JPH0653051A - ノイズフィルタ - Google Patents

ノイズフィルタ

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JPH0653051A
JPH0653051A JP4184349A JP18434992A JPH0653051A JP H0653051 A JPH0653051 A JP H0653051A JP 4184349 A JP4184349 A JP 4184349A JP 18434992 A JP18434992 A JP 18434992A JP H0653051 A JPH0653051 A JP H0653051A
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JP
Japan
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magnetic core
noise filter
noise
common mode
alloy
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Pending
Application number
JP4184349A
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English (en)
Inventor
Sadahiro Sato
貞弘 佐藤
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Okaya Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Okaya Electric Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Okaya Electric Industry Co Ltd filed Critical Okaya Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた特性(ノイズ減衰特性、パルス減衰特
性、寿命特性など)を備えたノイズフィルタを実現す
る。 【構成】 トロイダル形の磁心22に導線24をバイファイ
ラ巻して形成したコモンモードチョークコイル18を備え
てなるノイズフィルタ10において、磁心22を、鉄(F
e),ケイ素(Si),ホウ素(B)、銅(Cu)、ニ
オブ(Nb)を含み、組織の少なくとも50%以上が微
細な結晶粒からなる超微結晶合金によって形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はノイズフィルタに係
り、特に、線−アース間に伝導するコモンモードノイズ
を減衰させるために用いるノイズフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】電源ライン或いは通信ラインなどの外部
ラインを経由して電子機器内に侵入する各種のノイズに
よって、電子機器が誤動作することを防止するため、種
々のノイズフィルタが案出されている。このノイズは、
線間を往復するノーマルモードノイズと、線−アース間
に流れるコモンモードノイズの2つに大別される。この
うち、コモンモードのノイズに対しては、トロイダル形
の磁心に導線をバイファイラ巻して形成したコモンモー
ドチョークコイルを備えたノイズフィルタが一般に用い
られる。そして、従来、上記磁心は、Mn−Znフェラ
イト、Fe基アモルファス合金或いはCo基アモルファ
ス合金等によって形成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記M
n−Znフェライトは、比透磁率及び飽和磁束密度が低
いという欠点がある。また、Fe基アモルファスは、飽
和磁束密度が高い反面、比透磁率が低いという欠点があ
る。さらに、Co基アモルファス合金は、比透磁率が高
い反面、飽和磁束密度が低いという欠点がある。したが
って、このような材質の磁心からなるコモンモードチョ
ークコイルを備えた従来のノイズフィルタは、その特性
(ノイズ減衰特性、パルス減衰特性)において一長一短
があり、特に電子機器の小型化・高周波化の進む今日に
あっては、真に満足のいくものではなかった。
【0004】本発明は、上記従来例の課題を解決せんと
するものであり、その目的とするところは、従来にない
優れた特性を備えたノイズフィルタを実現することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るノイズフィルタは、トロイダル形の磁
心に導線をバイファイラ巻して形成したコモンモードチ
ョークコイルを備えてなるノイズフィルタにおいて、上
記磁心を、鉄(Fe),ケイ素(Si),ホウ素
(B)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)を含み、組織の少
なくとも50%以上が微細な結晶粒からなる超微結晶合
金によって形成するよう構成した。この超微結晶合金製
の磁心は、鉄(Fe),ケイ素(Si),ホウ素
(B)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)を含む合金の溶湯
を、単ロール法或いは双ロール法などの超急冷法によっ
て冷却してアモルファス化し、トロイダル形状に加工し
