JPH0653248U

JPH0653248U - 日除け・凍結防止用シート

Info

Publication number: JPH0653248U
Application number: JP9273692U
Authority: JP
Inventors: 昭雄増田
Original assignee: 株式会社羽田製工所
Priority date: 1992-12-25
Filing date: 1992-12-25
Publication date: 1994-07-19

Abstract

(57)【要約】【構成】表面にアルミ蒸着コーティング層を形成した
シールドガラスと略相似形状のシート本体１を形成し、
シート本体１の表裏面を連通するスリット孔６ｃをシー
ト本体の長さ方向に交叉する方向に２条設け、また、四
隅部に磁石を用いた吸着手段２を設ける。【効果】シート本体１裏面に回り込んだ風はシールド
ガラスの表面に沿って流れ、スリット孔６ｃより効率良
く排出されるので、吸着手段２は風の力によって自動車
のボディ等に対してズレや摺動移動することなく、シー
ルドガラスから剥離してシート本体１が吹き飛ばされる
ことがない。なお、スリット孔６ｃを２条設けておくこ
とで、自動車の左右何れの側からの風にも対応できる。
また、アルミ蒸着コーティング層により優れた防水効
果、反射効果、断熱効果及び耐久性が得られ、日除け・
シールドガラスの凍結を完全に防止できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は日除け・凍結防止用シートに関し、特に、自動車のフロント及びリア側のシールドガラス面に沿って取り付けられて、夏季は日除け用シートとして、冬季は凍結防止用シートとして用いることができる日除け・凍結防止用シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来において、この種の日除け用シートや凍結防止用シートは、単品として種々のものが盛んに提供されている。また、本願出願人も、従来より日除け・凍結防止用シートについて研究開発を行なっており、例えば、実開平１−１３３０３１号公報にその考案が開示されている。この公報に開示された考案は、パラシュートクロス等からなるシート本体の四隅部に吸着手段として磁石を配設し、この磁石を自動車のボディに磁着させることで、シート本体をシールドガラス面に沿って取付けるようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した本願出願人による公報に開示された考案は、シート本体の着脱を容易且つ確実に行なうことができ、夏季においては強い日差しを確実に遮断し、また、冬季においては霜や積雪によるシールドガラスの凍結を確実に防止するという所期の目的は一応達成することができたが、次の点で未だ不都合を有していた。

【０００４】上記した公報の考案は、吸着手段として磁石を用いている。従って、磁石の磁着面に面する方向には強力な吸着力が得られるが、磁着面と被吸着面との摺動運動にたいしては強力な吸着力が得られないという磁石特有の性質が吸着手段の性質となって現れてしまう。このために、シート本体を取付けた自動車が強風に晒された場合、シート本体の両サイドから回り込んだ風はシート本体内で逃げ場を失い、被吸着面に対して磁石が摺動移動し、シート本体が被吸着面より外れた位置になり、ついにはシート本体は簡単に吹き飛ばされてしまうという大きな課題を有していた。このように、吸着手段の性能が不十分であると、強風下においては、日除け・凍結防止用シートの有する効果を十分に期待することができない場合があるという課題を有していた。

【０００５】本考案は、このような従来例の課題に鑑みて開発されたものであり、シート本体の耐風性能を向上させることで、強風下においても確実な取付け状態を常に維持することができ、夏季の強い日差しを確実に遮断し、また、冬季の霜や積雪によるシールドガラスの凍結を確実に防止するこができる日除け・凍結防止用シートを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の課題を解決するために、自動車シールドガラスと略相似形状を呈するシート本体の少なくとも四隅部に吸着手段を設けた日除け・凍結防止用シートにおいて、シート本体の略中央位置に、シート本体の表裏面を連通させた通気部を設けたことを特徴とする構成とした。この場合、シート本体に形成した通気部をスリット孔とし、このスリット孔は、シート本体の長さ方向に交叉する方向に２条設け、また、シート本体の表面にアルミ蒸着コーティング層を形成するのが好ましい。

【０００７】

【作用】

本考案において、シート本体の四隅部に設けられている吸着手段を、シールドガラス周縁と近接する自動車のボデイや窓枠等に吸着するだけで、シート本体をシールドガラス面に沿って理想的な状態に取付けることが可能となる。この場合、シート本体には表裏面を連通する通気部を設けているので、シート本体を取付けた自動車が強風に晒された場合でも、シート本体の両サイドからシート本体裏面に回り込んだ風は、通気部から外側へ効率良く排出される。従って、シート本体の両サイドから回り込んだ風はシート本体裏面で逃げ場を失うようなことがないので、シート本体の吸着手段には、風の力によって自動車のボディ等の被吸着面に対して摺動移動するような力は作用しない。よって、吸着手段がボディからズレてシールドガラスから剥離し、シート本体が吹き飛ばされるようなことはない。

