JPH0651976B2 - 法面保護材およびその製造方法およびその法面保護材を用いた法面保護・緑化工法および法枠工法 - Google Patents

法面保護材およびその製造方法およびその法面保護材を用いた法面保護・緑化工法および法枠工法

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JPH0651976B2
JPH0651976B2 JP20983892A JP20983892A JPH0651976B2 JP H0651976 B2 JPH0651976 B2 JP H0651976B2 JP 20983892 A JP20983892 A JP 20983892A JP 20983892 A JP20983892 A JP 20983892A JP H0651976 B2 JPH0651976 B2 JP H0651976B2
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slope
rope
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sheet material
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宏之 内田
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アースニクス株式会社
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は法面保護・緑化工,現
場打設コンクリート法枠工,更には盛土の強化工などに
用いる法面保護材およびその製造方法およびその法面保
護材を用いた法面保護工法および法枠工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の法面保護工法とそれに用いられる
材料には、 (1) 半円形の孔明き鋼製リングを円形に組み立てたもの
を法面に敷設して互いに連結するもの(商標名ドレンリ
ング)。 (2) 特開昭55−36557号公報記載のエキスパンド
された網目状の軽量型鋼で形成された枠材を組み立てて
枠材を構築するもの(商標名スミテクト)。 (3) 特開昭56−16730号公報記載の展張したとき
連続した四角形の枡目が形成されるネット枠材で法面を
覆うもの。 などが実用されまたは提案されている。
【0003】しかしこれらは何れも保管・運搬時の容積
が大きく、また重量の大きい鋼板の成形材を用いるので
資材の保管・運搬が不便なこと、組み立てる際の施工手
間が大きいことなどの難点があった。
【0004】また、従来の現場打設法枠工法とそれに用
いる材料には、 (1) 特開昭55−59224号公報記載のコンクリート
成形部材を法面で組立てて法枠を構築するプレキャスト
法枠工法。 (2) 変形可能な金網型枠とフープ筋とを法面に配置して
アンカーで固定したのち吹付工でモルタルまたはコンク
リートを打設する工法(商標名フリーフレーム工法)。 (3) 型枠を耐水ダンボールで構成した特公昭57−82
48号公報記載の法枠工法(商標名コアフレーム工
法)。 などが実用されている。
【0005】しかし(1) のプレキャスト法枠工法は、重
量物を扱うので運搬および施工手間が大きくなり、ま
た、(2) および (3)の捨型枠を用いた工法では型枠配設
の簡易化は図られているが、鉄筋を入れるためには別途
の配筋作業を必要とし施工手間が大きくなるといった難
点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記のよう
な問題点を解消するためになされたもので、軽量で施工
前の荷姿の容積が小さく、また施工後は客土の保持機能
が大きく更に吹き付けられたモルタルやコンクリートの
保持力が大であるとともにその補強のための鉄筋として
の機能をも併せ有する法面保護材およびその製造方法、
