JPH065254U - 画像再生装置用の動作電圧・水平偏向電流発生回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は動作電圧・水平偏向電流発生回路に
関し、水平方向の糸巻き歪みを効果的に補正することを
目的とする。 【構成】 水平偏向回路にエネルギを供給する供給回路
４は、平滑容量41と、調整トランジスタ42と、直列コイ
ル43を有し、平滑容量と調整トランジスタのコレクタと
の共通接点を低電圧部に接続し、直列コイルの一端を調
整トランジスタのエミッタに、他端を水平偏向コイルと
偏向容量との共通接点に接続し、調整トランジスタのベ
ースを垂直偏向回路に接続してなり、偏向容量は一端が
接地され他端が水平偏向コイルとの共通接点に接続さ
れ、供給回路から水平偏向回路へ供給されるエネルギ
を、垂直偏向回路からの垂直偏向周波数により直列コイ
ルを介して調整することにより、水平方向の糸巻き形歪
みを補正するように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は画像再生装置用の動作電圧及び水平偏向電流発生回路に関し、この発 生回路は、受像管と、実質的に偏向容量と水平偏向コイルにより形成される直列 結合及びこの直列結合と並列に接続される２方向スイッチからなる水平偏向回路 と、この水平偏向回路にエネルギを供給する供給回路と、垂直偏向回路と、及び この受像管の動作に必要な高電圧及び供給回路を動作させる低電圧を供給する電 圧供給源とを備える。

【０００２】

【従来の技術】

テレビジョン受像機に使用される受像管は他の製品においても広く使用されて いる。受像管はテレビ画像に使用されるばかりか、例えば、テレテックス又はビ デオテックス情報システムや、プログラマブル・ビデオゲームにも使用される。 受像管はさらにデータ処理、業務通信システム等におけるグラフ及び文字を表示 するためのモニター及び視覚表示ユニットにも使用される。

【０００３】 このような各種の表示装置において、主として大きな面積を占める単色領域と 、その境界線の鮮明さは、基本的に高い解像度と低フリッカーにより達成するこ とができる。一方、高い解像度と低フリッカーは走査周波数を増大させることに より達成することができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、水平偏向コイルと偏向容量は、エネルギが自由に励振しない共 振回路を形成する。このエネルギは、２方向の電気的スイッチ（サイリスタ、又 は逆方向に並列接続したダイオードを備えたトランジスタ）に左右され、その結 果として、水平周波数鋸歯状波電流が得られる。この共振回路は電気的エネルギ を消費し、この時の損失エネルギはスイッチにより回路に周期的に再提供される 。

【０００５】 受像管を動作するために必要な高電圧は倍電圧回路に設けられた高圧変圧器に より発生される。高圧変圧器は水平走査速度にて動作し、その端部は、水平偏向 回路に並列に接続される。通常、装置を動作させる他方の電圧（低電圧）も高圧 変圧器により発生される。 多くの応用において必要とされる走査周波数の増大は、高圧変圧器の動作周波 数の増大を伴っている。基本的に高周波は高圧変圧器の動作に必要であるが、１ ５〜２０ KHz 付近は避けるべきである。

【０００６】 本考案の目的は、画像再生装置における動作電圧、特に高電圧及び水平偏向電 流を高い走査速度でも有利に発生することができ、その結果、水平方向の糸巻き 歪みを効果的に補正することができる回路を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば、画像再生装置に使用され、受像管と、偏向容量１と水平偏向 コイル２による直列結合１，２及び該直列結合に並列接続された２方向スイッチ ３からなる水平偏向回路１，２，３と、該水平偏向回路にエネルギを供給する供 給回路４と、１次側コイルにスイッチングトランジスタ５２を接続し、２次側コ イルの一方は該受像管を動作させる高電圧を発生する高電圧部５３と他方は回路 用の低電圧を発生する低電圧部５４を有する電圧供給源５と、垂直偏向回路６と を備えた動作電圧・水平偏向電流発生回路において、 該供給回路４は、平滑容量４１と、調整トランジスタ４２と、直列コイル４３ を有し、該平滑容量と該調整トランジスタのコレクタとの共通接点を該低電圧部 に接続し、該直列コイルの一端を該調整トランジスタのエミッタに、他端を該水 平偏向コイルと該偏向容量との共通接点に接続し、調整トランジスタのベースを 該垂直偏向回路に接続してなり、 該偏向容量は一端が接地され他端が該水平偏向コイルとの該共通接点に接続さ れ、 該供給回路から該水平偏向回路へ供給されるエネルギを、該垂直偏向回路から の垂直偏向周波数により該直列コイルを介して調整することにより、水平方向の 糸巻き形歪みを補正することを特徴とする。

