JP3701940B2 - 目的信号源から雑音環境に放射される信号を処理するシステム及び方法 - Google Patents

目的信号源から雑音環境に放射される信号を処理するシステム及び方法 Download PDF

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    • H03H21/0012Digital adaptive filters

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、雑音混入信号を受信し、それぞれが個別に対応するトランスデューサ出力信号を生成するM個のトランスデューサを備えたトランスデューサアレーと、所定のフィルタリング特性(例:所望の視線方向)を定義するフィルタ係数を有し少なくとも1つの出力信号y′i(n)(i=1〜N)を生成するべくM個のトランスデューサ出力信号を受信及びフィルタリングするビーム形成器と、を有し、トランスデューサアレーの目的信号源方向ψsに位置する目的信号源から雑音環境に放射される信号を処理するシステムに関する。
【0002】
又、本発明は、このシステムによって実行される、目的信号源から雑音環境に放射された信号を処理する方法にも関する。
【0003】
(発明の背景)
ビーム形成システムは、通常、複数トランスデューサのアレーで受信した信号を処理することにより、受信信号品質を改善するために使用されており、トランスデューサアレーによる信号処理は、雑音環境に放射された所望の信号を取得する受信システムの性能向上に利用することができる。ビーム形成法を使用すれば、ビーム形成フィルタ係数を変化させることにより、所望の信号源に対してトランスデューサアレーの最大感度(視線方向)を操向することが可能であり、このようなアプリケーションの代表例は、無線通信、レーダー信号処理、水中音響、並びにテレビ電話会議やハンズフリーシステムの音声取得に見ることができる。
【0004】
当技術分野においては、相反定理により、信号源とレシーバが互いに交換可能であって、信号のフロー方向を変えると共に受信トランスデューサを送信トランスデューサと置換することにより、対応する信号をトランスデューサアレーから方向ψsに放射可能であることが知られている。
【0005】
文献において、既に様々なビーム形成法が広範に研究されている。最も数多く研究された方法の1つがフィルタ係数を受信信号特性に応じて調節する適応型のビーム形成であり、周知の適応型ビーム形成法がフロストによって提案されている(フロスト O. L.(Frost O. L.)による「線形制約付き適応型アレー処理用アルゴリズム(An algorithm for linearly contrained adaptive array processing)」、IEEE会議録(Proc. IEEE)、第60巻、第8号、926〜935ページ、1972年8月)。このフロストの方法は、グリフィス及びジムによって更に発展している(グリフィス L. J.(Griffiths L. J.)、ジム C. W.(Jim C. W.)による「線形制約付き適応型ビーム形成の代替方法(An alternative approach to linearly constrained adaptive beamforming)」、IEEE報告書「アンテナ伝播」(IEEE Trans. Antennas Propag.)、第AP−39巻、第1号、27〜34ページ、1982年1月)。これらの適応型ビーム形成器に伴う基本的な問題点は、ビーム形成器の出力信号における雑音をキャンセルするべく適応型フィルタが設計されているにも拘わらず、実際には、雑音推定値に所望の信号に関連する成分が含まれていることである。即ち、これらの適応型フィルタにおいては、雑音が抑制されるだけでなく所望の信号に予期しない歪が発生するのであり、このような相関性は、通常、マルチパス伝播、視線方向のミスアライメント、又は伝播媒体における不適切なモデル化及び変動によって発生する。
【0006】
この所望の信号の歪を軽減するには、所与のアプリケーションに最適化された固定ビーム形成フィルタを設計することが有利である。
【0007】
固定ビーム形成実装の利点は、信号源及び媒体、並びに所望の性能基準に関するアプリオリな知識に基づいて固定フィルタ係数を最適化することができることであり、この結果、フィルタリング性能が決定論的になる。
【0008】
このような設計は、アレー形状(トランスデューサの配置)とサンプリングの時間間隔によって時空間サンプリンググリッドが定義される時空間フィルタの設計問題として取り扱うことができる。当技術分野においては、所望の信号に歪を引き起こすことなく、時空間サンプリンググリッドと、対応するビーム形成器フィルタ係数の両方を最適化できることが知られている(カジャラ M.(Kajala M.)、ハマライネン M.(Hamalainen M.)による「雑音環境における音声強調用の広帯域ビーム形成の最適化(Broadband beamforming optimization for speech enhancement in noisy environments)」"、オーディオ及び音響に対する信号処理の適用に関するIEEEワークショップ、(IEEE Workshop on Applications of Signal Processing to Audio and Acoustics)、1999年10月)。以下に、図10〜図12を参照し、このようなシステム及び方法について詳細に説明する。
【0009】
図10のシステムは、複数のトランスデューサ10−j(j=1〜M)を備えたトランスデューサアレー10を有している。これらのトランスデューサは、信号源20から放射され、雑音が混入或いは重畳した信号を受信する。これらのトランスデューサは、例えば、圧力信号を受信して電気信号に変換するマイクロホンであってよい。
【0010】
前記信号源は、トランスデューサアレー10の目的信号源方向ψsに位置している。図11に示しているように、この目的信号源方向ψsは、通常、トランスデューサアレー10(この図11では、座標系の中心に位置していると仮定している)から見た目的信号源の空間的な三次元の位置を、例えば、デカルト座標ψs=(Xs,Ys,Zs)や球座標ψs=(rs,φs,θs)で表している。尚、信号は、遠距離場から到来する場合には平面波としてモデル化することが可能であり、この場合には、距離rsは不要となり、信号源方向ψsは、要素数が減少してψs=(φs,θs)となる。
【0011】
