JPH0654883B2 - 多入力形制御装置 - Google Patents

多入力形制御装置

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JPH0654883B2
JPH0654883B2 JP3265986A JP3265986A JPH0654883B2 JP H0654883 B2 JPH0654883 B2 JP H0654883B2 JP 3265986 A JP3265986 A JP 3265986A JP 3265986 A JP3265986 A JP 3265986A JP H0654883 B2 JPH0654883 B2 JP H0654883B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明はm入力点とn出力点(m<n)との間の各イ
ンパルス応答が有限とみなせる線形系(m入力n出力線
形FIR系と記す)を対象として、 (a)その線形FIR系の入力信号を推定する (b)その線形FIR系のその入力信号に所望の特性を付
与して又は付与した後取り出す などの動作で代表される逆フィルタ処理を実現する多入
力形制御装置に関するものである。
この発明の多入力形制御装置は、上記の逆フィルタ処理
の特徴を生かすことに依り、次に述べる分野への応用を
可能とする。
○音響系への応用 この発明装置における受信素子としてマイクロホン素子
を用い、 m個の音源(入力点)から任意の1つの信号を選択する
ことに依る雑音除去(選択受聴)を可能とし、また 音源から放射される直接音のみを受音することに依る残
響除去を可能とする。
○電波系への応用 この発明装置における受信素子として受信用アンテナ素
子を用い、 希望局から放射される信号のみを選択することに依る妨
害波除去を可能とし、 希望局からの直接波のみを受信することに依るゴースト
受信防止、又はマルチパス受信防止を可能とする。
「従来の技術」 1入力1出力線形FIR系の逆フィルタ処理を例とし
て、第12図を参照して従来技術の説明を行う。対象と
する1入力1出力線形FIR系101の出力点に受信素
子1が設けられ、受信素子1の出力は逆フィルタ処
理を行う為のフィルタ11へ供給される。以下の説明で
は離散化した信号を用いる。尚m入力n出力線形FIR
系に対しても以下と全く同様の説明が行える。
線形FIR系101への入力信号x(k)(k=1,2…)とフ
ィルタ11の出力y(k)を等しくするような逆フィルタ処
理(入力信号推定)を考えることにする。説明を簡単に
する為、線形FIR系101には遅延(応答の遅れ)は
無いものとする。
さて上記逆フィルタ処理を実現するフィルタ11の係数
は、 g1(k):線形FIR系101のインパルス応答 h1(k):フィルタ11の係数 を満足するh1(k)で与えられる。例えば線形FIR系1
01が一般室内音場である場合に、室内の1点に置かれ
た信号源(スピーカ、人の口等、線形FIR系101の
入力点に相当する)から音響信号(入力信号)x(k)
が放射されれば、該室内の1点(出力点)に配されたマ
イクロホン素子(受信素子)1は上記信号源から該マ
イクロホン素子への直接音の他に、反射による残響音も
受音してしまう。この時室内インパルス応答(線形FI
R系101のインパルス応答)g1(k)の影響を打ち消す
ように、即ち がk=1で1、k=2,3,…で0となるようにフィル
タ係数h1(x)が決められると、フィルタ11の出力信号y
(k)は入力信号x(k)と等しくなり、残響信号が抑圧され
た信号が得られる。ところが、線形FIR系101が非
最小位相推移系、つまりこの線形系の伝達関数G1(z)の
零点がz平面上の単位円外にも存在する場合、(反射の
存在する一般室内音場等は典型的な例である)には(2)
式をz変換して得られる次の関係式 H(z)=1/G(z) ……(3) を満たすH(z)が不安定となり、上記逆フィルタ処理は実
現不可能であることが知られている(S.T.Neely and J.