【０００８】 一実施例として、該スイッチングトランジスタのベースは電圧調整器８に接続 され、該電圧調整器は高電圧側から供給する電圧が一定となるように、該スイッ チングトランジスタに供給するスイッチング周波数ｆ₁ のパルスのデューティ比 を調整し、かつ低電圧側から供給する電圧が一定となるようにス該イッチング周 波数ｆ₁ を調整するようになっている。

【０００９】 他の実施例として電圧調整器８は、さらに、該スイッチング周波数ｆ₁ が一定 の周波数となるように調整するようになっている。 さらに他の実施例として、該動作電圧・水平偏向電流発生回路はさらに周波数 調整器７を有し、該周波数調整器は、該スイッチング周波数ｆ₁ と水平走査周波 数ｆ₂ が共通基本波の整数倍となるような所定の信号を該電圧調整器８に供給す るようになっている。

【００１０】

【作用】

本考案によれば、水平偏向回路にエネルギを供給するための供給回路は、電圧 供給源の低電圧部に接続されているので、水平偏向回路における損失エネルギは 直流電源の低電圧部に置き換えることができる。また、水平偏向回路と高電圧部 は周波数的に独立させることができる。

【００１１】 本考案の回路はさらに以下の利点がある。即ち、偏向電流は輝度の変化やハム 等と全く無関係となる。この回路は、他の偏向システム及び走査周波数に適合す る場合には非常に融通性を持っている。高電圧及び低電圧は非常に高い走査周波 数では相互に作用しないので、スプリアス輻射は走査周波数により増大しない。 本考案による回路の偏向容量の一方の端子が接地されているとき、他方の端子 、即ち、接地されていない側には、従来に比べて著しく小さいインダクタンスを 有する直列コイル４３介して損失エネルギを供給する。損失エネルギを補償する ための供給回路は、画像形状の補正、特に、水平糸巻き形歪みを補正することが できる。

【００１２】

【実施例】

図１は、本考案による画像再生装置用の動作電圧・水平偏向電流発生回路の一 実施例回路図である。 水平偏向回路は、偏向容量１と、水平偏向コイル２と、トランジスタ及びダイ オードからなる２方向スイッチ３により構成される。偏向容量１と水平偏向コイ ル２は２方向スイッチ３により分路される直列共振回路を構成し、２方向スイッ チ３は、トランジスタとこのトランジスタに図示の如く接続されたダイオードで 構成されている。２方向スイッチ３はトランジスタのベースに受ける水平走査周 波数ｆ₂ の信号により駆動され、その結果、この水平偏向回路は水平走査周波数 ｆ₂ を有する鋸歯状波電流を発生する。そして、水平偏向回路にて消費されるエ ネルギは供給回路４から供給される。供給回路４は、平滑容量４１と、調整トラ ンジスタ４２と、直列コイル４３で構成され、平滑容量４１と調整トランジスタ ４２の共通接点が電圧供給源５の２次側の低電圧部５４に接続される。

【００１３】 電圧供給部５は変圧器５１と、スイッチングトランジスタ５２と、高電圧部５ ３と、低電圧部５４で構成される。低電圧部５４は直流電圧源であり、供給回路 ４の動作電圧を与える。他の動作電圧を得るためにさらに直流電圧源を設けるこ とができる。 垂直偏向回路６は２つの垂直偏向コイル６１を備える。供給回路４の調整トラ ンジスタ４２は、そのベースに画像形状制御回路６２を接続し、垂直偏向回路６ は画像形状制御回路６２と介して調整トランジスタ４２を制御する。この制御に より、画面の水平糸巻き形歪みを容易に補正することができる。

【００１４】 本考案では供給回路４からのエネルギが図示のように偏向容量１の接地されな い側（非接地側）に供給されており、この供給回路４の調整トランジスタ４２が 画像形状制御回路６２により制御されるので、回路的に簡素化されている。そし て、直列コイル４３のインダクタンスは非常に小さいので画像形状回路６２の影 響を受け易く、その結果、画像形状を容易に修正することができる。

【００１５】 スイッチングトランジスタ５２は、電圧調整器８からのスイッチング周波数ｆ ₁ の方形波パルスによって駆動される。この方形波パルスは、２つの量、即ち、 パルス幅（パルスデューティ比）とパルス繰り返し数を有する。従って、例えば 、好ましくは高電圧を含む２つの異なる動作電圧を、互いに無関係に一定に保持 することができる。これらの２つの動作電圧が互いに適切に分離するためには、 例えば、整流ダイオードの極性を互いに逆にしたり、変圧器５１の関連する巻線 を互いに逆方向にしたりすることが必要である。しかし、通常、スイッチングト ランジスタ５２のスイッチング周波数ｆ₁ は予め決められている。従って、１つ の自由度だけが残っており、この自由度は、動作電圧、特に高電圧を一定に保持 するために使用されることになる。

