JPH0649591A - 加工性に優れる高強度熱延鋼板とその製造法 - Google Patents
加工性に優れる高強度熱延鋼板とその製造法Info
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- JPH0649591A JPH0649591A JP22793792A JP22793792A JPH0649591A JP H0649591 A JPH0649591 A JP H0649591A JP 22793792 A JP22793792 A JP 22793792A JP 22793792 A JP22793792 A JP 22793792A JP H0649591 A JPH0649591 A JP H0649591A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 強度,延性,伸びフランジ性に優る機械構造
用熱延鋼板を提供する。 【構成】 C:0.02〜0.10%,Si:0.7〜 2.0%,Mn:0.8
〜 2.2%,P:0.005〜0.10%,sol.Al:0.01〜0.10%,
S:0.015%以下を含むか、或いは更にCa:0.0002〜0.01
%,Zr:0.01〜0.10%,希土類元素:0.002〜0.10%の1
種以上をも含有すると共に残部がFeから成る鋼片を、鋳
造直後又は1100℃以上に再加熱して熱間圧延し、最終パ
ス出側温度 880〜 980℃で熱間圧延を終了後、20〜80℃
/sの冷却速度で 570〜 700℃まで冷却する第1段冷却
と、続く1〜10秒間空冷を行う第2段冷却と、20〜 100
℃/sの冷却速度で 350℃を下回る温度まで冷却する第3
段冷却とを施した後に巻取ることにより、ポリゴナルフ
ェライト,ベイナイト,マルテンサイトの複合組織を有
し、その内のマルテンサイトが1〜15%,ベイナイトが
8〜50%である降伏比が0.65以上の加工性に優れる高強
度熱延鋼板とする。
用熱延鋼板を提供する。 【構成】 C:0.02〜0.10%,Si:0.7〜 2.0%,Mn:0.8
〜 2.2%,P:0.005〜0.10%,sol.Al:0.01〜0.10%,
S:0.015%以下を含むか、或いは更にCa:0.0002〜0.01
%,Zr:0.01〜0.10%,希土類元素:0.002〜0.10%の1
種以上をも含有すると共に残部がFeから成る鋼片を、鋳
造直後又は1100℃以上に再加熱して熱間圧延し、最終パ
ス出側温度 880〜 980℃で熱間圧延を終了後、20〜80℃
/sの冷却速度で 570〜 700℃まで冷却する第1段冷却
と、続く1〜10秒間空冷を行う第2段冷却と、20〜 100
℃/sの冷却速度で 350℃を下回る温度まで冷却する第3
段冷却とを施した後に巻取ることにより、ポリゴナルフ
ェライト,ベイナイト,マルテンサイトの複合組織を有
し、その内のマルテンサイトが1〜15%,ベイナイトが
8〜50%である降伏比が0.65以上の加工性に優れる高強
度熱延鋼板とする。
Description
【0001】この発明は、高強度と良好な加工性とを併
せ持ち、例えば自動車足廻り用等の機械構造用鋼材とし
て非常に有用な熱延鋼板及びその製造方法に関するもの
である。
せ持ち、例えば自動車足廻り用等の機械構造用鋼材とし
て非常に有用な熱延鋼板及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来技術とその課題】連続熱間圧延によって製造され
る所謂“熱延鋼板”は、比較的安価な構造材料として自
動車を始めとする各種の産業機器類に広く適用されるよ
うになったが、その用途にはプレス加工により成形され
て使用される部材が多く、従って高強度と良好な加工性
とが両立していることを要求されている。
る所謂“熱延鋼板”は、比較的安価な構造材料として自
動車を始めとする各種の産業機器類に広く適用されるよ
うになったが、その用途にはプレス加工により成形され
て使用される部材が多く、従って高強度と良好な加工性
とが両立していることを要求されている。
【0003】このような高強度と良好な加工性が両立し
ている鋼板としては、これまで、例えば特開昭55−4
4551号公報に記載されているようなDP鋼(Dual P
hase鋼:フェライト+マルテンサイト2相組織鋼)が開
発されている。このDP鋼の特徴は降伏比が低く延性が
高い点にあった。しかし、上記DP鋼は、加工性にとっ
て重要な要件の1つである“伸びフランジ性”が低く、
そのため例えば自動車用足廻り材等として考えた場合に
は満足できるものではなかった。
ている鋼板としては、これまで、例えば特開昭55−4
4551号公報に記載されているようなDP鋼(Dual P
hase鋼:フェライト+マルテンサイト2相組織鋼)が開
発されている。このDP鋼の特徴は降伏比が低く延性が
高い点にあった。しかし、上記DP鋼は、加工性にとっ
て重要な要件の1つである“伸びフランジ性”が低く、
そのため例えば自動車用足廻り材等として考えた場合に
は満足できるものではなかった。
【0004】そこで、DP鋼の伸びフランジ性を改善す
る試みとして、例えば特開昭57−70257号に開示
されているように、鋼板組織をフェライト,マルテンサ
イト及びベイナイトの3相組織とする提案がなされてい
る。これは、DP鋼のマルテンサイトの1部をベイナイ
トに置き換えることで高延性を保ちつつ伸びフランジ性