B.Allen,“Invertibility of a Room Impulse Respons
e”J.Acoust.Soc.Am,66(1),pp.163-169,July,1979)。
そこで従来の技術では次の評価量 を最小にする係数 を持つフィルタを安定かつ構成の簡単なFIR(Finite
Impulse Response)型で実現する方法がとられていた。
しかしこの手法は以下に示す欠点を原理的に有してい
る。
(a)先に述べたように(2)式を満たす安定なフィルタは実
現出来ない。従って前記従来の手法で求まるFIRフィ
ルタは を零にすることはできず、正確な逆フィルタ処理はでき
ない。
(b) の大きさやe(k)の特性は、線形FIR系のインパルス応
答g1(k)に依存する為、上記従来技術で達成される性能
は対象とする線形FIR系毎に大きく変動する。
この発明の目的は、m入力n出力線形FIR系に加えら
れる任意の入力信号を正確に推定すること、 そのm入力n出力線形FIR系に加えられる入力信号に
所望の特性(インパルス応答)を与えた後に取り出すこ
と、 の逆フィルタ処理を実現する多入力形制御装置を提供す
ることにある。
この発明によれば入力点より出力点が多いm入力n出力
線形FIR系(m,nは1以上の整数n>m)を対象と
し、そのn個の出力点に受信素子がそれぞれ配され、こ
れらn個の受信素子にFIRフィルタが接続され、その
n個のFIRフィルタの出力は加算手段で加算される。
m個の入力点の第i番目(i=1,2…,m)とn個の
出力点の第j番目(j=1,2…,n)との間のインパ
ルス応答gij(k)をWij個の離散信号で表わし、上記第i
番目の入力点と上記加算手段の出力との間の上記所望の
伝達特性ri(k)をPi個の離散信号で表すと、上記j番目
の出力点に接続された第j番目のFIRフィルタは 但し、i=1,2,…,m j=1,2,…,n を満足するタップ数lを有し、かつその第j番目のF
IRフィルタの係数hj(k)が 但し、i=1,2,…,m を満足しているものである。
発明の基本原理 第1図を用いてこの発明の基本原理を説明する。第1図
は第12図に示した1入力1出力線形FIR系101に
この発明を適用した場合でこの線形FIR系101に信
号伝達経路111を並列接続して1入力2出力線形FI
R系121とし、この線形FIR系121の2つの出力
点に受信素子1,1がそれぞれ配され、これら受信
素子1,1はFIRフィルタ11,11にそれぞれ
接続され、これらFIRフィルタ11,11の各出力は
加算器22で加算される。この第1図はこの発明装置の
最小構成を表わしている。
説明を簡単にする為、線形系101及び信号伝達経路1
11には遅延がないものとする。この第1図において線
形FIR系121への入力信号x(k)と加算器22の出力
y(k)を等しくするような逆フィルタ処理を実現させる為
には、 g1j(k)(j=1,2):入力点と第j番出力点 との間のインパルス応答 h(k)(j=1,2):FIRフィルタ11 (j=1,2)の係数 を満足する係数h1(k),h2(k)を求めれば良い。(5)式を満
足する係数h1(k),h2(k)を有するFIRフィルタ11,1
1は、 (条件1)g11(k),g12(k)の伝達関数G11(z),G12(z)は共
通の零点を持たない。
なる条件下で (a)フィルタ係数h1(k),h2(k)をそれぞれl,l個の
離散信号で表わすことにすれば、 lw12−1 lw11−1 …(6a) 但し、インパルス応答g11(k),g12(k)がそれぞれw11,w12
個の離散信号で表わされているものとする なる関係を満足する(5)式の解h1(k),h2(k)は唯一組存在
する。
(b)l>w12−1 l>w11−1 …(6b) なる関係を満足する(5)式の解h1(k),h2(k)は無数に存在
する。
のように実現され得ることを示すことが出来る。即ち
(5)式をz変換すれば 1=G11(z)H1(z)+G12(z)H2(z) …(7) G11(z),G12(z),H1(z),H2(z):z多項式 となる。この式においてG11(z),G12(z)が互いに素、つ
まりG11(z),G12(z)の零点が一致しないならば、ユーク
リッドの互除法を用いて、 である。
K(z):任意のz多項式 と表わされる(7)式の一般解H1(z),H2(z)が存在する
(“理工学のための数学ハンドブック”丸善,PP,10-1
1,1983)。
