JPH0649390U - 磁気テープカセット用収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 デジタル・コンパクト・カセットあるいはア
ナログ・コンパクト・カセットのどちらでも収納できる
兼用タイプの磁気テープカセット用収納ケースを提供す
る。 【構成】 磁気テープカセットの一端部を収納するため
のポケットを有する蓋体と回転防止突起を有するケーシ
ング部材とが回転自在に枢着された磁気テープカセット
用収納ケース１である。そして、ハブストッパ５Ａが着
脱自在もしくは変形するよう構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、デジタル・コンパクト・カセットやアナログ・コンパクト・カセッ ト等のオーディオ用磁気テープカセットを保管する際に用いられる磁気テープカ セット用収納ケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】

オーディオ機器等に用いられる磁気テープカセットは、通常、その保管するの に、プラスチックからなる磁気テープカセット用収納ケース（以下、単に収納ケ ースという）に収納される。 すなわち、前記磁気テープカセット（以下、単にカセットという）は、周知の ごとく記録再生装置に装填された際に、磁気ヘッド等が挿入されるカセット前方 に開口部を備え、且つ該開口部を横切るようにして磁気テープを走行させるもの である。

【０００３】 したがって、前記開口部からカセット内に塵埃等の異物が侵入し易く、前記磁 気テープに塵埃が付着すると信号のドロップアウトが生じ、良好な記録・再生が 行われなくなり、又、前記カセットのハウジングは、合成樹脂を用いて成型した ものであり、落下等の衝撃により破壊されやすい。 そこで、前記磁気テープへの塵埃の付着防止およびカセット全体を保護するた め、前記収納ケースに収納している。 前記収納ケースの基本的な構成を述べると、該収納ケースは前記カセットの一 端が収納されるポケットを備える蓋体と、該蓋体に枢着され扉のように開閉でき るケーシング部材とからなり、前記蓋体およびケーシング部材は合成樹脂により 一体成型されたものである。

【０００４】 そして、前記収納ケースを成型する合成樹脂としては、透明度が高く、しかも 安価な一般用ポリスチレン（Ｇ．Ｐ．Ｐ．Ｓ）又はポリプロピレン（Ｐ．Ｐ）が 多用されていた。即ち、前記収納ケースに収納したカセットのデザインをケース 外から目視したり、前記カセットと共に収納されるインディクスカードの記載事 項を確認する必要から透明度の高い合成樹脂が多用されていた。 ところで、オーディオ用磁気テープカセットには、その記録方式としてアナロ グ方式とデジタル方式との二方式の磁気記録が採用されている。特に、デジタル 方式のものに対して塵埃侵入を厳しく警戒していることから、磁気テープカセッ ト自体にカセット開口部を閉じる開閉自在なカバー等が設けられ、又、磁気テー プを巻装したハブを回転する駆動軸の挿入を許容するハブ孔をも閉じる構成が採 用されているのが一般的であるが、この種のカセットにしても、収納ケースにて 保管を行うことがカセット保護の面で好都合であることは云うまでもない。

【０００５】 そして、デジタル・コンパクト・カセットとアナログ・コンパクト・カセット は、以前においては別々の記録再生装置を用いていたが、近年においては両方の 記録方式のカセットを一つの装置にて使用できる装置が開発されるに至った。し たがって、同じ状況下で使用されることが多くなり、また、両方式の磁気テープ カセットの外形寸法は殆ど同一であることから、同じ収納ケースを使用できれば 、ユーザーにとって好都合であるだけでなく、収納ケースの製造上においても同 じ製造ラインで生産できるメリットがある。

【０００６】 しかしながら、デジタル方式のカセットは、上述のようにハブ孔を閉じる構成 である一方、図７に示すように、アナログ式のカセット６にあってはデジタル方 式とは異なり一対のハブ孔７を有した構造である。すなわち、図７に示す前記カ セット６を収納するケース３０は、蓋体３２とケーシング部材３３とが扉のよう に開閉する構造であり、前記ケーシング部材３３には一対のハブストッパ３５が 一体形成されている。なお、図７にはカセットの厚み増大部１０を受容する凹部 １１を備えたスリムタイプの収納ケースを示す。 したがって、ハブ孔の塞がれた状態のデジタル方式のカセットは図７に示すよ うな前記ハブストッパ３５が形成された収納ケース３０には収納することはでき ない。また、デジタル方式のカセットを収納できる所謂ハブストッパ３５が設け られていない収納ケースに図７に示す如きカセットを使用した場合には、ハブ７ ａの係止ができないという不都合が生じてしまう問題があった。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、既述のように、今まで使用不能だったデジタル・コンパクト ・カセットもアナログ・コンパクト・カセットも両方のカセットを何ら問題なく 収納できる磁気テープカセット用収納ケースを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案の上記目的は、磁気テープカセットの一部に係合して該カセットを保持 可能な蓋体と該カセット内の磁気テープを巻装したハブを係止するハブストッパ を有するケーシング部材とが回転自在に枢着された磁気テープカセット用収納ケ ースにおいて、前記ハブストッパが着脱可能もしくは変形可能に構成されている ことを特徴とする磁気テープカセット用収納ケースにより達成することができる 。

