JPH0649828U - トルクリミッタ - Google Patents

トルクリミッタ

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JPH0649828U
JPH0649828U JP5582693U JP5582693U JPH0649828U JP H0649828 U JPH0649828 U JP H0649828U JP 5582693 U JP5582693 U JP 5582693U JP 5582693 U JP5582693 U JP 5582693U JP H0649828 U JPH0649828 U JP H0649828U
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shaft
shaft member
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敏信 河崎
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トルクリミッタにおいて、復帰時に部品の交
換や油の補給を不要にする。 【構成】 このトルクリミッタは、軸部材11のテーパ
軸11a の外周面に形成された軸方向に延びる凸部15
と、筒部材10のテーパ穴10a の周面に形成された軸
方向に延びる凸部16とを有し、装着時には、凸部15
と凸部16と摩擦結合し、筒部材10と軸部材11とを
摩擦結合する一方、軸部材11と筒部材10との軸回り
の相対位置が変化したときには、凸部15と凸部16と
の軸回りの相対位置が変化して、筒部材10と軸部材1
1との摩擦結合が解除される。この後、さらに、筒部材
10と軸部材11との間の軸回りの相対位置が変化する
と、筒部材10の凹カム部10h と、軸部材11の凸カ
ム部11h とが接触してスライドし、筒部材と軸部材と
のうちの少なくとも一方を軸方向にスライドさせる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、復帰時に部品の交換や油の補給が不要なトルクリミッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トルクリミッタとしては、図6に示すように、軸部材1の外周面に筒部 材2の内周面を嵌入し、筒部材2の油圧スリット2aに圧油を供給してシャーチ ューブ3でシールする一方、上記軸部材1には、シャーチューブ3の端部に係合 し得る係合部材4を固定したものがある(特公昭63−30527号公報参照) 。
【0003】 上記油圧スリット2a内の圧油で筒部材2の内周面が縮径して軸部材1の外周 面に押付けられる。これにより、軸部材1と筒部材2が摩擦結合されてトルクが 伝達される。そして、軸部材1または筒部材2に所定値以上の負荷がかかって、 筒部材2の内周面がスリップし、軸部材1と筒部材2の軸回りの位置が変化した とき、上記係合部材4でシャーチューブ3の端部が切断され、油圧スリット2a 内の油が外部に排出される。これにより、軸部材1と筒部材2の摩擦結合が解か れてトルクが伝達されなくなる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のトルクリミッタでは、トルクリミッタの作動時に、 シャーチューブ3が切断されるうえ、油圧スリット2a内の油が排出されるので 、復帰時には、油圧スリット2aに油を補給し、かつシャーチューブ3を新品に 交換する必要があるという問題があった。