た後に、約350゜C〜570゜Cの温度で加熱処理を
施して結晶化させることによって形成される。
【0006】
【作用】上記コモンモードチョークコイルは、線間を往
復するノーマルモードの成分に対しては、磁心内に大き
さが等しく方向が逆の磁束が発生し、これらが打ち消し
合うためインダクタとして機能しないが、線間を往復せ
ずにそのままアースに逃げるコモンモードの成分に対し
ては、磁心内に逆起電力が発生するためインダクタとし
て機能する。したがって、ノーマルモードで伝導する電
送信号や電源電流に対しては、上記コモンモードチョー
クコイルはインダクタとして機能せず、インピーダンス
が現れないため、電送信号や電源電流の損失を最小限に
押さえることができる。これに対し、コモンモードノイ
ズに対しては、インダクタとして機能し、これを減衰さ
せるものである。
【0007】上記超微結晶合金製の磁心は、高透磁率、
高飽和磁束密度、低磁心損失、低磁歪の条件を満たすと
共に、温度の上昇や時間の経過に伴う劣化の度合が小さ
いため、該磁心で形成したコモンモードチョークコイル
を備えた上記ノイズフィルタは、優れたノイズ減衰特
性、パルス減衰特性、耐環境特性及び寿命特性を発揮す
る。
【0008】
【実施例】以下に本発明を、図示の実施例に基づいて説
明する。図1は、ノイズフィルタ10の内部構成を示す回
路図であり、該ノイズフィルタ10は、内部線路たる線路
A及びBと、該線路A,B間に接続される第1のコンデ
ンサ12、第2のコンデンサ14及び第3のコンデンサ16
と、上記線路A,Bに接続されるコモンモードチョーク
コイル18とを有してなり、所定の筐体20内に収納されて
いる。上記第2のコンデンサ14と第3のコンデンサ16と
の中点は接地されている。上記線路A及びBは、それぞ
れライン側端子L1,L2を介して図示しない電源ライン
或いは通信ラインなどの外部ラインに接続されると共
に、機器側端子T1、T2を介して図示しない電子機器の
電子回路に接続される。
【0009】上記コモンモードチョークコイル18は、ト
ロイダル形をした超微結晶合金製の磁心22に、導線24を
バイファイラ巻してなる。この超微結晶合金は、具体的
には、鉄(Fe)を主体とし、これにケイ素(Si)、
ホウ素(B)、銅(Cu)及びニオブ(Nb)を混合し
た合金であり、組織の少なくとも50%以上が微細な結
晶粒からなり、該結晶粒の平均粒径が1000オングス
トローム(angstrom)以下のものを指す。この超微結晶
合金は、例えば、日立金属株式会社製の合金「ファイン
メット」(商品名)が該当する。なお、図示は省略した
が、上記磁心22の表面には所定の絶縁外装が施されてい
る。
【0010】しかして、上記外部側端子L1,L2を介し
て、図示しない外部ラインからコモンモードノイズが伝
導した場合には、上記コモンモードチョークコイル18が
インダクタとして機能し、該ノイズを吸収する。なお、
上記第1のコンデンサ12は、高周波のノイズを電源側に
戻すためのバイパスとして、また、上記第2のコンデン
サ14及び第3のコンデンサ16は、ノイズを大地へ逃がす
ためのバイパスとして機能する。
【0011】以下において、超微結晶合金によって形成
された上記磁心22の特性を、従来の材質によって形成さ
れた磁心の特性と比較する。まず、比透磁率について
は、図2のグラフに示すように、超微結晶合金製磁心22
の値aは、低周波数から高周波数にわたり、Mn−Zn
フェライト製磁心の値b及びFe基アモルファス製磁心
の値cに比べて著しく高く、Co基アモルファス製磁心
の値dとほぼ同程度の値となっている。このように、上
記超微結晶合金製磁心22を用いた上記ノイズフィルタ10
は高い比透磁率を有するため、優れたノイズ減衰特性を
発揮するものである。
【0012】その一例として、図3のグラフは、超微結
晶合金製磁心22を用いたノイズフィルタ10のノイズ減衰
特性と、同一サイズのMn−Znフェライト製磁心を用
いたノイズフィルタのノイズ減衰特性との比較結果を示
すものである。図示のように、超微結晶合金製磁心22を
用いたノイズフィルタ10における、対ノーマルモードノ
イズの値e及び対コモンモードノイズの値fは、共にM
n−Znフェライト製磁心を用いたノイズフィルタにお
ける、対ノーマルモードノイズの値g及び対コモンモー
ドノイズの値hよりも高くなっている。したがって、超
微結晶合金製磁心22を用いてコモンモードチョークコイ
ル18を制作すれば、Mn−Znフェライト製磁心を用い
た場合に比べ、約1/3〜1/2の大きさで同一性能を
実現できることとなり、ノイズフィルタの小型化が達成
できる。
【0013】つぎに、飽和磁束密度について検討する
と、超微結晶合金製磁心22の飽和磁束密度は約1350
0(Gauss)であり、Fe基アモルファス製磁心の飽和
磁束密度の約14500(Gauss)とほぼ同等となって
いる。そして、Mn−Znフェライト製磁心の飽和磁束
密度が約4300(Gauss)、Co基アモルファス製磁
心の飽和磁束密度が約5500(Gauss)であることを
考慮すれば、超微結晶合金製磁心22の飽和磁束密度が如
何に優れたものであるかがわかる。このように、高い飽
和磁束密度を有するため、上記超微結晶合金製磁心22を
用いた上記ノイズフィルタ10は、優れたパルス減衰特性
を示すものであり、インパルス性ノイズの低減に高い効
果を発揮するものである。
【0014】その一例として、図4のグラフは、超微結
