JPH0649797B2 - 熱硬化性樹脂用難燃剤及びその製法 - Google Patents
熱硬化性樹脂用難燃剤及びその製法Info
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- JPH0649797B2 JPH0649797B2 JP63117931A JP11793188A JPH0649797B2 JP H0649797 B2 JPH0649797 B2 JP H0649797B2 JP 63117931 A JP63117931 A JP 63117931A JP 11793188 A JP11793188 A JP 11793188A JP H0649797 B2 JPH0649797 B2 JP H0649797B2
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Description
本発明は、熱硬化性樹脂用難燃剤に関するものである。
(背景) 熱硬化性樹脂は、優れた各種特性を有する高分子材料を
提供することのできる樹脂であり、本樹脂から得られる
材料は、電気絶縁材料、機械部品材料、家庭用品材料、
建築材料などとして広汎に使用されている。 熱硬化性樹脂としては、例えば不飽和ポリエステル樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂など
が知られているが、有機材料の通性として可燃性を有す
ることは避けられないから、これらに難燃性を付与する
ため、通常難燃剤を添加・配合することが行なわれ、難
燃剤としては、リン系難燃剤やハロゲン系難燃剤などが
普通に使用されている。 (従来技術の問題点) ところで、通常熱硬化性樹脂に使用される難燃剤には、
樹脂を成形加工時又は成形品の使用時に受ける熱履歴に
耐えうる耐熱性が要求される。さらに、熱硬化性樹脂の
製造に際しては、比較的低粘度の液状低重合物を重合さ
せる場合が多いので、比重の大きい難燃剤を均一状態に
分散させ長時間保存するのは困難である。このため、樹
脂のプレポリマーと相溶性に優れた難燃剤が必要とされ
ている。 ところが、現在普通に使用されているリン系難燃剤は、
樹脂との相溶性及び耐水性が充分でないことに加え、ハ
ロゲン系難燃剤と比較して難燃性も劣り、かつ耐熱性が
充分でないなどの問題点を有する。一方、ハロゲン系難
燃剤は、プレポリマーとの相溶性、耐熱性及び成形性な
どに問題があり、熱硬化性樹脂用難燃剤として全ての要
求を満足する難燃剤は開発されていない。 従来より、難燃剤成分として必須とされるハロゲン化合
物の改良は種々行なわれてきた。例えば特公昭62-18572
号には、一般式、 (式中Xはハロゲン原子を示し、1は1〜3、mは1〜
2、nは1〜2の整数。R1は炭素数1〜4のアルキリデ
ン基又はアルキレン基を示し、R2はH又は炭素数1〜4
のアルキル基を示す。) で表わされる化合物が提案されている。 また特公昭52-16130号でには、一般式、 (但し、Xは塩素、臭素等のハロゲン原子、Rは水素、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキ
ル基、シクロアルキル基等のシクロアルキル基、フェニ
ル基等の芳香族基又はハロゲン原子、m及びm′は0〜
4の整数、n及びn′は1〜5の整数であり、1≦n+
m≦5、1≦n′+m′≦5である。)で表わされる化合
物が提案されている。 しかしながら特開昭59-53523号及び特公昭52-16130号で
得られる難燃性化合物は、その製造方法上モノグリシジ
ルエーテルをジヒドロキシ化合物1モルに1〜3モル反
応させた低分子化合物であり、モノグリシジルエーテル
が2モル未満の場合は、未反応のフェノール性水酸基が
残存し耐熱性が低下する。また、2モル以上の場合は反
応性の高いモノグリシジルエーテルが残存し、樹脂に添
加、配合した際に種々の反応を起し、樹脂液のゲル化そ
の他、好ましくない制御不可能な副反応を起こしたり、