【0005】 そこで、本考案の目的は、復帰時に部品の交換や油の補給が不要なトルクリミ ッタを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案は、テーパ軸を有する軸部材と、 軸方向のテーパ穴を有する筒部材と、 上記軸部材のテーパ軸の外周面と上記筒部材のテーパ穴の内周面とに夫々形成 された軸方向に延びる凸部を有し、上記筒部材を軸部材へ装着したときに、上記 テーパ軸の上記凸部と上記テーパ穴の上記凸部とが互いに径方向に対向して押圧 し、上記筒部材と軸部材とを摩擦結合する一方、上記軸部材と筒部材との軸回り の相対位置が変化して、上記テーパ軸の上記凸部とテーパ穴の上記凸部との軸回 りの相対位置が変化したときに、上記凸部同士の押圧を解除して、上記筒部材と 軸部材との摩擦結合を解除する摩擦結合部と、 上記筒部材と軸部材の夫々に設けられ、上記摩擦結合部の凸部同士の押圧が解 除されて、上記筒部材と軸部材との間の軸回りの相対位置が変化したときに、上 記筒部材と軸部材とのうちの少なくとも一方を軸方向にスライドさせて、上記テ ーパ軸の上記凸部と上記テーパ穴の上記凸部とを径方向に離間させるカムとを備 えることを特徴としている。
【0007】 また、上記軸部材は、上記筒部材に対して軸方向位置が固定された内側部と、 この内側部に対して軸方向にスライド自在かつ回転不可である外側部とを含み、 この外側部の外周面に上記摩擦結合部の凸部が形成されており、かつ、上記外側 部に上記カムが設けられていることが望ましい。
【0008】 また、上記筒部材は、上記軸部材に対して軸方向位置が固定された外筒と、こ の外筒に対してスライド自在かつ回転不可である内筒とを含み、この内筒の内周 面に上記摩擦結合部の凸部が形成されており、かつ、上記内筒に上記カムが設け られていることが望ましい。
【0009】
【作用】
本考案のトルクリミッタによれば、筒部材のテーパ穴に軸部材のテーパ軸を嵌 合させて、テーパ軸側の摩擦結合部の凸部と、テーパ穴側の摩擦結合部の凸部と を互いに押圧させて、筒部材と軸部材とを摩擦結合させる。そして、筒部材と軸 部材との間の軸回りの相対位置が変化したときに、上記テーパ軸に形成した凸部 とテーパ穴の周面に形成した凸部との軸回りの相対位置が変化して上記凸部同士 の押圧が解除され、上記筒部材と軸部材との摩擦結合が解除される。そして、さ らに、筒部材と軸部材との間の軸回りの相対位置が変化すると、上記筒部材と軸 部材に設けたカムにより、上記筒部材と軸部材とのうちの少なくとも一方が軸方 向にスライドさせられて、上記テーパ軸に形成した凸部と上記テーパ穴の周面に 形成した凸部とが径方向に離間させられて、上記筒部材と軸部材とが空転し、筒 部材と軸部材との間にトルクが伝達されなくなる。
【0010】 一方、復帰時には、筒部材のテーパ穴に軸部材のテーパ軸を嵌合させ、テーパ 軸に形成した凸部とテーパ穴の周面に形成した凸部とを互いに径方向に対向させ て押圧させる。すると、上記筒部材と軸部材とが摩擦結合される。
【0011】 このように、本考案によれば、トルクリミッタの作動時にシャーチューブを切 断して油圧スリットから油が排出される従来例と異なり、油圧スリットへの油の 補給や油圧スリットの栓部材等の部品の交換が不要になる。
【0012】 また、上記摩擦結合部による筒部材と軸部材との摩擦結合が解かれた後に、上 記カムが筒部材または軸部材をスライドさせ、上記筒部材と軸部材とを空転させ るので、このスライド時に上記カムに過大な負荷がかからなくなり、上記カムの 作動時のカムの損傷が防止される。
【0013】 また、上記軸部材は、上記筒部材に対して軸方向位置が固定された内側部と、 この内側部に対してスライド自在かつ回転不可である外側部とを含み、この外側 部の外周面に上記摩擦結合の凸部が形成されている場合には、トルクリミッタ作 動時に上記筒部材と上記軸部材の内側部との軸方向の相対位置が変化しないので 、たとえば、軸部材の内側部の一端にフランジ部を設け、筒部材の他端にフラン ジ部を設けると、トルクリミッタ作動時に上記フランジ部間の寸法が不変になる 。
【0014】 また、上記筒部材は、上記軸部材に対して軸方向位置が固定された外筒と、こ の外筒に対してスライド自在かつ回転不可である内筒とを含み、この内筒の内周 面に上記摩擦結合部の凸部が形成されている場合には、トルクリミッタ作動時に 上記軸部材と上記筒部材の外筒との軸方向の相対位置が変化しないので、たとえ ば、筒部材の外筒の一端にフランジ部を設け、軸部材の他端にフランジ部を設け ると、トルクリミッタ作動時に上記フランジ部間の寸法が不変になる。
【0015】
【実施例】
