JPH0650039U - 外部共振器型ｓｈｇ変換デバイス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 折り返し型のファブリペロー共振器とするこ
とで、結晶長が倍に使用でき、かつリング型の利点も兼
ね備えた外部共振器を利用した外部共振器型ＳＨＧ変換
デバイスを実現する。 【構成】 基本波および第２高調波に対して反射率がほ
ぼ１００％のミラーコーティングが施された曲率面を有
する球面ミラーと、この球面ミラーのほぼ曲率中心に配
置され前記基本波に対して反射率がほぼ１００％のミラ
ーコーティングが、また前記第２高調波に対して透過率
がほぼ１００％のコーティングが施された平面を有する
平面ミラーとで構成された光共振器と、前記光共振器内
に配置され前記第２高調波を効率良く発生するように位
相整合を取られた非線型光学結晶とを備えた構成とした
ことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、非線型光学結晶を用いて高効率の第２高調波（Second Harmonic Ge neration：以下、単にＳＨＧという）を得るデバイスの構成に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

一般的にＳＨＧ光の発生効率は基本波のパワーに比例するため、外部共振器構 成として、共振器内の大パワーを利用し、効率を上げている。このような外部共 振器として、図３に示すようなリング型外部共振器がある。このリング型外部共 振器は（イ）図に示すような３枚のミラーとその間に配置された非線型光学結晶 からなるタイプや、（ロ）図に示すような非線型光学結晶の球面研磨によるタイ プなどがあり、その利点としては、 ・入射ミラーの直接的な反射光がレーザダイオードへ戻らない ・一方向へＳＨＧ光が取り出せる という点が上げられる。

【０００３】 しかしながら、その反面で、リング型外部共振器を構成する共振器として、（ イ）図のものは、高価なミラーが３枚が必要であり、共振器用の精度の良いミラ ーは非常に高価であり、共振器の調整が難しいなどの欠点を持っている。また、 （ロ）図のものは、非線型光学結晶の研磨代が高価であるという課題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記従来技術の課題を踏まえて成されたものであり、折り返し型の ファブリペロー共振器とすることで、結晶長が倍に使用でき、かつリング型の利 点も兼ね備えた外部共振器を利用した外部共振器型ＳＨＧ変換デバイスを提供す ることを目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための本考案の構成は、 基本波および第２高調波に対して反射率がほぼ１００％のミラーコーティング が施された曲率面を有する球面ミラーと、この球面ミラーのほぼ曲率中心に配置 され前記基本波に対して反射率がほぼ１００％のミラーコーティングが、また前 記第２高調波に対して透過率がほぼ１００％のコーティングが施された平面を有 する平面ミラーとで構成された光共振器と、前記光共振器内に配置され前記第２ 高調波を効率良く発生するように位相整合を取られた非線型光学結晶とを備えた 構成としたことを特徴とする。 また、前記平面ミラーの代わりに、前記非線型光学結晶の前記平面ミラー側の 面に前記基本波に対して反射率がほぼ１００％のミラーコーティングを、また前 記第２高調波に対して透過率がほぼ１００％のコーティングを施して平面ミラー 部として前記光共振器を構成したことを特徴とする。 また、前記球面ミラーおよび平面ミラーの代わりに、前記非線型光学結晶の一 対向面の一方には基本波および第２高調波に対して反射率がほぼ１００％のミラ ーコーティングが施された曲率面を形成し、他方の面は前記曲率面のほぼ曲率中 心がおかれ前記基本波に対して反射率がほぼ１００％のミラーコーティングが、 また前記第２高調波に対して透過率がほぼ１００％のコーティングが施された平 面を形成して前記光共振器を構成したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案によれば、共振器を構成する高価なミラーが２枚で良く、また、ミラー の調整および組立はファブリペロー型と同じで容易であり、特に平面ミラーは球 面ミラーの曲率中心にあるため、多少の傾きが許される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を図面に基づいて説明する。 図１（イ）〜（ハ）は本考案の外部共振器型ＳＨＧ変換デバイスの一実施例を 示す構成図である。図１（イ）において、は基本波および第２高調波に対して 反射率がほぼ１００％のミラーコーティング（以下、ＨＲミラーコートという） が施された曲率面を有する球面ミラー、は球面ミラーのほぼ曲率中心に配置 され基本波に対してＨＲミラーコートが、また第２高調波に対して透過率がほぼ １００％のコーティング（以下、ＡＲコートという）が施された平面を有する平 面ミラーであり、球面ミラーと平面ミラーとで光共振器を構成している。 は光共振器内に配置され第２高調波を効率良く発生するように位相整合を取られ た非線型光学結晶である。

【０００８】 また、図１（ロ）において、は前述の球面ミラー、は非線型光学結晶であ り、この非線型光学結晶の一面に基本波に対してＨＲミラーコートを、また第 ２高調波に対してＡＲコートを施して平面ミラー部としており、この平面ミラー 部と球面ミラーとで光共振器を構成している。なお、位相整合はＡＢ方向に取 られている。

