JPH0655554U - 食器洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗浄後又はすすぎ後における洗浄水又はすす
ぎ水の後垂れを早期に切るとともに、洗浄室最奥部のみ
にて滴下させる食器洗浄機を提供する。 【構成】 洗浄室３内で食器５を載置する食器ラック６
の上方に洗浄ノズル７、すすぎノズル１３を、洗浄室３
の食器挿入側から見て前後方向に傾斜するノズル回転軸
１７に回転可能に設ける。洗浄ノズル７、すすぎノズル
１３の両端にはそれぞれ、洗浄水噴射口２９Ａ、すすぎ
水噴射口３７が形成されている。洗浄ポンプ１０により
供給される洗浄水による食器５の洗浄後、又は、すすぎ
ポンプ１６により供給されるすすぎ水による洗浄済みの
食器５のすすぎ後、ノズル回転軸１７の傾斜により早期
に洗浄ノズル７又はすすぎノズル１３の回転が前後に傾
いた位置で停止し、洗浄室３内後方の洗浄水噴射口２９
Ａのみ又はすすぎ水噴射口３７のみから後垂れする。従
って、後垂れの機外飛散等がない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、回転しつつ洗浄水噴射口から洗浄水を食器に対して噴射する洗浄ノ ズルを有する食器洗浄機に関し、特に、洗浄水の噴射が終了した後において洗浄 ノズルから生ずる洗浄水が洗浄室外に飛散してしまうこと等の可能性を排除して 使い易さを向上し得る食器洗浄機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、食器洗浄機に使用される洗浄ノズルとして種々のものが提案されており 、この種の洗浄ノズルはその洗浄方式から固定式のノズルと回転式のノズルとに 大別される。ここに、固定式の洗浄ノズルは洗浄室内に固定的に配設される方式 のノズルであり、洗浄ノズルに形成された複数の洗浄水噴射口から洗浄水を食器 ラックに載置された食器に噴射して洗浄を行なうタイプのものである。また、回 転式の洗浄ノズルは、洗浄水噴射口から洗浄水を噴射する際に生ずる噴射反力の 水平分力を利用して、回転しながら洗浄水噴射口から洗浄水を食器ラックに載置 された食器に洗浄水を噴射して食器の洗浄を行なうタイプのものである。

【０００３】 前記固定式の洗浄ノズルは洗浄室内に固定されていることから、洗浄ノズルの 配置位置や洗浄ノズルにおける洗浄水噴射口の形成位置を適切に決定しない場合 には、洗浄すべき食器の形状（例えば、どんぶり等のお椀形の形状）によっては 洗浄水の噴射力、噴射角度において不利な場合があり、むらのない均一な洗浄が しにくい。 これに対して、回転式の洗浄ノズルは前記のように回転しながら洗浄水噴射口 から洗浄水を食器の噴射して食器に洗浄を行なうものであり、前記固定式のノズ ルに比べて洗浄むらの問題が少ないことから各種の食器洗浄機において広く採用 されている。 かかる回転式の洗浄ノズルを採用する食器洗浄機として、例えば、実公昭５４ −１０２３３号公報に記載されているものや、或は実開昭６３−９５５６８号公 報に記載されているもの等が挙げられる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記した従来の食器洗浄機は、以下の問題点を有していた。 即ち、食器洗浄機の洗浄工程後においては、食器の上部に配置されている洗浄 ノズルから、残留する洗浄水が不可避的に後垂れを起こすのである。従って、洗 浄後に洗浄済みの食器を回収しようとする際に、後垂れが食器等に当たって飛沫 が機外に飛散し床等を濡らすことになる。特に、ノズルを回転式とした場合、洗 浄終了後もノズルの回転が惰性で持続するため、遠心力と相俟って後垂れが直接 機外に飛び出すことがある。また、後垂れが操作者の手にかかって火傷を起こす ことがある。洗浄水は、洗浄効率改善のため加熱されることが一般的であること に基づく。

