JPH065500A - 露光方法、およびそれに用いるパターンデータ作成システム、パターンデータ作成方法およびマスク、ならびに露光装置 - Google Patents

露光方法、およびそれに用いるパターンデータ作成システム、パターンデータ作成方法およびマスク、ならびに露光装置

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JPH065500A
JPH065500A JP4156512A JP15651292A JPH065500A JP H065500 A JPH065500 A JP H065500A JP 4156512 A JP4156512 A JP 4156512A JP 15651292 A JP15651292 A JP 15651292A JP H065500 A JPH065500 A JP H065500A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰返しパターンおよび非繰返しパターンの所
望の合成パターンによる信頼性の高い選択的なパターン
露光が可能とされ、かつパターンデータの作成効率の向
上および的確な開口パターンの検証が可能な露光技術を
得る。 【構成】 集束ビームとして電子ビームを用い、半導体
集積回路などの複数図形の繰返しおよび非繰返しパター
ンを転写する一括転写方式のパターン露光装置であっ
て、ビーム制御して試料上に照射するEB描画部1と、
制御I/O部2、描画制御部3およびデータ保管部4と
から構成されている。このEB描画部1には、半導体ウ
ェハ7がステージ8上に搭載され、電子ビーム源9から
ステージ8に至る電子ビーム10の経路には、第1マス
ク11、ブランキング電極12、電子レンズ13、第1
偏向器14、第2偏向器15、第2マスク16、第3偏
向器17が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、露光方法およびそのパ
ターン作成技術に関し、特に半導体集積回路装置の集積
回路パターンの露光において、電子線などの集束ビーム
の照射によって周期的な繰返しパターンを高速、高精度
に露光することができる露光方法、およびそれに用いる
パターンデータ作成システム、パターンデータ作成方法
およびマスク、ならびに露光装置に適用して有効な技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、半導体集積回路装置の製造工
程では、電子ビームやレーザビームを用いてフォトマス
ク(レチクル)や半導体ウェハに集積回路パターンを描
画したり、集束イオンビームを用いて集積回路パターン
の欠陥箇所を修正するなど、各種の集束ビームを用いた
微細加工技術が実用化されている。
【0003】これらの集束ビーム加工技術のうち、感電
子線レジストを塗布したウェハに電子ビームを照射して
集積回路パターンをウェハ上に直接露光する技術は、フ
ォトマスクに形成した集積回路パターンをウェハに転写
する従来の光露光技術よりも微細な集積回路パターンを
形成できることから近年特に注目されている。
【0004】この集束ビーム加工技術においては、集積
回路の設計データに基づいて集束ビームをコンピュータ
制御し、ビームと試料とを正確に位置合わせすることな
どによって高精度の微細加工を実現している。
【0005】また、集束ビームを用いた露光方式では、
一般に極微細に集束されたビームによってパターンの塗
り潰しを行うため、スループットが問題となる。このス
ループットを大きく向上させる方法として、たとえば特
開昭62−260322号公報に示されているように、
繰返し図形のある単位図形を、たとえば電子ビームが透
過するカラムの所定の位置に図形形状の開口アパーチャ
(以下、マスクと記す)を形成しておき、これにより図
形形状に成形された電子ビームを繰返し照射するもので
ある。
【0006】すなわち、マスク上の小領域の図形形状の
開口を、比較的口径の大きなビームを選択的に透過させ
て図形形状をビーム成形し、これを一回の照射でレジス
ト上に転写するものである。上記方式の電子ビーム装置
の光学系については、USP4,213,053に記載
されている。
【0007】また、この方式の説明が、たとえば株式会
社プレスジャーナル、平成1年6月20日発行、「セミ
コンダクタワールド 1990年7月号」P170〜P
175などの文献に記載されている。
【0008】さらに、細く絞ったイオンビームを半導体
ウェハに照射することにより、半導体ウェハのプロセス
処理を行なう装置としては、FIB(Focused Ion Bea
m)装置が使われている。このFIB装置に関しては、
たとえば、SPIE vol.632 Electro
n−Beam,X−Ray,&Ion−Beam Te
chniqe For Submicrometer
Lithograghies V(1986) pp8
5〜pp92)に、制御ファイルと制御方法が記載され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記のよう
な図形開口のマスクを用いたビーム転写技術は、スルー
プットの向上を図る有力手段として提案されたものであ
る。これを具体的に実現しようとすると、下記のような
問題があり、それを解決しないとスループットの向上を
図ることができないことが本発明者によって見い出され
た。
【0010】たとえば、集束ビームを用いてマスクパタ
ーンを転写する方式を半導体集積回路装置に適用する場
合には、複数の図形開口からなるマスクを用意しておく
必要がある。すなわち、半導体集積回路を形成する各工
程毎に転写パターンが異なり、さらにその回路構成の各
部によっても転写パターンが異なる。
【0011】また、図形開口のマスクを用いたビーム転
写技術では、複数の図形開口からなるマスクを用意して
おくことを前提にしている。しかしながら、半導体集積
回路装置の周辺回路部などには、図形開口のマスクで形
成できないパターンが多数存在する。この周辺回路部の
パターンは、図形開口のマスクを用いることが困難であ
るため、たとえば従来方式の可変成形ビームを用いて、
その部分だけを別途描画を行なう方式が考えられる。
【0012】さらに、これらの方法では、半導体集積回
路などの複数の図形の繰返しを含むパターンを図形開口
のマスクを用いてビーム転写する場合に、スループット
向上する上で、マスクに設ける繰返し図形最小単位、繰
返し図形と非繰返し図形との連なりの露光などに本質的
な課題がある。
【0013】そこで、このマスクに設ける繰返し図形の
最小単位、すなわち単位パターンの配列数については、
本発明者らにより特願平3−66218号に示した。し
かし、図形の繰返しパターンと非繰返しパターンとの連
なり、または異なる繰返しパターンの連なりについての
パターン露光方法については考慮していなかった。
【0014】すなわち、図形の繰返しパターンと非繰返
しパターンとの連なり、または異なる繰返しパターンの
連なりのパターン露光を従来の発想で露光しようとすれ
ば、まず図形開口のマスクを用いたビーム転写を試料上
でマスクが異なる毎に繰返し、さらに従来方式の可変成
形ビームを用いて露光することになり、結局図形開口の
マスクを用いたビーム転写は、高スループットで露光で
きるものもあるが広く使えないことになる。
【0015】このため、図形開口のマスクを用いた露光
と可変成形ビームを用いた露光とをどのように組み合わ
せるかが問題となる。さらに、図形開口のマスクを用い
て露光したパターンと、可変成形ビームを用いて露光し
たパターンとの露光の精度と所要時間に係る問題とな
る。
【0016】また、半導体集積回路などのパターンデー
タから、図形開口のマスクによる描画パターンデータと
可変成形ビームを用いた描画パターンデータとを整合性
よく、また効率よく作成することが課題となる。
【0017】しかしながら、従来の図形開口のマスク
は、半導体集積回路を構成する論理やメモリなどの基本
機能素子パターンと同一にすることが一般に困難であ
る。すなわち、図形開口のマスクは、描画装置で形成で
きる最大ビーム寸法などによってその領域が制約される
が、半導体集積回路を構成する基本機能素子からなるセ
ルパターンは、このような制約を加えることができな
い。
【0018】従って、従来技術においては、これらの図
形開口のマスクを含むパターンを形成するためのパター
ンデータの作成が、半導体集積回路などに適用する場合
に極めて煩雑になるという問題がある。
【0019】また、複数の図形開口のマスクから選択し
て転写する際に、マスクパターンを直接見ることができ
ないので、図形開口マスクの選択エラーが生じる可能性
が高く、これを無くすることは重要な課題となってい
る。
【0020】そこで、本発明の目的は、複数の図形開口
からなるマスクによって成形される集束ビームを用いた
パターン転写において、複数の図形開口のマスクを選択
して照射することにより、繰返しパターンおよび非繰返
しパターンの所望の合成パターンによる信頼性の高い選
択的なパターン露光が可能とされる露光方法、およびそ
れに用いるパターンデータ作成システム、パターンデー
タ作成方法およびマスク、ならびに露光装置を提供する
ことにある。
【0021】また、本発明の他の目的は、露光方法に用
いるパターンデータを効率良く作成することができる露
光方法に用いるパターンデータ作成システムおよびパタ
ーンデータ作成方法を提供することにある。
【0022】さらに、本発明の他の目的は、複数の図形
開口のマスクに形成した開口パターンの検証を的確に行
うことが可能な露光方法に用いるマスクおよびパターン
データの作成技術を提供することにある。
【0023】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0024】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0025】すなわち、本発明の第1の露光方法は、半
導体集積回路などの複数図形の繰返しを含むパターンの
露光方法であって、矩形開口を有する第1マスクと、少
なくとも一つの矩形開口と複数の図形開口を有する第2
マスクとをビーム源から半導体ウェハなどの試料に到る
集束ビームの経路に順に介設し、集束ビームの偏向制御
が、第1マスクを通過するビームを偏向制御して第2マ
スクの矩形開口と複数の図形開口の一部を選択する第1
の偏向制御手段と、矩形開口を通過するビームの寸法を
変更する第2の偏向制御手段と、第2マスクの透過ビー
ムを試料上の所望の位置へ偏向制御するための第3の偏
向制御手段とを備えるものである。
【0026】また、本発明の第2の露光方法は、第1の
露光方法に加え、試料上に対応した第3の偏向制御手段
の偏向制御範囲内で、試料の搭載ステージを移動するよ
うにしたものである。
【0027】さらに、本発明の第3の露光方法は、複数
図形の繰返しを含むパターンの露光方法であって、矩形
開口を有する第1マスクと、少なくとも一つの矩形開口
と複数の図形開口を有する第2マスクとをビーム源から
試料に到る集束ビームの経路に順に介設し、第2マスク
が複数のビーム偏向領域を有し、複数のビーム偏向領域
の各領域に複数の図形開口と矩形開口を備え、かつ集束
ビームの偏向制御が、第1マスクを通過するビームを偏
向制御して第2マスクの矩形開口と複数の図形開口の一
部を選択する第1の偏向制御手段と、矩形開口を通過す
るビームの寸法を変更する第2の偏向制御手段と、第2
マスクの透過ビームを試料上の所望の位置へ偏向制御す
るための第3の偏向制御手段とを備えるものである。
【0028】この場合に、前記第1、第2または第3の
露光方法の制御に用いる制御データは、図形情報の繰返
し部が図形開口に対応させて抽出され、第1マスクを通
過する集束ビームの第1の偏向制御手段によって第2マ
スクの複数の図形開口の一部を選択するため、第2マス
クの開口パターンに対応する名称または識別符号とその
転写パターンの試料上に対応する位置座標データとその
繰返しデータとを構成要素とするパターンデータとし、
かつ抽出の残り部分の非繰返し部が、第1マスクを通過
