JPH0652141B2 - 空気調和機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明はバーナによって加熱される冷媒加熱熱交換器
を備えた空気調和機の改良に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

第１図は室外側，室内側の両熱交換器１，２およびバー
ナ３によって加熱される冷媒加熱熱交換器４を備えた空
気調和機の冷凍サイクルを示すもので、５は圧縮機，６
は四方弁，７はキャピラリチューブ（減圧膨張機構）で
ある。前記圧縮機５の吐出側は四方弁６の第１のポート
に連結されている。さらに、この四方弁６の第２のポー
トには第１の逆止弁８を介して室外側熱交換器１が連結
され、第３のポートには第２の逆止弁９およびアキュム
レータ１０を介して圧縮機５の吸込側が連結され、第４
のポートには室内側熱交換器２が連結されている。ま
た、室外側熱交換器１にはキャピラリィチューブ７およ
び第３の逆止弁１１を介して室内側熱交換器２が連結さ
れている。そして、冷房運転時には第１図中に実線矢印
で示すように圧縮機５から送り出される高圧冷媒が四方
弁６，第１の逆止弁８，室外側熱交換器１、キャピラリ
ィチューブ７，第３の逆止弁１１，室内側熱交換器２，
四方弁６，第２の逆止弁９およびアキュムレータ１０の
順に流れて室外側熱交換器１を凝縮器，室内側熱交換器
２を蒸発器として機能させる冷房回路が形成されるよう
になっている。また、圧縮機５の吐出側と吸込側との間
には二方弁１２を備えた第１のバイパス管１３が連結さ
れている。さらに、前記室内側熱交換器２と第３の逆止
弁１１との間には前記冷媒加熱熱交換器４および回収弁
（開閉弁）１４を備えた第２のバイパス管１５の一端が
連結されている。この第２のバイパス管１５の他端は第
２の逆止弁９とアキュムレータ１０との間に連結されて
いる。そして、暖房運転時には二方弁１２および回収弁
１４がそれぞれ開操作されるとともに、四方弁６が切換
操作され、第１図中に点線矢印で示すように圧縮機５か
ら送り出される高圧冷媒が四方弁６，室内側熱交換器
２，冷媒加熱熱交換器４，回収弁１４およびアキュムレ
ータ１０の順に流れて室内側熱交換器２を凝縮器，冷媒
加熱熱交換器４を蒸発器として機能させる暖房回路が形
成されるようになっている。

一方、前記冷媒加熱熱交換器４内またはその出口には冷
媒温度を検出する温度検出器１６が設けられている。そ
して、暖房運転中はこの温度検出器１６によって検出さ
れる冷媒温度にもとづいてバーナ３の燃料供給管１７に
介挿されている開閉弁１８が開閉操作され、バーナ３の
オン−オフおよび燃焼の強弱等の燃焼状態が切換え制御
されるようになっている。また、前記室外側熱交換器１
とキャピラリィチューブ７との間には第４の逆止弁１９
を備えた第３のバイパス管（連通路）２０の一端が連結
されている。この第３のバイパス管２０の他端は四方弁
６と第１の逆止弁８との間に連結されている。

ところで、上記構成のものにあっては暖房運転中は第２
の逆止弁９および第３の逆止弁１１によって暖房回路内
を循環する冷媒が室外側熱交換器１側に流入することが
止められるようになっている。しかしながら、暖房運転
中は暖房回路側と室外側熱交換器１側との圧力差が大き
くなるので、第２の逆止弁９および第３の逆止弁１１を
介して室外側熱交換器１側に冷媒が漏洩する問題があっ
た。そのため、長時間暖房運転を続けると、暖房回路中
の冷媒量が不足して暖房運転の継続が困難になるおそれ
があった。そこで、従来は室外側熱交換器１側に低圧用
の圧力スイッチを設け、室外側熱交換器１内の圧力が設
定値に達したことが検出された時点で回収弁１４を閉操
作して、冷媒加熱熱交換器４側から圧縮機５の吸込み側
への冷媒の流れを遮断するとともに、室外側熱交換器１
側の冷媒を第３のバイパス管２０，四方弁６，第２の逆
止弁９およびアキュムレータ１０を介して圧縮機５の吸
込側に吸引する冷媒回収運転を行なうことにより室外側
熱交換器１内の冷媒を暖房回路内に回収するようにして
いた。しかし、このような低圧用の圧力スイッチは比較
的高価なものであり、全体のコスト低下を図るうえで問
題があった。

〔発明の目的〕

この発明は高価な圧力スイッチを格別に使用することな
く暖房運転中の冷媒の内部漏洩状態を検出することがで
き、全体のコスト低下を図ることができる空気調和機を
提供することを目的とするものである。

