JPH0653609A - 光半導体素子の製造方法 - Google Patents

光半導体素子の製造方法

Info

Publication number
JPH0653609A
JPH0653609A JP26142292A JP26142292A JPH0653609A JP H0653609 A JPH0653609 A JP H0653609A JP 26142292 A JP26142292 A JP 26142292A JP 26142292 A JP26142292 A JP 26142292A JP H0653609 A JPH0653609 A JP H0653609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
layer
active layer
light
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26142292A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Nishibe
徹 西部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP26142292A priority Critical patent/JPH0653609A/ja
Publication of JPH0653609A publication Critical patent/JPH0653609A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 光半導体素子の光の出射面、受光面、反射
面、素子端面、導波層、活性層、或いは導波路の形状、
特性の向上を図り、素子の発振しきい値の上昇を防ぎ、
光の取りだし効率、取り入れ効率を向上する。 【構成】 レーザビームを照射することによって、光の
出射面、受光面、反射面、素子端面、導波層304、活
性層303、或いは導波路の内少なくとも一つを加工す
ることを特徴とする光半導体素子の製造方法、或はレー
ザビームを照射することによってメサ状に活性層303
或は導波層304を加工する工程と、前記活性層或は前
記導波層を結晶層で埋め込む工程とを外気に晒すこと無
く連続的に行うことを特徴とする光半導体素子の製造方
法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光半導体素子の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】光半導体素子を代表する半導体レーザは
光とキャリアの閉じ込めを行うための光導波層の作製、
良好な光の出射面の形成が要求される。光導波層は積層
方向と垂直方向に屈折率の差を設けるなどある種の構造
を作らなければならないため、湿式エッチングによりメ
サ状あるいはV溝を形成し、その上に結晶層で埋め込む
方法が主である。この場合、露出した活性層の側面や光
導波層と、再成長結晶との界面を清浄化することが重要
である。また、光の出射面の形成や素子のアイソレーシ
ョンには、任意方向に出射面が形成でき、へき開をしや
すくするために基板を研磨する必要のないドライエッチ
ング等が用いられている。図23〜図29を用いて従来
の半導体レーザの製造方法を述べる。n型基板2301
上にn型クラッド層2302、活性層となる半導体層2
303、光導波層となる半導体層2304を順次結晶成
長する(図23)。
【0003】次に、半導体層2304上にSiO 2 200
0オングストローム(以下Aと記す)程度形成し、有機
レジストと光露光によりストライプ状にレジストパター
ンを形成をする。その後、NH4 F とHFの混合液でレジス
トパターンをエッチングマスクとしてSiO 2 をストライ
プ状に残し、マスク層2401を形成する(図24)。
【0004】次に、SiO 2 マスク層2401をマスクと
して光導波路層と活性層を湿式エッチングでメサ状のス
トライプを形成した後、用いたSiO 2 マスク層2401
を除去する(図25)。
【0005】次に、p型半導体層2601を活性層23
03、光導波層2304を覆うように基板上に成長さ
せ、続いてp型コンタクト層2602を順次成長させる
(図26)。次に、p側にAu/AuZn電極270
2、n側にAu/AuGe電極2701を抵抗加熱蒸着
により形成する(図27)。次に、素子の端面の形成方
法を述べる。出射面の形成には、任意方向に出射面が形
成できて基板を研磨する必要のないドライエッチングが
用いられている。まず、パターンを有するSiO 2 エッチ
ングマスク2801を表面に形成する(図28)。
【0006】次に、電極をArプラズマでエッチングし、
その後、塩素などの反応性のガスに変えて半導体結晶層
をプラズマエッチングして光の出射面2902の形成と
隣合うレーザ素子2901同士の電気的素子分離をする
(図29)。
【0007】しかしながら、レ−ザ素子端面である出射
面2902は活性層からの発光の取り出し口にあたるた
め、端面反射率の低下による光の損失を防ぐために、へ
き開面と同等な平坦性、垂直性が要求されるが、ドライ
エッチングを用いると活性層付近のヘテロ接合の部分で
エッチング速度の差が出て活性層の端面に凹凸が生じ易
くレ−ザ光が散乱され光の取り出し効率が低下したり、
発振しきい値電流の上昇を招くという問題点があった。
また、エッチングマスクの形成及び除去の工程がありそ
の度に外気に晒されてしまうので素子の劣化を招いてい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の光半導体の製造方法では、ヘテロ接合の部分でエッチ
ング速度の差が出て活性層の端面に凹凸が生じ易くレ−
ザ光が散乱され光の取り出し効率が低下したり、発振し
きい値電流の上昇を招く、エッチングマスクの形成及び
除去の工程で外気に晒されてしまうので素子の劣化を生
じる、という問題点があった。
【0009】そこで、本発明は上記問題点を解決し、形
状に乱れを生じず、光の出射面、受光面、反射面、素子
端面、導波層、活性層、或いは導波路を良好に加工する
ことができる光半導体素子の製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、光半導体素子の製造方法において、
レーザビームを照射することによって、光の出射面、受
光面、反射面、素子端面、導波層、活性層、或いは導波
路の内少なくとも一つを加工することを特徴とする光半
導体素子の製造方法を提供するものである。
【0011】また、第2の発明は、光半導体素子の製造
方法において、レーザビームを照射することによってメ
サ状に活性層或は導波層を加工する工程と、前記活性層
或は前記導波層を結晶層で埋め込む工程とを外気に晒す
こと無く連続的に行うことを特徴とする光半導体素子の
製造方法を提供するものである。ここで、メサとは丘状
の構造を意味し、下部から上部に向けて次第に広がるい
わゆる逆テーパ形状の構造のものでも良い。
【0012】
【作用】加工レーザを基板に照射すると加工用レーザ光
のエネルギーで被エッチング基板中の分子或は原子の結
合を切り、蒸発させることによりエッチングができる。
こうすることによって加工面を歪みの無い所望のものに
することができる。 加工用レーザ光の走査はプログラ
ムに従って行われることも可能であるため、簡単に自由