する集束ビームの第2の偏向制御手段によって第2マス
クの矩形開口を通過するビーム寸法を可変するため、集
束ビームのビーム寸法またはこれに対応する寸法データ
と試料上に対応する位置座標データとを構成要素とする
パターンデータとするものである。
【0029】さらに、本発明の露光方法に用いるパター
ンデータ作成システムは、入力データの入力手段および
記憶手段と、制御データの出力手段および記憶手段とを
備え、入力データは、複数の図形情報の繰返しを含むパ
ターンデータまたは図形情報が規定され、磁気テープな
どの記憶媒体または通信装置を介して磁気ディスクなど
の記憶装置に記憶されたデータファイルであり、制御デ
ータは、図形情報の繰返し部の各構成要素とするパター
ンデータと、かつ非繰返し部の各構成要素とするパター
ンデータとが合成して、露光方法を用いた露光装置を制
御する計算機の入出力信号バスに接続した磁気ディスク
などの記憶装置に記憶されたデータファイルとするもの
である。
【0030】また、本発明の露光方法に用いる第1のパ
ターンデータ作成方法は、半導体集積回路パターンなど
の複数のパターンが積層されて構成されるパターンデー
タの作成に際し、図形開口のマスク用パターンデータを
集積回路などの複数のパターンと分離するものである。
【0031】さらに、本発明の露光方法に用いる第2の
パターンデータ作成方法は、第2マスクの複数の図形開
口に対し、一度に転写される図形開口のそれぞれに対応
して名称または符号を設けるものである。
【0032】また、本発明の露光方法に用いる第3のパ
ターンデータ作成方法は、第2マスクの複数の図形開口
に対し、一度に転写される図形開口のそれぞれに対応し
たパターンデータと、第2マスクの矩形開口によって形
成されるパターンデータとの相対位置関係が変更できる
ようにしたものである。
【0033】さらに、本発明の露光方法に用いる第1の
マスクは、第2マスクが第1の偏向制御手段のビーム偏
向領域内に少なくとも一つの矩形開口と複数の図形開口
とから構成されるものである。
【0034】また、本発明の露光方法に用いる第2のマ
スクは、第2マスクが第1の偏向制御手段のビーム偏向
領域内の略偏向中心に一つの矩形開口と半導体集積回路
パターンの繰返し部の少なくとも一部分の図形開口とか
ら構成されるものである。
【0035】さらに、本発明の露光方法に用いる第3の
マスクは、第1マスクおよび第2マスクから成り、第1
マスクが複数の矩形開口とそれより大きい矩形開口のア
パーチャがビーム源側に重ね合わせて構成されるもので
ある。
【0036】また、本発明の第1の露光装置は、電子ビ
ームなどの集束ビームを用いたパターンの露光装置であ
って、矩形開口を有する第1マスクと、少なくとも一つ
の矩形開口と複数の図形開口を有する第2マスクとをビ
ーム源から半導体ウェハなどの試料に到る集束ビームの
経路に順に介設し、集束ビームの偏向制御が、第1マス
クを通過する集束ビームを偏向制御して第2マスクの矩
形開口または複数の図形開口の一部を選択する第1の偏
向制御手段と、第2マスクの矩形開口を通過するビーム
の寸法を変更する第2の偏向制御手段と、第2マスクの
透過ビームを試料上の所望の位置へ偏向制御するための
第3の偏向制御手段とを備え、パターン露光が、第1の
偏向制御手段による偏向制御後、第3の偏向制御手段に
よる偏向制御の繰返し、または第1の偏向制御手段によ
る偏向制御後、第2の偏向制御手段による偏向制御と第
3の偏向制御手段による偏向制御の繰返しで集束ビーム
を制御するものである。
【0037】さらに、本発明の第2の露光装置は、電子
ビームなどの集束ビームを用いたパターン露光装置であ
って、矩形開口を有する第1マスクと、少なくとも一つ
の矩形開口と複数の図形開口を有する第2マスクとをビ
ーム源から試料に到る集束ビームの経路に順に介設し、
集束ビームの偏向制御が、第1マスクを通過する集束ビ
ームを偏向制御して第2マスクの矩形開口または複数の
図形開口の一部を選択する第1の偏向制御手段と、矩形
開口を通過するビームの寸法を変更する第2の偏向制御
手段と、第2マスクの透過ビームを試料上の所望の位置
へ偏向制御するための第3の偏向制御手段とを備え、試
料の搭載ステージを移動しながら、試料上に対応した第
3の偏向制御手段のビーム偏向制御の範囲内で、パター
ン露光が、第1の偏向制御手段による偏向制御後、第3
の偏向制御手段による偏向制御の繰返し、または第1の
偏向制御手段による偏向制御後、第2の偏向制御手段に
よる偏向制御と第3の偏向制御手段による偏向制御の繰
返しで集束ビームを制御してビーム照射するものであ
る。
【0038】また、本発明の第3の露光装置は、電子ビ
ームなどの集束ビームを用いたパターン露光装置であっ
て、矩形開口を有する第1マスクと、少なくとも一つの
矩形開口と複数の図形開口を有する第2マスクとをビー
ム源から試料に到る集束ビームの経路に順に介設し、第
2マスクが複数のビーム偏向領域を有し、複数のビーム
偏向領域の各領域に複数の図形開口と矩形開口を備え、
かつ第2マスクの移動制御手段と、集束ビームの偏向制
御が、第1マスクを通過する集束ビームの第1の偏向制
御手段と、第2マスクの透過ビームを試料上の所望の位
置へ偏向制御するための第3の偏向制御手段とを備え、
第2マスクの移動後、試料上または試料台上の基準マー
ク位置に試料を移動して、第1の偏向制御手段と第3の
偏向制御手段のビーム偏向制御位置の基準を較正し、試
料を所望の位置に移動して集束ビームをビーム照射する
ものである。
【0039】
【作用】前記した第1の露光方法ならびに露光装置によ
れば、第1マスクと第2マスクとが介設された集束ビー
ムの経路に、集束ビームの偏向制御として第1の偏向制
御手段、第2の偏向制御手段および第3の偏向制御手段
が備えられることにより、図形の繰返しパターンの少な
くとも一部は、第1の偏向制御手段を用いて第2マスク
の複数の図形開口の一部を選択した後、第3の偏向制御
手段を用いて集束ビームを試料上の所望の位置への照射
を繰返し、かつ図形の非繰返しパターンは、第1の偏向
制御手段を用いて第2マスクの矩形開口を選択した後、
第2の偏向制御手段を用いて第2マスクの矩形開口を通
過するビームの寸法を変更すると共に、第3の偏向制御
手段を用いて集束ビームを試料上の所望の位置へ照射し
て合成パターンを形成することができる。
【0040】また、前記した第2の露光方法ならびに露
光装置によれば、試料の搭載ステージを移動しながら、
試料上に対応した第3の偏向制御手段の偏向制御範囲内
で合成パターンを形成することができる。
【0041】さらに、前記した第3の露光方法ならびに
露光装置によれば、第2マスクの移動の後、試料上また
は試料台上の基準マークを用いて第1の偏向制御手段ま
たは第2の偏向制御手段の少なくとも一方と第3の偏向
制御手段との基準位置を較正し、試料を所望の位置に移
動した後に集束ビームを照射して合成パターンを形成す
ることができる。
【0042】すなわち、以上の露光方法ならびに露光装
置においては、電子ビームなどの集束ビームを用い、半
導体集積回路などの複数図形の繰返しを含むパターンの
露光において、第1マスクを通過する集束ビームの偏向
制御によって第2マスクの複数の図形開口の一部を選択
することにより、試料の所望の位置にビーム照射して半
導体集積回路パターンを試料上で合成して形成する際、
図形開口に対応する所望パターン部については、第2マ
スクの複数の図形開口の一部のパターンに対応する名称
または符号とその位置座標を構成要素としたパターンデ
ータを作成することができるので、第1マスクを通過す
る集束ビームの偏向制御によって第2マスクの複数の図
形開口の一部を選択することができる。
【0043】一方、開口パターンによって形成されるパ
ターンを除いた所望パターンについては、ビーム寸法と
その位置座標を構成要素としたパターンデータを作成す
ることができるので、第1マスクおよび第2マスクの矩
形開口を通過するビームを偏向制御してビーム寸法を可
変することができる。これにより、複数の図形開口によ
る選択およびビーム寸法の可変によって所望パターンの
選択的な露光が可能となる。
【0044】この場合に、露光方法に用いる制御データ
は、図形情報の繰返し部が第2マスクの複数の図形開口
の一部を選択するためのパターンデータとされ、かつ非
繰返し部が第2マスクの矩形開口を通過するビーム寸法
を可変するためのパターンデータとされることにより、
第3の偏向制御手段のビーム偏向領域単位またはその分
割領域単位で、繰返し部のパターンデータと非繰返し部
のパターンデータとを連続または組分けして合成出力し
たパターンデータとすることができる。
【0045】または、連続、組分け、分割して合成する
ためのポインタテーブルデータを付加し、繰返し部およ
び非繰返し部の各パターンデータの記憶番地を指示する
パターンデータとすることができる。
【0046】さらに、第2マスクの移動に対応し、集束
ビームの照射ビーム位置の基準マークによる較正指示が
できるように第2マスクの移動単位で分離して出力した
パターンデータとすることができる。
【0047】また、前記した露光方法に用いるパターン
データ作成システムによれば、入力データの入力手段、
記憶手段、および制御データの出力手段、記憶手段が備
えられることにより、入力データを磁気テープなどの記
憶媒体または通信装置を介して磁気ディスクなどの記憶
装置に記憶させ、また制御データを露光装置を制御する
計算機の入出力信号バスに接続した磁気ディスクなどの
記憶装置に記憶させることができる。
【0048】さらに、前記した露光方法に用いる第1の
パターンデータ作成方法によれば、図形開口のマスク用
パターンデータが集積回路などのパターンと分離される
ことにより、図形の位置座標が重ねられる積層構成の独
立した層に作成することができる。これにより、パター
ンデータの作成効率を向上させることができる。
【0049】また、前記した露光方法に用いる第2のパ
ターンデータ作成方法によれば、第2マスクの複数の図
形開口に対応して名称または符号が設けられることによ
り、パターン描画装置への入力パターンデータに名称ま
たは符号を含むようにすることができる。これにより、
パターン描画装置に入力する際に、マスクパターンの名
称または符号をビームを用いてチェックし、マスクパタ
ーンの選択エラーをなくすることができる。
【0050】さらに、前記した露光方法に用いる第3の
パターンデータ作成方法によれば、第2マスクの複数の
図形開口に対応したパターンデータと、第2マスクの矩
形開口によって形成されるパターンデータとの相対位置
関係を変更することができる。
【0051】また、前記した露光方法に用いる第1のマ
スクによれば、第2マスクに少なくとも一つの矩形開口
と複数の図形開口が構成されることにより、第2マスク
の移動によって、複数の図形開口と異なる複数の図形開
口による一括転写ビームと可変矩形ビームとを形成する
ことができる。
【0052】さらに、前記した露光方法に用いる第2の
マスクによれば、第2マスクに第1のビーム偏向領域内
の略偏向中心に一つの矩形開口と繰返し部の少なくとも
一部分の図形開口が構成されることにより、第2マスク
の移動によって、半導体集積回路の少なくとも1品種の
パターンを露光方法で形成する際に、必要な複数の図形
開口による一括転写ビームと可変矩形ビームとを形成す
ることができる。その上、第1の偏向制御よりも高速制
御させることで、露光の高速化を図ることができる。
【0053】さらに、前記した露光方法に用いる第3の
マスクによれば、第1マスクが複数の矩形開口とそれよ
り大きい矩形開口のアパーチャがビーム源側に重ね合わ
せて構成されることにより、第1マスクの移動によっ
て、第1マスクの矩形開口を取替えて変更することがで
きる。
【0054】
【実施例】図1は本発明の一実施例である一括転写方式
の露光装置を示すブロック構成図、図2は本実施例の露
光装置に用いられるマスクの構成を示す説明図、図3は
露光装置の要部を取り出して示す説明図、図4は電子ビ
ームの走査方向における較正を示す説明図、図5は試料
ステージ上の基準マークを示す詳細図、図6はビーム走
