JPH0652613B2 - 光ディスクカートリッジ装填機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、光ディスクカートリッジの収納及び駆動を
行う光ディスクライブラリ装置において、装置内に光デ
ィスクカートリッジを装填するための機構に関し、特
に、装填時に光ディスクカートリッジを反転させて装填
することができるようにした装填機構に関する。

［従来の技術］ 第３図に示すように、光ディスクカートリッジ１には、
搬送用フックを掛けるための凹部２と、ディスクの記録
内容を読出す際に開かれるシャッター３（図の矢印はそ
の開閉方向を示す）とが設けられている。

このカートリッジ１を手で持つ際には、構造的に弱いシ
ャツター３の部分を避け、各凹部２の間に部分（図のＡ
の部分）を持たなければならない。その結果、このよう
にして手で持ったカートリッジ１を、第４図に示す光デ
ィスクライブラリ装置４の前面Ｆの上部の装填口４ａか
ら該光ディスクライブラリ装置４内に装填する直前に
は、カートリッジ１の向きは、第４図に示すように、光
ディスクライブラリ装置４の前方からみて凹部２の部分
がシャッター３の部分よりも手前にあるような向きとな
る。

他、光ディスクライブラリ装置４内においてカートリッ
ジ１を搬送機構５により収納ラック６又はドライブ部７
に出し入れするには、カートリッジ１の向きは、凹部２
に搬送機構５のハンドリング用フック（図示せず）を掛
けるため、第４図に示すように、装置前方からみて凹部
２の部分がシャッター３の部分よりも奥方にあるような
向きになっていなければならない。

［解決しようとする課題］ したがって、光ディスクライブラリ装置では、装置に光
ディスクカートリッジを装填する時に、この光ディスク
カートリッジの前後を入れ換えるために装置内で光ディ
スクカートリッジの面に沿った水平方向で１８０゜回転
させてフック掛合できる向きに設定することが必要とな
る。

しかるに、従来はカートリッジ１を回転させるのに適し
た装填機構はない。そこで、ハンドリングアーム等を用
いて向きを反転させる機構を採用することも考えられる
が、それでは機構が大型化し、ハンドリング速度が低下
する欠点がある。

この発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、光ディ
スクカートリッジを回転させてフック掛合のための向き
に設定するのに適した光ディスクカートリッジ装填機構
を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ このような目的を達成するこの発明の光ディスクカート
リッジ装填機構の特徴は、内側に中心部が含まれるよう
なほぼ半円形でこの半円形の欠けた部分に対応する弦の
部分が装置前面側にあるいは一部が切欠かれた円板状で
この切欠かれた境界部分が装置前面側に配置された回転
テーブルであって、この回転テーブルの表面には、ハン
ドリング用のフック掛け部分が弦の部分よりあるいは前
記境界部分より外側に突出する状態で光ディスクカート
リッジを収納する収納部が中心部を含むように設けら
れ、回転テーブルの裏面には、中心部に対応して回転テ
ーブルより小さな径のピニオンが取付けられているカー
トリッジ回転テーブルと、このカートリッジ回転テーブ
ルを回転可能に支持する支持部材と、支持部材を移動可
能に支承して前記表面に平行な一平面内で直線状に移動
させる移動機構と、この移動機構に取付られ、ピニオン
と噛合するラックとを備えていて、カートリッジ回転テ
ーブルが移動機構により直線状に移動する移動行程にお
いて弦の部分あるいは切欠かれた境界部分の最初の向き
と最後の向きが反転するようにピニオンとラックとを設
定しているものである。

［作用］ このように、カートリッジ回転テーブルをその直線移動
させる行程において、ラックとピニオンとを噛合させ
て、カートリッジ回転テーブルの向きを反転するように
しているので、その移動過程で同時に光ディスクカート
リッジの向きを反転させることができ、光ディスクライ
ブラリ装置に対するディスクカートリッジの装填のハン
ドリング処理時間が短縮できる。しかも、カートリッジ
回転テーブルを切欠き円形とすることで、切欠き円形の
弦の部分あるいは切欠かれた境界部分の外側にハンドリ
ング用のフック掛け部分を配置できるので、光ディスク
カートリッジを装填した状態の回転テーブル全体の前後
の幅が小さくできる。そこで、反転するための移動範囲
が少なくなり、移動中において反転する構成であるの
で、回転テーブルの外周面が前記の移動範囲より外側に
突出する量も減少する。

また、回転テーブルにピニオンを取り付けてラックによ
り回転させる構成を採るので、回転機構の厚さが支持部
材より下側に突出するようなこともほとんどなく、厚さ
も制限できる。

その結果、光ディスクライブラリ装置内の光ディスクカ
ートリッジ装填機構の占有スペースを小さくできるの
で、装置全体が小型なものとなる。

［実施例］ 以下、添付図面を参照してこの発明の実施例を詳細に説
明する。

第１図は、この発明に係る装填機構の一実施例を示す図
であり、(a)はその平面図、(b)は光ディスクライブラリ
装置の前方からみた正面図、第２図は、そのターンテー
ブル部分の回転機構の概要説明図である。

