JPH0653530U - ベルトコンベアの付着物除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】コンベアベルトに残留する付着物の除去と回収
を同時に行う手段を提供する。 【構成】中空固定軸１０に吐出側扇形溝１１−１と吸引
側扇形溝１１−２を設ける。該中空軸の回りに、放射状
に配した羽根板１２−１、中仕切板１２−２、水平仕切
板１２−３およびノズル板１２−４を備えた回転スリー
ブ１２を外嵌する。この二重構造のロールをベルト１に
接触させて回転スリーブ１２を回転させる。回転スリー
ブがベルトに接触する範囲で、中空固定軸１０の吐出側
扇形溝１１−１から吹込まれる流体によりベルト表面の
付着物が除去される。この付着物含有流体は他方の吸引
側扇形溝１１−２から吸引される。 【効果】流体使用量を節減できる。発塵が抑制される。
回転スリーブの磨耗が少ない。耐久性に富む。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は粉粒体等を搬送するベルトコンベアの付着物を当該コンベアライン で除去する装置に係り、より詳しくはガス等の流体吹付方式および吸引方式にて 付着物の除去と回収を同時に行うことができるベルトコンベアの付着物除去装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

粉粒体等を搬送するベルトコンベアのベルト表面付着物（主に微粉）を除去す る手段としては、例えば図５に示すごとく、粉粒体２を搬送するベルト１のヘッ ドプーリー３の部分に設けたスクレーパ４、またはスナッププーリー５の下流に 配したスクレーパ６により、ベルト表面に付着した微細付着物２−１を掻き落と す方法が一般的である。しかし、この掻落とし方式ではベルト表面の凹凸、スク レーパの磨耗、付着物の粘着性等によって付着物の完全な除去が困難であった。 そこで、このような欠点を解消するため、これまでのベルト接触式の機械的除去 方式に替えて、ベルト非接触による除去方式、すなわち微細付着物を外気の吸引 により除去する吸引方式（特開昭５０−１０２０７９号公報等参照）や、ベルト 表面に流体を吹付けて微細付着物を除去する流体吹付方式（実開平３−２１０２ ６号公報等参照）が提案されている。このうち、吸引方式は図６に示すごとく、 ベルトコンベアのリターン側にローラ８を介し取付けてなる吸引ノズル７を配置 し、該ノズルによりベルト表面付着物２−１を吸引除去する方式である。また、 流体吹付方式は図７に示すごとく、例えばベルトコンベアのリターン側に気体噴 射ノズル９を設置し、該ノズルより噴射する高圧気体をベルト表面に吹付けるこ とによってベルト表面の付着物２−１を除去する方式である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の図６に示すような吸引方式の場合は、ベルト１の緊張状態が変 化すると吸引ノズル７とベルト１との間隔が変化すること、またローラ８は取付 構造上小径になるため摩耗が進展し、ノズル７とベルト１とが接触し易くなるこ と等が原因して吸引除去効果が安定して得られず、さらにベルト進行方向に対し てはローラにより外気と遮断されているが、両サイド部は開口されているため、 外部への発塵を抑えるためには高風量の吸引ブロワーが必要であるといった問題 点がある。また、図７に示すような吹付方式の場合は、ベルト１とノズル９との 間に距離を有するため相当の高圧流体を必要とする上、発塵による環境汚染の問 題があり好ましくない。

【０００４】 この考案は従来技術のこのような問題点を解決すべく、ベルトコンベアのヘッ ドプーリーに近接配置されているスナッププーリーを付着物除去に利用し、この スナッププーリーに付着物の吹付除去と吸引回収機能を持たすことによって、効 果的かつ経済的に付着物を除去し得る装置を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、ベルト対向面に開口する吐出側扇形溝と吸引側扇形溝を軸方向に 隣接して設けかつ両扇形溝との間で流路を閉鎖した中空固定軸と、中空の筒体円 周に放射状に多数の羽根板を有し、該羽根板の径方向長さより短い長さを有し前 記吐出側扇形溝と吸引側扇形溝の間を仕切る中仕切板を各羽根板間に配し、各羽 根板間の空間を円周方向に交互に二分するように２枚の水平仕切板を前記中仕切 板の上端部に軸線と平行に配し、該水平仕切板の上面に羽根板の外周面より低い 位置に吐出側扇形溝と吸引側扇形溝に連通する隙間を有するごとく羽根板に沿っ て設けたノズルを有し前記中空固定軸に回転自在に外嵌した回転スリーブとから なる二重構造のロールで構成され、中空固定軸内に供給した高圧流体が吐出側扇 形溝よりベルトのロール対向面に噴出し、吸引側扇形溝より吸引される構造とな したことを要旨とするものである。