なパターン状に加工でき、レーザビーム径を絞ることに
よりμmオーダーの微細加工もできる。
【0013】
【実施例】図1を用いて本発明に使用する加工用レーザ
照射により光半導体素子の光の出射面、受光面、反射
面、素子端面、導波層、活性層、或いは導波路を加工す
る装置の概略を説明する。
【0014】まず、ガス供給装置101からKrFガス
をレーザヘッド104内のチューブに供給し、電源10
2によりエキシマレーザを発振さる。冷却装置103は
加工用レーザの過熱を防止するとともに、基板ホールダ
ー115を冷却して加工用レーザ光の照射による加工基
板の加熱を防ぐ。レーザの駆動は繰り返し周波数250
Hz程度までのパルスで行い平均出力を100W程度ま
であげることができる。レーザヘッド104からの光を
3つのミラー105、106、107で反射させイメー
ジングレンズ108でビームを絞り被加工基板109に
当てる。基板ホールダー115をx,y方向に走査させ
ることにより被加工基板にレーザ光を相対的に走査させ
ることができ、またイメージングレンズの位置をz方向
に微動させることにより、レーザビーム径を変えられ、
被加工基板に照射するレーザパワー密度を調節すること
ができる。x,y方向走査とz方向のイメージングレン
ズの微動はドライバーユニット110により行う。加工
と同時にレーザヘッド104に内蔵した強度モニターに
よりレーザパワーを測定し、本体のレーザ駆動電源10
2にフィードバックすることにより基板照射レーザパワ
ーを安定に制御することができる。基板の走査とイメー
ジングレンズの微動はすべてコンピューター111でコ
ントロールする。加工を行うチャンバ112内は加工用
レーザ光が被加工基板109に到達する前に散乱された
り、チャンバ内のダストが付着したり、エッチングした
物質の再付着が起こる環境でなければ、真空である本質
的な必要性はないが、ここではエッチングされた物質が
滞留したり、被加工基板への再付着を防ぐためにターボ
分子ポンプ113で排気し、エッチング中にも10-3Torr
程度以下に真空を保っておく。また、レーザ光の走査は
基板ホールダー115を動かす方法以外にミラーを走査
させる方法がある。また、走査する代わりに、レーザ出
射のビーム径を広くしておき、ミラー106とミラー1
07の間にパターンを有するマスク114をはさむこと
よってパターンを被加工基板上に転写すると同時に、パ
ターン状にレーザ加工を行うことができる。マスクによ
る単位素子の転写エッチングが終了するごとに、x,y
方向に基板を動し、マスクパターンを周期的に転写し同
時に加工することができるので、被加工基板の面積が大
きいものにも適する。マーカー検出による基板の位置合
わせを行えるシステムにして複数回のマスク転写エッチ
ングも可能である。マスクによる転写エッチングは縮小
投影に適しており、レンズ系を設計して、クォーターサ
ブミクロンの加工にも利用できる。エキシマレーザの波
長は200nm程度であるため、光の干渉は200nm
程度までは起こらず微細転写エッチングには有利であ
る。次に図2を用いて本発明の第1の実施例に使用した
装置の説明をする。
【0015】この装置は、図1に示したレーザエッチン
グ装置をMOCVD装置に組み込んだ構造をしている。
レーザユニット201から照射されたレーザ光はミラー
202で反射され、イメージングレンズ203で絞られ
た後、石英ガラス窓204を通って基板ホールダ205
に達する。基板ホールダ205はドライブユニット20
6によってX,Y,Z方向に駆動することができ、基板
上で加工用レーザ光を走査することができる。レーザユ
ニット201、イメージングレンズ203及びドライブ
ユニット206はコントロールユニット207によって
制御されている。
【0016】一方208〜211はMOCVD装置に係
るもので、容器208の回りには加熱用コイル209が
配置され、吸気口210から原料ガスを供給し、排気口
211から余分なガスを廃棄する構造になっている。レ
ーザ加工機能の詳細は図1で説明したものと同じであ
る。この装置では成長の直前にレーザ照射による加工を
行いその直後に成長を行えるため、加工面への酸化物等
の汚染が少なく、2つのプロセスを一つの装置で行える
ため、工程の簡略化が行える。次に、図3〜図8を用い
て図2に示した装置を使用して作成した本発明の第1の
実施例である半導体レーザの製造方法を説明する。
【0017】本実施例においては、埋め込み型InP /In
GaAsP 半導体レ−ザについておこなった。InP 基板30
1上にバッファ層のn型InP (1μm)302、InGaAs
P 活性層(0.1 μm)303、InGaAsP 光導波層(0.2
μm)304までMOCVD法で成長する(図3)。活
性層はInGaAsP でInP に格子定数がマッチングしてお
り、発光波長で1〜1.6μmである。
【0018】次に表面からのAsやP 抜けを抑えるためAs
H 3 とPH3 を流し熱分解によりAs圧とP 圧をかけなが
ら、1〜3μm幅のストライプ状のメサを残すようにそ
の他の部分に加工用レーザを照射してレーザ光導波層及
び活性層を加工する。使用するKrFエキシマレーザ
(波長248nm)は出射口での1パルスあたり250
mJ、繰り返し周波数200Hz(50Wに相当する)
で駆動し、イメージングレンズでビームを絞ることによ
り、パワー密度12J/パルスでInGaAsP 光導波層30
4、InGaAsP 活性層303、n型InP 層302を一度に
エッチングする。n型InP 層302のエッチングの深さ
は0.3 μmとした。レーザのスキャン速度は約100μ
m/秒で繰り返し同じ所を走査する方式を取り、エッチ
ング速度は5000A/秒程度であった。AsH 3 やPH3
はエキシマレーザ照射により分解が促進されるので、表
面からのAsやP 抜けを抑える効果を増進する。
【0019】次に、供給ガスを変えてFeドープInP 電流
ブロック層501を選択成長させてストライプ間の溝を
埋め込む。続いてInP クラッド層502、InGaAsP コン
タクト層503を成長する(図5)。ここでFeドープIn
P 電流ブロック層501を選択成長させた後レーザ光の
エネルギーを落として成長層表面をクリーニングし、そ
の後光導波層上FeドープInP を除いた。なぜなら光導波
路層上にわずかでも、FeドープInP が残っていると、電
流が流れなくなってしまうので光導波路層上のFeドープ
InP は取り除く事が重要である。
【0020】ここまでの工程を従来の湿式エッチングと
選択成長を用いて行おうとすると、光導波層までの成長
(1回目成長)、光導波層の加工、電流ブロック層の選
択成長(2回目成長)、選択成長マスクを除去してコン
タクト層まで(3回目成長)の3回成長をしなければな
らず、エッチングの工程でマスクを形成したり除去した
りする度に外気に晒されることになる。次に、容器20
8から基板を取り出しAu/AuZnのp側電極601
を5000A、Au/AuGeのn側電極602を形成
する。
【0021】しかる後、再び図1のレーザ加工装置に電
極を形成した基板を装着して光の出射端面形成と隣合う
素子分離を行う。端面は光導波層ストライプと垂直に、
素子分離溝は光導波層ストライプに平行な方向に形成し
た(図7)。図中702は光の出射面、703は分離さ
れた半導体レーザ素子を表す。端面の溝の幅は50μ