保存安定性が不良になるなどの障害が発生する。
提供することのできる樹脂であり、本樹脂から得られる
材料は、電気絶縁材料、機械部品材料、家庭用品材料、
建築材料などとして広汎に使用されている。 熱硬化性樹脂としては、例えば不飽和ポリエステル樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂など
が知られているが、有機材料の通性として可燃性を有す
ることは避けられないから、これらに難燃性を付与する
ため、通常難燃剤を添加・配合することが行なわれ、難
燃剤としては、リン系難燃剤やハロゲン系難燃剤などが
普通に使用されている。 (従来技術の問題点) ところで、通常熱硬化性樹脂に使用される難燃剤には、
樹脂を成形加工時又は成形品の使用時に受ける熱履歴に
耐えうる耐熱性が要求される。さらに、熱硬化性樹脂の
製造に際しては、比較的低粘度の液状低重合物を重合さ
せる場合が多いので、比重の大きい難燃剤を均一状態に
分散させ長時間保存するのは困難である。このため、樹
脂のプレポリマーと相溶性に優れた難燃剤が必要とされ
ている。 ところが、現在普通に使用されているリン系難燃剤は、
樹脂との相溶性及び耐水性が充分でないことに加え、ハ
ロゲン系難燃剤と比較して難燃性も劣り、かつ耐熱性が
充分でないなどの問題点を有する。一方、ハロゲン系難
燃剤は、プレポリマーとの相溶性、耐熱性及び成形性な
どに問題があり、熱硬化性樹脂用難燃剤として全ての要
求を満足する難燃剤は開発されていない。 従来より、難燃剤成分として必須とされるハロゲン化合
物の改良は種々行なわれてきた。例えば特公昭62-18572
号には、一般式、 (式中Xはハロゲン原子を示し、1は1〜3、mは1〜
2、nは1〜2の整数。R1は炭素数1〜4のアルキリデ
ン基又はアルキレン基を示し、R2はH又は炭素数1〜4
のアルキル基を示す。) で表わされる化合物が提案されている。 また特公昭52-16130号でには、一般式、 (但し、Xは塩素、臭素等のハロゲン原子、Rは水素、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキ
ル基、シクロアルキル基等のシクロアルキル基、フェニ
ル基等の芳香族基又はハロゲン原子、m及びm′は0〜
4の整数、n及びn′は1〜5の整数であり、1≦n+
m≦5、1≦n′+m′≦5である。)で表わされる化合
物が提案されている。 しかしながら特開昭59-53523号及び特公昭52-16130号で
得られる難燃性化合物は、その製造方法上モノグリシジ
ルエーテルをジヒドロキシ化合物1モルに1〜3モル反
応させた低分子化合物であり、モノグリシジルエーテル
が2モル未満の場合は、未反応のフェノール性水酸基が
残存し耐熱性が低下する。また、2モル以上の場合は反
応性の高いモノグリシジルエーテルが残存し、樹脂に添
加、配合した際に種々の反応を起し、樹脂液のゲル化そ
の他、好ましくない制御不可能な副反応を起こしたり、
保存安定性が不良になるなどの障害が発生する。
そこで本発明は、難燃性、耐熱性、樹脂プレポリマーと
の相溶性及び配合物の保存性等において優れた新規熱硬
化性樹脂用難燃剤を提供するのを目的とする。 【問題点を解決するための手段】 (概要) 本発明者等は、前記問題点を解決するために鋭意研究を
重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。即
ち本発明は、 一般式(I) で示されるエポキシ化合物1モルに対し、 一般式(II) で示されるハロゲン化フェノール1.80〜1.99モルを反応
させて得られる反応生成物を必須成分として含有するこ
とを特徴とする熱硬化性樹脂用難燃剤及び上記反応生成
物を得るに当り、溶媒存在下及び加圧下に反応させるこ
とを特徴とする熱硬化性樹脂用難燃剤の製法を要旨とす
る。 (エポキシ化合物) 本発明で使用する一般式(I) の《エポキシ化合物》とし
ては、一般式(III)、 (式中、A、Y、m及びnは前記と同じ。) で示される二官能性フェノール化合物と、エピハロゲン
