JPH0651649A - キャリア捕集装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャリアが小径化したとしても、装置構成を
複雑にすることなく、潜像担持体側へ転移したキャリア
を確実に捕集できるようにする。 【構成】 絶縁性トナーＴ及び磁性粒子であるキャリア
Ｃからなる二成分現像剤が収容された二成分現像手段３
の下流側に配設され、前記二成分現像手段３にて潜像担
持体１上に担持された静電潜像を現像する際に潜像担持
体１側へ転移したキャリアＣを捕集するキャリア捕集装
置であって、上記潜像担持体１に対向する部分が相互に
異極である一対の磁界発生手段７，８と、この一対の磁
界発生手段７，８の間に配設されてキャリアＣの帯電極
性と逆極性のイオンを照射するイオン照射手段９とを備
えたもの、並びに、これを用いた画像形成装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、絶縁性トナー及び磁
性粒子であるキャリアからなる二成分現像剤が収容され
た二成分現像手段にて潜像担持体上の静電潜像を現像す
る際に、潜像担持体側に転移したキャリアを捕集するキ
ャリア捕集装置及びこれを用いた画像形成装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、二成分現像剤にて潜像担持体上の
静電潜像を可視像化する画像形成装置にあっては、現像
プロセスにおいて磁性粒子であるキャリアが潜像担持体
に転移付着する虞れがあり、この転移キャリアがトナー
像と共に記録シート側へ転写されると、転移キャリア部
分が白抜け状態となり、記録シート上の画像品質を損な
う事態が見い出されていた。このような不具合を防止す
るために種々のキャリア捕集装置が既に提案されてい
る。例えば、特開昭６３ー１８８１７４号公報所載のキ
ャリア捕集装置では、コロナ放電にてイオンを生成する
イオン発生器の後段に磁石の配置し、イオン発生器から
の生成イオンによりキャリアの静電気的な付着力を弱
め、磁石にてキャリアを捕集するようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような従来のキャ
リア捕集装置にあっては、キャリア径がある程度大きい
場合には、キャリアがもともと高磁力を有するものであ
るため、イオン発生器にて静電付着力が弱められたキャ
リアを磁石で効率的に捕集することは可能であったが、
キャリア径が小さくなるに従ってキャリアの捕集が不十
分になるという現象が見い出された。すなわち、二成分
現像剤を用いて高画質の要請を満足させるには、例えば
キャリアを小径化し、キャリアの実質的なトナー担持表
面積を拡大する等して現像能力を向上させることが必要
になる。ところが、キャリアが小径化すると、現像ロー
ルの磁石による磁気的な保持力に対して静電気的な力が
相対的に大きくなるため、キャリアの潜像担持体への付
着、飛散はますます増えることになるばかりか、小径の
キャリアは低磁力であり、しかも、潜像担持体側へ一旦
付着した際のキャリアの静電付着力がイオンにて充分に
弱まらないことから、キャリアが一旦潜像担持体へ付着
すると再び潜像担持体から引き離すことは難しく、キャ
リア捕集装置によるキャリアの捕集が不十分になり易
い。この場合において、上記磁石による磁界を大きくす
れば、確かにキャリアの捕集効率はある程度上がるが、
まだ不十分なものであった。

【０００４】この発明は、以上の技術的課題を解決する
ために為されたものであって、キャリアが小径化したと
しても、装置構成を複雑にすることなく、潜像担持体側
へ転移したキャリアを確実に捕集できるようにしたキャ
リア捕集装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する
ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】すなわち、この発明に係
るキャリア捕集装置は、図１に示すように、絶縁性トナ
ーＴ及び磁性粒子であるキャリアＣからなる二成分現像
剤が収容された二成分現像手段３の下流側に配設され、
前記二成分現像手段３にて潜像担持体１上に担持された
静電潜像を現像する際に潜像担持体１側へ転移したキャ
リアＣを捕集するものであって、上記潜像担持体１に対
向する部分が相互に異極である一対の磁界発生手段７，
８と、この一対の磁界発生手段７，８の間に配設されて
キャリアＣの帯電極性と逆極性のイオンを照射するイオ
ン照射手段９とを備えたことを特徴とするものである。