ここで上記 以外にも deg H1′(z)<deg G12(z), deg H2′(z)<deg G11(z) …(10) を満足する(7)式の解H1′(z),H2′(z)が存在するものと
仮定する。(8)式より、H1′(z),H2′(z)は次のように表
わされる。
ここでH1′(z),H2′(z)の次数は となり、これは上記の仮定と矛盾する。つまり他に解が
存在するとしたこの仮定は誤ったものであって(9)式を
満足する(7)式の解は唯一組である。
即ち、(a),(b)で述べた様な係数h1(z),h2(z)を持つFI
Rフィルタ11,11の存在性は保証された。
次にFIRフィルタ11,11の実現方法、即ちフィル
タ係数h1(k)h2(k)の求め方について説明する。インパル
ス応答g11(k),g12(k)をベクトル フィルタ係数h1(k),h2(k)をベクトル とすれば(5)式は、 但し、 w11+l−1=w12+l−1 と書き換えることが出来る。前記(a),(b)の論議より、
(7)式を満足するフィルタ係数 の存在性は(条件1)の下に保証されているから、(7)
式は以下のように解くことが出来る。
(a)′フィルタ係数h1(k),h2(k)の個数l,lが lw12−1 lw11−1 を満足する解を求める場合には、 を定める事で、(13)式右辺の畳み込み行列 が正列行列となるから、 とフィルタ係数を求める事が出来る。
(b)′l>w12−1 l>w11−1 を満足する解を求める場合には、 l+l>w1j+l−1=(j=1,2) …(15) となる為(7)式右辺の畳み込み行列 は横長行列となる。即ち、(13)式は不定方程式となる
が、例えば の様に解く事が出来る。
以上の説明では、1入力2出力線形FIR系121の入
力信号x(k)を正確に推定する逆フィルタ処理を例とした
が、(13)式左辺の目標ベクトル をP個の離散信号で与えられる任意の伝達特性(イン
パルス応答)r1(k)とする事も可能である。
この場合には、 w1j+l−1P(j−1,2) …(17) となる様にフィルタ係数h1(k),h2(k)の個数、即ちFI
Rフィルタ11,11のタップ数l,lを定め
る必要がある。そして、 (a)″l=w12−1 l=w11−1 となる場合には、 但し、 =w1j+l−1−P0 (j=1,2) (b)″l>w12−1 l>w11−1 となる場合には、 とフィルタ係数を定める事が出来る。
尚インパルス応答g11(k),g12(k)に次のような遅延D11,D
12(D11≧D12とする) がある場合にはg11(k),g12(k)に共通する遅延D12を次の
ように削除することに依り、上記(a)′,(b)′の手続き
を用いることが出来る。
以上のようにこの発明に依れば、フィルタ係数h1(k),h2
(k)を正しく求めることができ従来技術では実現不可能
だった逆フィルタ処理を正確に実現することが出来る。
さらに上記基本原理は、多入力多出力線形FIR系に1
つ或いはそれ以上の信号伝達経路を並列接続することに
依って得られる第2図に示すm入力n出力(m<n)線
形FIR系122を対象とする場合へと容易に拡張出来
る。
m入力n出力線形FIR系122のインパルス応答をベ
クトル インパルス応答gij(k)はwij個の離散信号で表わされて
いるものとする)、Pi個の離散信号で与えられる所望の
伝達特性(インパルス応答)ri(k)をベクトル =wij+l−1−P10 (但し、i=1,2,…,m;j=1,2,…,n)) とすれば、 (i) 但しj=1,2,…,n を満足するフィルタタップ数lを用いる場合には 但し、 (ii) を満足するフィルタタップ数lを用いる場合には例え
ば、 Tは換置を表わす によりフィルタ係数を求めることにより逆フィルタ処理
を正確に実現するFIRフィルタ111,112,…,11nが求め
られる。
この発明は、以上述べたように従来技術では実現不可能
であった、多入力多出力線形FIR系を対象とする逆フ
ィルタ処理を正確に実現するものであり、以下の特徴を
有する。
(a)多入力多出力線形FIR系に1つ或いは複数の信号
伝達経路(有限のインパルス応答を有する適切な線形F
IR系)を付け加えることに依り、全体の系をm入力n
出力(m<n)線形FIR系に作り換える。
(b)(20)式で与えられるタップ数l(j=1,2,…
n)を持つn個のFIRフィルタの係数を で与えられる連立方程式の解として求める。