このような信号を受信すると、図10に示すトランスデューサアレー10のトランスデューサ10−1〜10−Mがアナログ信号を生成し、この信号がマルチチャネルA/Dコンバータ15によってサンプリングされる。そして、このサンプリング信号X1(n)〜XM(n)が初級ビーム形成器30に供給される。このビーム形成器は、M個のFIRフィルタ35−1〜35−Mを有するフィルタバンクとして示されており、このビーム形成器30の出力信号y′(n)は、各FIRフィルタの出力信号x′1(n)〜x′M(n)をそれぞれ積算することによって形成される。
【0012】
ビーム形成器30は、適切な固定フィルタ係数の組を有するフィルタを使用することにより、トランスデューサアレー10のビーム形状を特定の視線方向ψiに対して操向するように適合されている。ビーム形成器のこの視線方向ψiは、通常、目的信号源方向ψsとは必ずしも一致しない。
【0013】
信号が信号源20から雑音環境に放射された場合、サンプリングされたトランスデューサ信号x1(n)〜xM(n)には雑音が混入している。但し、ビーム形成器30の指向性が正しく調節され、視線方向ψiが目的信号源方向ψsと一致すれば、トランスデューサ信号の雑音成分は大幅に抑制される。フィルタバンク30の出力信号y′(n)は、信号源20から放射された信号を推定したものである(即ち、フィルタリングされた信号y′(n)の信号対雑音比SNRやその他の品質に関する適切な尺度が極大化されている)。しかしながら、図10のビーム形成器30の場合には、1組の固定フィルタ係数しか有していないため、このシステムを効果的に使用するには、目的信号源方向ψsに関するアプリオリな知識が必要であり、ビーム形成器出力信号y′(n)の品質を向上させるためには、適切な固定フィルタ係数の組を提供してビーム形成器の視線方向ψiを目的信号源方向ψsにアライメントする必要がある。
【0014】
例えば、移動する信号源を追跡するべく、複数の所定の視線方向ψi(i=1〜N)に対して初級ビーム形成器の指向性を連続的にアライメントしようとすれば、使用前にそれぞれの所定の視線方向ψi用の個別の固定フィルタ係数の組をメモリに保存してフィルタに実装しておく必要があり、これは非常に非効率的である。従って、図10に示すシステムは、トランスデューサアレー10の様々な目的方向ψs,p(p=1〜P)に位置する様々な信号源から放射される信号を処理するのには適していない。
【0015】
図12は、この初級ビーム形成器の欠点を次善的に(suboptimally)克服する能力を有する上級ビーム形成器30’を示している。この上級ビーム形成器30’は、N個(N≧1)のフィルタバンク30−1〜30−Nを有しており、ビーム形成器出力信号y′1(n)〜y′N(n)を同時に算出するべく適合されている。
【0016】
それぞれのフィルタバンクはM個の有限インパルス応答FIRフィルタを有しており、これらのフィルタがマルチチャネルA/Dコンバータ15の出力である次式に示す同一の入力信号ベクトルを受信する。
【0017】
【数4】
Figure 0003701940
【0018】
i(=1〜N)個の各フィルタバンクのM個のフィルタ35−i−1〜35−i−Mは、それぞれ個別の固定フィルタ係数の組によって特徴付けられており、この結果、各フィルタバンクは、N個の視線方向ψi(i=1〜N)の中の1つに適合されている。
【0019】
図12のビーム形成器の出力信号(即ち、フィルタバンク30−1〜30−Nの出力信号)は、次のように表すことができる。
【0020】
【数5】
Figure 0003701940
【0021】
ここで、Li,jは、固定フィルタ係数hi,j,k(k=0〜Li,j)を備えるフィルタ35−i−jの長さである。すべてのi(=1〜N)及びj(=1〜M)においてLi,j=Lと仮定すると、i番目の出力信号y′i(n) は、次の形態で書き換えることができる。
【0022】
【数6】
Figure 0003701940
【0023】
トランスデューサアレーに対して放射される信号の最良の推定値を表す所望の出力信号として、信号y′i(n)(i=1〜N)の1つを選択することができる。
【0024】
この選択動作はミキサー60によって実行されるが、このミキサーはN個のビーム形成器出力信号y′i(n)(i=1〜N)の中からP個の信号を選択することが好ましい。これらP個の選択信号は、ビーム形成器出力信号の個別の視線方向ψiが目的信号源方向ψs,p(p=1〜P)に少なくとも近づいた際に、各目的信号源方向ψs,pのP個の異なる信号源20−1〜20−Pから放射されるP個の信号yp(n)(p=1〜P)を表している。更に、ミキサー60は、信号源20−1〜20−Pを表す1つ又は複数のビーム形成器出力信号y′i(n)を1つの出力信号yp(n)に合成することが可能であり、この信号は、例えば、テレビ電話会議の場合に望ましいものである。尚、単純な実装において、異なる視線方向間の切り換えが好ましい場合には、このミキサーをマルチプレクサに置き換えることが可能である。この出力信号の選択は、制御信号をミキサー60に供給するビーム形成器出力制御ユニット70によって実行される。この制御ユニット70は、通常、ミキサー60に対し、最良のフィルタリング性能を備えたビーム形成器出力信号y′i(n)(例:所望の信号が実際に放射されている方向ψs,pに最も近い視線方向ψi)を選択するように指示を出す。
【0025】
M個のトランスデューサ10−1〜10−Mと長さLのM*Lの有限インパルス応答FIRフィルタ35−i−1〜35−i−Mを有する図12の従来技術によるシステムが、S個(S≦N)の信号を並行してフィルタリングするためには、メモリ内に次の数の係数を維持する必要がある。
【0026】
Mempri(S)=M*L*N (3)
【0027】
この場合、S個の同時ビーム形成器出力信号y′i(n)を形成するためのサンプリングインターバルごとの演算負荷は、少なくとも次の数の乗算及び加算によって定義される。
【0028】
Loadpri(S)=M*L*S (4)
【0029】
更に、上級ビーム形成器(advanced beamfermer)30’で利用できるのは、N個のフィルタバンクによって形成された最大数Nの所定の固定視線方向に限定されている。
【0030】
しかしながら、信号は、これら所定のN個の視線方向ψi(i=1〜N)のいずれとも一致しない目的信号源方向ψs,pからも放射される可能性があり、この場合には、本システムの動作は次善のものとなり、その精度は、信号源から信号が放射される実際の目的信号源方向ψs,pとビーム形成器が調節されている視線方向ψi間の差によって決定される。
【0031】
図12の従来技術によるシステムは、ビーム形成器のそれぞれの所望の視線方向ψiごとに、個別の固定フィルタ係数の組によって動作する別個のフィルタバンクを提供しなければならないという欠点を有している。又、この図12のシステムの場合には、固定係数によって定義されたビーム形成器の所定の視線方向ψiのいずれにも正確に一致しない目的信号源方向ψs,pから放射される信号に対しては、次善レベルの(最適なレベルではない)受信及び回復(restoration)しか提供されないのである。