の改善を図ったものである。
る試みとして、例えば特開昭57−70257号に開示
されているように、鋼板組織をフェライト,マルテンサ
イト及びベイナイトの3相組織とする提案がなされてい
る。これは、DP鋼のマルテンサイトの1部をベイナイ
トに置き換えることで高延性を保ちつつ伸びフランジ性
の改善を図ったものである。
【0005】しかしながら、最近、自動車等の産業機器
類にあっては性能やデザイン等からの品質向上要求は熾
烈を極めており、そのためこれらに適用する構造材料の
特性(加工性等)に対しても一段と厳しい要求がなさ
れ、特に伸びフランジ性については更なる改善が強く望
まれていた。
類にあっては性能やデザイン等からの品質向上要求は熾
烈を極めており、そのためこれらに適用する構造材料の
特性(加工性等)に対しても一段と厳しい要求がなさ
れ、特に伸びフランジ性については更なる改善が強く望
まれていた。
【0006】このようなことから、本発明が目的とした
のは、“強度”と“延性”に加えて“伸びフランジ性”
をも高いバランスで兼ね備え、今後に望まれている自動
車用足廻り材等としても十分に満足できる熱延鋼板を提
供することである。
のは、“強度”と“延性”に加えて“伸びフランジ性”
をも高いバランスで兼ね備え、今後に望まれている自動
車用足廻り材等としても十分に満足できる熱延鋼板を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく様々な観点に立って鋭意研究を行った結
果、以下に示すような知見を得ることができた。
を達成すべく様々な観点に立って鋭意研究を行った結
果、以下に示すような知見を得ることができた。
【0008】a) 熱延鋼板の“伸びフランジ性”は、通
常、熱延鋼板に穴を打抜き、次いでポンチによりこの穴
を割れが発生するまで押し拡げ、その際における限界の
穴拡がり率で評価するが、この穴拡がり率は材料の延性
にも影響されるものの、ポリゴナルフェライトと硬質第
2相(ポリゴナルフェライト以外の相)との硬度の差が
大きいと劣化する傾向がある。
常、熱延鋼板に穴を打抜き、次いでポンチによりこの穴
を割れが発生するまで押し拡げ、その際における限界の
穴拡がり率で評価するが、この穴拡がり率は材料の延性
にも影響されるものの、ポリゴナルフェライトと硬質第
2相(ポリゴナルフェライト以外の相)との硬度の差が
大きいと劣化する傾向がある。
【0009】b) ところが、含有C量を低くして第2相
の硬さを抑えると共に、Si添加によりポリゴナルフェラ
イトを強化し、かつ製造条件を適切に選んで熱延鋼板を
製造すると、降伏比(降伏強度/引張強度):0.65以上を
示すところの、つまりポリゴナルフェライトと第2相
(ポリゴナルフェライト以外の相)との硬度差が低く抑
えられ、その結果高い穴拡げ性を示す上に適切な第2相
の体積分率を有する“ポリゴナルフェライト,ベイナイ
ト及びマルテンサイトの3相組織を有した熱延鋼板”が
得られる。なお、ここで言う“ベイナイト”とは、上部
ベイナイトや下部ベイナイトの他に、アシキュラフェラ
イト或いはベイナティックフェライトをも意味してい
る。また、“マルテンサイト”には、一部、残留オ−ス
テナイトを含むものも包含される。
の硬さを抑えると共に、Si添加によりポリゴナルフェラ
イトを強化し、かつ製造条件を適切に選んで熱延鋼板を
製造すると、降伏比(降伏強度/引張強度):0.65以上を
示すところの、つまりポリゴナルフェライトと第2相
(ポリゴナルフェライト以外の相)との硬度差が低く抑
えられ、その結果高い穴拡げ性を示す上に適切な第2相
の体積分率を有する“ポリゴナルフェライト,ベイナイ
ト及びマルテンサイトの3相組織を有した熱延鋼板”が
得られる。なお、ここで言う“ベイナイト”とは、上部
ベイナイトや下部ベイナイトの他に、アシキュラフェラ
イト或いはベイナティックフェライトをも意味してい
る。また、“マルテンサイト”には、一部、残留オ−ス
テナイトを含むものも包含される。
【0010】c) ただ、上記複合組織熱延鋼板の安定製
造のためには、熱間圧延の最終パス出側温度(仕上温
度)が特に重要である。つまり、前記特性が得られる程
度にまで鋼の組成を低C・高Siとした場合には、“従来
の仕上温度”であるとフェライト生成が促進されて十分
な量のベイナイトを得ることはできないが、上記仕上温
度をより高い温度に設定することによって初めて適切な
体積分率の第2相を有する熱延鋼板が安定製造される。
造のためには、熱間圧延の最終パス出側温度(仕上温
度)が特に重要である。つまり、前記特性が得られる程
度にまで鋼の組成を低C・高Siとした場合には、“従来
の仕上温度”であるとフェライト生成が促進されて十分
な量のベイナイトを得ることはできないが、上記仕上温
度をより高い温度に設定することによって初めて適切な
体積分率の第2相を有する熱延鋼板が安定製造される。
【0011】d) また、熱間圧延の仕上温度が低いと、
得られる熱延鋼板を打抜いた時のクラックがバンド化し
た第2相に沿って伝播しやすくなり穴拡げ性を低下させ
るので、この点からも仕上温度の高温化は非常に重要で
ある。
得られる熱延鋼板を打抜いた時のクラックがバンド化し
た第2相に沿って伝播しやすくなり穴拡げ性を低下させ
るので、この点からも仕上温度の高温化は非常に重要で
ある。
【0012】本発明は、上記知見事項等を基に完成され
たものであり、「熱延鋼板を、 C:0.02〜0.10%(以降、 成分割合を表す%は重量%と