【０００６】また、上記発明を利用した画像形成装置
は、図１に示すように、静電潜像が担持される回転可能
な潜像担持体１と、この潜像担持体１上に静電潜像を形
成する潜像形成手段２と、絶縁性トナーＴ及び磁性粒子
であるキャリアＣからなる二成分現像剤が収容され、潜
像担持体１上に形成された静電潜像をトナー現像する二
成分現像手段３と、潜像担持体１上に形成されたトナー
像を記録媒体５に転写する転写手段４と、上記二成分現
像手段３の下流側で転写手段４の上流側に配設される上
述したキャリア捕集装置６とを備えたことを特徴とする
ものである。

【０００７】このような技術的手段において、一対の磁
界発生手段７，８は磁界を発生させるものであれば、永
久磁石であってもよいし、あるいは、電磁石であっても
よい。また、一対の磁界発生手段７，８にて捕集された
キャリアＣについては、捕集キャリアＣが潜像担持体１
側へ再付着する事態を確実に回避するという観点からす
れば、定期的に回収作業を行うようにするか、あるい
は、回収ボックスに積極的に回収するような構成を採用
することが好ましい。

【０００８】また、イオン照射手段９については、潜像
担持体１に転移したキャリアＣの静電付着力を中和させ
るイオンを照射するものであれば、直流あるいは交流に
よるコロナ放電にてイオンを生成するものを始め、適宜
選定することができる。但し、交流によるコロナ放電を
生じさせる場合には、現像されたトナー像が乱されない
ように交流電圧を選定することが必要である。

【０００９】

【作用】上述したような技術的手段を用いた時の潜像担
持体１に付着したキャリアＣの挙動を以下に示す。図１
において、二成分現像手段３による現像で遠心力あるい
は静電気力により潜像担持体１側に付着したキャリアＣ
が第一の磁界発生手段７を通過すると、先ず、静電気的
な付着力の弱いキャリアＣが捕集される。このとき、静
電気的付着力の強いキャリアＣは、図２（ａ）に示すよ
うに、潜像担持体１上に残存するが、潜像担持体１の移
動に伴って、相互に異極である第一、第二の磁界発生手
段７，８間の磁力線の作用方向が相対的に変化し、その
影響で付着力の強いキャリアＣは離れないものの揺れを
おこす（図２（ｂ））。このような状態で、キャリアＣ
がイオン照射手段９を通過するときに、イオン照射手段
９から照射されるイオンＩは図のように回り込みをする
ため、少しでもキャリアＣが揺れを起こすとキャリアＣ
の帯電部に照射イオンＩがあたり、キャリアＣは十分に
中和され（図２（ｃ））、静電気的な付着力は完全に消
滅すると思われる。その後、静電的な付着力の消滅した
キャリアＣが第二の磁界発生手段８を通過すると、この
第二の磁界発生手段８による磁力で潜像担持体１上に残
存していたキャリアＣはすべて捕集される。

【００１０】

【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づいてこの
発明を詳細に説明する。図３はこの発明が適用された複
写機の一実施例を示す。同図において、符号１０は表面
に高分子化合物からなる感光体（ｏｐｃ感光体）を有す
る潜像担持体で、矢印ａの方向に回転する。また、符号
１１は潜像担持体１０表面を予め一様に帯電する帯電
器、１２は予め帯電された潜像担持体１０表面に原稿画
像に対応する静電潜像（この実施例では、画像部−２０
０Ｖ、非画像部−６５０Ｖ）を形成する露光光学系、１
３は絶縁性トナー及び磁性粒子であるキャリアからなる
二成分現像剤が収容されて磁気ブラシ現像が行われる二
成分現像器、１４は潜像担持体１０上のトナー像を記録
用紙１５へ静電転写させる転写器、１６は転写器１４に
よる転写工程が終了した時点で記録用紙１５の帯電電荷
を除去し、潜像担持体１０から記録用紙１５を剥離させ
る用紙剥離器、１７は潜像担持体１０上の残留トナーを
除去するクリーナ、１８は潜像担持体１０上の残留電荷
を除去する除電器である。

