JPH0651090B2 - スラジ中水分の低減方法 - Google Patents

スラジ中水分の低減方法

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JPH0651090B2
JPH0651090B2 JP19824086A JP19824086A JPH0651090B2 JP H0651090 B2 JPH0651090 B2 JP H0651090B2 JP 19824086 A JP19824086 A JP 19824086A JP 19824086 A JP19824086 A JP 19824086A JP H0651090 B2 JPH0651090 B2 JP H0651090B2
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演雄 福島
保文 芹沢
和彦 吉田
重康 鈴木
匡伸 増川
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川崎製鉄株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、合金鉄製錬用竪型炉による冶金過程で発生す
るガスの清浄化のために用いられるガス処理水から分離
除去されるスラジ中の水分を低減させるスラジ中水分の
低減方向に関する。
[従来の技術] 冶金過程で発生するガスは、鉱石、コークス等の粉より
なるダストを含むので、このダストを集塵除去して清浄
化した状態で排気する必要がある。特に、フェロマンガ
ン等の合金鉄を製造する竪型炉による精錬過程では、鉱
石粉化率が高くガス発生量が多いことから、ダスト発生
量が多い。
ガス清浄装置としては、乾式除他塵器、サイクロンの他
に、ベンチュリスクラバ、湿式電気集塵器等の湿式除塵
装置が用いられる。この湿式除塵装置は、ガス処理水を
用いてダストを処理している。第6図は、従来のベンチ
ュリスクラバ1による集塵状態を示す模式図であり、2
はガス入口、3はベンチュリ管出口、4はガス出口、5
はスラジ排出口、6はガス処理水を示し、ベンチュリ管
出口3とガス処理水6の水面とは離隔している(h>
0)、{h=(ベンチュリ管下端レベル)−(ガス処理
水水面レベル)}。
上記湿式除塵装置に用いられるガス処理水中のスラジ
は、ガス処理水のリサイクル使用時における処理効率を
向上したり、配管閉塞を防止するため、シックナー等で
凝集剤、分散剤等を使用して分離除去され、産業廃棄物
としてされる。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、冶金炉の操業条件により、スラジの発生
量、性状、成分等が変化し、スラジ中水分が増加する場
合には、スラジの運搬費用の増大を招く。
本発明は、スラジ中水分を可及的に低減し、スラジの運
搬費用の低減を図ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、コークス、鉱石および石炭、ドロマイトを含
む副原料を装入して溶解合金鉄を製造する精錬用竪型炉
の冶金過程で発生するガスを清浄化するための湿式除塵
装置に用いられるガス処理水から分離除去されるスラジ
中水分の低減方法において、湿式除塵装置のガス通路の
一部をガス処理水の水面下に冠水させてガスとガス処理
水とを接触強攪拌させるようにしたものである。
[作用] ガス通路の一部をガス処理水の水面下に冠水させてガス
とガス処理水を接触強攪拌させることにより、CaO 、Mg
O 等の塩基性酸化物の表層にガス中のCOと反応して生
成したCaCO、MgCO等の炭酸塩を破壊させてからガス
処理水と反応させ、スラジ中の水酸化物および炭酸塩を
増加させ、結果としてガス処理水のpHを7.5 〜9.5 に調
整できる。しかるに、本発明者による実験の結果によれ
ば、スラジ中の水酸化物および炭酸塩ガス処理水中で
増加すると、第4図に示すようにスラジ中水分が低減す
ること、ガス処理水のpHが7.5 〜9.5 であると、第5
図に示すようにスラジ中水分が低減することが認めら
る。したがって、本発明によれば、上記、を実現
し、スラジ中水分を可及的に低減する結果、スラジの運
搬費用を低減することができる。
[実施例] 第1図は本発明の実施に用いられる冠水型ベンチュリス
クラバの一例を示す模式図、第2図は本発明の実施に用
いられる冠水槽の一例を示す模式図、第3図は竪型炉の
ガス処理ラインを示す模式図、第4図はスラジ中の水酸
化物および炭酸塩の量がスラジ中水分に及ぼす影響を示
す線図、第5図はガス処理水のpHがスラジ中水分に及ぼ
す影響を示す線図である。
第3図に示すように、フェロマンガン製錬用竪型炉11
で発生する含塵ガスは、乾式除塵器12、サイクロン1
3、冠水槽14、冠水型ベンチュリスクラバ15、冠水
槽16、電気集塵器17を経て、清浄化された状態で排
気される。ここで、冠水槽14、16、ベンチュリスク
ラバ15、電気集塵器17は、ガスを清浄化するために
ガス処理水を用いる湿式除塵装置18を構成している。
しかして、上記実施例においては、湿式除塵装置18を
構成する各機器の1つもしくは2以上において、ガス通
路の一部をガス処理水の水面下に冠水させてガスとガス
処理水を接触強攪拌させることにより、CaO 、MgO 等の
塩基性酸化物の表層にガス中のCOと反応して生成した
CaCO、MgCO等の炭酸塩を破壊させてからガス処理水
と反応させ、スラジ中の水酸化物および炭酸塩を増加さ
せ、結果としてガス処理水のpHを7.5 〜9.5 に調整でき
る。
ところで、本発明者による実験の結果によれば、スラ
ジ中の水酸化物および炭酸塩が増加すると、第4図に示
すようにスラジ中水分が低減すること、ガス処理水の
pHが7.5 〜9.5 であると、第5図に示すようにスラジ中
水分が低減することが認められた。したがって、上記実
施例によれば、上記、を実現することとなり、スラ