【０００５】 例えば、前記実開昭６３−９５５６８号公報記載の食器洗浄機の場合、回転式 洗浄ノズルたる洗浄アームが斜めに形成されていることから、洗浄終了後の洗浄 ノズル内の残留洗浄水は洗浄アーム低部に集中し、特定の噴射口のみから後垂れ するとともに、洗浄終了から後垂れが切れるまでに至る所要時間も洗浄アームが 水平である場合より短縮されていると考えられる。 しかしながらこの食器洗浄機の場合、洗浄アームの回転軸は垂直であるため、 洗浄終了後の惰性による回転持続に関しては何ら解決されていない。従って、後 垂れが起こる位置が特定されないばかりか、後垂れの機外への直接飛出しが起こ る可能性も排除されていない。 更に、斜めに形成した洗浄アームを垂直な回転軸の周りに回転させるので、回 転軌道の占有スペースが大きく、洗浄機の外形寸法に対して食器が収納される洗 浄室容積を大きくとることができない。

【０００６】 一方、前記実公昭５４−１０２３３号公報記載の食器洗浄機では、回転軸を傾 斜し噴射ノズル自体は回転軸に関して左右対称に示されているが、この食器洗浄 機は食器の洗浄むらの排除を目的としており、洗浄後の後垂れに関しては何ら考 慮していない。実際この食器洗浄機では噴射ノズルは洗浄室の前部側から見て横 向きに傾斜されているので、後垂れは洗浄室中側方中腹位置で起こることになる 。従って、後垂れによる弊害を排除するのに適しているとはいい難い。 更にこの食器洗浄機では、噴射ノズルの両端部分においては噴射口が形成され ていないので、洗浄後に傾いて停止した噴射ノズルには洗浄液が滞留し続けるこ とになる。このことから、噴射ノズル下端に最も近い噴射口からの後垂れが切れ るまでに長時間を要するとともに、次回の食器洗浄時には噴射ノズルに滞留して 汚損した洗浄液が、食器に注がれることになり、衛生上好ましくない。

【０００７】 本考案は前記従来技術の問題点を解消するためになされたものであり、食器洗 浄の終了時において、洗浄ノズル内に洗浄水を長時間滞留させることなく洗浄ノ ズルの惰性回転を短時間で停止させるとともに、洗浄ノズルからの洗浄水の後垂 れを洗浄室内にて後部側で生じさせ、もって洗浄水の後垂れが食器洗浄機の外部 に飛散したり、操作者の手指等にかかることを確実に防止することができる食器 洗浄機を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため本考案の食器洗浄機は、前部と前部に対向する後部と を有する洗浄室と、洗浄室内に配設されるとともに食器が載置される食器ラック と、食器ラックから離間して配置され、食器ラック上に載置された食器に対して 複数の洗浄水噴射口から洗浄水を噴射する洗浄ノズルと、洗浄ノズルを回転可能 に軸支するノズル回転軸と、洗浄ノズルに洗浄水を供給する洗浄水供給装置とを 有する食器洗浄機において、前記ノズル回転軸は洗浄室の上部において洗浄室の 後部から前部にいくに従って下方に向かって傾斜され、前記洗浄ノズルはノズル 回転軸に対してほぼ直角をなすように軸支されたことを特徴とする構成とされる 。また、本考案の食器洗浄機は、前記洗浄ノズルの両端部には、少なくとも１個 の洗浄水噴射口が形成されたことを特徴とする前記の構成とされる。

【０００９】

【作用】 前記構成を有する本考案では、洗浄室内に配設された食器ラック上に載置され た食器の洗浄を行なう際、洗浄水が洗浄水供給装置から洗浄ノズルに供給される 。供給された洗浄水は洗浄ノズルから食器に噴射されるとともに、洗浄ノズルは 洗浄水の噴射反力の水平分力を駆動力として回転される。これより、洗浄ノズル は回転しながら洗浄水を食器に噴射して食器の洗浄を行なう。 かかる洗浄中は、洗浄ノズル内部は洗浄水供給装置から供給される洗浄水によ り満たされている。従って、洗浄ノズルが傾斜しているノズル回転軸の周りに回 転しても、洗浄ノズルの重心位置は変化しないので、回転動作の妨げにはならな い。