【０００９】 更に望ましくは、前記ハブストッパが板状で且つその取付基部が折れ曲がり自 在なヒンジ部を有しており、さらに前記ケーシング部材の底面に前記取付基部に 沿って突出した押さえリブが形成されかつ該押さえリブとは前記ヒンジ部を挟ん で反対側をストッパ側面方向から係止可能に張り出した張出部を備えた係止リブ を備えており、前記係止リブは前記ストッパ側面が該係止リブよりも前記押さえ リブ側に位置したときに前記ハブストッパを該押さえリブとの間に挟むようにし て直立状態を保ち、前記ストッパ側面が前記係止リブを乗り越えて前記押さえリ ブとは反対側に位置したときには前記ハブストッパが前記ヒンジ部を支点にして 変形自在は状態となるように構成された磁気テープカセット用収納ケース、又、 前記ハブストッパの下端部に雄ねじ部を設けるとともに、前記ケーシング部材の 底面に前記雄ねじと螺合する雌ねじ部を形成する一方、該ハブストッパを着脱自 在に構成した磁気テープカセット用収納ケース、又、前記ハブストッパが弾性体 にて構成され、該ハブストッパ全体が変形自在に構成された磁気テープカセット 用収納ケース、更に、着脱可能の前記ストッパが前記ケーシング部材の側壁内側 にカセット厚み方向に沿うように形成されたリブにより、該側壁内面に係止でき るように構成された磁気テープカセット用収納ケースにより上記目的を達成する ことができる。

【００１０】

【実施態様】

以下、図面を参照して本考案の一実施態様について説明する。 図１に示した収納ケース１は、該収納ケース１の蓋体２の回動部にポケット４ を備える。ケーシング３は、前記蓋体２の回動部を後方に備え、その底面２０に は一対のハブストッパ５がそれぞれストッパ取付用の孔３ｂ（図８参照）に螺着 されており、このハブストッパ５は着脱自在である。また、凹部１１は、前述し た磁気テープカセット６の前方に形成された台形状の厚み増大部１０に対応する もので、蓋体２とケーシング３の夫々前方に形成されており、該磁気テープカセ ット６の後方を収納ケース１の蓋体２のポケット４に装填した時、該カセット６ の膨出部１０の出っ張り分を収納し、該収納ケースをスリムに仕上げ、該カセッ トが収納されると、前記ハブストッパ５でハブの回転防止が計られている。また 、着脱可能の前記ハブストッパ５が前記ケーシング部材３の側壁内側にカセット 厚み方向に沿うように形成されたリブ８により、該側壁内面に係止できるように 構成されている。

【００１１】 図２を参照して図１に示した前記ハブストッパ５についてさらに説明する。 図２に示した山形状の前記ハブストッパ５は全体的に平板形状であり、その下 面５ｄには、前記ケーシング３の底面２０に形成された雌ねじ部に螺合する雄ね じ部１３が設けられている。この雌ねじ部は前記底面２０を貫通するものでよく 、例えば該雄ねじ部１３の長さが前記底面２０の厚さに略一致する長さに構成さ れている。また、前記ハブストッパ５が図１に示すように前記ケーシング部材３ の内側に装着されているときは、図７に示す如きアナログ方式のカセット６を収 納することができる。

【００１２】 一方、図６に示すようにカセット本体の前面開口部分をカバー９の前面部分９ ａで覆い、かつカセット後方に伸びた下面部９ｂでハブ孔７を覆うように構成さ れたデジタル方式のカセット６Ａを収納するときには、前記ハブストッパ５を取 り外すことにより収納が可能になる。 この取り外した前記ハブストッパ５は、前記リブ８により形成された間隙に収 納することができる。すなわち、前記リブ８は、例えばカセット位置決め用に形 成されたリブを変形した構成でよく、図８に示すように、ケース側壁から張り出 した張出部８ａと屈曲部８ｂとからなり平面形状が略Ｌ字形状のものを向い合せ に形成し、この間隙にハブストッパ８を収納することができる。これにより前記 ハブストッパ５の紛失を防止するようにできる。なお、前記リブ８の張出部８ａ はその上端面を適宜傾斜させた構成とすることにより、カセット位置決め作用を 効果的に発揮することができる。 なお、前記ハブストッパ５を外したときに保管する部分は、前記リブ８に限定 されるものではなく、前記ケーシング部材３の例えば前面側壁３Ａの外面には２ 個の雌ねじ部３ａを形成し、該雌ねじ部３ａにケース外面側から螺合するように 構成してもよい。また更に、前記孔３ｂがケース外面まで貫通した孔であるとき には、該孔３ｂにケース外面に付け替えることにより、上述の目的は達成できる ので、例えば前記前面側壁３Ａの外面に前記雌ねじ部３ａを形成するような構成 は特に設けなくてもよいことになる。 なお、前記ハブストッパ５は螺合による着脱自在構造でなく、例えば前記雄ね じ部１３を割りピン状にするとことにより嵌着構造を採用することもできる。