ヒドリンもしくはメチルエピハロゲンヒドリンとを反応
させて得た化合物が挙げられる。 ここに《二官能性フェノール化合物》とは、例えば、ビ
スフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ジ
(ヒドロキシフェニル)スルホン、テトラブロモージ
(ヒドロキシフェニル)スルホン、ジ(ヒドロフェニ
ル)エーテル、テトラブロモージ(ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ジ(ヒドロキシフェニル)メタン、テト
ラブロモージ(ヒドロキシフェニル)メタン、テトラク
ロロビスフェノールA、テトラメチルージ(ヒドロキシ
フェニル)メタン、ジクロロージ(ヒドロキシフェニ
ル)メタン等をいう。 また《エピハロゲンヒドリン》又は《メチルエピハロゲ
ンヒドリン》とは、例えばエピクロルヒドリン、エピブ
ロムヒドリン、メチルエピクロルヒドリン及びメチルエ
ピブロムヒドリン等を意味する。 (ハロゲン化フェノール) 本発明で使用する一般式(II)の化合物としては、例えば
トリブロモフェノール、ジブロモクレゾール、モノブロ
モー第二級ブチルフェノール、モノクロロフェノール等
を例示できる。 (本発明難燃剤の製造) 本発明に係る熱硬化性樹脂用難燃剤は、例えば一般式
(I) のハロゲン化エポキシ化合物と一般式(II)のハロゲ
ン化フェノールを、溶媒の存在下に触媒として第三級ア
ミンを添加し、加圧下に、温度80〜150 ℃において、一
般式(I) のハロゲン化エポキシ化合物1モルに対して一
般式(II)のハロゲン化フェノール1.80〜1.99 モルの量
比で反応させることにより製造されうる。 前記反応において、一般式(I) のハロゲン化エポキシ化
合物1モルに対する一般式(II)のハロゲン化フェノール
の量は1.80〜1.95モルが適当であって、1.80モル未満で
は残存オキシラン酸素量が増大し、成形加工性に悪影響
を及ぼす。一方、ハロゲン化フェノールの量が2.0 モル
を超えた場合、未反応ハロゲン化フェノールによる酸価
が高くなり、得られた難燃性熱硬化性樹脂の耐熱性が低
下する。 さらに使用する一般式(I) ハロゲン化エポキシ化合物は
lが0.1 〜1.0 の範囲内に在るのが適当である。lが0.
1 未満の場合、反応生成物の溶媒との相溶性が悪くな
り、結晶析出等、長期間保存安定性に問題がある。逆に
lが1を超えると反応生成物の溶液粘度が高くなり、実
用粘度にするためには溶液濃度を不経済に低くする必要
を生じる。 次に触媒として使用する第三級アミンとしては、例え
ば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルア
ニリン、トリアリルアミン、トリオクチルアミン、ジメ
チルベンジルアミン、ラウリルジメチルアミン、ピリジ
ン、ピコリン、キノリン等を例示できる。これらの触媒
の使用量は、一般式(I) のハロゲン化エポキシ化合物の
使用量に対し、0.01〜1重量%で充分である。勿論、経
済性を考慮しないのであれば、これ以上の量を使用して
も支障はない。 反応に用いる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げ
られる。 次に、反応温度は一般的に80〜150 ℃が適当であって、
80℃未満の温度では反応に長時間を要し、また150 ℃超
過の温度では、生成物の着色が著しい等の問題が起こ
る。 なお、反応系中には、所望により中性のリン酸エステ
ル、ホスホン酸エステル又は他の難燃化剤を添加するこ
ともできる。 (対象熱硬化性樹脂) 本発明の難燃剤を配合する対象の熱硬化性樹脂として
は、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ケイ素樹脂、尿素樹脂、ジアリ
ルフタレート樹脂、ブタジエン系樹脂、ポリウレタン樹
脂等が挙げられる。 (発明難燃化剤の配合量) 熱硬化性樹脂に対する本発明難燃剤の配合量は、熱硬化
