JPH0653798U - 渦巻ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】内装される羽根車巾または使用条件に対応させ
て渦流室の軸方向寸法を長短二様に変換できる渦巻ポン
プを提供すること。 【構成】吸込カバー４の外縁部分を下面オープン型ポン
プケーシング１の周壁下縁への取付部６として、該取付
部６の一面６ａを他面６ｂよりも高く凸出する凸環状面
に形成し、吸込カバー４の一面４ａを羽根板下縁２ｅに
対向させてポンプケーシング一へ取り付けることにより
渦流室７の軸方向寸法が増大せられ、また、吸込カバー
４の他面４ｂを羽根板下縁２ｅに対向させてポンプケー
シング１に取り付けることにより渦流室７の軸方向寸法
が短縮されるよう構成されており、内装される羽根車巾
または使用条件に対応させて吸込カバー４の取付面を変
更し、渦流室の軸方向寸法を長短二様に変換させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、渦巻ポンプに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ポンプの固有性能として吐出量を変化させたい場合、通常は羽根車巾を増減し て設計し、同時に渦流室の軸方向寸法をそれに対応して増減させる必要がある。

【０００３】 また、ポンプの用途により、清水中で使用される渦巻ポンプでは、渦流室内に おいて羽根車が、その羽根板下縁を吸込カバー盤面上に接近させた状態で収容さ れてあり、これを汚水中で使用した場合には渦流室内に固形物が詰まり易いとい う欠点を有している。そのため汚水中で使用される渦巻ポンプにおいては、羽根 板下縁を吸込カバー盤面上から大きく離隔させた構造とすることで、固形物が詰 まることを防止しているが、この構造はポンプ性能を犠牲にすることになるので 、清水中で使用するポンプには不適当である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来のポンプケーシングでは渦流室の軸方向寸法が不変の構造に作られている ため、羽根車巾が変更されると、それに合わせてポンプケーシングも、渦流室の 軸方向寸法が異なるものを新作する必要があり、コストアップの要因となる。ま た、汚水用に設計されたものを清水用に適したように変更したり、清水用に設計 されたものを汚水用に適したように改造することも、従来のケーシング構造では 困難である。

【０００５】 本考案の目的の一は、内装される羽根車巾に対応させて渦流室の軸方向寸法を 変更し得られる渦巻ポンプを提供することである。また、本考案の目的の二は、 汚水中で使用する場合には吸込カバー盤面を羽根板下縁から大きく離隔させて固 形物の通過を容易にし、清水中で使用する場合には吸込カバー盤面と羽根板下縁 との間の間隙を狭小にしてポンプ性能が低下しないように、羽根板下縁と吸込カ バー盤面との対向状態が用途に応じて切り換えられる渦巻ポンプを提供すること である。

【０００６】

【問題を解決するための手段】

本考案に係わる渦巻ポンプにおいては、吸込カバーの外縁部分を下面オープン 型ポンプケーシングの周壁下縁への取付部となし、該取付部の一面を他面よりも 高く凸出する凸環状面に形成し、吸込カバーの一面を羽根板下縁に対向させてポ ンプケーシングに定着することにより渦流室の軸方向寸法が増大せられ、また、 吸込カバーの他面を羽根板下縁に対向させてポンプケーシングに定着することに より渦流室の軸方向寸法が短縮されるよう構成した。

【０００７】

【実施例】

以下実施例の図面により説明をする。

【０００８】 １は下面オープン型のポンプケーシング、２はポンプケーシング１内において モーター軸３に嵌着された羽根車、４は羽根車２の羽根板下縁２ｅと対向する吸 込カバーであって、中央部に吸込孔５を穿設し、外縁部分をポンプケーシング１ の周壁下縁への取付部６となし、かつ、該取付部６の一面６ａが他面６ｂよりも 高く凸出した凸環状面に形成されている。従って図３のように吸込カバー４の一 面４ａを羽根板下縁２ｅに対向させた場合には渦流室７の軸方向寸法は長くなり 、また、図４のように吸込カバー４の他面４ｂを羽根板下縁２ｅに対向させた場 合には渦流室７の軸方向寸法は短くなる。これらいずれかの状態により、取付ボ ルト８‥‥８をボルト挿通孔９‥‥９からネジ孔１０‥‥１０へ螺着して、吸込 カバー４をポンプケーシング１の周壁下縁へ着脱自在に定着させるのである。

【０００９】 そして図３の実施例においては羽根車巾の大きな渦巻ポンプに適したポンプケ ーシングが構成せられ、図４の実施例においては羽根車巾の小さな渦巻ポンプに 適したポンプケーシングが構成せられ、いずれの場合も羽根車２の下方に狭小な 間隙Ｇ１が形成されて、ポンプ性能を低下することなく清水中での使用に適した 態様となる。しかしこれを汚水中で使用した場合には渦流室７内に固形物が詰ま り易い。

【００１０】 図４の実施例における吸込カバー４を取り外してこれを裏返し、吸込カバー４ の他面４ｂを羽根板下面２ｅに対向させ、渦流室７の軸方向寸法を長くした状態 により再び吸込カバー４を定着させると、羽根車２の下方に固形物通過用の広い 間隙Ｇ２が形成せられ、渦流室７内に固形物を詰まらせることなく汚水中での使 用に適したポンプケーシングが構成せられることになる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案によれば、吸込カバー４の取付面を変更するだけの簡単な作業により、 渦流室７の軸方向寸法を長短二様に変更して、内装される羽根車巾に即座に対応 させて吐出量の変更を可能となし、また、清水中での使用においてポンプ性能の 低下しない状態と、汚水中で使用しても固形物を詰まらせない状態とに変換する ことも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案渦巻ポンプにおける吸込カバーの縦断側
面図である。

【図２】本考案渦巻ポンプにおける吸込カバーの平面図
である。

【図３】本考案渦巻ポンプの要部縦断側面図であって、
内装される羽根車巾に対応させて渦流室の軸方向寸法を
長く構成させた事例を示す。

【図４】本考案渦巻ポンプの要部縦断側面図であって、
内装される羽根車巾に対応させて渦流室の軸方向寸法を
短く構成させた事例を示す。

【図５】本考案渦巻ポンプの要部縦断側面図であって、
吸込カバーの取付方向を選定することにより羽根車の下
方に固形物流通用の広い間隙を形成させた事例を示す。

【符号の説明】

１ ポンプケーシング ２ｅ 羽根板下縁 ４ 吸込カバー ４ａ 吸込カバーの一面 ４ｂ 吸込カバーの他面 ６ 取付部 ６ａ 取付部の一面 ６ｂ 取付部の他面 ７ 渦流室

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸込カバー（４）の外縁部分を下面オープン型ポンプケ
   ーシング（１）の周壁下縁への取付部（６）となし、該
   取付部（６）の一面（６ａ）を他面（６ｂ）よりも高く
   凸出する凸環状面に形成し、吸込カバー（４）の一面
   （４ａ）を羽根板下縁（２ｅ）に対向させてポンプケー
   シング（１）に定着することにより渦流室（７）の軸方
   向寸法が増大せられ、また、吸込カバー（４）の他面
   （４ｂ）を羽根板下縁（２ｅ）に対向させてポンプケー
   シング（１）に定着することにより渦流室（７）の軸方
   向寸法が短縮されるよう構成したことを特徴とする渦巻
   ポンプ。