【０００６】

【作用】

二重構造のスナッププーリーを構成する中空固定軸にベルト対向面に向けて開 口する扇形溝の広がり角度は、回転スリーブとベルトとの接触範囲に対応し得る 角度とする。中空固定軸の吐出側扇形溝側は高圧流体供給系に、吸引側扇形溝側 は真空吸引系に、それぞれ接続されている。高圧流体供給系より中空固定軸内に 供給された高圧流体は、吐出側扇形溝より左右の羽根板と中仕切板とで形成され た吐出側空間に流出するとともにノズル板と羽根板との隙間よりベルトのロール 対向面に噴出し、ベルト表面の付着物を吹飛ばす。そして、この粉塵含有流体は 中空固定軸の他端からの吸引力により反対側の羽根板とノズル板との隙間を通り 吸引側扇形溝へ吸引され、回収される。このとき、回転スリーブがベルトとの接 触により中空固定軸の回りを回転するに伴い、中空固定軸の吐出側扇形溝と吸引 側扇形溝に位置する羽根板部のみから高圧流体が噴出し、回転スリーブが接触し ている範囲のベルト表面付着物が除去されるとともに吸引回収される。回収され た付着物は既存の乾式または湿式集塵装置により処理することができる。

【０００７】 高圧流体供給系としては例えばエアーコンプレッサー等を使用し、供給装置に 接続する。また、真空吸引系としてはたとえば吸引ブロワー等を使用することが できる。

【０００８】 この考案の付着物除去装置によれば、回転スリーブと接触している範囲のみの ベルト表面付着物を除去し回収するので、少ない流体流量で効果的に付着物を除 去できるとともに、発塵も少ない。

【０００９】

【実施例】

図１はこの考案に係る付着物除去装置の構造例を示す縦断正面図、図２は図１ のＡ−Ａ線上の縦断側面図、図３は図２のＢ−Ｂ線上の一部を示す縦断正面図、 図４は同上装置の要部を拡大して示す斜視図であり、１０は中空固定軸、１１− １は吐出側扇形溝、１１−２は吸引側扇形溝、１２は回転スリーブ、１２−１は 羽根板、１２−２は中仕切板、１２−３は水平仕切板、１２−４はノズル板であ る。

【００１０】 すなわち、中空固定軸１０には中心の通路１０−１にベルト対向面に向けて吐 出側扇形溝１１−１と吸引側扇形溝１１−２が同一周面上に適当な間隔を置いて 穿設されている。この溝の角度θは特に限定するものではないが、ベルト表面の 付着物を効果的に除去するという本発明の目的からすると回転スリーブ１２とベ ルト１との接触範囲を含む角度とするのが望ましい。具体的には１０〜３０度位 である。この中空固定軸の通路は吐出側扇形溝１１−１と吸引側扇形溝１１−２ との間を仕切板１０−２により仕切られている。

【００１１】 一方、回転スリーブ１２は胴体部に相当する部分の全周に多数の羽根板を所望 の間隔を隔てて放射状に有しており、ロール軸端部においてベアリング１６を介 して中空固定軸１０に回転自在に外嵌され、かつシール板１７にて固定されてい る。この回転スリーブの内部構造は、放射状に配した羽根板１２−１の径方向長 さより短い長さを有し、前記吐出側扇形溝と吸引側扇形溝との間を仕切る中仕切 板１２−２を各羽根板間に配して吐出側空間１４−１と吸引側空間１４−２を設 ける。この中仕切板１２−２の下端と中空固定軸１０との間には、高圧流体の漏 れを防ぐためＯリング１３にてシールされている。この中仕切板１２−２の上部 には各羽根板間の空間１４−１、１４−２を円周方向に交互に二分するように２ 枚の水平仕切板１２−３を軸線と平行に取付け、この水平仕切板の上にノズル板 １２−４を取付けている。このノズル板１２−４は羽根板の外周面より低い位置 にあって、片側の羽根板１２−１との間に高圧流体噴射用スリットノズル１４と 、反対側の羽根板との間に吸引用スリットノズル１５がそれぞれ形成されるよう に設けられている。

【００１２】 上記構造の付着物除去装置において、中空固定軸１０の高圧流体供給側を例え ばエアーコンプレッサー（図面省略）に接続すると、エアーコンプレッサーより 送られる圧縮空気は固定中空軸１０の内部を流れて吐出側扇形溝１１−１を経由 して回転スリーブ１２の羽根板間の吐出側空間１４−１に流入し、羽根板１２− １とノズル板１２−４との間の噴射用スリットノズル１４より外部に噴出する。 そして、ノズル板１２−４の上方を通過して後側のスリットノズル１５より吸引 側空間１４−２に吸引され、吸引側扇形溝１１−２を経由して中空固定軸１０内 に吸引される。