【００１１】また、この実施例では、上記二成分現像器
１３の後段にキャリア捕集装置２０が配設されており、
二成分現像で発生するキャリアの潜像担持体１０側への
飛散付着に基づく転写時の像ぬけを防止している。この
実施例で用いられるキャリア捕集装置２０の詳細を図４
に示す。同図において、キャリア捕集装置２０は現像器
１３と同様に潜像担持体１０に対向して設けられてお
り、馬蹄形状の永久磁石２１及びイオン発生器２５とで
構成されている。より具体的に述べると、上記永久磁石
２１の開放端は夫々Ｎ極２２，Ｓ極２３（この実施例で
は各磁極２２，２３の表面上の磁束密度は６００ガウ
ス）になっており、実質的には一対の磁石として機能す
る。そして、上記磁極２２，２３間には上記イオン発生
器２５が配設され、このイオン発生器２５は断面コ字状
のシールド２６内に例えば直流電圧が印加されるコロナ
ワイヤ２７を配置し、コロナワイヤ２７とシールド２６
間でコロナ放電（生成イオンは潜像担持体１０側へ転移
したキャリアの帯電極性と逆極性）を生じさせるように
したものである。

【００１２】この実施例に対し、二成分現像剤として、
トナーは平均粒径７μｍのポリエステルトナー、キャリ
アは平均粒径５０μｍ、４０μｍ、３０μｍのフェライ
トキャリアを用い、画像品質を調べたところ、いずれの
粒径のキャリアでもキャリア付着による画質欠陥は見受
けられず、画像品質は極めて良好であることが確認され
た。

【００１３】以下に、この実施例に係るキャリア捕集装
置２０の性能を評価するための実験について述べる。実
験方法は潜像担持体１０へのキャリア付着が最も発生し
やすい条件を採用した。すなわち、この実験では、上述
した各種の現像剤で現像を行った場合、潜像担持体１０
上の背景部へキャリアの付着がみられるため、背景部だ
けでは転写後の用紙上でキャリアを確認することはでき
ない。そこで、本実験では三回の現像を行い、第一、第
二の現像でキャリアの付着を含んだ背景部を現像し、転
写時にキャリアの一部を用紙に転写する。そして、第三
の現像ではキャリアの潜像担持体への付着が全くない
か、あるいは、予めキャリアの付着量が一定で測定され
ている状態の中間調静電潜像を現像して、第一、第二の
転写で転写された用紙上にさらに転写する。第一、第二
の転写でキャリアが用紙上にあると第三の転写ではキャ
リア上にはトナーが転写できず、白抜けの画像欠陥が生
じる。従って、第三の転写後の用紙上の白抜けの個数を
数えることによりその優劣を定量的に判断できる。この
方法で行えば画像欠陥に関し最も厳しい条件で最も効果
的に測定が可能である。

【００１４】実験では、キャリア捕集装置が無い場合、
磁石単独の場合、イオン発生器と磁石とを順に配置した
場合、本実施例のように一対の磁石間にイオン発生器を
挟み込んだ場合の４通りについて白抜けの量を数えたと
ころ、図５に示す結果を得た。同図によれば、キャリア
捕集装置が無い場合はＢ４用紙１枚当たり５０μｍのキ
ャリアでは２０個、４０μｍのキャリアでは４５個、３
０μｍのキャリアでは１０３個であったものが、単独の
磁石ではそれぞれ５、２１、３８になる。また、イオン
発生器と磁石とを順に配置したタイプにあっては５０μ
ｍのキャリアでは零になるが、４０μｍ、３０μｍでは
１８、３５とすべてのキャリアは捕集できていないこと
が確認された。これに対し、本実施例で用いたキャリア
捕集装置２０を用いると、さらに減少し、白抜け量はい
ずれの粒径のキャリアでも零になることが確認され、こ
の実施例に係るキャリア捕集装置２０が小径のキャリア
捕集に対して極めて効果的であることが理解される。