m、半導体レーザ素子703の縦の長さは共振器長に相
当し代表的には250μmとした。KrFエキシマレー
ザの照射条件は波長248nmで、出射口での1パルス
あたり250mJ、繰り返し周波数200Hz(50W
に相当する)で駆動した。イメージングレンズでビーム
を絞ることによりパワー密度を15J/パルスにしてA
u/AuZn電極層601厚さ5000Aを加工する。
次にパワー密度12J/パルスで光の出射端面(GaInAs
P コンタクト層503とInP クラッド層502とGaInAs
P 光導波層304、GaInAsP 活性層303を含む)を形
成する。レーザのスキャン速度は約100μm/秒で繰
り返し同じ所を走査する方式を取り、それぞれのエッチ
ング速度は電極:1000A/秒、InP及びGaIn
AsP:5000A/秒程度であった。
【0022】図8に出射面の様子を詳しく示す。出射面
はヘテロ界面付近でも凹凸のない垂直平坦面であった
し、素子分離面も同様に平坦であった。上記に述べた光
半導体製造方法のうち、加工用レーザで半導体レーザの
光導波層を加工したり、光出射端面を形成することがポ
イントである。
【0023】本実施例により作製した半導体レーザ素子
の特性と、湿式エッチングにより光導波層及び活性層を
形成し塩素系のドライエッチングにより出射端面を作製
した半導体レーザの特性を比べた。
【0024】まず、本発明によるものはリーク電流が活
性層に注入される電流に比べ無視できるくらいに小さい
のに対し、通常方法で作製したレーザのリーク電流はお
おむね大きく、活性層に注入した電流の20%程度を占
めていた。このことは本発明によりメサ状に形成された
活性層及び導波層の界面が非常に良好であることを示
す。さらに基板を(100)面から15度オフした基板
ではメサ状の活性層及び導波層を湿式エッチングで形成
したものはメサが左右非対称な構造になりその素子特性
は全体の90%以上にキンクが見られたのに対し、本発
明によるものは10%以下であった。このことによって
本発明の優位性がうかがわれる。
【0025】次に、端面の評価を行った。端面の平坦
性、垂直性などの良否を評価するためには端面反射率を
調べるのが一般的である。理想的なへき開面の端面反射
率は本材料系では32%である。本実施例により光出射
端面を加工したものとドライエッチングにより光出射端
面を加工したものについて端面反射率を測定したとこ
ろ、本発明による試料は30〜32%の範囲にあり平均
値は31.5%と良好であった。これに対し、ドライエッチ
ングによる試料は26〜35%の範囲に広がりばらつき
が大きく、その平均値は28%であった。一般に発振し
きい値は共振器長と端面の反射率に依存し、しきい電流
Ithは以下の数式によって表される。
【0026】
【数1】 Ith=dLSJ0 exp{(1/βJ0 Γv )(αfc+ln(1/R)/L)}
【0027】(ここで、d:活性層の厚さ、L:共振器
長、S:活性層幅、β:係数、Γv:活性層からしみ出
さず、閉じこめられている光エネルギーの割合、αfc:
活性層内の自由キャリア吸収損失、R:端面反射率、J
0 :利得を発生させるのに必要な電流密度である。)
【0028】上記数式において、共振器長Lが大きい
と、活性層内の吸収損失(exp内の第一項)のため、
LとともにIthが大きくなる。またL〜ln(1/R)/βJ0Γ
v で極小値をとり、それよりLが小さくなるにつれ、I
thは∞に発散する。
【0029】図9に示すグラフによってその様子を示
す。横軸は共振器長[μm]、縦軸は発振しきい値[m
A]を表し、実線は本実施例によるもの、波線はドライ
エッチングによるものである。共振器長を20〜100
0μmの間で変化させてしきい値電流を調べたところ、
共振器長が500μm以上では本発明によるものとドラ
イエッチングによるもので両者で差異はなく、共振器長
500μmで35mAであった。共振器長が500μm
以下になると、ドライエッチング端面の場合、急激な上
昇が見られた。このしきい値電流の上昇は共振器長に大
きく依存し、共振器長が短くなるほど端面での反射損失
が発振しきい値電流に与える影響が大きくなるためであ
る。本発明により端面を形成した試料は共振器200μ
mまでしきい値が低下し20mAになった。共振器20
0μm以下ではしきい値は上昇し共振器長30μmまで
発振し、その時のしきい値は100mAであった。これ
はへき開レーザとほぼ同じであった。このことは、出射
面の凹凸が十分に抑えられていることを示す。また、本
実施例ではメサを埋め込む工程までを外気に触れさせる
こと無く行う例を示したが基板をひっくり返す手段を設
けることにより両電極ともMOCVDにより形成するこ
とができる。この場合、電極としてMo、Ni、Ti、
Pt、Au等が形成できる。
【0030】また、逆テーパ状である逆メサ状の埋め込
みレーザ構造の場合、埋め込み層は逆メサ部よりも盛り
上がり、結果として活性層上に盛り上がりの分だけ溝が
できる場合もある。溝の幅を一番広いところで定義する
と、5〜10μmであり、その深さは2〜3μmに達す
ることもある。近年光半導体素子単体の高性能化、電子
デバイスとの集積化に伴い、段差を有する構造が避けら
れなくなってきている。その段差は場合によっては、3
〜5μm程度にまで拡大することがあるが、この様な基
板を加工する場合、段差上に通常のPEP工程を施す
と、段差部の上部と底部でレジストの厚さが異なるた
め、最適な露光条件が違い、基板面方向に段差形状を反
映した凹凸が生じる。このため、例えば半導体レ−ザの
光の出射面をドライエッチングによって形成する際に、
この様な凹凸のあるマスクを使用すると、出射面が膨ら
んだり凹んだりして曲率をもち、レ−ザ光が散乱され光
の取り出し効率が低下したり、発振しきい値電流の上昇
を招くという問題点があった。
【0031】本発明による端面形成はこの様な段差構造
部において特に効力を発揮する。段差が3μm以上の場
合も上記と同じようにレーザ加工ができ端面も段差部で
凹凸のない垂直端面が形成された。端面反射率を調べる
と30〜32%の範囲にあり平均は31.5%と良好な
値が得られた。
【0032】また、活性層のメサ構造を作成する場合、
基板面が(100)面などの結晶面からオフされている
と湿式エッチングの時に面方位依存性が現れ、メサ状の
活性層が左右非対称の形状になる。その結果、光の横方
向のモードが不安定になりキンクが発生し易いなどの問
題があった。この場合も本発明のレーザエッチングを用
いると基板面がオフされていても対称性の高いメサ構造
を作成することができる。次に、活性層界面が外気に触
れさせること無く連続形成可能な装置の例を図10及び
図11を用いて説明する。
【0033】図10はレーザ照射装置が独立していて外
気と遮断されている基板搬送系1010と弁1011を
介してMOCVD或はMBE等の結晶成長装置1012
と接続されている例である。レーザユニット1001か
ら照射されたレーザ光は石英ガラス窓1002を通って
ミラー1003で反射され、イメージングレンズ100
4で絞られた後、基板ホールダ1005に達する。基板
ホールダー1005はドライブユニット1006によっ
てX,Y方向に駆動することができ、基板上で加工用レ
ーザ光を走査することができる。レーザユニット100
1、イメージングレンズ1004及びドライブユニット
1006はコントロールユニット1007によって制御