【００１３】 図３に示す他の実施態様の収納ケース１は、ハブストッパ５Ａが変形するタイ プのものである。なお、本実施態様における収納ケース１は、前記ハブストッパ ５Ａ及びその周辺構造以外は図１に示した構成と全く同じであるので、図１と同 符号を付してその説明を省略する。 本実施態様における底面２０には前記ハブストッパ５Ａを設ける領域が例えば 矩形状に底面が深くなったくぼみ部２１が形成されており、前記くぼみ部２１に 前記ハブストッパ５Ａが設けられている。

【００１４】 前記ハブストッパ５Ａは板状を呈するもので、その突出基部の近傍には薄肉の ヒンジ部１４が形成されており、さらに該ハブストッパ５Ａの下端片側面を押さ えることができる適宜高さの押さえリブ１５と、該押さえリブ１５とは反対側の 面を押さえることのできる係止リブ１７が形成されている。前記押さえリブ１５ は例えば図示の如く前記ハブストッパ５Ａの幅方向に沿って伸びた構成である。 一方、前記係止リブ１７は、前記押さえリブ１５とは反対側のストッパ側面を係 止可能な張出部１６が横方向に張り出した例えば略逆Ｌ字状の突起である。

【００１５】 したがって、前記ハブストッパ５Ａのストッパ側面５ｂが前記係止リブ１７よ りも前記押さえリブ１５側に位置したときには、前記張出部１６が該ハブストッ パ５Ａを該押さえリブ１５との間に挟むようにして該ストッパ５Ａの直立状態を 保つ。また、前記ハブストッパ５Ａは手指にて回動（図４の矢印Ｘ方向）するこ とがにより倒すことができる。すなわち、前記ストッパ側面５ｂを前記係止リブ １７の張出部１６を乗り越えるようにして移動させて（図示の矢印Ｘ方向に回転 ）、前記押さえリブ１５とは反対側に位置したときには、前記ハブストッパ５Ａ は前記ヒンジ部１４を支点にして変形自在は状態となる。 なお、前記係止リブ１７は前記ハブストッパ５Ａの左右両側に一対設けても、 また片側だけでもよい。

【００１６】 このように構成されることにより、ハブ係止構造とハブ係止を行わないタイプ の収納ケースとして使用することができる。なお、ハブ係止を行わない場合、す なわちデジタル方式のカセット６Ａを収納するときには前記ハブストッパ５Ａは 倒れた状態であるが、ある程度立ち上がった状態とすることにより、前記カセッ ト６Ａを押すような作用を持たせることができる。なお、前記係止リブ１７およ び前記押さえリブ１５の突出高さは前記カセット６Ａを収納する時に支障をきた さない高さに構成されていることは勿論である。

【００１７】 また、前記くぼみ部２１は必ずしも形成する必要はないが、前記係止リブ１７ および前記押さえリブ１５の突出高さを稼ぐのに好都合である。さらに、前記く ぼみ部２１は前記ケーシング部材３の底面２０に開口を形成し、該底面２０の外 側から別体にて形成したハブストッパ部材をはりつける構造、すなわちハブスト ッパとくぼみ部を構成する板部を一体に形成したハブストッパ部材を前記開口に 固定した構造とすることができる。

【００１８】 図５には他の実施態様の要部を示す。ここに示したハブストッパ５Ｂは、合成 樹脂又はゴムを素材とするスポンジ状の構成のもので、例えばその形状が円筒状 に形成されており、ケーシング３の底部２０にハブ７に対応する位置に一対固定 されている。この構成の場合、ハブ係止タイプの前記カセット６に対しては、前 記ハブストッパ５Ｂの先端部分が少し変形し（ハブ７の当接力Ｆにより少し変形 して）前記ハブ７に当接した状態となりハブ係止ができる。一方、ハブ係止をし ないタイプの前記カセット６Ａに対しては、該カセット６Ａの側面により押され （押圧力Ｆ）ることにより、その体積が想像線５Ｄにて示す如く数分の一程度に 小さくなるように変形して、該カセット６Ａの収納を許容することができる。 この場合の前記ハブストッパ５Ｂは前記カセット６およびカセット６Ａを適宜 力にて押圧することができるので、カセットのがた付きを抑えることができるも のである。