【００１０】 洗浄が終了すると、洗浄水供給装置からの洗浄水の供給が停止される。これに より、洗浄ノズルの回転駆動力が消滅するとともに、洗浄ノズル内部の洗浄水の 分布にばらつきが生じる。従って、回転に伴う重心位置の変化が発生するので、 洗浄ノズルは短時間で重心位置が最も低くなる位置で停止する。即ち、洗浄ノズ ルは洗浄室内にて前後方向に傾いた位置で停止し、洗浄ノズル内に残留している 洗浄水は、洗浄ノズル後端に集中する。この後、洗浄ノズル後端に集中した洗浄 水は、洗浄ノズル後端の洗浄水噴射口から早期に滴下し滞留しない。 従って、その後の洗浄水の後垂れは洗浄室の後部側に位置する洗浄ノズル後端 の洗浄水噴射口のみから滴るため、洗浄室から食器を取り出す際洗浄水の後垂れ が操作者の手にかかったり、又、機外に飛散したりすることがない。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案を具体化した一実施例に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明す る。 先ず、本考案に係る食器洗浄機について図面を参照しつつ説明する。 図２は食器洗浄機の外観を示す正面図であり、図３は右側面図である。食器洗 浄機１は、基台２と、基台２の上方を閉塞し洗浄室として区画するフード４とか ら基本的に構成される。

【００１２】 フード４は基台２に対して公知の上下移動機構（図示せず）を介して上下方向 に移動可能とされており、アーム１２により上下方向に操作することができる。 フード４は洗浄室内に汚れた食器を載置する場合及び洗浄室から洗浄後の食器を 回収する場合に上方に移動され、一方、食器の洗浄を行なう場合には下方に移動 される（図２及び図３に示す位置）。 フード４により区画される洗浄室内上方及び下方には、後述する洗浄ノズル７ 、８及びすすぎノズル１３、１４が配設されている。また、フード４左側には操 作パネル１１が設けられており、操作パネル１１には洗浄指令やすすぎ指令等を 行うスイッチ類が配置されている。

【００１３】 次に、食器洗浄機１の内部構造について図１を参照して説明する。図１は、食 器洗浄機１を模式的に示す側断面図であり、フード４を省略して示している。 洗浄室３内には食器ラック６が配設されており、かかる食器ラック６は洗浄水 が上下方向に通過可能となるように多くの間隙を有するとともに、食器ラック６ の上には食器５が載置される。 食器ラック６から一定の距離だけ離間した上下位置には、一対の洗浄ノズル７ 、８及び一対のすすぎノズル１３、１４（いずれも詳細な構成については後述す る）が配置されている。

【００１４】 洗浄ノズル７及びすすぎノズル１３は、後述する洗浄水供給管９の下端部に形 成されているノズル回転軸１７に回転可能に取り付けられており、ノズル回転軸 １７は、洗浄室３における後部側（図１中右方側）から食器挿入側（図１中左方 側）にいくに従って下方に向かって傾斜されている。従って洗浄ノズル７及びす すぎノズル１３は、図１に示すようにノズル回転軸１７に対してほぼ直角をなし 、前端が後端よりも高い位置にある。 また、洗浄ノズル８及びすすぎノズル１４は、洗浄水供給管９の上端部に形成 されているノズル回転軸１８に回転可能に取り付けられている。

【００１５】 基台２には洗浄ポンプ１０及びすすぎポンプ１６が設けられている。 洗浄ポンプ１０は、図示しない洗浄水タンクから洗浄水供給管９を介して、各 洗浄ノズル７、８に洗浄水を供給するものである。洗浄ポンプ１０により洗浄水 の圧送を受ける洗浄水供給管９は、途中で分岐して各洗浄ノズル７、８に連通さ れている。 すすぎポンプ１６は、図示しないすすぎ水タンクからすすぎ水供給管１５を介 して、各すすぎノズル１３、１４にすすぎ水を供給するものである。すすぎポン プ１６によりすすぎ水の圧送を受けるすすぎ水供給管１５は、途中で分岐した後 埋設箇所４０、４１にて洗浄水供給管９内に埋設され、各すすぎノズル１３、１ ４に連通されている。