査量の較正を示す説明図、図7は基準マークを試料上に
設ける場合を示す説明図、図8は繰返しパターンと一括
転写マスクの説明図、図9は一括転写ビームと可変矩形
ビームとの露光説明図、図10はマスクの製作フロー
図、図11はパターンデータの作成フロー図、図12は
配列データの構成を示す説明図、図13はパターンデー
タ配列を示す説明図、図14,15はパターンデータの
構成を示す説明図、図16はパターンデータ制御回路を
示す構成図、図17はマスクの検査方法を示す説明図で
ある。
【0055】まず、図1により本実施例の露光装置の構
成を説明する。
【0056】本実施例の露光装置は、たとえば集束ビー
ムとして電子ビームを用い、半導体集積回路などの複数
図形の繰返しおよび非繰返しパターンを転写する一括転
写方式のパターン露光装置とされ、電子ビームを制御し
て試料上に照射するEB描画部1と、このEB描画部へ
制御信号を入出力する制御I/O部2と、装置全体の制
御を行う描画制御部3と、描画データを格納するデータ
保管部4とから構成されている。
【0057】EB描画部1は、電子ビーム光学系5と試
料ステージ系6から構成され、このEB描画部1内に
は、試料である半導体ウェハ7が、水平面内において移
動自在なXYステージなどからなるステージ8に搭載さ
れている。また、半導体ウェハ7の表面には、たとえば
感電子ビームレジストなどが塗布されている。
【0058】電子ビーム光学系5は、ステージ8の上方
に、電子ビーム源9と電子ビーム10を制御して照射す
る複数の電子レンズ群および制御電極が設けられてお
り、半導体ウェハ7に向けて電子ビーム10が放射され
るように構成されている。
【0059】すなわち、電子ビーム源9からステージ8
に到る電子ビーム10の経路には、たとえば矩形開口が
形成された第1マスク11、電子ビーム10の放射の有
無を制御するブランキング電極12、電子ビーム10の
収束、電子ビーム10の光軸の回り方向における回転補
正、電子ビーム10の断面形状を縮小し、電子ビーム1
0の半導体ウェハ7に対する焦点合わせなどを行う電子
レンズ13、第1偏向器14、第2偏向器15、複数の
図形開口が形成された第2マスク16、電子ビーム10
の半導体ウェハ7における照射位置を制御する第3偏向
器17などからなる電子ビーム光学系5が設けられてい
る。
【0060】試料ステージ系6は、真空ポンプ18によ
る真空チャンバ内に、半導体ウェハ7を搭載するステー
ジ8がステージ駆動部19により水平面内においてXY
方向に自在に移動するように構成されている。そして、
ステージ8の位置は、レーザ測長計20によるレーザ干
渉測定によりXY両方向が測定され、電子ビーム光学系
5にフィードバックされるようになっている。
【0061】一方、全体の制御を行う描画制御部3の制
御計算機21には、半導体ウェハ7に描画すべき回路パ
ターンなどの描画データが格納される大記憶容量の描画
データ記憶部22がデータ保管部4に設けられており、
実際の描画動作に必要な描画データが、制御I/O部2
のバッファメモリ23に転送され、演算部24によって
電子ビーム光学系5の制御に用いられる。
【0062】この制御I/O部2の演算部24は、バッ
ファメモリ23からの描画データとマーク位置信号、高
さ検出(Z検出と記す)信号データとステージ位置デー
タなどから、電子ビーム10のオン/オフ制御するブラ
ンキング、第2マスク16の複数の図形開口の一部を選
択する第1偏向、第2マスク16の矩形開口の一部に照
射し、透過した電子ビーム10の断面寸法を可変する第
2偏向、第2マスク16を移動する第2マスク制御、電
子ビーム10の半導体ウェハ7に対する照射領域と照射
位置を定める第3偏向などの直接制御信号データが作成
される。
【0063】すなわち、電子ビーム10をオン/オフす
る場合は、演算部24から電子ビーム10の照射パラメ
ータデータを取り出し、ブランキング信号発生部25、
ブランキング制御部26を介してブランキング電極12
を制御して行われる。
【0064】また、第2マスク16の複数の図形開口の
一部を選択する場合は、演算部24から図形選択パラメ
ータデータを取り出し、第1偏向制御信号発生部27、
第1偏向制御部28を介して第1偏向器14を制御して
行われる。これらの第1偏向制御信号発生部27、第1
偏向制御部28および第1偏向器14が、本発明におけ
る第1の偏向制御手段となる。
【0065】同様に、電子ビーム10の断面寸法の可変
は、電子ビーム10の寸法パラメータデータを取り出
し、第2偏向制御信号発生部29、第2偏向制御部30
を介して第2偏向器15を制御し、第2マスク16の矩
形開口の一部と切欠きするように照射し、透過する電子
ビーム10の寸法を変えて行われる。これらの第2偏向
制御信号発生部29、第2偏向制御部30および第2偏
向器15が、本発明における第2の偏向制御手段とな
る。
【0066】また、第2マスク16の移動は、演算部2
4から第2マスク16の移動制御パラメータデータを取
り出し、第2マスク16の移動制御信号発生部31、移
動制御部32を介して行ない、複数の図形開口と矩形開
口の一つが電子ビーム10の偏向領域内に入るようにし
て行われる。
【0067】さらに、第3偏向器17は、演算部24か
ら電子ビーム10の半導体ウェハ7に対する照射領域と
照射位置のパラメータデータを取り出し、第3偏向制御
信号発生部33、第3偏向制御部34を介して、電子ビ
ーム10の半導体ウェハ7に対する照射位置を定める動
作が行われる。これらの第3偏向制御信号発生部33、
第3偏向制御部34および第3偏向器17が、本発明に
おける第3の偏向制御手段となる。
【0068】この第3偏向器17は、大角偏向用の電磁
偏向と二段の小角高速偏向用の静電偏向から構成され
る。すなわち、電子ビーム10の半導体ウェハ7の対す
る照射位置は、5mm平方程度の大角度偏向用の電磁偏
向と、500μmと80μm程度の二段高速偏向用の静
電偏向とによる偏向量を重畳させることによって制御さ
れ、これにより大角度、高速度の電子ビーム10の偏向
が実現できる。
【0069】さらに、半導体ウェハ7が載置されるステ
ージ8は、ステージ制御部35を介して制御計算機21
により制御されている。このステージ制御部35は、ス
テージ8の変位量を精密に測定するレーザ測長計20か
らの計測値に基づいて、制御計算機21から指令された
位置にステージ8を移動させる動作が行われる。
【0070】また、ステージ8の上側の近傍には、電子
検出器36が配置されており、半導体ウェハ7の所望の
部位に形成されている図示しない位置合わせマークに電
子ビーム10を照射する時に発生する二次電子などを、
電子ビーム10の走査と同期して検出することにより、
この位置合わせマークの位置を検出して特定する動作を
行うようになっている。また、ステージ8上には、電子
ビーム10の図示しない検出器が搭載され、電子ビーム
10の電流値などの検出が行なわれる。
【0071】そして、この位置合わせマークの位置デー
タを基に、信号処理部37を介して半導体ウェハ7上の
描画領域を座標変換し、これにより所定の基準座標系に
おける値に変換され、演算部24の描画データの位置の
パラメータとを加えて第3偏向器17の制御に用いられ
る。
【0072】また、電子検出器36の近傍には、図示し
ない高さ検出(Z検出)計が配置されている。すなわ
ち、半導体ウェハ7の表面に対して所定の傾斜角度で光
ビームを照射し、半導体ウェハ7面で反射された光ビー
ムの光路を光ポジションセンサなどによって検出するも
のであり、光ビームの照射部位における半導体ウェハ7
の高さが精密に測定される。なお、図示の都合上、光ビ
ームの光源、投影レンズや受光レンズなどの光学系の図
示は省略している。
【0073】そして、Z検出センサを介して検出された
半導体ウェハ7における電子ビーム10の照射部位の高
さ情報は、信号処理部37を介して所定の基準座標系に
変換されて演算部24に送付される。この高さ情報を参
照して、電子レンズ13による電子ビーム10の半導体
ウェハ7に対する焦点合わせ動作の制御が行われる。
【0074】次に、図2により第1マスク11と第2マ
スク16の構成の一例を説明する。
【0075】第1マスク11は、複数の矩形開口の開口
パターン11aが格子状に配列されて形成されており、
電子ビーム源9または第1マスク11上のアパーチャと
組合わせ、第1マスク11の移動機構を設けることで、
第1マスク11の一つの矩形開口が劣化した場合、高真
空を大気圧にすることなく、別の矩形開口に取り替える
ことができる。
【0076】この矩形開口の劣化は、電子ビーム10の
照射によるコンタミに起因するものであり、また電子ビ
ーム10の電流値にも依存するが、数ヶ月以上の長期間
動作させる場合に有効である。
【0077】第2マスク16には、第1マスク11との
間に位置する第1偏向器14による電子ビーム10の偏
向可能範囲内に収まる大きさの複数の開口パターン16
aが格子状に配列されて形成されており、個々の開口パ
ターン16aは、たとえばマスクパターンとなる独立な
複数種の図形開口の一括転写開口パターン(番号1〜
5)と矩形開口(番号0)を含んでいる。この一括転写
開口パターン(番号1〜5)は、複数の転写図形開口か
ら構成され、たとえば半導体集積回路など複数の図形情
報の繰返しパターンに対応したものである。
【0078】次に、図3により露光装置の要部を取り出
し、第1マスク11および第2マスク16の移動機構に
ついて詳細に説明する。
【0079】図3に示すように、XYθ駆動系による高
精度小型ステージなどの移動機構を持つ第1マスク1
1、同様に移動機構を持つ第2マスク16の複数図形の
一部を選択する第1偏向器14、透過した電子ビーム1
0の寸法を可変する第2偏向器15などが図のように構
成されている。なお、第1マスク11の移動は、必ずし
も自動的に移動制御する機構を設けなくてもよい。
【0080】また、第2マスク16に形成される一括転
写開口パターン(番号1〜5)の一部には、たとえば図
3のマスク図形配置例に示すように対角線方向の両隅に
第1マスク11を通過した電子ビーム10によって同時
に選択可能な一対の孤立パターン16bが形成されてい
る。そして、半導体ウェハ7に対する一括転写開口パタ
ーン(番号1〜5)の各々の一括転写に際して、これら
の孤立パターン16bを適宜用いることにより第2マス
ク16の位置ズレの補正が行われる。
【0081】たとえば、図4に示すように、孤立パター
ン16bを通過した電子ビーム10によるX方向走査お
よびY方向走査における検出信号波形の各ピーク位置か
ら距離lx ,ly を求め、式(1)および(2)などに
より一括転写開口パターン(番号1〜5)の倍率誤差M
および角度誤差θを求めることができる。
【0082】すなわち、電子ビーム10によって同時に
選択可能な二つの孤立パターン16bを用いて、第2マ
スク16以降の電子ビーム光学系5を構成する電子レン
ズ13の励磁電流と倍率との関係、回転補正レンズと回
転角との関係を予め測定しておくことで補正が可能とな
る。ただし、電子ビーム10によって一度に選択できる
領域内に設けられた孤立パターン16bの場合には、相
互間の距離が小さいので、電子ビーム10の位置の検出
精度を上げる必要がある。
【0083】そこで、本実施例の場合には、図5に示す
ように半導体ウェハ7を搭載したステージ8上に設けら
れたナイフエッジを持つファラデーカップ部を、X軸、
Y軸の両方向に複数回走査して電子ビーム10の位置の
検出条件をよくしている。すなわち、ステージ8上の基
準マーク38により、ステージ8の移動量、移動速度を
レーザ測長計20により測定しながらビーム走査し、図
6に示すようにモニタ画面上でビーム走査量誤差がほぼ
一定となるようにビーム走査量を較正することができ
る。
【0084】また、図7に示すように半導体ウェハ7に
基準マーク38を設ける場合にも、(b) の移動マーク検
出方式の基準マーク38aを用いてビーム走査量を較正
したり、または(C) に示すアレイマーク検出方式による
基準マーク38bにおいても、それらのマーク位置をレ
ーザ測長計20により測定しておき、再度ビーム走査し