する),Si: 0.7〜 2.0%, Mn: 0.8〜 2.2%, P:
0.005〜0.10%,sol.Al:0.01〜0.10%, S: 0.015
%以下 を含むか、 或いは更に Ca:0.0002〜0.01%, Zr:0.01〜0.10%,希土類元
素: 0.002〜0.10% の1種以上をも含有すると共に、 残部がFe及び不可避不
純物から成り、 かつポリゴナルフェライト,ベイナイト
及びマルテンサイトの複合組織を有していて、 その内の
マルテンサイトが体積率にて1〜15%,ベイナイトが
体積率にて8〜50%である構成とすることにより、 0.65
以上の降伏比と優れた加工性とを兼備せしめた点」に大
きな特徴を有し、更には 「C:0.02〜0.10%, Si: 0.7〜 2.0%, Mn:
0.8〜 2.2%,P: 0.005〜0.10%, sol.Al:0.01〜
0.10%, S: 0.015%以下 を含むか、 或いは更に Ca:0.0002〜0.01%, Zr:0.01〜0.10%,希土類元
素: 0.002〜0.10% の1種以上をも含有すると共に残部がFe及び不可避不純
物から成る鋼片を、 鋳造直後に或いは1100℃以上に
再加熱して熱間圧延し、 最終パス出側温度880〜98
0℃で熱間圧延を終了してから、 20〜80℃/sの冷却
速度にて570〜700℃まで冷却する第1段冷却と、
これに続いて1〜10秒間空冷を行う第2段冷却とを施
し、 更に20〜100℃/sの冷却速度で350℃を下回
る温度まで冷却する第3段冷却を施した後に巻取ること
によって、 ポリゴナルフェライト,ベイナイト及びマル
テンサイトの複合組織を有しており、 その内のマルテン
サイトが体積率にて1〜15%,ベイナイトが体積率に
て8〜50%であるところの降伏比が0.65以上の加工性
に優れる高強度熱延鋼板を安定製造し得るようにした
点」をも特徴としている。
たものであり、「熱延鋼板を、 C:0.02〜0.10%(以降、 成分割合を表す%は重量%と
する),Si: 0.7〜 2.0%, Mn: 0.8〜 2.2%, P:
0.005〜0.10%,sol.Al:0.01〜0.10%, S: 0.015
%以下 を含むか、 或いは更に Ca:0.0002〜0.01%, Zr:0.01〜0.10%,希土類元
素: 0.002〜0.10% の1種以上をも含有すると共に、 残部がFe及び不可避不
純物から成り、 かつポリゴナルフェライト,ベイナイト
及びマルテンサイトの複合組織を有していて、 その内の
マルテンサイトが体積率にて1〜15%,ベイナイトが
体積率にて8〜50%である構成とすることにより、 0.65
以上の降伏比と優れた加工性とを兼備せしめた点」に大
きな特徴を有し、更には 「C:0.02〜0.10%, Si: 0.7〜 2.0%, Mn:
0.8〜 2.2%,P: 0.005〜0.10%, sol.Al:0.01〜
0.10%, S: 0.015%以下 を含むか、 或いは更に Ca:0.0002〜0.01%, Zr:0.01〜0.10%,希土類元
素: 0.002〜0.10% の1種以上をも含有すると共に残部がFe及び不可避不純
物から成る鋼片を、 鋳造直後に或いは1100℃以上に
再加熱して熱間圧延し、 最終パス出側温度880〜98
0℃で熱間圧延を終了してから、 20〜80℃/sの冷却
速度にて570〜700℃まで冷却する第1段冷却と、
これに続いて1〜10秒間空冷を行う第2段冷却とを施
し、 更に20〜100℃/sの冷却速度で350℃を下回
る温度まで冷却する第3段冷却を施した後に巻取ること
によって、 ポリゴナルフェライト,ベイナイト及びマル
テンサイトの複合組織を有しており、 その内のマルテン
サイトが体積率にて1〜15%,ベイナイトが体積率に
て8〜50%であるところの降伏比が0.65以上の加工性
に優れる高強度熱延鋼板を安定製造し得るようにした
点」をも特徴としている。
【0013】
【作用】以下、本発明において、鋼板(鋼片)の化学組
成や組織、並びに鋼板の製造条件を前記の如くに限定し
た理由を説明する。 A) 鋼板(鋼片)の化学組成C Cは、高張力鋼として必要な強度の確保やベイナイトと
マルテンサイトの生成のために必要な成分である。特
に、良好な延性と穴拡げ性を得るためにはマルテンサイ
トを体積率で1 〜15%,ベイナイトを体積率で8〜5
0%生成させることが必要であり、そのためにもCは重
要な成分となる。そして、C含有量が0.02%未満では、
所望するこれらの効果を確保することが困難である。し
かし、Cは第2相を増加させると共に、第2相の硬度を
上げる作用が著しいので多量の添加は好ましくなく、こ
れらの弊害を抑えるためにはC含有量を0.10%以下に止
める必要がある。このため、C含有量は0.02〜0.10%と
定めたが、好ましくは0.02〜0.07%に、より好ましくは
0.03〜0.06%に調整するのが良い。
成や組織、並びに鋼板の製造条件を前記の如くに限定し
た理由を説明する。 A) 鋼板(鋼片)の化学組成C Cは、高張力鋼として必要な強度の確保やベイナイトと
マルテンサイトの生成のために必要な成分である。特
に、良好な延性と穴拡げ性を得るためにはマルテンサイ
トを体積率で1 〜15%,ベイナイトを体積率で8〜5
0%生成させることが必要であり、そのためにもCは重
要な成分となる。そして、C含有量が0.02%未満では、
所望するこれらの効果を確保することが困難である。し