されている。1008は披加工基板を外気と遮断する容
器、1009は排気口である。レーザ加工機能の詳細は
図1で説明したものと同じである。
【0034】図11はMBE装置にレーザ照射装置が付
属している例である。レーザユニット1101から照射
されたレーザ光はイメージングレンズ1102で絞られ
た後、石英ガラス窓1103を通って、ミラー1104
で反射され、基板ホールダー1109に達する。基板ホ
ールダー1109は90度に回転することによってレー
ザ加工と成長工程を切り替えることができる。ミラー1
104はドライブユニット1106によって基板上で加
工用レーザ光を走査することができる様に駆動する。レ
ーザユニット1101、イメージングレンズ1102、
基板ホールダー1109及びドライブユニット1106
はコントロールユニット1110によって制御されてい
る。
【0035】一方1111〜1113はMBE装置に係
るもので、容器1111の中に原料ホールダー111
2、シャッター1113が配置されている。レーザ加工
機能の詳細は図1で説明したものと同じである。この装
置では成長の直前にレーザ照射による加工を行いその直
後に成長を行えるため、加工面への酸化物等の汚染が少
なく、2つのプロセスを一つの装置で行えるため、工程
の簡略化が行える。
【0036】上記したような装置では、電極工程、端面
形成、端面コートプロセスを連続して行うこともでき
る。この場合の装置の例としてはクヌッセンセルを有す
る抵抗加熱蒸着装置とSiN /SiO 2 多層膜が成長できる
プラズマCVD、エキシマレーザ加工装置を集積したも
のが挙げられる。
【0037】本実施例により作成した半導体レーザは端
面形成後、チップに切り出しても良いし、半導体レーザ
アレイ(半導体レ−ザの間隔、即ち活性層ストライプの
間隔が100〜400μm)として用いても良い。共振
器長250μmの16チャンネルの半導体レーザアレイ
を本方法で作製した場合は、各素子のしきい値のばらつ
きは、ドライエッチングで作製した場合の30〜100
mAに対し、本発明によるものは20〜30mAの範囲
にあり均一性も優れていた。
【0038】以上説明したように本発明によるとメサ状
の活性層或は導波層をレーザ加工により形成した後に、
このメサを埋め込む工程、電極を形成する工程、レーザ
加工により端面を形成する工程、端面に無反射膜をプラ
ズマCVDやEーガンなどで形成する工程が一つの装置
で、しかも外気に晒されること無く連続して短時間で行
える。またレジストなどの有機物やエッチングマスク形
成とマスク抜きなどの工程が不要であるため、界面の清
浄化を安定に実現できる。
【0039】さらに照射するレーザ光と基板との角度を
90度から小さくしていくとエッチング速度が低下し4
5度では2桁以上小さくなる。これを利用して、なす角
度を90度より小さくしエッチングされない所に設定し
再成長や蒸着などの次のプロセスの前の基板のクリーニ
ングにも用いることができる。
【0040】また、この様な装置を用いてDFBレーザ
の光導波層を作成する場合はエキシマレーザを二光束に
分け基板上で干渉させその干渉条件を変えて周期を自由
に決められる。例えば周期2500Aの一次の回折格子
を光導波層の上に形成し、しかる後に1〜10μmのス
トライプ上のメサを残し、エキシマレーザ照射により他
の部分をエッチングする。回折格子の深さは光導波層の
0.2 μmより小さくなければならず、例えば500Aで
あればよい。次に図12を用いて本発明の第2の実施例
である半導体レーザの製造方法を説明する。
【0041】n型InP 基板1201表面上にn型InP ク
ラッド層1202が形成され、n型InP 層1202上に
InGaAsP 活性層1206、p型InP 層1204、電極層
1205から成るリッジ部が形成されている。このリッ
ジ部はストライプ状に形成されており幅が10μm、高
さが3μmである。また、活性層1206であるInGaAs
P はInP に格子定数がマッチングしており、発光波長は
1〜1.6μm、活性層1206の幅は1〜3μmであ
る。p型InP クラッド層1204とn型InP クラッド層
1202との間の埋め込みはInの塩化物、臭素化物、沃
化物輸送によるもの、フォスフィン雰囲気化アニ−ルに
よるものなどいろいろある。この様な半導体レーザ素子
に対して出射面を形成するにあたり素子表面に凹凸があ
るためにドライエッチング用のマスク形成が精度良く行
えない。本実施例では上記した半導体レーザ素子に対し
てエキシマレーザ加工により光の出射面を形成した。
【0042】活性層を含むリッジ部をストライプに垂直
に50μm幅の溝を250μm間隔に彫り光の出射面を
形成した。ドライエッチングにより光の出射面を形成し
たものと本発明により光の出射面を形成したものを比べ
ると第1の実施例で説明したような傾向が見られ、やは
り本発明により作製した半導体レーザ素子は、発振しき
い値が低く、端面の反射率もへき開面で報告されている
32%にきわめて近かった。次に、図13を用いて本発
明の第3の実施例を説明する。
【0043】本実施例は、半導体レ−ザ素子と受光素子
の集積化を同一基板上に集積するものである。ここでレ
−ザ構造はメサ埋め込み型でも、埋め込み構造でないリ
ッジ型でもよく、半導体レ−ザとその出射光をモニタ−
するための受光器を同一基板に備えていればよい。実施
例1と同様な方法でn型基板1301上に半導体層を形
成し、1302を半導体レーザ素子、1304を半導体
受光素子として使用する(図13)。
【0044】ここで、半導体レーザ素子1302におい
て矢印Aは所望の用途に使用するレーザビームで矢印B
は受光素子1304でモニターするためのレーザビーム
である。1303は活性層、1305は受光層である。
また、半導体レ−ザ素子と受光素子の間に5〜50μm
の溝を形成することにより素子分離を行うと同時に半導
体レーザ素子1302右面のモニターするための光の出
射面、半導体レーザ素子1302左面の光の出射面、及
び受光素子1304左面の受光面を形成する。活性層1
303で発信したレーザ光の内モニター光は矢印Bのよ
うに進み受光素子1304の受光層1302で吸収する
ことによって半導体レーザの出力をモニターするのであ
る。
【0045】半導体レ−ザ素子1302がDFBレ−ザ
の場合はモニター光を取り出す端面をファブリ・ペロ−
モ−ドを抑えるためにへき開面から5〜45度斜めにし
た方がよい。また同様に受光面も5度程度斜めに傾け
て、受光面での反射光がレ−ザ後面に入って波長がずれ
たり他モ−ドが立ったりしてレ−ザの動作を乱すのを抑
制することもできる。この様にへき開面からずれるよう
に端面を形成する場合には本発明が特に効力を発揮す
る。本発明によると斜め端面を形成する場合その角度の
均一性に優れ、しきい値電流や発振スペクトル、DFB
レ−ザではモ−ド制御などの素子特性が極めて良好であ
った。
【0046】また、半導体レ−ザ素子と受光素子を集積
化した場合はレ−ザ後面の形状は基板面となす角度が4
5度程度のテ−パ形状にし、この面を反射鏡にして上面
に光を取り出して、面発光レ−ザとして機能させたり、
オンウエハ検査ができるようにしてもよい。次に半導体
レ−ザと導波路の集積化を含む場合の第4の実施例につ
いて述べる。
【0047】レ−ザの活性層からの光の波長が導波路の
導波層に吸収されず、導波するときの光の減衰が小さい