てビーム走査量を較正することができる。
【0085】さらに、開口パターン16aの両隅に、相
互間の距離が孤立パターン16bよりも大きな孤立パタ
ーン形成することも考えられる。この場合には、個々の
孤立パターンを一度に選択できないので、両者を個別に
選択するための電子ビーム10の偏向および選択後の電
子ビーム10の振り戻しの調整が必要となり、若干補正
作業が複雑になる。
【0086】以上のような第2マスク16は、本実施例
の一つの特徴となるものであり、第1マスク11と組合
せ、第2マスク16が第1のビーム偏向領域内に少なく
とも一つの矩形開口(番号0)と複数の転写図形の一括
転写開口パターン(番号1〜5)から構成され、第2マ
スク16の移動によって、転写図形と異なる複数の図形
開口による一括転写ビームと可変矩形ビームとを形成で
きるようにしたものである。
【0087】また、第2マスク16の移動制御手段を用
いて、第2マスク16を移動した場合は、第1マスク1
1を通過する電子ビーム10を偏向制御して(第1と第
2の偏向制御手段)、第2マスク16を透過した電子ビ
ーム10を半導体ウェハ7上の所望の位置へ偏向制御し
て(第3の偏向制御手段)、半導体ウェハ7上またはス
テージ8上の基準マーク38を用いて、第1と第3のビ
ーム偏向制御位置の基準、または第2と第3のビーム偏
向制御位置の基準を較正することが必要となる。この
後、所望の位置に半導体ウェハ7を移動して電子ビーム
10を照射することになる。
【0088】次に、本実施例に作用について、電子ビー
ム10を用いた一括転写露光方法の概略を説明する。
【0089】まず、図3に示すような第2マスク16の
移動機構によって、第2マスク16における目的の開口
パターン16aを電子ビーム光学系5の光軸上に位置決
めする。
【0090】さらに、第1マスク11を通過した電子ビ
ーム10を、第2偏向器15によって第2マスク16の
開口パターン16aに含まれる一括転写開口パターン
(番号1〜5)の一つに形成されている孤立パターン1
6bに導き、この孤立パターン16bを通過させ、2本
の電子ビーム10としてステージ8の側に照射する。
【0091】そして、このステージ8に設けられている
ファラデーカップなどを走査させることにより、孤立パ
ターン16bの光軸の回りの回転ずれや倍率誤差などの
転写誤差を計測し、記憶する。
【0092】その後、第1マスク11の開口パターン1
1aを通過した電子ビーム10を、第1偏向器14によ
って開口パターン11aの目的の一括転写開口パターン
(番号1〜5)に導いて、この電子ビーム10の断面形
状を成形する。
【0093】そして、成形された電子ビーム10を、前
述の測定によって得られた補正値によって動作が補正さ
れている電子レンズ13、第3偏向器17などを介して
制御することにより、XY移動されるステージ8に載置
されている半導体ウェハ7の所望の位置に所望の大きさ
で一括転写開口パターン(番号1〜5)の形状に照射
し、半導体ウェハ7の表面の感電子線レジストを感光さ
せる。
【0094】次に、本実施例の電子ビーム10の露光装
置における描画データの流れを説明する。
【0095】まず、描画データは、データ保管部4の磁
気ディスクなどの描画データ記憶部22に記憶され、制
御計算機21からの指示により、制御計算機21を介し
て、バッファメモリ23に目的のパターンの描画データ
が転送されるとともに、半導体ウェハ7のこのパターン
の描画位置が電子ビーム光学系5の光軸下に位置決めさ
れる。
【0096】そして、電子ビーム10による半導体ウェ
ハ7上の位置合わせマークなどの走査によって、この半
導体ウェハ7の平面内における目的の描画部位の座標情
報や高さ情報などが信号処理部37を介してバッファメ
モリ23に転送される。
【0097】さらに、前述した座標情報などに基づい
て、目的の照射部位の電子ビーム光学系5に対する位置
決めが行われるとともに、この領域の高さ情報などに基
づいて電子レンズ13の半導体ウェハ7に対する焦点位
置が設定される。
【0098】その後、演算部24は、バッファメモリ2
3に格納されている描画データに基づいて電子ビーム1
0の形状や偏向量などに関する制御信号を算出し、バッ
ファメモリ23からの描画データとマーク位置信号、高
さ検出信号データとステージ8の位置データなどから、
電子ビーム10のオン/オフ制御するブランキング、第
2マスク16の複数の図形開口の一部を選択する第1偏
向、第2マスク16の矩形開口の一部に照射し、透過し
た電子ビーム10の断面寸法を可変する第2偏向、第2
マスク16を移動する第2マスク制御、電子ビーム10
の半導体ウェハ7に対する照射領域と照射位置を定める
第3偏向などの直接制御信号データを作成する。
【0099】次に、図8により半導体集積回路などの複
数図形の繰返しを含むパターンの一例を説明する。
【0100】図中(a) は繰返しの単位図形であり、また
(b) は第2マスク16の一括転写開口となる図形であ
る。この開口パターン16aは、超高集積メモリLSI
のメモリセル内の配線パターン41(4ビット分)を示
すもので、X方向ピッチ0.8μm、Y方向ピッチ1.6μ
mで規則的に配列される。
【0101】これを均一な電子ビーム10が得られる最
大領域内に配置すると、4×2個を配列して一括転写開
口42が得られる。この一括転写開口42によって、電
子ビーム10の1ショットが32ビット分に対応される
ことになる。
【0102】また、図8(c) は、32キロビット分のメ
モリマット43の構成の説明図であり、このメモリマッ
ト43の内部の繰返し部44は、(b) の一括転写開口4
2にて31×31ショットの露光を行う。このメモリマ
ット43の周辺部45は、図2の矩形開口(番号0)を
用いて電子ビーム10の寸法を可変して露光する。
【0103】次に、図9は繰返しパターンと非繰返しパ
ターンとの連なり部での露光を模式化して示したもので
ある。
【0104】図中(a) は、一括転写開口ビーム51,5
2と可変成形ビーム53(1〜13の可変ビームにて形
成)によって形成されるパターンの一例である。また、
(b)は、上記のパターンのA−A位置における露光する
ための電子ビーム10の照射量の一例である。
【0105】図9に示すように、一括転写開口ビーム5
1,52ではショット内で照射量54,55が一定とな
る。ところが、可変成形ビーム53によるメモリマット
周辺部では、近接効果と呼ばれる電子ビーム10の散乱
現象によって最適な照射量から不足が生じる。このた
め、この周辺部の露光では、露光パターンの面積密度に
よって電子ビーム10の照射量56を大きくしている。
たとえば、タングステンなどの配線材料が被着された試
料に露光する場合に、このような照射量の制御が必要に
なる。
【0106】そこで、上記の電子ビーム10の露光装置
を半導体集積回路などの複数図形の繰返しを含むパター
ンを露光する際、前記図形の繰返しパターンと非繰返し
パターンとの連なり、または異なる繰返しパターンの連
なりには次の露光方法によって行なう。
【0107】すなわち、半導体集積回路などの複数図形
の繰返しを含むパターンの露光の際、矩形開口の開口パ
ターン11aを有する第1マスク11と、少なくとも一
つの矩形開口(番号0)と複数の図形開口による一括転
写開口パターン(番号1〜5)の開口パターン16aを
有する第2マスク16とが、電子ビーム源9から半導体
ウェハ7に到る電子ビーム10の経路に順に介設され
る。
【0108】そして、電子ビーム10の偏向制御におい
ては、第1偏向器14などによる第1の偏向制御手段に
より第1マスク11を通過する電子ビーム10を偏向制
御して、第2マスク16の矩形開口(番号0)と一括転
写開口パターン(番号1〜5)の一部を選択し、第2偏
向器15などによる第2の偏向制御手段により矩形開口
(番号0)を通過する電子ビーム10の寸法を変更し、
第3偏向器17などによる第3の偏向制御手段により第
2マスク16の透過した電子ビーム10を半導体ウェハ
7上の所望の位置へ偏向制御されることにより行われ
る。
【0109】これにより、図形の繰返しパターンは、第
1の偏向制御手段を用いて第2マスク16の複数の一括
転写開口パターン(番号1〜5)の一部を選択した後、
第3の偏向制御手段を用いて電子ビーム10を半導体ウ
ェハ7上の所望の位置への照射を繰返して形成される。
【0110】一方、図形の非繰返しパターンは、第1の
偏向制御手段を用いて第2マスク16の矩形開口(番号
0)を選択した後、第2の偏向制御手段を用いて第2マ
スク16の矩形開口(番号0)を通過する電子ビーム1
0の寸法を変更すると共に、第3の偏向制御手段を用い
て電子ビーム10を半導体ウェハ7上の所望の位置へ照
射して形成される。これによって、繰返しパターンと非
繰返しパターンとの合成パターンを形成することができ
る。
【0111】また、前記の露光の際、半導体ウェハ7の
ステージ8を移動しながら、半導体ウェハ7上に対応し
た第3の偏向制御手段の範囲内で合成パターンを形成す
ることもできる。
【0112】さらに、第2マスク16が複数のビーム偏
向領域を有し、各領域に複数の一括転写開口パターン
(番号1〜5)と矩形開口(番号0)を備える場合に
は、第2マスク16の移動後、半導体ウェハ7上または
ステージ8上の基準マークを用いて、第1の偏向制御手
段または第2の偏向制御手段の少なくとも一方と第3の
偏向制御手段の基準位置を較正し、所望の位置に半導体
ウェハ7を移動し、その後電子ビーム10を照射して合
成パターンを形成することもできる。
【0113】このように、上記のパターン露光方法を実
現するためには、それに対応した露光用パターンデータ
が露光装置の描画制御部3に転送される必要がある。本
実施例の露光装置では、電子ビーム10を高速度に制御
し、オン/オフ照射するために制御I/O部2に大容量
のバッファメモリ23を備えているが、このバッファメ
モリ23へのデータ入出力時間も問題となる。
【0114】そこで、露光用パターンデータを、バッフ
ァメモリ23に代えて中央処理装置(CPU)を介して
バス接続した一時的に保管する大容量の磁気ディスクな
どの記憶装置に記憶しておく場合にも、データフォーマ
ットを揃えておくことにより効率のよい転送が可能とな
る。
【0115】また、上記のパターン露光を実現するため
の描画データは、第1の偏向制御と第2の偏向制御やビ
ームブランキング制御などによって電子ビーム10を高
速度に制御し、オン/オフ照射するためにそれらの制御
回路に信号ケーブルが接続されたバッファメモリ23上
で、またはそれらの制御回路に中央処理装置(CPU)
を介してバス接続された磁気ディスク上などで規定され
るものである。
【0116】さらに、上記の露光装置において、半導体
ウェハ7を搭載するステージ8を連続して移動しながら
パターンを露光する際、上記したように第3の偏向制御
が大角偏向の電磁偏向と二段の小角偏向の静電偏向を組
合わせている。この静電偏向の中心位置をステージ8の
移動位置に対応して、電磁偏向を補正することでステー
ジ8を連続して移動しながらパターンの露光ができる。
その際、ステージ8の移動速度は、露光パターンの密度
に応じて補正する必要がある。
【0117】以上のように、本実施例のパターンの露光
方法の特徴は、半導体集積回路などの複数図形の繰返し
を含むパターンの露光の際、矩形開口を有する第1マス
ク11と少なくとも一つの矩形開口と複数の図形開口を
有する第2マスク16とを、電子ビーム源9から半導体
ウェハ7に到る電子ビーム10の経路に順に介設し、電
子ビーム10の偏向制御が第1マスク11を通過する電
子ビーム10を偏向制御して、第2マスク16の矩形開
口と複数の図形開口の一部を選択する第1の偏向制御手
段と、矩形開口を通過する電子ビーム10の寸法を変更
する第2の偏向制御手段と、第2マスク16を透過した
電子ビーム10を半導体ウェハ7上の所望の位置へ偏向
制御するための第3の偏向制御手段とから成る露光装置
によって可能となる。
【0118】そして、図形の繰返しパターンの少なくと
も一部は、第1の偏向制御を用いて、第2マスク16の
複数の図形開口の一部の選択した後、第3の偏向制御を
