JPH06509971A - 付加された終端部材を備えた気管内カテーテル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、患者の気管内に遠方端部側から挿入するためのチューブから構成され る気管内カテーテルに関する。このカテーテルは、これを気管内の所定位置に保 持するための膨張可能なバルーンを備えている。この膨張性バルーンは、チュー ブの遠方端部近くに位置し、チューブの外周に装着された筒状の袋体から構成さ れ、チューブの管壁厚みの内部に設けられた長手方向の溝を介してバルーンを膨 張および収縮させる手段と連通している。

このカテーテルは次の２つの要件を満たしていなければならない。

第一に、カテーテルの遠方端部か非外傷性（傷つけにくい）、即ち、丸くて柔軟 でなければならない、そして 第二に、カテーテルの残りの部分は、操縦を可能にし、かつ緊急時には患者の気 管内に迅速に挿入できるように十分な剛性を有していなければならない。

図ＩＡに示すように、気管内カテーテルを構成する可撓性チューブ１の遠方端部 ２を斜め切断（ｃｈａｗｆｅｒ、面とり）することが提案されている。このチュ ーブの遠方端面２は、図ＩＢに図式的に示すように、適当な形状の金型内で熱変 形させることにより角をとる。この加熱の後、図ＩＣに見られるように、遠方端 部２が丸みを帯びた可撓性チューブが最終的に得られる。これらの図には膨張性 バルーンは示されていない。

チューブを構成する素材は、上記の２つの要件を可及的に十分溝たすように選択 される。しかし、それは単に折衷でしかなく、素材は剛性か十分ではないか、或 いは柔軟性か十分ではないかのいずれかであり、このような公知のカテーテルで は完全な満足は得られない。

従って、非外傷性、即ち、柔軟で丸みを帯びた遠方端部と、カテーテルに操縦に 必要な適性を付与するのに十分な剛性の両方を備えた、改善された気管内カテー テルを実現しようとする試みかなされてきた。

本発明は、カテーテルに十分な剛性を付与するように選ばれた硬さを持つ材料の 押出成形により製作された可撓性チューブと、カテーテルの非外傷性を確保する ように選ばれた硬さを持つ材料の射出成形により作製された、前記チューブの遠 方端部側の端面に端面どうしか当接するように付加された終端部材（エンドピー ス）とによりカテーテルを構成することを提案するものである。

しかし、この解決策では、カテーテルの使用時に、終端部材のチューブへの固定 が弱かった場合には終端部材か突然はずれてしまい、患者を窒息により死亡の危 険性にさらすという問題か起こる。

本発明によれば、バルーンの両側の軸方向端部をそれぞれ終端部材とチューブと に固定することにより、上記の問題が解決される。即ち、終端部材がチューブか ら万一外れてしまっても、終端部材はバルーンを構成する袋体によってチューブ につながっているので、カテーテルを抜き取ることにより終端部材を壱者の気管 から迅速に取り出すことができる。

有利には、可撓性チューブ状終端部材と可撓性チューブの遠方端部との接触端面 を相補的に斜め切断し、可撓性チューブとチューブ状終端部材との間で機械的特 性の漸進的な変化を生ずるようにする。

本発明の変更例において、可撓性チューブ状終端部材は、中間チューブ部材の一 端に端面どうしが当接するように付加される。この中間チューブ部材の反対側の 端部は、前記可撓性チューブの遠方端部の端面に端面どうしが当接するように付 加される。この中間チューブ部材の硬さは、可撓性チューブの硬さと可撓性チュ ーブ状終端部材の硬さの中間にある。

有利には、この中間チューブ部材は、端面どうしが当接するように配置された複 数のチューブ・セグメントからなり、各セグメントを構成する素材は、これらの セグメントを一体に組み立てて得た中間チューブ部材が、その長さ方向に漸進的 に変化する硬さを示すように選択される。

別の本発明の変更例にあっては、可撓性チューブがその管壁厚みの内部に少なく とも１本の長手方向の溝を有しており、中間チューブ部材は端面どうしが当接す るように配置された複数のチューブ・セグメントからなり、各セグメントはその 管壁厚みの内部に少なくとも１本の長手方向の溝を有していて、得られたカテー テルはその長さ方向に変動する数の長手方向の溝を有している。

好ましくは、可撓性チューブと可撓性チューブ状終端部材は、いずれも可塑化さ れたポリ塩化ビニルから製作される。

本発明のその他の特徴および利点は、以下に述べる本発明の非制隈的な実施態様 の説明と添付図面から明らかとなろう。添付図面において、図ＩＡ−ＩＣは、既 に述べたように、本発明の基礎となる従来技術を示し。

