JPH0653770U - 磁石発電機式点火装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 結線用リード線を不要にして構造の簡素化，
組み付け工数の低減化，省スペース化，安価化および誤
動作防止ならびに盗難防止を図る。 【構成】 磁石が埋設され、かつエンジンによって駆動
されるロータ６と、該ロータ６に対向配置されて、該ロ
ータ６の回転により電圧を誘起する発電コイル１１と、
該発電コイル１１が誘起した電圧を充電するコンデンサ
１５と、該コンデンサ１５から、点火制御回路の制御下
で一定のタイミングで放電された電圧を昇圧し、点火プ
ラグ２０へ出力するイグニッションコイル１２と、上記
誘起電圧を上記コンデンサ１５に対し側路可能にするよ
うに、該コンデンサ１５に接続した磁気感応スイッチ
８，８Ａとを設けて、上記エンジンおよび発電コイル１
１等を被う非磁性のエンジンカバー５に磁石を持ったエ
ンジン操作スイッチ９を摺動操作可能に設けて、上記磁
気感応スイッチ８，８Ａをオン，オフ切換可能にするほ
か、磁気感応スイッチ８，８Ａのオフ時にサイリスタ２
１をオンにして、誘起電圧をコンデンサ１５に対し側路
可能にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、点火動作を任意に停止させることができる磁石発電機式点火装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、携帯用作業機のエンジン停止スイッチは自己保持型のメカニカルスイッ チが用いられ、これがエンジンカバーの外に取り付けられている。そして、その エンジン停止スイッチの一端子はリード線を介して点火装置例えば点火制御回路 を埋設した発電コイルユニットに接続され、他方の端子が必ずエンジンシャーシ にアース接続され、このエンジン停止スイッチの操作により、点火装置の動作を 停止し、エンジンを停止させるようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、かかる従来のエンジン停止スイッチは点火装置との結線をリー ド線を介して行うので、組立時の工数が嵩むほか、取付場所に制約があるなどの 問題点があった。

【０００４】 さらに、前記エンジン停止スイッチに接続されたリードが断線などの事故を惹 き起こすと、上記エンジンを停止させることが不可能となり、エンジンによって 駆動される回転刃などによる人身事故の発生原因になるなどの問題点があった。 この考案は上記のような従来の問題点に着目してなされたもので、取付場所を 選ばず、また、点火装置に対する結線用のリード線を不要とすることにより、構 造の簡素化，組み付け工数の低減化，省スペース化および安価化を図れるととも に、誤動作防止ならびに盗難防止をも図れる磁石発電機式点火装置を提供するこ とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 請求項１の考案にかかる磁石発電機式点火装置は、磁石が埋設され、かつエン ジンによって駆動されるロータと、該ロータに対向配置されて、該ロータの回転 により電圧を誘起する発電コイルと、該発電コイルが誘起した電圧を充電するコ ンデンサと、該コンデンサから、点火制御回路の制御下で一定のタイミングで放 電された電圧を昇圧し、点火プラグへ出力するイグニッションコイルと、上記誘 起電圧を上記コンデンサに対し側路可能にするように、該コンデンサに接続した 磁気感応スイッチとを設けて、上記エンジンおよび発電コイル等を被う非磁性の エンジンカバーに磁石を持ったエンジン操作スイッチを摺動操作可能に設けて、 上記磁気感応スイッチをオン，オフ切換可能にしたものである。

【０００６】 請求項２の考案にかかる磁石発電機式点火装置は、磁石が埋設され、かつエン ジンによって駆動されるロータと、該ロータに対向配置されて、該ロータの回転 により電圧を誘起する発電コイルと、該発電コイルが誘起した電圧を充電するコ ンデンサと、該コンデンサから、点火制御回路の制御下で一定のタイミングで放 電された電圧を昇圧し、点火プラグへ出力するイグニッションコイルと、上記誘 起電圧を上記コンデンサに対し側路可能にするように、該コンデンサに接続した 磁気感応スイッチとを設けて、上記誘起電圧を上記コンデンサに対し側路可能に するように該コンデンサにサイリスタを接続して、上記磁気感応スイッチのオフ 時にオンとなるようにし、上記エンジンおよび発電コイル等を被う非磁性のエン ジンカバーに、磁石を持ったエンジン操作スイッチを摺動操作可能に設けて、上 記磁気感応スイッチをオン，オフ切換可能にしたものである。

【０００７】

【作用】

請求項１の考案における磁石発電機式点火装置は、ロータの回転により発電コ イルが発生する電圧を、イグニッションコイルへ供給するコンデンサへ供給しな いように、エンジンカバー外のエンジン操作スイッチにより、上記コンデンサを 側路する磁気感応スイッチをオンにする。これにより、上記コンデンサからイグ ニッションコイルへの電圧の供給を停止して、エンジンを停止させる。

【０００８】 請求項２の考案における磁石発電機式点火装置は、コンデンサを側路するサイ リスタを磁気感応スイッチ回路とは独立に設け、その磁気感応スイッチ回路がオ フとなったとき、あるいは回路から取り外されたときに、上記サイリスタをオン にすることにより、コンデンサへの発電電圧の側路を可能にし、磁気感応スイッ チの故障時などにおけるエンジンの駆動を自動停止して、人身事故の発生を未然 に防止する。