以下、本考案を図示の実施例により詳細に説明する。
【0016】 図1に示すように、本考案の第1実施例のトルクリミッタは、軸方向のテーパ 穴10aを有する筒部材10と、上記テーパ穴10aに嵌合するテーパ軸11a を有する軸部材11とを備えている。
【0017】 上記筒部材10の後端部(図1(A)において右側)にはフランジ部10bが設け られ、このフランジ部10bには、図示しないが駆動軸にスプライン結合される 連結部材が取付けられていて、筒部材10が軸方向へスライドできるようになっ ている。また、上記軸部材11の前端部(図1(A)において左側)にはフランジ部 11bが設けられ、このフランジ部11bには、図示しない被駆動軸が連結され ている。
【0018】 上記筒部材10の内側のテーパ穴10aは、前端部側から後端部側に向かって 縮径している。上記筒部材10の内周面の前端部側には第1ベアリング12の外 輪が嵌合する凹溝10cが設けられ、上記内周面の後端部側には第2ベアリング 13の外輪が嵌合する凹溝10dが設けられている。
【0019】 上記軸部材11が有するテーパ軸11aは、上記筒部材10の内側のテーパ穴 10aに軸方向から嵌合するよう前端部側から後端部側に向かって縮径している 。また、上記テーパ軸11aの前端部側の外周面には上記第1ベアリング12の 内輪が嵌合する段部11cが設けられ、後端部側の外周面には上記第2ベアリン グ13の内輪が嵌合する段部11dが設けられている。
【0020】 上記各ベアリング12,13は、その外輪と転動体のみが内輪と分離して、筒 部材10とともに軸方向へ移動可能になっている。
【0021】 図1(A)のZーZ断面である図1(B)に示すように、上記軸部材11のテーパ 軸11a の外周面には、周方向に所定の間隔をあけて軸方向に延びる複数の凸部 15,15,…が形成されている。また、上記筒部材10のテーパ穴10a の周面 には、周方向に所定の間隔をあけて軸方向に延びる複数の凸部16,16…が形 成されている。上記テーパ軸11a の外周面に形成した凸部15と、上記テーパ 穴10a の内周面に形成した凸部16とが摩擦結合部を構成している。
【0022】 また、上記筒部材10の前端部には、後端側に台形状に切り込んだ凹カム部1 0h が形成されている。そして、上記軸部材11の前端部には、後端側に台形状 に突出した凸カム部11h が形成されている。この凹カム部10hと凸カム部1 1hとは軸部材11の周方向に所定の隙間を有する。
【0023】 上記構成によれば、セット時には、油圧シリンダ等で、筒部材10の内側のテ ーパ穴10aに軸部材11のテーパ軸11aを圧入して、図1(C)に示すように 、テーパ軸11a 側の凸部15,15…と、テーパ穴10a 側の凸部16,16… とを互いに押圧させて、筒部材10と軸部材11とを摩擦結合させる。この凸部 15と凸部16の押圧によってトルクが初期設定される。
【0024】 この状態で使用を開始すると、駆動軸から連結部材を介して筒部材10が回転 され、筒部材10が有するテーパ穴10aの周面に形成した凸部16と軸部材1 1のテーパ軸11aの外周面に形成した凸部15との摩擦結合面を介して軸部材 11が回転され、被駆動軸が回転される 。
【0025】 そして、例えば、被駆動軸に所定値以上の負荷がかかると、軸部材11は、そ の回転が減速または停止されるが、筒部材10は、定常速度で回転を続けようと するので、軸部材11と筒部材10との間の軸回りの相対位置が変化する。この とき、図2(B)に示すように、上記テーパ軸11a に形成した凸部15と、上記 テーパ穴10a に形成した凸部16との間の軸回りの相対位置が変化し、上記凸 部15と凸部16との押圧が解除されて、上記筒部材10と軸部材11との摩擦 結合が解除される。したがって、筒部材10と軸部材11との間にトルクが伝達 されなくなる。