図２Ａ〜２Ｃは、本発明の気管内カテーテルを形成するために可撓性チューブに 終端部材を取り付ける際の各工程を示し。

図３は、チューブ部が終端部材と可撓性チューブの残りの部分との間に配置さ、 バルーンの膨張と収縮のための給気ラインを有している、本発明の気管内カテー テルの説明図であり。

図４Ａは、バルーンの終端部材への固定の仕方を詳しく示す拡大図であり。

図５Ａ〜５Ｃは、終端部材の自由端に適用しつる異なる形態を示し。

図６は、終端部材の色が各サイズに合わせて変えである、サイズが異なる一連の 気管内カテーテルを示し： 図７は、気管内カテーテルを患者の気管内に装着する方法を示す説明図であり； そして 図７Ａは、図７の○で囲った部分に対応する図であって、Ｘ線で見たカテーテル を示す。

図２Ａには、長手方向の中心ダクト（管腔）を持った可撓性チューブ３の一部と 、両端が開いているチューブ状終端部材４とが示されている。終端部材４は、そ の一方の端面を可撓性チューブ３の遠方端部側の端面５に当接するように配置す ることによって可撓性チューブ３に付加するように設計されている。

可撓性チューブ３は、有利にはカテーテルに良好な取扱い適性を付与するのに十 分な剛性を持った物質、好ましくはショアＡスケール（ＩＳＯ規格８６８または フランスのこれに対応する規格ＮＰ　Ｔ　５１−１０９に規定）での硬さが７５ 〜８５の範囲内にあるポリ塩化ビニルの押出成形により製作される。一方、終端 部材４はチューブ３を構成する材料より硬さの小さいプラスチック材料、例えば 、ンヨアＡスケール（上記の規格に規定）での硬さが６０〜７５の範囲内にある ポリ塩化ビニルの射出成形により製作される。

終端部材４の中心ダクトの直径は、可撓性チューブ３の中心ダクトの直径と同一 （１〜１０　ｍｍの範囲内）であることか好ましく、図２Ａに７で示される一方 の軸方向端面は、終端部材の製造工程において、患者の体内への気管内カテーテ ルの挿入が容易となるような形状か付与され、この端面は非外傷性の丸みを帯び た輪郭を有している。

終端部材４の反対側の端面６は、チューブ３の上記の遠方端部側の端面５に当接 させて配置するように設計されている。この２つの端面５および６は、図示のよ うに、カテーテルと終端部材の長軸（軸線）に垂直な直角接触面を構成していて もよい。

変更例においては、可撓性チューブ３と終端部材４との接触面積を増大させ、可 撓性チューブ３と終端部材４との間で機械的特性の変化が漸進的に起こるように 、端面５と６を互いに相補的に斜め切断（ｃｈａ＋５ｆｅｒ）　してもよい。図 ３に示すような本発明の変更例にあっては、終端部材４と可撓性チューブ３との 間に中間チューブ部材４０を介在させることもできる。この中間チューブ部材の 剛性は、可撓性チューブの剛性と終端部材の剛性との中間にある。

有利には、中間チューブ部材４０は、複数のチューブ・セグメント４１をその端 面部材が、その長さ方向に硬さが漸進的に変化するように選択した硬さを持つ材 料から製作する。

この中間チューブ部材は、有利には、各セグメントがその管壁厚みの内部に少な くとも一本の長手方向の溝を有している複数のチューブ・セグメントを端面どう しが当接するように配置したものから構成される。こうして、カテーテル内に設 けた長手方向の溝の本数がその長さ方向に変化したカテーテルを得ることができ 、それにより、例えばカテーテルに沿って離れた地点で物質を注射することが可 能となる。

終端部材４の可撓性チューブ３への取付けは、例えば、熱を用いた溶接、溶剤を 用いた溶接、または接着剤の使用といった多様な各種方法で行うことかできるが 、図２Ｂに図式的に示すように、高周波溶接手段２１を使用した高周波溶接によ り取付けを行うことか好ましい。

高周波溶接の具体的な利点は、溶接か正確で完全な再現性かあることである。

これに対し、熱溶接による取付けは、一体に溶接した２部材間で材料の膨らんだ フィレット（ｆｉｌｌｅｔ、肉盛り部）を生じ、溶剤または接着剤による取付け は、溶剤の使用による毒性に付随する危険性かある。

最後に、終端部材４を可撓性チューブ３に取り付けると、遠方端部７か丸く柔軟 で、従って非外傷性であるが、それより硬い可撓性チューブ３のために十分な剛 性も有していて、従って操縦か容易であって、患者の気管内に迅速かつ安全に挿 入することができる気管内カテーテルが得られる。

図２０に示すように、終端部材４の外径が可撓性チューブ３の外径に等しく、こ の２部材間の接合部が突出（段差）を生ずることなく滑らかな表面となるように することが好ましい。