【0032】
本発明では、所謂一次元(1−D)多項式フィルタの理論を利用する。当技術分野においては、可変一次FIRフィルタの係数を多項式として表すことができることが知られている。多項式に基づいたフィルタは、可変遅延(ファロウ C. W.(Farrow C. W)による「連続可変デジタル遅延素子(A continuously variable digital delay element)」、ISCAS−88、2641〜2645ページ、1988年)、非整数遅延フィルタリング(ラークソ T. I.、(Laakso T. I)、バリマキ V.(Valimaki V)、カージャライネン M.(Karjalainen M.)、レーン U. K.(Laine U. K)による「単位遅延の分割−非整数フィルタの設計ツール(Splitting the unit delay - tools for fractional filter design)」、IEEE信号処理マガジン(IEEE Signal Processing Magazine)、30〜60ページ、1996年1月)、デジタルレシーバ(タッカネン V.(Tuukkanen V.)、ベスマ J.(Vesma J.)、レンフォース M.(Renfors M.)による「デジタルレシーバにおける補間と最尤シンボルタイミングの合成(Combined interpolation and maximum likelihood symbol timing in digital receivers)」、ユニバーサルパーソナル通信レコードに関する1997年IEEE第6回国際会議(1997 IEEE 6th International Conference on Universal Personal Communications Record)、第2巻、698〜702ページ、1997年)、デジタルモデム(エラップ L.(Erup L.)、ガードナー F. M.(Gardner F. M)、ハリス R. A.(Harris R. A.)により「デジタルモデムにおける補間−第2部「実装と性能」(Interpolation in digital modems - Part II; implementation and performance)」、通信に関するIEEE報告書(IEEE Trans. on Comm)、第41巻、第6号、998〜1008ページ、1993年6月)、及び音響管のモデル化(バリマキ V.(Valimaki V.)による「非整数遅延フィルタを使用する音響管の離散時間モデル化(Discrete-time modeling of acoustic tubes using fractional delay filters)」、博士論文(Ph. D. Thesis)、ヘルシンキ工科大学(Helsinki University of Technology)、オタニーミ、1995年度第37号レポート、95〜104ページ、1995年)に適用されている。これらすべての方法は、信号の強度スペクトルに影響を与えずに、単一の一次FIRフィルタの遅延特性を調節することを目的とするものである。尚、可変カットオフ周波数を有する可変一次FIRフィルタ用の更なる設計方法は、デンからも提案されている(デン T. B.(Deng T. B.)による「任意可変一次FIRデジタルフィルタ用の加重最小二乗法(Weighted least-squares method for designing arbitrarily variable 1-D FIR digital filters)、信号処理(Signal Processing)、第80巻、597〜613ページ、2000年)。
【0033】
連続的に可変なデジタル遅延のためのファロウ(Farrow)が提案した最適フィルタ構造は、一次多項式に基づいたFIRフィルタ用に一般化されており、当技術分野においては、この所謂ファロウ構造を使用し、単一の制御パラメータによるフィルタ特性の調節をサポートする一次多項式に基づいたFIRフィルタを実装できることが知られている。
【0034】
図10の初級ビーム形成器の視線方向を操向するべく、可変遅延フィルタを利用してトランスデューサ信号を予備処理することはできるが、この種の実装には、いくつかの欠点がある。即ち、視線方向がオリジナルの初級ビーム形成器の設計視線方向と異なると、初級ビーム形成器の最適フィルタリング特性が劣化し、十分な性能を有する一次非整数遅延FIRフィルタを実装するには、かなり高次のフィルタ次数が必要であり、各トランスデューサ信号には、相互依存する別個の制御パラメータが必要なのである。
【0035】
(発明の要約)
このような状況に鑑み、雑音環境に放射された信号を処理するシステム及び方法を、最小限の演算量とメモリ容量により、あらゆる目的信号源方向ψsにおいて明瞭に受信できるように改良することが本発明の目的である。
【0036】
この目的は、独立装置請求項1及び独立方法請求項2の発明(subject matter)により解決される。
【0037】
具体的には、上記目的は、前述のシステムに関して、ビーム形成器の調整可能なフィルタ係数が以下の式で定義されることよって解決される。
【数30】
Figure 0003701940
但し、前記a t j k )は、固定フィルタパラメータであって、D i は、前記制御信号D i(n) を表わす可変フィルタパラメータのベクトルであり、F t (D i )は、前記D i の関数である。
有利な効果は、調整可能なフィルタ係数は、固定パラメータと可変パラメータに分解できることである。1つの調整可能なビーム形成フィルタのための固定パラメータだけが、メモリに記憶されるので、従来技術に比してメモリ容量がより少なくてすむ。その上、可変フィルタパラメータだけが制御信号D i (n)に応答して変更され、ビーム形成器の指向性( directivity )を制御されるので、演算負担は軽減される。
【0038】
このビーム形成器ビーム形状制御システムには、トランスデューサアレーに関連する目的信号源のすべての関連パラメータ、特に、目的信号源方向ψ s 、を検出し、ベクトルD i に含まれる可変フィルタパラメータに影響を及ぼす制御信号D i(n) を生成する手段が含まれている。本発明によれば、ビーム形成フィルタリング特性が、これらのパラメータに、特に目的信号源方向に、対して正確にアライメントされる
【0039】