〔発明の概要〕

この発明は圧縮機の吐出側から、四方弁、室外側熱交換
器、減圧膨脹機構、室内側熱交換器、前記四方弁、圧縮
機の吸込み側とが順次接続される冷房回路と、バーナに
よって加熱される冷媒加熱熱交換器の流入側を前記室外
側熱交換器と前記室内側熱交換器との間、流出側を前記
圧縮機の吸込み側にそれぞれ連結して、前記四方弁の切
換え操作にともない前記圧縮機吐出側から、四方弁、室
内側熱交換器、冷媒加熱熱交換器、圧縮機の吸込み側と
が順次接続される暖房回路と、前記冷房回路における室
外側熱交換器の少なくとも流出側に設けられ、暖房運転
時、前記暖房回路内の冷媒が前記室外側熱交換器側に流
入することを阻止する弁と、前記暖房回路の冷媒加熱熱
交換器の流出側に配置され、前記暖房運転時開放し、冷
房運転時および冷媒回収運転時閉止する回収弁と、前記
冷房回路における室外側熱交換器の流出側から前記四方
弁と室外側熱交換器の流入側との間に連結した逆止弁を
備えた連通路と、前記回収弁を閉止した状態で、圧縮機
の吐出側から四方弁、室内側熱交換器、冷媒加熱熱交換
器を連通させるとともに、室外側熱交換器を前記連通
路、四方弁を介して圧縮機の吸込み側に連通させる回路
を構成させた冷媒回収運転用回路と、前記冷媒加熱熱交
換器内またはその出口の冷媒温度にもとづいて前記バー
ナの燃焼状態を制御する燃焼制御手段と、暖房運転中に
所定の時間内に前記バーナの燃焼の状態変化が所定の回
数繰り返される状態を検出する手段と、この繰り返し状
態検出時には、前記冷媒回収運転用回路を動作させ前記
室外側熱交換器内の冷媒を前記連通路を介して前記圧縮
機の吸込み側に回収する冷媒回収運転に切換える運転制
御手段とを具備したものである。

〔発明の実施例〕

第２図および第３図はこの発明の一実施例を示すもので
ある。なお、第２図中で第１図と同一の部分には同一の
符号を付してその説明を省略する。第２図中で、２１は
制御部（制御手段）である。この制御部２１には温度検
出器１６が接続されている。そして、この接続部２１は
暖房運転中に暖房回路側の冷媒が第２の逆止弁９および
第３の逆止弁１１等を介して室外側熱交換器１側に漏洩
して室外側熱交換器１側が所定の圧力以上に達する冷媒
の内部漏洩状態を開閉弁１８の開閉動作にもとづいて検
出し、この内部漏洩状態検出時には回収弁１４を閉状態
に切換え操作するものである。すなわち、例えば第３図
に示すように温度検出器１６によって検出される冷媒温
度が予め設定された上限温度Ｔ₁に達した時点Ａでバー
ナ３がオフ、或いは燃焼が強状態から弱状態に切換えら
れたのち、冷媒温度が下限温度Ｔ₂に達してバーナ３が
再びオン、或いは燃焼状態が弱状態から強状態に切換え
られるバーナ３の燃焼の状態変化動作を開閉弁１８の開
閉動作にもとづいて検出し、冷媒温度が上限温度Ｔ₁に
達した時点Ａから所定時間ｔが経過する時点Ｂまでにバ
ーナ３の燃焼の状態変化動作が所定の回数（Ｎ回）繰り
返された場合に内部漏洩状態を検出するようになってい
る。そして、このように内部漏洩状態が検出された時点
Ｃで回収弁１４が閉じられると室外側熱交換器１内の冷
媒を第３のバイパス管２０，四方弁６，第２の逆止弁９
およびアキュムレータ１０を介して圧縮機５の吸込側に
吸引する冷媒回収運転が行なわれるようになっている。
また、前記制御部２１には冷媒回収運転後、所定の設定
時間内に再び内部漏洩状態が検出された場合に電源をオ
フ操作して運転を停止する機能が設けられている。

なお、出願人が第１図の構成のものを使用して行なった
実験によると、暖房運転中に暖房回路内の冷媒が第２の
逆止弁９および第３の逆止弁１１等を介して室外側熱交
換器１側に漏洩して暖房回路内の冷媒循環量が減少した
場合、冷媒加熱熱交換器４の出口の冷媒温度が急上昇
し、バーナ３のオン−オフ或いは燃焼の強弱が切換えら
れる等の燃焼の状態変化動作が短時間のサイクルで繰り
返し続けられることが確認された。そして、このような
現象が生じるのは暖房運転中に暖房回路内の冷媒が室外
側熱交換器１側に漏洩した状態（内部漏洩状態）または
冷媒が配管外に漏洩した状態（外部漏洩状態）の何れか
であることが確かめられた。したがって、暖房運転中に
所定の設定時間ｔ内におけるバーナ３の燃焼の状態変化
動作がＮ回繰り返されたことを検出することにより冷媒
の内部漏洩状態を検知することができるとともに、冷媒
回収運転後、短時間内に再び内部漏洩状態が検出された
場合には外部漏洩状態または第２，第３の各逆止弁９，
１１および四方弁６の損傷等の異常時であることを検知
することができる。