この光ディスクカートリッジ装填機構は、第４図に一点
鎖線で示すように、光ディスクライブラリ装置４の挿入
口（第４図の４ａ）に位置して光ディスクカートリッジ
装填機構１６として設けられるものであり、挿入された
光ディスクカートリッジ１は、搬送機構に５に受け取ら
れて、所定の収納ラック６に収納され、或いはドライブ
部７に装填される。

ターンテーブル８は、光ディスクカートリッジ１の前後
を入れ換えるために装置４内に水平に配置されていて、
受け入れた光ディスクカートリッジ１の面に沿って水平
方向で回転する。そして、回転中心線を鉛直方向（図面
と直交する方向）に向けたピニオン９が下面（裏面）の
回転中心部に固定して取付けられていて、かつ、光ディ
スクカートリッジ１を収納するために、光ディスクカー
トリッジの寸法に適合した寸法の凹面８ａがその収納部
として上面に設けられている。

光ディスクカートリッジ１は、凹面８ａに収納されるこ
とにより、ターンテーブル８上に搭載支持される。ター
ンテーブル８は、移動テーブル１０上に、ピニオン９の
回転方向（図の矢印Ｂ方向）に回転可能な状態で搭載支
持されていて、その円周面には、ターンテーブル８の面
に沿った水平面において互いに１８０゜隔たった２箇所
に凹部８ｂ，８ｃが設けられており、移動テーブル１０
において前記円周面に対面する面には、凹部８ｂ又は８
ｃに嵌入するプランジャー１１がばねを介して取付けら
れている。ターンテーブル８は、回動可能であるととも
に、凹部８ｂ又は８ｃにプランジャー１１が嵌入するこ
とにより、移動テーブル１０に対して弱く固定される
（図では、凹部８ｂにプランジャー１１が嵌入した状態
を示している）。

移動テーブル１０は、ガイドテーブル１２に、ピニオン
９の回転中心線に直角な平面（すなわち水平面）上の一
定方向（図の矢印Ｃ方向）に直線移動できるように支持
されている。移動テーブル１０の片側上面には、ラック
１０ａが移動方向である矢印Ｃの方向に平行に固定され
ていて、このラック１０ａに噛合するピニオン１０ｂが
装置のフレーム（図示せず），（或いはガイドテーブル
１２）に枢着されている。そして、モータによりこのピ
ニオン１０ｂが回転駆動されることで、移動テーブル１
０は、ガイドテーブル１２にガイドされて、挿入口４ａ
の位置から搬送機構５の受け渡し位置までの間を進退移
動する。

第１図，第２図に示すように、ガイドテーブル１２にお
いて、移動テーブル１０の直線移動によりターンテーブ
ル８のピニオン９が移動する経路に沿った側面１２ａ
に、ラック１４が取付けられている。このラック１４の
ピニオン噛合部分１４ａの長さは、ピニオン９の円周の
長さの1/2に定められていて、このピニオン噛合部１４
ａの両側には、ピニオン９が噛合しない谷部１４ｂ，１
４ｂが係合案内部として設けられている。

そこで、移動テーブル１０が進退移動したときに、その
途中において、ラック１４とピニオン９の咬み合いによ
り、ターンテーブル８が１８０゜だけ回転（進退に応じ
て正転／逆転）する。その結果として、凹部８ａとして
の光ディスクカートリッジ収納部は、その向きが反転す
る。

この光ディスクカートリッジ装填機構１６における光デ
ィスクカートリッジ１の装填動作の一例を示すと、以下
の通りである。

カートリッジ挿入時点では、ターンテーブル８の凹部８
ｂにプランジャー１１が挿入されていて、これらが係合
した状態となっている。そこで、凹部２の間の部分（第
３図のＡの部分）を手に持った光ディスクカートリッジ
１を、ターンテーブル８の凹面８ａに収納する。このと
き、カートリッジ１の向きは、第２図に示すように、光
ディスクライブラリ装置４の前方からみてハンドリング
用のフック掛け部分である凹部２の部分がシャツター３
の部分よりも手前にあるような向きとなる（第４図参
照）。

続いて、モータによりピニオン１０ｂが回転駆動され、
プランジャー１１が凹部８ｂから外れて、ターンテーブ
ル８が回転し、この回転が移動テーブル１０の直線移動
とともになされる。そして、この移動行程の途中におい
てカートリッジ１がターンテーブル８とともに水平方向
に１８０゜回転し、凹部８ｃにプランジャー１１が挿入
されてターンテーブル８が再び弱く固定される。これに
より、第２図の一点鎖線で示すように、カートリッジ１
が、光ディスクライブラリ装置４の前方からみて凹部２
の部分がシャッター３の部分よりも奥方にあるような向
き（即ち、フック掛合のための向き）に設定される。