なお、調整可能なビーム形成器の調整可能なビーム形成器の、多項式のフィルタ係数h j k ( i) を、可変フィルタパラメータD i (D i は所望の視線方向ψ i を表す)と、固定フィルタパラメータat(j、k)とで、表わすために、関数Ft (Di) を適切に選択すれば、限定数の所定ビーム形成特性を生成する(例えば所定視線方向ψ i の離散数個( descrete set )に向けてのビーム形成方向の制御)のみならず、又、2つの所定視線方向の間にビーム形成特性を補間することを可能になり、ビーム形成方向を連続的に円滑に制御することが可能になる。
【0040】
本システムが受信する信号を放射する信号源は、その特性や空間的な位置、或いはそれらが生成する信号の周波数によって限定されてはいない。従って、本システムは、信号源から発せられるあらゆる種類の信号に対して適合可能であるという利点を有している。
【0041】
制御信号 i(n)に応答してビーム形成器又はトランスデューサアレーの指向性を自動操向するため、本システムはハンズフリー通信に非常に適している。
【0044】
可変フィルタパラメータの数は、固定フィルタパラメータの数よりも少ないことが好ましく、この場合には、メモリ容量と演算量が減少するという利点がある。
【0048】
可変フィルタパラメータの前記ベクトルDiは、空間における目的信号源方向ψs追跡用の最適な多項式フィルタをモデル化する単一の変数であってよく、例えば、目的信号源方向ψsの距離r、発射方位φ、及び仰角θを表す3つの変数のベクトルDiを使用することにより、空間内で信号源を柔軟に追跡することができる。
【0049】
形状パラメータ以外に、可変フィルタパラメータのベクトルDiは、背景雑音スペクトル、所望の信号帯域幅、信号スペクトル、ビーム形状、温度などの媒体の物理特性、カメラ制御などのシステムパラメータ、又はこれらの組み合わせなどの物理的な関連パラメータの中の1つを表すことも可能である。
【0051】
本発明の実施例によると、前記調整可能なフィルタ係数を持つビーム形成器は、多項式フィルタ特性を有するという有利な効果を奏する。この特性は、ビーム形成器の出力信号の計算を簡単にすることを可能にする。
この補間多項式hj、k(Di)は、簡単な計算によりフィルタ係数を変更することを可能にする。
好ましくは、関数 Ft(Di) は、テイラー多項式 h j k (Di) =Σ ai(j k)D i t を使う。なぜなら、テイラー多項式を適用することは容易であるからである。しかしながら、関数 F t (Di) は、チビシェフ多項式を使って、最大誤差を最小化するための最適化を行ってもよい。
本発明の第1実施例によれば、システムは、固定フィルタパラメータa t (j,k) を保存するメモリと、下記式
【数31】
Figure 0003701940
に従って前記フィルタ係数を調整するためのビーム形成器のフィルタ特性調整手段として、フィルタ係数を調節するフィルタ係数生成手段( 30Ib )と、
下記式
【数32】
Figure 0003701940
を使ってビーム形成器の出力信号y’i(n)、i=1...Nを生成するための信号処理手段と、を有している。
【0054】
前記最後の式による信号y′i(n)の処理は、制御信号 i(n)に応答して可変フィルタパラメータのベクトルDiを調節するだけで本システムを任意の目的方向に適合させることができるという利点を有している。この結果、適合に必要な演算量が最小限のものになる。そして、複数のビーム形成器出力信号を並行して算出することにより、所定の判定基準による最適な信号の検出が促進される。
【0055】
本発明の第2の実施例によれば、ビーム形成器は、中間信号y″t(n)(t=0〜T)を生成するべく、それぞれがM個のトランスデューサ出力信号を受信及びフィルタリングする少なくとも2つのフィルタバンクと;制御信号 i(n)に応答してビーム形成器出力信号y′i(n)(i=1〜N)を生成し、少なくとも2つの中間信号y″t(n)を受信するためのビーム形成器のフィルタ特性調整手段としての、少なくとも1つのポストフィルタと;を有している。
【0056】
好ましくは、本発明の第2実施例は、前記少なくとも2つのフィルタバンクの各々が中間信号y″(n)を、トランスジューサの出力信号x (nーk)から、下記の式により計算するという特徴を有する。但し、at(j,k)は、所定の固定フィルタのパラメータである。
【0057】
【数9】
Figure 0003701940
【0058】
ここで、at(j,k)は、前記所定の固定フィルタパラメータである。ポストフィルタは、次式に従って中間信号y″t(n)からビーム形成器出力信号y′i(n)を算出する。
【0059】
【数33】
Figure 0003701940
【0060】
ここで、F t (D i )は、前記Dの前記関数である。
【0062】
本発明のすべての実施例において、トランスデューサは、線形、二次元、又は三次元でトランスデューサアレー10内に配列されることが好ましい。更に、それらのトランスデューサは、全方向性、双方向性、又は更に複雑な方向感度特性、或いはこれらの組み合わせを有することができる。この結果、あらゆる種類の信号特性に対する最適な信号の受信が実現される。尚、トランスデューサの感度特性については、ビーム形成フィルタの設計手順において勘案することが可能であり、この結果、それらによって本発明が制限されることはない。
【0063】
トランスデューサアレー内のトランスデューサは、音響信号を受信するマイクロホン、電磁信号を受信するアンテナ素子、又は水中の音響信号を受信する水中マイクロホンとして実施することが好ましい。
【0064】
本システムは、有利なことに、少なくとも2つのビーム形成器出力信号y′i(n)を受信して処理する少なくとも1つのミキサーを有している。この結果、特定の目的信号源方向又はそれらの組み合わせを選択して更なる処理を施すことができる。
【0065】
ビーム形成器の出力信号y′i(n)におけるエコー現象をキャンセルするべく、本システムは、エコーキャンセルユニットを有するほうが有利である。
【0066】
本システムは、制御信号t(n)に応答してエコーキャンセルユニットを制御するエコーキャンセル制御ユニットを有するほうが有利である。この結果、エコーキャンセルユニットの性能が向上する。
【0067】
更に、ビーム形成器の出力信号y′i(n)における雑音をキャンセルするために、本システムは、ノイズキャンセルユニットを有するほうが有利である。
【0068】
本システムは、制御信号t(n)に応答してノイズキャンセルユニットを制御するノイズキャンセル制御ユニットを有するほうが有利である。この結果、ノイズキャンセルユニットの性能が向上する。
【0069】
本発明の目的は、目的信号源から放射され、雑音環境で受信された信号を処理する請求項21による方法によって更に解決されるが、この方法の利点は、前述の本システムの利点と同一である。
【0070】
(好適な実施例の説明)
本発明の特定の実施例について説明する前に、本発明のすべての実施例に関連する事項について述べることにする。