図４は、本発明の気管内カテーテル、即ち、可撓性チューブ３、この可撓性チュ ーブの遠方端部に付加された終端部材４、およびカテーテルの遠方端部に配置さ れた膨張可能なバルーン８からなる気管内カテーテルを示す。このバルーン８は 、その両側の軸方向端部９および１０の内側周面がそれぞれ終端部材とチューブ とに気密に密着している円筒状の袋体から構成されていて、図４Ａに示すように 、バルーンには内部空間８′か存在する。

バルーンの軸方向端部９および１０は、溶剤系接着剤によってチューブと終端部 材とにそれぞれ接着されており、接着後、この接着剤を含浸させたブランによっ て、バルーンの両側の軸方向端部の自由端の厚みによってカテーテルの外面に生 ずる２つの出っ張り（段差）をスムースにする。こうして、患者の体内へのカテ ーテルの挿入中に器官を損傷する恐れのある段差をもたない外面か得られる。他 の接合手段（例、溶接）も使用できることは当然である。

バルーンの内部空間８゛は、可撓性チューブ３の管壁厚みの内部に設けられた長 平方向の溝（図示せず）を介してバルーン８の膨張および収縮を行う手段と連通 している。

より正確には、バルーン８への給気ライン１１が設けられ、この給気ライン１１ は補助チューブから構成される。この補助チューブの一端は、可撓性チューブ３ の管壁厚みの半分を貫いて、上記の管壁内の長手方向の溝の中に開口している穴 １２を経て、この長手方向の溝と連通している。補助チューブの他端は、膨張モ ニターとして機能する可撓性の袋１３を経て逆止め弁またはコンク１４に連結さ れる。逆止め弁またはコック１４は、バルーンの膨張および収縮を行う手段（図 示せず）に嵌めされているカップリング１５か設けられている。このカップリン グ１５は、気管内カテーテルを呼吸の補助装置または他の何らかの目的の装置（ 図示せず）に連結する作用を果たす。

バルーン８の軸方向端部９および１０がそれぞれ終端部材４と可撓性チューブ３ に固定されているため、終端部材４の可撓性チューブ３への取付けに関して高度 の安全性が得られるニガ−２つの端面５と６が何らかの理由で互いに離れてしま っても、終端部材４はバルーン８の袋体によって可撓性チューブ３につながった ままとなり、終端部材４が患者の気管内で失われてしまったら起こりうるような 苛酷な困難性を避けることができる。

可撓性の終端部材４の製作に射出成形を利用することにより、端面の斜め切断と 、この斜め切断した端面の角とり　（ｂｌｕｎｔ　ｉｎｇ）とにより両末端を形 成する従来のカテーテルでは得ることのできない形状を、端面７に対して付与す ることが可能となる。

図５Ａは、ある可撓性終端部材４の軸方向断面図である。この終端部材４の自由 端の端面７に形成された開口部２０の輪郭が形成する平面は、終端部材４の長軸 （軸線）Ｘに対して実質的に３８度に等しい角度で傾斜している。

その端部７で、この終端部材４は長軸Ｘの方に湾曲している部分１６を有してい るので、得られた終端部材は患者に外傷をほとんど生ずることがない。この湾曲 形状は、公知のカテーテルにおける熱により角とりした端面では得ることが非常 に難しい。

本発明は図５八に示した終端部材の形状に決して限定されるものではない。

１例として、図５Ｂは、図５Ａに関して上述した終端部材とは異なる形状の自由 端７゛を待った終端部材４°を示す。

終端部材４を通過する空気流量を増大させるために「マーフィーの目（Ｍｕｒｐ ｈｙｅｙｅ）　Ｊを形成し、肺の給気をより対称的にするように、終端部材４に 横方向の開口を設けることも可能である。終端部材の製作に射出成形を利用する ため、成形工程において、図５０に３０で示すマーフィーの目を、非外傷性の丸 みをおびた縁となるように形成することができる。

有利には、可撓性終端部材４は着色する。色は、終端部材のサイズに応じて一連 の異なる色から選ぶ。即ち、各色を終端部材の特定のサイズと関連づける。

例示として、図６には１セツトの気管内カテーテルの全部を示す。図を明確にす るために、この図には膨張性バルーンは示されていない。これらの気管内カテー テルをユーザーは色によって容易に識別でき、この特徴は緊急時には時間のかな りの節約を可能にする。変更例では、異なる色を、図５Ａ〜５Ｃに関して説明し たような特定の異なる形状の終端部材と関連づけることも可能である。

有利には、Ｘ線に不透明なプラスチック材料から終端部材４を製作することもで きる。それにより、図７および７Ａに図式的に示すように、患者の気管内におけ る気管内カテーテルの位置を恐らくはリアルタイムで観察することが可能となる 。