かし、Cは第2相を増加させると共に、第2相の硬度を
上げる作用が著しいので多量の添加は好ましくなく、こ
れらの弊害を抑えるためにはC含有量を0.10%以下に止
める必要がある。このため、C含有量は0.02〜0.10%と
定めたが、好ましくは0.02〜0.07%に、より好ましくは
0.03〜0.06%に調整するのが良い。
【0014】Si Siは、固溶強化元素であり、ポリゴナルフェライトを強
化して穴拡げ性を向上させる重要な元素であるが、その
含有量が 0.7%未満では十分な穴拡げ性を確保できず、
一方、 2.0%を超えて含有させると溶接性や表面性状を
損なうようになることから、Si含有量は 0.7〜 2.0%と
定めた。なお、より好ましい含有量範囲は 1.0〜 2.0%
である。
化して穴拡げ性を向上させる重要な元素であるが、その
含有量が 0.7%未満では十分な穴拡げ性を確保できず、
一方、 2.0%を超えて含有させると溶接性や表面性状を
損なうようになることから、Si含有量は 0.7〜 2.0%と
定めた。なお、より好ましい含有量範囲は 1.0〜 2.0%
である。
【0015】Mn Mnは、鋼板の所要強度を確保したり、パ−ライト変態を
抑制してベイナイトやマルテンサイトを得るために不可
欠な成分であるが、その含有量が 0.8%未満ではこれら
の効果が不十分であり、一方、 2.2%を超えて含有させ
ると溶接性が劣化し、またポリゴナルフェライトが十分
に生成せずに加工性劣化を招くようになる。従って、Mn
含有量は 0.8〜 2.2%と定めたが、好ましくは 1.0〜
2.0%に調整するのが良い。
抑制してベイナイトやマルテンサイトを得るために不可
欠な成分であるが、その含有量が 0.8%未満ではこれら
の効果が不十分であり、一方、 2.2%を超えて含有させ
ると溶接性が劣化し、またポリゴナルフェライトが十分
に生成せずに加工性劣化を招くようになる。従って、Mn
含有量は 0.8〜 2.2%と定めたが、好ましくは 1.0〜
2.0%に調整するのが良い。
【0016】P Pは、固溶強化によって鋼板の強度を確保する作用を有
しているが、その含有量が 0.005%未満では前記作用に
よる所望の効果が得られず、一方、0.10%を超えて含有
させると加工性や靱性の劣化を招くことから、P含有量
は 0.005〜0.10%と定めた。
しているが、その含有量が 0.005%未満では前記作用に
よる所望の効果が得られず、一方、0.10%を超えて含有
させると加工性や靱性の劣化を招くことから、P含有量
は 0.005〜0.10%と定めた。
【0017】Al Alは鋼の脱酸剤として添加される元素であるが、その含
有量がsol.Al量で0.01%未満であると脱酸効果が不十分
であり、一方、0.10%を超えて含有されると非金属介在
物量が多くなって清浄性が損なわれる。従って、その含
有量をsol.Al含有量で0.01〜0.10%と定めた。
有量がsol.Al量で0.01%未満であると脱酸効果が不十分
であり、一方、0.10%を超えて含有されると非金属介在
物量が多くなって清浄性が損なわれる。従って、その含
有量をsol.Al含有量で0.01〜0.10%と定めた。
【0018】S Sは、Mnと結合して非金属介在物を形成するのでその含
有量は出来るだけ少ない方が良く、 0.015%がその許容
上限値である。
有量は出来るだけ少ない方が良く、 0.015%がその許容
上限値である。
【0019】Ca,Zr,及び希土類元素 これらの成分は、何れも、介在物の形状を調整して冷間
加工性を改善する作用を有しているために必要に応じて
1種又は2種以上が添加されるが、その含有量がCaでは
0.0002%未満,Zrでは0.01%未満,希土類元素では 0.0
02%未満の場合には前記作用による所望の効果が得られ
ず、一方、Caで0.01%,Zrで0.10%,希土類元素で0.10
%をそれぞれ超えて含有させると、逆に鋼中の介在物が
多くなりすぎて冷間加工性が劣化するようになる。従っ
て、Ca含有量は0.0002〜0.01%、Zr含有量は0.01〜0.10
%、そして希土類元素含有量は 0.002〜0.10%とそれぞ
れ定めた。
加工性を改善する作用を有しているために必要に応じて
1種又は2種以上が添加されるが、その含有量がCaでは
0.0002%未満,Zrでは0.01%未満,希土類元素では 0.0
02%未満の場合には前記作用による所望の効果が得られ
ず、一方、Caで0.01%,Zrで0.10%,希土類元素で0.10
%をそれぞれ超えて含有させると、逆に鋼中の介在物が
多くなりすぎて冷間加工性が劣化するようになる。従っ
て、Ca含有量は0.0002〜0.01%、Zr含有量は0.01〜0.10
%、そして希土類元素含有量は 0.002〜0.10%とそれぞ
れ定めた。
【0020】B) 熱延鋼板の組織 本発明に係る熱延鋼板は、ポリゴナルフェライトとベイ
ナイトとマルテンサイトとの3相複合組織を有すること
を1つの特徴としているが、このようにポリゴナルフェ
ライトとマルテンサイトの複合組織化により良好な延性
が確保でき、また硬質なマルテンサイトの1部をベイナ
イトに置き換えることで穴拡げ性が向上する。適量のマ
ルテンサイト体積率は1〜15%(好ましくは1〜10
%)、ベイナイト体積率は8〜50%(好ましくは10
〜40%)である。
ナイトとマルテンサイトとの3相複合組織を有すること
を1つの特徴としているが、このようにポリゴナルフェ