【0071】
本発明によるシステムのすべての実施例と図12に示す従来技術によるシステムとの間で大幅に異なっているのは、ビーム形成器の実施例とその動作のみである。従って、本発明による実施例における信号源20−p、トランスデューサアレー10、マルチチャネルA/Dコンバータ15、ミキサー60、及びビーム形成器出力制御ユニット70、並びにそれらの個別の動作は、図12の個別のコンポーネント及び動作に対応しており、これは、目的信号源方向ψs,pとビーム形成器の視線方向ψiの定義についても同様である。
【0072】
本発明によるビーム形成器30の2つの実施例について説明する。これら両方の実施例によれば、ビーム形成器は、入力信号x1(n)〜xM(n)を受信し、次の同一の式を使用してビーム形成器出力信号y′i(n)を算出する。
【0073】
【数11】
Figure 0003701940
【0074】
この式5において、項hj,k(Di)は、ビーム形成器の調節可能なフィルタ係数を表しており、これらは、次の多項式によって非常に一般的な方法で算出することができる。
【0075】
【数12】
Figure 0003701940
【0076】
ここで、at(j,k)は固定フィルタパラメータであり(t=0〜T、j=1〜M、及びk=0〜L−1)、Diは制御信号t(n)によって提供される可変フィルタパラメータであり、Ft(Di)はDiの関数であって、テーラー、チェビシェフ、又はルジャンドル関数であることが好ましい。
【0077】
従って、本発明によるビーム形成器のすべての実施例では、可変フィルタパラメータDiを調節するだけで制御可能な多項式フィルタ特性を備えている。このため、本システムは、ビーム形成器の指向性の操向における精度が演算手段の数値精度にのみ依存しており、ビームの操向を最小限の演算によって実行可能であるという利点を有している。
【0078】
ビーム形成器のフィルタリング特性は、様々な最適化基準によって制御可能な最良の性能を実現するべく、可変フィルタパラメータDiに応答して制御される。使用する最適化基準は、所望の信号品質尺度とフィルタリング性能によって異なるが、一般的な信号品質尺度は信号対雑音比SNRである。これは、通常、信号強度対雑音強度の比率として規定されるものであり、本発明において、SNRを信号品質の一般的な尺度と見なしている。尚、その他の信号品質尺度の例としては、例えば、信号対雑音音量比などの加重信号対雑音強度比、信号対干渉及び雑音比SINR、信号対雑音マスク比、ビット誤り率BER、信号対干渉比SIR、及び同一チャネル干渉CIRがある。
【0079】
本発明によれば、信号源は信号を雑音環境に放射する。従って、トランスデューサアレーが受信する信号は、通常、いくつかの信号成分(元々目的信号源から放射された信号、それらの反射成分、残響、方向性及び拡散雑音信号、並びに音響エコーなどのその他の干渉信号)が合成されたものである。本発明においては、ビーム形成器の視線方向ψi以外の方向から到来するすべての信号成分は、ビーム形成フィルタによって雑音と見なされる。従って、信号に対するマルチパス伝播現象の等化を試みることは本発明が主題とするところではない。逆に、目的信号源方向から到来する信号を受信し、その他の方向からの信号(即ち、雑音)を抑制するべくビーム形成が最適化される。
【0080】
図1は、本発明によるビーム形成器の第1実施例を示している。このビーム形成器30Iは、信号処理手段30Ia、フィルタ係数生成器手段30Ib、及びメモリ30Icを有している。
【0081】
信号処理手段30Iaは、式5によってビーム形成器出力信号y′i(n)を生成するべく、マルチチャネルA/Dコンバータ15から出力された入力信号x1(n)〜xM(n)とフィルタ係数生成手段30Ibからのフィルタ係数hj,k(Di)を受信する。
【0082】
尚、図2に、この初級ビーム形成器用の信号処理手段の実装が示されている。
【0083】
メモリ30Icが設けられ、フィルタ係数生成器手段30Ibにアクセスできるよう、いくつかの固定フィルタパラメータat(j,k)の組を保存している。
【0084】
フィルタ係数生成器手段30Ibは、前記メモリ30Icから前記固定フィルタパラメータat(j,k)を、更にビーム形成器ビーム形状制御システムから制御信号t(n)を受信し、信号処理手段30Iaに出力される前にビーム形成器30Iaのフィルタ係数を調節する。
【0085】
図3は、次式によってフィルタ係数hj,k(Di)を生成するべく、固定フィルタパラメータat(j,k)と可変フィルタパラメータDiを受信する前記フィルタ係数生成器手段30Ibの特定の実施例を示している。
【0086】
【数13】
Figure 0003701940
【0087】
本発明の第1実施例による式6、7及び式5の組み合わせから明らかなように、ビーム形成器の操作(特に、目的信号源方向に対するビーム形成フィルタのフィルタリング特性(例:視線方向)の操向)は、制御信号t(n)によって提供される操作パラメータDiを変化させるだけで可能である。即ち、本システムは、ビーム形状、視線方向、又はビーム形成器のその他のフィルタ特性の操作を最小限の演算によって実行することができるという利点を備えている。
【0088】
前記制御信号t(n)は、ビーム形成器ビーム形状制御システム40からフィルタ係数生成器手段30Ibに供給される。
【0089】
前記ビーム形成器ビーム形状制御システム40は、目的信号源20の少なくとも1つの物理的な関連パラメータ(特に、信号が現在放射されている目的信号源方向ψs)を検出する。そして、制御システム40は、検出したこの物理的パラメータに基づき、割り当てテーブルを利用して可変フィルタパラメータDiを表す前記制御信号t(n)を生成する。
【0090】
各可変フィルタパラメータDiは、信号源の方向、信号源の距離、雑音スペクトル、信号帯域幅、信号スペクトル、ビーム形状、媒体の物理特性、カメラ制御、又はこれらの組み合わせからなるパラメータの1つをそれぞれ表している。
【0091】
式6によれば、ビーム形成器のフィルタ係数は、可変フィルタパラメータDiに応答して調節可能である。フィルタ係数を調節することにより、検出した物理パラメータが示している目的信号源の現在の情報に対してビーム形成器のフィルタリング特性が適合される。即ち、ビーム形成器のビーム形状が、検出された或いは追跡された目的信号源方向ψsにアライメントされるのである。
【0092】
好適な実施例においては、信号源は車両内のスピーカである。この場合、ビーム形成器ビーム形状制御システムは、目的信号源方向ψsとしてスピーカの方向を視覚的に追跡可能であり、例えば、米国特許第4,741,038号に音響サウンド追跡システムが開示されている。
【0093】