性樹脂100 部(重量部、以下同様)に対して通常2〜30
部である。配合量が2部を下廻ると満足すべき難燃性が
得られず、他方30部を超えると樹脂の物性に対し好まし
くない影響を与える恐れがあるのみでなく、経済性の面
から不利となる。 (他の添加物) 本発明の熱硬化性樹脂用難燃剤には、所望により、他の
臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、含ハロゲ
ン含リン系難燃剤、ブロム化エポキシ樹脂、桐油、メラ
ミン、メラミンイソシアヌレート、酸化防止剤、可塑
剤、安定剤、充填剤、染料、顔料、溶媒、水酸化アルミ
ニウムの如き無機系難燃剤、三酸化アンチモン、ホウ酸
亜鉛等を配合することができる。
の相溶性及び配合物の保存性等において優れた新規熱硬
化性樹脂用難燃剤を提供するのを目的とする。 【問題点を解決するための手段】 (概要) 本発明者等は、前記問題点を解決するために鋭意研究を
重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。即
ち本発明は、 一般式(I) で示されるエポキシ化合物1モルに対し、 一般式(II) で示されるハロゲン化フェノール1.80〜1.99モルを反応
させて得られる反応生成物を必須成分として含有するこ
とを特徴とする熱硬化性樹脂用難燃剤及び上記反応生成
物を得るに当り、溶媒存在下及び加圧下に反応させるこ
とを特徴とする熱硬化性樹脂用難燃剤の製法を要旨とす
る。 (エポキシ化合物) 本発明で使用する一般式(I) の《エポキシ化合物》とし
ては、一般式(III)、 (式中、A、Y、m及びnは前記と同じ。) で示される二官能性フェノール化合物と、エピハロゲン
ヒドリンもしくはメチルエピハロゲンヒドリンとを反応
させて得た化合物が挙げられる。 ここに《二官能性フェノール化合物》とは、例えば、ビ
スフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ジ
(ヒドロキシフェニル)スルホン、テトラブロモージ
(ヒドロキシフェニル)スルホン、ジ(ヒドロフェニ
ル)エーテル、テトラブロモージ(ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ジ(ヒドロキシフェニル)メタン、テト
ラブロモージ(ヒドロキシフェニル)メタン、テトラク
ロロビスフェノールA、テトラメチルージ(ヒドロキシ
フェニル)メタン、ジクロロージ(ヒドロキシフェニ
ル)メタン等をいう。 また《エピハロゲンヒドリン》又は《メチルエピハロゲ
ンヒドリン》とは、例えばエピクロルヒドリン、エピブ
ロムヒドリン、メチルエピクロルヒドリン及びメチルエ
ピブロムヒドリン等を意味する。 (ハロゲン化フェノール) 本発明で使用する一般式(II)の化合物としては、例えば
トリブロモフェノール、ジブロモクレゾール、モノブロ
モー第二級ブチルフェノール、モノクロロフェノール等
を例示できる。 (本発明難燃剤の製造) 本発明に係る熱硬化性樹脂用難燃剤は、例えば一般式
(I) のハロゲン化エポキシ化合物と一般式(II)のハロゲ
ン化フェノールを、溶媒の存在下に触媒として第三級ア
ミンを添加し、加圧下に、温度80〜150 ℃において、一
般式(I) のハロゲン化エポキシ化合物1モルに対して一
般式(II)のハロゲン化フェノール1.80〜1.99 モルの量
比で反応させることにより製造されうる。 前記反応において、一般式(I) のハロゲン化エポキシ化
合物1モルに対する一般式(II)のハロゲン化フェノール
の量は1.80〜1.95モルが適当であって、1.80モル未満で
は残存オキシラン酸素量が増大し、成形加工性に悪影響
を及ぼす。一方、ハロゲン化フェノールの量が2.0 モル
を超えた場合、未反応ハロゲン化フェノールによる酸価
が高くなり、得られた難燃性熱硬化性樹脂の耐熱性が低
下する。 さらに使用する一般式(I) ハロゲン化エポキシ化合物は
lが0.1 〜1.0 の範囲内に在るのが適当である。lが0.
