JPH0652791U

JPH0652791U - 袖だたみ式洗濯物干し機

Info

Publication number: JPH0652791U
Application number: JP5160892U
Authority: JP
Inventors: 稲子工藤
Original assignee: 稲子工藤
Priority date: 1992-06-12
Filing date: 1992-06-12
Publication date: 1994-07-19

Abstract

(57)【要約】【目的】上着の洗濯物を干す為のもので、無用な洗濯物
干し機の跡や、伸びを最小限にとどめ、どんな襟ぐりの
ものでも干し機からずり落ちる事なく、省スペースで早
く乾くように工夫された洗濯物干し機である。【構成】コの字型の枠（１）の中に渡し竿（３）の一方
の端を櫛状に固定する。枠の一方の端に支え棒（２）を
回転する接続機で取り付ける。支え棒のもう片方は、開
放された渡し竿先端の下を通って反対側の枠の端に押さ
え爪（４）などで止められる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この実用新案は、肌シャツや、トレーナーや、セーター等の上着を、袖だだみの状態で干すことができるようにした、袖たたみ式洗濯物干し機である。

【０００２】

【従来の技術】

従来の渡し竿を複数横並びにした洗濯物干し機には、図１７のおしめ干し機のように渡し竿の先端を折り曲げて洗濯物が落ちないような工夫がされてはいたが、渡し竿の長さが３５ｃｍ程しかない為に長袖は干すことができなかった。又、おしめやタオルを干すことを前提としている為に、渡し竿を延長したとしても、この構造のままでは、長袖の上着など重量のあるものには渡し竿（３）の根元の強度が弱く不向きである。又、図１８の様なハンガーでは、衿ぐりの広いものはずり落ちてしまうので、衿口に洗濯バサミで止めて置かなければならなかった。又、ハンガーの肩幅と服の肩幅が合わないと、干し上がった際にハンガーの肩部の出っ張りのができて見苦しかった。又、図１９は従来の物干し竿に二つ折りにして脇を洗濯バサミで止めた干し方、図２０はピンチハンガーで裾をつまむ干し方である。これらは肩に出っ張りの跡はできないが、共に洗濯バサミの跡がつき、逆さにして干すために脇線が伸びるし、衿や袖口が下向きになるので、特にウール製品においては水分に弱いという性質上、一番伸びが気になるリブ編み部に水分が溜まってしまうこの干し方は好ましくない。他に、図２４の様にニット製品専用の、網状の上に広げて干す台があるが、６５ｃｍ×６５ｃｍの面積は、床上ではかなり大きく場所を占めてしまうし、この寸法では袖部分を折り畳まないと台の上に乗りきらないので、乾き難いという欠点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】本案は、無用な洗濯物干し機の跡や伸びを最小限にとどめ、どんな衿ぐりのものでも干し機からずれ落ちる事なく、省スペースで早く乾くように考案されたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

図１の様にコの字型の枠（１）の内に、渡し竿（３）の一方の端を櫛状に固定する。さらに一方の枠の端に支え棒（２）を回転する接続機で取り付ける。支え棒のもう片方は、解放された渡し竿先端の下を通って反対側の枠の端に、押さえ爪（４）などで止めておくことが出来るようにする。使用方法は、支え棒を枠からはずし、袖口から袖山・肩・衿ぐりへと、一直線に渡し竿へ左右の袖を各々通し、支え棒を元の位置に止める。これで袖たたみの状態で干すことが出来る。

【０００５】

【作用】

図１８の様なハンガー使用時には、脇の下に弛みができ、それが身頃にまで及んで全体がよれた仕上がりになるが、袖たたみの状態で干すと、製品そのままの形でピンと身ごろまで張って干すことができるし、渡し竿の作用で干し上がった洗濯物には袖山と肩線に、アイロンを一直線に当てた様な仕上がりになり、従来の様に干し機の形で型崩れすることがないし、図２４の様に重なりあう部分がないので乾きも早い。又、支え棒（２）の働きにより、渡し竿（３）と枠（１）との固定部分の強度を保ち、かつ、風で洗濯物が片寄ったとしても落下することを防ぐので、洗濯バサミの必要がない為にこれの跡も残らない。この考案の干し機の四隅にチェーン等を取り付け、Ｓ字フック等を用いれば、室内でも床上の場所を占める事なく、ハンガー感覚で気軽に使用できる。