さらにこの発明は、 (c)音響系へ適用することに依り、雑音抑圧、選択受
聴、残響除去を実現出来る。
(d)電波系へ適用することに依り、妨害波抑圧、マルチ
パス或いはゴーストの防止を実現出来る、ものである。
従来においては音響系や電波系においては、受信素子
(マイクロホン素子、アンテナ素子)数に従って形成さ
れる指向特性を制御することに依って、(c),(d)に挙げ
た問題に対処していたが、 (a)′反射の存在する一般室内音場や電場内で上記問題
を解消する為には、膨大な受信素子が必要とされる、 (b)′指向性制御の結果、受音或いは受信を希望する信
号まで歪んでしまう、 と云う欠点があった。しかしこの発明では、その原理か
ら明らかなように、前記(a)′,(b)′の欠点を伴わずに
目的信号を受音又は受信する装置として、音響系或いは
電波系の分野へ適用出来る。
「実施例」 第3図はこの発明の一実施例を示し、全系をディジタル
信号処理系で構成したものである。第3図においてm入
力n出力線形FIR系122のm個の入力点に配された
m個の信号源S1,S2,…,Smから放射される信号はm入力
n出力線形FIR系122を経てそのn個の出力点に配
された受信素子11,12,…,1nでそれぞれ受信され、受信
素子11,12,…,1nの出力u1(t),u2(t)…,un(t)はnチャン
ネルA/D変換器21に供給される。A/D変換器21
はその入力信号u1(t),u2(t)…,un(t)をそれぞれ離散化
した信号u1(k),u2(k)…,un(k)(k=1,2,…)とし
て出力し、これらは信号処理部11を構成するn個のF
IRフィルタ111,112,…,11nに入力され、これらFIR
フィルタの出力は加算器22に依り足し合わされ、この
発明装置の出力y(k)となる。
波形記録器23及び目標波形記録器50の出力は演算設
定器24に供給され、演算測定器24の出力はフィルタ
係数決定器25へ入力され、フィルタ係数決定器25の
出力は信号処理部11に出力され、これを構成するn個
のFIRフィルタ111,112,…,11nの設定入力側に供給さ
れ、その各フィルタ係数を設定する。
次にこの実施例の動作を説明する。この実施例において
n個のFIRフィルタ111,112,…,11nは、入力信号u
1(k),u2(k)…,un(k)を未処理のまま直ちに出力するよう
な状態に初期設定されているものとする。また波形記録
器23及び目標波形記録器50にはmn個のインパルス
応答ベクトル インパルス応答長)とm個の目標インパルス応答(目標
伝達特性)ベクトル Pi:目標インパルス応答長)があらかじめ記憶されてい
るものとする。
演算設定器24は波形記録器23から入力されるインパ
ルス応答ベクトル 及び目標波形記録器50から入力される目標インパルス
応答ベクトル を用いて、(20b)式に示した様な畳み込み行列 と目標ベクトル とを作り、それらをフィルタ係数決定器25へ出力す
る。該演算設定器24では第4図に示すように以下の処
理が行われる。
(1)波形記録器23から入力されるインパルス応答ベク
トル の長さwijを用いた次の連立方程式 但し、j=1,2,…,n を満足するフィルタタップ数lを求める。
(2)目標波形記録器50から入力される目標インパルス
応答ベクトル の長さPとwij+l−1(但しi=1,2,…,
m;jは1,2,…,nの中の任意の数、第5図ではj
=1としている)の大きさを比較し、 (2-1)P=wij+l−1 …(24a) ならば処理を行わない。
(2-2)P>wij+l−1 …(24b) であれば Δl=P−(wij+l−1) …(24c) で与えられるΔlを(1)で求めたフィルタタップ数l
に加える。即ち l′=Δl+l(j=1,2,…,n) …(24d) で与えられるタップ数l′を改めてフィルタタップ数
とする。
(2-3)P<wij+l−1 …(24e) であれば、各目標インパルス応答ベクトル を次の様に作り変える。
=wij+l−1−P なる3つの処理をi=1からi=mまで繰り返す (3)各インパルス応答ベクトル を用いて、 の畳み込み行列 ((20b)式参照) を作る。
(4)各目標インパルス応答ベクトル を用いて (jは1,2,…,nのうちの任意の数、(図4ではj
=1とした)の目標ベクトル ((20b)式参照) を作る。
フィルタ係数決定器25は演算器26と係数分配器27
で構成されており、演算設定器24から入力される を用いた連立方程式 を解くことに依って得られるフィルタ係数を、FIRフ