1 未満の場合、反応生成物の溶媒との相溶性が悪くな
り、結晶析出等、長期間保存安定性に問題がある。逆に
lが1を超えると反応生成物の溶液粘度が高くなり、実
用粘度にするためには溶液濃度を不経済に低くする必要
を生じる。 次に触媒として使用する第三級アミンとしては、例え
ば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルア
ニリン、トリアリルアミン、トリオクチルアミン、ジメ
チルベンジルアミン、ラウリルジメチルアミン、ピリジ
ン、ピコリン、キノリン等を例示できる。これらの触媒
の使用量は、一般式(I) のハロゲン化エポキシ化合物の
使用量に対し、0.01〜1重量%で充分である。勿論、経
済性を考慮しないのであれば、これ以上の量を使用して
も支障はない。 反応に用いる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げ
られる。 次に、反応温度は一般的に80〜150 ℃が適当であって、
80℃未満の温度では反応に長時間を要し、また150 ℃超
過の温度では、生成物の着色が著しい等の問題が起こ
る。 なお、反応系中には、所望により中性のリン酸エステ
ル、ホスホン酸エステル又は他の難燃化剤を添加するこ
ともできる。 (対象熱硬化性樹脂) 本発明の難燃剤を配合する対象の熱硬化性樹脂として
は、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ケイ素樹脂、尿素樹脂、ジアリ
ルフタレート樹脂、ブタジエン系樹脂、ポリウレタン樹
脂等が挙げられる。 (発明難燃化剤の配合量) 熱硬化性樹脂に対する本発明難燃剤の配合量は、熱硬化
性樹脂100 部(重量部、以下同様)に対して通常2〜30
部である。配合量が2部を下廻ると満足すべき難燃性が
得られず、他方30部を超えると樹脂の物性に対し好まし
くない影響を与える恐れがあるのみでなく、経済性の面
から不利となる。 (他の添加物) 本発明の熱硬化性樹脂用難燃剤には、所望により、他の
臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、含ハロゲ
ン含リン系難燃剤、ブロム化エポキシ樹脂、桐油、メラ
ミン、メラミンイソシアヌレート、酸化防止剤、可塑
剤、安定剤、充填剤、染料、顔料、溶媒、水酸化アルミ
ニウムの如き無機系難燃剤、三酸化アンチモン、ホウ酸
亜鉛等を配合することができる。
本発明の難燃剤は、熱硬化性樹脂に使用した場合、優れ
た難燃剤と、寸法安定性を付与するという特性がある。
例えば積層板用熱硬化性樹脂に使用した場合、得られる
積層板自体は耐衝撃性、強度、電気的特性等が極めて優
れたものとなる。さらに本発明の難燃剤を配合した難燃
性熱硬化性樹脂組成物からは、難燃性に優れた各種の成
形品、フィルム、合成樹脂含浸紙、積層品、染料、接着
剤等を製造することができる。
た難燃剤と、寸法安定性を付与するという特性がある。
例えば積層板用熱硬化性樹脂に使用した場合、得られる
積層板自体は耐衝撃性、強度、電気的特性等が極めて優
れたものとなる。さらに本発明の難燃剤を配合した難燃
性熱硬化性樹脂組成物からは、難燃性に優れた各種の成
形品、フィルム、合成樹脂含浸紙、積層品、染料、接着
剤等を製造することができる。
以下、実施例(製造例、使用例及び比較例)を掲げて発
明実施の態様及び硬化を具体的に示すが、各例示は当然
説明用のものであって、発明思想の限定又は制限を意味
するものではない。 製造例1 2容のオートクレーブ中に、一般式(I) の化合物とし
て臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量340)680g(1.0モ
ル)、一般式(II)の化合物としてトリブロモフェノール
595.8g(1.80モル)、溶媒としてトルエン142g、及び触
媒としてトリエチルアミン1gを入れ、2.0 Kg/cm2の加圧
下に、130 ℃で5時間反応させた。 得られた反応生成物は、オキシラン酸素0.1%、酸価 0.0
4 のものであった。 製造例2 2容オートクレーブに、一般式(I) のエポキシ化合物
として臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量400)800g
(1.0モル)、一般式(II)の化合物としてトリブロモフ
ェノール 645.5g (1.95 モル)、溶媒としてトルエン1
61g、及び触媒としてトリブチルアミン3gを加え、 2.2
Kg/cm2の加圧下に、140 ℃で4時間反応させた。 得られた反応生成物のオキシラン酸素は0.05%酸価は
0.10 であった。 製造例3 2容のオートクレーブに、一般式(I) のエポキシ化合
物として臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量450)900g
(1.0モル)、一般式(II)の化合物としてトリブロモク
レゾール429.4g(1.90 モル)、溶媒としてトルエン148
g、及び触媒としてジメチルベンジルアミン3gを加え、
120 ℃で6時間、1.8 Kg/cm2の加圧下で反応させた。 得られた反応生成物は、オキシラン酸素0.08%、酸価 0.