有利には、本発明では、公知のカテーテルの場合に見られるようにカテーテルの 全長にわたってではなく、カテーテルの遠方端部のみで（終端部材のみで）、そ の局面の全体にＸ線不透明性を集中させることができ、それによりカテーテルの より良好な可視性を得ることができる。

最後に、本発明の気管内カテーテルは、型成形により製作された終端部材４を可 撓性チューブ３の遠方端部側の端面に付加して使用することに伴う利点を、万一 チューブから終端部材か突然はずれてしまった場合でも、患者に窒息の危険を生 じさせずに享受することかできる。

４；

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. １．カテーテルが押出成形により製作された可撓性チューブ（３）と、カテーテ ルの遠方端部近くに位置する膨張可能なバルーン（８）とからなり、このバルー ンはカテーテルの外周に取付けられた筒状袋体から構成されていて、可撓性チュ ーブ（３）の管壁厚みの内部に設けられた長手方向の溝を介してバルーンを膨張 および収縮させる手段と連通している、人体に挿入するためのカテーテル、特に 気管内カテーテルであって、このカテーテルがさらに、可撓性チューブ（３）の 遠方端部側の端面（５）に端面どうしが当接するように付加された可撓性のチュ ーブ状終端部材（４）をさらに備え、この終端部材は射出成形により製作され、 前記バルーンの両側の軸方向端部（９，１０）がそれぞれ前記の可撓性チューブ 状終端部材（４）と可撓性チューブ（３）とに固定されていることを特徴とする カテーテル。
2. ２．可撓性チューブ（３）と可撓性チューブ状終端部材（４）との間で機械的特 性の漸進的な変化を生ずるように、可撓性チューブ状終端部材（４）と可撓性チ ューブ（３）の遠方端部との接触端面（５，６）が相補的に斜め切断されている ことを特徴とする、請求の範囲第１項記載のカテーテル。
3. ３．前記可撓性チューブ状終端部材（４）が、中間チューブ部材（４０）の一端 に端面どうしが当接するように付加されていて、この中間チューブ部材の反対側 の端部は、前記可撓性チューブ（３）の残りの部分の遠方端部側の端面（５）に 端面どうしが当接するように付加されており、この中間チューブ部材は可撓性チ ューブ（３）の残りの部分の硬さと可撓性チューブ状終端部材（４）の硬さの中 間の硬さを有することを特徴とする、請求の範囲第１項または第２項記載のカテ ーテル。
4. ４．前記中間チューブ部材が、端面どうしが当接するように配置された複数のチ ューブ・セグメント（４１）から構成され、各セグメント（４１）を構成する素 材は、これらのセグメントを一体に組み立てて得た中間チューブ部材が、その長 さ方向に漸進的に変化する硬さを示すように選択された硬さをもつことを特徴と する、請求の範囲第３項記載のカテーテル。
5. ５．前記中間チューブ部材が、端面どうしが当接するように配置された複数のチ ューブ・セグメントから構成され、各セグメントはその管壁厚みの内部に少なく とも１本の長手方向の溝を有しており、得られたカテーテルはその長さ方向に変 動する数の長手方向の溝を有していることを特徴とする、請求の範囲第３項また は第４項記載のカテーテル。
6. ６．可撓性チューブ（３）および可撓性チューブ状終端部材（４）が共に可塑化 されたポリ塩化ビニルから製作されていることを特徴とする、請求の範囲第１項 ないし第５項のいずれか１項に記載のカテーテル。
7. ７．可撓性チューブ状終端部材が、それぞれ特定のサイズと組合わせた異なる一 連の色の中からそのサイズによって選択された所定の色を有していることを特徴 とする、請求の範囲第１項ないし第６項のいずれか１項に記載のカテーテル。
8. ８．可撓性チューブ状終端部材（４）が、可撓性チューブ（３）または中間チュ ーブ部材に、端面どうしを当接させて高周波溶接により取付けられていることを 特徴とする、請求の範囲第１項ないし第７項のいずれか１項に記載のカテーテル 。
9. ９．可撓性チューブ状終端部材（４）がＸ線に対して不透明なプラスチック材料 から製作されていることを特徴とする、請求の範囲第１項ないし第８項のいずれ か１項に記載のカテーテル。
10. １０．前記可撓性チューブがショアＡスケール（ＩＳＯ規格８６８に従って測定 ）で７５〜８５の範囲内の硬さを有する材料から製作され、前記終端部材がショ アＡスケール（ＩＳＯ規格８６８に従って測定）で６０〜７５の範囲内の硬さを 有する材料から製作されていることを特徴とする、請求の範囲第１項ないし第９ 項のいずれか１項に記載のカテーテル。