ように設計されるのでレ−ザの活性層のバンドギャップ
が導波層のバンドギャップより小さい事が必要である。
従って、半導体レーザ素子の活性層と導波路の導波層は
キャリア濃度を変えるなり、組成を変えてバンドギャッ
プを導波層の方が大きくなるようにすることが必要にな
る。このため、多数回の選択成長を含み、構造の平坦化
が難しくなり、段差構造が避けられなくなる。一例とし
て図14〜図15において上述したような半導体レーザ
素子と導波路層を集積したものの本発明による製造方法
を示す。n型基板1301上に実施例1と同様な方法で
半導体レーザ1402を形成する(図14)。1303
は活性層である。
【0048】次に、導波路を形成するために半導体層1
501、活性層1303よりもバンドギャップの大きい
半導体層1502、半導体層1503を順次積層する
(図15)。
【0049】次に、レーザビームを用いて半導体レーザ
素子1402の反射面、光の出射面、及び導波路160
2を形成し、電極1601を形成する(図16)。半導
体レーザ素子1402と導波路1602の間の溝は結晶
で埋め込んでも良い。
【0050】この様に半導体レ−ザ素子と導波路を集積
化する場合にも、選択成長のために段差ができている基
板を加工する必要があり、本発明が有効になってくる。
特に、光の取り出し効率や受光効率の低下がないため、
へき開と同様な平坦な端面を任意の方向に作成できるの
で、導波路との結合効率が大きくできるのはもちろんの
こと、設計の自由度も大きくなる。また可変波長レ−
ザ、導波路、スイッチング素子、それぞれの素子の駆動
回路、受光器などを機能的に集積したフォトニックIC
(PIC)などの複雑な層構造を有するものにも適用で
きる。次に電子写真プリンタ用光源を加工するときの第
5の実施例について図17、図18を用いて説明する。
製造装置は実施例1で使用した装置で行った。
【0051】素子分離をする基板は、図17に示すよう
に、ガラス基板1701上に共通電極であるCr/Pd
/Au電極1702を2000A形成し、Y2 3 誘電
体膜1703を2000Aを蒸着し、その上にMnをド
ープした活性層ZnSポリ結晶1704を1.5 μmスパ
ッタ法で形成し、その上にY2 3 誘電体層1705を
2000Aを蒸着し、さらに上部電極層であるCr/P
d/Au電極1706を2000A形成した30〜40
cm四方の大きさである。
【0052】使用するKrFエキシマレーザ(波長24
8nm)は出射口での1パルスあたり250mJ、繰り
返し周波数200Hz(50Wに相当する)で駆動し、
前記基板を80μm間隔に15μm幅の溝を形成するこ
とにより素子分離を行う。
【0053】まず、イメージングレンズでビームを絞る
ことによりパワー密度を15J/パルスにして上部電極
層であるCr/Pd/Au電極1706を2000A加
工する。次にパワー密度10J/パルスでY2 3 誘電
体膜1705、MnドープZnS活性層1704、誘電
体膜Y2 O3 1703をエッチングする。レーザのスキ
ャン速度は約100μm/秒で繰り返し同じ所を走査す
る方式を取り、それぞれのエッチング速度は電極:10
00A/秒、Y2 3 /ZnS(Mnドープ)/Y2
3 :4000A/秒程度とした。図18に上記のように
して素子分離を行った基板の様子を示す。
【0054】本実施例により得られたELアレイの素子
分離面は垂直平坦面が実現された。次に、4cm幅のア
レイバー状に切り出して端面からの発光特性を調べた。
本実施例により作製したELアレイの特性は中心波長5
90nm半値幅は±70nm程度であった。端面光の強
度はY2 3 /ZnS(Mnドープ)/Y2 3 構造で
ZnSで発光した光が両側のY2 3 で全反射され端面
からでてくる原理であるため、素子分離端面で再結合す
る割合が影響してくる。塩素系のドライエッチングを用
いると300A/分程度にエッチング速度を上げられる
が、出射光強度が弱いことや素子間のばらつきが大きい
などの問題があった。本実施例によるELアレイの端面
光強度は塩素系のドライエッチングで素子分離したもの
の端面光強度の20倍、湿式エッチングによる端面光強
度の1.1 倍と良好な結果が得られた。ドライエッチング
の場合はエッチングマスクの凹凸が結晶端面にも反映し
素子分離面が必ずしも平坦でないことや、表面分析を行
うとチャンバ材質の一部のFeやAlが検出されること
から不純物が影響していると思われる。また被加工基板
は一辺が30〜40cmなので同程度の大面積イオン源
が必要になる。プラズマ状態を広範囲に安定に均一に制
御することは難しく素子ごとに特性にばらつきが多かっ
た。このことからも本発明の有効性がうかがわれる。
【0055】次にカメラ自動フォーカス用発光ダイオー
ドアレイを素子分離する場合の第6の実施例を図19〜
図22を用いて説明する。製造装置は実施例1で使用し
た装置を用いた。
【0056】まず、図2の装置内でp型GaAs基板1
901上にn型GaAs1902を10μm成長し、As
抜けが起きないようにAsH 3 を流して同じ成長温度の7
00℃に待機する。そのままレーザ加工を行い図19の
ような形状に加工する。分離溝幅は50〜200μm、
深さは15μmとした。
【0057】次に、この溝を埋め込むようにp型GaAlAs
層2001を成長し、続いてp型GaAlAs活性層200
2、n型GaAlAs層2003を成長する。この後、電極2
004を形成する(図20)。次に、レーザ加工により
10〜50μmの溝を幅30μmで彫り素子分離を行っ
た(図21)。
【0058】本発明によると素子分離のパターンは図2
1のように多様な構造に対しても良好な特性を得ること
ができる。この場合、通常のドライエッチングを行うと
10μm以上の溝をエッチングするのはエッチングマス
クとの選択比がとれず難しい。本実施例による素子分離
の条件は以下の通りである。所定の素子分離線に沿って
幅30μm、深さ40μm溝を形成する。KrFエキシ
マレーザ(波長248nm)は出射口での1パルスあた
り250mJ、繰り返し周波数200Hz(50Wに相
当する)で駆動する。イメージングレンズでビームを絞
ることによりパワー密度を15J/パルスにして電極2
004を5000A加工する。次にパワー密度12J/
パルスでn型GaAlAs層2003、p型GaAlAs活性層20
02、p型GaAlAs層2001をエッチングする。レーザ
の相対的スキャン速度は約100μm/秒で繰り返し同
じ所を走査する方式を取り、それぞれのエッチング速度
は電極:1000A/秒、GaAlAs:5000A/秒程度
であった。本実施例によるLED素子はBCl3 (塩化
ホウ素)のドライエッチングによるものと比べて、発光
強度が平均で5倍、素子間のばらつきも10%以内にお
さまっており、極めて良好な特性が得られた。ドライエ
ッチングによる試料は発光しないものが10%程度あり
発光するものでもそのばらつきが50%程度あった。ま
た本方法によるものはリーク電流がドライエッチングに
よるものより1/10に低下した。さらに微細化してい
くと、ドライエッチングしたものは、ますます発光強度
がばらつく結果となったのに対し、本方法によるものは
10%以内であった。この様に微細化していっても本発
明の効果は十分に発揮されるものである。もちろん面発
光レーザアレイなどについても本発明の主旨を逸脱しな
い範囲で適用することができる。これまでの説明では主
