1/0、車体の
共振周波数付近のパワースペクトルは約1/3に低減す
る。なお、シート1の共振周波数と車体のバネ上共振周
波数とを略同じにする必要は必ずしもなく、その場合で
も、上記ショックアブソーバ38の制御によりシート1
のパワースペクトルの低減を図ることはできる。
このように、シート1の共振は起りにくくなるが、さら
にスプリング25にばね定数の低いものを選択して、シ
ート共振周波数を車体ばね上共振周波数まで下げるよう
に構成してもよい。
ショックアブソーバは本実施例で用いたものに限らな
い。例えば、特開昭60−248419号公報に開示さ
れたもののような電気信号で減衰力を切換えることがで
きるものならばすべて用いることができる。
以下、このような効果を得るための制御を第14図のフ
ローチャートを用いながら説明する。
すなわち、ステップS1では、A/D変換器125を介
して相対変位検出器123から入力されているシート1
と車体フロア8との相対変位Xi を読み込む。
ステップS2では、読み込んだ相対変位Xi を微分しシ
ート1と車体フロア8との相対速度Xi を算出する。
ステップS3では、ショックアブソーバ38の伸び側と
縮み側との境界位置である相対変位の中立位置Xをあ
らかじめ記憶させてあるRAMから読み出す。
ステップS4では、ステップS1で読み込んだ相対変位
Xi をステップS3で読み出した中立位置Xと比較し
て符号を判定され、符号が正ならばステップS5へ進
み、負ならばステップS6へ進む。
ステップS5では、相対速度i の符号が判定され、そ
の符号が正ならばステップS7へ進み、負ならばステッ
プS8へ進む。
ステップS6では、相対速度i の符号が判定され、そ
の符号が正ならばステップS8へ進み、負ならばステッ
プS7へ進む。
ステップS7では、ショックアブソーバ38の減衰力を
低くするために駆動装置47のソレノイド99b に通電
する。ソレノイド99b に通電が行われると、第7図
(A)に示すように、シャッタ85が回転して開閉オリ
フィス73を開放する。このようにして通路81が開放
されるから上室53と下室55との間の流体の移動はピ
ストンオリフィス57,59と通路81とによって行な
われることになる。ショックアブソーバ38は減衰力が
低くソフトになる。ステップS7が終了するとリターン
しステップS1からのステップが繰り返される。
ステップ8では、ショックアブソーバ38の減衰力を高
くするために駆動装置47のソレノイド99a に通電す
る。ソレノイド99a に通電が行われると、第7図
(B)のように、シャッタ85が回転して開閉オリフィ
ス73を閉塞する。このようにして通路81が閉鎖され
るから上室53と下室55との間の流体の通路がピスト
ンオリフィス57,59のみとなる。従って、ショック
アブソーバ38は減衰力が高くハードになる。ステップ
S8が終了するとリターンし、ステップS1からのステ
ップが繰り返される。
このようなステップにより、上記した作用効果を得、シ
ート1の振動抑制能力を著しく向上させることができ、
乗心地の大幅な改善ができる。
ところで、ショックアブソーバの制御は車体のサスペン
ションに取付けたものを行なう場合であるが、上記のよ
うにシート1のショックアブソーバ38を制御するとき
は以下のような相違点がある。すなわち、低減衰定数C
s は前者(サスペンション)の場合の車体ばね下重量が
大きいことから100kgfs/m より低くすることは困難
であるが、後者(シート)の場合シートと乗員の合計質
量は車体ばね下質量よりはるかに小さいからを10〜5
0kgfs/m まで下げることができる。
高減衰定数Cは、前者では車体のロールやピッチなど
に対する走行安全性を考えると150kgfs/m (ピスト
ン速度0.3m /sec )程度まで高くする必要がある。
一方後者は上下動だけを考慮すればよいからCを10
0〜200kgfs/m 程度に選んで低減衰定数Cs と合わ
せて理想的な減衰力特性を与えることができる。
制御応答速度は、後者の場合車体への衝撃入力は20H
z 付近で大きいから応答速度は0.05sec 以下に短く
する必要がある。一方前者ではシートへの衝撃入力は1
0Hz 以下の周波数で大きいから応答速度は0.1sec
程度で充分である。
さらに、後者はばね下質量と車体質量からなる振動系に
おいて車体質量とばね下質量の振動を減衰することによ
って車体に取付けたシートの乗心地の改善を図っている
が、本発明はばね下質量、車体質量、シートと乗員の合
計質量からなる振動系においてシートの振動を直接減衰
させるように構成されている。従って、後者において車
体の振動はばね下の振動の影響を受けるが、前者におい
てシートの振動はばね下と車体の両方の振動の影響を受
ける。
[発明の効果] 以上より明らかなようにこの発明の構成によれば、中立
位置に対するシートの相対変位方向に応じてショックア
ブソーバの減衰力を切換えるから、ショックアブソーバ
の伝達力がシートに対して加振力となるときは低減衰力
によって振動伝達を低くし、制振力となるときは高減衰
力によってシート振動を低くし、全体として乗り心地を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の構成図、第2図はこの発明の一実施
例の構成ブロック図、第3図は同シートの斜視図、第4
図はシート支持構造の拡大側面図、第5図は同平面図、
第6図はショックアブソーバの断面図、第7図(A)は
第6図のVII−VII線拡大断面図、同図(B)は同図
(A)の開閉オリフィスが閉じた状態を示す拡大断面
図、第8図は平面図、第9図は第8図一部IV−IV矢視
図、第10図〜第13図は作用説明図、第14図はフロ
ーチャトである。 1……シート、7……昇降機構 25……スプリング SA……ショックアブソーバ SC1……相対変位検出手段 SC2……相対速度検出手段 CON……制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤代 武史 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−146738(JP,A) 実開 昭59−83229(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体フロアに対し昇降自在に支持されたシ
    ートと、このシート側と前記車体フロア側との間に介設
    された弾性体及びシートの振動を減衰する減衰力可変の
    ショックアブソーバと、前記車体フロアに対し前記シー
    トが中立位置から遊離するか接近するかの相対変位を検
    出する相対変位検出手段と、前記相対変位検出手段が検
    出するフロアに対するシートの相対変位が中立位置より
    遊離する変位のときは前記ショックアブソーバの減衰力
    を低くすると共に接近するときは高くする制御手段とか
    らなることを特徴とするサスペンションシート。
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