用いて、電子ビーム10を半導体ウェハ7上の所望の位
置への照射を繰返し、図形の非繰返しパターンは、第1
の偏向制御を用いて、第2マスク16の矩形開口を選択
した後、第2の偏向制御を用いて、第2マスク16の矩
形開口を通過する電子ビーム10の寸法の変更すると共
に、第3の偏向制御を用いて、電子ビーム10を半導体
ウェハ7上の所望の位置へ照射して合成パターンを形成
することが特徴となる。
【0119】また、上記の露光の際、半導体ウェハ7の
ステージ8を移動しながら、半導体ウェハ7上に対応し
た第3の偏向制御の範囲内で合成パターンを形成するこ
とが第2の特徴となる。
【0120】さらに、第2マスク16が複数のビーム偏
向領域を有し、各領域に複数の図形開口と矩形開口を備
え、電子ビーム10の偏向制御が第1マスク11を通過
する電子ビーム10を偏向制御して、第2マスク16の
矩形開口と複数の図形開口の一部を選択する第1の偏向
制御手段と、矩形開口を通過する電子ビーム10の寸法
を変更する第2の偏向制御手段と、第2マスク16を透
過した電子ビーム10を半導体ウェハ7上の所望の位置
へ偏向制御するための第3の偏向制御手段とから成る露
光装置においては、第2マスク16の移動の後、半導体
ウェハ7上またはステージ8上の基準マークを用いて、
第1のビーム偏向制御または第2のビーム偏向制御の少
なくとも一方と第3のビーム偏向制御の基準位置を較正
し、所望の位置に半導体ウェハ7を移動して、その後電
子ビーム10を照射して合成パターンを形成することが
第3の特徴となる。
【0121】次に、図10により本実施例の露光装置に
用いる第2マスク16の製作フローを説明する。
【0122】この第2マスク16は、たとえばSiウェ
ハ上にエッチングストッパ層と厚さ20μm程度の単結
晶層が積層された基板などを用い、所定の倍率として、
繰返し図形および矩形からなる開口を形成する。
【0123】このSi基板は、ボロンなどを高濃度イオ
ン注入して、これをエッチングストッパ層とし、その上
にエピタキシャル成長させるか、基板の貼り合わせ法を
用いることでSi薄膜ウェハを製作できる(ステップ1
001)。
【0124】最初に、Siウェハの主面上に、保護膜と
して酸化膜または窒化膜を形成しておき、エッチングス
トッパ層まで裏面エッチングを行なう。その際、両面ア
ライナ露光装置などを用いて、ウェハ主面に形成した位
置合わせマークを基に、Siウェハの裏面に塗布したレ
ジストを露光する。現像後、基板の裏面を水酸化カリウ
ムやピロカテコールなどを用い、アルカリ性異方性エッ
チングする(ステップ1002〜1006)。
【0125】続いて、電子ビームレジストを塗布したS
iウェハを、本実施例で用いた電子ビーム10の露光装
置などに装填する。また、パターンの描画は、本実施例
で用いた電子ビーム10の露光装置でも従来装置を用い
てもよいが、図形のフォーマットおよびSiウェハ上に
形成する図形開口の配置は、本実施例で用いた露光装置
用に揃える必要がある。
【0126】たとえば、本実施例ではSiウェハに描画
するパターンの倍率は25倍であり、この繰返しパター
ン抜取り後のマスク倍率の設定、パターンの配列指定な
どは、レジスト塗布前に行う(ステップ1007〜10
09)。
【0127】さらに、レジストを塗布して、裏面露光の
基準としたマークを検出し、位置合わせしてパターンを
描画した後、レジストパターンをマスクとしてRIEプ
ラズマエッチングによりSiウェハ基板の主面に20μ
m程度の溝を形成する。その際、電子ビームレジスト
は、プラズマエッチングに対して選択比がないので、S
iウェハ上の酸化膜をエッチングし、これをマスクとし
てSiウェハ基板をエッチングし、レジストを除去する
(ステップ1010〜1014)。
【0128】また、マスク周辺部の切りだしとなる領域
についても、裏面露光と主面露光とを重ね合わせること
で、マスク周辺部の切りだし寸法の精度を向上させるこ
とができる。
【0129】これにより、Siウェハ基板より厚さ20
μm程度の繰返し図形および矩形からなる開口の第2マ
スク16が形成できる。この後、Auなどの重金属をス
パッタ法などを用いて堆積させる。これによって、Si
基板のみでは、軽元素であることによる電子ビーム10
のマスキング性能が改善される(ステップ1015〜1
017)。なお、第1マスク11についても、同様にし
てSiウェハ基板を用いて形成することができる。
【0130】次に、図11により本実施例の露光装置の
制御のためのパターンデータ作成フローを説明する。
【0131】この場合の入力データは、半導体集積回路
など複数の図形の繰返しを含むパターンデータまたはこ
れらの図形に対応する情報が規定されるデータである。
【0132】本実施例では、入力データは、セルと呼ぶ
基本機能素子単位での繰返し配列展開情報を持つストリ
ームフォーマット(Calma Stream Format )の階層化S
TREM1101を用いている。
【0133】これは、セル単位での素子設計を基にして
半導体集積回路の設計が行なわれ、繰返し配列展開情報
によりデータの変換処理、転送処理などが容易になるた
めである。また、本発明に用いる電子ビーム10の露光
装置の他に、従来の電子ビーム露光装置やマスク検査装
置の入力データとしても一般的に用いられている。
【0134】一方、繰返し配列展開情報を持たない非階
層STREAM1102の入力データは、繰返し図形と
そのピッチを指定することで、繰返し図形を抽出して、
ステップ1103の階層化処理にて階層構造の入力デー
タに変換する。
【0135】これは、複数の図形の繰返しを含むパター
ンデータのストリームフォーマット化に際して、基本図
形とその繰返しの配列展開情報と非繰返し図形からなる
パターンデータをできるだけ一つのファイルにしておく
ことが望ましいためである。
【0136】すなわち、複数ファイルに分散すると、パ
ターン描画時に該当する描画領域毎(電子ビーム10に
よる描画の場合はビーム偏向領域)に複数ファイルに分
散した該当パターンデータの検索と描画制御部にデータ
転送して描画する必要があり、それだけ余分に描画時間
がかかる。また、半導体ウェハ7上でのパターン合成に
際し、パターン合成の指定ファイルミスなどの人為的な
作業ミスを誘発しやすくなる。
【0137】このため、上記の露光装置の制御のための
パターンデータの作成に際し、半導体集積回路パターン
などのように複数のパターンが積層されて構成されるパ
ターンデータでは、図形開口のマスク用パターンデータ
を集積回路などのパターンと分離し、積層構成の独立し
た層に作成することで効率を向上させることができる。
【0138】すなわち、半導体集積回路を構成する1つ
の工程層の完成パターンとしては同一となるが、露光装
置の制御のためのパターンデータでは分離された独立層
としてパターンデータを作成するものである。
【0139】続いて、ステップ1104のパターン分
類、ベクタ化処理にて、繰返しパターンの繰返しセル1
105、非繰返しパターン1106、サブトラクトパタ
ーン1107と参照関係1108の各ファイルに分離し
て出力する。
【0140】ここで、繰返しセル1105は繰返し図形
のデータファイルであり、非繰返しパターン1106は
それ以外の非繰返し図形のデータファイルである。ま
た、サブトラクトパターン1107は、繰返しパターン
と非繰返しパターン1106との境界処理のためのデー
タファイルであり、参照関係1108は配列展開情報の
データファイルである。
【0141】この繰返しセル1105は、電子ビーム1
0による描画で一括転写できる領域に入る複数の図形開
口に対応したパターンを基準として抽出したパターンと
する必要がある。この一括転写できる領域は、電子ビー
ム10の強度の均一性により描画精度上問題ない範囲で
ある。また、電子ビーム10による描画ではクーロン効
果と呼ばれている制限があり、たとえば電流密度10A
/cm2 の電子ビーム10で、半導体ウェハ7上でショ
ットサイズ換算して最大7μm平方程度に制限される。
【0142】従って、繰返しパターンとその配列情報
は、半導体集積回路などの複数の図形の繰返し単位が一
括転写できる領域に入る複数の図形開口に対応したもの
となっている。すなわち、繰返しパターンの領域が、小
さければ一括転写できる領域内でまとめ、大きければ逆
に一括転写できる領域内に分割するデータ処理を行な
う。これにより、入力データの複数の図形の繰返し単位
が一括転写できる領域に入る複数の図形開口に対応して
いれば、その分データ処理時間が短縮できる。
【0143】この段階で、入力データと出力データとの
排他的論理和EORをとってパターンチェックしたり、
パターン寸法の補正を行なう。このパターンチェック
は、非繰返しパターン1106とサブトラクトパターン
1107との差分による非繰返し図形の重なり除去処理
や、繰返しセル1105の論理和による繰返し図形の重
なり除去処理を行なうものである。また、この寸法補正
は、電子ビーム10による露光に際し、近接効果と呼ば
れている半導体ウェハ7上での電子ビーム10の散乱現
象による寸法劣化を補正するためである。
【0144】続いて、ステップ1109のSLICE
は、パターンを一度に露光するための基本図形に分解処
理するものである。
【0145】さらに、ステップ1110のSSF(Sub
Sub Field )分割は、露光方法で説明した第2の偏向制
御手段の内で、電子ビーム10を高速度に偏向できる領
域毎に分割するものである。これは、電子ビーム10を
高速、高精度にビーム偏向する場合、静電場を構成する
電極間に電子ビーム10を通して静電偏向する方式を用
いるが、その領域が、たとえば100μm平方程度に制
限されるためである。
【0146】このSSF分割処理により、SSF単位に
繰返しパターンおよびその配列情報と非繰返しパターン
のファイルに分割する。すなわち、SSF単位の非繰返
しパターンファイルは、SSF内パターンの図形パター
ンファイル1111、ポインタテーブルファイル111
2、SSFアレイファイル1113に分割する。一方、
繰返しセルは、SSF内パターンの図形パターンファイ
ル1114、ポインタテーブルファイル1115に分割
する。ここで、ポインタテーブルは、図形パターンデー
タの格納番地の記憶テーブルファイルである。
【0147】このように、SSF単位に非繰返しパター
ンデータおよび繰返しパターンデータを持たせると情報
量が大幅に増加する。そこで、SSF配列に階層構造を
持たせ、1階層のSF数と同じ大きさを持ったポインタ
テーブルを持たせる。これによって、半導体集積回路メ
モリのセルパターンのように1チップの中に規則正しく
配列した繰返しパターンのデータ量が少なく定義でき
る。
【0148】そして、2階層、3階層のSF配列は、S
F配列コマンドからポインタテーブルによって1階層の
パターンデータとリンクさせる。これらの各SF単位で
は、その領域内での繰返し情報と非繰返し情報だけを持
たせ、図形情報をポインタデータにて孫引させることが
できる。
【0149】たとえば、図12は3階層のSF配列の一
例であり、このような配列は次のようにして定義するこ
とができる。
【0150】3階層のSSF配列であることを示すコマ
ンド X0 ,Y0 繰返し基準となるSSFの中心座標 m3 ,n3 SSFのX方向、Y方向の3階層繰
返し数 dX3 ,dY3 SSFのX方向、Y方向の3階層繰
返しピッチ m2 ,n2 SSFのX方向、Y方向の2階層繰
返し数 dX2 ,dY2 SSFのX方向、Y方向の2階層繰
返しピッチ m1 ,n1 SSFのX方向、Y方向の1階層繰
返し数 dX1 ,dY1 SSFのX方向、Y方向の1階層繰
返しピッチ PA パターンデータのポインタ表の先頭
番地 続いて、図11のステップ1116のアレイ変換は、入
力パターンデータの配列展開情報をSSFアレイ111
7に変換処理するものである。たとえば、図13はSS
Fを規定するコマンドの説明であり、このようにしてS
SFの配列位置などを規定することができる。
【0151】最後に、ステップ1118の合成処理によ
り、上記のデータを合成して制御データとして出力する
