JP2594951Y2 - トルクリミッタ - Google Patents

トルクリミッタ

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JP2594951Y2
JP2594951Y2 JP1992079094U JP7909492U JP2594951Y2 JP 2594951 Y2 JP2594951 Y2 JP 2594951Y2 JP 1992079094 U JP1992079094 U JP 1992079094U JP 7909492 U JP7909492 U JP 7909492U JP 2594951 Y2 JP2594951 Y2 JP 2594951Y2
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哲男 平澤津
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、復帰時に部品の交換
や油の補給が不要なトルクリミッタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トルクリミッタとしては、図7に
示すように、軸部材1の外周面に筒部材2の内周面を嵌
入し、筒部材2の油圧通路2aに圧油を供給してシャー
チューブ3でシールする一方、上記軸部材1には、シャ
ーチューブ3の端部を係止する係止部材4を固定したも
のがある (特公昭63−30527号公報参照)。
【0003】上記油圧通路2aに圧油を供給すると、筒
部材2の内周面が縮径して軸部材1の外周面に押付けら
れる。これにより、軸部材1と筒部材2が摩擦結合され
て、軸部材1と筒部材2との間にトルクが伝達される。
そして、軸部材1および筒部材2に所定値以上の負荷が
かかって、筒部材2の内周面がスリップし、軸部材1と
筒部材2との間の軸回りの相対位置が変化したときに、
上記係止部材4でシャーチューブ3の端部が切断され、
油圧通路2a内の圧油が外部に排出される。これによ
り、軸部材1と筒部材2との摩擦結合が解かれて、軸部
材1と筒部材2との間にトルクが伝達されなくなる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記従来のト
ルクリミッタでは、軸部材1の軸径と軸長によって、摩
擦面の面積が制限されるので、トルク容量が比較的小さ
いという問題がある。また、常時油圧をかけて使用する
ので、油漏れによる設定トルクの低下が発生しやすいと
いう問題がある。
【0005】さらに、上記従来のトルクリミッタでは、
トルクリミッタの作動時に、シャーチューブ3が切断さ
れるうえ、油圧スリット2a内の油が排出されるので、
復帰時には、油圧スリット2aに油を補給し、かつシャ
ーチューブ3を新品に交換する必要があるという問題が
あった。
【0006】そこで、この考案の目的は、トルク伝達能
力が高く、かつトルク伝達能力のばらつきや低下がな
く、しかも、復帰時に部品の交換や油の補給が不要なト
ルクリミッタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この考案のトルクリミッタは、外周面にスプライン
を有する軸部材と、内周面にスプラインを有する筒部材
と、上記軸部材のスプラインで回転不可に係合され、か
つ軸方向へ移動自在にガイドされる複数枚の軸側摩擦板
と、上記筒部材のスプラインで回転不可に係合され、か
つ軸方向へ移動自在にガイドされ、上記軸側摩擦板の間
に交互に介設される筒側摩擦板と、上記軸側摩擦板と筒
側摩擦板を軸方向に押圧して圧接させるピストンと、上
記摩擦板側の第1クラッチ部材と、上記ピストン側に軸
方向に対して傾斜した傾斜面を有するピストン側の第2
クラッチ部材とを有し、上記第1クラッチ部材に対向す
る第2クラッチ部材の対向面と、上記第2クラッチ部材
に対向する第1クラッチ部材の対向面には、それぞれ、
径方向に延びる軸方向凸部が形成され、上記筒部材を軸
部材に装着したときには、上記第1クラッチ部材の軸方
向凸部と第2クラッチ部材の軸方向凸部とが対向させら
れて互いに押圧して、上記第1クラッチ部材が上記摩擦
板を押圧する一方、上記軸部材と筒部材との軸回りの相
対位置が変化すると、上記第1クラッチ部材と第2クラ
ッチ部材との軸回りの相対位置が変化して、上記第1ク
ラッチ部材の軸方向凸部と上記第2クラッチ部材の軸方
向凸部とが対向しなくなって、上記第1クラッチ部材が
上記摩擦板を押圧しなくなる噛合クラッチと、上記ピス