【０００９】

【実施例】

実施例１． 以下、この考案の一実施例を図について詳細に説明する。図４は携帯用作業機 としての草刈機を示し、図において、２はエンジン、３はエンジン２の回転を伝 達するのに用いられる長尺の竿、４はこの竿の先端に取り付けられて、上記エン ジン２により駆動される回転刃である。

【００１０】 図３は携帯用作業機である草刈機１のエンジン２を一部破断して示す正面図で あり、５は非磁性体、例えばプラスチックなどのエンジンカバー、６は磁石など を埋設したロータ、７は点火制御回路およびイグニッションコイルなどを一体に した発電コイルユニットである。

【００１１】 また、８は発電コイルユニット７内の点火制御回路に接続されて、上記磁石１ ０の磁力に感応する磁気感応スイッチ、９は磁石１０を埋設し、前記非磁性体の エンジンカバー５に取り付けられたエンジン操作スイッチとしてのスライドスイ ッチである。

【００１２】 図１は発電コイルユニット７内の点火制御回路図を示し、同図において、１１ は発電コイル、１２はイグニッションコイル、１５は点火エネルギーを蓄積し、 この蓄積エネルギーをイグニッションコイル１２の一次側に供給する点火用充放 電用のコンデンサ、１６は点火用充放電用のコンデンサ１５に蓄積されたエネル ギーの放電制御を行う点火制御用サイリスタ、１３，１４，１７，１８は逆流防 止ダイオード、１９は抵抗、２０は点火プラグで、図示のようにイグニッション コイル１２の二次コイル１２ｂに接続されている。

【００１３】 次に動作について説明する。発電コイルユニット７に設けられた磁気感応スイ ッチ８は、前記発電コイルユニット７を被う非磁性体のエンジンカバー５を介し 、スライド可能なスライドスイッチ９に配置された磁石１０の磁力の強弱を感知 して動作する。

【００１４】 例えば、磁石１０が磁気感応スイッチ８に最も近づいた時に、その磁気感応ス イッチ８を導通状態にする。このため、発電コイル１１で誘起する誘起電圧を、 その磁気感応スイッチ８が点火制御回路内のコンデンサ１５より側路させること により、この点火用充放電用のコンデンサ１５に対する電荷の充電が阻止される 。従って、イグニッションコイル１２への点火電流の供給が停止され、点火動作 が停止されて、最終的にエンジン２が停止することとなる。

【００１５】 これに対し、磁石１０を埋設したスライドスイッチ９を磁気感応スイッチ８よ り遠ざけることにより、すなわち、磁気感応スイッチ８を磁石１０の磁力に感応 しない適当距離スライド移動させることにより、磁気感応スイッチ８を導通状態 から不導通状態にして、再び点火動作を可能にし、再起動を可能にするのである 。

【００１６】 なお、磁石１０を埋設したスライドスイッチ９は、磁気感応スイッチ８が導通 状態および不導通状態となる位置で少々の振動や揺動があっても移動しない保持 機構の構造を有しているものである。 実施例２． 図２はこの考案の他の実施例を示す。これは、図３に示した磁気感応スイッチ ８の容量より小さい磁気感応スイッチ８Ａを用いた場合の回路であり、側路回路 を形成する磁気感応スイッチ８Ａに電圧検出抵抗２２を直列接続し、これらの直 列回路に並列に入れたサイリスタ２１のゲートを、その磁気感応スイッチ８Ａお よび電圧検出抵抗２２の接続点に接続したものである。

【００１７】 この実施例によれば、磁石１０を埋設したスライドスイッチ９を、磁気感応ス イッチ８Ａが導通状態になる位置にスライド移動したときは、発電コイル１１で 誘起される誘起電圧がまずダイオード１４→抵抗２２→磁気感応スイッチ８Ａの 経路およびコンデンサ１５→イグニッションコイル１２の一次コイル１２ａの経 路で電流が流れる。

【００１８】 この時、サイリスタ２１は前記磁気感応スイッチ８Ａにてトリガ電流を側路さ せられるので、トリガされることがなく、従って、導通しないため、通常の点火 動作をする。

【００１９】 これに対し、スライドスイッチ９が磁気感応スイッチ８Ａを不導通状態とする ようにスライド移動したときは、発電コイル１１で誘起される誘起電圧で、まず 、ダイオード１４→抵抗２２→サイリスタ２１のゲート・カソードの経路で電流 が流れ、サイリスタ２１がトリガされて導通する。

【００２０】 このため、サイリスタ２１のアノード，カソード間に電流が流れることになり 、コンデンサ１５には電荷が充電されず、点火動作が停止することになる。この 結果、エンジン２を停止させることができるのである。