ジ中水分を可及的に低減し、スラジの運搬費用を低減す
ることができる。
ここで、上記湿式除塵装置18において行なわれるガス
とガス処理水の反応について説明すれば以下のとおりで
ある。
すなわち、コークス、鉱石等に含まれるアルカリ金属
(K、Na)は、 K2O、Na2Oの形で炉外に排出させる。ま
た、副原料(石灰、ドロマイト)に含まれる塩基性酸化
物は CaO、MgO の形で炉外に排出される。また、炉内で
還元されたMnは、炉内高温帯でフューム化し、Mn、MnO
の形で炉外に排出される。上記各成分は、湿式除塵装置
18の内部でガス処理水と反応して水酸化物[ KOH、Na
OH、Ca(OH)、Mg(OH)、Mn(OH)]を形成するととも
に、ガス処理水を塩基性としてpHを10程度に上げる。
KO + HO →2KOH →K++OH NaO + HO →2NaOH →▲N+ a▼+OH CaO + HO →Ca(OH)→Ca2++2OH MgO + HO →Mg(OH)→Mg2++2OH MnO + HO →Mn(OH)→Mn2++2OH 前記塩基性酸化物の表層にはガス中のCOと反応してCa
CO、MgCO等の炭酸塩層を形成する。この炭酸塩層を
破壊させてガス処理水と塩基性酸化物とを接触させない
と上記の反応式は進行にしないことがわかった。
他方、副原料中の炭酸塩やガス中のCOがガス処理水に
溶解すると炭酸を形成し、pHを下げるとともに、ガス処
理水のpHが 9前後まで低下すると、前記水酸化物と炭酸
との反応によって炭酸塩(CaCO、MgCO、MnCO、 M
nHCO)が形成される。
CO+ HO → HCO→2H+▲CO2- 3▼ Ca(OH)+ HCO→CaCO↓+2HO Mg(OH)+ HCO→MgCO↓+2HO Mn(OH)+ HCO→MnCO↓+2HO ここで、ガス処理水のpHは、炭酸塩やガス中に含まれる
COの溶解により 9前後になるため、ガス処理水のpH調
整は薬品による微量調整で十分である。なお、ガス中の
COとガス処理水のpHの間には第7図のような関係があ
る。
以下、ベンチュリスクラバ15、冠水槽14、16の具
体的構造について説明する。
第1図は、ベンチュリスクラバ15の具体的構造を示す
模式図であり、21はガス入口、22はベンチュリ管出
口、23はガス出口、24はスラク排出口、25はガス
処理水を示し、ベンチュリ管出口22はガス処理水25
の水面下に冠水している(h≦0)。ベンチュリ出口2
2の冠水部の構造としては、Aで示す一般式と、Bで水
膜式が考えられる。水膜式は、ベンチュリ出口22の周
辺に断面狭小なガス案内部26を設け、このガス案内部
26を急速に移動するガス流が形成する負圧によってガ
ス処理水25を水膜状に巻き上げ、ガスを水膜に接触さ
せる状態で通過させ、ガスとガス処理水との接触効率を
向上させるものである。
第2図は冠水槽14、16の具体的構造を示す模式図で
あり、31はガス入口、32はガス案内路、33はガス
出口、34はスラジ排出口、35はガス処理水、36は
エリミネータ、37は水位計を示し、ガス入口31から
ガス出口33に向かうガス通路の一部が冠水している。
ガス案内路32は、ベンチュリスクラバ15のガス案内
路26と同様に水膜を形成する。エリミネータ36は、
ミスト状となっている微粒状のダストを捕捉する。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、ガスとガス処理水接を
触強攪拌させることにより、CaO 、MgO 等の塩基性酸化
物の表層にガス中のCOと反応して精製したCaCO、Mg
CO等の炭酸塩を破壊させてからガス処理水と反応さ
せ、スラジ中の水酸化物および炭酸塩を増加させ、結果
としてガス処理水のpHを7.5 〜9.5 に調整できる。した
がって、スラジ中水分を可及的に低減し、スラジの運搬
費用を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施に用いられる冠水型ベンチュリス
クラバの一例を示す模式図、第2図は本発明の実施に用
いられる冠水槽の一例を示す模式図、第3図は竪型炉の
ガス処理ラインを示す模式図、第4図はスラジ中の水酸
化物および炭酸塩の量がスラジ中水分に及ぼす影響を示
す線図、第5図はガス処理水のpHがスラジ中水分に及ぼ
す影響を示す線図、第6図は従来のベンチュリスクラバ
を示す模式図、第7図はガス中のCOとガス処理水のpH
の関係を示す線図である。 11……竪型炉、14、16……冠水槽、15……冠水
型ベンチュリスクラバ、17……電気集塵器、18……
湿式除塵装置、25、35……ガス処理水。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 重康 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目1番地 水 島合金鉄株式会社内 (72)発明者 増川 匡伸 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目1番地 水 島合金鉄株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−78566(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コークス、鉱石および石炭、ドロマイトを
    含む副原料を装入して溶解合金鉄を製造する製錬用竪型
    炉の冶金過程で発生するガスを清浄化するための湿式除
    塵装置に用いられるガス処理水から分離除去されるスラ
    ジ中水分の低減方法において、湿式除塵装置のガス通路
    の一部をガス処理水の水面下に冠水させてガスとガス処
    理水とを接触強攪拌させることを特徴とするスラジ中水
    分の低減方法。
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