ライトとマルテンサイトの複合組織化により良好な延性
が確保でき、また硬質なマルテンサイトの1部をベイナ
イトに置き換えることで穴拡げ性が向上する。適量のマ
ルテンサイト体積率は1〜15%(好ましくは1〜10
%)、ベイナイト体積率は8〜50%(好ましくは10
〜40%)である。
【0021】C) 熱延鋼板の降伏比 また、本発明に係る熱延鋼板は、自動車足廻り等に適用
される機械構造用鋼板が目標とする“降伏比:0.65以
上”を示すものであるが、これは、前述したようにポリ
ゴナルフェライトを強化し、第2相との硬度差を抑制す
ることで達成される。そして、ポリゴナルフェライトの
強化は、低C化と高Si添加、更に適切な製造条件にて実
現されることも既に述べた通りである。なお、降伏比は
0.65〜0.80の範囲に調整するのが好ましく、0.70〜0.80
であれば更に好ましい。
される機械構造用鋼板が目標とする“降伏比:0.65以
上”を示すものであるが、これは、前述したようにポリ
ゴナルフェライトを強化し、第2相との硬度差を抑制す
ることで達成される。そして、ポリゴナルフェライトの
強化は、低C化と高Si添加、更に適切な製造条件にて実
現されることも既に述べた通りである。なお、降伏比は
0.65〜0.80の範囲に調整するのが好ましく、0.70〜0.80
であれば更に好ましい。
【0022】D) 熱間圧延条件 熱間圧延は、鋳造直後の鋼片をそのまま直接、或いは1
100℃以上に再加熱して実施されるが、これは不純物
を完全に固溶させて偏析を防ぐためである。鋳造後の鋼
片をしばらく放置し温度降下してから熱間圧延に供した
り、再加熱温度が1100℃未満であると、鋼片に不純
物の偏析が生じるので熱延作業や製品性能に悪影響を及
ぼす。
100℃以上に再加熱して実施されるが、これは不純物
を完全に固溶させて偏析を防ぐためである。鋳造後の鋼
片をしばらく放置し温度降下してから熱間圧延に供した
り、再加熱温度が1100℃未満であると、鋼片に不純
物の偏析が生じるので熱延作業や製品性能に悪影響を及
ぼす。
【0023】熱間圧延の仕上温度は、適性量のベイナイ
トとマルテンサイトを得ると共に、穴拡げ性を低下させ
る不都合な組織の生成を抑制するため、880℃以上に
設定される。即ち、本発明者等は、数多くの実験を通し
て「熱延鋼板の打抜き時に発生したクラックはポリゴナ
ルフェライトと第2相の界面に沿って伝播するものであ
り、そのため“第2相のバンド化”が著しく穴拡げ性を
低下させる」との知見を得ている。しかるに、熱間圧延
の仕上温度が880℃よりも低いと、展伸した未再結晶
オ−ステナイト粒が多くなりすぎて第2相のバンド化が
顕著となる。そこで、熱間圧延の仕上温度を、良好な穴
拡げ性を確保できる880℃以上としたが、好ましくは
900℃以上に調整するのが良い。一方、熱間圧延の仕
上温度が980℃を超えると第2相の生成量が多くなっ
て加工性が劣化することから、熱間圧延の仕上温度を9
80℃以下としたが、好ましくは950℃以下に調整す
るのが良い。
トとマルテンサイトを得ると共に、穴拡げ性を低下させ
る不都合な組織の生成を抑制するため、880℃以上に
設定される。即ち、本発明者等は、数多くの実験を通し
て「熱延鋼板の打抜き時に発生したクラックはポリゴナ
ルフェライトと第2相の界面に沿って伝播するものであ
り、そのため“第2相のバンド化”が著しく穴拡げ性を
低下させる」との知見を得ている。しかるに、熱間圧延
の仕上温度が880℃よりも低いと、展伸した未再結晶
オ−ステナイト粒が多くなりすぎて第2相のバンド化が
顕著となる。そこで、熱間圧延の仕上温度を、良好な穴
拡げ性を確保できる880℃以上としたが、好ましくは
900℃以上に調整するのが良い。一方、熱間圧延の仕
上温度が980℃を超えると第2相の生成量が多くなっ
て加工性が劣化することから、熱間圧延の仕上温度を9
80℃以下としたが、好ましくは950℃以下に調整す
るのが良い。
【0024】熱間圧延の後、20〜80℃/sの冷却速度
で570〜700℃までの第1段の急冷を施すのはパ−
ライトの生成を抑制するためである。この第1段冷却の
冷却速度を20〜80℃/sとしたのは、冷却速度が20
℃/sを下回るとパ−ライトが生成してしまって所望体積
率のベイナイトやマルテンサイトが得られなくなり、一
方、冷却速度が80℃/sを上回っても効果が飽和すると
共に、現設備では80℃/sが上限であることによる。ま
た、ポリゴナルフェライトの生成温度は570〜700
℃であるため、700℃よりも高い温度域で第1段冷却
を停止したり、570℃未満の温度域まで冷却を続けた
りするとポリゴナルフェライトの生成量が不足する結
果、過度にベイナイトやマルテンサイトが生成してしま
う。
で570〜700℃までの第1段の急冷を施すのはパ−
ライトの生成を抑制するためである。この第1段冷却の
冷却速度を20〜80℃/sとしたのは、冷却速度が20
℃/sを下回るとパ−ライトが生成してしまって所望体積
率のベイナイトやマルテンサイトが得られなくなり、一
方、冷却速度が80℃/sを上回っても効果が飽和すると
共に、現設備では80℃/sが上限であることによる。ま
た、ポリゴナルフェライトの生成温度は570〜700
℃であるため、700℃よりも高い温度域で第1段冷却
を停止したり、570℃未満の温度域まで冷却を続けた
りするとポリゴナルフェライトの生成量が不足する結
果、過度にベイナイトやマルテンサイトが生成してしま
う。