およびその法面保護材を用いた法面保護・緑化工法およ
び法枠工法を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る法面保護
材は、可撓性と所定の剛性とを有し一定のパターンで複
数の切り目が形成されているテープ状のシート材と、こ
のテープ状のシート材にその切り目と一定の位置関係を
有する波形形状でもって固着されているロープ材とより
なり、当該ロープ材を伸張したとき当該シート材が各切
り目から開いて変形し当該ロープ材の軸線に対して起立
する面を形成するように構成したテープ状の部材を複数
枚重ね合わせ、隣接する2つのロープ材をそれぞれ一定
間隔でもって、かつ、一方の側と他方の側とを交互に連
結してなり、展張したとき連続した枡目を形成するよう
にネット状に連結した法面保護材である。
【0008】またこのネット状の法面保護材は、主とし
て法面保護工に使用する軽荷重用のものと、コンクリー
ト法枠の構築などに用いる重荷重用のものとがあり、前
者はテープ状のシート材に編布,織布,不織布,紙また
はこれらに合成樹脂を含浸するか合成樹脂フィルムをラ
ミネートしたもの、合成樹脂シート、または合成樹脂ネ
ット材を用い、ロープ材に木綿,麻などの天然繊維,ビ
ニロン,ナイロンなどの合成樹脂製またはこれらを混紡
したロープを用いたもので、可撓性に富み法面の不陸に
よく沿いうるものである。
【0009】また、後者はテープ状のシート材に鋼製の
ネット材,ラス金網またはこれらを合成樹脂で被覆した
ものなど伸張後は一定の形状を保持する剛性を有するも
のを用い、ロープ材に針金,ワイヤーロープ,金属チェ
ーンまたはこれらを合成樹脂で被覆したもの、または炭
素繊維ロープなどの高張力部材を用いたものである。
【0010】また、この発明に係るネット状の法面保護
材の製造方法は、テープ状のシート材に一定の波形形状
でもってロープ材が固着されている複数条のテープ状の
部材を所定の間隔を保って重ねる状態で保持しながら等
ピッチで一方の方向に逐次搬送してゆくとともに、その
搬送途中において、各テープ状の部材のロープ材をまず
一方の隣接する側の部材のロープ材と固着するととも
に、1/2ピッチ離れた位置で他方の隣接する側の部材
のロープ材と固着するという固着工程を、1ピッチ搬送
するたびに逐次施してネット状に連結する法面保護材の
製造方法であって、テープ状のシート材とロープ材の固
着手段およびロープ材相互の固着手段は、両者の材質に
応じて適当な手段が選定される。
【0011】また、この発明に係る法面保護・緑化工法
は、ネット状の法面保護材を法面上に展張してアンカー
で固定し、ついでその展張したネット状の法面保護材お
よび法面全面を吹付工によりモルタルまたはコンクリー
トで覆うか、または客土して植生工を施すものである。
【0012】また、この発明に係る法枠工法は、ネット
状の法面保護材を法面上に展張してアンカーで固定した
のち、ネット状の法面保護材をモルタルまたはコンクリ
ートでつつみ込む吹付工または塗布工を施して法枠を構
築するようにした法枠工であって、ネット状の法面保護
材には構築するコンクリート法枠の大きさに応じた寸法
および強度を有するシート材とロープ材とで構成したも
のを使用する。またモルタルまたはコンクリート吹付工
または塗布工は複数回にわけて行う。
【0013】
【作用】この発明に係るネット状の法面保護材は、各ロ
ープ材の一端をアンカーに固定し、他端を引いて展張す
ると、テープ状のシート材に形成されている各切目の終
点(ロープ材の波形の各頂点)が直線上に位置するよう
に変形させる力がシート材に加わり、これに従って切り
目が開いてシート材がわん曲し、ロープ材に対して起立
する面(以下、「起立面」という)がシート材の各切り
目と切り目の間の部分で形成される。
【0014】このように変形したシート材は、客土され
た土壌や吹付けられたモルタルを主としてその起立面で
支承してその重量をロープ材に伝え、ロープ材がその重
量を支えるというメカニズムでネット状の法面保護材に
