JPH0652973A - 正抵抗温度係数発熱体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、採暖器具及び一般の加熱装置とし
て有用な正抵抗温度係数発熱体に関するもので、リード
板の端部に離形用フィルムと接着剤付フィルムを設けて
絶縁フィルムの接着剤がリード板の端部に付着しない構
造とし、他のリード線との接続を容易にすることを目的
とする。 【構成】 結晶性高分子中に導電性微粉末を分散させた
組成を主成分とする長尺薄肉正抵抗温度係数抵抗体１
と、上下厚さ方向に電圧を印加すべく設けられた一対の
電極板２、３と、前記電極板２、３に接続するリード板
４、５と、それらを外部と絶縁する絶縁フィルム６とか
ら成り、前記リード板４、５の片端と絶縁フィル６との
間に離形用のフィルム７と接着剤付の固定用フィルム８
とを設け絶縁フィルム６の接着剤がリード板の端部に付
着しない構造としたので、他のリード線との接続を容易
にすることで信頼性の高い正抵抗温度係数発熱体を提供
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、採暖器具および一般の
加熱装置として有用な正抵抗温度係数発熱体（以下ＰＴ
Ｃ発熱体と称す）に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から結晶性高分子中に導電性微粉末
を分散させた組成物を主成分とする長尺薄肉正抵抗温度
係数抵抗体と、その厚さ方向に電圧を印加すべく設けら
れた一対の電極板と、前記電極板に接続するリード板
と、それらを外部と絶縁する絶縁フィルムとから成るＰ
ＴＣ発熱体においては、リード板の端末処理法にＰＴＣ
発熱体完成後の抵抗値を安定させるために熱処理を施し
ていた。この熱処理によって絶縁フィルムが収縮するこ
とによってリード板の片端が絶縁フィルムから出て来る
ことを利用した端末処理法が試みられてきた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の従来技
術で試みられているリード板の端末処理法では、絶縁フ
ィルムに加工されている接着剤がリード板に付着した状
態で完成されるために、その後の工程に大きく支障が生
じ例えば半田付けが非常に手間がかかる等の課題が発生
した。

【０００４】よって本発明の目的は、このように製造工
程の中で作業能率を悪化させるようなことがなく、安全
で信頼性の高い正抵抗温度係数を有するＰＴＣ発熱体を
提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため結晶性高分子中に導電性微粉末を分散させた組
成物を主成分とする長尺薄肉正抵抗温度係数抵抗体と、
上下の厚さ方向に電圧を印加すべく設けられた一対の電
極板と、前記電極板に接続するリード板と、それらを外
部と絶縁する一対の絶縁フィルムとから成り、前記リー
ド板の片端に離形用フィルムと固定用フィルムとで構成
した一対の前記絶縁フィルムを設けたものである。

【０００６】

【作用】本発明は上記した構成によって、結晶性高分子
中に導電性微粉末を分散させた組成物を主成分とする長
尺薄肉正抵抗温度係数抵抗体と、上下の厚さ方向に電圧
を印加すべく設けられた一対の電極板と、前記電極板に
接続するリード板と外部と絶縁する絶縁フィルムとから
成り、前記リード板の片端と絶縁フィルムとの間に離形
用フィルムと固定用フィルムとを使用した構成によって
ＰＴＣ発熱体完成後の熱処理によって絶縁フィルムが収
縮した後においても絶縁フィルムに使用している接着剤
がリード板に付着させない作用がある。