トンの上記噛合クラッチ側の端部に設けられ、上記第2
クラッチ部材の傾斜面に対向して接触する傾斜面を有す
る押圧部材と、上記ピストンが摺動自在に嵌合される油
圧室と、上記押圧作動されたピストンを所定位置でロッ
クするロック部材とを備えたことを特徴としている。
【0008】
【作用】上記構成によれば、上記噛合クラッチの第1ク
ラッチ部材の軸方向凸部と第2クラッチ部材の軸方向凸
部とを対向させてから、油圧室に圧油を供給して上記摩
擦板の方向にピストンを摺動させ、このピストンによっ
て上記押圧部材と噛合クラッチとを介して、各摩擦板を
押圧して圧接させると共に、上記ピストンをロック部材
で所定位置にロックした後、油圧室の圧油を抜く。そし
て、使用中に軸部材または筒部材に所定値以上の負荷が
かかって、軸部材と筒部材の軸回りの位置が変化したと
き、上記噛合クラッチの第1クラッチ部材と第2クラッ
チ部材の軸回りの相対位置が変化して、上記第1クラッ
チ部材の軸方向凸部と上記第2クラッチ部材の軸方向凸
部とが対向しなくなって第1クラッチ部材と第2クラッ
チ部材とが噛合し、上記第1クラッチ部材が上記摩擦板
を押圧しなくなる。すると、各摩擦板の摩擦結合が解か
れて、軸部材と筒部材との間にトルクが伝達されなくな
る。
【0009】上記第1クラッチ部材と第2クラッチ部材
とは上記軸方向凸部同士が接触しているのに対して、上
記第2クラッチ部材と上記押圧部材とは傾斜面で接触し
ているので、上記軸部材と筒部材の軸回りの位置が変化
したときに、上記第2クラッチ部材と押圧部材とのスリ
ップよりも、上記第1クラッチ部材と第2クラッチ部材
とのスリップが先に起こって、トルクが解放されるので
ある。このため、上記押圧部材の摩耗が防がれて、長期
間使用した場合にも、上記噛合クラッチを修理又は交換
するだけでよい。
【0010】また、本考案によれば、複数枚の摩擦板に
よる摩擦結合を介して軸部材と筒部材とを結合させるの
で、従来例に比べて、摩擦結合の摩擦面の面積が広くな
り、所定のサイズ当たりのトルク容量が大きくなる。
【0011】また、本考案によれば、ピストンをロック
部材でロックした後は、油圧室の油圧を下げても上記ピ
ストンが上記摩擦板を押圧し続けるので、常時油圧をか
けて使用する従来例と異なり、油漏れによる設定トルク
の低下がなく、トルク伝達能力のばらつきや低下がな
い。したがって、初期設定時と同等のトルク伝達能力を
長期にわたって維持できる。
【0012】また、本考案によれば、トルクリミッタの
作動時に噛合クラッチが作動してトルク解放を行うの
で、トルクリミッタの作動時にシャーチューブを切断し
て油圧スリットから油が排出される従来例と異なり、油
の補給や部品の交換が不要になる。
【0013】
【実施例】以下、この考案を図示の実施例により詳細に
説明する。
【0014】この実施例は、図1に示すように、軸部材
11と筒部材12とを有している。この軸部材11には
フランジ部11aが設けられ、軸部材11の先部の外周
面には、図2に示すように、軸方向の凸スプライン11
bが形成されている。上記筒部材12にはフランジ部1
2aが設けられ、筒部材12の基部の内周面には、図3
に示すように、軸方向の凹スプライン12bが形成され
ている。
【0015】図1に示すように、上記軸部材11の凸ス
プライン11bと上記筒部材12の凹スプライン12b
との間には、複数の軸側摩擦板14および複数の筒側摩
擦板13が介設されている。また、上記軸部材11の先
端面には、摩擦板14を軸方向に支持する先端部材28
がボルト止めされている。上記先端部材28の外周面
と、上記筒部材12の内周面との間には、軸受35が介
設されている。
【0016】図2に示すように、軸側摩擦板14は、上
記筒部材12の内周面よりも僅かに小さい外周に形成さ
れ、内周に上記軸部材11の凸スプライン11bに嵌ま
り合う凹部14aを有する。この軸側摩擦板14,…,1
4は、上記凸スプライン11bで軸方向へ移動自在にガ
イドされる。
【0017】図3に示すように、筒側摩擦板13は、上
記軸部材11の外周面よりも僅かに大きい内周に形成さ
れ、外周に上記筒部材12の凹スプライン12bに嵌ま
り合う凸部13aを有する。上記筒側摩擦板13,…,1
3は、上記軸側摩擦板14,…,14との間に交互に介設
された状態で、上記凹スプライン12bで移動自在にガ
イドされる。
【0018】図1に示すように、上記軸部材11の基部
の外周面には、スリーブ30が嵌着されている。そし
て、上記スリーブ30と上記軸部材11との間にピスト
