JPH0651821B2 - 含油ポリアセタール樹脂組成物およびその製造法 - Google Patents

含油ポリアセタール樹脂組成物およびその製造法

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JPH0651821B2
JPH0651821B2 JP2372288A JP2372288A JPH0651821B2 JP H0651821 B2 JPH0651821 B2 JP H0651821B2 JP 2372288 A JP2372288 A JP 2372288A JP 2372288 A JP2372288 A JP 2372288A JP H0651821 B2 JPH0651821 B2 JP H0651821B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、優れた摩擦・摩耗特性を有する摺動用の含油
ポリアセタール樹脂組成物とその製造法に関し、さらに
詳しくは、成形加工時の安定性、摩擦・摩耗特性、成形
品の表面肌のいずれにも優れたポリアセタール樹脂組成
物とその製造法に関する。また、本発明は、多量の潤滑
油を安定して添加含有せしめ、かつ射出成形時の喰い込
み性に優れたポリアセタール樹脂組成物とその製造法に
関する。
[従来の技術] ポリアセタール樹脂(以下「POM」と略称する)は、
大量生産が可能で安価な熱可塑性樹脂であり、しかも機
械的強度に優れているため、従来金属材料が使用されて
いた分野である軸受、歯車など各種機構部品用の成形材
料として使用されている。
ところで、POMの耐摩耗性は、比較的穏やかな摺動条
件下では十分その用をなすが、高速、高荷重といった過
酷な条件下では、溶融焼付による急激な摩擦係数の増
大、摩耗の進行が起こり使用に耐えなくなる。
そこで、POMを軸受、ギア、カム、スライダーといっ
た摺動部品に用いる場合、耐摩擦・摩耗特性を向上させ
るために、潤滑油を添加する方法が知られている。
例えば、特公昭52−9466号公報および特公昭52
−3821号公報には、POMに潤滑油と同時に各々硫
酸バリウムまたは活性炭を添加し、これら無機の粉末を
潤滑油の保持材として用いることにより、混練時の潤滑
油の分離を防ぐ方法が示されている。しかし、これらの
方法によると、成形後も潤滑油は無機粉末に吸着された
ままであり、摺動界面に潤滑油が浸出しにくく、十分な
潤滑効果が得られないという問題があった。
特公昭47−29374号公報には、平均分子量50万
以上の超高分子量ポリエチレンを油保持剤として、ま
た、特公昭52−28131号公報には、数平均分子量
1万〜50万のポリエチレンを油保持剤として用いる方
法がそれぞれ示されており、これらの方法によると比較
的多量の潤滑油を安定してPOMに添加することがで
き、その潤滑効果も優れているが、POMとポリエチレ
ンとの相溶性が低く、組成物の成形肌にアバタ、マダラ
模様等が生じやすいという問題があった。
また、特公昭53−11018号公報には、油保持剤と
して基本樹脂より低い流れ温度を有し、かつ基本樹脂の
流れ温度より高温で油を溶解または吸収する熱可塑性樹
脂を用いる方法が示されているが、ポリ塩化ビニル樹脂
をPOMに添加すると溶融混練時POMの熱分解を起こ
すことから、POMを基体樹脂とする場合には油保持剤
としてポリ塩化ビニル樹脂を用いることができないとい
う問題があった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、従来技術の有する前記問題点を解決
し、安定した成形加工性、優れた潤滑効果、良好な成形
肌を有し、かつPOM本来の強度特性を損なわない含油
ポリアセタール樹脂組成物を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、多量のエステル油をPOMに
含有せしめて、摩擦・摩耗特性の向上した含油ポリアセ
タール樹脂組成物を得ることにある。
本発明の他の目的は、射出成形時の可塑化時間の増大を
抑制し、かつ射出成形時のスクリューへの材料の喰い込
み性を改善することにより、短縮した成形サイクルが可
能で、量産性に優れたPOM摺動材料の製造法を提供す
ることにある。
本発明者らは、従来技術の有する問題点を解決するため
に鋭意研究した結果、本来、POMの加工温度で加熱分
解を引き起こすために添加することができないとされて