【0026】 そして、筒部材10と軸部材11との間の軸回りの相対位置が、さらにずれる と、図3(B),(C)に示すように、上記筒部材10に形成した凹カム部10h と、軸部材11に形成した凸カム部11h との側面同士が嵌合して、スライドす る。すると、上記軸部材11と筒部材10とが互いに軸方向にスライドして離間 するので、上記テーパ軸11a に形成した凸部15と、上記テーパ穴10a に形 成した凸部16とは、図2(C)に示すように、互いに径方向に離間する。このた め、上記筒部材10と軸部材11とが空転するようになる。
【0027】 一方、復帰時には、筒部材10の内側のテーパ穴10aに軸部材11のテーパ 軸11aを嵌合させ、テーパ軸11a に形成した凸部15とテーパ穴10a の周 面に形成した凸部16とを互いに径方向に対向させて押圧させる。すると、筒部 材10と軸部材11とが摩擦結合される。
【0028】 このように、上記実施例によれば、トルクリミッタの作動時にシャーチューブ を切断して油圧スリットから油が排出される従来例と異なり、復帰時の油の補給 や、栓部材の交換の必要をなくすることができる。
【0029】 また、解放時には、上記筒部材10のテーパ穴10a の周面に形成した凸部1 6と上記軸部材11のテーパ軸11a の周面に形成した凸部15との摩擦結合が 解かれ、上記筒部材10と軸部材11との摩擦結合が解かれた後に、上記筒部材 10の凹カム部10h と上記軸部材11の凸カム部11h とが嵌合して互いにス ライドするようになっているので、上記凹カム部10h と凸カム部11h とに、 摩擦結合解放時の過大な荷重がかからない。したがって、上記凹カム部10h お よび凸カム部11h の損傷を防ぐことができる。
【0030】 つぎに、この考案の第2実施例を図4に示す。この実施例は、前述の第1実施 例に比べて、軸部材11の構成のみが異なる。
【0031】 すなわち、この実施例の軸部材11は、内側部22と、この内側部22とスプ ライン嵌合して、内側部22に対して軸方向にスライド自在かつ回転不可である 外側部21とを含んでいる。尚、上記内側部22と外側部21とは、キーによっ て軸方向にスライド自在かつ回転不可になるようにしてもよい。上記軸部材11 の内側部22の後端(図4(A)において右側)には、内側部22に対して筒部材1 0および軸受13が軸方向後方へスライドしないようにする止め部材23がボル ト止めされている。
【0032】 また、上記外側部21が、軸部材11のテーパ軸11a の外周部をなし、上記 外側部21の外周面に凸部15が形成されている。また、上記外側部21の前端 側(図4(A)の左側)に凸カム部11h が形成されている。
【0033】 この実施例によれば、上記筒部材10と軸部材11との軸回りの相対位置が変 化すると、前述の第1実施例と同様に筒部材10の凸部16と軸部材11の凸部 15との摩擦結合が解除される。そして、さらに軸部材11の凸カム部11h と 筒部材10の凹カム部10h とが接触してスライドしたときに、上記軸部材11 の外側部21が上記筒部材10に対して前方にスライドさせられる一方、上記軸 部材11の内側部22は、上記止め部材23の存在によって、筒部材10に対し て前方にスライドしない。このため、この実施例によれば、解放時に筒部材10 のフランジ部10b と軸部材11のフランジ部11b との間の寸法を不変にでき る。
【0034】 次に、図5に第3実施例を示す。この実施例は外筒51と内筒52を有する筒 部材10と、テーパ軸11a を有する軸部材11とを有している。上記筒部材1 0の外筒51と内筒52とはスプライン嵌合しており、互いに軸方向にはスライ ド可能になっているが、互いに回転できないようになっている。そして、上記筒 部材10の外筒51の前端部(図5の左側)のフランジ部10a と軸部材11のフ ランジ部11b には、断面コの字形の嵌合部材50が嵌合されている。また、上 記筒部材10の内筒52の内周面は、後方(図5の右側)に向かって縮径するテー パ穴10a をなしている。そして、図1(B),(C)に示した第1実施例と同様に 、上記内筒52の内周面であるテーパ穴10a および上記軸部材11のテーパ軸 11a の外周面には、軸方向に延びる凸部16および15が形成されている。ま た、第1実施例と同様に、上記筒部材10の外筒51の内周の両端と上記軸部材 11との間には、軸受12,13が配置されている。また、図には示さないが、 上記内筒52の前端側には、第1実施例と同様の凹カム部が形成され、上記軸部 材11の前端側には、第1実施例と同様の凸カム部が形成されている。
