JPH0652967U - 高粘性塗料類の塗装用吐出ノズル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高粘性塗料類の塗装に好適な、吐出制御及び
保守管理性の優れた吐出ノズルを得る。 【構成】 塗料類の供給管１の先端に、末広がりの中空
な扇状体３を接続する。扇状体３の先端には、扇状体３
内と連通する吸入スリット５と、その反対側に吐出スリ
ット６を有する筒状のノズル体４を設け、このノズル体
４内に、上記スリット５，６と連通できる流通スリット
７ａ，７ｂを有する円筒状の回転ゲート８を嵌挿し、こ
の回転ゲート８を外のレバー９により回動自在とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、アスファルト、接着剤、保護剤、塗料等を鋼管やコンクリートパイ ル等の内外面に塗装するのに使用される高粘性塗料類の塗装用吐出ノズルに関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

鋼管やコンクリートパイル等には、必要に応じてアスフルトや塗料等（塗料 類）を塗布することが行なわれている。それらの塗料類は高粘性のものが多いこ とから、従来は、低速で回転させている鋼管等の上に、吐出ノズルを配置して塗 料類を落下させるようにしている。この塗装ノズルは、図６に示すように、ノズ ル12の下端がスリット状の吐出口13となっており、このノズル12には、吐出口13 を開閉する押え板14が回動自在に設けられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このような従来の塗装ノズルでは、吐出口13を開閉する押え板14が、 吐出圧に対抗する方向からの押圧のため、密閉時の操作が円滑に行かず、塗料類 の飛散、機器部材の損傷がおきるとともに、吐出口13先端及び押え板14が塗料類 の漏洩ダレで汚れ、また、吐膜厚の調整が殆んどできない等の欠点がある。

【０００４】 本考案は、かかる従来ノズルにおける欠点を解決するためになされたもので、 塗料類の吐出制御及び吐出口の密閉が簡便、良好にでき、高い吐出圧にも耐え得 るとともに、吐出口の汚れや塗料類の飛散がなく、保守管理性に優れた高粘性塗 料類の吐出ノズルを提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するための本考案の構成について、実施例に対応する図面を 参考して説明すると、本考案は、塗料類の供給管１に接続する中空な扇状体３の 先端に、該扇状体３内に連通する吸入スリット５と、該スリット５に対向する吐 出スリット６を有する筒状のノズル体４を設け、該ノズル体４内に、上記スリッ ト５，６と連通できる流通スリット７ａ，７ｂを対向して設けた中空の回転ゲー ト８を、ノズル体４外よりの操作により回転自在に嵌挿したことを特徴とするも のである。

【０００６】

【作用】

溶解された高粘性度の塗料類は、供給管１から扇状体３内に流入して扁平状に 拡がり、ノズル体４の吸入スリットに入る。そこで、図１〜図３に示すように、 回転ゲート８の流通スリット７ａ，７ｂを吸入スリット５及び吐出スリット６と ずれた位置におけば、塗料類の吐出は阻止される。また、図４に示すように、流 通スリット７ａ，７ｂを吸入スリット５及び吐出スリット６と合致させれば、塗 料類は吸入スリット５から流通スリット７ａ，７ｂを経て吐出スリット６から吐 出されることになる。そして、その吐出量は、図５に示すように、吸入スリット ５、吐出スリット６に対する流通スリット７ａ，７ｂの重なりの度合いを調節す ることにより制御できる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を参照して説明する。図１、図２におい て、１は溶解アスファルト等の塗料類の貯溜槽（図示を略す）にフランジ２を介 して接続する供給管で、その端末には、先端にノズル体４を設けた中空な扇状体 ３が固着されている。

【０００８】 扇状体３は、その基端が供給管１と接続する径を有し、それより先端に向けて 次第に扁平化した中空の扇状に形成されている。扇状体３の先端に設けたノズル 体４は、扇状体３の先端全巾にわたる長さの筒状をなし、扇状体３内に連通する 吸入スリット５と該スリット５と対向する吐出スリット６を有している。そし て、ノズル体４の中空部内には、対向する位置に、上記スリット５，６と連通で きる流通スリット７ａ，７ｂを有する中空な回転ゲート８がノズル体４の内壁に 接して回転自在に嵌挿され、ノズル体４ノズル体４の端部に設けたレバー９の操 作により回動されるようになっており、ノズル体４とゲート８の両端は栓体10， 10により閉じられている。

【０００９】 また、上記扇状体３とノズル体４及び供給管１の外周には、ニクロム線等を捲 装した加熱手段11が設けられているとともに、さらにその外側に保温材12が被覆 されている。

【００１０】 本考案は上述のように構成されており、溶解された高粘度の塗料類は、供給管 １から扇状体３に入って扁平状に拡がり、ノズル体４の吸入スリット５へと流入 する。そこで、塗料類を吐出しないときは、図１〜図３に示すように、レバー９ の操作により、回転ゲート８をその流通スリット７ａ，７ｂが吸入スリット５及 び吐出スリット６と合致しないように位置させる。それにより、吸入スリット５ 及び吐出スリット６は回転ゲート８により閉じられた状態となる。

【００１１】 塗料類を吐出させるときは、図４に示すように、レバー９を操作して、回転ゲ ート８を、その流通スリット７ａ，７ｂが吸入スリット５及び吐出スリット６と 合致する位置に回動する。それにより、扇状体３内にある塗料類は、吸入スリッ ト５、流通スリット７ａを通って回転ゲート８に流入し、対向する流通スリット ７ｂを経て吐出スリット６から吐出されるのである。この場合、塗料類の吐出量 は、図５に例示するように、吸入スリット５及び吐出スリット６と流通スリット ７ａ，７ｂの重なりの度合を調節することにより制御することができる。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は、中空な扇状体の扁平に拡がった先端に設け た、吸入スリットと吐出スリットを有する筒状のノズル体に、流通スリットを有 する中空の回転ゲートを嵌挿したものであるから、塗料類の吐出とその停止及び 吐出量の調節が回転ゲートの回動により、しかも、４個のスリットを使った２個 所の開閉で行なわれるので、吐出圧に影響されず円滑、容易、確実にできるとと もに、シールが完全で塗料類の漏洩やダレで汚れる恐れがない。したがって、高 吐出圧のノズルとして広く利用できるとともに、吐膜厚の調整も自在にできるこ とになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す一部切截正面図であ
る。

【図２】同側断面図である。

【図３】塗料類の吐出停止時の状態を示す要部側断面図
である。

【図４】同吐出全開時の状態を示す図である。

【図５】同吐出調整時の状態を示す図である。

【図６】従来の吐出ノズルを示す要部側断面図である。

【符号の説明】

１ 供給管 ３ 中空扇状体 ４ ノズル体 ５ 吸入スリット ６ 吐出スリット ７ａ，７ｂ 流通スリット ８ 回転ゲート ９ レバー 11 加熱手段 12 保温材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 塗料類の供給管に接続する中空な扇状体の先端に、該扇
   状体内に連通する吸入スリットと、該スリットに対向す
   る吐出スリットを有する筒状のノズル体を設け、該ノズ
   ル体内に、上記スリットと連通できる流通スリットを対
   向して設けた回転ゲートを、ノズル体外よりの操作によ
   り回転自在に嵌挿したことを特徴とする、高粘性塗料類
   の塗装用吐出ノズル。