いたポリ塩化ビニル樹脂(PVC)を油保持材として、
特定の安定剤とともにPOMに添加することにより、5
〜15重量%という多量のエステル油を安定に添加する
ことが可能で、かつ、良好な成形肌の摺動材が得られる
ことを見い出した。
さらに、本発明者らは、予めPVCに多量のエステル油
を添加し、加熱混練によってPVCを膨潤させてゲル状
物を作成し、このものをオイルマスターバッチとしてさ
らにPOMに添加・混練りを行なって均一分散させるこ
とにより、多量の潤滑油を安定して添加含有せしめると
ともに、射出成形時の喰い込み性をさらに改良し得るこ
とを見い出した。
本発明者らは、これらの知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明の要旨は、ポリアセタール樹脂に、全
樹脂組成物に対し、ポリ塩化ビニル樹脂を1〜5重量
%、エステル油を5〜15重量%、芳香族アミン化合物
を0.1〜0.5重量%、ポリ塩化ビニル樹脂の安定剤
を0.01〜0.15重量%の各添加割合で均一分散し
てなることを特徴とする含油ポリアセタール樹脂組成
物、にある。
また、予めポリ塩化ビニル樹脂に多量のエステル油を添
加し、加熱混練によって膨潤させゲル状物とした後、該
ゲル状物をポリアセタール樹脂に均一分散させることに
より、上記目的をより効果的に達成することができる。
本発明の構成を採用することにより、PVCを油保持材
として多量のエステル油を安定してPOMに添加するこ
とが可能となり、かつ成形加工時の安定性、摩擦・摩耗
特性、成形品の表面肌のいずれにも優れた含油ポリアセ
タール樹脂組成物を得ることができる。
また、前記ゲル状物を用いれば、短縮した成形サイクル
で優れた摩擦・磨耗特性を有する摺動用の含油ポリアセ
タール樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明の構成要素について詳述する。
(ポリアセタール樹脂) 本発明で使用するポリアセタール樹脂(POM)として
は、例えば、分子量約5万のトリオキサンとエチレンオ
キサイドとのコポリマーで、ポリプラスチック社から商
品名[ジュラコン」として販売されているもの、あるい
は分子量5〜7万のホルムアルデヒドのホモポリマー
で、例えば市販のジュポン社の「デルリン」などを挙げ
ることができる。
このように、本発明で使用するPOMとは、ポリオキシ
メチレンホモポリマーあるいはポリアセタールコポリマ
ーであり、広く市販のPOMの中から選定して用いるこ
とが出来る。
また、POMに補強剤、固体潤滑剤等を添加したものを
使用することができる。
(ポリ塩化ビニル樹脂) 本発明では、油保持剤としてポリ塩化ビニル樹脂(以下
「PVC」と略称する)を使用する。
本発明で用いるポリ塩化ビニル樹脂(PVC)として
は、懸濁重合法あるいは乳化重合法で得られるストレー
トPVCあるいはPVCコポリマー等があり、その形状
には特に限定はなく、ペレット状、パウダー状、あるい
はフレーク状のいずれでも良いが、混合性の高いパウダ
ー状のものが作業性および均一分散性の点からみて望ま
しい。また、PVCの重合度は使用するPOMの溶融流
動性に合わせて適宜選定することができ、中でも数平均
分子量400〜2,800の範囲のものが好適に使用す
ることができる。例えば、メルトインデックス9.0g
/10分のPOMに対しては、重合度1,600のPV
Cが均一分散性の点で適当である。
(エステル油) 本発明に使用するエステル油としては、脂肪酸のグリセ
リンエステルである天然油脂、二塩基性酸のアルコール
エステルであるジエステル、ネオペンチルポリオールの
脂肪酸エステルであるポリオールエステル、芳香族エス
テル等広く市販のエステル油の中から1種または2種以
上を適宜選定して用いることが出来るが、その中でも熱
安定性に優れたポリオールエステル等のヒンダードエス
テルが望ましい。
(芳香族アミン化合物) 本発明に使用する芳香族アミン化合物としては、アミノ
ベンジルアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′
−ジアミノジフェニルサルフォン等がある。通常、PO
Mの安定剤としてアミン類やアミド類が知られている
が、芳香族でないアミン化合物は、一般に沸点が低くポ
リアセタールの加工温度では蒸発してしまう。一方、融
点の高いジシアンジアミドでは、溶融混練時のPOMの
分解を防止する効果はみられるが、成形品の熱老化に対
