JPH065525Y2 - 空気調和機の風向変更装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は暖房および冷房時における風向を，常にその
最適状態に変更できるようにした空気調和機に関する。

〔従来の技術〕

第７図および第８図は実公昭６０−４０７７６号公報に
示された従来の空気調和機の風向変更装置を示すもの
で，図において(1)は床置形空気調和機の本体ケース
で，この本体ケース(1)の前面中央部には吸込口(2)が，
また上部には吹出し口(3)が開設されている。(4)は上記
吹出口(3)内に装着された複数枚の風向変更板，(7)は上
記吸込口(2)の後方に配置された熱交換器，(8)はこの熱
交換器(7)の上部後方に配置された送風機，(10)はこの
送風機を内装し上記吸込口(2)と吹出し口(3)とに連通す
る通風路(イ)を本体ケース(1)内に形成する断熱ケーシン
グである。

次に動作について説明すると，送風機(8)の回転によ
り，室内空気は吸込口(2)より吸引され，熱交換器(7)に
より，暖房時は暖気に冷房時は冷気にそれぞれ熱交換さ
れ，吹出し口(3)より室内に吹出される。この時複数枚
の風向変更板(4)を上下に偏向させることにより，暖気
は水平方向に冷気は斜上方に吹出される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の風向変更装置は以上のように構成されているの
で，吹出しの風向を変える場合複数枚の風向変更板を上
下に偏向させることになるため，風の抵抗が増加し風量
損失が大きくなるばかりでなく，風向変更板の偏向角度
を大きくとれない等の問題点があった。

この考案は上記の問題点を解消するためになされたもの
で，暖房時の前方吹き，冷房時の上方吹きの切換えを簡
単な操作にて，風の抵抗を増大させることなく可能なら
しめると共に，偏向角度を十分大きくとることができる
風向変更装置を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、空気調和機の風向変更装置における、上記
の問題点を解決し、かつ上記の目的を達成するために、
本体ケースに設けた空気吹出し口内に回動自在に軸支さ
れ、その上方部と前方部とを選択的に閉塞する化粧板、
およびこれにリンク機構により連動して、上記前方部へ
の吹出し通路と、上方部への吹出し通路を選択的に形成
する単一の風向変更板を設けたものである。

〔作用〕

この考案の風向変更装置では，化粧板と風向変更板とが
連動式となっており，化粧板を上下に回動させることに
より，風向変更板も回動して風の吹出し方向を前方ある
いは上方に同時に切換えでき，また風路の変更は単一の
風向変更板で行われるため風の抵抗も少くなる。

〔実施例〕

以下この考案の一実施例について説明する。すなわち第
１図ないし第５図において(1)は床置形空気調和機の本
体ケース，(2)はこの本体ケース(1)の前面中央部に開設
された吸込口，(3)はこれの上部に開設された吹出し
口，(4)はこの吹出し口内に装着された単一の風向変更
板で，その外方には化粧板(5)が対向状態に装着され，
これら両者はリンク機構(6)により連動回動するように
本体ケース(1)内に軸支されている。第５図の(18)は化
粧板(5)の支軸，(19)は風向変更板(4)の支軸であり，腕
(20)(21)と連結棒(22)により上記リンク機構(6)が形成
され，上記化粧板(5)と風向変更板(4)との連動を可能と
している。(7)は上記吸込口(2)の後方に配設された熱交
換器，(8)はこの熱交換器(7)の上部後方に配置された送
風機，(9)はこの送風機(8)の上部下流側に設けた吹出し
ノズルで内部の断熱ケーシング(10)とで，上記吸込口
(2)と吹出し口(3)とに連通する通風路(イ)が形成されて
いる。第２図の(11)は送風機(8)を駆動する電動機で，
固定具(12)により本体ケース(1)のベース(13)に固定さ
れている。(14)は電装箱(15)内に収納された電装品，第
１図の(16)は空気調和機の運転を指令するリモコンであ
る。