要求される2つの機能を分担する。従ってシート材は、
切り目から次の切り目までの間の客土等を保持するに足
る強さと、客土や吹付工を施す際に容易には倒れないだ
けの剛性とがあれば足り、一方ロープ材はシート材を介
して加わる客土やモルタルの重量を支承する引張り強さ
があれば足り、それぞれ要求される機能に適した素材を
用いることができるので、全体として軽量かつ展張前は
平板状であって荷姿の小さいものとなる。
【0015】また、この発明に係る法面保護材の製造方
法によれば、リボン状のシート材に波形の形状でもって
ロープ材が固着されている部材を複数条重ねた状態でも
って一方向に搬送しながら各ロープ材をネット状に固着
するので、連続的にネット状の法面保護材を製造でき
る。
【0016】なお、複数条のテープ状の部材を所定の間
隔を保って重ねた状態で搬送するのは、固着装置を各テ
ープ状の部材の間に挿入する必要があるからであって、
固着手段はシート材とロープ材の材質に適合する手段が
選定される。
【0017】また、この発明に係る法面保護・緑化工法
は、ネット状の法面保護材の各ロープ材の一端を法面の
天端または側端に打設したアンカーに固定し、長さが不
足するときにはロープ材を結束してネット状の法面保護
材を継ぎ足し、各ロープ材の他端を引っ張って真直ぐに
なるまで伸張して法面の下端または他端に打設したアン
カーに固定する。このロープ材の伸張によりシート材は
切り目の部分で起立面を形成する。この場合、法面に突
出物による不陸が存在する場合にはこれに当接するシー
ト材が座屈して法面に沿い、また不陸部分が凹部である
場合にはシート材は起立しているので凹部をカバーする
ように機能する。このようなネット状の法面保護材の敷
設作業を法面全面にわたって施す。法面に客土を要しな
い場合は以上で法面保護工が終了し、ネット状の法面保
護材は法面から崩落または流失しようとする土壌を受け
止めてこれを保持する作用を奏する。
【0018】法面に客土するときは、ネット状の法面保
護材を敷設したのち土壌を撒き出すなどの方法でシート
材がほぼ埋められるまで客土する。シート材は起立面で
土壌を受け止め、ロープ材はシート材を介してその重量
を支承する。ネット状の法面保護材を交叉する向に二重
に敷設すると客土の保持機能が増大する。ネット状の法
面保護材を法面に敷設して客土したのちまたは客土の際
緑化工を施せば法面の緑化まで土壌の流出が防止でき
る。
【0019】また、ネット状の法面保護材を敷設した法
面全面にモルタルまたはコンクリートを吹きつけて覆っ
たときは、ネット状の法面保護材はモルタルをシート材
を介し広い面でモルタル等と固着してこれを保持するの
でモルタル等の保持がより強固なものとなる。
【0020】また、この発明に係る法枠工法は、法面に
展張されてアンカーによって固定されたネット状の法面
保護材を、モルタルまたはコンクリートでつつみ込んだ
状態で法枠が形成されるので、リボン状のシート材は、
モルタル等の吹付時には広い面で受けとめる型枠とし
て、また構築後は横筋として機能し、ロープ材はコンク
リートの重量を支える縦筋として機能する。ロープ材は
上端から下端まで通っているので強固であり、またシー
ト材によって法面から一定の高さに支承されておりコン
クリートによって完全に巻かれるので腐食のおそれが少
ない。
【0021】本工法は鉄筋となる土工事用材料の法面へ
の敷設が従来の工法に比べて簡易であり、コンクリート
打設(モルタル等の吹付工)の手間は変わらない。ま
た、酸性土壌である法面では、法面保護材の防銹のた
め、合成樹脂を被覆したもの、または腐食のおそれのな
い材料を用いた法面保護材を使用し、また法面保護材を
段に重ねて敷設すれば、高さの高い法枠の構築も可能で
ある。
【0022】
【実施例】
実施例1.図1はこの発明に係るネット状の法面保護材
の一実施例を示す図で、図1(A)は平面図、図1
(B)はその構成要素であるテープ状の部材の平面図、
図1(C)はこのテープ状の部材を伸張したときのシー
ト材の変形態様を示す平面図である。