する防止効果が少ないため、組成物が変色し、商品価値
を損なう。
本発明者らは、POMにPVCを油保持剤として添加す
るには、芳香族アミン化合物の添加が、成形安定性およ
び成形品の耐熱老化性を得るのに不可欠であることを見
い出したものである。その中でも、融点が171℃とP
OMの加工温度180〜200℃よりわずかに低い、
3,3′−ジアミノジフェニルサルフォンは、均一分散
性が良好で安定化効果が高く、芳香族アミンとして特に
望ましい。
(ポリ塩化ビニル樹脂の安定剤) 本発明に使用するPVCの安定剤としては、各種のPV
C用安定剤を使用することができる。例えば、鉛系安定
剤、有機錫系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、ある
いはエポキシ系安定助剤等を用いることが出来る。
(各成分の添加割合) 本発明に用いられる原料成分の添加割合は、全樹脂組成
物を基準にして、PVCは1〜5重量%、エステル油は
5〜15重量%、芳香族アミン化合物は0.1〜0.5
%重量、PVCの安定剤は0.01〜0.15重量%で
ある。
PVCが5重量%を超えると、成形時に焼けが発生し、
かつ耐摩擦・摩耗性も低下する。逆に、PVCが1重量
%未満であると、5重量%以上のエステル油を安定して
保持することができないが、5重量%に満たない含油量
では十分な潤滑効果が得られない。
エステル油量の添加割合は、5〜15重量%である。5
重量%未満であると十分な潤滑効果が得られず、15重
量%を超えると成形加工時の油分離により安定した成形
加工を行なうことができない。
芳香族アミンおよびPVCの安定剤の添加割合は、各々
0.1〜0.5重量%、0.01〜0.15重量%であ
り、規定量に満たないと混練り加工時にPOMの分解が
発生し、逆に、規定量を超えると耐摩擦・摩耗性の低下
を引き起こす。
各成分の均一分散は、通常の溶融混練方法により、好ま
しくは170〜190℃の温度条件で溶融混練すること
により行なうことができる。また、混合機により予備混
合してから溶融混練してもよい。
(ゲル状物) 本発明の別の態様においては、多量のエステル油をPV
Cに添加し、加熱混練によって膨潤させてゲル状物を調
製する。
PVCに添加するエステル油量は、PVC1〜5重量部
当り5〜15重量部の範囲で適宜選択できるが、PVC
100重量部に対してエステル油200〜500重量部
(PHR)の範囲が適当である。エステル油の添加割合
があまり少ないと、PVCの膨潤によるゲル化が不十分
となり、また、摩擦・摩耗特性の改善や可塑性化時間短
縮などの目的を達成する上で好ましくない。逆に、エス
テル油の添加割合が極端に多すぎると、油の分離がみら
れるので好ましくない。
PVCとエステル油との混合物は、通常、150〜17
0℃、好ましくは160℃前後で加熱混練することによ
り、油分離のない光沢のあるゲル状物とすることができ
る。混練は、通常の混練機やスクリュー式混練り押出機
などにより加温下に行なう。
得られたゲル状物は、容易に裁断することができ、通常
の溶融混練法等によりPOMに添加分散させることがで
きる。
(PVCゲル状物の均一分散) POMへのPVCゲル状物の均一分散は、通常の溶融混
練方法により170〜190℃の温度条件、好ましくは
180℃程度の温度で溶融混練することにより行なうこ
とができる。
POMとPVCゲル状物との混合割合は、PVCゲル状
物の含油量にもよるが、全組成物に対しゲル状物が4〜
30重量%の範囲が好ましく、特に好ましくは、10〜
20重量%である。PVCゲル状物の混合割合が極端に
少ないと本発明の目的である摩擦・摩耗特性の向上した
含油ポリアセタール樹脂組成物を成形性よく得ることが
困難となり、また、極端に多いとPOM本来の物性が損
なわれるため好ましくない。
前記したとおり、PVCの安定剤およびPOMの安定剤
である芳香族アミン化合物は、本発明の組成物の成形時
の熱安定性を得るのに不可欠である。その中でも、PO
Mの安定剤であるジアミノジフェニルスルフォンなどの
芳香族アミン化合物の添加は、本発明の組成物の成形時
の熱安定性および成形品の耐熱老化性を得る上で望まし
い。芳香族アミン化合物は、PVCゲル状物に添加して
おいても良いが、POMとPVCゲル状物を混練りする
際に添加してもよい。
なお、POMとPVCゲル状物との溶融混練の際に、追
加のエステル油や追加のPVC等を添加してもかまわな
い。
