JPH0650451Y2 - 乗客コンベアのパレット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は、エスカレータ，動く歩道のような乗客コン
ベアに関し、特にパレットを構成する踏板の改良に関す
るものである。

【従来の技術】

一般に、乗客コンベアは例えば実開昭60-81979号公報に
示されるように一対のブラケットを取付けたパレットを
備えていて、このブラケットは無端状に連設された一対
のリンクに軸架されたパレット軸に係合されている。 従来、上記パレットは第４図及び第５図に示すように、
例えばアルミダイカストよりなる踏板1,2及び３を踏板
１の両端部に踏板2,3を連結することにより構成されて
いる。 踏板１、２および３のそれぞれの両側面には、側面凸部
20aと側面凹部20bとからなる側面凹凸20が、一方の側面
の側面凸面20aが他方の側面の側面凹部20bに対向するよ
うに所定ピッチでそれぞれ形成され、さらにそれらの表
面には、対向する側面凸部20aおよび側面凹部20bの中央
部に表面凸部21が位置するように凹凸面1c、2a及び3aが
それぞれ形成され、凹凸面に1c,2a及び3aは図示しない
乗降口の櫛と係合するようにしてある。 また、踏板２は踏板１の右側斜線部1aを切削加工して形
成され、踏板３は踏板１の左側斜線部1bを切削加工して
形成されている。 そして、踏板１の裏面には支持部材5,5aの取付孔8a,8b,
8c及び8dが設けられ、踏板2,3の裏面には支持部材5,5a
の取付孔9a,9b,9c及び9dとブラケット7,7aの取付孔10a,
10b,10c及び10dとがそれぞれ設けられている。 取付孔8a,8b,8c,8d及び9a,9b,9c,9dに支持部材5,5aに挿
通されたビスを螺着することによって踏板1,2,3は連結
されてパレットが構成される。このパレットに取付孔10
a,10b,10c,10dに螺着されるビスによってブラケット7,7
aが固定され、このブラケット7,7aを図示しないパレッ
ト軸に係合させ、さらにパレット一方の側面凹部20bを
隣接する他方のパレットの側面凸部20aに係合させて無
端状に複数のパレットが図示しないリンクに取付けられ
る。

【考案が解決しようとする問題点】

上記のような従来の乗客コンベアのパレットは、表面に
凹凸面1c,2a,3aを設けた複数の踏板1,2,3を連結して構
成され、しかも踏板２は踏板１の右側斜線部1aを踏板３
は踏板１の左側斜線部1bをそれぞれ切削加工して形成さ
れるので製作に手間が掛かる問題点があった。 また、切削加工で踏板2,3に寸法誤差が生ずると各踏板
の連結時に寸法誤差が累積され精度の良いパレットが得
難くなるばかりでなく、踏板の製作，管理等の工程の簡
素化も図れない問題点があった。 この考案はかかる問題点を解決するためになされたもの
で、踏板の形状を同一化して製作，管理等の工程の簡素
化を図るとともに寸法精度のより乗客コンベアのパレッ
トを得ることを目的とする。

【問題点を解決するための手段】

この考案に係る乗客コンベアのパレットは、側面凹凸の
所定ピッチを、踏板一方の側面凹部が隣接する他方の踏
板の側面凸部と対向する間隔に設定し、凹凸面を、対向
する側面凹部および対向する側面凸部のそれぞれの中央
部の表面に表面凸部を形成して構成し、かつ、踏板を、
一端面を取付面とする同一形状の２枚の分割踏板であっ
て一方の該分割踏板に対して他方の分割踏板を180°回
転してそれぞれの該取付面が突合わさる形状に構成した
ものである。

【作用】

この考案においては、一端面を取付面とする同一形状の
２枚の分割踏板を、一方の分割踏板に対して他方の分割
踏板を180°回転してそれぞれの取付面同士が突合わさ
るように配設すればパレットが構成される。