【0023】まず、テープ状の部材6iの構成を図1
(B)について説明する。シート材1は例えば幅10〜
20cm、長さ10〜50mの厚手の不織布で構成され、
ロープ材4を構成するビニロンロープが三角波形状にそ
の頂部5で接着または縫い付けられて固着されている。
シート材1にはロープ材4の三角波形の底辺側の縁端か
らその波形の頂部5の近傍にいたる切り目2が左右両縁
端から内方に向かって交互に形成されている。またシー
ト材1の両側縁端には合成樹脂を含浸させるかまたは補
強材を接着または縫付けられた補強部1aが形成されて
おり、縁端の剛性が大きくなるように構成されている。
【0024】シート材1には、上記実施例1,2の外、
編布,織布,不織布,紙,またはこれらに合成樹脂を含
浸させて耐水性と剛性を大きくしたもの、また同様の目
的で合成樹脂フィルムをラミネートしたもの、合成樹脂
シート、または合成樹脂ネット材を用い、これと綿また
は麻などの天然繊維またはビニロン,ナイロンなどの合
成樹脂製のロープ、またはこれらの混紡ロープまたは合
成樹脂製のチェーンなどと組合わせたものが法面保護・
緑化工用に好適である。
【0025】また、重荷重用の法面保護材としては、シ
ート材1にコンクリートとの密着性のよいメッシュ鋼
板,ラス金網などの鋼製ネット材またはこれらを合成樹
脂で被覆したものを用い、ロープ材2には、鋼線,ワイ
ヤーロープ,鋼製の鎖またはこれらを合成樹脂で被覆し
たもの、炭素繊維製のロープなどの高張力部材を用いた
ものが好適である。
【0026】なお、シート材とロープ材との固着手段
は、使用する両者の材質に応じて、縫い付け、編み込
み、接着、溶着、締結部材を用いた締結などが含まれ
る。
【0027】図1(A)は上記図1(B)に示したテー
プ状の部材6iの各ロープ材4を適宜間隔でネット状に
結合したもので、ロープ材4を伸張するとともに図にお
いて横方向に展張したとき四角形の枡目が連続的に形成
されるネット状の法面保護材6を示している。この実施
例1は図1(B)に示したテープ状の部材6iを複数枚
重ね合わせて各部材例えば6bのロープ材4を隣接する
両側の部材6a,6cの各ロープ材4に左右交互に、か
つそれぞれ一定の間隔でもって固着したもので、固着手
段は例えばC字形に形成した締結部材による巻締めによ
り2本のロープ材4を強固に連結する。図中の7は連結
部を示す。
【0028】このように構成されたネット状の法面保護
材6の各ロープ材4の一端をアンカーに固定し、他端を
引っぱって真っ直ぐになるように伸張すると、各テープ
状の部材6iのシート材1は切り目2から開いて図1
(B)に示したように固着部5の近傍がわん曲する変形
を生じ、これに伴って補強部1aがロープ材4の軸線に
対して起立し、これにつづくシート材1の切り目と切り
目の間の部分が起立面1cとなる。補強部1aはこの起
立面1cの剛性を大きくし、客土された土壌等の重量に
耐える強さを高める作用を奏するが、シート材1自体が
十分な剛性を有するものであるときは必ずしも必要では
ない。
【0029】実施例2.つぎに、この発明に係るネット
状の法面保護材の製造方法の一実施例を図2および図3
により説明する。
【0030】まず、テープ状の部材6iの製造方法の一
実施例を図2により説明する。図2はテープ状の部材6
iの製造工程を説明するための平面図で、シート材1に
幅Wのメッシュ鋼板を、ロープ材4に鋼線を用いた例を
示す。まずロープ材4の始端を所定長残してシート材1
の一端5aで図示していない溶接装置により溶着する。
つぎにロープ材4をシフト部材8で挟持して矢印B’方
向に左方の定位置(最左端のシフト部材のみ破線で図
示)までW/4シフトさせるとともにシート材1を始端
から1/2ピッチ矢印A方向に送り出し、同時に図示し
ていない溶接装置を左方にW/4シフトさせて固着点5
bでシート材1とロープ材4とを溶着する。
【0031】つぎにシート材1を1ピッチ矢印方向に送
出し、シフト部材8を矢印B方向に定位置(実線で図示