【0035】 この実施例によれば、上記筒部材10と軸部材11との軸回りの相対位置が変 化すると、前述の第1実施例と同様に、図2に示すようにして、筒部材10の内 筒52の凸部16と軸部材11の凸部15との摩擦結合が解除される。そして、 さらに、図3に示すように、軸部材11の凸カム部 と筒部材10の内筒の凹カ ム部とが接触してスライドしたときに、上記筒部材10の内筒52が上記軸部材 11に対して後方(図5の右側)にスライドさせられる一方、上記筒部材10の外 筒22は、上記嵌合部材50によって軸部材11に対して軸方向に係止されてい るので、軸部材11に対して後方にスライドしない。このため、この実施例によ れば、解放時に筒部材10のフランジ部10b と軸部材11のフランジ部11b
との間の寸法を不変にできる。
【0036】 尚、上記第1〜第3実施例では、油圧シリンダ等によって、筒部材10に軸部 材11を圧入して摩擦結合部を摩擦結合させたが、筒部材10に軸部材11を焼 嵌めして摩擦結合部を摩擦結合させてもよい。また、筒部材10もしくは軸部材 11に油圧拡張室を設け、この油圧拡張室を膨張させてスプライン摩擦結合部を 摩擦結合させてもよい。
【0037】 次に、図7に第4実施例を示す。この第4実施例は、筒部材71と軸部材72 を有している。上記軸部材72は、内側部73と外側部74を含んでいる。上記 外側部74は、図8に示すように、先細の筒部81と厚肉の枠部82を含んでい る。上記先細の筒部81には、軸方向に延びる凸部83と平坦部85とが周方向 に交互に形成されている。また、平坦部85には、2つの凸部83を挟んで1つ おきに、先端に開放したスリット86が形成されている。また、上記スリット8 6が形成されていない対向位置の2つの平坦部85には、細長い矩形のキー溝8 7,87が形成されている。また、上記枠部82には、先端方向に開口した台形 凹部88が、周方向の位相が180°ずれた2箇所に形成されている。
【0038】 一方、上記筒部材71のテーパ状の内周面71aには、上記外側部74の凸部 83に対応する軸方向に延びる凸部75が形成されている。また、上記内側部7 3には、上記外側部74のキー溝87に嵌合する凸部76が形成されている。こ の凸部76は、上記外側部74を上記内側部73に対して回転不可かつ軸方向ス ライド可能にする役割をする。 また、上記筒部材71の大径の内周面71bには、上記外側部74の枠部82 の台形凹部88に嵌合する台形凸部77が固定されている。上記台形凹部88と 台形凸部77とがカムを構成している。
【0039】 上記筒部材71は軸方向の両端にフランジ部78,79が形成されている。ま た、上記内側部73は軸方向の一端にフランジ部91が形成されており、他端に 上記筒部材71の内周段部71cに対向して当接するフランジ部材92が固定さ れている。上記筒部材71のフランジ部78には、シール93が嵌合されており 、このシール93が後述のベアリング94を密封する。また、上記内側部73の 段部73aの外周面と筒部材71のフランジ部78の内周面との間には、支持ベ アリング94が嵌合されている。また、上記フランジ部材92の外周面と、上記 筒部材71のフランジ部79の内周面との間には支持ベアリング95およびシー ル96が嵌め込まれている。
【0040】 また、上記軸部材72の外側部74の枠部82と、上記軸部材72の内側部7 3の段部73bとの間に、断面逆L字形状の環状のスライド部材101が嵌合さ れている。上記スライド部材101と上記段部73bとの間に、油圧室106が 形成されている。また、上記スライド部材101に隣接してリング状スライド部 材102が内側部73にスライド自在に嵌合されている。また、上記リング状ス ライド部材102の外周面上を摺動する摺動部103aを含むスライド部材10 3が上記スライド部材102に隣接して上記軸部材72にスライド自在に嵌合さ れている。このスライド部材103と上記スライド部材102との間には油圧室 107が形成されている。さらに、上記フランジ部材92に一端が密着させられ ており上記筒部材71と内側部73との間に嵌合された密封部材105が、上記 スライド部材103に隣接して設けられている。この密封部材105と上記スラ イド部材103との間に油圧室108が形成されている。