【００１６】 各洗浄ノズル７、８は、後述するように洗浄ノズル７、８に形成された複数の 洗浄水噴射口２７、２８、２９Ａから洗浄水が噴射されたときに、洗浄水噴射口 ２７、２８、２９Ａからの噴射反力の水平分力を介して回転されるものである。 各すすぎノズル１３、１４は、後述するようにすすぎノズル１３、１４に形成 された複数のすすぎ水噴射口３５、３７からすすぎ水が噴射されたときに、すす ぎ水噴射口３５、３７からの噴射反力の水平分力を介して回転されるものである 。

【００１７】 食器ラック６上に載置された食器５の洗浄を行なう場合には、洗浄ポンプ１０ を駆動することにより洗浄水タンク内の洗浄水が洗浄水供給管９を介して各洗浄 ノズル７、８に供給され、洗浄水は各洗浄ノズル７、８に形成された洗浄水噴射 口２７、２８、２９Ａから食器５に噴射されて食器５の洗浄が行なわれるもので ある。 また、洗浄が済んだ食器５のすすぎを行なう場合には、すすぎポンプ１６を駆 動することによりすすぎ水タンク内のすすぎ水がすすぎ水供給管１５を介して各 すすぎノズル１３、１４に供給され、すすぎ水は各すすぎノズル１３、１４に形 成されたすすぎ水噴射口３５、３７から食器５に噴射されて食器５のすすぎが行 なわれるものである。

【００１８】 次に、前記した洗浄ノズル７、８の構成について図４及び図５を参照しつつ説 明する。図４は洗浄ノズルの平面図、図５は洗浄ノズルの一部を切り欠いて示す 側面図である。尚、ここに洗浄ノズル７及び８は共に同一の構成を有する。図４ 、図５において、洗浄ノズル７、８は上下一対のノズル部材２０、２１（共に、 同一形状を有する）をかしめ等により接合することにより構成され、この後各ノ ズル部材２０、２１の切断時に一方のノズル部材２０に洗浄水噴射口２７、２８ 、２９Ａが形成されるものである。

【００１９】 洗浄ノズル７、８の中央部には回転支持部２２が形成されており、かかる回転 支持部２２は前記したように洗浄水供給管９の上下端部に形成されているノズル 回転軸１７、１８に取り付けられる。これより、各洗浄ノズル７、８は洗浄水供 給管９に対して回転可能に保持されるものである。また、回転支持部２２の両側 には腕部２３が形成されており、更に、各腕部２３の端部には延出部２４が形成 されている。かかる延出部２４は回転支持部２２を中心として描かれる円弧にほ ぼ沿うように形成されており、各腕部２３と共同して概略Ｔ字状をなす。

【００２０】 前記洗浄ノズル７、８の各腕部２３において、各洗浄ノズル７、８が食器ラッ ク６に対向する側のノズル部材２０（上側ノズルとして使用される場合は下側の ノズル部材、下側ノズルとして使用される場合には上側のノズル部材）には、３ 個の円形膨出部２５が形成されている。また、各腕部２３における回転支持部２ ２の近傍には円弧状の膨出部２６が形成されている。そして、各腕部２３に形成 された各膨出部２５には、膨出部２５の中心から外れた位置に、それぞれ一対の 洗浄水噴射口２７が並設されており、また、各膨出部２６には、１個の洗浄水噴 射口２８が設けられている。尚、このように洗浄水噴射口２７を各円形膨出部２ ５の中心から外れた位置に設けるのは、各洗浄水噴射口２７からの噴射反力の水 平分力を大きくして各洗浄ノズル７、８を効率的に回転させるためである。 また、前記各延出部２４には、３個の円形膨出部２９が形成されており、各膨 出部２９には、それぞれ１個又は２個の洗浄水噴射口２９Ａが設けられている。

