JPH0651799B2 - 液状物質と熱可塑性樹脂粒子の混合方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業状の利用分野〕 本発明は液状物質と熱可塑性樹脂粒子との混合方法に関
する。

〔従来の技術〕

液状物質と熱可塑性樹脂粒子を混合することは、ポリ塩
化ビニルを可塑化することをはじめとして種々の目的で
行なわれている。しかしながら比較的多量の液状物質を
混合する場合には、常に撹拌混合すると、熱可塑性樹脂
粒子が団塊化をおこし大きな塊を生ずるだけで均一な混
合ができない。そのため、通常はロールで混練すると
か、或は押出式機中に液状物質を圧入し押出機で溶融混
合する方法（例えば特開昭47-40852）が知られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上述の方法は、どちらも混合のために必要なエネルギー
が莫大であり、特に後者の場合はポンプを設けた特別の
構造の押出機を使用する必要があり、いずれもコスト高
となり好ましくない。

本発明者らは上記問題を解決する方法について鋭意検討
した結果、簡単な混合装置で均一に混合できる方法を見
い出し本発明を完成した。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、液状物質と、重量比でその0.5〜10倍量のペ
レット状熱可塑性樹脂粒子と、同じく重量比でその0.5
〜10倍量の非ペレット状熱可塑性樹脂粒子とを混合する
こと特徴とする、液状物質と熱可塑性樹脂粒子の混合方
法である。

本発明においてペレット状粒子とは、熱可塑性樹脂の粉
末原料に、必要に応じて老化防止剤，着色剤，安定剤，
滑剤そのほか、最終製品に必要な特性を付与するための
配合剤を混合し、これを押出成形機または混練りローラ
ーによつて混練りし、前者では通常１乃至数mmの径を有
する円柱もしくは角柱の棒状に押し出し、これをその径
と同程度かもしくは少し長い寸法に切断した円柱状もし
くは角柱状の粒子であり、後者では通常１乃至数mmの厚
さの板状に成形し、これを切断機（ペレタイザー）によ
つて切断した、たて、よこの寸法がやはり通常１乃至数
mmの寸法の、ほぼ立方体乃至直方体の粒子である。両者
の場合とも特に２〜5mmの径または寸法のものが好まし
い。

一方、非ペレット状粒子とは、懸濁重合，エマルジョン
重合，塊状重合，気相重合などの各種の重合の際に粒子
状となつて得られる重合体、あるいは上述のペレットを
粉砕したものであり、平均粒径が0.01乃至数mm程度の比
較的多孔質のものが好ましく、特にスラリー状態で重合
して得られる重合体粒子が好ましい。

本発明において使用される熱可塑性樹脂としては、ポリ
スチレン樹脂，ポリ塩化ビニル樹脂，ポリカーボネート
樹脂，ポリエステル樹脂，ポリアミド樹脂，ポリエチレ
ン樹脂，ポリプロピレン樹脂,ABS樹脂,AS樹脂，ポリメ
チルメタアクリレート樹脂，ポリビニルブチラール樹
脂，ポリビニルアルコール樹脂等が具体例として挙げら
れる。混合に際しては、ペレット状粒子と非ペレット状
粒子とは同種の熱可塑性樹脂であることが望ましい。ま
た、前述の如く、ペレット状粒子を製造する際に各種の
配合剤をペレット中に含有せしめてもよいが、混合時に
必要に応じて所望の配合剤の所望量を添加してもよい。

本発明において液状物質としては可塑剤，安定剤，添加
剤などであり、特に大量に使用する可塑剤として使用す
る際に本発明の方法が望ましく適用される。液状物質と
しては特に制限はなく混合操作の条件下において液体で
あるものであれば良く、例えばフタル産のエステル，グ
リコールエーテル，不飽和炭化水素のオリゴマーのよう
な化合物或は混合物が例示できる。

本発明における液状物質と熱可塑性樹脂粒子の混合に用
いる混合装置については特に制限はなく、任意の混合装
置が使用出来、特に撹拌機を内蔵する通常のミキサー、
たとえばヘンシェル型ミキサーなどを使用して、きわめ
て容易に均一な混合物を得ることが可能であるので、製
造コスト的見地からきわめて有利である。

本発明において肝要なのは、熱可塑性樹脂としてペレッ
ト状のものと、非ペレット状のものとを併用することに
ある。ペレット状粒子の使用量は、重量比で液状物質の
0.5〜10倍量、特に0.5〜８倍量が好ましい。0.5倍量よ
り少いと、混合分散が充分でなく、一方10倍量を超える
と、均一な分散が行われなくなる。非ペレット状粒子の
使用量も、重量比で液状物質の0.5〜10倍量、特に0.5〜
８倍量が好ましい。0.5倍量より少いと混合が充分でな
く、一方10倍量を超えると、液状物質の分散が均一とな
らず好ましくない。

混合の際の温度は特に制限はなく、常温でよいが、やや
冷却しながら撹拌混合するのがよい。

〔発明の効果〕

本発明の混合方法は任意の混合装置を用いて実施するこ
とが可能であり、従つて製造コスト的見地から、工業的
に極めて価値が大きい。

〔実施例〕

以下に実施例をあげ、本発明を更に説明する。

実施例１ ポリスチレンペレット（三井東圧化学(株)製；平均粒径
5mm）５部、該ペレットを粉砕機にて粉砕したパウダー
（平均粒径1.5mm）３部及びα−メチルスチレンの２量
体（液状；三井東圧化学(株)製）２部をヘンシェルミキ
サー（三井三池製作所製;20，回転数1000RPM）で５分
間混合した後取り出した。得られた混合物は取り出し口
より流動製良く取り出され、均一に分散していた。

比較例１ 実施例１で使用したポリスチレンペレットとα−メチル
スチレンの２量体との、それぞれ８部および２部を、同
じヘンシェルミキサーで同一条件で混合した。５分後、
ミキサーの取り出し口よりまつたく流れ出なかつたの
で、さらに５分刊混合したところヘンシェルが過負荷と
なり停止した。

比較例２ 実施例１で使用したポリスチレンパウダーとα−メチル
スチレンの２量体との、それぞれ８部および２部を、同
じヘンシェルミキサーで同一条件で混合した。５分後取
り出すと、一部に塊りが見られ、均一に分散していなか
った。

実施例２ 懸濁重合によつて得られた重合体のポリプロピレンパウ
ダー（135℃極限粘度数1.68;平均粒径1.5mm）２部、ポ
リプロピレンペレット（平均粒径3.5mm;上記パウダーを
造粒したもの）６部およびフタル酸ジブチル２部を実施
例１と同様な混合装置を使用し、同一条件下に混合した
ところ、均一に混合分散した混合物が得られた。

比較例３ ポリプロピレンパウダー0.5部，ペレット7.5部およびフ
タル酸ジブチル２部とした他は実施例２と全く同様な条
件で混合したところ、一部に塊りが見られ均一に混合で
きなかつた。

比較例４ ポリスチレンペレットの使用量を21部とした他は、実施
例１と全く同様に操作したが、ペレットとパウダーが分
離し、均一な混合物は得られなかつた。

比較例５ パウダーの使用量を21部とした他は、実施例１と全く同
様に操作したが、ペレットとパウダーが分離し、均一に
混合することが出来なかつた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液状物質と、重量比でその0.5〜10倍量の
   ペレット状熱可塑性樹脂粒子と、同じく重量比でその0.
   5〜10倍量の非ペレット状熱可塑性樹脂粒子とを混合す
   ることを特徴とする、液状物質と熱可塑性樹脂粒子の混
   合方法。