にInP 基板を用いたInP /InGaAsP 系の半導体レ−ザに
ついて説明したが、本発明は材料を限定するものではな
い。
【0059】InP 基板を用いた場合は、活性層をInGaAs
P とした場合、InP に格子定数がマッチングしており、
発光波長で1〜1. 6μmである。またこの他に活性層
として、InP に格子定数がマッチングしたInGaAsを用い
ても良い。また、活性層としてInGaAsと、組成の異なる
複数のInGaAsP 薄層の組み合わせで構成した多重量子井
戸構造のものにしてもよい。多重量子井戸構造はそれぞ
れの格子定数が基板とマッチングしていなくてもよく、
故意に組成をずらして歪みをいれる場合もある。クラッ
ド層は、InP の替わりにInAlAsを用いたもの、あるいは
活性層からクラッド層に組成が徐々に変わるグレイデッ
ド構造でもよい。
【0060】また基板にGaAsを用いた場合は、活性層を
GaAlAs、クラッド層を活性層より屈折率の低いGaAlAsと
したものでもよい。またこの場合は、活性層をGaAsと、
組成の異なる複数のGaAlAs薄層の組み合わせで構成した
多重量子井戸構造とし、クラッド層を、GaAlAsまたはGa
Asとしたものとしてもよい。多重量子井戸構造はそれぞ
れの格子定数が基板とマッチングしていなくてもよく、
故意に組成をずらして歪みをいれる場合もある。また、
活性層からクラッド層に組成が徐々に変わるグレイデッ
ド構造であるものでもよい。
【0061】基板をGaAsとし活性層をInGaP 、クラッド
層をInGaAlP 、InAlP 、或はGaAlAsとしてもよい。また
この場合、活性層をInGaAlP とし、クラッド層を活性層
より屈折率が小さい組成のInGaAlP としたものとしても
よい。また、活性層をGaAsとしクラッド層をInGaP とし
たものとしてもよい。また、活性層をInGaP と、組成の
異なる複数のInGaAlP 薄層の組み合わせで構成した多重
量子井戸構造とし、クラッド層をInGaP またはInGaAlP
としたものでもよい。多重量子井戸構造はそれぞれの格
子定数が基板とマッチングしていなくてもよく、故意に
組成をずらして歪みをいれる場合もある。また、活性層
からクラッド層に組成が徐々に変わるグレイデッド構造
であるものでもよい。
【0062】基板をGaP とし、GaAsP を基板から成長方
向にAs組成を徐々に増やして10〜100μm成長さ
せ、表面をGaAsP とした基板を用いて、活性層をGaAsP
に格子定数がマッチングしたInGaAsP とし発光波長が
0.65〜0. 75μm、クラッド層をGaAsP としたも
のでも良い。
【0063】その他、どの様な構造でも光半導体素子の
段差構造が決まれば本発明を適宜変形して適用する事が
できる。例えばCdS 、CdSSe 、ZnS 、ZnSSe 、PbS 、Pb
SSe、CdHgTe、CdTeというような − 族化合物半導体
をその構造中に含むものにも適用できる。それ自体発光
しないSiや酸化物などの上に形成した光半導体素子で
も、光半導体素子の部分には本発明は有効である。次に
本発明の第7の実施例に係るSiC二次元LEDアレイ
の製造方法を記述する。本実施例ではレーザビームを用
いて素子分離を行った。
【0064】図30において、先ず、n型SiC基板3
001上にn型SiCバッファ層3002を50μm、
p型SiC層3003を20μm形成する。次にn型S
iC基板3001側の全面にNi電極3004を形成し
1000℃で熱処理する。しかる後にp型SiC層30
03側の面に300μm間隔周期で二次元に100μm
直径の円形のAl/Ti電極3005を形成し1000
℃で熱処理する。
【0065】次に図31に示すように、Al/Ti電極
3005の間に100μm間隔に十字状に溝3006
(巾42μm)を形成し個々の素子を分離する。この溝
の形成方法は本発明によるレーザエッチングを用いたも
のであり以下に溝の形成方法を示す。
【0066】レーザエッチングの装置は図1に示すもの
を使用した。KrガスとF2 ガスを混合したKrFエキ
シマレーザ(波長248nm)は出射口での1パルスあ
たり250mJ(パルス間隔16nsec)、繰り返し
周波数200Hz(50Wに相当する)で駆動する。マ
スクユニット114に一辺500μmの正方形の穴の空
いたCrマスクを配置しエキシマレーザビームを一辺5
00μmの正方形に整形する。パワー密度は100mJ
/cm2 ・パルスであった。イメージングレンズ108
でこの整形ビームを絞ることによりパワー密度を高めら
れる。x,y方向の縮小倍率をMとするとパワー密度は
2 倍になる。本実施例ではM=12で行ったので基板
面上のビーム形状は42μm×42μmの正方形、パワ
ー密度14.4J/cm2 ・パルスであった。
【0067】SiC結晶のエッチング速度はパワー密度
14.4J/cm2 ・パルスの時、0.2μm/パルス
であった。試料を2.8mm/secの速度で、移動を
50回繰り返す。この移動速度はほぼ3パルス分の照射
に相当するので50回の移動で30μm加工された。た
だし、縦方向の溝と横方向の溝の交点はレーザが二回交
差するので30μmより深くなった。また、レーザによ
るエッチング側壁形状はほぼ90°であった。
【0068】次に、本発明により作製した二次元LED
アレイの一つ一つの素子に20mA流して光出力を測定
したところ、強度も湿式エッチングにより素子分離した
ものの30mcdに比べて、本発明によるものは50m
cdと高く、光出力のばらつく割合も湿式エッチングに
より素子分離したものが50%に対し本発明によるもの
は5%以内であった。50mA長期通電による光出力の
減少は湿式エッチングにより素子分離したものが100
0時間で見られたのに対し、本発明によるものは500
0時間を経過しても光出力の減少が見られなかった。
【0069】本実施例ではレーザビームのマスクとして
穴のあいたCrマスクを用いたがこの代わりに石英板に
Crを蒸着し電子ビーム描画装置でパターンを形成しC
rに転写したものを用いれば、マスクの段階で最小パタ
ーン幅が0.1μmさらには0.05μm程度の精度の
ものが可能であるので、エキシマレーザの波長程度のパ
ターンのレーザ加工をおこなうことができる。エキシマ
の種類をArFに選べば、193nmであるので0.2
μmまでのパターンを加工することも可能である。この
ように本発明は微細加工にも効力を発揮する。
【0070】次に種々の化合物半導体の例としてSi
C、Si、GaP、GaAs及びInPを本発明による
レーザエッチングによって表面加工を行った例を示す。
これらの化合物半導体のレーザ加工面はレーザビームの
エネルギー密度によりモホロジーが変わるので化合物半
導体の材料及びIII−V族化合物半導体においてはV
族元素の雰囲気分圧と最適なレーザビームのエネルギー
密度との関係を実験により求めた。
【0071】先ず、図32に10〜100J/cm2
パルスのエネルギー密度で処理したSiC、Si、Ga
P,GaAs、InPの表面の状態と表面が1000℃
でのそれぞれの半導体の蒸気圧の関係を示す。図中領域
Aは半導体の表面が荒れた状態の領域、領域Bは半導体
の表面が良好にエッチングされ平坦で損傷の無かった領
域、領域Cはエネルギー密度が大きすぎ半導体表面が損
傷した領域を表す。
【0072】左側のひし形のドットで表したラインから