【０００６】

【実施例】

以下、本案の実施例について説明する。（１）図１は、コの字型の枠（１）の一方の端に、支え棒（２）を回転する接続機で取り付け、解放された渡し竿（３）の先端を下支えできるように枠のもう片方の端に止める。（２）図５は、支え棒（５）（６）の接続を枠（１）の両方の端に取り付け、中央部でドッキングさせて解放された渡し竿先端を支え、固定する。（３）図６は、四角形の枠（７）の一辺に、渡し竿の解放された端が孤を描くように、もう一方の渡し竿の端を取り付ける。使用時には、渡し竿を持ち上げて袖を通した後、そのまま降ろすと枠が渡し竿を支えるので、同様に袖だたみの状態で干すことができ、洗濯物の落下も防げる。（４）図７は、向かい合う二辺の枠（９）に、二本の挟み型支え棒（８）を取り付けたものである。支え棒を上下に分断し、渡し竿の端を挟めるようにしたもので、渡し竿は解放することも固定する。又、例えば、支え棒に渡し竿を差し込めるようにするなどしても、両端が解放している渡し竿を支え、固定する。この方法は、洗濯物の向きを左右交互に変えられるので、風通しが良くなり、物干し機の左右のバランスも取れる。（５）図８は、一筆書きのように、枠部（１０）と渡し部（１１）の役割を果たす形にしたものだが、これも図７同様の効果がある。（６）図９は、向き合う枠（１２）に、左右交互に渡し竿（３）の向きを変えて取り付ける。支え棒（２）は、どちらの枠（１２）にも取り付ける。これも図７同様の効果がある。（７）図１０は、図９同様向き合う枠（１２）に左右交互に渡し竿（３）の向きを変えて取り付け、支え棒のかわりにかぎ様のもの（１３）などで、解放された渡し竿の先端を支え、固定できるようにしたものである。これも図７同様の効果がある。（８）図１１は、両袖を通した渡し竿の間の竿に、身頃幅以上の長さがありフック下の首部が長い変形ハンガーである「身頃支え用ハンガー」（１４）を掛けたものである。図１８の様な従来のハンガーの幅は約４０ｃｍであるが、婦人用上着の身頃幅でも約６０ｃｍほどあるので、従来のハンガーを用いると身頃が波打ってしまう為に幅広の変形ハンガーが必要となるのである。この組み合わせによってさらに重量を分散させて干せる為、ウール製品など特に型崩れしやすいものに使用するものである。（９）図１３は、ネット（１６）と腕部（１７）とで構成された身頃支え用ネット状ハンガー（１５）との組合せで、腕部（１７）の輪っかのいずれかを、枠（１）に通して使用する。これは、紳士の大物サイズには長く、幼児物には短くと調節ができ、最適な位置を選択できる。又、網上に、胴部身頃全てを受け持つので、渡し竿（３）にかかる力を、より分散でき、衿ぐりから肩山への負担を軽減する。（１０）図１５は、フック部（１８）と、渡し竿部（１９）とを一体化させた袖だたみ式洗濯物干しハンガーである。袖だたみにすると、前後の重さのバランスの中心が中間ではないので、衿ぐりから渡し竿を通す方法では前方に、袖口から通す方法では後方に重心がかかる為に、フック（１８）の位置が変わってくるが、ここでは、衿ぐりから通す方法の袖だたみ式洗濯物干し機を図示した。ハンガーのフック（１８）の首部に取り付けた小フック（２０）に身頃支え用ハンガー又は、身頃支え用ネット状ハンガーを掛けて使えば同様の効果がある。（１１）図１６は、渡し竿の一部に複数の関節を設けて蛇腹状にし、自由に屈曲できるようにしたものである。使用時には、関節の位置に肩山を持ってきて、袖付けの形に合わせて関節を曲げて形づくる。直線の棒状の渡し竿では肩にたるみができてしまうような、袖付けが肩より下がっているものなどに適している。以上の構造のものを、枠の四隅にチェーンなどを付け、Ｓ字フック等を用いてハンガー状態にして使用したり、脚のあるものに取り付けて床から浮かせて使用したり、ベランダ等に引っ掛けられる様にフックを付けたり、挟むことができるようにしたりして使用する。