(ステップ1119)。その際、指定により合成方法を
次の3つに分けることができる。
【0152】1). 出力データは、第2のビーム偏向領域
単位またはその分割領域単位で、繰返し部パターンデー
タと非繰返し部パターンデータとを連続して合成出力す
る。これは、繰返し部パターンと非繰返し部パターンの
露光密度がほどんど変化しない場合に適応できる。
【0153】2). 出力データは、第2のビーム偏向領域
単位またはその分割領域単位で、繰返し部パターンデー
タと非繰返し部パターンデータとをそれぞれ組分けして
合成出力する。これは、通常、繰返し部パターンと非繰
返し部パターンとで露光密度が変わる場合、電子ビーム
10の電流密度を補正し、これに伴って電子ビーム10
の露光時間、電子ビーム10の照射位置を補正するのに
照射時間より約2桁余分に時間がかかるため、それぞれ
組分けすることで露光時間を短縮させることができる。
【0154】3). 出力データは、第2マスク16の移動
に対応し、第2マスク16の移動単位で分離して出力す
る。これは、第2マスク16の移動に伴って電子ビーム
10の照射位置と半導体ウェハ7の位置とを較正する必
要があり、上記2). よりさらに約2桁余分に時間をかけ
て、半導体ウェハ7上または試料搭載のステージ8上の
基準マークにて第2のビーム偏向領域の基準位置を較正
するためである。
【0155】上記の3つの合成方法を簡単に切り替える
ため、出力データは、第2のビーム偏向領域単位または
その分割領域単位で連続、組分け、分割して合成するた
めのポインタテーブルデータを付加することで対応でき
る。
【0156】また、出力データは、図形の繰返しに対応
させた図形開口部分が抽出され(第1マスク11を通過
する電子ビーム10の偏向制御によって第2マスク16
の複数の図形開口の一部を選択するため)、第2マスク
16の図形開口に対応する名称または識別符号とその転
写パターンの半導体ウェハ7上に対応する位置座標を構
成要素とするデータであり、抽出による残りパターン部
分を(第1マスク11および第2マスク16の矩形開口
を通過する電子ビーム10を偏向制御してビーム寸法を
可変するため)、ビーム寸法と半導体ウェハ7上に対応
する位置座標を構成要素とするデータとしてある。
【0157】さらに、出力データは、図形情報の繰返し
部が図形開口に対応させて抽出され(第1マスク11を
通過する電子ビーム10の偏向制御によって第2マスク
16の複数の図形開口の一部を選択するため)、第2マ
スク16の複数の図形開口の一部に対応する名称または
識別符号とその転写パターンの半導体ウェハ7上に対応
する位置座標を構成要素とするパターンデータと、抽出
の残りパターン部分を(第1マスク11および第2マス
ク16の矩形開口を通過する電子ビーム10を偏向制御
してビーム寸法を可変するため)、ビーム寸法と半導体
ウェハ7上に対応する位置座標を構成要素とするパター
ンデータを磁気ディスクなどの記憶装置に合成出力す
る。
【0158】たとえば、一つの図形データを指定するた
めには、図14のように可変矩形ビームによる図形指定
のパラメータを設定し、一方一括転写ビームによる図形
指定は図15のようにパラメータを設定する。この場合
に、パターンデータ量を圧縮するため、1/2ワード
(16ビット)列に対して各ビット(bit)に意味付
けしている。
【0159】このパラメータを組合せた出力データは、
描画装置が許容する図形処理コマンドのフォーマットの
一部である。また、図14のパラメータの(3)と
(4)の間に区切り記号を設けた指定を定義すること
で、(1)〜(6)が同じ場合、たとえば(3)以前は
直前パラメータを参照させることによりデータ量をさら
に削減することができる。
【0160】ここで、図15に示す一括転写ビーム用の
データは、図14に示す可変矩形ビームの場合の
(1)、(2)に相当するデータが意味を持たないの
で、データ量を削減するために削除してある。
【0161】このようにして、第2マスク16の複数の
図形開口に対し、一度に転写される図形開口のそれぞれ
に対応して名称または符号を設け、パターン描画装置へ
の入力パターンデータが名称または符号を含むようにす
ることで後述のマスクパターン検査の自動化ができる。
【0162】また、第2マスク16の複数の図形開口に
対し、一度に転写される図形開口のそれぞれに対応した
パターンデータと、第2マスク16の矩形開口によって
形成されるパターンデータとの相対位置関係が変更でき
るようにすることで、複数の第2マスク16の図形開口
から、たとえばパターン寸法を変更した図形開口への切
り替えが容易になる。すなわち、第2マスク16とパタ
ーンデータとを効率よく使うことができる。
【0163】以上のように、出力データの特徴として
は、図形情報の繰返し部が図形開口に対応させて抽出さ
れ(第1マスク11を通過する電子ビーム10の第1の
偏向制御によって第2マスク16複数の図形開口の一部
を選択するため)、第2マスク16の開口パターンに対
応する名称または識別符号と、その転写パターンの半導
体ウェハ7上に対応する位置座標データとその繰返しデ
ータとを構成要素とするパターンデータとし、抽出の残
りパターン部分が(第1マスク11を通過する電子ビー
ム10の第1の偏向制御によって第2マスク16の矩形
開口を通過するビーム寸法を可変するため)、ビーム寸
法またはこれに対応する寸法データと半導体ウェハ7上
に対応する位置座標データとを構成要素とするパターン
データであることが特徴となる。
【0164】さらに、パターンデータの作成は、たとえ
ばソフトウェアプログラムをワークステーションなどの
計算機上に移植することによって自動化できる。
【0165】すなわち、半導体集積回路など複数の図形
情報の繰返しを含むパターンデータまたは図形情報が規
定されるデータを、ワークステーションなどの計算機の
磁気ディスクに入力しておき、このデータを読み、上記
のデータ作成方法に従って処理を施すことにより可能と
なる。この処理のポイントは、図形情報の繰返し部が図
形開口に対応させて抽出することにある。
【0166】この場合の計算機システムにおいて、入力
データとしては、半導体集積回路など複数の図形情報の
繰返しを含むパターンデータまたは図形情報が規定され
るデータであり、磁気テープなどの媒体または通信装置
を介して磁気ディスクなどの記憶装置に一時記憶された
ものである。
【0167】また、出力データとしては、図形情報の繰
返し部が図形開口に対応させて抽出され(第1マスク1
1を通過する電子ビーム10の第1の偏向制御によって
第2マスク16複数の図形開口の一部を選択するた
め)、第2マスク16の複数の図形開口の一部に対応す
る名称または識別符号と、その転写パターンの半導体ウ
ェハ7上に対応する位置座標データとその繰返しデータ
とを構成要素とするパターンデータと、抽出の残りパタ
ーン部分を(第1マスク11を通過する電子ビーム10
の第1の偏向制御によって第2マスク16の矩形開口を
通過するビーム寸法を可変するため)、ビーム寸法また
はこれに対応する寸法データと半導体ウェハ7上に対応
する位置座標データとを構成要素とするパターンデータ
を磁気ディスクなどの記憶装置に合成出力することを特
徴とする。
【0168】さらに、この計算機システムは、電子ビー
ム10の露光装置の制御計算機21と兼用しても別の計
算機でもよい。ただし、別の計算機の場合は、露光装置
の制御計算機21とオンライン接続することで効率を向
上させることができる。
【0169】このようにして、一括転写用パターンデー
タと可変矩形用パターンデータとが混在したパターンデ
ータを作成することができる。
【0170】以上により、一括転写方式の露光装置に用
いるパターンデータ作成方法が容易にでき、第1マスク
11と第2マスク16との組み合わせによって成形され
た電子ビーム10の照射による目的の一括転写開口パタ
ーン(番号1〜5)の一括した転写によるスループット
の向上を実現させることができる。
【0171】また、複数の図形開口を有するマスクに用
いるパターンデータを集積回路などのパターンと分離
し、積層構成にした独立層に作成することによって、パ
ターンデータ作成の効率を向上させることができる。
【0172】次に、図16により、制御用パターンデー
タとそれを用いた制御方法の一例を説明する。ここで
は、電子ビーム10を偏向してショット位置を制御する
方法について示すものとする。
【0173】まず、図1に示す制御I/O部2のバッフ
ァメモリ23から、演算部24を介してパターンデータ
に含まれている上位ビット列または下位ビット列からな
るコードにより、図14,15の(3)のビームショッ
ト位置のデータを取り出す。
【0174】このビームショット位置のデータは、上記
のコードデータを削除するだけでよくデータ処理の高速
化ができる。
【0175】そして、このデータはレジスタ(REG)
61に一時的に保管され、ステージ8の位置や他の電子
ビーム10の制御とのタイミングを合わせ、デジタル/
アナログコンバータ(DAC)62によって、ショット
位置のビットデータに対応したアナログ電圧が出力され
る。
【0176】さらに、このアナログ電圧は、オペアンプ
(A1)63,(A2)64によって電圧調整した後、
ビーム偏向電極65に印加される。これによって、図1
4,15の図形コマンドのパターンデータは、位置座標
に対応したビーム偏向電極65の電圧に変換できる。
【0177】上記と同様の方式が、第2マスク16の一
括転写用開口と可変矩形開口を選択する第1の偏向制御
手段、可変矩形開口の一部を偏向する第2の偏向制御手
段などに適用することができる。
【0178】ここで、第1の偏向制御と第2の偏向制御
とを分離している理由は、電子ビーム10の偏向幅が異
なるので、必要とする偏向制御回路の仕様が異なるため
である。すなわち、同一の分解能で精度を上げようとす
れば、たとえばデジタル/アナログコンバータ62のデ
ジタル/アナログ変換の設定時間が変わることになり、
第1の偏向制御で第2の偏向制御を兼用すれば偏向制御
の精度を下げるか、または余分に時間をかけることにな
る。
【0179】これにより、本発明による露光方法の特徴
となる露光を実現するため、第1の偏向制御と第2の偏
向制御とを分離することで露光精度かつ露光速度の向上
を図っている。
【0180】次に、図17により、本発明の露光方法に
用いられる第2マスク16の検査方法を説明する。
【0181】この場合に、第2マスク16の一括転写用
の複数の図形パターンの検査は、電子レンズ13と第2
マスク16との間に、第2マスク16を電子ビーム10
によって走査する際に発生する反射電子や二次電子など
の荷電粒子の量を検出するセンサ71を配置し、この検
出信号をデータ処理するものである。
【0182】そして、センサ71の出力は、アンプ7
2、切替スイッチ73を介して比較器74の一方の入力
となっている。また、比較器74の他方の入力には、切
替スイッチ73を介して測定データを記憶するメモリ7
5が切替スイッチ76を介して接続されている。さら
に、切替スイッチ76には、第2マスク16における一
括転写開口パターン(番号1〜5)の設計データ77が
格納されるメモリ78も接続されている。
【0183】まず、第2マスク16を最初に用いる際、
第1マスク11を通過した電子ビーム10を、第2偏向
器15、ビーム成形の電子レンズ13の制御によって第
2マスク16の開口パターン16aを走査し、この時に
得られた荷電粒子の検出信号をメモリ75に記憶させて
おく。
【0184】その後、第2マスク16上の複数の開口パ
ターン16aの一部を選択するに際して、メモリ75に
保持されている検出信号と比較することにより、選択し
た一括転写開口パターン(番号1〜5)の形状の劣化や
種別などの検証を行なう。この形状の劣化の検証は、電
子ビーム10の照射によって第2マスク16の図形開口
の劣化を調べ、継続使用の可否を判別するものである。
【0185】また、転写作業中における検出信号と、第
2マスク16の一括転写開口パターン(番号1〜5)の
設計データ77とを比較することも可能である。ただ
