JPH0650905U - 無人搬送車の非常用自在輪 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動輪の故障時に、駆動輪を浮き上がらせる
ための押し下げ式の自在車輪であって、通常の自在輪だ
けでは車両としての走行安定性を得ることができない無
人搬送車にも適用できる非常用自在車輪を提供するこ
と。 【構成】 無人搬送車１の駆動輪２に近接して配置さ
れ、通常時は接地しない状態に保持されているが、必要
に応じて接地させ駆動輪２を浮き上がらせることができ
る非常用自在輪４である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、操舵輪，駆動輪および自在輪を有する３輪以上の無人搬送車用に おいて、何らかの故障によりブレーキのかかった駆動輪を走行路面から浮き上が らせるための押し下げ型の自在車輪に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

工場や倉庫内を無人運転により走行する無人搬送車において、駆動輪及びその 制御系に何らかの故障が生じたときは、安全確保のためブレーキがかかるように なっているのが通例である。

【０００３】 駆動輪にブレーキがかかり走行不能となったときは、駆動輪を浮き上がらせて 他の牽引車で牽引するか、人力により手押し作業により修理場所まで移動させる 必要がある。

【０００４】 駆動輪を浮き上がらせるための手段としては、自在車輪を押し下げて車両の重 量を自在車輪で受けることができるようにした押し下げ式の自在車輪が公知であ る。（一例として、実開平３−４５３８６号公報参照）

【０００５】 しかし、従来公知の押し下げ型自在車輪は、故障時でない通常時にも自在車輪 として機能しているものを、駆動輪の故障時に、さらに押し下げて駆動輪を浮き 上がらせようとするものであるから、自在車輪の位置が当初から安定した位置に 配置されている車両でなければ適用できないという問題点がある。

【０００６】 すなわち、駆動輪の位置が無人搬送車の走行安定性に関係のない位置にあり、 他の車輪の位置を変えずに、高さだけを変えることによって移動させることが可 能となる車両でなければ適用できなかった。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記問題点を解決することを課題としてなされたものであって、 自在輪だけでは車両としての走行安定性を得ることができない無人搬送車にも適 用できる非常用自在車輪を提供しようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記問題点を解決することを課題としてなされたものであって、 無人搬送車１の駆動輪２に近接して配置され、通常時は接地しない状態に保持さ れているが、必要に応じて接地させ駆動輪２を浮き上がらせることができること を特徴とする非常用自在輪４を考案要旨とするものである。

【０００９】

【作用】

この考案の非常用自在輪４は、通常時は接地しない状態に保持されているが、 駆動輪が故障してブレーキがかかった状態となったときには、接地させて駆動輪 ２を浮き上がらせることができるから、故障時にも無人搬送車１を安定した走行 状態で所要の場所まで移動させることができる。

【００１０】

【実施例】

図１，図２に、自在車輪のみによっては走行安全性を保つことができない無人 搬送車の一例として、車体の側面にフォークを備えたサイドフォークリフトの車 輪配置を示す。図１は側面図、図２は底面図である。

【００１１】 図において、１は無人搬送車（サイドフォークリフト）であって、フォークを 備えた荷台部分１ａが他の部分より一段低い配置となっており、長尺物を安定し て運搬できるようになっている。

【００１２】 したがって、底面と走行路面との距離（高さ）が低い荷台部分の下には大径の 操向・駆動輪２，２を配置することができず、荷台部分１ａの下面には自在輪３ ，３のみが配設されている。

【００１３】 すなわち、車両の長手方向左右両側に駆動輪２と自在輪３とが並列に、前後方 向に駆動輪２，２および自在輪３，３がそれぞれ直列に配置されている。

【００１４】 ４は、前記駆動輪２に近接して配設された非常用の自在車輪であって、常時は 接地しない状態に保持されているが、駆動輪２が故障してブレーキがかかった状 態となったときは、押し下げられて接地し駆動輪２を浮き上がらせることができ るようになっている。

【００１５】 図３に非常用自在車輪４の構造を示す。５はウォームシャフト６の軸端に着脱 自在のハンドルであって、このハンドル５をウォームシャフト６に装着して回転 させると、ウォームシャフトに噛み合うウォームホイール７が回転し、シャフト ８を昇降させることができる

【００１６】 このシャフト８には、軸受９，１０を介してボス１１が旋回自在に支持されて おり、このボス１１にはアーム１２，車軸１３を介して車輪１４が回転自在に支 持されている。なお、ウォームシャフト６を回転自在に支持するブラケット１５ は車体に固定されている。

【００１７】 図３は、車輪１４が接地した状態を示し、このように接地させることによって 駆動輪２をジャッキアップさせることができ、また、ハンドル５を逆方向に回転 させることによって非常用自在輪４の車輪１４を引き上げることができる。

【００１８】

【効果】

この考案の非常用自在輪４は、無人搬送車１の駆動輪２に近接して配置され、 通常時は接地しない状態に保持されているが、必要に応じて接地させ駆動輪２を 浮き上がらせることができるから、駆動輪の故障時にも無人搬送車１を安定した 走行状態で所要の場所まで移動させることができる。したがって、通常の自在輪 のみによっては安定走行が不可能な無人搬送車（例えば、無人サイドフォークリ フト）の非常用として好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の非常用自在輪を装着した無人搬送車の
正面図である。

【図２】同じく底面図である。

【図３】本考案の非常用自在輪の縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 無人搬送車（無人サイドフォークリフト） ２ 駆動輪 ３ 自在輪 ４ 非常用自在輪 ５ ハンドル ６ ウォームシャフト ７ ウォームホイール ８ シャフト ９ 軸受 １０ 軸受 １１ ボス １２ アーム １３ 車軸 １４ 車輪

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 無人搬送車１の駆動輪２に近接して配置
   され、通常時は接地しない状態に保持されているが、必
   要に応じて接地させ駆動輪２を浮き上がらせることがで
   きることを特徴とする非常用自在輪。