【００２１】 次に、前記したすすぎノズル１３、１４の構成について図６を参照しつつ説明 する。図６はすすぎノズルの平面図（すすぎノズル１３における下面、すすぎノ ズル１４における上面）である。尚、ここにすすぎノズル１３及び１４は共に同 一の構成を有する。すすぎノズル１３、１４は、回転支持部３２を有する中央体 ３０とその両側に嵌設された角形パイプ断面形状を有する腕部３１とにより構成 される。

【００２２】 ここに回転支持部３２と中央体３０とはネジ３３によって、中央体３０と各腕 部３１とはネジ３４によって、相互に固定されている。また、各腕部３１の両端 部には、端蓋板３６が取り付けられている。 各腕部３１には、それぞれ多数のすすぎ水噴射口３５が形成されており、各す すぎ水噴射口３５はすすぎ水を斜め方向に噴射するよう各腕部３１の面に対して 斜めに形成されている。従って、すすぎ水の噴射により発生する噴射反力は、前 記の洗浄ノズル７、８の場合と同様水平分力を有する。 また、各腕部３１の端と端蓋板３６とには、それぞれ切り欠きが設けられてお り、これら切り欠きによりノズル先端におけるすすぎ水噴射口３７が形成されて いる。

【００２３】 かかるすすぎノズル１３、１４は、その回転支持部３２が洗浄水供給管９の上 下端部に形成されているノズル回転軸１７、１８に回転可能に取り付けられる。 これより、各すすぎノズル１３、１４は前記したようにノズル回転軸１７、１８ に対して回転可能に保持されるものである。ここに、すすぎノズル１３は、前記 洗浄ノズル７と同様、洗浄室３における後部側（図１中右方側）から食器挿入側 （図１中左方側）にいくに従って下方に向かって傾斜されており、又、すすぎノ ズル１３はノズル回転軸１７に対してほぼ直角をなすように取付けられ、その前 端が後端よりも高い位置にある。但し、各すすぎノズル１３、１４内部は洗浄水 供給管９とは連通せず、埋設箇所４０、４１にて洗浄水供給管９内に埋設される すすぎ水供給管１５と連通される。 尚、すすぎノズル１３、１４として、図６に示したものに替えて、前記した洗 浄ノズル７、８と同じ物を用いてもよい。

【００２４】 続いて、前記のように構成された食器洗浄機１の動作について説明する。先ず 、フード４を上方に移動させて食器ラック６上に汚れた食器５を載置する。 この後、操作パネル１１に配設されている洗浄スイッチをオンすると、洗浄ポ ンプ１０が駆動される。洗浄ポンプ１０の駆動により洗浄水タンク内に貯留され ている洗浄水が洗浄水供給管９を介して各洗浄ノズル７、８に供給される。供給 された洗浄水は、各洗浄ノズル７、８における洗浄水噴射口２７、２８、２９Ａ から食器ラック６上の各食器５に噴射される。これにより、食器５の洗浄が行わ れる。

【００２５】 このとき、各洗浄ノズル７、８は、かかる各洗浄水噴射口２７、２８、２９Ａ からの洗浄水の噴射に伴い生じる噴射反力の水平分力により、回転支持部２２を 介して洗浄水供給管９の端部に形成されているノズル回転軸１７、１８の周りに 回転される。かかる回転により、食器ラック６上の各食器５に万偏なく洗浄水が 注がれる。 また、洗浄水が供給されている時は、各洗浄ノズル７、８内部は洗浄水により 満たされている。このため、傾斜しているノズル回転軸１７に取り付けられてい る上部の洗浄ノズル７においても、回転により重心の変動を伴うことがなく、ス ムーズな回転が確保される。