ィルタ111,112,…,11nに分配するものである。演算器2
6では第5図に示すような処理が行われる。
(5)畳み込み行列 の行数 (但しiは1,2,…,nの中の任意の数)と列数 を比較し、 (5-1) ならば 但し、 (i=1,2,…,n) (5-2) ならば、 を計算にフィルタ係数ベクトル を求める。
又(5)と同等の処理は (6) α(q):収束係数 q:アルゴリズム(32)式の繰り返し回数 のような逐次型アルゴリズム((32)式は最急降下法に基
づくもの)を行う逐次型演算器28(第6図)を用いて
も可能であり、この逐次型演算は第7図に示すように を初期設定し、誤差 を求め、この誤差の二乗が設定値E0になるまでαを求
め、更に次の を求めることを繰返す。このような逐次型演算を行え
ば、(28),(30)式のような条件判断は不要となる。
以上に述べた(1)〜(5)又は(1)〜(4),(6)の手続きで得ら
れるフィルタ係数 に依って設定されたFIRフィルタ111,112,…,11nは、
線形FIR系122に対する逆フィルタ処理を実現する
ものとなっている。
第8図に示すように、波形記録器23は磁気ディスクや
半導体メモリ等で構成される記憶装置29とマイクロプ
ロセッサ等で構成出来る処理装置30の組み合わせに依
って実現することが可能であり、目標波形記録器も同様
である。また、演算設定器24やフィルタ係数決定器2
5はマイクロプロセッサ等に依って、FIRフィルタ11
1,112,…,11mは第9図に示すように各フィルタ係数h
1(1)h1(2)…h1(l1)が与えられる乗算器311,312,…,3
1L1、u1(k)を順次その信号間隔だけ遅延し、出力を乗算
器312…31L1へ供給する遅延素子321,322,…,32L1-1、乗
算器311…31L1の出力を加算する和算器32を組み合わ
せたり、DSPを用いることに依って実現することが可
能である。受信素子11,12,…,1nとしては、対象となる
線形FIR系の出力点の信号を取出す線形な素子であれ
ば任意のものが使用可能である。例としては、電気的な
接続を行うコネクタの他、マイクロホン素子や受信用ア
ンテナ素子等を用いることも出来る。
なお1度フィルタ係数を設定すればその変更する必要が
ない場合は、波形記録器23、目標波形記録器50、演
算設定器24、フィルタ係数設定器25を付属させて設
けておく必要はない。
音響系への応用 第10図に示すように反射のある一般室内音場に目標信
号源Sと雑音源N1,N2,…,Nm-1が存在するものとする。
受信素子11,12,…,1nとしてマイクロホン素子を用い
る。他の部分は第3図において同一番号が付してあるも
のに対応している。
この場合には、使用するマイクロホン素子数nをm+1
とすることに依り、必要なタップ数l但し、jは1,2,…,nの中の任意の数 なる関係を満足する数とし、目標信号源Sから各マイク
ロホンまでのインパルス応答を とすれば、実施例の(2)(4)に示した手続きで得られる目
標ベクトル 但し、jは1,2,…,nの中の任意の数 と定めることに依って、 (a)雑音源N1,N2,…,Nm-1からの雑音は受音しない(雑音
抑圧) (b)目標信号源Sからの音は無歪で受音する(残響除
去) ことが、m+1個のマイクロホン素子で構成される小規
模な装置で実現出来る(一般室内音場では極めて多くの
反射が生じる為、指向性を制御する従来法では膨大な数
のマイクロホン素子が必要でかつ目的信号を無歪で受音
することは不可能だった。
電波系への応用 第11図に示すように例えばビルディング41などの反
射体が存在する一般的な電場内にS1,S2,S3の信号源(送
信用アンテナ)とN1,N2,…,Nm-3の妨害波源があるもの
とする。この場合、この発明装置の受信素子11,12,…,1
nとして受信用アンテナ素子を用いる。他の部分は第3
図と対応する部分に同一番号を付けてある。
使用するアンテナ素子数n及び目標ベクトル を(33),(34)式に従って定めれば、 (a)妨害波源N1,N2,…,Nm-1からの信号は受信しない(妨
害波抑圧) (b)信号源S1,S2,S3からS1を選択する(選択受信) (c)S1からの信号を無歪で受信する(マルチパス或いは
ゴーストの除去) を、m+1個の受信用アンテナ素子で構成される小規模
な装置で実現出来る。この受信装置は、指向性を制御す
る従来法の持つ欠点(音響系における従来技術の欠点と