し、第2マスク16の実パターンの検出信号と設計デー
タ77から得られる信号とは、たとえばパターンコーナ
部の丸みが異なるので、それに対処したデータ処理を必
要に応じて施すこととなる。
【0186】さらに、センサ71によるパターン検出の
代りに、透過型SEM(Scanning Electron Microscop
e)方式によって第2マスク16の一括転写開口パター
ン(番号1〜5)を検出してもよい。すなわち、第2偏
向器15、電子レンズ13の制御によって第2マスク1
6の開口パターン16aを走査し、ステージ8上のビー
ム検出器79によって透過した電子ビーム10を検出す
ることができる。この検出信号のデータ処理方法は、上
記と同様に処理する。
【0187】以上のように本実施例におけるパターンデ
ータは、第2マスク16の複数の図形開口に対し、一度
に転写される図形開口のそれぞれに対応して名称または
符号を設け、パターン描画装置に入力するパターンデー
タを構成するデータが名称または符号を含むようにして
ある。すなわち、図15で、一括転写開口に対応して一
括転写パターンのコードが付けられている。
【0188】また、パターンデータには、図形開口のそ
れぞれに対応して転写マスクパターンのIDがあるの
で、これを用いて描画前に転写マスクパターンが適当な
ものかどうかチェックすることができる。
【0189】このように、本実施例の場合には、第2マ
スク16の開口パターン16aの形状や種別などを検証
することができ、たとえば第2マスク16に付着した異
物などによる転写ミス、第2マスク16の誤装填、開口
パターン16aの誤選択などによる転写作業のミスを確
実に防止できる。このことは、多数の第2マスク16を
使用する量産工程などにおいて、パターン転写作業の信
頼性の維持向上に特に有効となる。
【0190】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0191】たとえば、本実施例の露光装置の電子ビー
ム光学系5については、図1および図3に例示したもの
に限定されるものではなく、他の構成であってもよい。
【0192】また、パターン転写の一例として、半導体
ウェハ7の露光工程に適用する場合について説明した
が、たとえばマスクによって成形された荷電粒子ビーム
を用いる一般の加工技術などに適用してもよいことは言
うまでもない。
【0193】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0194】(1).本発明の露光方法ならびに露光装置に
よれば、複数図形の繰返しを含むパターンを露光する場
合、矩形開口を有する第1マスクと少なくとも一つの矩
形開口と複数の図形開口を有する第2マスクとを、ビー
ム源から試料に到る集束ビームの経路に順に介設し、複
数の図形情報の繰返しパターンは、第1マスクを通過す
る集束ビームを第1の偏向制御によって第2マスクの複
数の図形開口の一部を選択して、第2の偏向制御によっ
て試料上の所望の位置に照射して形成され、図形情報の
非繰返しパターンは、第1マスクを通過する集束ビーム
を第1の偏向制御によって第2マスクの矩形開口を通過
するビームの寸法を可変して、第2の偏向制御によって
試料上の所望の位置に照射して形成されることにより、
図形の繰返しパターンと非繰返しパターンとの連なり、
または異なる繰返しパターンの連なりでのパターン露光
密度によって、試料上に対応した第2の偏向制御の範囲
内で第1、第2の偏向制御などを補正し、連続して、ま
たは必要な補正を施し続けてビーム照射して合成パター
ンを形成することができるので、所望パターンの選択的
な露光が可能となる。
【0195】(2).露光方法に用いるパターンデータ作成
方法によれば、集束ビームを用いてマスク像を転写する
方式を半導体集積回路装置に適用する場合において、パ
ターン形状の開口マスクの転写と可変成形ビームの描画
のためのパターンデータを効率よく作成することができ
る。
【0196】(3).前記(2) に加え、特に積層構成の独立
した層のパターン形状の開口マスクデータとすることに
より、パターンデータの作成を容易に行うことができる
ので、作成効率の向上が可能となる。
【0197】(4).露光方法に用いるマスクによれば、複
数のパターン形状の開口マスクから選択して転写する際
に、マスクパターンを直接見ることができないので、従
来は開口マスクの選択エラーが生じる可能性が高かった
が、本発明においてはマスクパターンの名称または符号
を用いてチェックすることができるので、マスクに形成
された開口パターンの検証を的確に行うことが可能とな
る。
【0198】(5).前記(4) により、特にマスクパターン
の名称または符号を用いることで、複数種の一括転写マ
スクの交換の自動チェックが可能とされる露光技術を得
ることができる。
【0199】(6).前記(1) 〜(5) により、繰返しパター
ンおよび非繰返しパターンによるパターン転写におい
て、所望の合成パターンによる信頼性の高い選択的なパ
ターン露光が可能とされる露光技術を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である一括転写方式の露光装
置を示すブロック構成図である。
【図2】本実施例の露光装置に用いられるマスクの構成
を示す説明図である。
【図3】本実施例の露光装置の要部を取り出して示す説
明図である。
【図4】本実施例の露光装置において、電子ビームの走
査方向における較正を示す説明図である。
【図5】本実施例における試料ステージ上の基準マーク
を示す詳細図である。
【図6】本実施例におけるビーム走査量の較正を示す説
明図である。
【図7】本実施例において、基準マークを試料上に設け
た場合を示す説明図である。
【図8】本実施例における繰返しパターンと一括転写マ
スクを示す説明図である。
【図9】本実施例における一括転写ビームと可変矩形ビ
ームとの露光説明図である。
【図10】本実施例におけるマスクの製作フロー図であ
る。
【図11】本実施例におけるパターンデータの作成フロ
ー図である。
【図12】本実施例における配列データの構成を示す説
明図である。
【図13】本実施例におけるパターンデータ配列を示す
説明図である。
【図14】本実施例におけるパターンデータの構成を示
す説明図である。
【図15】本実施例におけるパターンデータの構成を示
す説明図である。
【図16】本実施例におけるパターンデータ制御回路を
示す構成図である。
【図17】本実施例におけるマスクの検査方法を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 EB描画部 2 制御I/O部 3 描画制御部 4 データ保管部 5 電子ビーム光学系 6 試料ステージ系 7 半導体ウェハ(試料) 8 ステージ 9 電子ビーム源 10 電子ビーム(集束ビーム) 11 第1マスク 11a 開口パターン 12 ブランキング電極 13 電子レンズ 14 第1偏向器 15 第2偏向器 16 第2マスク 16a 開口パターン 16b 孤立パターン 17 第3偏向器 18 真空ポンプ 19 ステージ駆動部 20 レーザ測長計 21 制御計算機 22 描画データ記憶部 23 バッファメモリ 24 演算部 25 ブランキング信号発生部 26 ブランキング制御部 27 第1偏向制御信号発生部 28 第1偏向制御部 29 第2偏向制御信号発生部 30 第2偏向制御部 31 移動制御信号発生部 32 移動制御部 33 第3偏向制御信号発生部 34 第3偏向制御部 35 ステージ制御部 36 電子検出器 37 信号処理部 38,38a,38b 基準マーク 41 配線パターン 42 一括転写開口 43 メモリマット 44 繰返し部 45 周辺部 51,52 一括転写開口ビーム 53 可変成形ビーム 54〜56 照射量、 61 レジスタ 62 デジタル/アナログコンバータ、 63,64 オペアンプ 65 ビーム偏向電極 71 センサ 72 アンプ 73 切替スイッチ 74 比較器 75 メモリ 76 切替スイッチ 77 設計データ 78 メモリ 79 ビーム検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 37/305 9172−5E (72)発明者 柴田 幸延 茨城県勝田市市毛882番地 株式会社日立 製作所計測器事業部内 (72)発明者 平川 明 茨城県勝田市市毛882番地 株式会社日立 製作所計測器事業部内 (72)発明者 斉藤 徳郎 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 岡崎 信次 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 村井 二三夫 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数図形の繰返しを含むパターンの露光
    方法であって、矩形開口を有する第1マスクと、少なく
    とも一つの矩形開口と複数の図形開口を有する第2マス
    クとをビーム源から試料に到る集束ビームの経路に順に
    介設し、前記集束ビームの偏向制御が、前記第1マスク
    を通過するビームを偏向制御して前記第2マスクの矩形
    開口と複数の図形開口の一部を選択する第1の偏向制御
    手段と、前記矩形開口を通過するビームの寸法を変更す
    る第2の偏向制御手段と、前記第2マスクの透過ビーム
    を試料上の所望の位置へ偏向制御する第3の偏向制御手
    段とを備え、前記複数図形の繰返しパターンの少なくと
    も一部は、前記第1の偏向制御手段を用いて前記第2マ
    スクの複数の図形開口の一部を選択した後、前記第3の
    偏向制御手段を用いて前記集束ビームを前記試料上の所
    望の位置への照射を繰返し、かつ前記複数図形の非繰返
    しパターンは、前記第1の偏向制御手段を用いて前記第
    2マスクの矩形開口を選択した後、前記第2の偏向制御
    手段を用いて前記第2マスクの矩形開口を通過するビー
    ムの寸法を変更すると共に、前記第3の偏向制御手段を
    用いて前記集束ビームを前記試料上の所望の位置へ照射
    して合成パターンを形成することを特徴とする露光方
    法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の露光方法であって、
    前記試料の搭載ステージを移動しながら、前記試料上に
    対応した前記第3の偏向制御手段の偏向制御範囲内で合
    成パターンを形成することを特徴とする露光方法。
  3. 【請求項3】 複数図形の繰返しを含むパターンの露光
    方法であって、矩形開口を有する第1マスクと、少なく
    とも一つの矩形開口と複数の図形開口を有する第2マス
    クとをビーム源から試料に到る集束ビームの経路に順に
    介設し、前記第2マスクが複数のビーム偏向領域を有
    し、該複数のビーム偏向領域の各領域に複数の図形開口
    と矩形開口を備え、かつ前記集束ビームの偏向制御が、
    前記第1マスクを通過するビームを偏向制御して前記第
    2マスクの矩形開口と複数の図形開口の一部を選択する
    第1の偏向制御手段と、前記矩形開口を通過するビーム
    の寸法を変更する第2の偏向制御手段と、前記第2マス
    クの透過ビームを試料上の所望の位置へ偏向制御する第
    3の偏向制御手段とを備え、前記第2マスクの移動の
    後、前記試料上または試料台上の基準マークを用いて前
    記第1の偏向制御手段または前記第2の偏向制御手段の
    少なくとも一方と前記第3の偏向制御手段との基準位置
    を較正し、前記試料を所望の位置に移動した後に前記集
    束ビームを照射して合成パターンを形成することを特徴
    とする露光方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項1、2または3記載の露光方
    法であって、該露光方法の制御に用いる制御データは、