【００１５】図６はキャリア捕集装置２０の変形例を示
す。同図は補集したキャリアを回収し、再び潜像担持体
１０への付着を防止する機構を付加した磁性粒子補集装
置である。具体的には、一対の磁界発生装置３１，３２
間にコロナ発生器２５を挟み込んだものであるが、一対
の磁界発生装置３１，３２はロール状になっており、内
部の固定磁極３３，３４（相互に異極）の表面のスリー
ブ３５を回転させ、スクレーバ３６でキャリアをスリー
ブ３５から引き離し、キャリア回収ボックス３７内にキ
ャリアを回収する構造になっている。この変形例によれ
ば、実施例と同様な効果を奏するほか、捕集したキャリ
アが潜像担持体１０へ再付着する事態を確実に回避する
ことができる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、キャリア捕集装置として、潜像担持体に対向する部
分が相互に異極である一対の磁界発生手段間にイオン照
射手段を設け、潜像担持体に付着した静電気的付着力の
強いキャリアに対し一対の磁界発生手段間の磁力線の作
用方向変化により揺れをおこさせ、同時にイオン照射手
段によってキャリアの帯電電荷を十分に中和し、その結
果、静電付着力の無くなったキャリアを後段側の磁界発
生手段により確実に捕集するようにしたので、画質向上
のためにキャリアを小径化したとしても、装置構成を複
雑にすることなく、潜像担持体側に転移したキャリアを
転写前に確実に捕集することが可能になり、キャリアが
記録媒体側へ転移してトナー像の白抜けが生ずるという
画質欠陥を確実に回避して、常時良好な画像を得ること
ができるばかりか、潜像担持体側にキャリアが残存する
事態を確実に防止できる分、潜像担持体の長寿命化をも
達成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明に係るキャリア捕集装置及びこれを
用いた画像形成装置の構成を示す説明図である。

【図２】 この発明に係るキャリア捕集装置の作用を示
す説明図である。

【図３】 この発明が適用された複写機の一実施例を示
す説明図である。

【図４】 実施例に係るキャリア捕集装置の詳細を示す
説明図である。

【図５】 実施例に係るキャリア捕集装置及び比較例に
対するキャリア粒径と用紙上の白抜け量との関係を示す
グラフ図である。

【図６】 変形例に係るキャリア捕集装置の詳細を示す
説明図である。

【符号の説明】

１…潜像担持体，２…潜像形成手段，３…二成分現像手
段，４…転写手段，５…記録媒体，６…キャリア捕集装
置，７，８…磁界発生手段，９…イオン照射手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁性トナー（Ｔ）及び磁性粒子である
   キャリア（Ｃ）からなる二成分現像剤が収容された二成
   分現像手段（３）の下流側に配設され、前記二成分現像
   手段（３）にて潜像担持体（１）上に担持された静電潜
   像を現像する際に潜像担持体（１）側へ転移したキャリ
   ア（Ｃ）を捕集するキャリア捕集装置であって、上記潜
   像担持体（１）に対向する部分が相互に異極である一対
   の磁界発生手段（７，８）と、この一対の磁界発生手段
   （７，８）の間に配設されてキャリア（Ｃ）の帯電極性
   と逆極性のイオンを照射するイオン照射手段（９）とを
   備えたことを特徴とするキャリア捕集装置。
2. 【請求項２】 静電潜像が担持される回転可能な潜像担
   持体（１）と、この潜像担持体（１）上に静電潜像を形
   成する潜像形成手段（２）と、絶縁性トナー（Ｔ）及び
   磁性粒子であるキャリア（Ｃ）からなる二成分現像剤が
   収容され、潜像担持体（１）上に形成された静電潜像を
   トナー現像する二成分現像手段（３）と、潜像担持体
   （１）上に形成されたトナー像を記録媒体（５）に転写
   する転写手段（４）と、上記二成分現像手段（３）の下
   流側で転写手段（４）の上流側に配設される請求項１記
   載のキャリア捕集装置（６）とを備えたことを特徴とす
   る画像形成装置。