【００１３】 かかる構造の付着物除去装置をベルトコンベアラインのスナッププーリーに替 えて設置した場合、中空固定軸１０の吐出側扇形溝１１−１から回転スリーブ１ ２に設けた噴射用スリットノズル１４より圧縮空気が噴射されることにより、当 該ベルト表面の付着物が吹き飛ばされとともに、この粉塵含有空気は他方の吸引 用スリットノズル１５より吸引され吸引側扇形溝１１−２より中空固定軸を介し て回収される。このとき、高圧空気の噴出および吸引はベルト１と接触している 範囲のみで行われるため、発塵は最小限に抑えられる。回収された粉塵含有流体 は必要に応じて既存の集塵装置により処理して浄化することができる。

【００１４】 なお、中空固定軸１０と回転スリーブ１２との微小隙間１８に粉塵が流入固着 し、回転スリーブの回転に支障をきたすおそれがある場合には、中空固定軸１０ に前記微小隙間１８の部分に通じる流路１９を設け、外部より清浄な流体を微小 隙間１８に供給して粉塵の侵入を防止するように設けることも可能である。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したごとく、この考案はベルトと接触している部分でベルト表面付着 物の除去と回収を同時に行うことができるので、使用流体を無駄なく効果的に用 いることができ流体使用量を大幅に節減できるとともに、発塵も抑制され周囲の 環境改善にも有効である。また、ベルトとの間でスリップがほとんど生じること がないためスリーブの摩耗が少なく耐久性に富み、さらに二重構造となっている ので強度的にも問題なく、常に安定した機能を維持することができるという優れ た効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る付着物除去装置の構造例を示す
縦断正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線上の縦断側面図である。

【図３】図２のＢ−Ｂ線上の一部を示す縦断正面図であ
る。

【図４】同上装置の要部を拡大して示す斜視図である。

【図５】従来のスクレーパ方式の付着物除去手段を示す
側面図である。

【図６】従来の吸引方式の付着物除去手段の一例を示す
縦断側面図である。

【図７】従来の吹付方式の付着物除去手段の一例を示す
側面図である。

【符号の説明】

１ ベルト １０ 中空固定軸 １１−１ 吐出側扇形溝 １１−２ 吸引側扇形溝 １２ 回転スリーブ １２−１ 羽根板 １２−２ 中仕切板 １２−３ 水平仕切板 １２−４ ノズル板 １４ 噴射用スリットノズル １５ 吸引用スリットノズル

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【手続補正書】

【提出日】平成５年６月１５日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案による付着物除去装置をベルトコンベ
アに設置した状態で示す縦断側面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線上における付着物除去装置を拡
大して示す縦断正面図である。

【図３】図２のＢ−Ｂ−線上における付着物除去装置の
一部を示す縦断側面図である。

【図４】この考案による付着物除去装置の要部を拡大し
て示す斜視図である。

【図５】従来のスクレーパ方式の付着物除去装置を有す
るベルトコンベアの一部を示す側面図である。

【図６】従来の吸引方式の付着物除去装置を有するベル
トコンベアの一部を示す側面図である。

【符号の説明】 １ ベルト ２ 粉粒体 ３ ヘッドプーリー ４ スクレーパ ５ スナッププーリー ６ スクレーパ ７ 吸引ノズル ８ ローラ ９ 気体噴射ノズル １０ 中空固定軸 １１−１ 吐出側扇形溝 １１−２ 吸引側扇形溝 １２ 回転スリーブ １２−１ 羽根板 １２−２ 中仕切板 １２−３ 水平仕切板 １２−４ ノズル板 １４ 噴射用スリットノズル １５ 吸引用スリットノズル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 高良 正昭 茨城県鹿島郡鹿島町大字光３番地 住友金 属工業株式会社鹿島製鉄所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベルト対向面に開口する吐出側扇形溝と
   吸引側扇形溝を軸方向に隣接して設けかつ両扇形溝との
   間で流路を閉鎖した中空固定軸と、中空の筒体円周に放
   射状に多数の羽根板を有し、該羽根板の径方向長さより
   短い長さを有し前記吐出側扇形溝と吸引側扇形溝の間を
   仕切る中仕切板を各羽根板間に配し、前記各羽根板間の
   空間を円周方向に交互に二分するように２枚の水平仕切
   板を前記中仕切板の上端部に軸線と平行に配し、該水平
   仕切板の上面に羽根板の外周面より低い位置に吐出側扇
   形溝と吸引側扇形溝に連通する隙間を有するごとく羽根
   板に沿って設けたノズル板を有し前記中空固定軸に回転
   自在に外嵌した回転スリーブとからなる二重構造のロー
   ルで構成され、中空固定軸内に供給した高圧流体が前記
   吐出側扇形溝よりベルトのロール対向面に噴出し、前記
   吸引側扇形溝より吸引される構造となしたことを特徴と
   するベルトコンベアの付着物除去装置。