【0041】 上記油圧室106に油が供給されると、上記スライド部材101が、図7にお いて右方向にスライドし、上記外側部74を右方向にスライドさせ、筒部材71 と軸部材72との摩擦結合が解除される。また、上記油圧室107に油が供給さ れると、スライド部材102が左方向にスライドし、スライド部材101が左方 向に戻される。また、上記油圧室108に油が供給されると、スライド部材10 3が左方向にスライドし、スライド部材103の端面103bが外側部74の枠 部82の端面82aを押圧して、上記外側部74が筒部材71に摩擦結合させら れる。また、上記油圧室107に油が供給されると、スライド部材103が右方 向にスライドする。
【0042】 上記構成の第4実施例は、セット時には、油圧室108に油を導入して、スラ イド部材103を図中左方向にスライドさせて、スライド部材103の端面10 3bで外側部74の枠部82を押圧し、外側部74の凸部83と筒部材71の凸 部75とを互いに押圧させて摩擦結合させる。これにより、筒部材71と軸部材 72とを摩擦結合させる。その後、油圧室107に油を導入すると共に、上記油 圧室108の油を排出してスライド部材103を右方に復帰させておく。
【0043】 このように筒部材71と軸部材72とが摩擦結合されているから、駆動軸によ って軸部材72が回転されると、この回転トルクが筒部材71に伝達されて、被 駆動軸に回転トルクが伝達される。 そして、例えば、被駆動軸に所定値以上の負荷がかかると、筒部材71は、そ の回転が減速または停止されるが、軸部材72は、定常速度で回転を続けようと するので、軸部材72と筒部材71との間の軸回りの相対位置が変化する。この とき、軸部材72の外側部74の凸部83と、筒部材71の凸部75との間の軸 回りの相対位置が変化し、上記凸部83と凸部75との押圧が解除されて、軸部 材72と筒部材71との摩擦結合が解除される。したがって、軸部材72と筒部 材71との間にトルクが伝達されなくなる。
【0044】 そして、筒部材71と軸部材72との間の軸回りの相対位置が、さらにずれる と、上記筒部材71に固定した台形凸部77が、軸部材72の外側部74に形成 した台形凹部88の側面に当接し、互いに軸方向にスライドする。すると、軸部 材72の外側部74が筒部材71に対して軸方向にスライドして離間し、上記凸 部83と凸部75とは径方向に離間し筒部材71と軸部材72とが空転する。
【0045】 一方、復帰時には、再び、油圧室108に油を導入してスライド部材103を 左方にスライドさせて外側部74を左方にスライドさせ、外側部74の凸部83 と筒部材71の凸部75とを摩擦結合させる。
【0046】 また、上記実施例によれば、上記外側部74の凸部83と筒部材71の凸部7 5がスリップする摩擦給合解放トルクは、油圧室108に油圧をかけて発生する 力つまり外側部74を押し込む力と、凸部75,83の半径と、凸部75,83
の テーパ度と摩擦係数から計算できる係数の積で決まる。上記係数は、摩擦係数が 変化してもほとんど変化しない。したがって、本考案では両凸部75,83の面 の係数が不安定であっても、安定した摩擦結合解放トルクが得られる。
【0047】 これに対し、従来例では、軸部材1と筒部材2の内周面がスリップする摩擦結 合解放トルクは、油圧スリット2aに油圧をかけて発生する力と、軸部材1の半 径と、軸部材1と筒部材2の間の摩擦係数の積で決まる。したがって、上記摩擦 係数が不安定であれば、それに比例して摩擦結合解放トルクも不安定となる。
【0048】 また、上記実施例によれば、トルクリミッタの作動時にシャーチューブを切断 して油圧スリットから油が排出される従来例と異なり、復帰時の油の補給や、栓 部材の交換の必要をなくすることができる。