ン22が嵌合している。上記ピストン22と上記スリー
ブ30との間および上記ピストン22と上記軸部材11
との間にはシール36およびシール37が介設されてい
る。このピストン22は、油圧室15を形成し、この油
圧室15内を軸方向に移動自在になっている。上記スリ
ーブ30には、油圧室15に通じる給油路30aが設け
られている。
【0019】上記ピストン22の先部の外周面にはおね
じ22aが形成されており、このおねじ22aに、ロッ
ク部材32の内周面に形成しためねじ32aを螺合させ
るようになっている。また、ピストン22の先部と上記
筒部材12との間には軸受38が介設されている。
【0020】上記ピストン22の先端には、ピン24で
押圧部材23が固定されている。この押圧部材23の先
部は前方に向かって下り勾配の傾斜面23aを有してい
る。また、押圧部材23は、軸部材11のスプライン1
1bに嵌合する凹スプライン23bを有しており、軸部
材11のスプライン11bにガイドされて、軸方向にス
ライドするようになっている。
【0021】また、上記押圧部材23と軸側摩擦板14
との間には、第1クラッチ部材25と第2クラッチ部材
26とが構成する噛合クラッチ27が配置されている。
【0022】上記第2クラッチ部材26は、上記押圧部
材23側に、上記押圧部材23の傾斜面23aに接する
傾斜面26aが形成されている。また、上記第2クラッ
チ部材26は、上記第1クラッチ部材25に対向する対
向面に径方向に延びる軸方向凸部26bを有している。
また、上記第1クラッチ部材25は、上記第2クラッチ
部材26に対向する対向面に、径方向に延びる軸方向凸
部25aを有している。また、上記第1クラッチ部材2
5は、上記筒部材12の内周面に形成された凹スプライ
ン12bに嵌合する凸スプライン25bを有し、上記筒
部材12の凹スプライン12bにガイドされて軸方向に
スライドするようになっている。
【0023】図1のCーC断面図である図4に示すよう
に、第2クラッチ部材26の軸方向凸部26bは、周方
向に略等間隔に並んでいる。また、上記第1クラッチ部
材25の軸方向凸部25aも、第2クラッチ部材26の
軸方向凸部26bと同様に、周方向に略等間隔に並んで
いる。
【0024】上記構成によれば、図6(A)に示すよう
に、上記噛合クラッチ27の第1クラッチ部材25の軸
方向凸部25aと第2クラッチ部材26の凸部26bと
を対向させた状態で、上記給油路30aから圧油を供給
して、上記ピストン22を摩擦板14,13に向かって
前進させ、上記押圧部材23,第2クラッチ部材26,第
1クラッチ部材25を介して上記軸側摩擦板14と筒側
摩擦板13を押圧して圧接することによって、軸部材1
1と筒部材12が摩擦結合される。
【0025】上記ピストン22を所定位置まで移動さ
せ、各摩擦板13,14の圧接によるトルクの初期設定
が終わると、ロック部材32のめねじ32aをピストン
22のおねじ22aに螺合させて、上記ロック部材30
を上記スリーブ30側に移動させて、上記ロック部材3
2を上記スリーブ30の端面に当接させる。こうして、
上記ピストン22が上記ロック部材32によって所定位
置にロックされる。
【0026】その後、上記給油路30aから油圧室15
の油圧を下げる。このとき、ピストン22はロック部材
26で所定位置にロックされているから給油路30a側
に後退しない。
【0027】この状態で使用を開始し、使用中に軸部材
11および筒部材12に所定値以上の負荷がかかって、
軸部材11と筒部材12の軸回りの位置が変化したと
き、上記噛合クラッチ27の第1クラッチ部材25は上
記筒部材12にスプライン嵌合しているので、上記筒部
材12と一緒に軸回りに回転する。
【0028】また、このとき、上記第2クラッチ部材2
6は、上記押圧部材23とは傾斜面26aで接触してい
る一方、第1クラッチ部材25とは軸方向凸部26bで
接触しているので、第2クラッチ部材26と第1クラッ
チ部材25との摩擦力よりも第2クラッチ部材26と押
圧部材23との摩擦力の方が大きい。したがって、上記
第2クラッチ部材26と上記第1クラッチ部材25間、
及び上記各摩擦板13,14間にてスリップし、上記第
2クラッチ部材26は、押圧部材23および軸部材11
と一緒に軸回りに回転する。上記第2クラッチ部材26
に働く摩擦力をより詳しく説明すると、図5に示すよう
に、上記傾斜面26aの傾斜角をθとすると、上記傾斜
面26aに加わる力Fと、軸方向凸部26bが軸方向凸
部25aを押圧する力Pとの関係は、次の数1に示すよ