【０００７】

【実施例】以下、本発明のＰＴＣ発熱体の一実施例を図
面に基づいて説明する。図１から図６において、１は厚
さ０．５ｍｍの長尺薄肉正抵抗温度係数抵抗体で、２お
よび３は長尺薄肉正抵抗温度係数抵抗体１に一体に密着
された一対の電極板（電解銅箔、厚み３５〜１００μ
ｍ）である。電極板３は電極板２よりも幅が広く２０ｍ
ｍ対１０ｍｍである。電極板３が長尺薄肉正抵抗温度係
数抵抗体１の長尺方向に沿った縁面部までを覆い、電極
板２は長尺薄肉正抵抗温度係数抵抗体１の長尺方向に対
して長尺薄肉正抵抗温度係数抵抗体１よりも幅を狭くし
た構成となっている。電気を供給するリード板４及び５
を各々の電極板２、３に接続している。さらにその外側
は一対の絶縁フィルム（ポリエステル樹脂など厚み５０
μｍ）６で覆われていて電気的に外部と遮断されてい
る。図２はＰＴＣ発熱体の断面図である。図３は絶縁フ
ィルム６で覆う前の状態図で、電極板２、３に接続され
ているリード板４、５の端部に離形用フィルム（ポリエ
ステル樹脂など厚み５０μｍ）７と固定用フィルム（接
着剤付きポリエステル樹脂厚み５０μｍ）８を約４ｍｍ
程度オーバーラップさせてリード板４、５に接着する。
図３の状態で絶縁フィルム６を上下から接着すると図４
のようになる。図４の状態で熱処理すると絶縁フィルム
６が熱収縮して長さ方向に小さくなりリード板４、５に
接着している離形用フィルム７及び固定用フィルム８が
リード板４、５とともに出てくるようになる。この時に
リード板４、５の表面には絶縁フィルム６に使用してい
る接着剤が付着せずに出てくる。この後、離形用フィル
ム７と固定用フィルム８とを取り除くと、リード板４、
５の表面には何も付着物がなく次の工程で他のリード線
等と半田接続するときは簡単に接続が可能である。図５
（ａ）（ｂ）はリード板４、５の端部に離形用フィルム
７と固定用フィルム８を約４ｍｍオーバーラップさせて
リード板４、５に接着固定した図である。また、図６は
離形用フィルム７の幅を広くして部分的に接着剤１０を
施して、離形用と固定用との機能を兼ね備えた部分接着
剤付きフィルム９として、使用しても何ら差し仕えはな
い。

【０００８】

【発明の効果】以上のように本発明は （１）長尺薄肉正抵抗温度係数抵抗体の上下厚さ方向に
電圧を印加すべく設けられた一対の電極板との電気的な
接続はリード板によってできる。このリード板の表面に
接着剤等が付着する事なく、きれいな表面で他のリード
線との接続の際極めて簡単に、作業の能率を飛躍的に高
くすることができる。

【０００９】（２）リード板に離形用フィルムと固定用
フィルムとを使用することによって作業を簡素にして信
頼性の高い接続が可能となる。

【００１０】（３）リード板に離形用と固定用との機能
を兼ね備えた部分接着剤付フィルムを使用することによ
って作業をさらに簡素にして信頼性の高い接続が可能と
なる。

【００１１】この結果、得られるＰＴＣ発熱体は信頼性
の高い性能的に安定したＰＴＣ発熱体を安価に提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例のＰＴＣ発熱体の平面図

【図２】本発明の実施例のＰＴＣ発熱体の部分断面図

【図３】本発明の実施例の絶縁フィルム被覆前のＰＴＣ
発熱体の部分平面図

【図４】本発明の実施例の絶縁フィルム被覆後のＰＴＣ
発熱体の部分平面図

【図５】本発明の実施例のＰＴＣ発熱体の部分平面図及
び部分側面図

【図６】本発明の別の実施例のＰＴＣ発熱体の部分平面
図及び部分側面図

【符号の説明】

１ 長尺薄肉正抵抗温度係数抵抗体 ２ 電極板 ３ 電極板 ４ リード板 ５ リード板 ６ 絶縁フィルム ７ 離形用フィルム ８ 固定用フィルム ９ 部分接着剤付フィルム

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲よし▼本 弘次 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 森中 文平 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】結晶性高分子中に導電性微粉末を分散させ
   た組成物を主成分とする長尺薄肉正抵抗温度係数抵抗体
   と、上下の厚さ方向に電圧を印加すべく設けられた一対
   の電極板と、前記電極板に接続するリード板と、それら
   を外部と絶縁する一対の絶縁フィルムとから成り、前記
   リード板の片端に離形用フィルムと固定用フィルムとで
   構成した一対の前記絶縁フィルムを設けてなる正抵抗温
   度係数発熱体。
2. 【請求項２】離形用フィルムには表面処理を施していな
   いフィルムを使用し、リード板との固定用フィルムの片
   面には接着剤を施したフィルムを使用した請求項１記載
   の正抵抗温度係数発熱体。
3. 【請求項３】離形用フィルムと固定用フィルムとは別々
   に構成した請求項１記載の正抵抗温度係数発熱体。
4. 【請求項４】離形用フィルムと固定用フィルムとは一体
   に構成された請求項１記載の正抵抗温度係数発熱体。