【００１６】 図示の例において、スイッチング周波数ｆ₁ の信号は電圧調整器８から周波数 調整器７に入力され、スイッチング周波数ｆ₁ が周波数調整器７により決定され る。図示のように、低電圧部５４からの信号は、供給回路４に送出されると同時 に電圧調整回路８に入力されており、一方、周波数調整器７の出力も電圧調整器 ８に入力され、これらは切り換えることができる。さらに、高電圧部５３の出力 は受像管に送出されると同時に電圧調整器８に入力される。周波数調整器７には 水平走査周波数ｆ₂ を含む同期信号Ｓが入力される。この水平走査周波数ｆ₂ の 信号は２方向スイッチ３を経て水平偏向回路に送出さる。一方、スイッチング周 波数ｆ₁ の信号は電圧調整器８からスイッチングトランジスタ５２のベースに送 られる。スイッチング周波数ｆ₁ を適切に選択することにより、水平走査周波数 ｆ₂ は基本波の整数倍となるように選択することができる。最も簡単な場合とし て、水平走査周波数ｆ₂ は、図示しない除算器又はＰＬＬ回路を用いることによ り、スイッチング周波数ｆ₁ の整数倍にすることができる。

【００１７】

【考案の効果】 以上説明したように、本考案によれば、画像再生装置における動作電圧、特に 高電圧及び水平偏向電流を、高い走査速度でも有利に発生することができる回路 を提供することができ、その結果、水平方向の糸巻き歪みを効果的に補正するこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による画像再生装置用の動作電圧・水平
偏向電流発生回路の一実施例回路図である。

【符号の説明】

１…偏向容量 ２…水平偏向コイル ３…２方向スイッチ ４…供給回路 ５…電圧供給源 ６…垂直偏向回路 ７…周波数調整器 ８…電圧調整器 ４２…調整トランジスタ ４３…直列コイル ５１…変圧器 ５２…スイッチングトランジスタ ５３…高電圧部 ５４…低電圧部 ６１…垂直偏向コイル ６２…画像形状制御回路 ｆ₁ …スイッチング周波数 ｆ₂ …水平走査周波数 Ｓ…同期信号

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像再生装置に使用され、受像管と、偏
   向容量（１）と水平偏向コイル（２）による直列結合
   （１，２）及び該直列結合に並列接続された２方向スイ
   ッチ（３）からなる水平偏向回路（１，２，３）と、該
   水平偏向回路にエネルギを供給する供給回路（４）と、
   １次側コイルにスイッチングトランジスタ（５２）を接
   続し、２次側コイルの一方は該受像管を動作させる高電
   圧を発生する高電圧部（５３）と他方は回路用の低電圧
   を発生する低電圧部（５４）を有する電圧供給源（５）
   と、垂直偏向回路（６）とを備えた動作電圧・水平偏向
   電流発生回路において、 該供給回路（４）は、平滑容量（４１）と、調整トラン
   ジスタ（４２）と、直列コイル（４３）を有し、該平滑
   容量と該調整トランジスタのコレクタとの共通接点を該
   低電圧部に接続し、該直列コイルの一端を該調整トラン
   ジスタのエミッタに、他端を該水平偏向コイルと該偏向
   容量との共通接点に接続し、該調整トランジスタのベー
   スを該垂直偏向回路に接続してなり、 該偏向容量は一端が接地され他端が該水平偏向コイルと
   の該共通接点に接続され、 該供給回路から該水平偏向回路へ供給されるエネルギ
   を、該垂直偏向回路からの垂直偏向周波数により該直列
   コイルを介して調整することにより、水平方向の糸巻き
   形歪みを補正することを特徴とする動作電圧・水平偏向
   電流発生回路。
2. 【請求項２】 該スイッチングトランジスタのベースは
   電圧調整器（８）に接続され、該電圧調整器は高電圧側
   から供給する電圧が一定となるように、該スイッチング
   トランジスタに供給するスイッチング周波数（ｆ₁ ）の
   パルスのデューティ比を調整し、かつ低電圧側から供給
   する電圧が一定となるようにス該イッチング周波数（ｆ
   ₁ ）を調整するようになっている実用新案登録請求の範
   囲第１項に記載の動作電圧・水平偏向電流発生回路。
3. 【請求項３】 該電圧調整器（８）は、さらに、該スイ
   ッチング周波数（ｆ ₁ ）が一定の周波数となるように調
   整するようにした実用新案登録請求の範囲第２項に記載
   の動作電圧・水平偏向電流発生回路。
4. 【請求項４】 該動作電圧・水平偏向電流発生回路はさ
   らに周波数調整器（７）を有し、該周波数調整器は、該
   スイッチング周波数（ｆ₁ ）と水平走査周波数（ｆ₂ ）
   が共通基本波の整数倍となるような所定の信号を該電圧
   調整器（８）に供給する実用新案登録請求の範囲第３項
   に記載の動作電圧・水平偏向電流発生回路。