うになる。
【0029】
【数1】 F=P/sinθ このため、0°<θ<90°のときには、F>Pにな
り、第2クラッチ部材26と第1クラッチ部材25との
摩擦力よりも第2クラッチ部材26と押圧部材23との
摩擦力の方が大きくなるのである。
【0030】なお、上記両クラッチ部材25,26間の
摩擦係数が上記押圧部材23と第2クラッチ部材26間
の摩擦係数よりも大きい値をとる場合が仮にあっても、
上記傾斜角θの設定により上記両クラッチ部材25,2
6間の摩擦力を上記押圧部材23と第2クラッチ部材2
6間の摩擦力より小さくすることが可能である。
【0031】こうして、上記噛合クラッチ27は、図6
(A)に示した状態から図6(B)に示した状態に変化し
て、上記第1クラッチ部材25の軸方向凸部25aと上
記第2クラッチ部材26の軸方向凸部26bとがスリッ
プして、噛合クラッチ27が噛み合い状態になる。する
と、第1クラッチ部材25は摩擦板14を押圧しなくな
り、押圧部材23と第2クラッチ部材26間、及び各摩
擦板13,14間でスリップし、軸部材11と筒部材1
2との摩擦結合が解除されて、トルクが伝達されなくな
る。
【0032】このトルクの伝達を復帰させる場合には、
上記ロック部材32をねじ回して、上記ロック部材32
を上記ピストン22の先端側に移動させて、上記ピスト
ン22を上記給油路30a側に移動させた後に、図4に
示す復帰用レバー39を上記第2クラッチ部材26のね
じ穴26c にセットして、この復帰用レバー39を図4
に示すY位置(トルクリミッタ作動後の位置)からX位置
(セット位置)に回転させることによって、上記第2クラ
ッチ部材26をピストン22側に移動させると共に、第
2クラッチ部材26を軸回りに回転させて、第2クラッ
チ部材26の軸方向凸部26bと第1クラッチ部材25
の軸方向凸部25aとが同位相になるようにする。その
後、上記給油路30aに油圧ポンプから圧油を供給し
て、上記ピストン22を摩擦板14,13側に移動さ
せ、上記ピストン22を上記ロック部材32でロックす
る。その後、上記給油路30aから上記油圧を下げて、
上記復帰レバー37を取り外し、復帰を完了する。
【0033】このように、上記実施例によれば、複数枚
の摩擦板13,14による摩擦結合を介して軸部材11
と筒部材12とを結合させるので、従来例に比べて、摩
擦結合の摩擦面の面積が広くでき、所定のサイズ当たり
のトルク容量を大きくできる。
【0034】また、ピストン22をロック部材32でロ
ックした後は、油圧室15の油圧を下げるので、常時油
圧をかけて使用する従来例と異なり、油漏れによる設定
トルクの低下がなく、トルク伝達能力のばらつきや低下
がない。したがって、初期設定時と同等のトルク伝達能
力を長期にわたって維持できる。
【0035】また、トルクリミッタの作動時に噛合クラ
ッチ27が作動してトルク解放を行うので、トルクリミ
ッタの作動時にシャーチューブを切断して油圧スリット
から油が排出される従来例と異なり、油の補給や部品の
交換が不要になる。
【0036】尚、上記実施例では、第2クラッチ部材2
6の傾斜面26aと押圧部材23の傾斜面23aを両方
とも平面にしたが、押圧部材23の傾斜面23aを曲面
にし、第2クラッチ部材26の傾斜面26aを平面にし
てもよい。また、その逆でもよい。また、押圧部材23
の傾斜面23aと第2クラッチ部材26の傾斜面26a
の両方を曲面にしてもよい。
【0037】また、上記実施例では、ピストン22と押
圧部材23とを別体にしたが、ピストン22と押圧部材
23とを一体にしてもよい。
【0038】
【考案の効果】以上より明らかなように、この考案のト
ルクリミッタは、使用中に軸部材または筒部材に所定値
以上の負荷がかかって、軸部材と筒部材の軸回りの位置
が変化すると、噛合クラッチの第1クラッチ部材と第2
クラッチ部材の軸回りの相対位置が変化して、上記第1
クラッチ部材の軸方向凸部と上記第2クラッチ部材の軸
方向凸部とが対向しなくなって噛み合い、上記第1クラ
ッチ部材が各摩擦板を押圧しなくなって、各摩擦板の摩
擦結合を解除するようにしたものである。
【0039】このように、本考案は、複数枚の摩擦板に
よる摩擦結合を介して軸部材と筒部材とを結合させるの
で、従来例に比べて、摩擦結合の摩擦面の面積が広くな
り、所定のサイズ当たりのトルク容量を大きくできる。
【0040】また、本考案は、ピストンをロック部材で
ロックした後は、油圧室の油圧を下げても上記ピストン
が上記噛合クラッチを介して各摩擦板を押圧し続けるの
