JPH06507225A - ベベルピニオンを含むスリップ制限差動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ヘベルピニオンを含むスリップ制限差動装置失古盟１ 本発明は、差動装置に関し、特に、固有摩擦トルク７＜イアスを有するトルク分 配、つまり「スリップ制限」型の差動装置に関する。

本発明は、主として自動車に使用するために開発されたものであるか、この用途 に限られるものではない。

ｉ見且泗 車両がカーブを進む際、外側の車輪は内側の車輪よりも速く回転する。従来の差 動装置は、このような回転速度差を許容するとともに、効率１００％の差動装置 の場合、常時等しいトルクを両輪に伝達する。

しかし、車輪か、例えば滑り易い面上でトラクション、つまり引張り力を失うと 、自由回転してトルクを殆ど受けなくなり、この結果、従来の差動装置は、トラ クションを伴う駆動トルクを殆ど又は全く車輪に伝達しなくなって、車両は動か なくなる。

この課題に対する１つの解決策は、駆動力の喪失を制御するため最大トラクショ ンと共にトルクを車輪に偏向、即ち伝達するトルク分配型、つまり「スリ・ノブ 制限」型差動装置を提供することである。得られるトルク比は、トルクバイアス と呼ばれ、次の式でめられる。

トルク分配差動装置は周知となっている。しかし、従来の多くの差動装置は、全 ての用途に十分なトルクバイアスの範囲を提供するものではない。このような制 限は、特に大型車両において顕著である。他の従来型トルク分配差動装置は、ト ルクバイアスを増すための手段として事前装着ばね又は摩擦クラッチを用いてい る。しかし、この構成は、クラッチに付与される固有摩擦予負荷の結果たる差動 運動のたびに発生する過剰のクラッチ摩耗のため作用寿命に限度がる。さらに、 クラッチにおける固有摩擦予負荷は、通常のカーブ走行操作時の車輪の相対回転 を阻害して、正常な運転状況下での車両操作に悪影響を与え、タイヤの摩耗増大 という新たな問題を生起せしめる。これらの問題は、前輪駆動車において特に顕 著である。

ｌ匪且】ｊ 本発明は、従来技術における上記のごとき課題を克服或いは少なくとも実質的に 改善する、比較的簡単なトルク分配差動装置を提供することを目的とする。

本発明の１の特徴によれば、固有摩擦トルクバイアスを有するトルク分配差動装 置が提供された。この差動装置は、長手軸を中心として回転駆動するようなされ 、内方に向くハウジングスラスト面をそれぞれ画成する複数の周方向に離隔する 内側ピニオン位置決め構成体を有する支持ハウジングと、前記支持ハウジングに 対して固定された軸を中心として回転するよう支持された一対の独立する同軸の ベベルサイドギヤと、サイドギヤと噛合する複数の浮動式ベベルビニオンと、か ら成り、該ベベルビニオンは、位置決め構成体に対して摩擦回転するようなされ るとともに、サイドギヤに不均一単方向トルクが付与された際に半径方向の分離 力がビニオンをピニオン位置決め構成体に対して移動するように働き、もって不 均一トルクの各サイドギヤによる支持を可能とする摩擦ドラグを生成するように 配設された対応するビニオン外側スラスト面を有する。

ビニオン位置決め構成体は、好ましくは、凹みキャビティである。

好ましい実施例において、差動装置は、ハウジングに支持され、外方に向く実質 的に平坦なフラストブロック面を画成する中央で離隔したスラストブロックを含 む。

浮動式ベベルピニオンは、有益にも、不均一単方向トルクがサイドギヤに付与さ れた際に、ハウジングに対するビニオンの相対回転がスラストブロック面とビニ オン内側スラスト面との間の軸受摩擦となるようにスラストブロック面に対して 摩擦回転するようなされた実質的に平坦なビニオン内側スラスト面を画成する。

１の実施例において、内方に向くハウジングスラスト面および対応するビニオン 外側スラスト面は球状である。

代替実施例において、差動装置は、対応する円錐形ビニオン突部を回転収容し、 かつ、位置決めするため凹み円錐ソケットを有する中央に配設されたスパイダを 含む。

この実施例において、内側および外側ビニオンスラスト面を画成する互いに対向 して外方に延出する円錐突部をそれぞれ有する３つの浮動ベベルビニオンがサイ ドギヤの周囲で周方向に均一に離隔するようにすることが望ましい。