【0025】本発明法では、上記第1段冷却に続いて短
時間の空冷を行う第2段冷却が施されるが、この第2段
冷却は次の理由によって非常に重要である。即ち、バン
ド組織の生成を抑制するために仕上温度を高めるとオ−
ステナイト粒が大きくなってポリゴナルフェライトが生
成しにくくなるため、この第2段の空冷によりポリゴナ
ルフェライトを生成させる訳である。なお、第2段冷却
(空冷)の時間を1〜10秒としたのは、1秒未満では
所望体積率のポリゴナルフェライトの確保が困難であ
り、10秒を超えるとパ−ライトが生成してしまうから
である。
時間の空冷を行う第2段冷却が施されるが、この第2段
冷却は次の理由によって非常に重要である。即ち、バン
ド組織の生成を抑制するために仕上温度を高めるとオ−
ステナイト粒が大きくなってポリゴナルフェライトが生
成しにくくなるため、この第2段の空冷によりポリゴナ
ルフェライトを生成させる訳である。なお、第2段冷却
(空冷)の時間を1〜10秒としたのは、1秒未満では
所望体積率のポリゴナルフェライトの確保が困難であ
り、10秒を超えるとパ−ライトが生成してしまうから
である。
【0026】更に、第2段冷却の後、20〜100℃/s
の冷却速度で第3段急冷を350℃を下回る温度域まで
行うのは、過度のポリゴナルフェライト生成を抑制する
と共にパ−ライト変態を抑え、適量のベイナイトとマル
テンサイトを確保するためである。この場合、冷却速度
が20℃/sを下回るとパ−ライトが生成してしまい、一
方、冷却速度が100℃/sを上回ると所望体積率のベイ
ナイトが得られず、過度にマルテンサイトが生成してし
まう。また、350℃よりも高い温度域で第3段冷却を
停止すると所望の体積率のマルテンサイトが得られない
ことから、第3段冷却停止温度を350℃未満とした
が、300℃以下、更には150℃以下とするのがより
好ましい。なお、上記の冷却を終了した後は速やかに巻
取りを実施し、鋼板特性の安定化を図る必要がある。
の冷却速度で第3段急冷を350℃を下回る温度域まで
行うのは、過度のポリゴナルフェライト生成を抑制する
と共にパ−ライト変態を抑え、適量のベイナイトとマル
テンサイトを確保するためである。この場合、冷却速度
が20℃/sを下回るとパ−ライトが生成してしまい、一
方、冷却速度が100℃/sを上回ると所望体積率のベイ
ナイトが得られず、過度にマルテンサイトが生成してし
まう。また、350℃よりも高い温度域で第3段冷却を
停止すると所望の体積率のマルテンサイトが得られない
ことから、第3段冷却停止温度を350℃未満とした
が、300℃以下、更には150℃以下とするのがより
好ましい。なお、上記の冷却を終了した後は速やかに巻
取りを実施し、鋼板特性の安定化を図る必要がある。
【0027】
【実施例】続いて、本発明の効果を実施例によって更に
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【実施例】表1に示す化学組成の鋼を50kg真空溶解炉
で溶製後、熱間鍛造により60mm厚のスラブとし、これ
を表2で示す条件にて熱延,冷却処理した後、速やかに
巻取って 2.6mm厚の熱延鋼板とした。
で溶製後、熱間鍛造により60mm厚のスラブとし、これ
を表2で示す条件にて熱延,冷却処理した後、速やかに
巻取って 2.6mm厚の熱延鋼板とした。
【0028】次に、得られた鋼板の金属組織を調査する
と共に、該鋼板からJIS5号引張試験片を採取し機械
的性質を調査した。また、各鋼板について穴拡げ性の調
査も実施したが、この調査は、10%クリアランスで打
ち抜いた10φ打抜き穴を60°円錐ポンチで穴拡げ試
験を実施した。
と共に、該鋼板からJIS5号引張試験片を採取し機械
的性質を調査した。また、各鋼板について穴拡げ性の調
査も実施したが、この調査は、10%クリアランスで打
ち抜いた10φ打抜き穴を60°円錐ポンチで穴拡げ試
験を実施した。
【0029】これらの結果を、表3にまとめて示した。
なお、穴拡げ率は下記 (1)式によって求めた。 穴拡げ率=[(板厚貫通割れ発生時の穴径)−(元穴径)]
/元穴径 …(1)
なお、穴拡げ率は下記 (1)式によって求めた。 穴拡げ率=[(板厚貫通割れ発生時の穴径)−(元穴径)]
/元穴径 …(1)
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】表3に示される結果からも、次のことが明
らかである。即ち、本発明に従って製造された熱延鋼板
はポリゴナルフェライト,ベイナイト及びマルテンサイ
トの複合組織であって、体積率にて8〜50%のベイナ
イトと1〜15%のマルテンサイトを有している。この
ため、「引張強度×伸び」が19000(MPa・%)以
上の“強度−伸びバランス”と、「引張強度×穴拡げ
率」が60000(MPa・%)を超える高い“強度−穴
拡げバランス”を示している。
らかである。即ち、本発明に従って製造された熱延鋼板
はポリゴナルフェライト,ベイナイト及びマルテンサイ
トの複合組織であって、体積率にて8〜50%のベイナ
イトと1〜15%のマルテンサイトを有している。この
ため、「引張強度×伸び」が19000(MPa・%)以
上の“強度−伸びバランス”と、「引張強度×穴拡げ
率」が60000(MPa・%)を超える高い“強度−穴
拡げバランス”を示している。
【0034】一方、第2段冷却時間の長い試験番号10に
係る鋼板は、フェライト生成が多くて軟質化したため0.