で、常時油圧をかけて使用する従来例と異なり、油漏れ
による設定トルクの低下がなく、トルク伝達能力のばら
つきや低下がない。したがって、初期設定時と同等のト
ルク伝達能力を長期にわたって維持できる。
【0041】また、本考案は、トルクリミッタの作動時
に噛合クラッチが作動してトルク解放を行うので、トル
クリミッタの作動時にシャーチューブを切断して油圧ス
リットから油が排出される従来例と異なり、油の補給や
部品の交換を不要にできる。
【0042】また、本考案は、第1クラッチ部材と第2
クラッチ部材とは上記軸方向凸部同士が接触しているの
に対して、上記第2クラッチ部材と上記押圧部材とは傾
斜面で接触させて、上記軸部材と筒部材の軸回りの位置
が変化したときに、上記第2クラッチ部材と押圧部材と
のスリップよりも、上記第1クラッチ部材と第2クラッ
チ部材とのスリップが先に起こって、トルクが解放され
るようにしているので、押圧部材の摩耗を防ぐことがで
き、長期間使用した場合にも、噛合クラッチを修理又は
交換するだけでよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この考案のトルクリミッタの実施例の側面断
面図である。
【図2】 図1のAーA線断面図である。
【図3】 図1のBーB線断面図である。
【図4】 図1のCーC線断面図である。
【図5】 上記実施例の噛合クラッチに作用する力を説
明する図である。
【図6】 上記噛合クラッチの動作説明図である。
【図7】 従来のトルクリミッタの断面図である。
【符号の説明】
11…軸部材、11b…スプライン、12…筒部材、1
2b…スプライン、13,14…摩擦板、15…油圧
室、22…ピストン、23…押圧部材、25…第1クラ
ッチ部材、26…第2クラッチ部材、30…スリーブ、
32…ロック部材。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面にスプラインを有する軸部材と、 内周面にスプラインを有する筒部材と、 上記軸部材のスプラインで回転不可に係合され、かつ軸
    方向へ移動自在にガイドされる複数枚の軸側摩擦板と、 上記筒部材のスプラインで回転不可に係合され、かつ軸
    方向へ移動自在にガイドされ、上記軸側摩擦板の間に交
    互に介設される筒側摩擦板と、 上記軸側摩擦板と筒側摩擦板を軸方向に押圧して圧接さ
    せるピストンと、 上記摩擦板側の第1クラッチ部材と、上記ピストン側に
    軸方向に対して傾斜した傾斜面を有するピストン側の第
    2クラッチ部材とを有し、上記第1クラッチ部材に対向
    する第2クラッチ部材の対向面と、上記第2クラッチ部
    材に対向する第1クラッチ部材の対向面には、それぞ
    れ、径方向に延びる軸方向凸部が形成され、上記筒部材
    を軸部材に装着したときには、上記第1クラッチ部材の
    軸方向凸部と第2クラッチ部材の軸方向凸部とが対向さ
    せられて互いに押圧して、上記第1クラッチ部材が上記
    摩擦板を押圧する一方、上記軸部材と筒部材との軸回り
    の相対位置が変化すると、上記第1クラッチ部材と第2
    クラッチ部材との軸回りの相対位置が変化して、上記第
    1クラッチ部材の軸方向凸部と上記第2クラッチ部材の
    軸方向凸部とが対向しなくなって、上記第1クラッチ部
    材が上記摩擦板を押圧しなくなる噛合クラッチと、 上記ピストンの上記噛合クラッチ側の端部に設けられ、
    上記第2クラッチ部材の傾斜面に対向して接触する傾斜
    面を有する押圧部材と、 上記ピストンが摺動自在に嵌合される油圧室と、 上記押圧作動されたピストンを所定位置でロックするロ
    ック部材とを備えたことを特徴とするトルクリミッタ。
JP1992079094U 1992-11-17 1992-11-17 トルクリミッタ Expired - Lifetime JP2594951Y2 (ja)

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CN102748408A (zh) * 2011-04-21 2012-10-24 宋天相 液压控制牙嵌离合器扭矩限制器

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JPH0643361U (ja) 1994-06-07

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