図4は、本発明によるビーム形成器の第2実施例を示している。このビーム形成器30IIは、少なくとも2つのフィルタバンク30IIa及び少なくとも1つのポストフィルタ30IIbを有している。
【0094】
前記フィルタバンク30IIa−t(t=0〜T)のそれぞれは、サンプリングしたトランスデューサ出力信号xm(n)(m=1〜M)のすべてを受信し、次式に従って中間信号y″t(n)を生成する。
【0095】
【数14】
Figure 0003701940
【0096】
ここで、at(j,k)は所定の固定フィルタパラメータである。
【0097】
そして、フィルタバンク30IIa−tによって生成された中間信号y″(n)のすべてが少なくとも1つのポストフィルタ30IIb−iに個別に伝達され、このポストフィルタにおいて、中間信号が次式に従ってビーム形成器出力信号y′i(n)に変換される。
【0098】
【数15】
Figure 0003701940
【0099】
ここで、Diは、可変フィルタパラメータのベクトルである。
【0100】
図5a及び図5bは、ポストフィルタの2つの異なる実施例を示しており、いずれの場合にも、ポストフィルタは、式9を実行するべく異なる方式で配列された乗算及び加算ユニットを有している。
【0101】
【数16】
Figure 0003701940
【0102】
【数17】
Figure 0003701940
【0103】
【数18】
Figure 0003701940
【0104】
【数19】
Figure 0003701940
【0105】
ここで、Ft(Di)は、次のチェビシェフ関数である。
【0106】
【数20】
Figure 0003701940
【0107】
iは、次のように設定される。
【0108】
【数21】
Figure 0003701940
【0109】
ここで、bt(t=0〜T)は、次のT+1式の線形系から算出される変数である。
【0110】
【数22】
Figure 0003701940
【0111】
ここで、i=0〜Tであり、hj,k(Di)は、ビーム形成器の既知のフィルタ係数である。チェビシェフ関数Ft(Di)の周知の帰納式は次のとおりである。
【0112】
【数23】
Figure 0003701940
【0113】
次に、ビーム形成器の第2実施例をチェビシェフ関数を使用するべく適合し、2つの異なる実装を提示する。尚、フィルタ係数生成器手段30Ibがポストフィルタ30IIbに対応し、メモリ30Ic内の固定係数がフィルタバンク30IIa内の固定フィルタパラメータに対応していることを勘案すれば、同様の変更をビーム形成器の第1実施例に対しても簡単に施すことができる点に留意されたい。
【0114】
ビーム形成器の第2実施例にチェビシェフ近似を実装する第1の方法は、式14内の線形系を解いて式8内のat(j,k)をbt(j,k)と置換し、図5cに示すポストフィルタを使用して次の最終出力信号を形成することである。
【0115】
【数24】
Figure 0003701940
【0116】
図5cのポストフィルタは、まず、式15の帰納式によって所与のDiに対して関数Ft(Di)を算出した後に、Ft(Di)(t=0〜T)の値を使用して式16に従って最終出力信号y′i(n)を形成する。具体的には、図5dに、4つの中間信号y″0(n)〜y″3(n)の場合のポストフィルタが示されており、この場合には、式16によってy′i(n)が算出され、関数の値Ft(Di)は、t=0〜3で式15の帰納式によって算出される。
【0117】
ビーム形成器の第2実施例にチェビシェフ近似を実装する第2の方法は、恐らく演算負荷の観点では最も効率がよい方法であろう。この場合には、図5bに示すポストフィルタを使用する。中間出力信号y″t(n)は、まずbt(j、k)について式14の線形系を解いた後に、その結果をテーラー多項式の形態に纏めることによって得られる。例えば、T=3の場合には、式8の固定フィルタパラメータat(j,k)は、次の式から算出することができる。
【0118】
【数25】
Figure 0003701940
【0119】
ここで、固定係数at(j,k)は、式5、7、8、及び9に相当する。
【0120】
ビーム形成器の第2実施例においては、可変フィルタパラメータDiは、図1を参照して先程説明したように、ビーム形成器ビーム形状制御システムによって生成される制御信号t(n)の形態でポストフィルタに供給される。
【0121】
式9に式8を含めると式5になり、係数hj,k(Di)は式7によって算出されることが指摘されるが、これは、次の変換によって明らかである。
【0122】
【数26】
Figure 0003701940
【0123】
従って、ビーム形成器30I及び30IIの動作は、非常に類似している。
【0124】
ビーム形成器の第2実施例による多項式フィルタリングでは、次の数の係数をメモリに保存することが必要である。
【0125】
【数27】
Figure 0003701940
【0126】
本発明による方法に必要なのは、小さなフィルタ係数の組だけであり、必要とされるメモリ容量は小さい。
【0127】
ビーム形成器30IIは、サンプリングのインターバル当たり、次の数の乗算及び加算演算の演算負荷を有している。
【0128】
【数28】
Figure 0003701940
【0129】
この式19の第1項のM*L*(T+1)は、フィルタバンクの出力信号である中間信号y″t(n)の算出に必要な固定数の演算を表している。中間信号の数はビーム形成器出力信号y′(n)の数Sからは独立しているため、これらの中間信号y″t(n)を計算する演算負荷は、実際にいくつの出力信号がポストフィルタ30IIb−iによって提供されるか、或いはミキサー60によって選択されるかには関係なく、第1項では固定されている。
【0130】
そして、式19によれば、S個の目的方向のそれぞれにT個の演算の累積負荷が加算され、ポストフィルタの並行出力信号y′i(n)が形成される。
【0131】
図6に、提供する目的方向の数Sと演算負荷の関係を本発明による多項式フィルタリングと当技術分野で周知のシステムとで比較したものが示されている。本発明によるシステムの負荷は式19に従って算出されたものである。一方、当技術分野で周知のシステムの演算負荷は、式4によって算出している。この図6の両方のラインは、一例として、M=5、L=40、T=3に基づいたものであり、この図6からわかるように、提供された目的方向の数に応じて必要となる演算負荷の増加量は、当技術分野で周知のシステムと比較すると、本発明によるシステムのほうがかなり小さなものになっている。概略的には、目的方向数がT+1よりも大きい場合には、本発明による方法のほうが当技術分野において周知の方法よりも格段に優れていると言うことができる。
【0132】