図面の　単な２ロ 添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を、単なる例示として、以下に説 明する。

図１は、本発明の第１の実施例による中央で離隔するスラストブロックを有する ２ピニオントルク分配差動装置を一部断面で示した正面図である。

図２は、本発明の第２の実施例によるハウジング中央に固定配置されたスパイダ を有する３ピニオントルク分配差動装置を一部断面で示した側面図である。

図３は、中央スパイダが本発明の第３の実施例により自由浮動式とされた、図２ に示されたものに類似する３ビニオントルク分配差動装置を一部断面で示した側 面図である。

図４は、球状スラスト面を有する、図２に示されたものに類似する３ピニオント ルク分配差動装置を一部断面で示した側面図である。

図５は、中央スパイダが自由浮動式である、図４に示されたものに類似する３ピ ニオントルク分配差動装置を一部断面で示した側面図である。

発註を実施するための形態 添付図面中、図１を参照するに、差動装置１は、長手軸３を中心として回転駆動 するようなされた支持ハウジング２を含む。同軸で平行な独立する一対のサイド ギヤ４および５は、軸３を中心として回転するよう支持されている。支持ハウジ ング２は、それぞれの内側に向くハウジングスラスト面７を画成する２つの周方 向に離隔して一部球状に凹んだ内側ビニオンキャビティ６を含む。

２つの浮動式ベベルピニオン８は、それぞれサイドギヤ４および５と噛合してお り、それぞれ外側および内側ビニオンスラスト面９および１０を有する。外側ス ラスト面９は、凹みキャビティ６内で摩擦回転するようになっている。

立方形のスラストブロック１２は、十字シャフト１１を介して支持ハウジング２ の内側中央に支持されており、外側に向く４つのスラスト面を画成する。

２つのビニオン８の内側スラスト面１０は、２つの対応するスラストブロック面 １３に対して摩擦回転するようになっている。スラストブロック面１６は、サイ ドギヤをハウジングに対する所定位置に配置する。

図２および図３は本発明の代替実施例を示すもので、対応する特徴には対応する 符合が付されている。この実施例による差動装置１は、中央で分離するスパイダ ２゜を含む。このスパイダ２ｏは、（図２に示されるような）半径方向アーム２ １又は図３に示されるようなハウジング内の自由浮動子を介して支持ハウジング に固定され、各キャビティ内のビニオンにががる推力によって所定位置に位置決 めされ、維持される。

３つの浮動式ベベルピニオン２２は、それぞれ内側および外側ピニオンスラスト 面２５および２６を画成する対向円錐形突部２３および２４を有する。

ハウジング２は、３つの周方向に均一に離隔して対応する円錐形ビニオン突部２ ４を収容する円錐ソケット２７を含み、これによってビニオンをハウジングに対 して位置決めする。円錐形ソケット２７は、それぞれ内側に向くハウジングスラ スト面２８を画成して対応のピニオン外側スラスト面２６と摩擦摺動係合する。

同様に、スパイダ２０は、３つの均一に離隔して半径方向に向き外方に拡開する 円錐形ソケット２９を含み、対応する円錐形ピニオン突部２３を収容する。円錐 ソケット２９は、それぞれの外側に向くスパイダスラスト面３０を画成してそれ ぞれの対応するピニオン内側スラスト面２５と摩擦摺動係合する。

同しよう対応する特徴が対応する符合で表わされている図４および５を参照する に、３つの浮動式ベベルビニオン３１は、それぞれ内側および外側ビニオンスラ スト面３４および３５を画成する対向する球状突部３２および３３を有する。