【０００７】

【考案の効果】

（１）衿ぐりの形を問わないことである。図１８や図２２の様な従来のハンガーでは難しかった、深い衿ぐりのものや前開きのカーディガン、肩紐のもの、割烹着、浴衣、バスローブ等、およそ肩のある上着なら全てのものに使用できる。しかも、洗濯バサミ等の補助具を必要としないので、その跡に悩まされることもない。又、衿ぐりが詰まったものでも、衿ぐりを少しも伸ばすことなく使用できる。（２）衿ぐりと肩だけで支えていた従来のハンガーに比べて、本案は支える範囲が広いために洗濯物へのダメージが少なく、不自然な伸びができることもなく、かつ、袖山が出来上がるのでアイロンの必要がない。（３）図４の様に、半袖なら長袖一枚分の所に二枚干すことができるし、サイズを問わないのでベビー物から紳士キングサイズまで使用できる。その他に大判バスタオルや二つ折りのシーツなどが天気の悪い日でも部屋の中で楽々に干せる。（４）図２１の様に、従来の物干し竿に袖を広げて干した場合と比べると、衿幅分（２１）を差し引けるので二分の一以下という省スペースに、数枚一度に干すことができるので浴衣等を使用する病人や、老人のいる家など洗濯物の多い時に便利である。又、Ｓ字フック等を用いてハンガー式にすれば、使用時の手間もかからない。（５）図２２の様な１０連ハンガーや、図２０の様なピンチハンガー等に水分を含んだ洗濯物を一杯に干すと、かなりの重量になるのだが、それらを洗濯物を掛けたまま移動する際、片手で洗濯物をまとめてたくし上げなければならず、両手はふさがるし、新たなしわの原因にもなり、雨などの急ぎの取り込みに不自由であった。本案は、左手で脇の枠を持ったまま、右手で物干し竿からハンガーの首をはずした後、右手を離し、そのまま左手の枠を半回転させて、二つ折りの状態にすれば脇に抱えられるので、片手の自由が利き、移動も楽で洗濯物の乱れも起きない。（６）図１８の様なハンガーから干した物をはずす際、裾から手を入れてハンガーを抜いたり、図２２の様な１０連ハンガーなどでは、一枚一枚衿ぐりを伸ばさないように気を付けながら外していた。しかし本案は、支え棒（２）を外して枠（１）を傾けるだけで一度に全部滑り落ちるので、従来の物より時間も手間も短縮できる。（７）図２３の様に、両端を枠の中に固定した渡し竿数本で構成された室内用物干し機などに、例えばタオルを掛ける場合、渡し竿と渡し竿の隙間数センチの所へタオルの端を上からめがけて落とすのだが、一度でうまく入らなかったり、隣のタオルがずれて掛け直したりと不便であった。これらは片方が開放された渡し竿では起こらないので、本案は大物でも楽に干すことができる。（８）本案と身頃支え用ハンガー（図１２）または、身頃支え用ネット状ハンガー（図１４）を併用することにより、より広い範囲で洗濯物を支える事ができる為、水分を含むと重くなる厚手トレーナーやデリケートな素材のニット製品など、干す際のダメージが最小限に押さえられる。（９）本案と、身頃支え用ハンガーまたは身頃支え用ネット状ハンガーを併用することにより、洗濯物の裾部分を広げて干せるので、袖だたみ式洗濯物干し機だけの時よりも乾き易い。（１０）肌シャツやＴシャツ等の袖つけ部は、一般に肩に対して垂直であるが、トレーナーやセーター等の袖つけは、肩からやや下がって斜めに付けられている為に、直線の棒状では袖だたみ式で干した時に肩山の部分に弛みが出来てしまう。このような場合に、渡し竿の一部に関節を持たせることにより、上着の肩部の形に沿うように曲げて形づくれるので、より型崩れを防げる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の斜視図である。

【図２】本考案の支え棒部の拡大図である。

【図３】本考案の使用中の斜視図である。

【図４】本考案で半袖を使用中の斜視図である。

【図５】本考案の実施例の斜視図である。

【図６】本考案の実施例の斜視図である。

【図７】本考案の実施例の斜視図である。

【図８】本考案の実施例の平面図である。

【図９】本考案の実施例の斜視図である。

【図１０】本考案の実施例の斜視図である。

【図１１】本考案と身頃支え用ハンガーを併用した使用
例の斜視図である。

【図１２】身頃支え用ハンガーの平面図である。

【図１３】本考案と身頃支え用ネット状ハンガーを併用
した使用例の斜視図である。

【図１４】身頃支え用ネット状ハンガーの斜視図であ
る。

【図１５】本考案の実施例の斜視図である。

【図１６】本考案の実施例の斜視図である。

【図１７】従来のおしめ干し機の斜視図である。

【図１８】従来のハンガー使用例の平面図である。

【図１９】従来の物干し竿使用例の平面図である。

【図２０】従来のピンチハンガー使用例の斜視図であ
る。

【図２１】従来の物干し竿使用例の平面図である。

【図２２】従来の１０連ハンガーの斜視図である。

【図２３】従来の床置き型洗濯物干し機の斜視図であ
る。

【図２４】従来のニット製品専用の床置き型網状物干し
機の使用例の斜視図である。

【符号の説明】

１枠２支え棒３渡し竿４支え棒押さえ爪５右支え棒６左支え棒７四方を囲んだ枠８挟み型支え棒９渡し竿と平行する、二辺の向き合う枠１０枠の働きをする枠部１１渡し竿の働きをする渡し竿部１２渡し竿と接する、二辺の向き合う枠１３支えかぎ１４身頃支え用ハンガー１５身頃支え用ネット状ハンガー１６ネット１７腕部１８フック部１９渡し竿部２０小フック２１襟幅

【手続補正書】

【提出日】平成５年１２月１０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】考案の名称

【補正方法】変更

【補正内容】

【考案の名称】袖だたみ式洗濯物干し機

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項】渡し竿（３）を複数横並びにした洗濯物干
し機において、枠（７）または、枠に接続した支え棒
（２）又は、支えかぎ（１３）により、解放された渡し
竿先端を支え、固定できるようにした袖たたみ式洗濯物
干し機。