した位置)までW/2シフトさせ、同時に溶接装置もW
/2右方にシフトさせて固着点5cで溶着するという手
順を繰り返してシート材1にロープ材4を三角波状に逐
次溶着してゆく。
【0032】つぎにシート材1が矢印A方向にある位置
まで送られるとスリッタ9により幅Wで裁断し始め、つ
いで図示していないスリッタにより切り目2を逐次形成
してゆく。
【0033】このようにして一枚のシート材1へのロー
プ材4の溶着が終わるとシート材1をひきつづいて供給
してゆき、所望の長さとなったときロープ材4の終端を
所定長残して切断し、この例では4枚のテープ状の部材
6iが得られる。
【0034】図3は、このようにして得たテープ状の部
材6iをネット状の法面保護材6に形成する工程を示す
平面図で、この実施例は8条のテープ状の部材6a〜6
hを接合する例を示しており、テープ状の部材6a〜6
hは、シート材1を鋼製ネット材でロープ材4を鋼線で
構成されており、図の左方においては適宜間隔を保ち、
図の右方ではガイドローラ13により重ね合わされた状
態に畳まれるように図示していない搬送装置により保持
されて、一定のピッチで逐次矢印A方向に搬送される。
固着手段である第1,第2の溶接装置10,11はそれ
ぞれ搬送経路途中に1/2(送り)ピッチの間隔を保っ
て配設されている。
【0035】第1の溶接装置10の溶接電極10a,1
0bは開閉するように構成されており、テープ状の部材
6a〜6hが1ピッチ矢印A方向に搬送されるたびにテ
ープ状の部材6aと6b,6cと6d,─6gと6hの
各ロープ材をそれぞれ溶接して固着する。第2の溶接装
置11の溶接電極11a,11bは、開閉するとともに
紙面と垂直の方向に上下するように駆動され、同じく上
下方向に開閉する開閉部材12は、第1の溶接装置10
を経た各テープ状の部材6bと6c,〜6fと6gとが
相接するように各テープ状の部材を変位させ、この広げ
られた間に第2の溶接装置11の各電極11a,11b
が挿入されて第1の溶接装置10による溶接点と1/2
ピッチ離れた点を溶接するよう作動する。
【0036】このような溶接作業を各テープ状の部材6
a〜6hを1ピッチずつ矢印A方向に送出するたびに行
うことにより8条のテープ状の部材6a〜6hを、逐次
ネット状に連結してゆくことができる。
【0037】上記実施例ではテープ状の部材を鋼製ネッ
ト材と鋼線とで構成した例を示したがこの例に限られる
ものではなく、またロープ材の固着手段も、ロープ材の
材質に適合する方法が適用されることはいうまでもない
が、汎用性に富む固着手段としては、例えば鋼板製のC
字形に形成された締結部材で2本のロープ材を巻締めて
固着する方法が挙げられる。
【0038】また、図2に示したテープ状の部材の製造
工程につづいて施工することにより一連の工程で素材か
らネット状の法面保護材を製造することができ生産効率
が向上する。
【0039】実施例3.つぎに、この発明に係る法面保
護・緑化工法の一実施例について説明する。図4はこの
実施例の平面図で、法面にネット状の法面保護材6を展
張してアンカーで固定した状態を示している。
【0040】このようなネット状の法面保護材6の敷設
手順は、まず法面の天端と下端および側端にそれぞれ所
定間隔でアンカー14を打設する。つぎに、ネット状の
法面保護材6の各ロープ材4の一端を法面の天端または
側端に打設したアンカーに固定し、長さが不足するとき
にはロープ材4を結束してネット状の法面保護材6を継
ぎ足し、ロープ材4の他端を引っ張って真直ぐになるま
で伸張して法面の下端または他端に打設したアンカーに
固定する。
【0041】このロープ材4の伸張によりシート材1は
切り目2の部分で起立面1cを形成する。この場合、法
面に突出物による不陸が存在する場合にはこれに当接す
るシート材1が座屈して法面に沿い、また不陸部分が凹
部である場合にはシート材1は起立しているので凹部を
カバーするように機能する。このようなネット状の法面
保護材6の敷設作業を法面全面にわたって施す。法面に