65以上の降伏比が得られず、穴拡げ性が低い。仕上げ温
度の低い試験番号11に係る鋼板は、第2相がバンド化
し、かつ降伏比も低いために穴拡げ性が低い。第2段の
空冷を実施しなかった試験番号13に係る鋼板は、ポリゴ
ナルフェライトの生成が不十分でベイナイト量が多いた
め伸びが低い。第3段冷却速度の遅い試験番号14と第3
段冷却停止温度の高い試験番号15、更にMn量が低い試験
番号27に係る鋼板は、パ−ライトが生成してしまい、十
分な量のベイナイトとマルテンサイトが得られなかった
ために延性や穴拡げ性が低い。
係る鋼板は、フェライト生成が多くて軟質化したため0.
65以上の降伏比が得られず、穴拡げ性が低い。仕上げ温
度の低い試験番号11に係る鋼板は、第2相がバンド化
し、かつ降伏比も低いために穴拡げ性が低い。第2段の
空冷を実施しなかった試験番号13に係る鋼板は、ポリゴ
ナルフェライトの生成が不十分でベイナイト量が多いた
め伸びが低い。第3段冷却速度の遅い試験番号14と第3
段冷却停止温度の高い試験番号15、更にMn量が低い試験
番号27に係る鋼板は、パ−ライトが生成してしまい、十
分な量のベイナイトとマルテンサイトが得られなかった
ために延性や穴拡げ性が低い。
【0035】更に、C量が高い試験番号24に係る鋼板
は、第2相の硬度が高くなって降伏強度が低いため、穴
拡げ性が低い。また、試験番号25に係る鋼板は、Siが低
いためフェライト生成量が小さくベイナイト量が多くな
り過ぎて、延性が低い。また、Si量が低い材料で第1段
冷却と第2段冷却を制御してフェライト生成を促進させ
た試験番号26に係る鋼板は、金属組織は本発明が狙いと
するものが得られているが、Siによるフェライトの強化
が小さいために降伏比が低くなり、穴拡げ性が低い。
は、第2相の硬度が高くなって降伏強度が低いため、穴
拡げ性が低い。また、試験番号25に係る鋼板は、Siが低
いためフェライト生成量が小さくベイナイト量が多くな
り過ぎて、延性が低い。また、Si量が低い材料で第1段
冷却と第2段冷却を制御してフェライト生成を促進させ
た試験番号26に係る鋼板は、金属組織は本発明が狙いと
するものが得られているが、Siによるフェライトの強化
が小さいために降伏比が低くなり、穴拡げ性が低い。
【0036】なお、図1は、表3に示す 「鋼種Aを使用
した試験試験番号1〜15のうちのパ−ライトが生成した
試験番号13,14を除いた熱延鋼板」 につき、 "強度−穴
拡げバランス(引張強度×穴拡げ率)”と "降伏比" と
の関係を整理して示したグラフである。
した試験試験番号1〜15のうちのパ−ライトが生成した
試験番号13,14を除いた熱延鋼板」 につき、 "強度−穴
拡げバランス(引張強度×穴拡げ率)”と "降伏比" と
の関係を整理して示したグラフである。
【0037】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、強度,延性並びに伸びフランジ性が共に優れてい
て、ア−ムやメンバ−等の自動車足廻り部品等に好適な
加工用高張力熱延鋼板を安定提供することが可能となる
など、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
ば、強度,延性並びに伸びフランジ性が共に優れてい
て、ア−ムやメンバ−等の自動車足廻り部品等に好適な
加工用高張力熱延鋼板を安定提供することが可能となる
など、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
【図1】実施例で製造した熱延鋼板の“強度−穴拡げバ
ランス(引張強度×穴拡げ率)"と“降伏比”との関係を
比較して示したグラフである。
ランス(引張強度×穴拡げ率)"と“降伏比”との関係を
比較して示したグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量割合にて C:0.02〜0.10%, Si: 0.7〜 2.0%, Mn: 0.8
〜 2.2%,P: 0.005〜0.10%, sol.Al:0.01〜0.10
%, S: 0.015%以下 を含有すると共に、残部がFe及び不可避不純物から成
り、かつポリゴナルフェライト,ベイナイト及びマルテ
ンサイトの複合組織を有していて、その内のマルテンサ
イトが体積率にて1〜15%,ベイナイトが体積率にて
8〜50%であるところの、降伏比が0.65以上の加工性
に優れる高強度熱延鋼板。 - 【請求項2】 重量割合にて C:0.02〜0.10%, Si: 0.7〜 2.0%, Mn: 0.8
〜 2.2%,P: 0.005〜0.10%, sol.Al:0.01〜0.10
%, S: 0.015%以下 を含み、更に Ca:0.0002〜0.01%, Zr:0.01〜0.10%,希土類元
素: 0.002〜0.10% の1種以上をも含有すると共に、残部がFe及び不可避不
純物から成り、かつポリゴナルフェライト,ベイナイト
及びマルテンサイトの複合組織を有していて、その内の
マルテンサイトが体積率にて1〜15%,ベイナイトが
体積率にて8〜50%であるところの、降伏比が0.65以上
の加工性に優れる高強度熱延鋼板。 - 【請求項3】 重量割合にて C:0.02〜0.10%, Si: 0.7〜 2.0%, Mn: 0.8
〜 2.2%,P: 0.005〜0.10%, sol.Al:0.01〜0.10
%, S: 0.015%以下 を含有すると共に残部がFe及び不可避不純物から成る鋼
片を、鋳造直後に或いは1100℃以上に再加熱して熱
間圧延し、最終パス出側温度:880〜980℃で熱間
圧延を終了してから、20〜80℃/sの冷却速度で57
0〜700℃まで冷却する第1段冷却と、これに続いて
1〜10秒間空冷を行う第2段冷却とを施し、更に20
〜100℃/sの冷却速度で350℃を下回る温度まで冷
却する第3段冷却を施した後に巻取ることを特徴とす
る、ポリゴナルフェライト,ベイナイト及びマルテンサ
イトの複合組織を有していて、その内のマルテンサイト
が体積率にて1〜15%,ベイナイトが体積率にて8〜
50%であるところの、降伏比が0.65以上の加工性に優