(任意成分) 本発明の含有ポリアセタール樹脂組成物は、所望により
種々の添加剤を添加することが可能である。例えば、ガ
ラスファイバー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、
ガラス粉、カーボン繊維、アスベストなどの無機充填
剤、金属粉あるいは四弗化樹脂粉末、二硫化モリブデ
ン、グラファイト、窒化ホウ素、弗化黒鉛等の固体潤滑
剤、帯電防止剤、硫酸バリウムなどの他の潤滑油保持
材、カーボンブラックや酸化チタンなどの顔料などを挙
げることができる。これらの添加剤は、予めPOMに混
合しておいてもよいが、本発明の各成分の混合時または
溶融押出時に添加してもよい。
(含油ポリアセタール樹脂組成物) 本発明の含油ポリアセタール樹脂組成物は、潤滑性、成
形性に優れた特性を有し、油によるべとつきのない表面
外観の良好な成形品が得られる。そして、摺動部材とし
た場合に、優れた摩擦・摩耗特性を発揮する。
[作 用] 従来、PVCをPOMに添加ブレンドすると、溶融混練
時にPOMの分解を引き起こすことが知られており、P
OMメーカーのマテリアルデーターシートでも禁止され
ている。
ところが、本発明によると、PVCとともにPVCの安
定剤および芳香族アミン化合物を添加することにより、
溶融混練時のPOMの熱分解を防ぎ、かつ成形品の加熱
老化においても、変質の無いPOM樹脂組成物を得るこ
とができる。同時に、これら添加剤とともにエステル油
を規定量添加することにより、安定したスクリューへの
喰い込み性を有し、かつ潤滑効果にすぐれ、成形肌も良
好で強度低下の少ない含油ポリアセタール樹脂組成物が
得られる。
また、PVCゲル状物を使用すると、エステル油は予め
PVCと加熱混練することにより、PVCに膨潤保持さ
れているため、POMと添加混練り後、射出成形時の溶
融加熱によっても油分離が生じにくく、成形時のスクリ
ューへの喰い込み安定性がさらに優れている。さらに、
PVCゲル状物の添加によりPOMの可塑化時間の増大
が抑制されているため、成形サイクルを短縮することが
できる。しかも、比較的大量の油を安定的にPOMに含
有させることができるため、得られる含油ポリアセター
ル樹脂組成物は摩擦・摩耗特性に優れている。
[実施例] 以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明は、これら実施例のみに限定さ
れるものではない。
実施例1〜6 POMとしてポリプラスチックス(株)社製ジュラコンM
90を用い、PVCとして日本ゼオン(株)社製ペースト
用PVC(微粉末状)を、PVCの安定剤としてCa−
Zn系ステアレートを、エステル油としてネオペンチル
ポリオールの脂肪酸エステル油を、芳香族アミン化合物
として3,3′−ジアミノジフェニルサルフォンを、各
々第1表の組成で室温にて万能型混合機を用いてPOM
と予備混合を行なった後、混合物を2軸混練押出機に投
入して190℃で溶融混練を行ないペレット後射出成形
にて所定の試験片を作成した。
実施例7 実施例1において、エステル油として不飽和の1価アル
コールエステルであるホホバ油を用いた。
実施例8 実施例1において、エステル油として1価アルコールの
オクチルエステルである当栄ケミカル(株)製Toeno
l#5004を用いた。
実施例9 実施例1において、芳香族アミンとして4,4′−ジア
ミノジフェニルーメタンを用いた。
実施例10 実施例1において、芳香族アミンとして4,4′ージア
ミノジフェニル−エーテルを用いた。
これらの組成物の射出成形時の安定性、成形品の外観、
引張強度特性、スラスト摩耗量および80℃、1箇月の
熱老化による外観変化を第2表に示す。
比較例1〜6 実施例1〜6と同じ原料を用いて、その添加量を第1表
の組成とした。
比較例7 実施例1において、芳香族アミンに替えて、ジシアンジ
アミドを使用した。
比較例8 実施例1と同じPOM、エステル油を用いて、分子量3
0万の高密度ポリエチレンを1重量%、エステル油を5
重量%POMに添加した。
比較例9 実施例1において、エステル油に替えて鉱物系パラフィ
ン油を用いた。
比較例10 実施例1において、エステル油に替えてシリコン油(1
万cct/20℃)を用いた。
比較例11 実施例1において、エステル油に替えてアルキル置換ジ
フェニルエーテル油を用いた。
これら比較例の組成物の評価結果を実施例と同様に、第
2表に示す。
実施例11〜13 PVCゲル状物の調製 PVCゲル状物の調製は、第3表に示す組成で各原料成