【００２６】 一定時間（タイマにより計時される）の間、食器５の洗浄が行なわれると、洗 浄ポンプ１０の駆動が停止される。このため、洗浄ノズル７、８への洗浄水の供 給も停止され、各洗浄水噴射口２７、２８、２９Ａからの洗浄水の噴射に伴い生 じる噴射反力が消滅し、その水平分力による回転駆動力も消滅する。 更に、上部の洗浄ノズル７においては、内部に残留している洗浄水が、より低 い位置へと移動するため、洗浄ノズル７の一方の延出部２４に集中し、これが重 りとなって洗浄ノズル７は前後に傾いた位置で停止する。このため洗浄ノズル７ の回転は惰性により長時間持続することはなく早期に停止する。

【００２７】 また、停止後の洗浄ノズル７からの洗浄水の後垂れ４２は、後方の延出部２４ に設けられた洗浄水噴射口２９Ａのみから滴り、前方の延出部２４に設けられた 洗浄水噴射口２９Ａや、腕部２３に形成された各洗浄水噴射口２７、２８からは 滴らない。 更に、洗浄ポンプ１０の駆動が停止されてから後垂れ４２が切れるまでに要す る時間も、洗浄ノズル７が水平に配置されている場合に比べて短時間で済む。且 つ、洗浄ノズル内に洗浄水が滞留することはない。

【００２８】 この後、続いてすすぎ工程が行なわれる。すすぎ工程においてはすすぎポンプ １６が駆動され、すすぎ水タンク内に貯留されているすすぎ水がすすぎ水供給管 １５を介して各すすぎノズル１３、１４に供給される。供給されたすすぎ水は、 各すすぎノズル１３、１４に形成されたすすぎ水噴射口３５、３７から食器ラッ ク６上の各食器５に噴射される。これにより、洗浄済みの食器５のすすぎが行わ れる。 このとき、各すすぎノズル１３、１４は、各すすぎ水噴射口３５、３７からの すすぎ水の噴射に伴い生じる噴射反力の水平分力により、回転支持部３２を介し てノズル回転軸１７、１８の周りに回転される。かかる回転により、食器ラック ６上の各食器５に万偏なくすすぎ水が注がれる。

【００２９】 また、すすぎ水が供給されている時は、各すすぎノズル１３、１４内部はすす ぎ水により満たされている。このため、傾斜しているノズル回転軸１７に取り付 けられている上部のすすぎノズル１３においても、回転により重心の変動を伴う ことがなく、スムーズな回転が確保される。 かかるすすぎ工程もタイマにより計時される一定時間の間行なわれる。すすぎ 工程が終了すると、すすぎポンプ１６の駆動が停止される。このため、すすぎノ ズル１３、１４へのすすぎ水の供給も停止され、各すすぎ水噴射口３５、３７か らのすすぎ水の噴射に伴い生じる噴射反力が消滅し、その水平分力による回転駆 動力も消滅する。

【００３０】 更に、上部のすすぎノズル１３においては、内部に残留しているすすぎ水がよ り低い位置へと移動するため、前記した洗浄ノズル７の場合と同様、惰性により 回転が長時間持続することはなく、早期に前後に傾いた位置で停止する。また、 停止後のすすぎノズル１３からの洗浄水の後垂れ４２は、後方のすすぎ水噴射口 ３７のみから滴り、洗浄水噴射口３５や前方のすすぎ水噴射口３７からは滴らな い。 更に、すすぎポンプ１６の駆動が停止されてから後垂れ４２が切れるまでに要 する時間も、すすぎノズル１３が水平に配置されている場合に比べて短時間で済 む。且つ、すすぎノズル１３内にすすぎ水が滞留することはない。 すすぎ工程が終了した時点で食器ラック６上に載置された各食器５の洗浄が終 了する。この後、フード４を上方に移動させ、各食器５が洗浄室３から取り出さ れる。