【実施例】

以下、この考案の一実施例を第１図，第２図及び第３図
を参照して詳細に説明する。 この考案に係る乗客コンベアのパレットでは、パレット
を２枚の分割踏板11、11で構成し、この分割踏板11は例
えばアルミダイカストよりなり、一端面を取付面11aと
する同一形状に形成されている。 分割踏板11は、一方の側面の側面凹部20bが他方の側面
の側面凸部20aに対向するように両側面のそれぞれに所
定ピッチで側面凹凸20が形成され、かつ、対向する側面
凹部20bおよび側面凸部20aの中央部に表面凸部21が位置
するように表面に凹凸面11b形成され、さらに最外側の
表面凸部21から隣接する表面凸部21間間隙の半分の長さ
外側の位置に取付面11aが形成されている。そして、２
枚の分割踏板11、11を、一方の分割踏板11に対して他方
の分割踏板11を180°回転して取付面11a、11a同士を突
合わせて連結すれば、取付面部における両側面の側面凹
凸20のピッチおよび表面の表面凸部21のピッチが他の部
分と一致した１枚のパレットが構成される。 分割踏板11の裏面には第２図に示すように下方側と上方
側に円筒リブ14a,14b,14c,14dが設けられ、これらの内
筒部は同一形状に形成された支持部材12,12aの取付孔15
a,15b,15c,15dとして形成されている。また、円筒リブ1
4a,14b間と、円筒リブ14c,14d間とには直線状の補強リ
ブ16a,16bが設けられている。そして、円筒リブ14bと14
dとの右側方向には円筒リブ17a,17bと17c,17dとが設け
られ、これらの内筒部は同一形状に形成されたブラケッ
ト13,13aの取付孔18a,18b,18c,18dとして形成されてい
る。 一方、円筒リブ14b,17a間には補強リブ19aが、円筒リブ
17a,17b間には補強リブ19bが設けられ、円筒リブ14d,17
c間と円筒リブ17c,17d間にも補強リブ19cと19dとがそれ
ぞれ設けられている。 そして、取付孔15a,15b,15c,15dには支持部材12,12aの
取付用ビスが、取付孔18a,18b,18c,18dにはブラケット1
3,13aの取付用ビスがそれぞれ螺着される。 上記のように構成された乗客コンベアのパレットにおい
ては、２枚の分割踏板11、11を、一方の分割踏板11に対
して他方の分割踏板11を180°回転させて取付面11a、11
a同士を突合わさて連結し支持部材12、12aを取付ける
と、取付面部における両側面の側面凹凸20のピッチおよ
び表面の表面凸部21のピッチが他の部分と一致した１枚
のパレットが構成される。このパレットにブラケット1
3,13aを固定してブラケット13,13aを図示しない一対の
パレット軸に係合させ、さらにパレットの一方の側面凹
部20bを隣接する他方のパレットの側面凸部20aに係合さ
せると、パレット軸を介してパレットは図示しない一対
のリンク上に無端状に連設して取付けられ移動かつ回転
自在となる。 従って、この実施例では分割踏板11の切削加工が不要な
ため製作，管理等の工程が極めて簡素化できる。 しかも、一方の分割踏板11に対して他方の分割踏板11を
180°回転させて取付面11a、11aを突合わせて連結すれ
ば良いので組立工程も簡素化できる。 そして、乗降口の櫛と凹凸面11bとは確実に係合でき
る。

【考案の効果】

この考案は以上説明したとおり、一端面を取付面とする
同一形状の２枚の分割踏板を、一方の分割踏板に対して
他方の分割踏板を180°回転させて取付面同士を突合わ
せて連結することによってパレットを構成している。 従って、踏板の切削加工が不要となるので製作，管理等
の工程は著しく簡素化する効果がある。 また、切削加工による寸法誤差は生じないため踏板の寸
法は均一化され、その結果パレットの寸法精度が著しく
向上する効果がある。 しかも、凹凸面と乗降口の櫛とは確実に係合してパレッ
トの安定した移動及び回転が確保できるため乗客コンベ
アの信頼性は向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例におけるパレットの平面
図、第２図は第１図のパレットを構成する踏板の裏面
図、第３図は第２図の踏板の連結説明図、第４図は従来
のパレットの平面図、第５図は従来の踏板の連結説明図
である。 11……分割踏板、11a……取付面、11b……凹凸面、20…
…側面凹凸、20a……側面凸部、20b……側面凹部、21…
…表面凸部。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】無端状に連結された左右一対のリンクに通
   したパレット軸に、表面を乗降口の櫛と係合する凹凸面
   とし、かつ、両側面に所定のピッチで側面凹凸を形成し
   た踏板の複数個を、一対のブラケットを介して前記側面
   凹凸が互いに係合して連設・配置してなる乗客コンベア
   のパレットにおいて、 側面凹凸の所定ピッチを、前記踏板一方の側面凹部が隣
   接する他方の前記踏板の側面凸部と対向する間隔に設定
   し、 凹凸面を、対向する前記側面凹部および対向する前記側
   面凸部のそれぞれの中央部の表面に表面凸部を形成して
   構成し、かつ、 踏板を、一端面を取付面とする同一形状の２枚の分割踏
   板であって一方の該分割踏板に対して他方の分割踏板を
   180°回転してそれぞれの該取付面が突合わさる形状に
   構成したこと、 を特徴とする乗客コンベアのパレット。