かくして、上記構成のものにあっては暖房運転中、バー
ナ３の燃焼の状態変化動作にもとづいて制御部２１によ
って冷媒の内部漏洩状態を検出することができるので、
従来のように室外側熱交換器１側に高価な圧力スイッチ
を配設する必要がなく、全体のコスト低下を図ることが
できる。また、制御部２１には冷媒回収運転後、所定の
設定時間内に再び内部漏洩状態が検出された場合に電源
をオフ操作して運転を停止する機能が設けられているの
で、冷媒が配管外に漏洩する外部漏洩状態および第２，
第３の各逆止弁９，１１、四方弁６の損傷等の異常状態
を容易に検知することができ、この異常状態での運転が
長期間継続されることを確実に防止することができる。

なお、この発明は上記実施例に限定されるものではな
く、この発明の要旨を変更しない範囲で種々変形実施で
きることは勿論である。

〔発明の効果〕

この発明によれば、暖房運転中に冷媒加熱熱交換器を加
熱するバーナの燃焼の状態変化が所定の時間内に所定の
回数繰り返される冷媒の内部漏洩状態を検出し、この内
部漏洩状態検出時には室外側熱交換器側に漏洩した冷媒
を暖房回路側に回収する冷媒回収運転に切換える制御手
段を設けたので、室外側熱交換器側に高価な圧力スイッ
チを格別に使用することなく暖房運転中の冷媒の内部漏
洩状態を検出することができ、全体のコスト低下を図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は冷媒加熱熱交換器を備えた空気調和機の冷凍サ
イクルを示す概略構成図、第２図および第３図はこの発
明の一実施例を示すもので、第２図は全体の概略構成
図、第３図は内部漏洩状態時の冷媒加熱熱交換器内また
はその出口の冷媒温度の変化状態を示す特性図である。 １…室外側熱交換器、２…室内側熱交換器、３…バー
ナ、４…冷媒加熱熱交換器、５…圧縮機、６…四方弁、
７…キャピラリチューブ（減圧膨脹機構）、９…第２の
逆止弁、１１…第３の逆止弁、１４…回収弁（開閉
弁）、１６…温度検出器、２０…第３のバイパス管（連
通路）、２１…制御部（制御手段）。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】圧縮機の吐出側から、四方弁、室外側熱交
   換器、減圧膨脹機構、室内側熱交換器、前記四方弁、圧
   縮機の吸込み側とが順次接続される冷房回路と、 バーナによって加熱される冷媒加熱熱交換器の流入側を
   前記室外側熱交換器と前記室内側熱交換器との間、流出
   側を前記圧縮機の吸込み側にそれぞれ連結して、前記四
   方弁の切換え操作にともない前記圧縮機吐出側から、四
   方弁、室内側熱交換器、冷媒加熱熱交換器、圧縮機の吸
   込み側とが順次接続される暖房回路と、 前記冷房回路における室外側熱交換器の少なくとも流出
   側に設けられ、暖房運転時、前記暖房回路内の冷媒が前
   記室外側熱交換器側に流入することを阻止する弁と、 前記暖房回路の冷媒加熱熱交換器の流出側に配置され、
   前記暖房運転時開放し、冷房運転時および冷媒回収運転
   時閉止する回収弁と、 前記冷房回路における室外側熱交換器の流出側から前記
   四方弁と室外側熱交換器の流入側との間に連結した逆止
   弁を備えた連通路と、 前記回収弁を閉止した状態で、圧縮機の吐出側から四方
   弁、室内側熱交換器、冷媒加熱熱交換器を連通させると
   ともに、室外側熱交換器を前記連通路、四方弁を介して
   圧縮機の吸込み側に連通させる回路を構成させた冷媒回
   収運転用回路と、 前記冷媒加熱熱交換器内またはその出口の冷媒温度にも
   とづいて前記バーナの燃焼状態を制御する燃焼制御手段
   と、 暖房運転中に所定の時間内に前記バーナの燃焼の状態変
   化が所定の回数繰り返される状態を検出する手段と、 この繰り返し状態検出時には、前記冷媒回収運転用回路
   を動作させ前記室外側熱交換器内の冷媒を前記連通路を
   介して前記圧縮機の吸込み側に回収する冷媒回収運転に
   切換える運転制御手段とを具備したことを特徴とする空
   気調和機。
2. 【請求項２】運転制御手段は冷媒回収運転後、所定の設
   定時間内に再びバーナの燃焼の状態変化が所定の回数繰
   り返される状態を検出した場合に電源をオフ操作して運
   転を停止する手段を備えたものであることを特徴とする
   特許請求の範囲第（１）項記載の空気調和機。