この状態で、光ディスクカートリッジ１は、搬送機構５
のハンドリング用のフックによりその収納ケースに装填
される。

なお、ラック１４の谷部１４ｂ，１４ｂが設けられてい
ることにより、移動テーブル１０の移動直後及び停止直
前においての回転が防止され、ターンテーブル８の回転
は、この移動途中で行われることになる。

以上のようにして、簡易かつ安価な構成により、しかも
移動テーブルを僅かな距離だけ移動させるだけで（すな
わち、僅からスペース内において、容易に光ディスクカ
ートリッジを回転させて）フック掛合のための向きに設
定することができる。

このようにして、簡易かつ安価な構成により、容易に光
ディスクカートリッジを回転させてフック掛合のための
向き設定することができる。

以上説明してきたが、ターンテーブルの形状は、中心が
含まれるような形の一部切欠きのある円形であればどの
ようなものでもよい。

実施例では、ターンテーブルを回転させる動作をターン
テーブルの直線移動途中において行っているが、これ
は、移動開始時点で或いは移動終了時点まで行ってもよ
い。このような場合には、ターンテーブルを回転させる
ラックとピニオンとの咬み合いは、移動行程のほぼ全体
に亙って行われる。

［発明の効果］ 以上の通り、この発明に係る装填機構によれば、カート
リッジ回転テーブルをその直線移動させる行程で同時に
ラックとピニオンとを噛合させて、カートリッジ回転テ
ーブルの向きを反転するようにしているので、その移動
過程において、光ディスクカートリッジの向きを反転さ
せることができ、光ディスクライブラリ装置に対するデ
ィスクカートリッジの装填のハンドリング処理時間が短
縮できる。しかも、カートリッジ回転テーブルを切欠き
円形とすることで、切欠き円形の弦の部分あるいは切欠
かれた境界部分の外側にハンドリング用のフック掛け部
分を配置できるので、光ディスクカートリッジを装填し
た状態の回転テーブル全体の前後の幅が小さくできる。
そこで、反転するための移動範囲が少なくなり、移動中
において反転する構成であるので、回転テーブルの外周
面が前記の移動範囲より外側に突出する量も減少する。

また、回転テーブルにピニオンを取り付けてラックによ
り回転させる構成を採るので、回転機構の厚さが支持部
材より下側に突出するようなこともほとんどなく、厚さ
も制限できる。

その結果、光ディスクライブラリ装置内の光ディスクカ
ートリッジ装填機構の占有スペースを小さくできるの
で、装置全体が小型なものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明に係る装填機構の一実施例を示す図
であり、(a)はその平面図、(b)は光ディスクライブラリ
装置の前方からみた正面図、第２図は、そのターンテー
ブル部分の回転機構の概要説明図、第３図は、光ディス
クカートリッジの一例を示す斜視図、第４図は、光ディ
スクライブラリ装置の一例を概略的に示す側断面図であ
る。 １……光ディスクカートリッジ、２……凹部、 ３……シャッター、４……光ディスクライブラリ装置、
４ａ……装填口、５……搬送機構、 ６……収納ラック、７……ドライブ部、 ８……ターンテーブル部、８ａ……凹面、 ８ｂ，８ｃ……凹部、９，１０ｂ……ピニオン、 １０……移動テーブル、１０ａ，１４……ラック、 １１……プランジャー、１２……ガイドテーブル。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内側に中心部が含まれるようなほぼ半円形
   でこの半円形の欠けた部分に対応する弦の部分が装置前
   面側にあるいは一部が切欠かれた円板状でこの切欠かれ
   た境界部分が装置前面側に配置された回転テーブルであ
   って、この回転テーブルの表面には、ハンドリング用の
   フック掛け部分が前記弦の部分よりあるいは前記境界部
   分より外側に突出する状態で光ディスクカートリッジを
   収納する収納部が前記中心部を含むように設けられ、前
   記回転テーブルの裏面には、前記中心部に対応して前記
   回転テーブルより小さな径のピニオンが取付けられてい
   るカートリッジ回転テーブルと、このカートリッジ回転
   テーブルを回転可能に支持する支持部材と、支持部材を
   移動可能に支承して前記表面に平行な一平面内で直線状
   に移動させる移動機構と、この移動機構に取付られ、前
   記ピニオンと噛合するラックとを備え、前記カートリッ
   ジ回転テーブルが前記移動機構により直線状に移動する
   移動行程において前記弦の部分あるいは切欠かれた境界
   部分の最初の向きと最後の向きが反転するように前記ピ
   ニオンと前記ラックとを設定したことを特徴とする光デ
   ィスクカートリッジ装填機構。
2. 【請求項２】ラックには、両端部にピニオンと係合しな
   い谷部が設けられていることを特徴とする請求項１記載
   の光ディスクカートリッジ装填機構。