【００１９】 以上述べた本考案の前記各収納ケース１は、図７に示した従来の収納ケース３ ０と構成が共通の部分を有しており、その生産においてその生産ラインを全面的 に変更しなくても製造することができる。 また、本考案は上記各図に示した構成に何ら限定されるものではなく、例えば 前記ハブストッパの形状も種々変更できることは勿論であり、また、収納ケース についても、ポケットの形状やスリムタイプでない収納ケースにも適用できるこ とは勿論である。

【００２０】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案は、磁気テープカセットのハブの回転を防止するハ ブストッパが収納ケースから着脱可能もしくは変形可能に構成されたものである 。したがって、カセット外形寸法が略同じで、ハブストッパを必要としないデジ タル・コンパクト・カセットとを収納することも、ハブストッパを必要とするア ナログ・コンパクト・カセットを収納することもでき、使い勝手が向上できるも のである。また、従来のハブストッパを一体成形した収納ケースと構成が共通の 部分を有えるこうに構成することができ、その生産において従来の生産ラインを 全面的に変更しなくても製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施態様である収納ケースの斜視図
である。

【図２】図１に示したハブストッパの拡大斜視図であ
る。

【図３】本考案の他の実施態様における収納ケースを開
いた状態の斜視図である。

【図４】図３に示したハブストッパの拡大斜視図であ
る。

【図５】本考案によるハブストッパの他の実施態様を示
す拡大斜視図である。

【図６】デジタル・コンパクト・カセットの実体斜視図
である。

【図７】従来の収納ケースと磁気テープカセットの実体
斜視図である。

【図８】図１に示した収納ケースの要部斜視図である。

【符号の説明】

１ 磁気テープカセット用収納ケース ２ 蓋体 ３ ケーシング部材 ４ ポケット ５，５Ａ，５Ｂ ハブストッパ ５ｂ ストッパ側面 ５ｄ ハブストッパの下面 ６ アナログタイプの磁気テープカセット ６Ａ デジタルタイプの磁気テープカセット ７ ハブ孔 ７ａ ハブ ９ カバー １１ 凹部 １３ 雄ねじ部 １４ ヒンジ部 １５ 押さえリブ １６ 張出部 １７ 係止リブ ２０ 底面 ２１ くぼみ部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気テープカセットの一部に係合して該
   カセットを保持可能な蓋体と該カセット内の磁気テープ
   を巻装したハブを係止するハブストッパを有するケーシ
   ング部材とが回転自在に枢着された磁気テープカセット
   用収納ケースにおいて、前記ハブストッパが着脱可能も
   しくは変形可能に構成されていることを特徴とする磁気
   テープカセット用収納ケース。
2. 【請求項２】 前記ハブストッパが板状で且つその取付
   基部が折れ曲がり自在なヒンジ部を有しており、さらに
   前記ケーシング部材の底面に前記取付基部に沿って突出
   した押さえリブが形成されかつ該押さえリブとは前記ヒ
   ンジ部を挟んで反対側をストッパ側面方向から係止可能
   に張り出した張出部を備えた係止リブを備えており、前
   記係止リブは前記ストッパ側面が該係止リブよりも前記
   押さえリブ側に位置したときに前記ハブストッパを該押
   さえリブとの間に挟むようにして直立状態を保ち、前記
   ストッパ側面が前記係止リブを乗り越えて前記押さえリ
   ブとは反対側に位置したときには前記ハブストッパが前
   記ヒンジ部を支点にして変形自在は状態となるように構
   成されたことを特徴とする請求項１の磁気テープカセッ
   ト用収納ケース。
3. 【請求項３】 前記ハブストッパの下端部に雄ねじ部を
   設けるとともに、前記ケーシング部材の底面に前記雄ね
   じと螺合する雌ねじ部を形成する一方、該ハブストッパ
   を着脱自在に構成したことを特徴とする請求項１に記載
   の磁気テープカセット用収納ケース。
4. 【請求項４】 着脱可能の前記ストッパが前記ケーシン
   グ部材の側壁内側にカセット厚み方向に沿うように形成
   されたリブにより、該側壁内面に係止できるように構成
   されたことを特徴とする請求項１に記載の磁気テープカ
   セット用収納ケース。
5. 【請求項５】 前記ハブストッパが弾性体にて構成さ
   れ、該ハブストッパ全体が変形自在に構成されたことを
   特徴とする請求項１に記載の磁気テープカセット用収納
   ケース。