同じ)を解消するものであり、特にビルの谷間や家の立
て込んでいる場所で有効となる。
「発明の効果」 以上説明したようにこの発明の多入力形制御装置は、m
入力n出力(m<n)と見做すことの出来る線形FIR
系を対象として (a)この線形FIR系の入力信号を推定する (b)この線形FIR系の入力信号に所望の特性を付与し
て取り出す と云う逆フィルタ処理を正確に実現するものであり、特
に後述する応用において、 (c)目的信号を無歪で受信出来る(上記(a),(b)の逆フィ
ルタ処理に相当する) (d)受信素子数が信号源数+1でも良い為、少素子数構
成の受信装置が実現できる という効果をもっている。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明装置の原理を説明する為の図、第2図
はこの発明装置を多入力多出力線形FIR系へ適応させ
る為第1図を拡張したこの発明装置の原理図、第3図は
この発明装置の一実施例を示すブロック図、第4図は演
算設定器24の処理内容の例を示す流れ図、第5図はフ
ィルタ係数決定器25の処理内容の例を示す流れ図、第
6図は逐次型演算器28を用いた場合のフィルタ係数決
定器25の一実施例を示すブロック図、第7図は第6図
に示したフィルタ係数決定器25の処理内容の例を表わ
す流れ図、第8図は波形記録器23の一実施例を示すブ
ロック図、第9図はFIRフィルタ11の一実施例を示す
ブロック図、第10図はこの発明を音響系へ応用した例
を示すブロック図、第11図はこの発明を電波系に応用
した例を示すブロック図、第12図は従来の逆フィルタ
処理装置の原理を説明するための図である。 11,12,…,1n:受信素子(第10図ではマイクロホン素
子、第11図では受信用アンテナ素子を表わしてい
る)、110:従来技術で用いられた逆フィルタ処理用フ
ィルタ、111,112,…,11n:FIRフィルタ、11:111
〜11nで構成される信号処理部、21:nチャンネルA
/D変換器、22:加算器、23:波形記録器、24:
演算設定器、25:フィルタ係数決定器、26:演算
器、27:係数分配器、28:逐次型演算器、29:記
憶装置、30:処理装置、311,312,…,31Lj:乗算器、3
21,322,…,32Lj-1:遅延素子、50:目標波形記録器、
101:1入力1出力線形FIR系、111:101に
並列接続する信号伝達経路(1入力1出力の適当な線形
FIR系、121:101と111で構成される1入力
2出力線形FIR系システム、122:m入力n出力
(m<n)線形FIR系、x(k):101,121への離
散化された入力信号、y(k):11の離散化された出力
信号、y′(k):11と11の離散化された出力信号の
和、S1,S2,…,Sm:122へのm個の入力信号源、S:
音源、N1,N2,…,Nm-1:雑音源、S1,S2,S3:信号源、N1,
N2,…,Nm-3:妨害波源。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】m個の入力点とn個の出力点(m、nは1
    以上の整数、かつn>m)との間に存在する複数の信号
    伝達経路それぞれが有するインパルス応答が有限である
    と見做せる線形系を対象とする装置であって、 その線形系から出力される信号を受信し、上記n個の出
    力点に配されたn個の受信素子と、 そのn個の受信素子にそれぞれ接続されたn個のFIR
    フィルタと、 これらn個のFIRフィルタの出力側と接続され、その
    n個の出力を加算する加算手段とを備え、 上記m個の入力点の第i番目(i=1,2,…,m)と
    上記n個の出力点の第j番目(j=1,2,…,n)と
    の間の上記線形系のインパルス応答gij(k)(k=
    1,2,…)をWij個の離散信号で表わし、上記第i番
    目の入力点と上記加算手段の出力との間の所望の伝達特
    性ri(k)をP個の離散信号で表わすと、上記第j番
    目の出力点に接続される第j番目のFIRフィルタは、 但し、i=1,2,…,m j=1,2,…,n を満足するタップ数1を有し、かつその第j番目のF
    IRフィルタの係数h(k)が 但し、i=1,2,…,m は離散畳み込み演算 を満足している多入力形制御装置。
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