客土を要しない場合は以上で法面保護工が終了し、ネッ
ト状の法面保護材6は法面から崩落または流失しようと
する土壌を受け止めてこれを保持する作用を奏する。
【0042】法面に客土するときは、ネット状の法面保
護材6を敷設したのち、土壌を撒き出すなどの方法でネ
ット状の法面保護材6がほぼ埋められるまで客土し、転
圧して客土工を終了する。シート材1は起立面1cで土
壌を受け止め、ロープ材4はシート材1を介してその重
量を支承する。ネット状の法面保護材6を交叉する向に
二重に敷設すると客土の保持機能が増大する。ネット状
の法面保護材6を法面に敷設して客土したのちまたは客
土の際緑化工を施せば法面の緑化まで土壌の流出が防止
できる。
【0043】また、ネット状の法面保護材6を敷設した
法面全面にモルタルまたはコンクリートを吹きつけて覆
ったときは、ネット状の法面保護材6はモルタルをシー
ト材1を介して広い面でモルタル等と固着してこれを保
持するのでモルタル等の保持がより強固なものとなる。
【0044】実施例4.つぎに、この発明に係る法枠工
法の一実施例について説明する。シート材1に幅10〜
20cm、厚さ1〜2mmのメッシュ鋼板を用い、ロープ材
4に径6〜8mmφの鋼線を用いた図1(A)に示したネ
ット状の法面保護材6を法面上に敷設して法面全面に四
角形の枡目を形成する。この場合、ネット状の法面保護
材6は強剛であるからウインチなどを用いて展張する。
【0045】展張されたネット状の法面保護材6のシー
ト材1は塑性変形を生じ、自立性を有するものとなる。
つぎに各枡目の交叉点を図4に示すようにアンカー14
によって法面に強固に固定する。ついでモルタルまたは
コンクリート吹付工を複数回適当な時間間隔でもって施
し、ネット状の法面保護材6をモルタルまたはコンクリ
ートで包み込み、要すればコテ仕上げを施す。
【0046】図5はこのようにして構築した法枠の一部
分を示す一部破断斜視図で、15はコンクリート法枠で
ある。
【0047】
【発明の効果】この発明に係るネット状の法面保護材
は、法面上に展張したときシート材で形成する起立面で
客土等を支承し、またモルタル等を保持し、ロープ材は
シート材を介してこれらの重量を支承する。従ってシー
ト材とロープ材は客土等を保持する機能と、客土等の重
さを支承する引張強さを分担し、それぞれの機能に適し
た部材を選んで組合わせることができるので、軽量で機
能の優れたネット状の法面保護材とすることができると
ともに、施工前は平板状であって荷姿の容積が小さいの
で、保管・運搬に便利であり、かつ施工が簡易になる利
点がある。
【0048】また、この発明に係る法面保護材の製造方
法によれば、ネット状の法面保護材を一工程で製造でき
るので、生産性が向上する効果がある。また、図2に示
したテープ状の部材の製造工程につづいて施工するよう
にすれば、一連の工程で素材からネット状の法面保護材
を製造することができ、更に生産性が向上する。
【0049】また、この発明に係る法面保護・緑化工法
によれば、法面上を展張したネット状の法面保護材で覆
い、客土された土壌をシート材の起立面で保持するので
土壌の流出を効果的に防止できる。また、法面上にモル
タルやコンクリートが吹付けられたときは、このモルタ
ルやコンクリートでネット状の法面保護材が覆われて一
体となり、補強筋として作用するので、強固な保護面を
形成することができる。
【0050】また、この発明に係る法枠工法によれば、
法枠の鉄筋となる部材および型枠となる部材をシート材
とロープ材で構成されたネット状の法面保護材で構成し
たので、法面への型枠と鉄筋の配設手間が不要となり、
モルタルまたはコンクリート吹付工の手間は変わらない
ので全体として施工が簡易となる効果がある。
【0051】また、ネット状の法面保護材は、広い面を
有するシート材が横筋となってモルタルまたはコンクリ
ートを強固に保持し、ロープ材はこれらの重量を支承す
る縦筋として機能する合理的な構造となるほか、ロープ
材はシート材に支承されて法面から離れた位置でモルタ