次に動作について説明すると，リモコン(16)により運転
指令を受けた場合は，電動機(11)の回動により送風機
(8)が回転し，室内空気を吸込口(2)より吸引し，熱交換
器(7)により暖房時は暖気に，冷房時は冷気にそれぞれ
熱交換し空気吹出し口(3)より室内に吹出される。

ところで室内の温度分布を均一化して空調効果を上げる
ためには，暖房時は下方に，冷房時は上方に吹出し風の
流れを作る必要がある。したがって暖房時は化粧板(5)
を第５図のように上方に回動させる。これにより支軸(1
8)を支点としてこれが回転するため，腕(21)，連結棒(2
2)を介して腕(20)に回転が伝えられ風向変更板(4)が図
示実線状態に回動して該部に前方部への吹出し通路(ロ)
を形成し、空気吹出し口(3)からの風を前方に向ける。
また冷房時は第４図のように化粧板(5)を下方に回動さ
せることにより上記リンク機構(6)により風向変更板(4)
が前方に回動して該部に上方部への吹出し通路(ハ)を形
成するため空気吹出し口(3)からの風は上方に吹出され
る。

なお上記実施例では風向変更板(4)と化粧板(5)とをリン
ク機構(6)により連動回動できるように軸支した場合に
ついて説明したが，さらには第６図に示すように風向変
更板(4)に複数枚の導風羽根(17)を回動可能に軸止する
ことにより，吹出し方向が前方の場合でも，あるいは上
方の場合でもそれを左右に回動させることにより，吹出
される風の向きを左右に変えることができることにな
る。

〔考案の効果〕

この考案の風向変更装置は以上のように構成しているの
で，化粧板の上・下への回動で同時に風向変更板が回動
し，これにより通風路を上方吹き，または前方吹きの２
方向に切換えることができ，また単一の風向変更板を回
動して風路を形成するため，風量損失が少く十分な空調
効果を発揮することができる。更に、化粧板を本体ケー
スに回動自在に軸支し、これにリンク機構により連動す
る風向変更板を設けたので、風向変更が化粧板の回動操
作で簡単に行えるという効果がある。

なお、風向変更板に複数枚の導風羽根を設けて左右方向
への風の吹出しも容易に可変できる。また風向変更板と
化粧板との間に空気層が存在するので化粧板への着露も
なくなるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による空気調和機の斜視
図，第２図はその正面図，第３図は前方吹出し状態を示
す縦断面図，第４図は上方吹出し状態を示す縦断面図，
第５図は第３図のＡ部の拡大図，第６図はこの考案の他
の実施例を示す縦断面図，第７図は従来の空気調和機の
斜視図，第８図は第７図のIIX−IIX断面図である。 なお図中(1)は本体ケース，(3)は空気吹出し口，(4)は
風向変更板，(5)は化粧板，(6)はリンク機構，(ロ)(ハ)は
吹出し通路，(17)は導風羽根である。

フロントページの続き (56)参考文献 実公 昭39−2388（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】本体ケースに設けた空気吹出し口内に回動
   自在に軸支され，その上方部と前方部とを選択的に閉塞
   する化粧板，およびこれにリンク機構により連動して，
   上記前方部への吹出し通路と，上方部への吹出し通路を
   選択的に形成する単一の風向変更板を設けたことを特徴
   とする空気調和機の風向変更装置。
2. 【請求項２】化粧板による空気吹出し口の上方部の閉塞
   時に，風向変更板による前方部への吹出し通路を形成さ
   せると共に，上記化粧板による空気吹出し口の前方部の
   閉塞時に風向変更板による上方部への吹出し通路を形成
   させるようにした実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   空気調和機の風向変更装置。
3. 【請求項３】風向変更板に導風羽根を複数枚回動可能に
   取付けた実用新案登録請求の範囲第１項および第２項の
   いずれかに記載された空気調和機の風向変更装置。