分かるようにSiやSiCのように蒸気圧が比較的小さ
い物質の方が平坦加工に要するエネルギー密度は小さく
て良いが、InPのように蒸気圧の高いものほど平坦加
工面を得るために大きなエネルギー密度が必要なことが
判明した。
【0073】一方右側の丸のドットで表したラインから
分かるようにエネルギー密度を高くするとレーザ加工に
よる損傷や歪のため、ひび割れが観察され、比較的蒸気
圧が低く熱に強い方がひび割れが起きにくかった。
【0074】この様に加工面が平坦でかつ損傷の入らな
いエネルギー密度を材料により使い分けることが可能で
ある。InPのように熱に弱い物質は平坦面で克つ損傷
の無い面に加工するエネルギー密度のマージンが狭い
が、SiCのように熱に強い物質はエネルギー密度のマ
ージンが広くとれることがわかった。
【0075】次に図33及び図34にIII−V族化合
物半導体の例としてGaAsとInPの表面加工をした
場合のGaAsに対してはAs、InPに対してはPの
雰囲気分圧と最適なレーザビームのエネルギー密度との
関係を示す。図中領域Aは半導体の表面が荒れた状態の
領域、領域Bは半導体の表面が良好にエッチングされ平
坦で損傷の無かった領域、領域Cはエネルギー密度が大
きすぎ半導体表面が損傷した領域を表す。図33にGa
AsにAs圧力をかけてレーザ加工を行ったとき、As
分圧(全圧力は1気圧)と、平坦でかつ損傷のない加工
に必要なエネルギー密度の関係を示した。また図34に
はInPにP圧力をかけてレーザ加工を行ったとき、P
分圧(全圧力は1気圧)と、平坦でかつ損傷のない加工
に必要なエネルギー密度の関係を示した。
【0076】本発明者らの研究によると、レーザビーム
のエネルギー密度が小さいほどPやAsの抜けが優先的
に起こりInやGaがメタル状で残ることによる表面の
荒れが観察された(領域A)。また、エネルギー密度を
増加していくと加工面が平坦になる傾向にあった(領域
B)。
【0077】また、加工面が平坦になるエネルギー密度
は基板の蒸気圧とも関係していて、PやAsの分圧が低
くPやAsなどの抜けやすい状態にあるものほど大きな
エネルギー密度を必要とし、逆にこの場合加工面が損傷
してしまう最少のエネルギー密度は低くなる傾向にあっ
た。
【0078】上記のことから特に熱に強く蒸発しにくい
基板材料が本発明の有効性を発揮できる事が分かった。
熱に弱い材料でも基板の構成元素のうち蒸発し易いもの
の圧力をかけて蒸発を防げば、平坦加工面の得られるエ
ネルギー密度も低減でき、熱応力にも強いことが明らか
になった。
【0079】尚、本発明によりメタル/半導体積層構造
をレーザビームで加工する場合、メタルを加工し連続し
てその下の半導体を加工するときに熱により溶けた半導
体がメタルを下から押し上げるためにメタルが剥がれて
しまう。これを避けるためには熱処理などによりメタル
と半導体のアロイ化を十分行う必要がある。
【0080】以上説明してきた各実施例では、KrFエ
キシマレーザについて述べてきたが、この他にArF
(193nm)、XeCl(308nm)、XeF(3
50nm)なども用いることができる。これらのレーザ
の長所は加工物に熱を生じさせない非熱プロセスである
ために、熱に弱い有機物などに対しても適用可能である
点である。加工対象物が熱に耐性があれば、CO2 レー
ザやYAGレーザを適用してもかまわない。
【0081】
【発明の効果】本発明による光半導体素子の製造方法を
用いると、光半導体素子の作製プロセスが簡単になるば
かりではなく、端面反射率低下による悪影響である発振
しきい値の上昇を防ぎ、光の出射面、受光面を改善する
ことにより、光半導体素子の光の取りだし効率、取り入
れ効率を向上することができる。また、外気に晒すこと
無く再成長が可能なため、活性層界面の変質を防ぐこと
ができ、リーク電流の低減、キンク発生を防止ぐことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施するレーザビームを用いた光半
導体素子加工装置の概略図。
【図2】 本発明を実施するMOCVD装置とレーザビ
ームを用いた光半導体素子加工装置の概略図。
【図3】 本発明の第1の実施例に係る半導体レーザ素
子の製造工程を説明する断面図。
【図4】 本発明の第1の実施例に係る半導体レーザ素
子の製造工程を説明する断面図。
【図5】 本発明の第1の実施例に係る半導体レーザ素
子の製造工程を説明する断面図。
【図6】 本発明の第1の実施例に係る半導体レーザ素
子の製造工程を説明する断面図。
【図7】 本発明の第1の実施例に係る半導体レーザ素
子の製造工程を説明する斜視図。
【図8】 本発明の第1の実施例に係る半導体レーザ素
子の製造工程を説明する断面図。
【図9】 本発明の第1の実施例に係る半導体レーザ素
子と従来の方法により製造した半導体レーザ素子のキャ
ビティ長としきい値の関係を表すグラフ。
【図10】 外気に晒すこと無く形成できる成長装置と
レーザビームを用いた光半導体素子加工装置の概略図。
【図11】 外気に晒すこと無く形成できるMBE装置
とレーザビームを用いた光半導体素子加工装置の概略
図。
【図12】 本発明の第2の実施例に係る半導体レーザ
素子の製造工程を説明する断面図。
【図13】 本発明の第3の実施例に係る半導体レーザ
素子と半導体受光素子の製造工程を説明する断面図。
【図14】 本発明の第4の実施例に係る半導体レーザ
素子と光導波路の製造工程を説明する断面図。
【図15】 本発明の第4の実施例に係る半導体レーザ
素子と光導波路の製造工程を説明する断面図。
【図16】 本発明の第4の実施例に係る半導体レーザ
素子と光導波路の製造工程を説明する断面図。
【図17】 本発明の第5の実施例に係る電子写真用光
源の製造工程を説明する断面図。
【図18】 本発明の第5の実施例に係る電子写真用光
源の製造工程を説明する斜視図。
【図19】 本発明の第6の実施例に係るLEDアレイ
素子の製造工程を説明する断面図。
【図20】 本発明の第6の実施例に係るLEDアレイ
素子の製造工程を説明する断面図。
【図21】 本発明の第6の実施例に係るLEDアレイ
素子の製造工程を説明する断面図。
【図22】 本発明の第6の実施例に係るLEDアレイ
素子の製造工程を説明する斜視図。
【図23】 従来の半導体レーザの製造工程を説明する
断面図。
【図24】 従来の半導体レーザの製造工程を説明する
断面図。
【図25】 従来の半導体レーザの製造工程を説明する
断面図。
【図26】 従来の半導体レーザの製造工程を説明する
断面図。
【図27】 従来の半導体レーザの製造工程を説明する
断面図。
【図28】 従来の半導体レーザの製造工程を説明する
斜視図。
【図29】 従来の半導体レーザの製造工程を説明する
斜視図。
【図30】 本発明の第7の実施例に係るLEDアレイ
素子の製造工程を説明する断面図。
【図31】 本発明の第7の実施例に係るLEDアレイ
素子の製造工程を説明する断面図。
【図32】 本願発明によるレーザエッチングを施した
各半導体の表面の状態と1000℃での蒸気圧の関係を
示した図。
【図33】 本願発明によるレーザエッチングを施した
GaAs基盤の表面の状態とレーザのエネルギー密度、
As分圧の関係を表した図。
【図34】 本願発明によるレーザエッチングを施した
InP基盤の表面の状態とレーザのエネルギー密度、P
分圧の関係を表した図。
【符号の説明】