【0049】 また、解放時には、上記筒部材71の内周面71aに形成した凸部75と上記 軸部材72の外側部74 の周面に形成した凸部83との摩擦結合が解かれた後 に、上記筒部材71の台形凸部77 と上記軸部材72の外側部74の台形凹部 88とが嵌合して互いにスライドするようになっている。したがって、上記台形 凸部77と台形凹部88とに、摩擦結合解放時の過大な荷重がかからない。従っ て、カムを構成する台形凸部77と台形凹部88の損傷を防ぐことができる。
【0050】 また、上記実施例は、図8に示すように、外側部74の先細の筒部81に、先 端に開放した複数のスリット86が形成されているので、摩擦結合時に、上記筒 部81のスリット86とスリット86との間の部分が内径側に撓むことができる 。従って、上記スリット86を形成しない場合に比べて、外側部74と内側部7 3との間の面圧を大きくすることができ、上記外側部74と内側部73との間の 面圧と外側部74の凸部83と筒部材71の凸部75との間の面圧とを均等化さ せることができる。したがって、凸部83と凸部75との摩擦結合が解除される 前に、外側部74と内側部73との摩擦結合が解除されて、外側部74のキー溝 87の側面を内側部73の凸部76が過大な力で押圧することを防止でき、キー 溝87および凸部76の疲労,破損を防止できる。
【0051】 また、上記実施例は、摩擦結合の開放時に、上記スリット86とスリット86 との間の部分が、周方向に撓むことができるので、外側部74のキー溝87の側 面を内側部73の凸部76が押圧する力を緩和することができ、キー溝87およ び凸部76の疲労,破損を防止できる。
【0052】
【考案の効果】
以上の説明からも明らかなように、本考案のトルクリミッタは、筒部材が有す るテーパ穴に軸部材のテーパ軸を嵌合させて、テーパ軸側の摩擦結合部の凸部と 、テーパ穴側の摩擦結合部の凸部とを互いに押圧させて、筒部材と軸部材とを摩 擦結合させる一方、筒部材と軸部材との間の軸回りの相対位置が変化した時に、 上記凸部同士の押圧が解除され、上記筒部材と軸部材との摩擦結合が解除された 後に、上記筒部材と軸部材に設けたカムにより、上記筒部材と軸部材とのうちの 少なくとも一方が軸方向にスライドさせられて、上記筒部材と軸部材とが空転し 、筒部材と軸部材との間にトルクが伝達されなくなるようにしたものである。
【0053】 このように、本考案によれば、トルクリミッタの作動時にシャーチューブを切 断して油圧スリットから油が排出される従来例と異なり、油圧スリットへの油の 補給や油圧スリットの栓部材等の部品の交換が不要になる。
【0054】 また、上記摩擦結合部による筒部材と軸部材との摩擦結合が解かれた後に、上 記カムが筒部材または軸部材をスライドさせ、上記筒部材と軸部材とを空転させ るので、このスライド時に上記カムに過大な負荷がかからなくなり、上記カム作 動時のカムの損傷を防止できる。
【0055】 また、上記軸部材は、上記筒部材に対して軸方向位置が固定された内側部と、 この内側部に対してスライド自在かつ回転不可である外側部とを含み、この外側 部の外周面に上記摩擦結合部の凸部が形成されている場合には、トルクリミッタ の作動時に上記軸部材の内側部と上記筒部材との軸方向の相対位置を不変にでき る。したがって、たとえば、軸部材の内側部の一端にフランジ部を設け、筒部材 の他端にフランジ部を設けると、トルクリミッタ作動時に上記フランジ部間の寸 法を不変にできる。
【0056】 また、上記筒部材は、上記軸部材に対して軸方向位置が固定された外筒と、こ の外筒に対してスライド自在かつ回転不可である内筒とを含み、この内筒の内周 面に上記摩擦結合部の凸部が形成されている場合には、トルクリミッタの作動時 に上記筒部材の外筒と上記軸部材との軸方向の相対位置を不変にできる。したが って、たとえば、筒部材の外筒の一端にフランジ部を設け、軸部材の他端にフラ ンジ部を設けると、トルクリミッタ作動時に上記フランジ部間の寸法を不変にで きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案のトルクリミッタの第1実施例の縦断