ハウジング２は、３つの均一に周方向に離隔する球状ソケット３６を含んで対応 する球状ピニオン突部３３を収容し、ビニオンをハウジングに対して位置決めす る。

球状ソケット３６は、それぞれの内側に向くハウジングスラスト面３７を画成し てそれぞれの対応するビニオン外側スラスト面３５と摩擦摺動係合する。

同じように、スパイダ２０は、３つの均一に離隔して半径方向に向き外方に拡開 する球状ソケット３８を含んでいて対応する球状ピニオン突部３２を収容する。

球状ソケット３６は、それぞれの外側に向くスパイダスラスト面３９を画成して それぞれの対応するビニオン内側スラスト面３４と摩擦摺動係合する。

これらの実施例は、通常のカーブ走行操作の際或いは一方の車輪がトラクション を失ってスピンする車輪のスリップ状態の下でサイドギヤ間の相対運動を許容す る。

ビニオンは、サイドギヤの相対回転運動がビニオンの対応回転運動を生起せしめ るように配設されている。

カーブ走行操作時に反対方向のトルクが各サイドギヤに伝達され、これに対して １つの車輪がトラクション、つまり推力を失う車輪のスリップ状態下では単一方 向のトルク（同一方向のトルク）が各サイドギヤに付与される。

転回操作時にサイドギヤに逆トルクが働くと、浮動ビニオンは、逆の反作用推力 が形成されずに自由回転する。

このような状況下でビニオンの回転を発生させる力は小さいものであり、接点に おける反力はこれに比例して小さく、摩擦ドラグ、即ち摩擦抗力が少ししか或い は全く発生せず、ビニオンはそれぞれのキャビティ内で自由に回転する。

車輪のスリップ状態下では、半径方向に向く力がビニオンを付勢してそれぞれの ピニオンキャビティと摩擦係合せしめる。比較的大きい内側反力から結果する軸 受摩擦は、各サイドギヤによる不均一単方向トルクの支持を可能ならしめる高摩 擦ドラグの形態の「無効率」を創出する。

この差動装置は、転回操作に対しては低い抵抗で、車輪のスリップ状態下では高 い抵抗で、ビニオンの相対運動を許容する。これは、全操作状態下で相対ギヤ運 動を阻害し、通常運転状況下で車両操作に悪影響を与えて差動装置の耐用期間を 短くするとともに、不必要なタイヤの摩耗を招来する、従来の事前装填されたク ラッチ型トルク分配差動装置と比べて顕著な本発明の利点である。

さらに、これらのクラッチ型および他の既存の差動装置によって達成されたトル クバイアスは時として不十分なものであった。

図２および３に示される実施例の中央スパイダは、図１の実施例よりもビニオン の確実な位置決めを可能として結果的に差動装置バックラッシが減少する。

また、自由浮動式スパイダを有する図３に示される形状は、スパイダがハウジン グに堅固に支持されている図２の実施例よりも大きい差動装置バックラッシを有 する。

図３の形状は、差動装置バックラッシにより鈍感な用途において効果的に使用で きる低コスト選択肢である。

自動車に使用された際の差動装置の作用について説明するに、支持ハウジング２ は、入力駆動軸（図示せず）を介して軸３を中心に回転駆動する。入力駆動軸は 、その後、支持体に固定されたベベル冠歯車と噛合するベベルビニオンを介して ９０’転回する。サイドギヤ４および５は、車両の駆動輪に連結された一対の同 軸で対向し外方に突き出る半割シャフト１７および１８と一体又はこれに固定さ れている。

通常の運転状況下で両輪（および両サイドギヤ）は、はぼ等しい回転速度で回転 し、はぼ等しいトルクを受ける。車両がカーブを曲がる際、各サイドギヤのトル クは反対方向にかかり、このような状況下でビニオンは従来の差動装置における ごとく自由回転する。

しかし、１つの車輪がトラクションを失うと、（同一方向の）不均一トルクが各 サイドギヤに伝わり、差動歯車列に伝達される大きな内側反力が発生すると同時 に、半径方向に向く分離する力成分がビニオンをピニオンキャビティに対して半 径方向に移動するように働く。ピニオンは、それぞれのキャビティに割り入って 摩擦ドラグを創出し、サイドギヤの差動回転を妨げ、かつ、駆動車輪への不均一 単方向トルクの伝達を可能ならしめる停止作用を提供する。

改善された動つりあい及びより均一な歯車負荷の伝達を提供するためサイドギヤ ４および５の回りに何個のピニオンを周方向に均一に離隔配置してもよいが、こ の場合、スラストブロック若しくはスパイダと一致する形状を有することになる 。これらの代替形状も、異なる用途に対する広範囲のトルクバイアス比を備える トルク分配差動装置の設計に大なる融通性を提供する。