【０００８】なお、通気手段の形状をスリット状とすると、シート本体の両サイドから回り込んだ風は、シート本体裏面とシールドガラス表面の間に滞ることなく効率良く排出される。つまり、シート本体の裏面に回り込んだ風はシールドガラスの表面に沿って流れるため、通気部をスリット孔とし、しかも、このスリット孔をシート本体の長さ方向に交叉する方向に設けることにより、非常に効率良く風の排出を行なうことができる。この場合、通気部のスリット孔を２条設けておくことで、自動車の左右何れの側からの風にも対応することができる。

【０００９】また、シート本体には、アルミ蒸着コーティング層を形成しているので、優れた防水作用、反射作用、及び断熱作用を有し、上記した理想的な取付状態と相俟って、夏季においては完全な日除けを行なうことによって車内の著しい温度上昇を防止することができ、冬季においてはシールドガラスの完全な凍結防止作用を得ることができる。また、このようなコーティング層を形成したシート本体は、太陽光線に含まれる紫外線による劣化にも強く、優れた耐久性を有する。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図面を用いて詳述する。本実施例の日除け・凍結防止用シートは図１及び図２に示すように、スピンネーカー等の樹脂製シート材１ａを素材として自動車のシールドガラス１１と略相似形状のシート本体１を形成し、このシート本体１の少なくとも四隅部に吸着手段２を設け、さらに、シート本体１の表面に通気部６として２条のスリット孔６ｃを裏面と連通状態に形成している。そして、このシート本体１（シート材１ａ）の表面に、防水性、反射性、及び断熱性に富んだアルミ蒸着コーティング層１ｂを形成すると共に、このシート本体１の上部の両隅部に抜止部材８を設けた、例えば２本の紐部材７を設けている。

【００１１】上記において、通気部６は、シート本体１の略中央位置に２条の長尺状の開口部６ｄを設け、この開口部６ｄの長辺の１辺及び上下両短辺に上側部片６ａを縫着し、同様に、開口部６ｄの長辺の１辺及び上下両短辺に下側部片６ｂを縫着することでスリット孔６ｃを形成している。なお、このスリット孔６ｃの開口方向を、図１、図５及び図６に示すように、シート本体１の縁方向に向くように形成しておくと、後述する風Ｗの排出に好都合となる。

【００１２】上記の吸着手段２は図３及び図４に示すような構成になっている。これによれば、例えば太鼓形のフェライト等の磁石３ａを軟質の樹脂コーティング３ｄを施した金属製のカップ３ｂに磁着収納し、これをシート本体１と同材質の止着布４で被覆すると共に、この止着布４で覆われたカップ３ｂの周縁を、例えば合成皮革等からなる補強リング５で合わせて縫着している。なお、この吸着手段２は、少なくともシート本体１の四隅部に設けられるものであるが、シート本体１の面積に応じては、それ以上の個所にも設けることは実施に応じ任意である。

【００１３】次に、本実施例の作用の説明を行なう。本実施例において、シート本体１の四隅部に設けられている吸着手段２を、シールドガラス１１周縁と近接する自動車のボデイ１０に吸着させるだけで、シート本体１をシールドガラス１１面に沿って理想的な状態に取付けることが可能となる。本実施例では、シート本体１表面に通気部６を設けているので、図２に示されるように、シート本体１を取付けた自動車１３が強風に晒された場合でも、シート本体１の両サイドからシート本体１裏面に回り込んだ風Ｗは、通気部６で外側へ排出される。つまり、図５において、向かって左側よりシート本体１裏面に回り込んだ風Ｗは、向かって右側の通気部６より外側へ排出さる。

【００１４】一般的に、シート本体１裏面に回り込んだ風Ｗはシールドガラス１１の表面に沿って流れるため、通気部６は上側部片６ａと下側部片６ｂによって形成されるスリット孔６ｃとし、しかも、このスリット孔６ｃをシート本体１の長さ方向に交叉する方向に設けることにより、非常に効率良く風Ｗの排出を行なうことができる。この場合、通気部６のスリット孔６ｃを２条設けておくことで、自動車１３の左右何れの側からの風Ｗにも対応することができる。また、スリット孔６ｃの開口方向をシート本体１の縁方向に向くように形成しておくと、一旦排出された風Ｗが、隣接するスリット孔６ｃより再びシート本体１の裏面に侵入することを防止することができる。

【００１５】本実施例の吸着手段２は、磁石３ａを金属製のカップ３ｂに収納しているので、磁石３ａの磁力は吸着面３ｃにおいて集束され非常に強力な磁着力を得ており、自動車１３のボディ１０に対し強固に吸着することができる。しかし、上記したカップ３ｂの周囲や吸着面３ｃは軟質の樹脂コーティング３ｄが施されているので、確実な吸着が行なえると共に、自動車のボディ１０との接触も柔らかであるからボディ１０を傷つけるおそれがない。従って、シート本体１の両サイドから回り込んだ風Ｗはシート本体１裏面で逃げ場を失うようなことがないので、シート本体１の吸着手段２には、風の力によって自動車１３のボディ１０に対して摺動移動するような力は作用しない。よって、吸着手段２がボディ１０からズレてシールドガラス１１から剥離し、シート本体１が吹き飛ばされるようなことはない。