ルまたはコンクリートで巻かれるので腐食のおそれが少
ないなどの効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るネット状の法面保護材の一実施
例を示す図である。
【図2】この発明に係るネット状の法面保護材を構成す
るリボン状の部材の製造方法の一例を説明するための図
である。
【図3】この発明に係るネット状の法面保護材の製造方
法の一実施例を説明するための図である。
【図4】この発明に係る法面保護・緑化工法の一実施例
を示す平面図である。
【図5】この発明に係る法枠工法の一実施例によって構
築された法枠の一部分を破断して示した斜視図である。
【符号の説明】
1 シート材 2 切り目 4 ロープ材 5 固着部 6a〜6i テープ状の部材 6 ネット状の法面保護材 7 連結部材 8 シフト部材 9 スリッタ 10 第1の溶接装置 11 第2の溶接装置 12 広げ部材 13 ガイドローラ 14 アンカー 15 コンクリート法枠

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性と所定の剛性とを有するテープ状
    のシート材にロープ材がその長手方向に延在する波形形
    状でもって固着されており、かつ、上記テープ状のシー
    ト材には上記ロープ材が画く波形の各底辺側の縁端から
    当該波形の頂部の近傍に達する切り目が左右交互にそれ
    ぞれ形成されてなる複数枚の部材をそのロープ材の部分
    でネット状に連結してなる法面保護材。
  2. 【請求項2】 テープ状のシート材に一定の波形形状で
    もってロープ材が固着されている部材を複数枚所定の間
    隔を保って重ねた状態で保持しながら等ピッチで一方向
    に逐次搬送してゆくとともにその搬送途中において各部
    材のロープ材を一方の隣接する側の部材のロープ材と固
    着するとともに1/2ピッチ離れた位置で他方の隣接す
    る側の部材のロープ材と固着する工程を1ピッチ搬送す
    るたびに逐次施してネット状に連結する工程を含む法面
    保護材の製造方法。
  3. 【請求項3】 可撓性と所定の剛性とを有するテープ状
    のシート材にロープ材がその長手方向に延在する波形形
    状でもって固着されており、かつ、上記テープ状のシー
    ト材には上記ロープ材が画く波形の各底辺側の縁端から
    当該波形の頂部の近傍に達する切り目が左右交互にそれ
    ぞれ形成されてなる複数枚の部材をそのロープ材の部分
    でネット状に連結してなる法面保護材を展張して法面上
    に敷設してアンカーで固定し、ついで該敷設せる法面保
    護材および法面全面を吹付工によりモルタルまたはコン
    クリートで覆うかまたは客土して植生工を施すようにし
    た法面保護・緑化工法。
  4. 【請求項4】 可撓性と所定の剛性とを有するテープ状
    のシート材にロープ材がその長手方向に延在する波形形
    状でもって固着されており、かつ、上記テープ状のシー
    ト材には上記ロープ材が画く波形の各底辺側の縁端から
    当該波形の頂部の近傍に達する切り目が左右交互にそれ
    ぞれ形成されてなる複数枚の部材をそのロープ材の部分
    でネット状に連結してなる法面保護材を展張して法面上
    に敷設し、各法面保護材の交叉部または連結部分をアン
    カーで法面に固定したのち当該法面保護材をモルタルま
    たはコンクリートでつつみ込む吹付工または塗布工を施
    して法枠を構築するようにした法枠工法。
JP20983892A 1992-07-13 1992-07-13 法面保護材およびその製造方法およびその法面保護材を用いた法面保護・緑化工法および法枠工法 Expired - Lifetime JPH0651976B2 (ja)

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