図7は、ビーム形成器出力信号y′i(n)をエコー及びノイズキャンセルユニット82によってフィルタリングする本発明の更なる実施例を示している。このシステムの信号品質の改善は、ビーム形成器によるSNRの改善とエコー及びノイズキャンセルユニット82による雑音抑制を組み合わせたものになっている。この場合、対象とするビーム形成器フィルタの実装がビーム形成器の第1実施例30I及び第2実施例30IIのいずれに基づいたものであるかは重要ではない。
【0133】
一例として、車両の内部などの一般的な音響空間における音響エコーパスは、ラウドスピーカシステム84とマイクロホンアレー10間の伝達関数として表される。エコーパスは、ラウドスピーカシステムの方向感度、部屋の音響効果、及びマイクロホンシステムの方向感度の影響を受ける。従って、ビーム形成フィルタリングにおけるあらゆる変化がエコーパスに影響を与えることになる。当技術分野において周知の大部分のエコーキャンセルシステムは、適応型フィルタリングに基づいたものであり、これらの変化に対処する能力を有している。
【0134】
但し、ビーム形成器・ビーム形状制御システム40の動作によるエコーパスの変化を勘案することにより、本発明に従って、このような周知のエコーキャンセルシステムの制御状況を改善することができる。これは、図7に示すように、ビーム形成器ビーム形状制御システム40が供給する制御信号t(n)に応答して音響エコー及びノイズキャンセルユニット82を制御する制御ユニット81を設けることによって実現される。この制御ユニット81は、不均一な雑音環境で雑音信号スペクトルがマイクロホンアレーの方向感度の関数になる特殊なノイズキャンセルユニット用に実装することも可能である。この場合、ビーム形成器ビーム形状制御システムが検出する信号源追跡方向の変化は、例えば、背景雑音推定の制御に利用される。
【0135】
図7に示す方式(特に、エコー及びノイズキャンセルユニット82の前述の制御)により、信号源追跡における動的なビーム形成に対してキャンセルプロセスが安定したものになる。
【0136】
図9a、図9b、及び図9cは、本システムの全方向性トランスデューサアレー10が、図8に示すように座標系内に配置された紙面上での本発明によるシステムの方向感度を示している。この図9からわかるように、システムの感度は、最適なものになっている(即ち、信号源20が実際に信号をトランスデューサアレーに放射する目的信号源方向ψsに対応する可変フィルタパラメータDiを選択した場合に0dBになっている(図9aにおいては0°、図9bにおいては+/−90°、図9cにおいては+/−120°))。図9a、図9b、図9cにおいては、この最適な信号の受信状態が白い部分で示されている。これらの図から明らかなように、可変フィルタパラメータDiをチューニングして本システムの指向性(視線方向)を別の角度に変化させると、黒い部分で示すように、本システムの感度は低下する。尚、この図9に示しているのは300Hz〜3400Hzの範囲のシステム感度であり、これは音声信号の主要領域である。
【0137】
本発明は、信号源から発せられた信号が伝播する媒体の種類や環境によって制限されることはない。媒体に関する唯一の制限は、空間内での2地点間の伝播遅延と減衰が予測可能でなければならないということであり、従って、本発明によるシステムは、例えば、空気中や水中を伝播する信号に適用することができる。
【0138】
尚、車両のハンズフリー環境用のオーディオアプリケーションが本発明の好適な実施例を代表するものであるが、本発明は車両内のオーディオアプリケーションに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
以下の添付の図面を参照し、本発明の様々な実施例について詳細に説明する。
【図1】 本発明によるシステムの第1実施例を示している。
【図2】 図1の信号処理手段の詳細を示している。
【図3】 図1のフィルタ係数生成器手段の詳細を示している。
【図4】 本発明によるシステムの第2実施例を示している。
【図5a】 図4のポストフィルタの様々な実施例を示している。
【図5b】 図4のポストフィルタの様々な実施例を示している。
【図5c】 図4のポストフィルタの様々な実施例を示している。
【図5d】 図4のポストフィルタの様々な実施例を示している。
【図6】 図4のシステムと従来技術によるシステム間の演算負荷の比較を示している。
【図7】 図1及び図4のシステムにおけるエコー及びノイズキャンセルユニットの実装を示している。
【図8】 図9a〜9cが前提とする座標系内のトランスデューサアレーの配置を示す補助図面である。
【図9a】 ビーム形成器の視線方向を変化させた際の図1及び5のシステムの感度特性の変化を示している。
【図9b】 ビーム形成器の視線方向を変化させた際の図1及び5のシステムの感度特性の変化を示している。
【図9c】 ビーム形成器の視線方向を変化させた際の図1及び5のシステムの感度特性の変化を示している。
【図10】 当技術分野において周知の初級システムを示している。
【図11】 従来技術及び本発明による目的信号源及びトランスデューサアレーの配列を示す座標系を示している。
【図12】 当技術分野において周知の上級システムを示している。

Claims (21)

  1. トランスデューサアレー(10)の目的信号源方向ψsに位置する目的信号源(20)から雑音環境に放射される信号を処理するシステムであって、
    雑音が混入した前記信号を受信し、それぞれが対応するトランスデューサ出力信号を個別に生成するM個のトランスデューサを備えるトランスデューサアレー(10)と、
    所定のフィルタリング特性、例えば、所望の視線方向、を定義する調整可能なフィルタ係数を有し、少なくとも1つの出力信号y′i(n)(i=1〜N)を生成するべく前記M個のトランスデューサ出力信号を受信及びフィルタリングするビーム形成器(30I、30II)と、
    前記目的信号源(20)用の少なくとも1つの物理的な関連パラメータ、特に、前記目的信号源方向ψ sを表す制御信号Di(n)を供給するビーム形成器ビーム形状制御システム(40)と、
    前記ビーム形成器(30I、30II)が、例えば、前記目的信号源方向Ψ s における前記目的信号源 (20) について所定のフィルタリング特性をもつように、前記制御信号Di(n)に応答して動作するビーム形成器のフィルタリング特性調整手段(30Ib、30IIb)と、を有するシステムにおいて、
    前記調節可能なフィルタ係数が、
    Figure 0003701940
    (ここで、前記at(j、k)は、固定フィルタパラメータであって、Diは、前記制御信号Di(n)を表わす可変フィルタパラメータのベクトルであり、Ft(Di)は、前記Diの関数である。)の式により定義されることを特徴とするシステム。