【０００９】 また、図１（ハ）において、は非線型光学結晶であり、この非線型光学結晶 の一対向面の一方には基本波および第２高調波に対してＨＲミラーコートが施 された曲率面を形成し、他方の面は前記曲率面のほぼ曲率中心がおかれ基本波に 対してＨＲミラーコートが、また第２高調波に対してＡＲコートが施された平面 を形成し、両面で光共振器を構成している。なお、位相整合はＡＢ方向に取られ ている。

【００１０】 ここで、図２は図１に示した本考案の外部共振器型ＳＨＧ変換デバイスを用い たＳＨＧ光発生装置の一実施例の構成図である。図２において、１はレーザダイ オードであり、光共振器内で光パワーが最大となる波長に同調されている。２は 一面が球面に加工され、その球面に基本波および第２高調波に対してＨＲミラー コートされたガラスなどの材料によるミラー、３は一面が平面ミラー加工され、 その面に基本波に対してＨＲミラーコートが、また第２高調波に対してＡＲコー トが施された非線型光学結晶（例えばＫＮｂＯ₃ ）であり、図中のＡＢ方向に位 相整合が成立するようにカットされている。４は非線型光学結晶３の温度を位相 整合温度に安定化するための恒温槽、５は基本波を反射し、第２高調波を通すフ ィルタ、６は発生したＳＨＧ光である。

【００１１】 このような構成において、光共振器からの戻り光は、レーザダイオード１へ戻 る。この戻り光により、レーザダイオード１の波長は、光フィードバック効果に より、自動的に光共振器内パワーが最大となる波長へ同調する。したがって、光 共振器内で基本波のパワーは、数十倍と大きく、高いＳＨＧ変換効率が得られる 。また、上記実施例の構成では、通常のファブリペロー共振器と異なり、ミラー ２からの直接の反射光がレーザダイオード１へ戻らない構成である。したがって 、通常のリング型光共振器の利点を兼ね備えることになる。なお、直接の反射光 がレーザダイオードへ戻ると、その光パワーが強すぎるために、レーザダイオー ド発振を不安定にしてしまう。

【００１２】 このように、上記実施例によれば、 ・リング型光共振器と同じように、レーザダイオードの直接の反射が防げるため 、アイソレータが必要ない。 ・光共振器を構成する高価なミラーが２枚でよい。 ・レーザダイオードと光共振器の軸を合わせるだけで、光フィードバックが生じ る。 ・ミラーの調整は通常のファブリペロー型と同じで、調整および組立が容易であ る。特に、平面ミラーは、球面ミラーのほぼ曲率中心にあるため、多少の傾きが 許され、調整が易しい。 ・同じ長さの非線型光学結晶で４倍の第２高調波が取り出せる。この構成は、リ ング型光共振器と違い、往復の２方向にＳＨＧを発生するが、この２つのＳＨＧ 光は基本波が光共振器に同調しているため、同位相で重ねられる。したがって、 振幅が２倍のＳＨＧ光が得られるから、パワーは４倍となる。 などの効果を期待できる。

【００１３】

【考案の効果】 以上、実施例と共に具体的に説明したように、本考案によれば、折り返し型の ファブリペロー共振器とすることで、結晶長が倍に使用でき、かつリング型の利 点も兼ね備えた外部共振器を利用した外部共振器型ＳＨＧ変換デバイスを実現で きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の外部共振器型ＳＨＧ変換デバイスの一
実施例を示す構成図である。

【図２】図１のデバイスを用いたＳＨＧ光発生装置の構
成図である。

【図３】従来例である。

【符号の説明】 （２） 球面ミラー 平面ミラー 、、（３） 非線型光学結晶

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基本波および第２高調波に対して反射率
   がほぼ１００％のミラーコーティングが施された曲率面
   を有する球面ミラーと、この球面ミラーのほぼ曲率中心
   に配置され前記基本波に対して反射率がほぼ１００％の
   ミラーコーティングが、また前記第２高調波に対して透
   過率がほぼ１００％のコーティングが施された平面を有
   する平面ミラーとで構成された光共振器と、 前記光共振器内に配置され前記第２高調波を効率良く発
   生するように位相整合を取られた非線型光学結晶とを備
   えた構成としたことを特徴とする外部共振器型ＳＨＧ変
   換デバイス。
2. 【請求項２】 前記平面ミラーの代わりに、前記非線型
   光学結晶の前記平面ミラー側の面に前記基本波に対して
   反射率がほぼ１００％のミラーコーティングを、また前
   記第２高調波に対して透過率がほぼ１００％のコーティ
   ングを施して平面ミラー部として前記光共振器を構成し
   たことを特徴とする請求項１記載の外部共振器型ＳＨＧ
   変換デバイス。
3. 【請求項３】 前記球面ミラーおよび平面ミラーの代わ
   りに、前記非線型光学結晶の一対向面の一方には基本波
   および第２高調波に対して反射率がほぼ１００％のミラ
   ーコーティングが施された曲率面を形成し、他方の面は
   前記曲率面のほぼ曲率中心がおかれ前記基本波に対して
   反射率がほぼ１００％のミラーコーティングが、また前
   記第２高調波に対して透過率がほぼ１００％のコーティ
   ングが施された平面を形成して前記光共振器を構成した
   ことを特徴とする請求項１記載の外部共振器型ＳＨＧ変
   換デバイス。