【００２１】 なお、この実施例の回路を採用すると、例えば磁石１０を埋設したスライドス イッチ９を脱着可能な構造にし、作業終了後に前記スライドスイッチ９を取り外 してしまうことにより、常に、サイリスタ２１をトリガ可能にすることができ、 従って、携帯用作業機１のエンジン２を点火停止状態に維持できるので、これが 不用意に起動することがなく、また、盗難防止の効果が得られるのである。

【００２２】 また、上記実施例では携帯用作業機を草刈機とした場合を例にあげて説明した が、その他の携帯用作業機においても応用できる他、家電製品などにも応用する ことができるものである。

【００２３】

【考案の効果】

以上のように、請求項１の考案によれば、 請求項１の考案にかかる磁石発電 機式点火装置は、磁石が埋設され、かつエンジンによって駆動されるロータと、 該ロータに対向配置されて、該ロータの回転により電圧を誘起する発電コイルと 、該発電コイルが誘起した電圧を充電するコンデンサと、該コンデンサから、点 火制御回路の制御下で一定のタイミングで放電された電圧を昇圧し、点火プラグ へ出力するイグニッションコイルと、上記誘起電圧を上記コンデンサに対し側路 可能にするように、該コンデンサに接続した磁気感応スイッチとを設けて、上記 エンジンおよび発電コイル等を被う非磁性のエンジンカバーに磁石を持ったエン ジン操作スイッチを摺動操作可能に設けて、上記磁気感応スイッチをオン，オフ 切換可能に構成したので、取付場所を選ばず、また、結線用リード線を不要にで き、構造の簡素化および組み付け工数の低減化を図れるとともに、さらに省スペ ース化および安価化を実現できるという効果が得られる。

【００２４】 また、 請求項２の考案によれば、磁石が埋設され、かつエンジンによって駆 動されるロータと、該ロータに対向配置されて、該ロータの回転により電圧を誘 起する発電コイルと、該発電コイルが誘起した電圧を充電するコンデンサと、該 コンデンサから点火制御回路の制御下で一定のタイミングで放電された電圧を昇 圧し、点火プラグへ出力するイグニッションコイルと、上記誘起電圧を上記コン デンサに対し側路可能にするように、該コンデンサに接続した磁気感応スイッチ とを設けて、上記誘起電圧を上記コンデンサに対し側路可能にするように該コン デンサにサイリスタを接続して、上記磁気感応スイッチのオフ時にオンとなるよ うにし、上記エンジンおよび発電コイル等を被う非磁性のエンジンカバーに、磁 石を持ったエンジン操作スイッチを摺動操作可能に設けて、上記磁気感応スイッ チをオン，オフ切換可能に構成したので、磁気感応スイッチがオフ時となったり 、取り外した場合に、誤って、エンジンが駆動されるのを防止でき、回転刃など の誤動作防止ならびに盗難防止を図れるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例による磁石発電機式点火装
置を示す回路図である。

【図２】この考案の他の実施例による磁石発電機式点火
装置を示す回路図である。

【図３】図１におけるエンジンの構成を一部破断して示
す正面図である。

【図４】図３におけるエンジンを持った草刈機を示す斜
視図である。

【符号の説明】

５ エンジンカバー ６ ロータ ８，８Ａ 磁気感応スイッチ ９ エンジン操作スイッチ １０ 磁石 １１ 発電コイル １２ イグニッションコイル １５ コンデンサ ２０ 点火プラグ ２１ サイリスタ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁石が埋設され、かつエンジンによって
   駆動されるロータと、該ロータに対向配置されて、該ロ
   ータの回転により電圧を誘起する発電コイルと、該発電
   コイルが誘起した電圧を充電するコンデンサと、該コン
   デンサから、点火制御回路の制御下で一定のタイミング
   で放電された電圧を昇圧し、点火プラグへ出力するイグ
   ニッションコイルと、上記誘起電圧を上記コンデンサに
   対し側路可能にするように、該コンデンサに接続した磁
   気感応スイッチと、上記エンジンおよび発電コイル等を
   被う非磁性のエンジンカバーに摺動操作可能に設けられ
   て、上記磁気感応スイッチをオン，オフ切換可能にする
   磁石を持ったエンジン操作スイッチとを備えた磁石発電
   機式点火装置。
2. 【請求項２】 磁石が埋設され、かつエンジンによって
   駆動されるロータと、該ロータに対向配置されて、該ロ
   ータの回転により電圧を誘起する発電コイルと、該発電
   コイルが誘起した電圧を充電するコンデンサと、該コン
   デンサから、点火制御回路の制御下で一定のタイミング
   で放電された電圧を昇圧し、点火プラグへ出力するイグ
   ニッションコイルと、上記誘起電圧を上記コンデンサに
   対し側路可能にするように、該コンデンサに接続した磁
   気感応スイッチと、上記誘起電圧を上記コンデンサに対
   し側路可能にするように該コンデンサに接続され、上記
   磁気感応スイッチのオフ時にオンとなるサイリスタと、
   上記エンジンおよび発電コイル等を被う非磁性のエンジ
   ンカバーに摺動操作可能に設けられて、上記磁気感応ス
   イッチをオン，オフ切換可能にする磁石を持ったエンジ
   ン操作スイッチとを備えた磁石発電機式点火装置。