  2. 可変フィルタパラメータの数は、固定フィルタパラメータの数よりも少ないことを特徴とする請求項1記載のシステム。
  3. 可変フィルタパラメータの前記ベクトルDiは、前記目的信号源方向ψsを表す単一の変数であることを特徴とする請求項1又は2記載のシステム。
  4. 可変フィルタパラメータの前記ベクトルDiは、複数の可変フィルタパラメータを格納するベクトルであることを特徴とする請求項1又は2記載のシステム。
  5. 前記可変フィルタパラメータは、信号源の方向、信号源の距離、雑音スペクトル、信号帯域幅、信号スペクトル、ビーム形状、媒体の物理特性、カメラ制御、又はこれらの組み合わせからなるパラメータの中の1つを表すことを特徴とする請求項1又は2又は4記載のシステム。
  6. 前記関数Ft(Di)が、テイラー多項式
    Figure 0003701940
    であることを特徴とする請求項1−5のいずれか1項記載のシステム。
  7. 前記関数Ft(Di)は、チェビシェフ多項式
    Figure 0003701940
    であることを特徴とする請求項1−5のいずれか1項記載のシステム。
  8. 前記システムが、
    前記固定フィルタパラメータat(j,k)を保存するメモリ(30Ic)と、

    Figure 0003701940
    に従う、前記フィルタ係数を調節するビーム形成器フィルタリング特性調整手段としてのフィルタ係数生成器手段(30Ib)と、
    Figure 0003701940
    を使用して、ビーム形成器出力信号y′i(n)(i=1〜N)を生成する信号処理手段(30Ia)と、
    を有することを特徴とする請求項1−7のいずれか1項記載のシステム。
  9. 前記ビーム形成器(30II)は、
    中間信号y″t(n)(t=0〜T)を生成すべく、それぞれが前記M個のトランスデューサ出力信号を受信及びフィルタリングする少なくとも2つのフィルタバンク(30IIa−0〜30IIa−T)と、
    前記制御信号Di(n)に応答して前記ビーム形成器出力信号y′i(n)(i=1〜N)を生成すべく、前記少なくとも2つの中間信号y″t(n)を受信するための、ビーム形成器フィルタリング特性調整手段としての、少なくとも1つのポストフィルタ(30IIb−1〜30Ib−N)と、
    を有することを特徴とする請求項1−7のいずれか1項記載のシステム。
  10. 前記少なくとも2つのフィルタバンク(30IIa−0〜30IIa−T)のそれぞれは、次式
    Figure 0003701940
    によって前記トランスデューサ出力信号xj(n-k)から前記中間信号y″t(n)を算出し(ここで、at(j,k)は、前記所定の固定フィルタパラメータである)、
    前記ポストフィルタ(30IIb−1〜30Ib−N)は、次式
    Figure 0003701940
    によって前記中間信号y″t(n)から前記ビーム形成器出力信号y′i(n)(i=1〜N)を算出する(ここで、Ft(Di)は、前記Diの前記関数である。)ことを特徴とする請求項9記載のシステム。
  11. 前記トランスデューサ(10−1・・・10−M)は、前記トランスジューサアレー(10)において、線形に、2次元的に、又は3次元的に配列されることを特徴とする、請求項1−10のいずれか1項記載のシステム。
  12. 前記トランスデューサ(10−1・・・10−M)は、単一方向、双方向、又は全指向性の感度特性、又は、これらの組合せを有することを特徴とする請求項1−11のいずれか1項記載のシステム。
  13. 前記トランスデューサアレー(10)の前記トランスデューサ(10−1・・・10−M)は、音響信号を受信するために適合されたマイクロフォンであることを特徴とする請求項1−12のいずれか1項記載のシステム。
  14. 前記トランスデューサアレー(10)が、電磁信号を受信するアンテナであることを特徴とするマイクロフォンであることを特徴とする請求項1−12のいずれか1項記載のシステム。
  15. 前記トランスデューサアレー(10)が、ソナーアレーであることを特徴とする請求項1−12のいずれか1項記載のシステム。
  16. 前記システムが、前記ビーム形成器出力信号y′i(n)の内少なくとも2つを受信して、更に処理するための、少なくとも一つのミキサー(60)を有することを特徴とする請求項1−15のいずれか1項記載のシステム。
  17. 前記システムは、前記ビーム形成器の出力信号y′i(n)におけるエコー現象をキャンセルするノイズキャンセルユニット(82)を有することを特徴とする請求項1−16のいずれか1項記載のシステム。
  18. 前記システムは、前記制御信号に応答して前記エコーキャンセルユニットを制御するエコーキャンセル制御ユニット(81)を有することを特徴とする請求項17記載のシステム。
  19. 前記システムは、前記ビーム形成器の出力信号y′i(n)における雑音をキャンセルするノイズキャンセルユニット(82)を有することを特徴とする請求項1−18のいずれか1項記載のシステム。
  20. 前記システムは、前記制御信号に応答して前記ノイズキャンセルユニットを制御するノイズキャンセル制御ユニット(81)を有することを特徴とする請求項19記載のシステム。
  21. トランスデューサアレー(10)の目的信号源方向ψsに位置する目的信号源(20)から雑音環境に放射される信号を処理する方法であって、
    前記トランスデューサアレー(10)によって前記信号を受信するステップと、対応するトランスデューサ出力信号を生成するステップと、
    少なくとも1つのビーム形成器出力信号y′i(n)(i=1〜N)を生成するべく、所望の所定のフィルタ特性、例えば、所望の視線方向、を定義する調節可能なフィルタ係数に従って前記トランスデューサ出力信号をフィルタリングするステップと、
    少なくとも1つの物理的な関連パラメータ、特に、前記目的信号源方向ψ s を検出するステップと、前記物理的な関連パラメータを表す制御信号Di(n)を提供するステップと、
    前記ビーム形成器(30I、30II)が、例えば、前記目的信号源方向ψ s における前記目的信号源(20)について所定のフィルタリング特性を有するように、前記制御信号Di(n)に応答して前記フィルタ係数を生成するステップと、
    を有する方法において、
    前記調節可能なフィルタ係数が、
    Figure 0003701940
    (ここで、前記at(j、k)は、固定フィルタパラメータであって、Diは、前記制御信号Di(n)可変フィルタパラメータのベクトルであり、Ft(Di)は、前記Diの関数である。)の式により定義されることを特徴とする方法。
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