面図と横断面図とを含む図である。
【図2】 上記実施例の解放時の動作を説明する断面図
である。
【図3】 上記実施例の解放時のカムの動作を示す図で
ある。
【図4】 本考案の第2実施例の縦断面図と横断面図と
を含む図である。
【図5】 本考案の第3実施例の縦断面図である。
【図6】 従来のトルクリミッタの断面図である。
【図7】 本考案の第4実施例の断面図である。
【図8】 上記第4実施例の外側部を示す図である。
【符号の説明】
10,71…筒部材、10a…テーパ穴、10b …フラ
ンジ部、10h…凹カム部、11,72…軸部材、11
a…テーパ軸、11b …フランジ部、11h …凸カム
部、12,13…軸受、15,16,83,75…凸部、2
1,74…外側部、22,73…内側部、23…止め部
材、50…嵌合部材、51…外筒、52…内筒、88…
台形凹部、77…台形凸部。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テーパ軸を有する軸部材と、 軸方向のテーパ穴を有する筒部材と、 上記軸部材のテーパ軸の外周面と上記筒部材のテーパ穴
    の内周面とに夫々形成された軸方向に延びる凸部を有
    し、上記筒部材を軸部材へ装着したときに、上記テーパ
    軸の上記凸部と上記テーパ穴の上記凸部とが互いに径方
    向に対向して押圧し、上記筒部材と軸部材とを摩擦結合
    する一方、上記軸部材と筒部材との軸回りの相対位置が
    変化して、上記テーパ軸の上記凸部とテーパ穴の上記凸
    部との軸回りの相対位置が変化したときに、上記凸部同
    士の押圧を解除して、上記筒部材と軸部材との摩擦結合
    を解除する摩擦結合部と、 上記筒部材と軸部材の夫々に設けられ、上記摩擦結合部
    の凸部同士の押圧が解除されて、上記筒部材と軸部材と
    の間の軸回りの相対位置が変化したときに、上記筒部材
    と軸部材とのうちの少なくとも一方を軸方向にスライド
    させて、上記テーパ軸の上記凸部と上記テーパ穴の上記
    凸部とを径方向に離間させるカムとを備えることを特徴
    とするトルクリミッタ。
  2. 【請求項2】 上記軸部材は、上記筒部材に対して軸方
    向位置が固定された内側部と、この内側部に対して軸方
    向にスライド自在かつ回転不可である外側部とを含み、
    この外側部の外周面に上記摩擦結合部の凸部が形成され
    ており、かつ、上記外側部に上記カムが設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のトルクリミッタ。
  3. 【請求項3】 上記筒部材は、上記軸部材に対して軸方
    向位置が固定された外筒と、この外筒に対してスライド
    自在かつ回転不可である内筒とを含み、この内筒の内周
    面に上記摩擦結合部の凸部が形成されており、かつ、上
    記内筒に上記カムが設けられていることを特徴とする請
    求項1に記載のトルクリミッタ。
JP5582693U 1992-10-23 1993-10-15 トルクリミッタ Pending JPH0649828U (ja)

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JP7409692 1992-10-23
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5531407B2 (ja) * 2006-03-30 2014-06-25 株式会社ジェイテクト トルクリミッタ
KR101636214B1 (ko) * 2015-07-07 2016-07-05 박승병 허브방식의 오버토크 방지장치
CN106438740A (zh) * 2016-12-05 2017-02-22 北京金风科创风电设备有限公司 联结套、联结套的装配方法及安全联轴器

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