さらに、ピニオンのスラスト面形状は球状、円錐形成いは平坦である必要はなく 、面接触を最大とするシリンダ、一連の同心溝および突状などの他の適当な形状 としてもよい。

本発明の差動装置のトルクバイアスは、以下の要素の関数である。

１、使用するベベルギヤの種類（例えば真直若しくは螺旋形） ２、ギヤ間の半径方向の分離力に影響を与えるギヤの圧力角 ３、ピニオンのピッチ円直径 ４、ピニオン及びハウジングスラスト面の形態５、スラスト面の表面仕上および 使用する潤滑油の性質によって変化する、ピニオンとハウジングとの間の摩擦係 数 ６、使用するピニオンの数 ７、中央スラストブロック又はスパイダの形状図面に示されたビニオン形状は、 道路車両への使用に特ニ適する６、０のオーダのトルクバイアス比を達成する。

この発明は、ばね若しくはクラッチを必要とせずに意図した用途に適応する広範 囲のトルクバイアス比を提供できる改良された、比較的簡単なトルク分配差動装 置を提供する。また、本発明の差動装置は、通常の転回操作時のサイドギヤの差 動回転を妨げず、従って差動装置の寿命を延長するとともに、車両の操作性を高 め、タイヤの摩耗を減少せしめる。

具体的な実施例を参照して本発明を説明してきたが、本発明を他の種々の形態に 実施可能なことは当業者に明白である。

平成５年１１月８日

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. １．固有の摩擦トルクバイアスを有するトルク分配差動装置であって、 長手軸を中心として回転駆動するようなされ、内側に向くハウジングスラスト面 をそれぞれ画成する複数の周方向に離隔する内側ピニオン位置決め構成体を有す る支持ハウジングと、 前記支持ハウジングに対して固定された軸を中心として回転するよう支持された 一対の独立する同軸のベベルサイドギヤと、 前記サイドギヤと噛合しているとともに、前記位置決め構成体と摩擦係合するよ うなされ、かつ、不均一単方向トルクが前記サイドギヤに付与された際に半径方 向の分離力が前記ピニオンを前記位置決め構成体に対して移動するように働き、 もって前記サイドギヤの各々による不均一トルクの支持を可能ならしめる摩擦ド ラグを生成するよう配役された対応するピニオン外側スラスト面を有する複数の 浮動式ベベルピニオンと、から成るトルク分配差動装置。
2. ２．前記ピニオン位置決め構成体は、凹みキャビティとされた請求の範囲第１項 に記載のトルク分配差動装置。
3. ３．前記ハウジングによって支持されるとともに、外方に向き実質的に平坦なス ラストブロック面を更に含む請求の範囲第１項に記載のトルク分配差動装置。
4. ４．前記浮動式ベベルピニオンは、不均一単方向トルクが前記サイドギヤに伝達 された際に前記ハウジングに対する前記ピニオンの相対回転が前記スラストブロ ック面及び実質的に平坦なピニオン内側スラスト面との間に軸受摩擦を生じるよ うに前記スラストブロック面に対して摩擦回転するようなされた前記ピニオン内 側スラスト面を画成する請求の範囲第１項に記載のトルク分配差動装置。
5. ５．前記内側に向くハウジングスラスト面及び前記対応するピニオン外側スラス ト面が球状である請求の範囲第１項に記載のトルク分配差動装置。
6. ６．対応するピニオン突部を回転収容し、位置決めするため凹みソケットを有し て中央に配設されたスパイダを含む請求の範囲第１項に記載のトルク分配差動装 置。
7. ７．前記凹みソケットが円錐形である請求の範囲第６項に記載のトルク分配差動 装置。
8. ８．前記凹みソケットが球状である請求の範囲第６項に記載のトルク分配差動装 置。
9. ９．前記サイドギヤの周囲で周方向に均一に離隔する内側及び外側ピニオンスラ スト面を画成する対向して外方に延出する突起をそれぞれ有する３つの浮動式ベ ベルピニオンを含む請求の範囲第６項に記載のトルク分配差動装置。