分を室温で添加混合した後、スクリュー式混練り押出機
にて160℃で調製した。混練り加工時に油分離はな
く、光沢のあるゲル状物が得られた。
なお、PVCの安定剤としては、TMF−103(東京
ファインケミカル社製Ca−Zn系安定剤)を使用し
た。
組成物の調製 第4表に示す組成で、各原料成分を室温で添加混合した
後、スクリュー式混練押出機にて180℃で溶融混練り
を行なって、ペレット状の組成物を得た。混練り加工時
に、油の分離はみられず、油によるベトツキのない流動
性にすぐれたペレットが得られた。
得られたペレットを3.3オンスの射出成形機に供給
し、60mmのスクリュー・ストロークの計量時間を測
定した。また、得られた直径50mm、厚さ2mmの試
験片についてスラスト摩擦試験を行なった。
可塑性化時間および摩擦・摩耗特性について測定した結
果を第5表に示す。
第5表から明らかなように、本発明の実施例11〜13
により得られた含油ポリアセタール樹脂組成物は、可塑
性化時間が大幅に短縮されていると共に、摩際・摩耗特
性ともに高水準に保持されている。
測定方法 1. 摩擦係数は、摩擦トルクをロードセルで検出し
て、30分間の平均をとったものである。
2. スラスト摩擦摩耗量(摩耗段差)は、試験片(直
径50mm、厚さ2mm)を前記スラスト摩擦試験条件
で試験を行ない、相手材(S45C円筒端面)の摺動痕
の摩耗深さをダイヤルゲージにて測定した値である。
[発明の効果] 本発明による含油ポリアセタール樹脂組成物は、射出成
形加工時の成形安定性、成形品の表面肌、耐摩擦・摩耗
特性に優れ、引張強度の低下も少なく、かつ成形品の熱
老化に対しても外観の変質を伴なわない実用性の高い組
成物であり、従来のPOM組成物では摩耗が激しくて、
あるいは成形品の表面肌が悪くて使用できなかった軸
受、ギア、スライダーといった各種摺動部品に用いるこ
とができる。さらに、本発明の含油ポリアセタール樹脂
組成物は、本来の色が白色系であることから、公知のカ
ーボンブラック、あるいは酸化チタン等の顔料を添加す
ることにより任意に着色出来るという利点を有してい
る。
また、エステル油含有PVCゲル状物を用いると、多量
のエステル油をPOMに安定して含有せしめることが可
能となり、摩擦・摩耗特性の向上した含油ポリアセター
ル樹脂組成物を得ることができる。それと同時に、従来
の方法では避けられなかった射出成形時の可塑化時間の
増大がみられず、短縮した成形サイクルが可能となり、
しかも射出成形時において潤滑油の分離によるスクリュ
ーへの材料の喰い込み不良がない、成形性・量産性に優
れた摺動材料の製造法を提供することができる。
したがって、本発明の組成物は、その潤滑効果を活用し
て軸受、カム、スライダーといった摺動性を要求される
各種部品材料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5:10 5:18)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアセタール樹脂に、全樹脂組成物に対
    し、ポリ塩化ビニル樹脂を1〜5重量%、エステル油を
    5〜15重量%、芳香族アミン化合物を0.1〜0.5
    重量%、ポリ塩化ビニル樹脂の安定剤を0.01〜0.
    15重量%の各添加割合で均一分散してなることを特徴
    とする含油ポリアセタール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エステル油により膨潤したポリ塩化ビニル
    樹脂ゲル状物をポリアセタール樹脂に均一分散してなる
    請求項(1) 記載の含油ポリアセタール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】予めポリ塩化ビニル樹脂に多量のエステル
    油を添加し、加熱混練によって膨潤させゲル状物とした
    後、該ゲル状物をポリアセタール樹脂に均一分散させる
    請求項(1) 記載の含油ポリアセタール樹脂組成物の製造
    法。
JP2372288A 1987-05-11 1988-02-05 含油ポリアセタール樹脂組成物およびその製造法 Expired - Lifetime JPH0651821B2 (ja)

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