れる高強度熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 重量割合にて C:0.02〜0.10%, Si: 0.7〜 2.0%, Mn: 0.8
〜 2.2%,P: 0.005〜0.10%, sol.Al:0.01〜0.10
%, S: 0.015%以下 を含み、更に Ca:0.0002〜0.01%, Zr:0.01〜0.10%,希土類元
素: 0.002〜0.10% の1種以上をも含有すると共に残部がFe及び不可避不純
物から成る鋼片を、鋳造直後に或いは1100℃以上に
再加熱して熱間圧延し、最終パス出側温度:880〜9
80℃で熱間圧延を終了してから、20〜80℃/sの冷
却速度で570〜700℃まで冷却する第1段冷却と、
これに続いて1〜10秒間空冷を行う第2段冷却とを施
し、更に20〜100℃/sの冷却速度で350℃を下回
る温度まで冷却する第3段冷却を施した後に巻取ること
を特徴とする、ポリゴナルフェライト,ベイナイト及び
マルテンサイトの複合組織を有していて、その内のマル
テンサイトが体積率にて1〜15%,ベイナイトが体積
率にて8〜50%であるところの、降伏比が0.65以上の
加工性に優れる高強度熱延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22793792A JPH0649591A (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 加工性に優れる高強度熱延鋼板とその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22793792A JPH0649591A (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 加工性に優れる高強度熱延鋼板とその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0649591A true JPH0649591A (ja) | 1994-02-22 |
Family
ID=16868624
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22793792A Pending JPH0649591A (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 加工性に優れる高強度熱延鋼板とその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0649591A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006316301A (ja) * | 2005-05-11 | 2006-11-24 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高張力熱延鋼板とその製造方法 |
JP2009270171A (ja) * | 2008-05-09 | 2009-11-19 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱間圧延鋼板およびその製造方法 |
KR20150135227A (ko) | 2013-03-29 | 2015-12-02 | 니혼 야마무라가라스 가부시키가이샤 | 절연층 형성용 재료, 절연층 형성용 페이스트 |
KR20160089316A (ko) | 2016-07-18 | 2016-07-27 | 주식회사 포스코 | 소부경화능이 우수한 저항복비 고강도 열연강판 및 이의 제조방법 |
WO2018117470A1 (ko) | 2016-12-19 | 2018-06-28 | 주식회사 포스코 | 저온역 버링성이 우수한 고강도 강판 및 이의 제조방법 |
KR20240087906A (ko) | 2022-12-12 | 2024-06-20 | 주식회사 포스코 | 강판 및 그 제조방법 |
-
1992
- 1992-08-04 JP JP22793792A patent/JPH0649591A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006316301A (ja) * | 2005-05-11 | 2006-11-24 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高張力熱延鋼板とその製造方法 |
JP2009270171A (ja) * | 2008-05-09 | 2009-11-19 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱間圧延鋼板およびその製造方法 |
KR20150135227A (ko) | 2013-03-29 | 2015-12-02 | 니혼 야마무라가라스 가부시키가이샤 | 절연층 형성용 재료, 절연층 형성용 페이스트 |
KR20160089316A (ko) | 2016-07-18 | 2016-07-27 | 주식회사 포스코 | 소부경화능이 우수한 저항복비 고강도 열연강판 및 이의 제조방법 |
WO2018117470A1 (ko) | 2016-12-19 | 2018-06-28 | 주식회사 포스코 | 저온역 버링성이 우수한 고강도 강판 및 이의 제조방법 |
US11466336B2 (en) | 2016-12-19 | 2022-10-11 | Posco | High-strength steel sheet having excellent burring workability in low temperature range and manufacturing method therefor |
KR20240087906A (ko) | 2022-12-12 | 2024-06-20 | 주식회사 포스코 | 강판 및 그 제조방법 |
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