101 ガスボンベ 102 電源 103 冷却装置 104 レーザヘッド 105〜107 ミラー 108 イメージングレンズ 109 被加工基板 110 ドライバユニット 111 制御用コンピュータ 112 チャンバ 113 ターボ分子ポンプ 114 マスク 115 基板ホールダ 116 窓

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光半導体素子の製造方法において、レー
    ザビームを照射することによって、光の出射面、受光
    面、反射面、素子端面、導波層、活性層、或いは導波路
    の内少なくとも一つを加工することを特徴とする光半導
    体素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 光半導体素子の製造方法において、 レーザビームを照射することによってメサ状に活性層或
    は導波層を加工する工程と、 前記活性層或は前記導波層を結晶層で埋め込む工程とを
    外気に晒すこと無く連続的に行うことを特徴とする光半
    導体素子の製造方法。
JP26142292A 1992-06-01 1992-09-30 光半導体素子の製造方法 Pending JPH0653609A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26142292A JPH0653609A (ja) 1992-06-01 1992-09-30 光半導体素子の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14024592 1992-06-01
JP4-140245 1992-06-01
JP26142292A JPH0653609A (ja) 1992-06-01 1992-09-30 光半導体素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0653609A true JPH0653609A (ja) 1994-02-25

Family

ID=26472831

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26142292A Pending JPH0653609A (ja) 1992-06-01 1992-09-30 光半導体素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0653609A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006286809A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Fujitsu Ltd 光半導体デバイス及びその製造方法
US8338833B2 (en) 2004-04-01 2012-12-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of producing silicon carbide semiconductor substrate, silicon carbide semiconductor substrate obtained thereby and silicon carbide semiconductor using the same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8338833B2 (en) 2004-04-01 2012-12-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of producing silicon carbide semiconductor substrate, silicon carbide semiconductor substrate obtained thereby and silicon carbide semiconductor using the same
JP2006286809A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Fujitsu Ltd 光半導体デバイス及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8050304B2 (en) Group-III nitride based laser diode and method for fabricating same
US6455340B1 (en) Method of fabricating GaN semiconductor structures using laser-assisted epitaxial liftoff
JP4830315B2 (ja) 半導体レーザ素子
US8686432B2 (en) Semiconductor light emitting device with laser scribed end faces
JPH09191160A (ja) 半導体発光素子
JP2003258382A (ja) GaN系レーザ素子
JP2680917B2 (ja) 半導体レーザ素子の製造方法
JPH0834337B2 (ja) 半導体レーザ素子の製造方法
EP0558856B1 (en) A method for producing a semiconductor laser device
WO2002023685A1 (fr) Laser a semi-conducteurs et son procede de fabrication
US20090168827A1 (en) Nitride semiconductor laser chip and method of fabricating same
JP4385590B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法
JP4190297B2 (ja) 窒化物系半導体レーザ素子およびその製造方法
JPH11506273A (ja) 最高30%のアルミニウムを含む半導体材料又はアルミニウムを含まない半導体材料から成る個別の閉じ込め層を有する放射放出半導体ダイオード
JP4457417B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP2001094207A (ja) 半導体レーザ素子及びその製造方法
JPH0653609A (ja) 光半導体素子の製造方法
JP3554163B2 (ja) 3族窒化物半導体レーザダイオードの製造方法
JP3327179B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子の製造方法
JP3460181B2 (ja) 垂直共振器型発光素子及びその製造方法
JP2947164B2 (ja) 半導体レーザ素子
JP2004048080A (ja) 半導体レーザの製造方法
JP2005045239A (ja) 窒化物半導体レーザ素子及びそれを用いたld装置
JP2002237661A (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP3196831B2 (ja) 半導体レーザ素子の製造方法