09 のものであった。 製造例4 2容オートクレーブに、一般式(I) のエポキシ化合物
として臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量500)1000g
(1.0 モル)、一般式(II)の化合物としてジブロモ第二
級ブチルフェノール 585.2g(1.90 モル)、溶媒として
キシレン176g、及び触媒としてトリオクチルアミン4gを
加え 115℃で7時間、 1.5Kg/cm2の圧力下に反応させ
た。 得られた反応生成物のオキシラン酸素は0.09%酸価は
0.08 であった。 製造例5〜8 製造例1に準じ、一般式(I) のエポキシ化合物として臭
素化エポキシ樹脂の各種エポキシ当量化合物を、一般式
(II)の化合物としてトリブロモフェノールを用い、各種
の反応生成物を得た。 製造例9 2の容オートクレーブ中に、トリブロモフェニルグリ
シジルエーテル(エポキシ当量387)851.4g(2.2モ
ル)、テトラブロモビスフェノールA544g(1.0モ
ル)、溶媒としてトルエン213g、及び触媒としてトリエ
チルアミン42g を加え、 130 ℃で6時間、1.7Kg/cm2の
加圧下に反応させた。 得られた反応生成物は、オキシラン酸素0.81%、酸価 0.
1のものであった。 以下、以上各製造例における一般式(I)の化合物の構
造式、反応条件及び成績体の性状を下表−1に総括して
示す。 使用例1 市販の、桐油を含むフェノール樹脂70部を含有するフェ
ノール樹脂のメタノール溶液 100部に、夫々各製造例で
得た反応生成物20部及びジフェニルクレジルホスフェー
ト10部を加え均一に溶解させた。 得られた配合ワニスをクラフト紙(厚さ1mm、縦150m
m、横100mm)に含浸させた後、80℃で20分間予備乾燥さ
せた。 予備乾燥させた含浸クラフト紙を8枚重ね合せ、加熱プ
レスにより 160℃、100Kg/cm2の条件下に3分間プレス
し、積層板を作った。 得られた樹脂量55重量%の積層板を、さらに 160℃で3
時間処理した後、UL-94 所定の方法による燃焼性及び物
理的性質を評価した。 結果を下表−2表に一括して示す。 [試験条件及び評価法] (1) ワニスの保存安定性:-20 ℃で48時間放置後の状態
を肉眼で判定。 (2) 燃焼性:UL-94 準拠。 (3) 絶縁抵抗:40℃、92%RHの条件下で96時間放置後、
JIS C 6481に準じて実施。 (4) 曲げ強さ(常態):JIS C 6481に準じて実施。 (5) 耐トラッキング性:UL-746A に準じて実施。
明実施の態様及び硬化を具体的に示すが、各例示は当然
説明用のものであって、発明思想の限定又は制限を意味
するものではない。 製造例1 2容のオートクレーブ中に、一般式(I) の化合物とし
て臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量340)680g(1.0モ
ル)、一般式(II)の化合物としてトリブロモフェノール
595.8g(1.80モル)、溶媒としてトルエン142g、及び触
媒としてトリエチルアミン1gを入れ、2.0 Kg/cm2の加圧
下に、130 ℃で5時間反応させた。 得られた反応生成物は、オキシラン酸素0.1%、酸価 0.0
4 のものであった。 製造例2 2容オートクレーブに、一般式(I) のエポキシ化合物
として臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量400)800g
(1.0モル)、一般式(II)の化合物としてトリブロモフ
ェノール 645.5g (1.95 モル)、溶媒としてトルエン1
61g、及び触媒としてトリブチルアミン3gを加え、 2.2
Kg/cm2の加圧下に、140 ℃で4時間反応させた。 得られた反応生成物のオキシラン酸素は0.05%酸価は
0.10 であった。 製造例3 2容のオートクレーブに、一般式(I) のエポキシ化合
物として臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量450)900g
(1.0モル)、一般式(II)の化合物としてトリブロモク
レゾール429.4g(1.90 モル)、溶媒としてトルエン148
g、及び触媒としてジメチルベンジルアミン3gを加え、
120 ℃で6時間、1.8 Kg/cm2の加圧下で反応させた。 得られた反応生成物は、オキシラン酸素0.08%、酸価 0.
09 のものであった。 製造例4 2容オートクレーブに、一般式(I) のエポキシ化合物
として臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量500)1000g
(1.0 モル)、一般式(II)の化合物としてジブロモ第二
級ブチルフェノール 585.2g(1.90 モル)、溶媒として
キシレン176g、及び触媒としてトリオクチルアミン4gを
加え 115℃で7時間、 1.5Kg/cm2の圧力下に反応させ
た。 得られた反応生成物のオキシラン酸素は0.09%酸価は
0.08 であった。 製造例5〜8 製造例1に準じ、一般式(I) のエポキシ化合物として臭
素化エポキシ樹脂の各種エポキシ当量化合物を、一般式
(II)の化合物としてトリブロモフェノールを用い、各種
の反応生成物を得た。 製造例9 2の容オートクレーブ中に、トリブロモフェニルグリ
シジルエーテル(エポキシ当量387)851.4g(2.2モ
ル)、テトラブロモビスフェノールA544g(1.0モ
ル)、溶媒としてトルエン213g、及び触媒としてトリエ
チルアミン42g を加え、 130 ℃で6時間、1.7Kg/cm2の
加圧下に反応させた。 得られた反応生成物は、オキシラン酸素0.81%、酸価 0.