【００１６】また、シート本体１に設けた紐部材７をウインドガラス１２に挟み込むことで、シート本体１の強風対策はより万全なものとなる。このとき、抜止部材８によって紐部材７がウインドガラス１２から外れることがなくなるので、盗難防止も行なえる。また、図６に示されるように、吸着手段２を略Ｌ字状のゴム磁石とし、このゴム磁石をシート本体１の四隅部に貼着しても良い。すると、シート本体１の縦方向及び横方向に磁着面積が広がり、また、ゴム磁石は、自動車１３のボディ１０の曲面にもフィットするので、確実な吸着が行なえるようになる。しかも、ゴム磁石自体が弾性を有しているので自動車のボディ１０との接触も柔らかであり、ボディ１０を傷つけるおそれがない。

【００１７】さらに、シート本体１には、アルミ蒸着コーティング層１ｂを形成しているので、優れた防水作用、反射作用、及び断熱作用を有し、上記した理想的な取付状態と相俟って、夏季においては完全な日除けを行なうことによって車内の著しい温度上昇を防止することができ、冬季においてはシールドガラス１１の完全な凍結防止作用を得ることができる。また、このようなアルミ蒸着コーティング層１ｂを形成したシート本体１は、太陽光線に含まれる紫外線による劣化も防ぎ、優れた耐久性を発揮する。

【００１８】この他に具体的には図示しないが、シート本体１の表面に螢光塗料等による目印を施しておけば、夜間の取り付けに際しては、この目印によりシートの上下を容易に区別できることともなる。さらに、シート本体１の表面に、例えばペンキ、インキ或はプリント印刷等の手段により適宜の模様や文字を実施に応じて任意に施すことができる。なお、シート本体１の不使用時は、吸着手段２をボディ１０より取り外して折り畳めば、極めてコンパントとなるので、保管に支障をきたす心配も全くない。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明で明らかな通り、本考案はシート本体の表裏面を連通する通気部を設けたので、シート本体を取付けた自動車が強風に晒された場合でも、シート本体の両サイドからシート本体の裏面に回り込んだ風は、通気部で外側へ排出され、従来例の如き、強風によってシート本体が吹き飛ばされる等の不都合は完全に解消された。

【００２０】しかも、この通気部をスリット孔とし、このスリット孔をシート本体の長さ方向に交叉する方向に設けたので、シート本体の裏面に回り込んだ風はシールドガラスの表面に沿って流れ、スリット孔より非常に効率良く排出されるという効果を有する。また、通気部のスリット孔を２条設けておくことで、自動車の左右何れの側からの風にも対応できるという効果を有する。従って、シート本体の両サイドから回り込んだ風はシート本体の裏面で逃げ場を失うことがないので、シート本体の吸着手段は、風の力によって自動車のボディ等に対して摺動移動することはないので、吸着手段がボディ等からズレてシールドガラスから剥離し、シート本体が吹き飛ばされるようなことはない。

【００２１】また、シート本体にはアルミ蒸着コーティング層を形成しているので、優れた防水効果、反射効果、及び断熱効果が得られると共に、上記した理想的な取付状態と相俟って、夏季においては完全な日除けを行なうことによって車内の著しい温度上昇を防止することができ、冬季においてはシールドガラスの凍結を完全に防止できるという効果を有する。しかも、太陽光線に含まれる紫外線による劣化を起こすことがなく、優れた耐久性を有する等、数々の優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例を示す図である。

【図２】通気手段の構成を示す断面図である。

【図３】吸着手段の構成を示す斜視図である。

【図４】吸着手段の構成を示す断面図である。

【図５】本実施例の使用状態を示す正面図である。

【図６】本実施例の使用状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１シート本体２吸着手段６通気部６ｃスリット孔１１シールドガラス１３自動車

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】自動車シールドガラスと略相似形状を呈
するシート本体の少なくとも四隅部に吸着手段を設けた
日除け・凍結防止用シートにおいて、シート本体の略中
央位置に、シート本体の表裏面を連通させた通気部を設
けたことを特徴とする日除け・凍結防止用シート。
【請求項２】シート本体に形成した通気部をスリット
孔とし、このスリット孔は、シート本体の長さ方向に交
叉する方向に２条設けた請求項１記載の日除け・凍結防
止用シート。
【請求項３】シート本体の表面にアルミ蒸着コーティ
ング層を形成した請求項１又は２記載の日除け・凍結防
止用シート。