【００３１】 以上詳細に説明した通り本実施例に係る食器洗浄機１では、洗浄ノズル７とす すぎノズル１３とをノズル回転軸１７に軸支するとともに、ノズル回転軸１７を 、洗浄室３における後部側から食器挿入側にいくに従って下方に向かって傾斜さ せ、洗浄ノズル７とすすぎノズル１３との両端には噴射口２９Ａ、３７を形成す ることとしたので、洗浄工程終了後又はすすぎ工程終了後において洗浄ノズル７ 又はすすぎノズル１３は、別段のブレーキ機構を装備することなく、前後に傾い た位置で早期に停止する。これにより、洗浄ノズル７又はすすぎノズル１３から の後垂れ４２は洗浄室３内最奥部のみで滴り、且つ、後垂れ４２が切れるまでの 時間が短縮される。

【００３２】 従って、後垂れ４２が操作者の手にかかったり、食器ラック６或はその上に載 置されている食器５に後垂れ４２が当たってもその飛沫が機外に飛散することは ない。また、洗浄ノズル７及びすすぎノズル１３の惰性回転の遠心力により後垂 れ４２が直接機外へ飛び出すこともない。これにより、後垂れ４２により操作者 が火傷をしたり、機外を濡らしたりすることがない。 また、洗浄工程開始から、洗浄済みの食器５の回収に至るまでの所要時間を短 縮することができる。 また、洗浄及びすすぎ後において、洗浄水又はすすぎ水が洗浄ノズル７又はす すぎノズル１３に滞留することがなく衛生的である。 尚、本考案は前記実施例により限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱 しない範囲において種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、 前記実施例では、フード４の洗浄室３内に配設された食器ラック６への食器５の 出入を洗浄室３の前部側から行なうようにしているが、かかる食器５の出入は洗 浄室３の側部側から行なうようにしても良いことは明かである。

【００３３】

【考案の効果】

以上説明した通り本考案は、食器洗浄の終了時において、洗浄ノズル内に洗浄 水を長時間滞留させることなく洗浄ノズルの惰性回転を短時間で停止させるとと もに、洗浄ノズルからの洗浄水の後垂れを洗浄室内にて後部側で生じさせ、もっ て洗浄水の後垂れが食器洗浄機の外部に飛散したり、操作者の手指等にかかるこ とを確実に防止することができる食器洗浄機を提供でき、その産業上奏する効果 は大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 食器洗浄機を模式的に示す側断面図である。

【図２】 食器洗浄機の外観を示す正面図である。

【図３】 食器洗浄機の外観を示す側面図である。

【図４】 洗浄ノズルの平面図である。

【図５】 洗浄ノズルの一部を切り欠いて示す側断面図
である。

【図６】 すすぎノズルの平面図である。

【符号の説明】

１・・・食器洗浄機、３・・・洗浄室、５・・・食器、
６・・・食器ラック、７、８・・・洗浄ノズル、９・・
・洗浄水供給管、１０・・・洗浄ポンプ、１３、１４・
・・すすぎノズル、１５・・・すすぎ水供給管、１６・
・・すすぎポンプ、１７・・・ノズル回転軸、２９Ａ・
・・洗浄水噴射口、３７・・・すすぎ水噴射口

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前部と前部に対向する後部とを有する
   洗浄室と、洗浄室内に配設されるとともに食器が載置さ
   れる食器ラックと、食器ラックから離間して配置され、
   食器ラック上に載置された食器に対して複数の洗浄水噴
   射口から洗浄水を噴射する洗浄ノズルと、洗浄ノズルを
   回転可能に軸支するノズル回転軸と、洗浄ノズルに洗浄
   水を供給する洗浄水供給装置とを有する食器洗浄機にお
   いて、 前記ノズル回転軸は洗浄室の上部において洗浄室の後部
   から前部にいくに従って下方に向かって傾斜され、前記
   洗浄ノズルはノズル回転軸に対してほぼ直角をなすよう
   に軸支されたことを特徴とする食器洗浄機。
2. 【請求項２】 前記洗浄ノズルの両端部には、少なく
   とも１個の洗浄水噴射口が形成されたことを特徴とする
   請求項１記載の食器洗浄機。