1のものであった。 以下、以上各製造例における一般式(I)の化合物の構
造式、反応条件及び成績体の性状を下表−1に総括して
示す。 使用例1 市販の、桐油を含むフェノール樹脂70部を含有するフェ
ノール樹脂のメタノール溶液 100部に、夫々各製造例で
得た反応生成物20部及びジフェニルクレジルホスフェー
ト10部を加え均一に溶解させた。 得られた配合ワニスをクラフト紙(厚さ1mm、縦150m
m、横100mm)に含浸させた後、80℃で20分間予備乾燥さ
せた。 予備乾燥させた含浸クラフト紙を8枚重ね合せ、加熱プ
レスにより 160℃、100Kg/cm2の条件下に3分間プレス
し、積層板を作った。 得られた樹脂量55重量%の積層板を、さらに 160℃で3
時間処理した後、UL-94 所定の方法による燃焼性及び物
理的性質を評価した。 結果を下表−2表に一括して示す。 [試験条件及び評価法] (1) ワニスの保存安定性:-20 ℃で48時間放置後の状態
を肉眼で判定。 (2) 燃焼性:UL-94 準拠。 (3) 絶縁抵抗:40℃、92%RHの条件下で96時間放置後、
JIS C 6481に準じて実施。 (4) 曲げ強さ(常態):JIS C 6481に準じて実施。 (5) 耐トラッキング性:UL-746A に準じて実施。
以上説明した通り、本発明は、難燃性、耐熱性、樹脂プ
レポリマーとの相溶性及び配合物の保存性等において優
れた新規熱硬化性樹脂用難燃剤を提供できたことによ
り、熱硬化性樹脂を利用する産業界に対し福音をもたら
す。
レポリマーとの相溶性及び配合物の保存性等において優
れた新規熱硬化性樹脂用難燃剤を提供できたことによ
り、熱硬化性樹脂を利用する産業界に対し福音をもたら
す。
Claims (3)
- 【請求項1】一般式(I) で示されるエポキシ化合物1モルに対し、 一般式(II) で示されるハロゲン化フェノール1.80〜1.99モルを反応
させて得られる反応生成物を必須成分として含有するこ
とを特徴とする熱硬化性樹脂用難燃剤。 - 【請求項2】請求項1記載の反応生成物を得るに当り、
溶媒存在下及び加工下に反応させることを特徴とする熱
硬化性樹脂用難燃剤の製法。 - 【請求項3】上記の反応生成物の残存オキシラン酸素量
0.1 %以下、及び残存酸価が0.1 以下である請求項1記
載の熱硬化性樹脂用難燃剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63117931A JPH0649797B2 (ja) | 1988-05-13 | 1988-05-13 | 熱硬化性樹脂用難燃剤及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63117931A JPH0649797B2 (ja) | 1988-05-13 | 1988-05-13 | 熱硬化性樹脂用難燃剤及びその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01287150A JPH01287150A (ja) | 1989-11-17 |
JPH0649797B2 true JPH0649797B2 (ja) | 1994-06-29 |
Family
ID=14723749
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63117931A Expired - Lifetime JPH0649797B2 (ja) | 1988-05-13 | 1988-05-13 | 熱硬化性樹脂用難燃剤及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0649797B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1085702C (zh) * | 1995-09-20 | 2002-05-29 | 第一工业制药株式会社 | 热固性树脂用阻燃剂 |
US7919567B2 (en) * | 2006-06-07 | 2011-04-05 | Dow Global Technologies Llc | Oligomeric halogenated chain extenders for preparing epoxy resins |
-
1988
- 1988-05-13 JP JP63117931A patent/JPH0649797B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01287150A (ja) | 1989-11-17 |
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