    前記図形情報の繰返し部が前記図形開口に対応させて抽
    出され、前記第2マスクの開口パターンに対応する名称
    または識別符号とその転写パターンの試料上に対応する
    位置座標データとその繰返しデータとを構成要素とする
    パターンデータとし、かつ前記抽出の残り部分が、前記
    集束ビームのビーム寸法またはこれに対応する寸法デー
    タと前記試料上に対応する位置座標データとを構成要素
    とするパターンデータであることを特徴とする露光方
    法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1または2記載の露光方法で
    あって、該露光方法の制御に用いる制御データは、前記
    図形情報の繰返し部が前記第2マスクの開口パターンに
    対応する名称または識別符号とその転写パターンの試料
    上に対応する位置座標データとその繰返しデータとを構
    成要素とするパターンデータとし、かつ前記図形情報の
    非繰返し部が前記集束ビームのビーム寸法またはこれに
    対応する寸法データと前記試料上に対応する位置座標デ
    ータとを構成要素とするパターンデータとから成り、前
    記第3の偏向制御手段のビーム偏向領域単位またはその
    分割領域単位で、前記繰返し部のパターンデータと前記
    非繰返し部のパターンデータとを連続して合成出力した
    パターンデータであることを特徴とする露光方法。
  6. 【請求項6】 前記請求項1または2記載の露光方法で
    あって、該露光方法の制御に用いる制御データは、前記
    図形情報の繰返し部が前記第2マスクの開口パターンに
    対応する名称または識別符号とその転写パターンの試料
    上に対応する位置座標データとその繰返しデータとを構
    成要素とするパターンデータとし、かつ前記図形情報の
    非繰返し部が前記集束ビームのビーム寸法またはこれに
    対応する寸法データと前記試料上に対応する位置座標デ
    ータとを構成要素とするパターンデータとから成り、前
    記第3の偏向制御手段のビーム偏向領域単位またはその
    分割領域単位で、前記繰返し部のパターンデータと前記
    非繰返し部のパターンデータとをそれぞれ組分けして合
    成出力したパターンデータであることを特徴とする露光
    方法。
  7. 【請求項7】 前記請求項1、2または3記載の露光方
    法であって、該露光方法の制御に用いる制御データは、
    前記図形情報の繰返し部が前記第2マスクの開口パター
    ンに対応する名称または識別符号とその転写パターンの
    試料上に対応する位置座標データとその繰返しデータと
    を構成要素とするパターンデータとし、かつ前記図形情
    報の非繰返し部が前記集束ビームのビーム寸法またはこ
    れに対応する寸法データと前記試料上に対応する位置座
    標データとを構成要素とするパターンデータとから成
    り、前記第3の偏向制御手段のビーム偏向領域単位また
    はその分割領域単位で、連続、組分け、分割して合成す
    るための前記繰返し部および非繰返し部の各パターンデ
    ータの記憶番地を指示するポインタテーブルデータを付
    加したパターンデータであることを特徴とする露光方
    法。
  8. 【請求項8】 前記請求項3記載の露光方法であって、
    該露光方法の制御に用いる制御データは、前記図形情報
    の繰返し部が前記第2マスクの開口パターンに対応する
    名称または識別符号とその転写パターンの試料上に対応
    する位置座標データとその繰返しデータとを構成要素と
    するパターンデータとし、かつ前記図形情報の非繰返し
    部が前記集束ビームのビーム寸法またはこれに対応する
    寸法データと前記試料上に対応する位置座標データとを
    構成要素とするパターンデータとから成り、前記第2マ
    スクの移動に対応し、前記集束ビームの照射ビーム位置
    の基準マークによる較正指示ができるように前記第2マ
    スクの移動単位で分離して出力したパターンデータであ
    ることを特徴とする露光方法。
  9. 【請求項9】 前記請求項1、2または3記載の露光方
    法に用いるパターンデータ作成システムであって、入力
    データの入力手段および記憶手段と、制御データの出力
    手段および記憶手段とを備え、前記入力データは、前記
    複数の図形情報の繰返しを含むパターンデータまたは前
    記図形情報が規定され、記憶媒体または通信装置を介し
    て記憶装置に記憶されたデータファイルであり、前記制
    御データは、前記図形情報の繰返し部が前記図形開口に
    対応させて抽出され、前記第2マスクの複数の図形開口
    の一部に対応する名称または識別符号とその転写パター
    ンの試料上に対応する位置座標データとその繰返しデー
    タとを構成要素とするパターンデータと、かつ前記抽出
    の残り部分の非繰返し部が前記集束ビームのビーム寸法
    またはこれに対応する寸法データと前記試料上に対応す
    る位置座標データとを構成要素とするパターンデータと
    を合成して、前記露光方法を用いた露光装置を制御する
    計算機の入出力信号バスに接続した記憶装置に記憶され
    たデータファイルであることを特徴とする露光方法に用
    いるパターンデータ作成システム。
  10. 【請求項10】 前記請求項1、2または3記載の露光
    方法に用いるパターンデータ作成方法であって、複数の
    パターンが積層されて構成されるパターンデータの作成
    に際し、前記図形開口のマスク用パターンデータを前記
    複数のパターンと分離し、前記図形の位置座標が重ねら
    れる積層構成の独立した層に作成することを特徴とする
    露光方法に用いるパターンデータ作成方法。
  11. 【請求項11】 前記請求項1、2または3記載の露光
    方法に用いるパターンデータ作成方法であって、前記第
    2マスクの複数の図形開口に対し、一度に転写される図
    形開口のそれぞれに対応して名称または符号を設け、パ
    ターン描画装置への入力パターンデータが前記名称また
    は符号を含むようにしたことを特徴とする露光方法に用
    いるパターンデータ作成方法。
  12. 【請求項12】 前記請求項1、2または3記載の露光
    方法に用いるパターンデータ作成方法であって、前記第
    2マスクの複数の図形開口に対し、一度に転写される図
    形開口のそれぞれに対応したパターンデータと、前記第
    2マスクの矩形開口によって形成されるパターンデータ
    との相対位置関係が変更できるようにしたことを特徴と
    する露光方法に用いるパターンデータ作成方法。
  13. 【請求項13】 前記請求項1、2または3記載の露光
    方法に用いるマスクであって、前記第2マスクが前記第
    1の偏向制御手段のビーム偏向領域内に少なくとも一つ
    の矩形開口と複数の図形開口とから構成され、前記第2
    マスクの移動によって、前記複数の図形開口と異なる複
    数の図形開口による一括転写ビームと可変矩形ビームと
    を形成できるようにしたことを特徴とする露光方法に用
    いるマスク。
  14. 【請求項14】 前記請求項1、2または3記載の露光
    方法に用いるマスクであって、前記第2マスクが前記第
    1の偏向制御手段のビーム偏向領域内の略偏向中心に一
    つの矩形開口と半導体集積回路パターンの繰返し部の少
    なくとも一部分の図形開口とから構成され、前記第2マ
    スクの移動によって、前記半導体集積回路の少なくとも
    1品種のパターンを前記露光方法で形成する際に必要な
    複数の図形開口による一括転写ビームと可変矩形ビーム
    とを形成できるようにしたことを特徴とする露光方法に
    用いるマスク。
  15. 【請求項15】 前記請求項1、2または3記載の露光
    方法に用いるマスクであって、前記第1マスクおよび前
    記第2マスクから成り、前記第1マスクが複数の矩形開
    口とそれより大きい矩形開口のアパーチャがビーム源側
    に重ね合わせて構成され、前記第1マスクの移動によっ
    て、前記第1マスクの矩形開口を取替え変更ができるよ
    うにしたことを特徴とする露光方法に用いるマスク。
  16. 【請求項16】 集束ビームを用いたパターンの露光装
    置であって、矩形開口を有する第1マスクと、少なくと
    も一つの矩形開口と複数の図形開口を有する第2マスク
    とをビーム源から試料に到る集束ビームの経路に順に介
    設し、前記集束ビームの偏向制御が、前記第1マスクを
    通過する前記集束ビームを偏向制御して前記第2マスク
    の矩形開口または複数の図形開口の一部を選択する第1
    の偏向制御手段と、前記第2マスクの矩形開口を通過す
    るビームの寸法を変更する第2の偏向制御手段と、前記
    第2マスクの透過ビームを試料上の所望の位置へ偏向制
    御する第3の偏向制御手段とを備え、パターン露光が、
    前記第1の偏向制御手段による偏向制御後、前記第3の
    偏向制御手段による偏向制御の繰返し、または前記第1
    の偏向制御手段による偏向制御後、前記第2の偏向制御
    手段による偏向制御と前記第3の偏向制御手段による偏
    向制御の繰返しで前記集束ビームを制御することを特徴
    とする露光装置。
  17. 【請求項17】 集束ビームを用いたパターン露光装置
    であって、矩形開口を有する第1マスクと、少なくとも
    一つの矩形開口と複数の図形開口を有する第2マスクと
    をビーム源から試料に到る集束ビームの経路に順に介設
    し、前記集束ビームの偏向制御が、前記第1マスクを通
    過する前記集束ビームを偏向制御して前記第2マスクの
    矩形開口または複数の図形開口の一部を選択する第1の
    偏向制御手段と、前記矩形開口を通過するビームの寸法
    を変更する第2の偏向制御手段と、前記第2マスクの透
    過ビームを試料上の所望の位置へ偏向制御する第3の偏
    向制御手段とを備え、前記試料の搭載ステージを移動し
    ながら、前記試料上に対応した前記第3の偏向制御手段
    のビーム偏向制御の範囲内で、パターン露光が、前記第
    1の偏向制御手段による偏向制御後、前記第3の偏向制
    御手段による偏向制御の繰返し、または前記第1の偏向
    制御手段による偏向制御後、前記第2の偏向制御手段に
    よる偏向制御と前記第3の偏向制御手段による偏向制御
    の繰返しで前記集束ビームを制御してビーム照射するこ
    とを特徴とする露光装置。
  18. 【請求項18】 集束ビームを用いたパターン露光装置
    であって、矩形開口を有する第1マスクと、少なくとも
    一つの矩形開口と複数の図形開口を有する第2マスクと
    をビーム源から試料に到る集束ビームの経路に順に介設
    し、前記第2マスクが複数のビーム偏向領域を有し、該
    複数のビーム偏向領域の各領域に複数の図形開口と矩形
    開口を備え、かつ前記第2マスクの移動制御手段と、前
    記集束ビームの偏向制御が、前記第1マスクを通過する
    前記集束ビームの第1の偏向制御手段と、前記第2マス
    クの透過ビームを試料上の所望の位置へ偏向制御する第
    3の偏向制御手段とを備え、前記第2マスクの移動後、
    前記試料上または試料台上の基準マーク位置に試料を移
    動して、前記第1の偏向制御手段と前記第3の偏向制御
    手段のビーム偏向制御位置の基準を較正し、前記試料を
    所望の位置に移動して前記集束ビームをビーム照射する
    ことを特徴とする露光装置。
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