晶合金製磁心22を用いたノイズフィルタ10のパルス減衰
特性と、Mn−Znフェライト製磁心を用いたノイズフ
ィルタのパルス減衰特性及びFe基アモルファス製磁心
を用いたノイズフィルタのパルス減衰特性との比較結果
を示すものである。図示のように、超微結晶合金製磁心
22を用いたノイズフィルタ10の値iは、Mn−Znフェ
ライト製磁心を用いたノイズフィルタの値jより遙かに
良好なパルス減衰特性を示し、Fe基アモルファス製磁
心を用いたノイズフィルタの値kとほぼ同等の結果とな
っている。
【0015】その他、超微結晶合金製磁心22の磁心損失
は、Co基アモルファス合金製磁心の磁心損失に略匹敵
するほど小さく、Mn−Znフェライト製磁心やFe基
アモルファス製磁心の磁心損失よりも遙かに低いもので
ある。また、超微結晶合金製磁心22の飽和磁歪定数λs
は、約2.3×10-6程度の低い値であるため、機械加
工や含浸、コーティング等による特性劣化が小さいとい
う利点がある。さらに、超微結晶合金製磁心22のキュリ
ー温度は約570゜Cと非常に高いため、温度上昇に伴
う磁気特性の劣化は極めて小さなものとなる。その上、
超微結晶合金製磁心22は、結晶質であり、組織が安定し
ているため、アモルファス金属に比べて磁気特性の経時
劣化は極めて小さなものとなる。
【0016】つぎに、図示は省略するが、上記超微結晶
合金製磁心22を用いたコモンモードチョークコイル18の
製造方法の一例を示す。まず、銅(Cu)1原子%、ニ
オブ(Nb)5原子%、ケイ素(Si)13原子%、ホ
ウ素(B)9原子%を含み、残部が実質的に鉄(Fe)
よりなる合金溶湯を、単ロール法等の超急冷法によって
冷却し、アモルファス状の合金薄帯を形成する。この合
金薄帯は、例えば、厚さが16μm、幅5mmに形成さ
れる。この合金薄帯を、外径19mm、内径15mm、
厚さ5mmのトロイダル形状に加工する。これを、10
゜C/minの昇温速度で570゜Cまで加熱し、1時
間保持後、室温まで約200゜C/minの冷却速度で
冷却して磁心22を形成する。この磁心22をフェノール樹
脂製の外装ケース等に収納し、所定の巻線を施してコモ
ンモードチョークコイル18が完成する。
【0017】なお、本発明に係るノイズフィルタ10は、
上記した内部構成に限られるものではなく、少なくとも
上記超微結晶合金製磁心22を用いたコモンモードチョー
クコイル18を備えたものであればよい。
【0018】
【発明の効果】本発明に係るノイズフィルタは、コモン
モードチョークコイルの磁心として、高透磁率、高飽和
磁束密度、低磁心損失、低磁歪の条件を具備すると共
に、温度の上昇及び時間の経過に伴う特性劣化が少ない
超微結晶合金製磁心を採用したため、優れたノイズ減衰
特性、パルス減衰特性、耐環境特性及び寿命特性等を発
揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るノイズフィルタの内部構成を示す
回路図である。
【図2】比透磁率の周波数依存性を示すグラフである。
【図3】ノイズ減衰特性を示すグラフである。
【図4】パルス減衰特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ノイズフィルタ 18 コモンモードチョークコイル 22 超微結晶合金製磁心 24 導線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トロイダル形の磁心に導線をバイファイ
    ラ巻して形成したコモンモードチョークコイルを備えて
    なるノイズフィルタにおいて、上記磁心を、鉄(F
    e),ケイ素(Si),ホウ素(B)、銅(Cu)、ニ
    オブ(Nb)を含み、組織の少なくとも50%以上が微
    細な結晶粒からなる超微結晶合金によって形成したこと
    を特徴とするノイズフィルタ。
JP4184349A 1992-06-17 1992-06-17 ノイズフィルタ Pending JPH0653051A (ja)

Priority Applications (1)

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JP4184349A JPH0653051A (ja) 1992-06-17 1992-06-17 ノイズフィルタ

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JP4184349A JPH0653051A (ja) 1992-06-17 1992-06-17 ノイズフィルタ

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11273959A (ja) * 1998-03-18 1999-10-08 Murata Mfg Co Ltd インダクタ及びその製造方法
US7748842B2 (en) 2005-01-14 2010-07-06 Akira Sakai Rim of spectacle

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01287250A (ja) * 1988-05-11 1989-11-17 Hitachi Metals Ltd 耐熱性に優れた超微結晶軟磁性合金

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